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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147114
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】排泄情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20220929BHJP
   A47K 13/30 20060101ALI20220929BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20220929BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20220929BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20220929BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
A47K13/30 Z
G01N33/50 Z
G01N33/483 C
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048231
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木塚 里子
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直哉
(72)【発明者】
【氏名】戸崎 正道
(72)【発明者】
【氏名】荒木 祐介
(72)【発明者】
【氏名】合田 美奈
(72)【発明者】
【氏名】藤野 翔太
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2G045
5L099
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AD00
2D037AD16
2D038JF04
2D038KA03
2D038KA06
2D038KA11
2D038KA21
2D038KA26
2D038ZA03
2G045AA22
2G045AA40
2G045CB04
2G045FA14
2G045GC08
2G045GC30
2G045JA01
2G045JA10
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】複数の便器で行われる排泄に関する情報を適切に記録し、表示すること。
【解決手段】実施形態に係る排泄情報管理システムは、便器の上方に設置され、排泄情報として、大便の排泄有無、大便の色、形、及び量の少なくとも1つを検知する検知部と、使用者の排泄記録を表示する表示部と、入力手段と、排泄の日時情報を取得する時計部と、前記検知部で検知された排泄情報と前記時計部により取得された排泄の日時情報とを含む排泄記録を自動で記録する記憶部と、を備える排泄情報管理システムであって、前記入力手段は、前記便器以外の便器での排泄の排泄記録を前記記憶部に追加して入力可能であり、前記表示部は、前記記憶部に記録された排泄記録を表示する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に設置され、排泄情報として、大便の排泄有無、大便の色、形、及び量の少なくとも1つを検知する検知部と、
使用者の排泄記録を表示する表示部と、
と、
入力手段と、
排泄の日時情報を取得する時計部と、
前記検知部で検知された排泄情報と前記時計部により取得された排泄の日時情報とを含む排泄記録を自動で記録する記憶部と、
を備える排泄情報管理システムであって、
前記入力手段は、
前記便器以外の便器での排泄の排泄記録を前記記憶部に追加して入力可能であり、
前記表示部は、
前記記憶部に記録された排泄記録を表示する
ことを特徴とする排泄情報管理システム。
【請求項2】
前記表示部は、
前記記憶部に記録された排泄記録を時系列で表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の排泄情報管理システム。
【請求項3】
前記入力手段は
手動による前記便器以外の便器での排泄の排泄記録の入力を受け付ける
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排泄情報管理システム。
【請求項4】
前記記憶部は、
自動で記録された排泄記録に第1のラベルを付与し、前記入力手段により入力された排泄記録に第2のラベルを付与して記憶する
ことを特徴とする請求項3に記載の排泄情報管理システム。
【請求項5】
前記記憶部への記録が所定の期間ない場合、前記記憶部への入力を促す報知をする
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の排泄情報管理システム。
【請求項6】
前記所定の期間は、前記記憶部に記録された前記排泄の日時情報を基に算出される
ことを特徴とする請求項5に記載の排泄情報管理システム。
【請求項7】
前記記憶部に記録された前記排泄記録から排泄記録を推定し、前記手動による前記便器以外の便器での排泄の排泄記録の入力を受け付けるよりも前に、前記推定される排泄記録を前記入力手段へ入力する
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の排泄情報管理システム。
【請求項8】
前記記憶部は、
排泄記録とともに便器の位置の情報を記憶し、
前記表示部は、
排泄記録とともに排泄した便器の位置を示す情報を表示する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の排泄情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、排泄情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の健康状態を管理するため、トイレにおいて自動で大便(以下「便」ともいう)の形状(性状)や体積を測定する便器装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。排泄の有無や、便の性状(色・形・量)は、健康状態を表しているため、排泄物は健康のバロメータと言われている。なお、1度の排泄物の状態のみが健康状態を表しているのではなく、複数日(例えば1ヶ月)における排泄等、複数の排泄行為での便の性状の安定性や排泄の時刻の安定性も健康状態に関連する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-146244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術は、異なる複数の便器で使用者が排泄を行う場合について考慮されておらず、複数の便器で行われる排泄に関する情報を適切に記録し、表示することができるとは限らない。
【0005】
開示の実施形態は、複数の便器で行われる排泄に関する情報を適切に記録し、表示する排泄情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムは、便器の上方に設置され、排泄情報として、大便の排泄有無、大便の色、形、及び量の少なくとも1つを検知する検知部と、使用者の排泄記録を表示する表示部と、入力手段と、排泄の日時情報を取得する時計部と、前記検知部で検知された排泄情報と前記時計部により取得された排泄の日時情報とを含む排泄記録を自動で記録する記憶部と、を備える排泄情報管理システムであって、前記入力手段は、前記便器以外の便器での排泄の排泄記録を前記記憶部に追加して入力可能であり、前記表示部は、前記記憶部に記録された排泄記録を表示することを特徴とする。
