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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147113
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】排泄情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20220929BHJP
   A47K 13/30 20060101ALI20220929BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20220929BHJP
   G01N 11/00 20060101ALI20220929BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20220929BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
A47K13/30 Z
G01N33/50 Z
G01N11/00 C
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048230
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木塚 里子
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直哉
(72)【発明者】
【氏名】戸崎 正道
(72)【発明者】
【氏名】荒木 祐介
(72)【発明者】
【氏名】合田 美奈
(72)【発明者】
【氏名】藤野 翔太
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2G045
5L099
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AD00
2D037AD16
2D038JF04
2D038KA03
2D038KA06
2D038KA11
2D038KA21
2D038KA26
2D038ZA03
2G045AA22
2G045AA40
2G045CB04
2G045FA14
2G045FA25
2G045FA32
2G045GC08
2G045GC30
2G045JA01
2G045JA07
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】大便の排泄に要した時間を認識可能にすること。
【解決手段】実施形態に係る排泄情報管理システムは、便器の上方に設置された便座装置と、前記便器に人が座ったことを検知する着座センサと、大便を検知する検知部と、使用者の排泄情報を表示する表示部と、を有する排泄情報管理システムであって、前記便座装置は、時刻を検知する時計部を有し、前記時計部は、前記着座センサにより使用者が座ったことを検知した時刻と、前記検知部が取得した大便を最初に検知した時刻との差分からなる大便に要する時間を取得し、前記表示部は、前記大便に要する時間を表示する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の上方に設置された便座装置と、
前記便器に人が座ったことを検知する着座センサと、
大便を検知する検知部と、
使用者の排泄情報を表示する表示部と、
を有する排泄情報管理システムであって、
前記便座装置は、
時刻を検知する時計部を有し、
前記時計部は、
前記着座センサにより使用者が座ったことを検知した時刻と、前記検知部が取得した大便を最初に検知した時刻との差分からなる大便に要する時間を取得し、
前記表示部は、
前記大便に要する時間を表示する
ことを特徴とする排泄情報管理システム。
【請求項2】
前記表示部は、
前記大便に要した時間を、排泄の日時ごとに時系列で表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の排泄情報管理システム。
【請求項3】
前記検知部は、
前記便器の封水部の水位の変化を検知することにより大便を検知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排泄情報管理システム。
【請求項4】
前記検知部は、
大便から放出される赤外線を受光する放射温度計であり、放射温度を検知することにより大便を検知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排泄情報管理システム。
【請求項5】
前記検知部は、
電磁波または超音波を大便に対して発信し、大便から反射した信号を受信することにより大便を検知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排泄情報管理システム。
【請求項6】
前記検知部は、
落下中の大便から放射される信号、または落下中の大便から反射される信号を取得することにより大便を検知する
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の排泄情報管理システム。
【請求項7】
便の性状を記憶する記憶部を有し、
前記記憶部は、
前記便の性状について硬さに基づく少なくとも3段階のレベルのうちいずれであるかを示す情報を少なくとも記憶し、
前記表示部は、
前記大便に要する時間とともに、前記記憶部に記憶された前記便の性状を表示する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の排泄情報管理システム。
【請求項8】
前記検知部による前記便の性状の検知結果は、自動で記憶部に入力され、
前記表示部は、
前記大便に要した時間を、排泄の日時ごとに表示する
ことを特徴とする請求項7に記載の排泄情報管理システム。
【請求項9】
前記便の性状と前記大便に要する時間に応じて、排泄の良し悪しを評価する評価部、
を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の排泄情報管理システム。
【請求項10】
前記評価部は、
前記大便に要する時間が短いほど評価が高くなるように評価し、前記便の性状が前記3段階のレベルのうち通常を示すレベルであるほうが、評価が高くなるように評価する
ことを特徴とする請求項9に記載の排泄情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、排泄情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康管理に役立てるため、大便(以下「便」ともいう)の性状や体積、大便への血液付着を自動で検出し、その検出結果を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1、2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-146244号公報
【特許文献2】特開2016-004005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術は、大便の性状といった大便という物体自体の特徴(指標)を検出し、表示するものであり、トイレの使用者が大便の排泄に要した時間等、大便を排泄する行為(排泄行為)の特徴(指標)を検出し、表示するものではない。そのため、上述の従来技術では、使用者が排泄行為にどの程度時間を要したかといった排泄行為自体の特徴(指標)がどの程度であるかを使用者に認識させることが難しく、大便の排泄に要した時間を認識可能にすることが望まれている。
【0005】
開示の実施形態は、大便の排泄に要した時間を認識可能にする排泄情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムは、便器の上方に設置された便座装置と、前記便器に人が座ったことを検知する着座センサと、大便を検知する検知部と、使用者の排泄情報を表示する表示部と、を有する排泄情報管理システムであって、前記便座装置は、時刻を検知する時計部を有し、前記時計部は、前記着座センサにより使用者が座ったことを検知した時刻と、前記検知部が取得した大便を最初に検知した時刻との差分からなる大便に要する時間を取得し、前記表示部は、前記大便に要する時間を表示することを特徴とする。
【0007】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、使用者が便器に座ってから、大便が最初に検知されるまでの要した時間を大便の排泄(「排便」ともいう)に要する時間(「大便に要する時間」または「排泄に要する時間」ともいう)として表示する。これにより、排泄情報管理システムは、大便の排泄に要した時間を認識可能にすることができる。一般的には、排便は座ってから出るまでの時間が短いほうがよいと言われている。一般的には、トイレに行って、スムーズに短時間で排泄するとよい。つまり、よい排泄では、トイレに座ってから排泄するまでの時間は短い傾向がある。一方で、便秘の場合、便が硬いため、座ってから排泄するまでの時間が長い。排泄情報管理システムは、使用者に大便(排泄)に要する時間を見せることで、使用者自身に大便の排泄に要した時間を認識させることで、使用者自身が排泄の良し悪しを判断することが可能になる。
【0008】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記表示部は、前記大便に要した時間を、排泄の日時ごとに時系列で表示する。
【0009】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、大便の排泄に要した時間(「大便に要した時間」または「排泄に要した時間」ともいう)を、その大便の排泄の日時ごとに時系列で表示する。これにより、排泄情報管理システムは、大便の排泄に要した時間を時系列で認識可能にすることができる。例えば、便秘改善に取り組む人は、座ってから出るまでの時間が短くなる過程が見えると、改善の効果がわかり、改善行動継続のモチベーションになる。排泄情報管理システムは、使用者に時系列で大便に要する時間の変化(改善の効果)を認識させることができ、使用者が改善行動継続するモチベーションを向上させることができる。
【0010】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記検知部は、前記便器の封水部の水位の変化を検知することにより大便を検知する。
【0011】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、使用者による大便を水位の増加傾向で判定する(見る)ため、排泄の有無や種類が簡単に取得することが可能となる。例えば、尿は時間に対して緩やかに水位が増え、便(大便)は急峻に水位が増える。そのため、排泄情報管理システムは、上記のような水位の変化の違いにより、使用者の大便を適切に検知することができる。
【0012】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記検知部は、大便から放出される赤外線を受光する放射温度計であり、放射温度を検知することにより大便を検知する。
【0013】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、使用者による大便を放射温度で判定する(見る)ことにより、使用者が排泄した便の温度を基に、使用者の大便を適切に検知することができる。例えば、排泄情報管理システムは、尿と便の違いがはっきり分かることが可能となる。
【0014】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記検知部は、電磁波または超音波を大便に対して発信し、大便から反射した信号を受信することにより大便を検知する。
【0015】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、電磁波または超音波を大便に対して発信し、大便から反射した信号を受信することで、受信した信号を基に使用者による大便を判定する。このように、排泄情報管理システムは、大便から反射した信号を受信することにより、使用者の大便を適切に検知することができる。なお、発信する信号は、光(可視光、不可視光)、マイクロ波等の電磁波、または超音波等、大便の検知に利用可能な信号であれば、どのような信号であってもよい。
【0016】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記検知部は、落下中の大便から放射される信号、または落下中の大便から反射される信号を取得することにより大便を検知する。
【0017】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、落下中の大便に対して発信し、落下中の大便から反射した信号を受信することで、受信した信号を基に使用者による大便を判定することができる。例えば、排泄情報管理システムは、落下中の便を検知することで、排泄した瞬間を逃さず検知できるため、封水に落ちた後の便を検知する場合よりも、より精度良く排泄の時間を計測することができる。このように、排泄情報管理システムは、落下中の大便から反射した信号を受信することにより、使用者の大便を適切に検知することができる。なお、発信する信号は、光(可視光、不可視光)、マイクロ波等の電磁波、または超音波等、大便の検知に利用可能な信号であれば、どのような信号であってもよい。
【0018】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、便の性状を記憶する記憶部を有し、前記記憶部は、前記便の性状について硬さに基づく少なくとも3段階のレベルのうちいずれであるかを示す情報を少なくとも記憶し、前記表示部は、前記大便に要する時間とともに、前記記憶部に記憶された前記便の性状を表示する。
【0019】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、大便に要する時間とともに、便の性状(「便性状」ともいう)を表示することにより、使用者に便性状も認識可能にすることができ、使用者が排泄に関する情報を把握することができる。
【0020】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記検知部による前記便の性状の検知結果は、自動で記憶部に入力され、前記表示部は、前記大便に要した時間を、排泄の日時ごとに表示する。