【0007】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、使用者の排便情報を検知可能である便座装置が配置された便器での排泄の情報は自動で記憶部に記録し、その便器以外の便器での排泄の排泄記録も追加して記憶部に入力可能にし、記憶部に記録された排泄記録を表示する。これにより、排泄情報管理システムは、複数の便器で行われる排泄に関する情報を適切に記録し、表示することができる。ここで、日常生活をしていれば、使用するトイレは1つではない。例えば、住宅にこのトイレがあっても、学校や仕事のため、長時間外出すれば、外出先のトイレで排泄する。つまり、日常的に使用するトイレ(例えば住居のトイレ)に、排泄記録を自動取得できる機能がついていても、他のトイレで排泄してしまうとデータは欠損する。健康状態は1度の排泄記録のみから推測できるわけでなく、複数日(例えば、1ヶ月)の排泄履歴に基づいて推測する。排泄履歴に欠損ができると、履歴データから、健康状態の解釈が正しくできない。例えば、過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)は、1ヶ月のうちの便秘や下痢の頻度で診断が下される(例えばRomeIII等)。そのため、排泄履歴に欠損が多い場合、健康管理記録として不十分になる。一方で、排泄情報管理システムは、健康管理などに使う日常の排泄記録データとして、自動で排便や排尿情報を取得して、そのデータを記録(蓄積)し、記録したデータを、使用者が表示デバイスで見ることが可能である。そして、排泄情報管理システムは、他のトイレで取得したデータを追加でき、データの欠損をなくすことができるため、より十分な履歴データが取得でき、健康管理に役立つことができる。
【0008】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記表示部は、前記記憶部に記録された排泄記録を時系列で表示する。
【0009】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、排泄記録を時系列で表示する。これにより、排泄情報管理システムは、排泄記録を時系列で認識可能にすることができる。例えば、排泄情報管理システムは、欠損のない時系列データを表示することで、排泄の日々の推移、安定性を使用者が確認し、解釈することができる。
【0010】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記入力手段は、手動による前記便器以外の便器での排泄の排泄記録の入力を受け付ける。
【0011】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、手動による便器以外の便器での排泄の排泄記録の入力を受け付けることで、自動記録機能が無い便器で行われた排泄についても排泄記録として登録することができる。これにより、排泄情報管理システムは、複数の便器で行われる排泄に関する情報を適切に記録し、表示することができる。このように、排泄情報管理システムにおいては、便についての目視での確認結果を手動で記録することで、どこで排泄してもその排泄の情報を登録することができる。排泄の記録の欠損を抑制することができるため、健康管理に役立つ情報になる。
【0012】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記記憶部は、自動で記録された排泄記録に第1のラベルを付与し、前記入力手段により入力された排泄記録に第2のラベルを付与して記憶する。
【0013】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、自動記録の排泄記録と手動入力の排泄記録とを区別可能に管理することにより、自動記録の排泄記録と手動入力の排泄記録とで処理態様を異ならせることができる。このように、排泄情報管理システムにおいては、目視でのデータ入力(手動入力)は、トイレで取得する情報(自動記録)に比べて排泄時刻や性状の記録にばらつきが生じやすいため、手動で入力したか、自動で記録されたかがわかるようにしておくと、過去の情報を解析しやすくなる。
【0014】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記記憶部への記録が所定の期間ない場合、前記記憶部への入力を促す報知をする。
【0015】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、記憶部への記録が所定の期間ない場合、記憶部への入力を促す報知をすることで、排泄記録の登録漏れを抑制することができる。例えば、排泄情報管理システムは、使用者が他のトイレを使っているにもかかわらず、入力を忘れている可能性が高い場合に、入力忘れを防ぐことができる。
【0016】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記所定の期間は、前記記憶部に記録された前記排泄の日時情報を基に算出される。
【0017】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、記憶部への入力を促す報知タイミングを決めるための所定の期間を排泄の日時情報から算出することにより、適切なタイミングで手動入力を行わせるために報知を行うことができる。例えば、1日に2度以上排便する人もいれば、3日に1度排便する人もいる。そこで、排泄情報管理システムは、使用者にあった適切なタイミングで入力を促す。排泄情報管理システムにおいては、使用者は入力を促されるが、適切なタイミングで促されるため、わずらわしさを感じずに、入力忘れを抑制することができる。
【0018】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記記憶部に記録された前記排泄記録から排泄記録を推定し、前記手動による前記便器以外の便器での排泄の排泄記録の入力を受け付けるよりも前に、前記推定される排泄記録を前記入力手段への入力とする。
【0019】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、推定した情報を入力手段へあらかじめ入力(表示)することにより、使用者は推定した情報の確認と、異なる情報を修正するだけになり、手動入力の煩雑さを低減させることができ、使用者による手動入力を促進させることができる。このように、使用者が手動入力するよりも前に、推定した情報を入力手段へ予め入力(表示)することで、使用者は手動入力が煩わしくなく、排泄記録の登録を簡単に行うことができる。
【0020】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムにおいて、前記記憶部は、排泄記録とともに便器の位置の情報を記憶し、前記表示部は、排泄記録とともに排泄した便器の位置を示す情報を表示する。
【0021】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、排泄記録とともに排泄した便器の位置情報を表示することで、使用者に排泄を行った位置も加味して排泄の履歴を確認可能にすることができる。例えば、旅行など、日常と異なる生活習慣を送ると、排泄習慣が乱れることがある。すなわち、排泄したトイレの位置は、排泄習慣の管理の重要なパラメータになる。そこで、排泄情報管理システムは、位置情報も合わせて表示することで、排泄習慣の解析に役立ち、ひいては健康管理に役立つ。
【発明の効果】
【0022】
実施形態の一態様によれば、複数の便器で行われる排泄に関する情報を適切に記録し、表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、トイレルーム内の構成の一例を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る排便情報データベースの一例を示す図である。
図7図7は、排便情報の手動入力の一例を示す図である。
図8図8は、排便情報の手動入力の一例を示す図である。
図9図9は、情報の表示の一例を示す図である。
図10図10は、情報の表示の他の例を示す図である。
図11図11は、変形例に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図12図12は、排泄情報管理システムの処理の一例を示す図である。
図13図13は、排泄記録の表示の一例を示す図である。