【0021】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、便性状の識別結果を自動で入力されるので、使用者の手間を省くことが可能となる。これにより、排泄情報管理システムは、使用者の利便性を向上させ、使用者に排泄に関する情報管理サービスの利用を促進させることができる。例えば、排泄情報管理システムによれば、軟便の場合は、大便に要する時間が短いが、腸の状態はよいとは言えないため軟便かどうかを合わせて自動で入力することが可能となる。
【0022】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記便の性状と前記大便に要する時間に応じて、排泄の良し悪しを評価する評価部、を有する。
【0023】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、便の性状と大便に要する時間とを用いることにより、適切に排泄の良し悪しを評価することが可能となる。例えば、よい排泄とは、バナナ状の明るい色の便(例えば普通便等)が、スムーズに出ることよい便と言われている。便意を感じてからトイレに行き、すぐに排泄されるとよいと言われている。また、すぐに排泄できても、便性状が悪い便(例えば軟便等)である場合、健康状態はよくない。そこで排泄行為を表す、排泄にかかる時間を定量的に取得し、便の性状とを合わせて総合的に排泄行為の良し悪しを一義的に示すことにより、使用者に排泄に関するより精緻な情報を認識可能にすることができる。
【0024】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記評価部は、前記大便に要する時間が短いほど評価が高くなるように評価し、前記便の性状が前記3段階のレベルのうち通常を示すレベルであるほうが、評価が高くなるように評価する。
【0025】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、大便に要する時間が短いほど高く、かつ便性状が通常であるほど高くを評価することにより、適切な評価が可能となる。例えば、排泄情報管理システムは、大便に要する時間が短いほど、評価が高く、且つ、便の形状が、通常レベルの便(例えば普通便)のほうが通常レベル以外の便(例えば軟便、硬便)よりも評価が高くなるように評価する。このように、排泄情報管理システムは、一義的な指標で排泄の良し悪しを表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
実施形態の一態様によれば、大便の排泄に要した時間を認識可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、トイレルーム内の構成の一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
図6図6は、排泄に要する時間の表示の一例を示す図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
図9図9は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
図10図10は、第3の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図11図11は、第3の実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
図12図12は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
図13図13は、排泄に要する時間の表示の一例を示す図である。
図14図14は、排泄に関する情報の入力の一例を示す図である。
図15図15は、第4の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図16図16は、第4の実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
図17図17は、データの取得方法の一例を示す図である。
図18図18は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
図19図19は、第5の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図20図20は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
図21図21は、排泄に要する時間の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する排泄情報管理システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0029】
<1.第1の実施形態>
以下に説明する各実施形態に係る排泄情報管理システムでは、センサを用いた検知により使用者が大便の排泄に要する時間(以下「排泄時間」ともいう)を取得する。まず、第1の実施形態として、便器内の水位を基に排泄に要する時間(排泄時間)を取得する場合を示す。
【0030】
<1-1.排泄情報管理システムの構成>
第1の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成について、図1図3を参照して説明する。図1は、トイレルーム内の構成の一例を示す斜視図である。図2は、第1の実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
【0031】
まず、図1を用いて排泄情報管理システム1のうち、各実施形態で共通するトイレルームR内の構成例について説明する。以下、図1及び図2に示すトイレルームR内の構成をトイレシステムTSと総称する場合がある。図1に示すように、トイレルームRには、床面Fに、洋式大便器(以下「便器」と記載する)7が設置される。なお、以下では、床面FからトイレルームRの空間内に臨む向きを上と記載する。便座装置2は、便器7の上部に設けられる。
【0032】
便器7は、例えば、陶器製である。便器7には、ボウル部8が形成される。ボウル部8は、下方に凹んだ形状であり、使用者の排泄物を受ける部位である。なお、便器7は、図示のような床置き式に限らず、トイレシステムTSを適用可能であれば、どのような形式でもよく、壁掛け式等のような形式であってもよい。便器7には、ボウル部8が臨む開口の端部の全周にわたってリム部9が設けられる。トイレルームRには、例えば、便器7付近に洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設置されてもよいし、洗浄水タンクが設置されない、いわゆるタンクレス式でもよい。
【0033】
例えば、トイレルームRに設けられた洗浄用の洗浄操作部(図示省略)が使用者により操作されると、便器7のボウル部8への洗浄水の供給による便器洗浄が実施される。洗浄操作部は操作レバーや、操作装置10に表示された便器洗浄オブジェクトに対するタッチ操作であってもよい。なお、洗浄操作部は、操作レバーなどのような使用者の手動によって便器洗浄を実施させるものに限らず、着座センサ301のような使用者を検知するセンサの人体検知によって便器洗浄を実施させるものでもよい。
【0034】
便座装置2は、便器7の上部に取り付けられ、本体部3と、便蓋4と、便座5と、洗浄ノズル6とを備える。便座装置2は、排泄物を受けるボウル部8が形成された便器7の上部に載置される。便座装置2は、洗浄ノズル6が洗浄水を噴射する前にボウル部8に進出するように便器7の上部に載置される。なお、便座装置2は、便器7に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器7と一体化するように取り付けられてもよい。
【0035】
図1に示すように、便座5は、中央に開口50を有する環状に形成され、リム部9に沿って、便器7の開口に重なる位置に配置される。便座5は、使用者が着座する。便座5は、着座した使用者の臀部を支持する着座部として機能する。また、図1に示すように、便蓋4及び便座5は、それぞれの一端部が本体部3に軸支され、本体部3の軸支部分を中心として回動可能(開閉可能)に取り付けられる。なお、便蓋4は、便座装置2に必要に応じて取り付けられ、便座装置2は、便蓋4を有しなくてもよい。
【0036】
洗浄ノズル6は、洗浄用の水を吐水するためのノズルである。洗浄ノズル6は、洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、使用者に向けて洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、局部洗浄用のノズルである。洗浄ノズル6は、電動モータなどの駆動源(図4中のノズルモータ61等)の駆動により、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進退可能に構成される。また、洗浄ノズル6は、図示しない水道管などの水源に接続される。そして、洗浄ノズル6は、図1に示すように、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進出した位置(以下「進出位置」ともいう)にあるときに、水源からの水を使用者の身体へ噴出させて局部を洗浄する。
【0037】
図1では、洗浄ノズル6が進出位置にある状態を示す。なお、洗浄ノズル6は、便器7(ボウル部8等)内の洗浄用にも共用されてもよい。洗浄ノズル6は、使用者の局部を洗浄する局部洗浄モードと、便器7内に水を撒く便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。例えば、洗浄ノズル6は、便座装置2の制御部23(図4参照)による制御に応じて、局部洗浄モードと便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。
【0038】
操作装置10は、トイレルームR内に設けられる。操作装置10は、使用者が操作可能な位置に設けられる。操作装置10は、使用者が便座5に着座時において、操作可能な位置に設けられる。図1に示す例において、操作装置10は、便座5に着座した使用者から見て右側方の壁面Wに配置される。なお、操作装置10は、便座5に着座した使用者が利用可能であれば、壁面に限らず、種々の態様により配置されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置2と一体に設けられてもよい。
【0039】
ここで、図2を参照して、センサの配置の一例を説明する。図2は、センサの配置を示すために、便蓋4を除き、便座5において使用者が着座する面(着座面)の反対側の面である裏面51を図示するために、便座5を上げた状態を示す図である。
【0040】
図2では、洗浄ノズル6(図1参照)が本体カバー30内に収納される位置(以下「収納位置」ともいう)にある状態を示す。図2に示すように、洗浄ノズル6が収納位置にある場合、ノズル用蓋60は閉じられており、洗浄ノズル6は、ノズル用蓋60の裏に隠されている。洗浄ノズル6による洗浄が行われる場合、ノズル用蓋60が開放するとともに、本体カバー30の開口(図2の閉鎖状態であるノズル用蓋60が塞ぐ開口)から洗浄ノズル6が突出し、洗浄ノズル6は、進出状態に移行する。
【0041】
図2に示すように、排泄情報管理システム1で用いられるセンサである着座センサ301及び水位センサ302は、便座5の裏面51側に配置される。着座センサ301は、便座5の裏面51から着脱可能であってもよいし、便座5の裏面51に固定されていてもよい。着座センサ301は、便座装置2の構成に含まれてもよい。また、水位センサ302は、便座5の裏面51から着脱可能であってもよいし、便座5の裏面51に固定されていてもよい。水位センサ302は、本体カバー30内に配置されてもよい。水位センサ302は、便座装置2の構成に含まれてもよい。
【0042】
なお、着座センサ301は、使用者による便座5への着座が検知可能であれば、どのような検知方式でも良く、またどのような場所に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が赤外線方式やμ(マイクロ)波方式の測距センサであり距離で着座を検知する場合、着座センサ301は便器7側方から人の足を検知する位置や便器7に付いているタンクから人の背中を検知する位置に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が便器7側方から人の足を検知する場合、着座センサ301は、図2に示す便器7の外周部付近に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が便器7に付いているタンクから人の背中を検知する場合、着座センサ301は、図2に示す便器7の後部に設けられたタンクの外周部に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が測距センサであり距離で着座を検知する場合、着座センサ301は便器7の周囲に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が距離で着座を検知する場合、トイレルームRの天井に配置されてもよい。また例えば、着座センサ301が接点スイッチで、着座したことによる便座の沈み込みを検知する場合、着座センサ301は便座5の軸支部分に配置されてもよい。また例えば、着座センサ301が荷重センサで、便座にかかった重さで着座を検知する場合、着座センサ301は便座5の裏面で、便器7と接する面に配置されてもよい。また、水位センサ302は、便器7の封水部(例えばボウル部8の封水が溜まる部分)の水位変化を検知可能であれば、どのような場所に配置されてもよい。
【0043】
図3に示すように、排泄情報管理システム1は、便座装置2、操作装置10、着座センサ301及び水位センサ302を含むトイレシステムTSと表示装置200とを有する。排泄情報管理システム1には、複数のトイレシステムTSや、複数の表示装置200が含まれてもよい。
【0044】
便座装置2は、トイレルームR内に配置される装置である。便座装置2は、トイレシステムTSの各装置(操作装置10、着座センサ301及び水位センサ302)や表示装置200との間で通信する。便座装置2は、表示装置200に表示させる情報を表示装置200へ送信する。便座装置2は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離通信により、トイレルームR内の使用者が利用するユーザ端末である表示装置200と通信し、表示装置200に表示させる情報を表示装置200へ送信してもよい。なお、便座装置2の構成等の詳細は後述する。
【0045】
操作装置10は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、操作装置10は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と操作装置10とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0046】
操作装置10は、例えばタッチパネル機能により表示面(例えば表示画面11)を介して使用者からの各種操作を受け付ける。また、操作装置10は、スイッチやボタンを備え、スイッチやボタン等により各種操作を受け付けてもよい。表示画面11は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、操作装置10は、表示画面11により使用者の入力を受け付け、使用者への出力も行う。表示画面11は、各種情報を表示する表示装置である。
【0047】
操作装置10は、便座装置2により実行中の制御を止めるためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2による局部洗浄の実行を開始するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、使用者による洗浄ノズル6への指示を受け付ける。操作装置10は、便座装置2に所定の音を出力させるためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2の洗浄ノズル6(図1参照)を除菌水で殺菌する殺菌処理を行うためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2による局部洗浄時の吐水の勢いを調整するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2が出力する音の音量を調整するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、トイレの利用に関する情報を操作装置10に表示したり音声出力したりする際の言語を選択するためのユーザの操作を受け付ける。
【0048】
例えば、操作装置10は、上述したユーザの操作を受け付けるオブジェクトを表示画面11に表示し、表示したオブジェクトに対するユーザの接触に応じて、各種処理を実行してもよい。例えば、操作装置10は、上述したユーザの操作を受け付けるスイッチやボタン等を有し、スイッチやボタン等に対するユーザの接触に応じて、各種処理を実行してもよい。なお、上記は一例であり、操作装置10は、各種処理を実行するユーザによる操作を受け付けてもよい。
【0049】
着座センサ301は、便座装置2への人の着座を検知する機能を有する。着座センサ301は、使用者が便器7に座った(着座した)ことを検知する。着座センサ301は、便座5に対する使用者による着座を検知可能である。着座センサ301は、使用者による便座5からの離座を検知する離座検知センサとしても機能する。着座センサ301は、便座5に対する使用者の着座状態を検知する。
【0050】
着座センサ301は、例えば便座5に着座した使用者の荷重によってON・OFFが切り替わるスイッチである。着座センサ301は、使用者が着座して、便座5が沈むとスイッチが入ることにより、使用者が便器7に座ったことを検知する。
【0051】
なお、上記は一例であり、着座センサ301は、上記に限らず、種々の手段により便座装置2への人の着座を検知してもよい。着座センサ301は、着座検知信号を便座装置2へ送信する。
【0052】
着座センサ301は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、着座センサ301は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と着座センサ301とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、着座センサ301は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0053】
水位センサ302は、便器7の封水部の水位変化を検知する検知部として機能する。水位センサ302は、便器7の封水部の水位の変化を検知することにより大便を検知する。水位センサ302は、便器7の封水部の水面の位置を検知する。例えば、水位センサ302は、測距センサである。水位センサ302は、便座5を下げた状態(便座5に使用者が着座し排便可能な状態)において、便器7の封水部の水位変化を検知可能な位置及び向きで、便座5の裏面51に配置される。例えば、水位センサ302は、便器7の封水部に指向性を向けて便座5に設けられる。なお、水位センサ302は、使用者の大便による水の変化を検知可能であれば、どのような配置態様であってもよい。例えば、水位センサ302は、封水部とつながっているトラップ部の水位を検知してもよい。
【0054】
水位センサ302は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、水位センサ302は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と水位センサ302とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、水位センサ302は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0055】
表示装置200は、使用者の排泄に関する各種情報(排泄情報)を表示する表示部として機能する。表示装置200は、便座装置2から排泄に要する時間を示す情報を受信し、受信した排泄に要する時間を示す情報を表示する。例えば、表示装置200は、大便に要した時間(排泄に要した時間)を、その大便の排泄の日時ごとに時系列で表示する。
【0056】
例えば、表示装置200は、使用者(ユーザ)によって利用されるユーザ端末(コンピュータ)である。表示装置200は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)等により実現される。例えば、表示装置200は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、表示装置200は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。
【0057】
表示装置200は、便座装置2との間で情報を送受信する。表示装置200は、使用者の排泄に関する情報を便座装置2から受信し、受信した情報を表示する。例えば、表示装置200は、使用者の排泄時間を示すコンテンツを便座装置2から受信し、受信したコンテンツを表示する。
【0058】
なお、上記は一例に過ぎず、排泄情報管理システム1は、所望の処理を実現可能であれば任意の装置構成が採用可能である。例えば、操作装置10が排泄に要する時間を表示する表示部として機能してもよい。例えば、操作装置10と表示装置200とは一体(1つの装置)であってもよい。この場合、ユーザ端末は排泄情報管理システム1に含まれなくてもよい。また、操作装置10及びユーザ端末の両方が表示部として機能する装置として排泄情報管理システム1に含まれてもよい。また、排泄情報管理システム1に含まれる水位センサ302等のセンサ(検知部)は、便座装置2が有してもよい。
【0059】
また、排泄情報管理システム1には、着座センサ301や水位センサ302以外のセンサも含まれてもよい。例えば、排泄情報管理システム1には、人体検知センサが含まれてもよい。人体検知センサは、人体を検知する機能を有する。例えば、人体検知センサは、赤外線信号を用いた焦電センサ等により実現される。例えば、人体検知センサは、μ(マイクロ)波センサ等により実現されてもよい。なお、上記は一例であり、人体検知センサは、上記に限らず、種々の手段により人体を検知してもよい。例えば、人体検知センサは、トイレルームR(図1参照)内に入室した人(使用者など)を検知する。人体検知センサは、検知信号を便座装置2へ送信する。
【0060】
<1-2.便座装置の機能構成>
次に、便座装置2の機能構成について図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、便座装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、電磁弁71と、ノズルモータ61と、洗浄ノズル6とを備える。例えば、通信部21、記憶部22及び制御部23は便座装置2の本体部3に設けられる。なお、図4では、図1で説明した便座装置2の構成の一部(本体部3や便座5や便器7等)についての図示を省略する。
【0061】
通信部21は、例えば、通信装置、通信回路等によって実現される。通信部21は、ネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部21は、操作装置10、着座センサ301、水位センサ302、表示装置200等との間で情報の送受信を行う。
【0062】
通信部21は、制御部23の制御に応じて、表示装置200と通信する。通信部21は、水位センサ302による検知により取得した排泄に要する時間に関する情報を表示装置200へ送信する。例えば、通信部21は、時計部232により生成された排泄に要する時間に関するコンテンツを表示装置200へ送信する。また、通信部21は、操作装置10から使用者の操作を示す操作情報の受信を行う。
【0063】
記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部22は、排泄に要する時間を計測する計測プログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記憶するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。記憶部22は、検知部により検知された情報等の様々な情報を記憶する、記憶部22は、判定処理に用いる様々な情報を記憶する。
【0064】
例えば、記憶部22は、判定処理に用いる閾値を記憶する。例えば、記憶部22は、水位の上昇が大便によるものか否かを判定するための情報を記憶する。例えば、記憶部22は、水位の上昇の傾きが大便によるものか否かを判定する処理に用いる閾値を記憶する。記憶部22は、計測した時間に関する情報を記憶する。記憶部22は、排泄に要する時間を示す情報を記憶する。なお、上記は一例に過ぎず、記憶部22は、便に関する様々な情報を記憶する。
【0065】
制御部23は、例えば各種構成や処理を制御する制御装置であってもよい。制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって、便座装置2内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る排泄時間計測プログラムや性状判定プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0066】
図4に示すように、制御部23は、取得部231と、時計部232と、評価部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0067】
取得部231は、情報を取得する。取得部231は、記憶部22から各種情報を取得する。取得部231は、検知部(センサ)から検知の情報を取得する。取得部231は、着座センサ301から着座センサ301による検知を示す情報を受信する。取得部231は、水位センサ302から水位センサ302による検知を示す情報を受信する。取得部231は、操作装置10から使用者の操作等を示す各種情報を受信する。取得部231は、受信した各種情報を記憶部22に格納する。
【0068】
時計部232は、センサにより検知された情報を基に、使用者の排泄に要する時間を計測する。時計部232は、排泄に要する時間を計測する。時計部232は、通信部21を介して表示装置200へ情報を送信する。例えば、時計部232は、便座装置2を使用する使用者の排泄に要する時間を示す情報を表示装置200へ情報を送信する。
【0069】
時計部232は、時刻を検知する。時計部232は、着座センサ301により使用者が座ったことを検知した時刻を計測する。時計部232は、水位センサ302が取得した大便を最初に検知した時刻を計測する。時計部232は、着座センサ301により使用者が座ったことを検知した時刻と、水位センサ302が取得した大便を最初に検知した時刻との差分からなる排泄に要する時間を取得する。時計部232は、大便に要した時間を、その大便の排泄の日時ごとに時系列で計測する。時計部232は、水位センサ302による検知により大便(排便)を経時的に計測する。
【0070】
時計部232は、各種の判定処理を行う判定部として機能する。時計部232は、水位センサ302により検知された水位の上昇が大便によるものか否かを判定する。例えば、時計部232は、水位センサ302により検知された水位の上昇の傾きと記憶部22に記憶された閾値(「水位閾値」ともいう)とを比較し、比較結果を基に水位の上昇が大便によるものか否かを判定する。例えば、時計部232は、水位の上昇の傾きが水位閾値(閾値)以上である場合、その水位の上昇が大便によるものであると判定する。例えば、時計部232は、水位の上昇の傾きが水位閾値(閾値)未満である場合、その水位の上昇が大便以外(例えば尿、洗浄水、ゴミ等)によるものであると判定する。そして、時計部232は、水位の上昇が大便によるものであると判定した場合、その水位の上昇が検知された時刻(日時)を、大便の排泄が行われた時刻として取得(計測)する。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、水位に基づいて大便の排泄が検知可能であれば、どのような処理により大便の排泄が行われた時刻を取得(計測)してもよい。
【0071】
時計部232は、各種の生成処理を行う生成部として機能する。時計部232は、表示装置200に表示させる排泄に要する時間を示すコンテンツを生成する。時計部232は、排泄に要する時間を示す画面(コンテンツ)を生成する。例えば、時計部232は、画像生成や画像処理等に関する種々の技術を適宜用いて、表示装置200へ提供するコンテンツ(画像情報)を生成する。例えば、時計部232は、Java(登録商標)等の種々の技術を適宜用いて、表示装置200へ提供する画面(画像情報)を生成する。なお、時計部232は、CSS(Cascading Style Sheets)やJavaScript(登録商標)やHTML(Hyper Text Markup Language)の形式に基づいて、表示装置200へ提供するコンテンツ(画像情報)を生成してもよい。また、例えば、時計部232は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やGIF(Graphics Interchange Format)やPNG(Portable Network Graphics)など様々な形式でコンテンツを生成してもよい。