図14図14は、排泄記録の表示の一例を示す図である。
図15図15は、排泄記録の表示の一例を示す図である。
図16図16は、マップ化された表示の一例を示す図である。
図17図17は、使用者に入力を促す報知の一例を示す図である。
図18図18は、推定情報の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する排泄情報管理システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
<1.実施形態>
以下に説明する各実施形態に係る排泄情報管理システムでは、センサにより検知された情報に基づく使用者の排泄に関する排泄情報(以下「排泄記録」ともいう)を管理する。以下の例では、検知部(センサ)である便性状センサ302として、カメラ(二次元のイメージセンサ)を一例として説明する。なお、便性状センサ302は、大便の排泄有無、大便の色、形、及び量の少なくとも1つを検知可能であれば任意のセンサが採用可能であるが、この点は後述する。
【0026】
<1-1.排泄情報管理システムの構成>
実施形態に係る排泄情報管理システムの構成について、図1図3を参照して説明する。図1は、トイレルーム内の構成の一例を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。図3は、実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
【0027】
まず、図1を用いて排泄情報管理システム1のうち、各実施形態で共通するトイレルームR内の構成例について説明する。以下、図1及び図2に示すトイレルームR内の構成をトイレシステムTSと総称する場合がある。図1に示すように、トイレルームRには、床面Fに、洋式大便器(以下「便器」と記載する)7が設置される。なお、以下では、床面FからトイレルームRの空間内に臨む向きを上と記載する。便座装置2は、便器7の上部に設けられる。
【0028】
便器7は、例えば、陶器製である。便器7には、ボウル部8が形成される。ボウル部8は、下方に凹んだ形状であり、使用者の排泄物を受ける部位である。なお、便器7は、図示のような床置き式に限らず、トイレシステムTSを適用可能であれば、どのような形式でもよく、壁掛け式等のような形式であってもよい。便器7には、ボウル部8が臨む開口の端部の全周にわたってリム部9が設けられる。トイレルームRには、例えば、便器7付近に洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設置されてもよいし、洗浄水タンクが設置されない、いわゆるタンクレス式でもよい。
【0029】
例えば、トイレルームRに設けられた洗浄用の洗浄操作部(図示省略)が使用者により操作されると、便器7のボウル部8への洗浄水の供給による便器洗浄が実施される。洗浄操作部は操作レバーや、操作装置10に表示された便器洗浄オブジェクトに対するタッチ操作であってもよい。なお、洗浄操作部は、操作レバーなどのような使用者の手動によって便器洗浄を実施させるものに限らず、着座センサ301のような使用者を検知するセンサの人体検知によって便器洗浄を実施させるものでもよい。
【0030】
便座装置2は、便器7の上部に取り付けられ、本体部3と、便蓋4と、便座5と、洗浄ノズル6とを備える。便座装置2は、排泄物を受けるボウル部8が形成された便器7の上部に載置される。便座装置2は、洗浄ノズル6が洗浄水を噴射する前にボウル部8に進出するように便器7の上部に載置される。なお、便座装置2は、便器7に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器7と一体化するように取り付けられてもよい。
【0031】
図1に示すように、便座5は、中央に開口50を有する環状に形成され、リム部9に沿って、便器7の開口に重なる位置に配置される。便座5は、使用者が着座する。便座5は、着座した使用者の臀部を支持する着座部として機能する。また、図1に示すように、便蓋4及び便座5は、それぞれの一端部が本体部3に軸支され、本体部3の軸支部分を中心として回動可能(開閉可能)に取り付けられる。なお、便蓋4は、便座装置2に必要に応じて取り付けられ、便座装置2は、便蓋4を有しなくてもよい。
【0032】
洗浄ノズル6は、洗浄用の水を吐水するためのノズルである。洗浄ノズル6は、洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、使用者に向けて洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、局部洗浄用のノズルである。洗浄ノズル6は、電動モータなどの駆動源(図4中のノズルモータ61等)の駆動により、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進退可能に構成される。また、洗浄ノズル6は、図示しない水道管などの水源に接続される。そして、洗浄ノズル6は、図1に示すように、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進出した位置(以下「進出位置」ともいう)にあるときに、水源からの水を使用者の身体へ噴出させて局部を洗浄する。
【0033】
図1では、洗浄ノズル6が進出位置にある状態を示す。なお、洗浄ノズル6は、便器7(ボウル部8等)内の洗浄用にも共用されてもよい。洗浄ノズル6は、使用者の局部を洗浄する局部洗浄モードと、便器7内に水を撒く便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。例えば、洗浄ノズル6は、便座装置2の制御部23(図4参照)による制御に応じて、局部洗浄モードと便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。
【0034】
操作装置10は、トイレルームR内に設けられる。操作装置10は、使用者が操作可能な位置に設けられる。操作装置10は、使用者が便座5に着座時において、操作可能な位置に設けられる。図1に示す例において、操作装置10は、便座5に着座した使用者から見て右側方の壁面Wに配置される。なお、操作装置10は、便座5に着座した使用者が利用可能であれば、壁面に限らず、種々の態様により配置されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置2と一体に設けられてもよい。
【0035】
ここで、図2を参照して、センサの配置の一例を説明する。図2は、センサの配置を示すために、便蓋4を除き、便座5において使用者が着座する面(着座面)の反対側の面である裏面51を図示するために、便座5を上げた状態を示す図である。
【0036】
図2では、洗浄ノズル6(図1参照)が本体カバー30内に収納される位置(以下「収納位置」ともいう)にある状態を示す。図2に示すように、洗浄ノズル6が収納位置にある場合、ノズル用蓋60は閉じられており、洗浄ノズル6は、ノズル用蓋60の裏に隠されている。洗浄ノズル6による洗浄が行われる場合、ノズル用蓋60が開放するとともに、本体カバー30の開口(図2の閉鎖状態であるノズル用蓋60が塞ぐ開口)から洗浄ノズル6が突出し、洗浄ノズル6は、進出状態に移行する。
【0037】
図2に示すように、排泄情報管理システム1で用いられるセンサである着座センサ301及び便性状センサ302は、便座5の裏面51側に配置される。着座センサ301は、便座5の裏面51から着脱可能であってもよいし、便座5の裏面51に固定されていてもよい。着座センサ301は、便座装置2の構成に含まれてもよい。また、便性状センサ302は、便座5の裏面51から着脱可能であってもよいし、便座5の裏面51に固定されていてもよい。便性状センサ302は、便座装置2の構成に含まれてもよい。
【0038】