【0072】
評価部233は、使用者の排泄に関する評価を行う。評価部233は、通信部21を介して表示装置200へ情報を送信する。例えば、評価部233は、便座装置2を使用する使用者の排泄に関する評価を示す情報を表示装置200へ情報を送信する。
【0073】
評価部233は、排泄に要する時間に応じて、排泄の良し悪しを評価する。評価部233は、排泄に要する時間が短いほど評価が高くなるように評価する。また、評価部233は、排泄に要する時間が所定の範囲(適正時間範囲)内である場合、その排泄が通常であると評価してもよい。例えば、評価部233は、排泄に要する時間が、適正時間範囲の下限値(例えば0秒等)から上限値(例えば30秒等)の範囲内である場合、その排泄が通常であると評価してもよい。
【0074】
評価部233は、各種の生成処理を行う生成部として機能する。評価部233は、表示装置200に表示させる使用者の排泄に関する評価を示すコンテンツを生成する。評価部233は、使用者の排泄に関する評価を示す画面(コンテンツ)を生成する。例えば、評価部233は、画像生成や画像処理等に関する種々の技術を適宜用いて、表示装置200へ提供するコンテンツ(画像情報)を生成する。例えば、評価部233は、Java(登録商標)等の種々の技術を適宜用いて、表示装置200へ提供する画面(画像情報)を生成する。なお、評価部233は、CSSやJavaScript(登録商標)やHTMLの形式に基づいて、表示装置200へ提供するコンテンツ(画像情報)を生成してもよい。また、例えば、評価部233は、JPEGやGIFやPNGなど様々な形式でコンテンツを生成してもよい。
【0075】
また、制御部23は、ノズルモータ61や電磁弁71を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された信号に基づいて、ノズルモータ61や電磁弁71を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された局部洗浄に関する制御指示の信号に基づいて、ノズルモータ61を制御する。制御部23は、洗浄ノズル6を進退させるためにノズルモータ61を制御する。制御部23は、電磁弁71の開閉を制御する。制御部23は、水位センサ302を制御するための制御情報を水位センサ302に送信する。
【0076】
また、制御部23は、図1に示すような便蓋4や便座5を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された信号に基づいて、便蓋4や便座5を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された便蓋開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便蓋4を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された着座部開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便座5を制御する。制御部23は、有線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信する。なお、制御部23は、無線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信してもよい。
【0077】
制御部23は、着座センサ301による使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部23は、着座センサ301による便座5への使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部23は、上述した制御に関する演算を実行する演算部や記憶部等の各種の構成を有する。
【0078】
電磁弁71は、流体の流れを電磁的方法により制御する弁(バルブ)の機能を有する。電磁弁71は、例えば給水管からの水道水の供給および停止を切り替える。電磁弁71は、制御部23からの指示に応じて開閉の制御を実行する。
【0079】
ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を進退駆動する駆動源(モータ)である。ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を本体部3の本体カバー30に対して進退させる制御を実行する。ノズルモータ61は、制御部23からの指示に応じて洗浄ノズル6を進退させる制御を実行する。
【0080】
<1-3.制御フロー例>
図5を用いて、センサに基づく制御フロー例について説明する。図5は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
【0081】
図5中の波形LN1は、着座検知センサ(着座センサ301)による使用者の便座5への着座検知の検知結果を示す。また、図5中の波形LN2は、水位センサ302による水位の検知結果を示す。
【0082】
図5の例では、波形LN1に示すように、時間t1において、着座センサ301により使用者の便座5への着座が検知される。例えば、時間t1において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていないことを示す「OFF」から、便座5への着座が検知されたことを示す「ON」へ変更される。
【0083】
また、波形LN1に示すように、時間t4において、着座センサ301により使用者の便座5への離座が検知される。例えば、時間t4において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていることを示す「ON」から、便座5への着座が検知されなくなったことを示す「OFF」へ変更される。すなわち、図5の例では、使用者は時間t4以降にトイレ(例えばトイレルームR)から退出する。なお、波形LN1で途中の落ちる箇所を示す検知MDは、使用者が便座5の座り位置調整する等により、着座センサ301がOFFになった場合(チャタリング)を示す。便座装置2は、検知MDのようなわずかな時間(例えば1~5秒程度)でONからOFF、OFFからONへと切り替わった場合、使用者は着座を継続していると判定する。
【0084】
波形LN2では、使用者の尿や便が排泄されていない状態の封水部の水位を低水位として示し、使用者の排便が終了した状態の封水部の水位を高水位として示す。波形LN2に示すように、時間t2において、水位センサ302により水位の急上昇が検知される。図5の例では、波形LN2に示すように、時間t2の前から使用者の排尿などにより徐々に水位が上昇し、時間t2から閾値以上の変化量で水位が急上昇する。これにより、便座装置2は、時間t2に使用者による最初の排便が行われたと判定する。図5に示すように、尿による水位変化は、時間ともに増えていく。一方で、便による水位変化は、塊が落ちるので、急峻になる。便座装置2は、その違いで便が出たことを検知する。
【0085】
また、波形LN2に示すように、時間t3において、水位センサ302により水位の急上昇が検知される。図5の例では、波形LN2に示すように、時間t2の後の時間t3に閾値以上の変化量で水位が急上昇する。これにより、便座装置2は、時間t3にも使用者による排便が行われたと判定する。その後、波形LN2に示すように、使用者の排便は終了し、水位の変化が略無くなる。これにより、便座装置2は、時間t3が使用者の最後の排便のタイミングであると判定し、時間t3で使用者による排便が終了したと判定する。
【0086】
便座装置2は、使用者が座ってから最初の便が出るまでの時間を取得する。便座装置2は、時間t1と時間t2との差分から排泄に要した時間を取得する。すなわち、便座装置2は、時間t1から時間t2までの期間TM1を、使用者が排泄に要した時間として取得する。また、便座装置2は、時間t2から時間t3までの期間TM2を、排泄開始から終了までの時間として取得する。また、便座装置2は、時間t3から時間t4までの期間TM3を、排泄終了から使用者がトイレを離れる(便座装置2から離座する)までの時間として取得する。
【0087】
座ってから出るまでの時間である期間TM1については、短いほうがよい。直腸に便がたまって、便意を感じてから、トイレに行って、スムーズに短時間で排泄するとよい。つまり、よい排泄では、トイレに座ってから排泄するまでの時間は短い。便秘の場合、便意を感じても、便が硬いため、座ってから排泄するまでの時間が長い。
【0088】
排泄開始から終了までの時間である期間TM2については、適度な軟らかさの便を力を入れず容易に排泄されるとよいと言われている。便が硬いと、力を入れて排泄されるので、出始め(排泄開始)~出終わり(排泄終了)の時間が長くなる。ただし、下痢状の便の場合は、健康状態はよくない。そこでは、排泄情報管理システム1は、排泄にかかる時間を自動で取得し、且つ便の性状を合わせて表示する。
【0089】
排泄終了から使用者がトイレを離れる(離座する)までの時間である期間TM3については、短いほうがよい。残便感があり、それを解消するまで便座に座るが、排泄できない場合がある。この場合、排泄終了からトイレを離れるまでの時間が長くなる。残便感のない、すっきりした排泄がよい排泄である。つまり、排泄終了からトイレを離れる時間が短いほど、よい排泄である。
【0090】
<1-4.表示例>
ここで、図6を用いて、表示装置200による排泄に要する時間の表示の一例を説明する。図6は、排泄に要する時間の表示の一例を示す図である。
【0091】
便座装置2は、図6に示すような表示する情報(コンテンツ)を生成する。表示装置200は、図6に示すような表示する情報(コンテンツ)を便座装置2から受信する。表示装置200は、「座ってから10秒後に出ました。」と排泄に要する時間を示す情報を表示する。これにより、排泄情報管理システム1は、大便の排泄に要した時間を使用者に認識させることができる。
【0092】
<2.第2の実施形態>
ここから、第2の実施形態として、温度を基に排泄に要する時間を取得する場合を示す。なお、第2の実施形態に係る排泄情報管理システム1Aにおいて、第1の実施形態に係る排泄情報管理システム1と同様の点については適宜説明を省略する。
【0093】
<2-1.排泄情報管理システムの構成>
第2の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、第2の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。図8は、第2の実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
【0094】
図7に示すように、排泄情報管理システム1Aは、便座装置2、操作装置10、着座センサ301及び放射温度計303を含むトイレシステムTSと表示装置200とを有する。このように、排泄情報管理システム1Aは、水位センサ302に代えて放射温度計303を含む点で排泄情報管理システム1と相違する。
【0095】
図8を参照して、センサの配置の一例を説明する。図8は、センサの配置を示すために、便蓋4を除き、便座5において使用者が着座する面(着座面)の反対側の面である裏面51を図示するために、便座5を上げた状態を示す図である。
【0096】
図8に示すように、排泄情報管理システム1Aで用いられるセンサである放射温度計303は、リム部9と便座5の間に引っ掛けて配置される。具体的には、放射温度計303は、フック部(フック構造)により、リム部9に引っ掛けられて、配置される。放射温度計303は、リム部9の内周壁に沿って、便器7内へ臨む向きに配置される。なお、放射温度計303は、便座装置2の構成に含まれてもよい。
【0097】
放射温度計303は、大便から放出される赤外線を受光し、放射温度を検知することにより大便(排便)を経時的に検知する検知部として機能する。放射温度計303は、落下中(封水に着水する前)の大便の温度を測定する。放射温度計303は、便器7の落下中の大便を検知可能な位置及び向きで配置される。例えば、放射温度計303は、便器7内に指向性を向けて設けられる。なお、放射温度計303は、落下中の便を検知可能であれば、どのような配置態様であってもよい。例えば、放射温度計303は、便座5の裏面51に配置されてもよい。
【0098】
放射温度計303は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、放射温度計303は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と放射温度計303とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、放射温度計303は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0099】
第2の実施形態に係る便座装置2は、落下中(封水に着水する前)の大便の温度を放射温度計303で測定する。第2の実施形態に係る制御部23は、放射温度計303による検知を基に各種処理を行う。
【0100】
第2の実施形態に係る時計部232は、放射温度計303による検知により大便(排便)を経時的に計測する。時計部232は、放射温度計303により検知された温度が大便によるものか否かを判定する。例えば、時計部232は、放射温度計303により検知された温度と記憶部22に記憶された温度の所定範囲(「温度範囲」ともいう)とを比較し、比較結果を基に温度が大便によるものか否かを判定する。例えば、時計部232は、温度が温度範囲内である場合、その温度が大便によるものであると判定する。例えば、時計部232は、温度が温度範囲の上限値(例えば、38.5℃)未満かつ下限値(35.5℃)以上である場合、その温度が大便によるものであると判定する。温度の経時的な変化から、大便を検知してもよい。
【0101】
また、時計部232は、温度が温度範囲外である場合、その温度が大便以外(例えば尿、洗浄水、ゴミ等)によるものであると判定する。例えば、時計部232は、温度が温度範囲の上限値以上または下限値未満である場合、その温度が大便によるものではないと判定する。そして、時計部232は、温度が大便によるものであると判定した場合、その温度が検知された時刻(日時)を、大便の排泄が行われた時刻として取得(計測)する。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、温度に基づいて大便の排泄が検知可能であれば、どのような処理により大便の排泄が行われた時刻を取得(計測)してもよい。
【0102】
<2-2.制御フロー例>