なお、着座センサ301は、使用者による便座5への着座が検知可能であれば、どのような検知方式でも良く、またどのような場所に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が赤外線方式やμ(マイクロ)波方式の測距センサであり距離で着座を検知する場合、着座センサ301は便器7側方から人の足を検知する位置や便器7に付いているタンクから人の背中を検知する位置に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が便器7側方から人の足を検知する場合、着座センサ301は、図2に示す便器7の外周部付近に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が便器7に付いているタンクから人の背中を検知する場合、着座センサ301は、図2に示す便器7の後部に設けられたタンクの外周部に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が測距センサであり距離で着座を検知する場合、着座センサ301は便器7の周囲に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が距離で着座を検知する場合、トイレルームRの天井に配置されてもよい。また例えば、着座センサ301が接点スイッチで、着座したことによる便座の沈み込みを検知する場合、着座センサ301は便座5の軸支部分に配置されてもよい。また例えば、着座センサ301が荷重センサで、便座にかかった重さで着座を検知する場合、着座センサ301は便座5の裏面で、便器7と接する面に配置されてもよい。また、便性状センサ302は、便器7内に排泄される便の検知が可能であれば、どのような場所に配置されてもよい。
【0039】
図3に示すように、排泄情報管理システム1は、便座装置2、操作装置10、着座センサ301及び便性状センサ302を含むトイレシステムTSと、ユーザ端末200と、サーバ装置400とを有する。排泄情報管理システム1には、複数のトイレシステムTSや、複数のユーザ端末200やサーバ装置400が含まれてもよい。なお、複数のトイレシステムTSを含む場合については後述する。
【0040】
便座装置2は、トイレルームR内に配置される装置である。便座装置2は、トイレシステムTSの各装置(操作装置10、着座センサ301及び便性状センサ302)やユーザ端末200やサーバ装置400との間で通信する。
【0041】
便座装置2は、トイレルームR内の便器7を利用して排泄を行う使用者を特定するための情報を取得する処理(個人識別)を行う。例えば、便座装置2は、使用者が所有するユーザ端末200との通信や、操作装置10に対する使用者の操作等により、便器7を利用して排泄を行う使用者を特定するための情報を取得し、使用者の個人識別を行う。例えば、便座装置2は、使用者が所有するユーザ端末200と通信し、ユーザ端末200から使用者を特定するための使用者識別情報(ユーザID等)を受信する。なお、便座装置2は、トイレルームRの便器7を利用して排泄を行う使用者を特定が可能であれば、どのような方法により使用者の特定を行ってもよい。
【0042】
また、便座装置2は、取得した使用者識別情報と検知した排泄(排便)に関する排泄情報(排便情報)とを対応付けて管理する。例えば、便座装置2は、取得した使用者識別情報と排泄情報(排便情報)とを対応付けてサーバ装置400へ送信する。サーバ装置400は、受信した使用者識別情報に、受信した排泄情報を対応付けて記憶部420に登録する。また、便座装置2は、便座装置2を識別するための便座識別情報(便座識別情報)に使用者識別情報及び排泄情報(排便情報)を対応付けてサーバ装置400へ送信してもよい。この場合、サーバ装置400は、受信した使用者識別情報に、受信した排泄情報と便座識別情報に対応する位置(例えば自宅や学校など)を示す情報とを対応付けて記憶部420に登録する。また、便座装置2は、便座装置2の配置位置を示す情報(位置情報)に使用者識別情報及び排泄情報(排便情報)を対応付けてサーバ装置400へ送信してもよい。この場合、サーバ装置400は、受信した使用者識別情報に、受信した排泄情報と位置情報とを対応付けて記憶部420に登録する。なお、便座装置2の構成等の詳細は後述する。
【0043】
操作装置10は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、操作装置10は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と操作装置10とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0044】
操作装置10は、例えばタッチパネル機能により表示面(例えば表示画面11)を介して使用者からの各種操作を受け付ける。また、操作装置10は、スイッチやボタンを備え、スイッチやボタン等により各種操作を受け付けてもよい。表示画面11は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、操作装置10は、表示画面11により使用者の入力を受け付け、使用者への出力も行う。表示画面11は、各種情報を表示する表示装置である。
【0045】
操作装置10は、便座装置2により実行中の制御を止めるためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2による局部洗浄の実行を開始するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、使用者による洗浄ノズル6への指示を受け付ける。操作装置10は、便座装置2に所定の音を出力させるためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2の洗浄ノズル6(図1参照)を除菌水で殺菌する殺菌処理を行うためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2による局部洗浄時の吐水の勢いを調整するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2が出力する音の音量を調整するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、トイレの利用に関する情報を操作装置10に表示したり音声出力したりする際の言語を選択するためのユーザの操作を受け付ける。
【0046】
例えば、操作装置10は、上述したユーザの操作を受け付けるオブジェクトを表示画面11に表示し、表示したオブジェクトに対するユーザの接触に応じて、各種処理を実行してもよい。例えば、操作装置10は、上述したユーザの操作を受け付けるスイッチやボタン等を有し、スイッチやボタン等に対するユーザの接触に応じて、各種処理を実行してもよい。なお、上記は一例であり、操作装置10は、各種処理を実行するユーザによる操作を受け付けてもよい。
【0047】
着座センサ301は、便座装置2への人の着座を検知する機能を有する。着座センサ301は、使用者が便器7に座った(着座した)ことを検知する。着座センサ301は、便座5に対する使用者による着座を検知可能である。着座センサ301は、使用者による便座5からの離座を検知する離座検知センサとしても機能する。着座センサ301は、便座5に対する使用者の着座状態を検知する。
【0048】
着座センサ301は、例えば便座5に着座した使用者の荷重によってON・OFFが切り替わるスイッチである。着座センサ301は、使用者が着座して、便座5が沈むとスイッチが入ることにより、使用者が便器7に座ったことを検知する。
【0049】
なお、上記は一例であり、着座センサ301は、上記に限らず、種々の手段により便座装置2への人の着座を検知してもよい。着座センサ301は、着座検知信号を便座装置2へ送信する。
【0050】
着座センサ301は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、着座センサ301は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と着座センサ301とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、着座センサ301は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0051】