図9を用いて、センサに基づく制御フロー例について説明する。図9は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図5と同様の点については適宜説明を省略する。
【0103】
図9中の波形LN11は、着座検知センサ(着座センサ301)による使用者の便座5への着座検知の検知結果を示す。また、図9中の波形LN12は、放射温度計303による温度の検知結果を示す。
【0104】
図9の例では、波形LN11に示すように、時間t11において、着座センサ301により使用者の便座5への着座が検知される。例えば、時間t11において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていないことを示す「OFF」から、便座5への着座が検知されたことを示す「ON」へ変更される。
【0105】
また、波形LN11に示すように、時間t14において、着座センサ301により使用者の便座5への離座が検知される。例えば、時間t14において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていることを示す「ON」から、便座5への着座が検知されなくなったことを示す「OFF」へ変更される。すなわち、図9の例では、使用者は時間t14以降にトイレ(例えばトイレルームR)から退出する。
【0106】
波形LN12では、使用者の排便が行われていない状態の放射温度計303により検知される温度を室温(25℃程度)として示し、使用者の大便が放射温度計303により検知された温度を37℃として示す。なお、図9に示す37℃は、一例に過ぎず、大便が放射温度計303により検知された温度は温度範囲内であればどのような温度でもよい。
【0107】
波形LN12に示すように、時間t12において、放射温度計303による検知温度が37℃になり、使用者の大便が検知される。これにより、便座装置2は、時間t12に使用者による最初の排便が行われたと判定する。
【0108】
また、波形LN12に示すように、時間t13以降において、放射温度計303により温度が室温付近で一致となる。これにより、便座装置2は、時間t13が使用者の最後の排便のタイミングであると判定し、時間t13で使用者による排便が終了したと判定する。図9の例では、便座装置2は、時間t12から時間t13までの間に3回の排便が行われたと判定する。この例では、1度の排便行為において、排便の回数が3回の場合を示したが、便座装置2は、使用者の最後の排便のタイミングを判定し、1度の排便行為において、排便が1回の場合や、複数回に渡る場合も判定することができる。
【0109】
便座装置2は、使用者が座ってから最初の便が出るまでの時間を取得する。便座装置2は、時間t11と時間t12との差分から排泄に要した時間を取得する。すなわち、便座装置2は、時間t11から時間t12までの期間TM1を、使用者が排泄に要した時間として取得する。また、便座装置2は、時間t12から時間t13までの期間TM2を、排泄開始から終了までの時間として取得する。また、便座装置2は、時間t13から時間t14までの期間TM3を、排泄終了から使用者がトイレを離れる(便座装置2から離座する)までの時間として取得する。
【0110】
<3.第3の実施形態>
検知部(センサ)は、光学的な方式により使用者の大便(排便)を経時的に検知してもよい。この点について、以下説明する。以下では、第3の実施形態として、検知部が光源からの反射光を取得するカメラ(二次元のイメージセンサ)であり、検知部が検知したカメラ画像(二次元画像)を基に排泄に要する時間を取得する場合を示す。なお、第3の実施形態に係る排泄情報管理システム1Bにおいて、第1の実施形態に係る排泄情報管理システム1または第2の実施形態に係る排泄情報管理システム1Aと同様の点については適宜説明を省略する。
【0111】
<3-1.排泄情報管理システムの構成>
第3の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、第3の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。図11は、第3の実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
【0112】
図10に示すように、排泄情報管理システム1Bは、便座装置2、操作装置10、着座センサ301、カメラ304及び光源305を含むトイレシステムTSと表示装置200とを有する。このように、排泄情報管理システム1Bは、水位センサ302に代えてカメラ304及び光源305を含む点で排泄情報管理システム1と相違する。
【0113】
排泄情報管理システム1Bは、後述する各種の構成や処理により、使用者の排泄物(大便)について、便の性状について硬さに基づく3段階のレベル(性状)のいずれかであるかを便の性状として検知する。以下の例では、硬さに基づく3段階のレベルの一例として、便が軟便または硬便のいずれであるかを検知(判定)する場合を示すが、硬さに基づく性状は2種類に限らず、3種類以上であってもよい。例えば、硬さに基づく3段階のレベルは、軟便、普通便及び硬便の3種類の性状であってもよい。なお、排泄情報管理システム1Bは、便の硬さのみに限らず、使用者の排泄物(大便)の形状や大きさや質や色等を便性状として検知してもよい。排泄情報管理システム1Bは、光学的な方式により使用者の大便を検知する。すなわち、排泄情報管理システム1Bは、光学的手段で排泄物(大便)の情報を検知可能な排泄情報管理システムである。排泄情報管理システム1Bでは、測定した結果を基に、使用者のスマートフォン等の端末装置に情報提供を行ってもよい。
【0114】
第3の実施形態に係る表示装置200(表示部)は、排泄に要する時間とともに、記憶部に記憶された便の形状等の便の性状(便性状)を表示する。表示装置200は、大便に要した時間を、その大便の排泄の日時ごとに時系列で表示する。
【0115】
カメラ304は、便器7内を撮像することにより大便(排便)を経時的に検知する検知部として機能する。カメラ304は、撮像を行うカメラであり、二次元の画像を生成する。例えば、カメラ304は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが面状(二次元)に配列されたエリアセンサ(二次元のイメージセンサ)を有する。
【0116】
図11を参照して、センサの配置の一例を説明する。図11は、センサの配置を示すために、便蓋4を除き、便座5において使用者が着座する面(着座面)の反対側の面である裏面51を図示するために、便座5を上げた状態を示す図である。
【0117】
図11に示すように、排泄情報管理システム1Bで用いられるセンサであるカメラ304は、便座5の裏面51側に配置される。カメラ304は、便座5の裏面51から着脱可能であってもよいし、便座5の裏面51に固定されていてもよい。また、カメラ304は、本体カバー30内に配置されてもよい。また、カメラ304は、便座装置2の構成に含まれてもよい。このようにカメラ304は、便性状の検知ができれば、設置位置は特に限定されるものではない。
【0118】
光源305は、光を照射する発光素子が設けられる。光源305は、前方に光を照射する発光素子が設けられる。光源305は、使用者によって排泄される排泄物に向けて前方に光を照射する発光素子が設けられる。例えば、発光素子は、LED(Light Emitting Diode)である。なお、発光素子は、LEDに限らず、種々の素子が用いられてもよい。また、設置位置についても、カメラ304に隣接して設置されていればよく、カメラ304が便性状の検知ができれば、光源305の設置位置は特に限定されるものではない。
【0119】
カメラ304は、便器7内を検知(撮影)することにより大便(排便)を経時的に検知する検知部として機能する。カメラ304は、便器7の封水部(例えばボウル部8の封水が溜まる部分)を撮影する。カメラ304は、便器7の封水部を検知(撮像)可能な位置及び向きで、便座5の裏面51に配置される。例えば、カメラ304は、便座5を下げた状態(便座5に使用者が着座し排便可能な状態)において、便器7の封水部に指向性を向けて便座5に設けられる。なお、カメラ304は、便器7の封水部を検知(撮像)可能であれば、どのような配置態様であってもよい。なお、カメラ304は、便器7の封水部を撮影可能であれば、どのような場所に配置されてもよい。また、カメラ304は、静止画像を連続的(時系列的)に撮影してもよいし、動画像を撮影してもよい。なお、カメラ304は、落下中の便を撮影(検知)するように配置されてもよい。
【0120】
カメラ304は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、カメラ304は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2とカメラ304とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、カメラ304は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0121】
第3の実施形態に係る便座装置2は、便器7の封水部を撮影することにより、使用者が排泄した大便の画像(便画像)を撮影する。第3の実施形態に係る通信部21は、排泄に要する時間を示す情報とともに、記憶部22に記憶された便の性状を示す情報を表示装置200へ送信する。
【0122】
第3の実施形態に係る記憶部22は、便の性状を記憶する。記憶部22は、便の性状について硬さに基づく少なくとも3段階のレベルのうちいずれであるかを示す情報を少なくとも記憶する。記憶部22には、カメラ304(検知部)による便の性状の検知結果を自動で入力される。制御部23は、便の性状の判定した場合、自動で記憶部22に入力(登録)する。記憶部22は、便の性状を判定する性状判定プログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記憶するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。記憶部22は、判定処理に用いる様々な情報を記憶する。例えば、記憶部22は、判定処理に用いる閾値を記憶する。
【0123】
記憶部22は、検知された便(排泄物)に関する情報を記憶する。記憶部22は、便画像を記憶する。記憶部22は、便画像に対応する便についての情報を、便画像に対応付けて記憶する。記憶部22は、便画像に対応する便について判定した判定結果を、便画像に対応付けて記憶する。記憶部22は、便画像に対応する便の性状や、便画像に対応する便の量等の情報を記憶する。また、記憶部22は、便画像が取得された日時、便画像に対応する便の排泄を行った使用者を識別する情報等を、便画像に対応付けて記憶してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、記憶部22は、便に関する様々な情報を記憶する。
【0124】
第3の実施形態に係る制御部23は、カメラ304による検知を基に各種処理を行う。第3の実施形態に係る時計部232は、カメラ304による検知により大便を経時的に計測する。
【0125】
時計部232は、カメラ304により検知された情報を用いて、判定処理を行う。時計部232は、記憶部22に記憶された情報を用いて、判定処理を行う。時計部232は、カメラ304により撮影された画像中に大便が含まれるかを判定する。時計部232は、画像認識に関する技術を用いて、画像中に大便が含まれるかを判定する。
【0126】
例えば、時計部232は、画像を入力として、入力された画像中に大便が含まれるか否かを示す情報(スコア)を出力するモデル(大便判定モデル)を用いて、画像中に大便が含まれるかを判定する。この場合、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアと閾値(第1閾値)とを比較し、スコアが第1閾値以上である場合、その画像中に大便が含まれると判定する。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアと第1閾値とを比較し、スコアが第1閾値未満である場合、その画像中に大便が含まれないと判定する。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、画像に大便が含まれるか否かを判定してもよい。
【0127】
また、時計部232は、カメラ304により撮影された画像を基に大便の量を判定する。例えば、時計部232は、画像中に占める大便の割合を基に大便の量を判定する。例えば、時計部232は、大便判定モデルが出力するスコアを用いて、大便の量を判定してもよい。時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第1閾値以上、第2閾値未満である場合、大便の量を「小」と判定してもよい。第2閾値は、第1閾値よりも大きい値であるものとする。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第2閾値以上、第3閾値未満である場合、大便の量を「中」と判定してもよい。第3閾値は、第2閾値よりも大きい値であるものとする。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第3閾値以上である場合、大便の量を「多」と判定してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、大便の量を判定してもよい。
【0128】
例えば、時計部232は、便画像に基づいて、その便画像に対応する便の性状を判定する。時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の性状を判定する。時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の硬さが、硬さに基づく3段階のレベルのいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の硬さが、軟便、普通便及び硬便のいずれかであるかを判定する。
【0129】
時計部232は、カメラ304による検知結果から便の性状を判定する。時計部232は、光学的な手法により便の性状を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の性状を判定する。時計部232は、便の性状の分類に関する種々の技術を適宜用いて、便の硬さが、軟便、普通便及び硬便のいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、便画像の落下方向の長さや便(塊)の個数、表面の模様(色の違い、しわ等)等の様々な情報(特徴量)に基づいて便の性状を判定(判断)する。
【0130】
時計部232は、AI(人工知能)に関する技術を用いて便の性状を判定してもよい。例えば、時計部232は、機械学習により生成された学習モデル(性状判定モデル)を用いて、便の性状を判定してもよい。この場合、性状判定モデルは、事前に分類判断を示す教師データにより学習される。この教師データには、便画像と、その便画像に含まれる塊(便)の性状(軟便、普通便及び硬便のいずれか)を示すラベル(正解情報)との組合せを複数含む。例えば、性状判定モデルは、便画像を入力とし、入力された便画像に含まれる塊(便)の性状を示す情報を出力するモデルである。例えば、性状判定モデルは、便画像が入力された場合に、入力された便画像に対応するラベル(便の性状)の情報を出力するように学習される。性状判定モデルの学習は、いわゆる教師あり学習に関する種々の手法を適宜用いて行われる。この場合、性状判定モデルは記憶部22に格納され、時計部232は、記憶部22に格納された性状判定モデルを用いて、便の性状を判定してもよい。例えば、便座装置2が学習処理を行い、性状判定モデルを生成してもよい。
【0131】
なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、便の性状を判定してもよい。例えば、時計部232は、便画像において、便がちぎれて(分離され)、複数の小さい塊である場合、その便画像に対応する便の性状(硬さ)が軟便であると判定する。例えば、時計部232は、便画像において、長さが所定値未満の塊が複数ある場合、その複数の塊(便)の性状が軟便であると判定する。例えば、時計部232は、便画像において、長さが所定値未満の塊が連続する場合、その連続する塊(便)の性状が軟便であると判定する。例えば、時計部232は、便画像において、1つの便(塊)の表面の模様(しわ)が所定の閾値以上である場合、その1つの便(塊)の性状が硬便であると判定する。例えば、時計部232は、便画像において、長さが所定値以上の塊がある場合、その塊(便)の性状が軟便であると判定する。また、時計部232は、軟便及び硬便のいずれでもないと判定した場合、その便を普通便と判定してもよい。
【0132】
また、時計部232は、便の性状に関する情報を他の装置から取得する場合、便の性状判定を行わなくてもよい。例えば、他の装置が便の性状の判定を行い、便の性状に関する情報を他の装置から取得する場合、時計部232は、便の性状判定を行わなくてもよい。例えば、便座装置2と通信可能なサーバを設置し、便座装置2で取得した便情報(特徴量)をサーバに送信し、サーバに格納された性状判定データベースを用いて、便の性状を判定してもよい。
【0133】
第3の実施形態に係る評価部233は、便の性状と排泄に要する時間に応じて、排泄の良し悪しを評価する。評価部233は、排泄に要する時間が短いほど評価が高くなるように評価し、便の性状(形状)が3段階のレベルのうち通常を示すレベルであるほうが、評価が高くなるように評価する。評価部233は、排泄に要する時間が短いほど大きいスコアを加算し、且つ、便の形状が、通常レベルの便(例えば普通便)のほうが通常レベル以外の便(例えば軟便、硬便)よりも大きいスコアを加算することにより、排泄の評価を示す評価スコアを算出することにより、排泄の評価を行ってもよい。ここで、便の形状が通常レベルの便(例えば普通便)とは、例えば、便性状が水分量が少ないコロコロ状またはカチカチ状の硬便(いわゆる便秘便)や、水分量の多い泥状または水様の軟便(いわゆる下痢便)ではなく、水分量が適度で、表面がなめらかで軟らかいバナナ状の便を言う。
【0134】
例えば、評価部233は、排泄に要する時間が、適正時間範囲内であり、且つ便の性状が普通便である場合、その使用者の健康状態が良いと評価してもよい。また、例えば、評価部233は、排泄に要する時間が、適正時間範囲外であるか、または便の性状が普通便以外である場合、その使用者の健康状態が良くないと評価してもよい。
【0135】
<3-2.制御フロー例>
図12を用いて、センサに基づく制御フロー例について説明する。図12は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図5図9と同様の点については適宜説明を省略する。
【0136】
図12中の波形LN21は、着座検知センサ(着座センサ301)による使用者の便座5への着座検知の検知結果を示す。また、図12中の波形LN22は、カメラ304により撮影された画像に基づく便の量の検知結果を示す。なお、図12中の時系列に沿って並ぶ8個の矩形は、対応する各時点において撮影された便器7内の封水部の画像(イメージ)である。
【0137】
図12の例では、波形LN21に示すように、時間t21において、着座センサ301により使用者の便座5への着座が検知される。例えば、時間t21において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていないことを示す「OFF」から、便座5への着座が検知されたことを示す「ON」へ変更される。
【0138】
また、波形LN21に示すように、時間t24において、着座センサ301により使用者の便座5への離座が検知される。例えば、時間t24において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていることを示す「ON」から、便座5への着座が検知されなくなったことを示す「OFF」へ変更される。すなわち、図12の例では、使用者は時間t24以降にトイレ(例えばトイレルームR)から退出する。
【0139】
波形LN22では、検知された大便の量を「なし」、「小」、「中」、「多」の4段階で検知する例を示す。なお、図12に示す4段階は、一例に過ぎず、3段階以下であってもよいし、5段階以上であってもよい。例えば、波形LN22では、大便が検知されていないことを示す「なし」と大便が検知されたことを示す「あり」との2段階であってもよい。例えば、大便が検知されていないことを示す「なし」と、大便が検知されているが画像に変化がない状態である「排泄後」と、それ以外の「排泄中」の3段階であってもよい。
【0140】
波形LN22に示すように、時間t22の直後において、カメラ304により検知された画像に1つの便が含まれており、使用者の大便が検知される。これにより、便座装置2は、便の量を「小」と検知し、時間t22に使用者による最初の排便が行われたと判定する。
【0141】
また、波形LN22に示すように、時間t22~t23において、カメラ304により検知された画像に新たな便が追加され、2つの便が含まれており、使用者の大便が検知される。これにより、便座装置2は、便の量を「多」と検知し、使用者による2回目の排便が行われたと判定する。その後、便の量に変化がなくなる。これにより、便座装置2は、時間t23が使用者の最後の排便のタイミングであると判定し、時間t23で使用者による排便が終了したと判定する。
【0142】
便座装置2は、使用者が座ってから最初の便が出るまでの時間を取得する。便座装置2は、時間t21と時間t22との差分から排泄に要した時間を取得する。すなわち、便座装置2は、時間t21から時間t22までの期間TM1を、使用者が排泄に要した時間として取得する。また、便座装置2は、時間t22から時間t23までの期間TM2を、排泄開始から終了までの時間として取得する。また、便座装置2は、時間t23から時間t24までの期間TM3を、排泄終了から使用者がトイレを離れるまでの時間として取得する。
【0143】
<3-3.表示例>
ここで、図13を用いて、表示装置200による排泄に要する時間の表示の一例を説明する。図13は、排泄に要する時間の表示の一例を示す図である。
【0144】
便座装置2は、図13に示すような表示する情報(コンテンツ)を生成する。なお、便座装置2は、便の性状を判定しない場合、「性状は、普通便でした。」といった便の性状を示す情報を含まない情報(コンテンツ)を生成してもよい。
【0145】
表示装置200は、図13に示すような表示する情報(コンテンツ)を便座装置2から受信する。表示装置200は、「座ってから10秒後に出ました。」と排泄に要する時間を示す情報を表示する。表示装置200は、「性状は、普通便でした。」と便の性状を示す情報を表示する。なお、表示装置200は、便の性状を示す情報を表示しなくてもよい。また、表示装置200は、「健康状態はよいですね。」といった評価を示す情報を表示する。なお、表示装置200は、使用者の健康状態を示す情報を表示しなくてもよい。
【0146】
<3-4.入力例>
なお、排泄に関する情報は使用者に入力させてもよい。この点について、図14を用い説明する。図14は、排泄に関する情報の入力の一例を示す図である。図14では、使用者に便の性状が硬便、普通便、軟便の3段階のいずれであったかを入力させる場合を示す。
【0147】
表示装置200は、「座ってから10秒後に出ました。形状は何でしたか?」といった文字情報とともに、硬便、普通便、軟便の3段階の文字列及びそのイメージを表示する。図14では、使用者は、手UAにより表示装置200の普通便が表示された領域をタッチすることにより、便の性状が普通便であることを示す情報を入力する。表示装置200は、便の性状が普通便であることを示す情報を便座装置2へ送信する。
【0148】
便の性状が普通便であることを示す情報を受信した便座装置2は、排泄に要した時間が適正時間範囲内の「10秒」であり、便性状が「普通便」であるため、使用者の健康状態がよいと評価する。便座装置2は、使用者の健康状態の評価がよいであることを示す情報を表示装置200へ送信する。使用者の健康状態の評価がよいであることを示す情報を受信した表示装置200は、図14に示すように、「健康状態はよいですね。」といった評価を示す情報を表示する。
【0149】
<4.第4の実施形態>
なお、検知部(センサ)は、落下中の大便から放射される信号、または落下中の大便から反射される信号を取得することにより大便を経時的に検知してもよい。例えば、検知部(センサ)は、電磁波または超音波を大便に対して発信し、大便から反射した信号を受信することにより大便を経時的に検知してもよい。この点について、以下説明する。まず、第4の実施形態として、検知部がライセンサ(一次元のイメージセンサ)であり、検知部が検知した一次元画像を基に排泄に要する時間を取得する場合を示す。例えば、第4の実施形態係る便座装置2は、ライセンサ(一次元のイメージセンサ)により検知された一次元画像から取得した便画像(二次元画像)を基に排泄に要する時間を取得する。
【0150】
なお、第4の実施形態に係る排泄情報管理システム1Cにおいて、第1の実施形態に係る排泄情報管理システム1、第2の実施形態に係る排泄情報管理システム1A、または第3の実施形態に係る排泄情報管理システム1Bと同様の点については適宜説明を省略する。例えば、第4の実施形態に係る排泄情報管理システム1Cは、画像を用いる点で第3の実施形態に係る排泄情報管理システム1Bと共通するため、画像を用いた判定等の点については、排泄情報管理システム1Bと同様であるため、その詳細な説明は適宜省略する。
【0151】
<4-1.排泄情報管理システムの構成>
第4の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成について、図15及び図16を参照して説明する。図15は、第4の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。図16は、第4の実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
【0152】
図15に示すように、排泄情報管理システム1Cは、便座装置2、操作装置10、着座センサ301及び光学ユニット100を含むトイレシステムTSと表示装置200とを有する。このように、排泄情報管理システム1Cは、カメラ304に代えて光学ユニット100を含む点で排泄情報管理システム1Bと相違する。
【0153】
図16を参照して、センサの配置の一例を説明する。図16は、センサの配置を示すために、便蓋4を除き、便座5において使用者が着座する面(着座面)の反対側の面である裏面51を図示するために、便座5を上げた状態を示す図である。
【0154】
図16に示すように、排泄情報管理システム1Cで用いられるセンサである光学ユニット100は、便器7内を落下する便を検知可能な位置及び向きで、本体カバー30内に配置される。例えば、光学ユニット100は、便器7内に指向性を向けて開口31から露出する位置に設けられる。なお、光学ユニット100は、便器7内を落下する便を検知可能であれば、どのような配置態様であってもよい。光学ユニット100は、便座装置2の構成に含まれてもよい。例えば、光学ユニット100は、図11に示すカメラ304と同様に便座5の裏面51等に配置されてもよい。
【0155】
光学ユニット100は、発光部120により光を大便に対して照射し、大便から反射した光を受光部130により受光することにより大便(排便)を経時的に検知する検知部として機能する。光学ユニット100の発光部120や受光部130は、本体カバー30の開口31から露出する。発光部120は、便器7内の排泄物に向けて光を照射可能であり、受光部130は、便器7内の排泄物からの反射光を受光可能となる。
【0156】
光学ユニット100は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、光学ユニット100は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と光学ユニット100とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、光学ユニット100は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。なお、光学ユニット100の詳細は後述する。
【0157】
第4の実施形態に係る便座装置2は、第3の実施形態に係る便座装置2と同様に便画像により便の性状を判定する。便座装置2は、本体カバー30に光学ユニット100を配置するための開口31を有する。光学ユニット100を便座5等に配置する場合、便座装置2は、開口31を有しなくてもよい。
【0158】
第4の実施形態に係る便座装置2は、便器7内を落下中の大便を撮影することにより、使用者が排泄した大便の画像(便画像)を取得する。第4の実施形態に係る通信部21は、第3の実施形態に係る通信部21と同様に、排泄に要する時間を示す情報とともに、記憶部22に記憶された便の性状を示す情報を表示装置200へ送信する。第4の実施形態に係る記憶部22は、第3の実施形態に係る記憶部22と同様に各種情報を記憶する。
【0159】
第4の実施形態に係る制御部23は、光学ユニット100による検知を基に各種処理を行う。第4の実施形態に係る時計部232は、光学ユニット100による検知により大便を経時的に計測する。