便性状センサ302は、便器7内を撮像することにより排便を検知する検知部として機能する。便性状センサ302は、撮像を行うカメラであり、二次元の画像を生成する。例えば、便性状センサ302は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが面状(二次元)に配列されたエリアセンサ(二次元のイメージセンサ)を有する。
【0052】
便性状センサ302は、便器7の封水部(例えばボウル部8の封水が溜まる部分)を撮影する。便性状センサ302は、便器7の封水部を検知(撮像)可能な位置及び向きで、便座5の裏面51に配置される。例えば、便性状センサ302は、便座5を下げた状態(便座5に使用者が着座し排便可能な状態)において、便器7の封水部に指向性を向けて便座5に設けられる。なお、便性状センサ302は、便器7の封水部を検知(撮像)可能であれば、どのような配置態様であってもよい。なお、便性状センサ302は、便器7の封水部を撮影可能であれば、どのような場所に配置されてもよい。また、便性状センサ302は、静止画像を撮影してもよいし、動画像を撮影してもよい。なお、便性状センサ302は、落下中の便を撮影(検知)するように配置されてもよい。また、使用者が便座に座ることで便器内が暗くなり、十分な明るさで撮影できない場合は、光源(発光部)を設けてもよい。
【0053】
便性状センサ302は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、便性状センサ302は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と便性状センサ302とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、便性状センサ302は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0054】
なお、便性状センサ302は、大便の排泄有無、大便の色、形、及び量の少なくとも1つを検知可能であれば、二次元画像を撮影するエリアセンサ(二次元のイメージセンサ)に限らず、様々なセンサであってもよい。例えば、便性状センサ302は、水位センサであってもよい。この場合、便性状センサ302は、便器7の封水部の水位の変化を検知することにより排便を検知する。また、便性状センサ302は、放射温度計であってもよい。この場合、便性状センサ302は、排便から放出される赤外線を受光し、放射温度を検知することにより排便を検知する。
【0055】
また、例えば、便性状センサ302は、一次元画像を撮影するラインセンサであってもよい。この場合、便座装置2は、便性状センサ302で落下中の便を経時的に撮影し、便性状センサ302が撮影した一次元画像から二次元画像を生成し、生成した二次元画像を基に画像処理を行ってもよい。例えば、便性状センサ302は、超音波センサであってもよい。この場合、便性状センサ302は、超音波を排便に対して発信し、排便から反射した波(超音波)を受信することにより排便を検知する。なお、便性状センサ302は、上述したセンサを複数含んでもよい。例えば、便性状センサ302は、カメラと放射温度計とを含み、放射温度計により排便を検知した場合にカメラにより二次元画像を撮影してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、便性状センサ302は、大便の排泄有無、大便の色、形、及び量の少なくとも1つを検知可能であればどのような構成であってもよい。
【0056】
ユーザ端末200は、排泄記録等の使用者の排泄に関する各種情報(排泄情報)を表示する表示部(表示装置)として機能する。ユーザ端末200は、便座装置2から排泄記録を示す情報を受信し、受信した排泄記録を示す情報を表示する。例えば、ユーザ端末200は、排泄記録を、排泄の日時ごとに時系列で表示する。
【0057】
例えば、ユーザ端末200は、使用者(ユーザ)によって利用されるユーザ端末(コンピュータ)である。ユーザ端末200は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)等により実現される。例えば、ユーザ端末200は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、ユーザ端末200は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。
【0058】
ユーザ端末200は、便座装置2やサーバ装置400との間で情報を送受信する。例えば、ユーザ端末200は、使用者の排泄に関する情報をサーバ装置400から受信し、受信した情報を表示する。例えば、ユーザ端末200は、使用者の排泄記録を示すコンテンツをサーバ装置400から受信し、受信したコンテンツを表示する。
【0059】
また、ユーザ端末200の位置を検知するセンサ(位置センサ)を有してもよい。例えば、ユーザ端末200は、GPS(Global Positioning System)センサを有し、ユーザ端末200(使用者)の位置を検知してもよい。例えば、ユーザ端末200は、GPSの機能により排泄場所の情報を取得する。また、ユーザ端末200は、通信を行っている基地局の位置情報や、WiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)の電波を用いて推定されたユーザ端末200(使用者)の位置情報を取得してもよい。
【0060】
ユーザ端末200は、トイレシステムTSの便器7以外の便器での排泄の排泄記録の入力を受け付ける。ユーザ端末200は、便器以外の便器での排泄の排泄記録の手動による入力を受け付ける。ユーザ端末200は、サーバ装置400の排便情報データベース421に記録された排泄記録を表示する。ユーザ端末200は、排泄記録を時系列で表示する。ユーザ端末200は、排泄記録とともに排泄した便器の位置を示す情報を表示する。
【0061】
サーバ装置400は、受信した使用者識別情報に、受信した排泄情報を対応付けて記憶部420に登録する。また、サーバ装置400は、受信した排泄情報がトイレシステムTSの便座装置2により検知された自動記憶である場合、自動記録であることを示す情報(第1のラベル)を受信した排泄情報を対応付けて記憶部420に登録する。また、サーバ装置400は、受信した排泄情報が使用者により手動で入力された場合、手動入力であることを示す情報(第2のラベル)を受信した排泄情報を対応付けて記憶部420に登録する。
【0062】
サーバ装置400は、便座装置2やユーザ端末200と、インターネット等の所定のネットワーク(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、サーバ装置400は、情報の送受信が可能であれば、便座装置2やユーザ端末200とどのように接続されてもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。
【0063】
サーバ装置400の装置構成及び配置は、便座装置2やユーザ端末200と通信し、処理が実現可能であれば、任意の形態が採用可能である。例えば、サーバ装置400は、排泄情報管理システム1の管理者等が携帯可能なノートパソコン等の携帯端末(デバイス)であってもよい。また、サーバ装置400は、トイレルームR内に配置されてもよい。
【0064】
なお、上記は一例に過ぎず、排泄情報管理システム1は、所望の処理を実現可能であれば任意の装置構成が採用可能である。例えば、ユーザ端末200がサーバ装置400の機能を有する場合、排泄情報管理システム1は、サーバ装置400を有しなくてもよい。この場合、ユーザ端末200が排便記録の管理や表示する情報の生成などを行う記録部(記憶装置)としても機能する。この場合、ユーザ端末200が便座装置2と通信し、便座装置2から使用者の排泄情報を取得する。例えば、ユーザ端末200は、便座装置2から取得した使用者の排泄情報を自装置の記憶部(サーバ装置400の記憶部420に相当)に記憶し、使用者の排泄記録として管理する。
【0065】