【0160】
時計部232は、各種の判定処理を行う。時計部232は、光学ユニット100により経時的に検知された一次元画像から二次元画像(便画像)を生成して、生成した便画像を用いて、判定処理を行う。
【0161】
例えば、時計部232は、光学ユニット100により検知された情報を基に便画像を生成する。時計部232は、複数の素子が直線状に配置されたラインセンサ(受光素子)を有する受光部130により、所定時間間隔で経時的に取得されたデータである一次元データ(線状の静止画)を時系列に複数並べて1つの二次元画像を生成する。例えば、時計部232は、光学ユニット100により検知された一次元画像を基に二次元の便画像を生成するがこの点については図17で説明する。なお、二次元の便画像を用いた処理は、第3の実施形態に係る便座装置2での処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0162】
第4の実施形態に係る評価部233は、第3の実施形態に係る評価部233と同様に、便の性状と排泄に要する時間に応じて、排泄の良し悪しを評価する。
【0163】
制御部23は、光学ユニット100を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された信号に基づいて、光学ユニット100を制御する。制御部23は、発光部120の点灯や消灯を制御するための制御情報を光学ユニット100に送信する。
【0164】
制御部23は、受光部130の電子シャッタの機能を制御するための制御情報を光学ユニット100に送信する。なお、受光部130の電子シャッタは、いわゆるレンズシャッタのような機械的なシャッタとは異なり、受光素子(撮像素子)を電子的に制御して露光を読み出すシャッタ方式である。すなわち、受光部130の電子シャッタは、いわゆる電子式シャッタや電子制御式シャッタである。制御部23は、有線により、ノズルモータ61や電磁弁71や光学ユニット100に制御情報を送信する。なお、制御部23は、無線により、光学ユニット100に制御情報を送信してもよい。
【0165】
制御部23は、光学ユニット100に発光及び受光を行わせる。制御部23は、光学ユニット100を制御して、発光部120に光を照射させ、受光部130により受光を行わせる。制御部23は、着座センサ301によって使用者による便座5への着座が検知されている期間において、光学ユニット100に発光及び受光を行わせる。
【0166】
制御部23は、発光部120による光の照射を制御する。制御部23は、発光部120の発光素子への通電、及び受光素子に対する電圧の印加を制御する。制御部23は、受光素子に対して、電子シャッタを開く制御指示を送り、発光部120の発光素子に通電することで、大便からの反射光を受光可能とする受光制御を行う。制御部23は、一の受光制御の実行開始後、一の受光制御の次の受光制御を実行するまでの間隔を、制御処理が可能な範囲内で任意の時間(例えば0.2ミリ秒以上等)に制御する。なお、上記は一例に過ぎず、光学ユニット100が所望の発光及び受光が可能であれば、制御部23による制御態様はどのような態様であってもよい。また発光部120から照射される光が1波長帯である場合、発光部120からの光を受光制御に合わせて点滅させなくてもよく、連続的に照射してもよい。
【0167】
ここで、制御部23の構成の一例について説明する。制御部23は、ADConverterや演算処理装置やROM(Read Only Memory)や第1のメモリを有する。
【0168】
ADConverterは、いわゆるA/Dコンバータ(アナログ-デジタル変換回路)であり、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換の機能を有する。ADConverterは、アナログ-デジタル変換回路であってもよい。例えば、ADConverterは、受光部130が受光(検知)したアナログデータをデジタルデータに変換する。ADConverterは、アナログデータのうち、所定の範囲のデータを削除したアナログデータをデジタルデータに変換してもよい。例えば、ADConverterは、予め設定された範囲(例えば中央の所定の範囲)の画素に対応するデータだけを残し、残りの範囲の画素に対応するデータを削除してもよい。なお、受光素子に排泄物検知用に画素数等が設定されたラインセンサ等の専用のセンサが用いられる場合、ADConverterは、所定の範囲のデータの削除を行うことなく、アナログデータ全体をデジタルデータに変換する。
【0169】
演算処理装置は、CPUやマイコン等の種々の手段により実現され、各種の処理を実行する。例えば、演算処理装置は、ADConverterにより変換されたデジタルデータを用いた各種処理を実行する。演算処理装置は、ROMに記憶されたプログラム(例えば便の検知プログラムや便性状の判定プログラム等の検知処理に関連する各種プログラム)により各種処理を実行する。例えば、演算処理装置は、ROMに記憶されたプログラムが演算処理装置内の一時的に使用される記憶領域等を作業領域として実行されることにより実現される。
【0170】
演算処理装置は、データを解析する。演算処理装置は、第1のメモリに一時的に記憶されたデータを解析する。演算処理装置は、第1のメモリへの受光部130が受光したデータの転送、第1のメモリに記憶されたデータの解析及び削除を実行する。
【0171】
ROMは、例えば便の検知プログラム等の便の検知処理に関連する各種プログラムを記憶する。
【0172】
第1のメモリは、各種データを一時的に格納する内部メモリ(記憶装置)である。第1のメモリは、受光部130が受光したデータを記憶する。第1のメモリは、ADConverterにより変換されたデジタルデータを格納する。例えば、第1のメモリは、SRAM(Static Random Access Memory)である。なお、第1のメモリは、SRAMに限らず、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の他のRAM(Random Access Memory)やPROM(Programmable Read Only Memory)等の高速処理が可能なROMが用いられる。
【0173】
第1のメモリは、演算処理装置による制御に応じて、データを格納する。例えば、第1のメモリには、96キロバイトや512キロバイト等の記憶容量の記憶装置が用いられる。第1のメモリに一時的に記憶される受光部130が受光したデータには、受光部130により検知された生データ(アナログデータ)や、A/D変換されることによって加工されたデータ(デジタルデータ)が含まれる。
【0174】
なお、上述した制御部23の構成は一例に過ぎず、所望の処理が可能な構成であれば、制御部23はどのような構成であってもよい。また、便座装置2は、第2のメモリを有する。便座装置2は、制御部23により取得されたデータを第2のメモリに格納する。
【0175】
例えば、第2のメモリは、各種データを格納する外部メモリ(記憶装置)である。第2のメモリは、制御部23から取得したデジタルデータを格納する。例えば、第2のメモリは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等が用いられる。第2のメモリは、SD(Secure Digital)カードメモリや、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の種々の記憶装置(メモリ)であってもよい。
【0176】
第2のメモリは、第1のメモリに記憶されたデータを転送可能である。第2のメモリは、第1のメモリよりも記憶領域が大きい。例えば、第2のメモリには、4ギガバイト等、第1のメモリと比べて記憶容量が大きい記憶装置が用いられる。第2のメモリに記憶されたデータは、外部装置に送信されてもよい。排泄情報管理システム1は、便座装置2の通信装置等により、第2のメモリに記憶されたデータを無線により、使用者が利用する端末装置等の外部装置に送信してもよい。
【0177】
なお、第2のメモリは、便座装置2内や便座装置2外等のいずれに設けられてもよい。例えば、第2のメモリは、便座装置2内のMicroSDであってもよいし、便座装置2外にあり、便座装置2とWi-Fi(登録商標)等により通信する外部メモリであってもよい。この場合、演算処理装置は、第1のメモリに一時的に記憶されているデータを、第1のメモリよりも記憶領域が大きい外部メモリである第2のメモリとの通信により、第2のメモリに転送する。なお、第2のメモリと便座装置2との通信は、Wi-Fi(登録商標)に限らず、種々の通信規格、例えばZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)等による通信であってもよい。
【0178】
光学ユニット100は、発光部120と、受光部130とを備える。光学ユニット100は、落下中の便を検知するために複数の素子が直線状に配置された受光素子を有する検知部(検知装置)として機能する。
【0179】
発光部120は、光を照射する。発光部120は、光を照射する発光素子を有する。発光部120は、使用者によって排泄される排泄物に対して光を照射する。発光部120は、使用者によって排泄される大便に対して光を照射する。発光部120は、落下中の大便に対して光を照射する。
【0180】
発光部120は、光を照射する発光素子が設けられる。発光部120は、前方に光を照射する発光素子が設けられる。発光部120は、使用者によって排泄される排泄物に向けて前方に光を照射する発光素子が設けられる。例えば、発光素子は、LED(Light Emitting Diode)である。なお、発光素子は、LEDに限らず、種々の素子が用いられてもよい。
【0181】
発光部120は、前方に光を照射する。発光部120は、使用者によって排泄される大便に向けて前方に光を照射する。発光部120は、複数の発光素子を備える。発光部120は、光を照射する発光素子を複数備える。発光部120は、使用者によって排泄される落下中の大便に対して光を照射する。発光部120は、異なる波長の光を照射するための複数の発光素子を備える。なお、上記は一例に過ぎず、発光部120の発光素子については、所望の発光が可能であれば、その数及び発光する波長については任意の構成が採用可能である。
【0182】
受光部130は、光を受光する。受光部130は、レンズ131や光を受光する受光素子を有する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する排泄物からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する落下中の大便からの反射光を受光する。
【0183】
受光部130は、光を受光する受光素子が設けられる。受光部130は、落下中の便を検知するために複数の素子が直線状に配置された受光素子を有する。例えば、受光素子は、ラインセンサである。例えば、受光素子は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが一列に並べられたラインセンサである。なお、受光素子は、ラインセンサ(一次元のイメージセンサ)に限らず、エリアセンサ(二次元のイメージセンサ)等の各種のセンサが用いられてもよい。
【0184】
受光部130は、受光素子の前方に光を集光するためのレンズ131を備える。受光素子の周囲には、受光素子の前方以外からの光の入射を抑制するためのカバーであるケースが設けられている。受光素子の周囲には、前方に配置されたレンズ131を通過する光以外が受光素子に入射することを抑制するためのカバーであるケースが設けられている。受光素子の周囲には、受光素子の側部方向からの光の入射を抑制するためのカバーであるケースが設けられている。
【0185】
ケースは、受光素子の前方以外からの光を遮断したり、減衰したりする入射抑制カバーとして機能する。ケースは、例えば黒等の光を反射しにくい色に着色されることで、ケース自体からの反射光が受光素子に入ることを抑制する。なお、ケースには、所望の形状に形成可能であれば、樹脂等、種々の材料が用いられてもよい。受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する落下中の大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。
【0186】
<4-2.便画像のデータ取得方法>
ここで、便画像(データ)の取得方法の具体的動作について図17を参照して説明する。図17は、データの取得方法の一例を示す図である。上述した点と同様の点については適宜説明を省略する。
【0187】
図17に示す各要素について説明する。対象物OB1は、検知(測定)対象とする大便(排泄物)を模式的に示す。また、受光装置PDは、例えばラインセンサ等の受光素子を有する受光部130である。
【0188】
また、発光装置LEは、発光素子を有する発光部120である。なお、図17では、説明を簡単にするために、発光装置LEが1つの波長を照射する場合を一例として説明するが、発光装置LEは異なる波長の光を照射してもよい。
【0189】
図17の例では、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の結果を基に便画像(二次元画像)を取得(生成)する処理を概念的に示す。発光装置LEから対象物OB1へ伸びる点線は、発光装置LEから対象物OB1への光の照射を模式的に示し、対象物OB1から受光装置PDへ伸びる点線は、受光装置PDが受光する対象物OB1からの反射光を模式的に示す。また、対象物OB1に重なる矩形枠は、対応する発光及び受光で検知される対象物OB1の範囲(一次元)を模式的に示す。
【0190】
図17の例では、シーンSN1は、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSN1(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PI1に対応する。すなわち、シーンSN1(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PI1を取得(検知)する。
【0191】
また、時間tにおいて取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PI2に対応する。すなわち、時間tでの発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PI2を取得(検知)する。時間tのデータは、時間tのデータの次に取得されたデータである。そのため、便座装置2は、一次元画像PI1に連続させて一次元画像PI2を並べて配置することにより、二次元画像EIを生成する。