また、例えば、操作装置10が排泄記録を表示する表示部として機能してもよい。また、操作装置10及びユーザ端末200の両方が表示部として機能する装置として排泄情報管理システム1に含まれてもよい。また、排泄情報管理システム1に含まれる便性状センサ302等のセンサ(検知部)は、便座装置2が有してもよい。なお、上記のシステム構成は一例に過ぎず、所望の処理が可能であれば、排泄情報管理システム1はどのようなシステム構成であってもよい。
【0066】
また、排泄情報管理システム1には、着座センサ301や便性状センサ302以外のセンサも含まれてもよい。例えば、排泄情報管理システム1には、人体検知センサが含まれてもよい。人体検知センサは、人体を検知する機能を有する。例えば、人体検知センサは、赤外線信号を用いた焦電センサ等により実現される。例えば、人体検知センサは、μ(マイクロ)波センサ等により実現されてもよい。なお、上記は一例であり、人体検知センサは、上記に限らず、種々の手段により人体を検知してもよい。例えば、人体検知センサは、トイレルームR(図1参照)内に入室した人(使用者など)を検知する。人体検知センサは、検知信号を便座装置2へ送信する。
【0067】
<1-2.便座装置の機能構成>
次に、便座装置2の機能構成について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、便座装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、電磁弁71と、ノズルモータ61と、洗浄ノズル6とを備える。例えば、通信部21、記憶部22及び制御部23は便座装置2の本体部3に設けられる。なお、図4では、図1で説明した便座装置2の構成の一部(本体部3や便座5や便器7等)についての図示を省略する。
【0068】
通信部21は、例えば、通信装置、通信回路等によって実現される。通信部21は、ネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部21は、操作装置10、着座センサ301、便性状センサ302、ユーザ端末200、サーバ装置400等との間で情報の送受信を行う。
【0069】
通信部21は、制御部23の制御に応じて、サーバ装置400と通信する。通信部21は、便性状センサ302による検知により取得した排泄情報をサーバ装置400へ送信する。また、通信部21は、操作装置10から使用者の操作を示す操作情報の受信を行う。
【0070】
記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部22は、便性状等の判定プログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。記憶部22は、検知部により検知された情報等の様々な情報を記憶する、記憶部22は、判定処理に用いる様々な情報を記憶する。
【0071】
記憶部420は、便の性状等、便に関する判定処理に用いる様々な情報を記憶する。例えば、記憶部420は、便に関する判定処理に用いる閾値を記憶する。例えば、便に関する判定に用いる各種のモデル(判定モデル)を記憶する。例えば、便の形状、色、量等の判定に用いる各種の判定モデルを記憶する。記憶部22は、計測した時間に関する情報を記憶する。記憶部22は、排便に要する時間を示す情報を記憶する。なお、上記は一例に過ぎず、記憶部22は、便に関する様々な情報を記憶する。
【0072】
制御部23は、例えば各種構成や処理を制御する制御装置であってもよい。制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって、便座装置2内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係便性状等の判定プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0073】
図4に示すように、制御部23は、取得部231と、時計部232と、要求部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0074】
取得部231は、情報を取得する。取得部231は、記憶部22から各種情報を取得する。取得部231は、検知部(センサ)から検知の情報を取得する。取得部231は、着座センサ301から着座センサ301による検知を示す情報を受信する。取得部231は、便性状センサ302から便性状センサ302による検知を示す情報を受信する。取得部231は、操作装置10から使用者の操作等を示す各種情報を受信する。取得部231は、受信した各種情報を記憶部22に格納する。
【0075】
時計部232は、排便に関する時間を取得する。時計部232は、排泄行為が行われた日時を取得する。時計部232は、排泄の日時を示す情報(日時情報)を取得する。時計部232は、センサにより検知された情報に基づく排泄情報を生成する。時計部232は、通信部21を介してサーバ装置400へ情報を送信する。例えば、時計部232は、便座装置2を使用する使用者の排泄情報をサーバ装置400へ送信する。時計部232は、センサにより検知された情報を基に、使用者の排便に要する時間を計測する。時計部232は、排便に要する時間を計測する。
【0076】
時計部232は、時刻を検知する。時計部232は、着座センサ301により使用者が座ったことを検知した時刻を計測する。時計部232は、便性状センサ302が取得した大便を最初に検知した時刻を計測する。時計部232は、着座センサ301により使用者が座ったことを検知した時刻と、便性状センサ302が取得した大便を最初に検知した時刻との差分からなる排泄記録を取得する。時計部232は、排泄に要した時間を、排泄の日時ごとに時系列で計測する。時計部232は、便性状センサ302による検知により排便を経時的に計測する。
【0077】
時計部232は、各種の判定処理を行う判定部として機能する。時計部232は、便性状センサ302により検知された情報を用いて、判定処理を行う。時計部232は、記憶部22に記憶された情報を用いて、判定処理を行う。時計部232は、便性状センサ302により撮影された画像中に大便が含まれるかを判定する。時計部232は、画像認識に関する技術を用いて、画像中に大便が含まれるかを判定する。
【0078】
例えば、時計部232は、画像を入力として、入力された画像中に大便が含まれるか否かを示す情報(スコア)を出力するモデル(大便判定モデル)を用いて、画像中に大便が含まれるかを判定する。この場合、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアと閾値(第1閾値)とを比較し、スコアが第1閾値以上である場合、その画像中に大便が含まれると判定する。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアと第1閾値とを比較し、スコアが第1閾値未満である場合、その画像中に大便が含まれないと判定する。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、画像に大便が含まれるか否かを判定してもよい。
【0079】
また、時計部232は、便性状センサ302により撮影された画像を基に大便の量を判定する。例えば、時計部232は、画像中に占める大便の割合を基に大便の量を判定する。例えば、時計部232は、大便判定モデルが出力するスコアを用いて、大便の量を判定してもよい。時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第1閾値以上、第2閾値未満である場合、大便の量を「とても少ない」と判定してもよい。第2閾値は、第1閾値よりも大きい値であるものとする。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第2閾値以上、第3閾値未満である場合、大便の量を「少ない」と判定してもよい。第3閾値は、第2閾値よりも大きい値であるものとする。
【0080】