【0192】
また、シーンSNiは、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSNi(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PIiに対応する。すなわち、シーンSNi(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PIiを取得(検知)する。
【0193】
また、シーンSNjは、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSNj(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PIjに対応する。すなわち、シーンSNj(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PIjを取得(検知)する。
【0194】
便座装置2は、一次元画像(受光データ)が取得された時間の順序に沿って一次元画像を並べて配置することにより、二次元画像(便情報)を生成する。図17では、便座装置2は、一次元画像PI1、PI2…、PIi…、PIj…の順に並べて配置することにより、二次元画像EIを生成する。
【0195】
なお、上述した例では、発光は1波長である場合を一例として説明したが、複数の波長の発光を行う場合、便座装置2は、発光させた波長ごとに経時的に取得したデータ(一次元画像)を時系列で並べて便情報(二次元画像)を生成する。この点について、3つの異なる波長の光を照射する3つの発光素子の各々の発光及び受光を行う場合を一例として説明する。
【0196】
この場合、便座装置2は、第1波長の光を照射する発光素子(「第1の発光素子」ともいう)を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第1の発光素子に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、590nm等の第1波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第1波長に対応する便情報(第1の二次元画像)を生成する。
【0197】
また、便座装置2は、第2波長の光を照射する発光素子(「第2の発光素子」ともいう)を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第2の発光素子に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、670nm等の第2波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第2波長に対応する便情報(第2の二次元画像)を生成する。
【0198】
また、便座装置2は、第3波長の光を照射する発光素子(「第3の発光素子」ともいう)を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第3の発光素子に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、870nm等の第3波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第3波長に対応する便情報(第3の二次元画像)を生成する。
【0199】
このように、便座装置2は、第1の発光素子、第2の発光素子及び第3の発光素子の各々に対応する3つの波長ごとの二次元画像を生成することにより、カラー画像を取得することができる。例えば便座装置2は、上述した第1の二次元画像、第2の二次元画像及び第3の二次元画像を合成することにより、カラー画像を生成してもよい。また、受光部130のラインセンサ等の受光素子をカラー式の受光素子とし、複数色の発光素子を同時に照射することで、カラー画像を生成してもよい。
【0200】
<4-3.制御フロー例>
図18を用いて、センサに基づく制御フロー例について説明する。図18は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図5図9及び図12と同様の点については適宜説明を省略する。
【0201】
図18中の波形LN31は、着座検知センサ(着座センサ301)による使用者の便座5への着座検知の検知結果を示す。また、図18中の波形LN32は、光学ユニット100が撮影した画像による検知結果を示す。
【0202】
図18の例では、波形LN31に示すように、時間t31において、着座センサ301により使用者の便座5への着座が検知される。例えば、時間t31において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていないことを示す「OFF」から、便座5への着座が検知されたことを示す「ON」へ変更される。
【0203】
また、波形LN31に示すように、時間t34において、着座センサ301により使用者の便座5への離座が検知される。例えば、時間t34において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていることを示す「ON」から、便座5への着座が検知されなくなったことを示す「OFF」へ変更される。すなわち、図18の例では、使用者は時間t34以降にトイレ(例えばトイレルームR)から退出する。
【0204】
波形LN32では、大便が検知されていないことを示す「便なし」と大便が検知されたことを示す「便あり」との2段階で光学ユニット100により撮影された画像(ラインデータ)に基づく検知結果を示す。
【0205】
波形LN32に示すように、時間t32において、大便が検知されていないことを示す「便なし」から、大便が検知されたことを示す「便あり」になり、使用者の大便が検知される。これにより、便座装置2は、時間t32に使用者による最初の排便が行われたと判定する。
【0206】
また、波形LN32に示すように、時間t33以降において、大便が検知されていないことを示す「便なし」の状態が継続する。これにより、便座装置2は、時間t33が使用者の最後の排便のタイミングであると判定し、時間t33で使用者による排便が終了したと判定する。図18の例では、便座装置2は、時間t32から時間33までの間に3回の排便が行われたと判定する。この例では、1度の排便行為において、排便の回数が3回の場合を示したが、便座装置2は、使用者の最後の排便のタイミングを判定し、1度の排便行為において、排便が1回の場合や、複数回に渡る場合も判定することができる。
【0207】
便座装置2は、使用者が座ってから最初の便が出るまでの時間を取得する。便座装置2は、時間t31と時間t32との差分から排泄に要した時間を取得する。すなわち、便座装置2は、時間t31から時間t32までの期間TM1を、使用者が排泄に要した時間として取得する。また、便座装置2は、時間t32から時間t33までの期間TM2を、排泄開始から終了までの時間として取得する。また、便座装置2は、時間t33から時間t34までの期間TM3を、排泄終了から使用者がトイレを離れる(離座する)までの時間として取得する。
【0208】
<5.第5の実施形態>
なお、発信及び受信する対象は光(可視光、不可視光)に限らず、発信及び受信して、便の存在がわかればどのような対象であってもよい。例えば、発信及び受信する信号は、光以外にマイクロ波や超音波でもよい。この点について、検知部が電磁波(光等)以外を検知する場合の一例を説明する。以下では、第5の実施形態として、検知部が超音波を検知し、検知した超音波を基に排泄に要する時間を取得する場合を示す。なお、第5の実施形態に係る排泄情報管理システム1Dにおいて、第1の実施形態に係る排泄情報管理システム1、第2の実施形態に係る排泄情報管理システム1A、第3の実施形態に係る排泄情報管理システム1B、または第4の実施形態に係る排泄情報管理システム1Cと同様の点については適宜説明を省略する。
【0209】
<5-1.排泄情報管理システムの構成>
第5の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成について、図19及び図20を参照して説明する。図19は、第5の実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。センサの配置は第4の実施形態と同様であるため図示省略する。
【0210】
センサユニット100Aは、発信部120Aにより超音波を大便に対して発信し、大便から反射した波(超音波)を受信部130Aにより受信することにより大便(排便)を経時的に検知する検知部として機能する。発信部120Aは、超音波を発信する発信器である。受信部130Aは、超音波を受信する受信器である。例えば、センサユニット100Aは、便器7内に指向性を向けて設けられる。なお、センサユニット100Aは、便器7内を落下する便を検知可能であれば、どのような配置態様であってもよい。センサユニット100Aは、便座装置2の構成に含まれてもよい。例えば、センサユニット100Aは、図11に示すカメラ304と同様に便座5の裏面51等に配置されてもよい。
【0211】
<5-2.制御フロー例>
図20を用いて、センサに基づく制御フロー例について説明する。図20は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図5図9図12及び図18と同様の点については適宜説明を省略する。
【0212】
図20中の波形LN41は、着座検知センサ(着座センサ301)による使用者の便座5への着座検知の検知結果を示す。また、図20中の波形LN42は、センサユニット100Aにより受信された受信信号に基づく検知結果を示す。
【0213】
図20の例では、波形LN41に示すように、時間t41において、着座センサ301により使用者の便座5への着座が検知される。例えば、時間t41において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていないことを示す「OFF」から、便座5への着座が検知されたことを示す「ON」へ変更される。
【0214】
また、波形LN41に示すように、時間t44において、着座センサ301により使用者の便座5への離座が検知される。例えば、時間t44において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていることを示す「ON」から、便座5への着座が検知されなくなったことを示す「OFF」へ変更される。すなわち、図20の例では、使用者は時間t44以降にトイレ(例えばトイレルームR)から退出する。
【0215】
波形LN42では、大便が検知されていないことを示す「便なし」と大便が検知されたことを示す「便あり」との2段階でセンサユニット100Aにより受信された受信信号に基づく検知結果を示す。
【0216】
波形LN42に示すように、時間t42において、大便が検知されていないことを示す「便なし」から、大便が検知されたことを示す「便あり」になり、使用者の大便が検知される。これにより、便座装置2は、時間t42に使用者による最初の排便が行われたと判定する。
【0217】
また、波形LN42に示すように、時間t43以降において、大便が検知されていないことを示す「便なし」の状態が継続する。これにより、便座装置2は、時間t43が使用者の最後の排便のタイミングであると判定し、時間t43で使用者による排便が終了したと判定する。図20の例では、便座装置2は、時間t42から時間43までの間に3回の排便が行われたと判定する。この例では、1度の排便行為において、排便の回数が3回の場合を示したが、便座装置2は、使用者の最後の排便のタイミングを判定し、1度の排便行為において、排便が1回の場合や、複数回に渡る場合も判定することができる。
【0218】
便座装置2は、使用者が座ってから最初の便が出るまでの時間を取得する。便座装置2は、時間t41と時間t42との差分から排泄に要した時間を取得する。すなわち、便座装置2は、時間t41から時間t42までの期間TM1を、使用者が排泄に要した時間として取得する。また、便座装置2は、時間t42から時間t43までの期間TM2を、排泄開始から終了までの時間として取得する。また、便座装置2は、時間t43から時間t44までの期間TM3を、排泄終了から使用者がトイレを離れる(離座する)までの時間として取得する。
【0219】
<5-3.表示例>
なお、上述した第1~第5の実施形態における排泄に要した時間の情報の表示態様は、様々な態様であってもよい。例えば、表示装置200は、大便に要した時間を、その大便の排泄の日時ごとに時系列で表示してもよい。この点について図21を用いて説明する。図21は、排泄に要する時間の表示の一例を示す図である。
【0220】
この場合、表示装置200は、便座装置2から受信した排泄に要した時間の情報を日時毎に記憶し、記憶した排泄に要した時間の情報を、時系列に並べて表示してもよい。図21の例では、表示装置200は、使用者の1カ月間の大便(排便)の履歴を用いて、その1カ月間の排泄に要した時間を時系列に並べて表示する。図21のように時系列で表示することで、使用者は、時系列で排泄に要した時間を確認することができ、自身の排泄に要した時間が徐々に短くなっていることを確認することができる。
【0221】
なお、上記は一例に過ぎず、排泄情報管理システム1~1Dは、大便に要した時間を、その大便の排泄の日時ごとに時系列で表示可能であれば、どのような処理により、大便に要した時間を、その大便の排泄の日時ごとに時系列で表示してもよい。例えば、便座装置2は、図21に示すような表示する情報(コンテンツ)を生成して、表示装置200へ送信してもよい。表示装置200は、図21に示すような表示する情報(コンテンツ)を便座装置2から受信する。表示装置200は、便座装置2から受信した図21に示す情報(コンテンツ)を表示する。
【0222】
なお、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0223】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0224】
R トイレルーム
1 排泄情報管理システム
2 便座装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 取得部
232 時計部
233 評価部
3 本体部
30 本体カバー
4 便蓋
5 便座
6 洗浄ノズル
60 ノズル用蓋
7 洋式大便器(便器)
71 電磁弁
8 ボウル部
9 リム部
10 操作装置
11 表示画面
200 表示装置
301 着座センサ
302 水位センサ
図1
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