また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第3閾値以上、第4閾値未満である場合、大便の量を「中」または「標準」と判定してもよい。第4閾値は、第3閾値よりも大きい値であるものとする。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第4閾値以上、第5閾値未満である場合、大便の量を「多い」と判定してもよい。第5閾値は、第4閾値よりも大きい値であるものとする。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第5閾値以上である場合、大便の量を「とても多い」と判定してもよい。なお、上記の5段階の判定は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、大便の量を判定してもよい。
【0081】
時計部232は、センサによる検知結果から便の性状を判定する。時計部232は、光学的な手法により便の性状を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の性状を判定する。時計部232は、便画像に基づいて、その便画像に対応する便の性状を判定する。例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の形状(単に「形」ともいう)を判定する。時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の形が、形に基づく複数段階のレベルのいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の形が、コロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状のいずれかであるかを判定する。
【0082】
時計部232は、便性状センサ302による検知結果から便の形状を判定する。時計部232は、光学的な手法により便の形状を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の形状を判定する。時計部232は、便の形状の分類に関する種々の技術を適宜用いて、便の形が、コロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状のいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、便画像の落下方向の長さや便(塊)の個数等の様々な情報(特徴量)に基づいて便の形状を判定(判断)してもよい。
【0083】
時計部232は、AI(人工知能)に関する技術を用いて便の形状を判定してもよい。例えば、時計部232は、機械学習により生成された学習モデル(形状判定モデル)を用いて、便の形状を判定してもよい。この場合、形状判定モデルは、事前に分類判断を示す教師データにより学習される。この教師データには、便画像と、その便画像に含まれる塊(便)の形状(コロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状のいずれか)を示すラベル(正解情報)との組合せを複数含む。例えば、形状判定モデルは、便画像を入力とし、入力された便画像に含まれる塊(便)の形状を示す情報を出力するモデルである。例えば、形状判定モデルは、便画像が入力された場合に、入力された便画像に対応するラベル(便の形状)の情報を出力するように学習される。形状判定モデルの学習は、いわゆる教師あり学習に関する種々の手法を適宜用いて行われる。この場合、形状判定モデルは記憶部22に格納され、時計部232は、記憶部22に格納された形状判定モデルを用いて、便の形状を判定してもよい。例えば、便座装置2が学習処理を行い、形状判定モデルを生成してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、便の形状を判定してもよい。また、上記のコロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状の7段階は形状の一例に過ぎず、時計部232は、それ以外の形状を判定してもよいし、6段階以下に判定してもよい。また、ここでは便の形を複数段階のレベルのいずれかであるかを判定する例を示したが、その限りではなく、1度の排泄行為において、複数の便の形状が含まれる場合は、複数の便形状を判定してもよい。
【0084】
また、例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の色を判定する。時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の色が、色に基づく複数段階のレベルのいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の色が、黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶のいずれかであるかを判定する。
【0085】
時計部232は、便性状センサ302による検知結果から便の色を判定する。時計部232は、光学的な手法により便の色を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の色を判定する。時計部232は、便の色の分類に関する種々の技術を適宜用いて、便の色が、黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶のいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、カラー画像(RGB)の輝度や明度等の様々な情報(特徴量)に基づいて便の色を判定(判断)する。
【0086】
時計部232は、AI(人工知能)に関する技術を用いて便の色を判定してもよい。例えば、時計部232は、機械学習により生成された学習モデル(色判定モデル)を用いて、便の色を判定してもよい。この場合、色判定モデルは、事前に分類判断を示す教師データにより学習される。この教師データには、便画像と、その便画像に含まれる塊(便)の色(黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶のいずれか)を示すラベル(正解情報)との組合せを複数含む。例えば、色判定モデルは、便画像を入力とし、入力された便画像に含まれる塊(便)の色を示す情報を出力するモデルである。例えば、色判定モデルは、便画像が入力された場合に、入力された便画像に対応するラベル(便の色)の情報を出力するように学習される。色判定モデルの学習は、いわゆる教師あり学習に関する種々の手法を適宜用いて行われる。この場合、色判定モデルは記憶部22に格納され、時計部232は、記憶部22に格納された色判定モデルを用いて、便の色を判定してもよい。例えば、便座装置2が学習処理を行い、色判定モデルを生成してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、便の色を判定してもよい。また、上記の黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶の6段階は色の一例に過ぎず、時計部232は、それ以外の形状を判定してもよいし、5段階以下に判定してもよい。また、ここでは便の色を複数段階のいずれかであるかを判定する例を示したが、その限りではなく、1度の排泄行為において、複数の便の色が含まれる場合は、複数の便の色を判定してもよい。なお、上述した各種の判定処理は、サーバ装置400が行ってもよい。例えば、便の色等の便性状の判定は、便座装置2側ではなく、サーバ装置400側で行ってもよい。この場合、上述した判定処理に用いる情報や判定処理の機能はサーバ装置400が有し、便座装置2は便性状センサ302により検知した情報をサーバ装置400へ送信する。このように、サーバ装置400は、時計部232の判定処理の機能を有してもよい。例えば、サーバ装置400が時計部232を有してもよい。この場合、便座装置2に時計部232は含まれなくてもよい。
【0087】
要求部233は、検知した使用者の排泄情報の登録をサーバ装置400へ要求する。要求部233は、通信部21を介してサーバ装置400へ排泄情報を送信することにより、サーバ装置400へ排泄情報の登録を要求する。要求部233は、使用者識別情報とともに排泄情報をサーバ装置400へ排泄情報を送信することにより、サーバ装置400へその排泄情報を、使用者識別情報により特定される使用者の情報としての登録を要求する。
【0088】
また、制御部23は、ノズルモータ61や電磁弁71を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された信号に基づいて、ノズルモータ61や電磁弁71を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された局部洗浄に関する制御指示の信号に基づいて、ノズルモータ61を制御する。制御部23は、洗浄ノズル6を進退させるためにノズルモータ61を制御する。制御部23は、電磁弁71の開閉を制御する。制御部23は、便性状センサ302を制御するための制御情報を便性状センサ302に送信する。
【0089】
また、制御部23は、図1に示すような便蓋4や便座5を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された信号に基づいて、便蓋4や便座5を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された便蓋開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便蓋4を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された着座部開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便座5を制御する。制御部23は、有線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信する。なお、制御部23は、無線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信してもよい。
【0090】
制御部23は、着座センサ301による使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部23は、着座センサ301による便座5への使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部23は、上述した制御に関する演算を実行する演算部や記憶部等の各種の構成を有する。
【0091】
電磁弁71は、流体の流れを電磁的方法により制御する弁(バルブ)の機能を有する。電磁弁71は、例えば給水管からの水道水の供給および停止を切り替える。電磁弁71は、制御部23からの指示に応じて開閉の制御を実行する。
【0092】
ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を進退駆動する駆動源(モータ)である。ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を本体部3の本体カバー30に対して進退させる制御を実行する。ノズルモータ61は、制御部23からの指示に応じて洗浄ノズル6を進退させる制御を実行する。
【0093】
<1-3.サーバ装置の機能構成>
次に、サーバ装置の機能構成について図5を参照して説明する。図5は、実施形態に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。具体的には、図5は、サーバ装置の一例であるサーバ装置400の構成の一例を示すブロック図である。
【0094】
図5に示すように、サーバ装置400は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを有する。なお、サーバ装置400は、サーバ装置400の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0095】
通信部410は、例えば、通信回路等によって実現される。通信部410は、ネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部410は、便座装置2やユーザ端末200等との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部410は、排泄記録を示す情報(コンテンツ)をユーザ端末200へ送信する。
【0096】
記憶部420は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部420は、排泄情報を管理する管理プログラムや提供するコンテンツ等の情報を生成する生成プログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。実施形態に係る記憶部420は、図5に示すように、排便情報データベース421を有する。なお、記憶部420は、排便情報データベース421に限らず、様々な情報を記憶する。
【0097】
実施形態に係る排便情報データベースは、使用者の排便に関する各種情報を記憶する。例えば、排便情報データベースは、使用者の排便の履歴を記憶する。図6は、実施形態に係る排便情報データベースの一例を示す図である。図6に示す排便情報データベースには、「日付」、「時刻」、「ラベル」、「場所」、「形」、「色」、「量」といった項目が含まれる。
【0098】
「日付」は、排泄行為が行われた日付(日にち)を示す。「時刻」は、排泄行為が行われた時刻(時間)を示す。
【0099】
「ラベル」は、排泄情報の取得態様の種別を示す。例えば、「自動」は、排泄情報が自動で検知されたことを示す第1のラベルであり、便座装置2により排泄情報が自動で検知されたことを示す。また、「手動」は、排泄情報が使用者により手動で入力されたことを示す第2のラベルであり、排泄行為を行った使用者自身が排泄情報を入力したことを示す。このように、検知部(センサ)で検知されたデータは、自動記録データのラベル(第1のラベル)を付与されて記録される。一方で、手動入力されたデータは、手動記録データのラベル(第2のラベル)を付与されて記録される。
【0100】
「場所」は、排泄情報に対応する排泄行為が行われた場所を示す。なお、図6の例では「場所」として、自宅や学校といった使用者と場所との関係を示す情報が登録される場合を示すが、「場所」は、具体的な緯度・経度(緯度経度情報)、エリアを示す情報、排泄行為が行われた建物の名称等、場所(位置)に関連する様々な種別の情報であってもよい。
【0101】
「形」は、取得された便の形状を示す。「形」は、例えば「コロコロ」、「カチカチ」、「ひび割れ」、「バナナ状」、「やわらか」、「泥状」、「水状」等の複数の形状への分類結果が登録される。なお、上記は一例に過ぎず、「形」は上記に限らず、様々な形状を示す情報が登録されてもよい。
【0102】
「色」は、取得された便の色を示す。例えば、「色」は、「黄」、「薄い黄土」、「黄土」、「茶」、「こげ茶」、「濃いこげ茶」等の複数の色への分類結果が登録される。例えば、「黄」、「薄い黄土」、「黄土」、「茶」、「こげ茶」、「濃いこげ茶」の順で色が濃くなり、「濃いこげ茶」が最も色が濃い便となる。なお、上記は一例に過ぎず、「色」は上記に限らず、様々な色を示す情報が登録されてもよい。
【0103】
「量」は、取得された便の量を示す。例えば、「量」は、「とても多い」、「多い」、「中」、「少ない」、「とても少ない」等の複数の色への分類結果が登録される。例えば、「とても多い」、「多い」、「中」、「少ない」、「とても少ない」の順で量が少なくなり、「とても少ない」が最も量が少ない便となる。なお、上記は一例に過ぎず、「量」は上記に限らず、様々な量を示す情報が登録されてもよい。
【0104】
図6の例では、1月5日の7時15分に行われた排泄行為の排泄情報、及び1月7日の7時30分に行われた排泄行為の排泄情報等が登録されている状態を示す。なお、図6では、説明のために1人の使用者(以下「使用者U」とする)の排泄情報が登録されている状態を示すが、複数の使用者の排泄情報を管理する場合、使用者を識別するための識別情報(使用者識別情報)を各排泄情報に対応付けて登録される。
【0105】
例えば、1月7日の7時30分に行われた排泄行為の排泄情報は、自動で登録されたことを示す。すなわち、1月7日の7時30分に行われた排泄行為の排泄情報は、便座装置2により検知された排泄情報であることを示す。また、1月7日の7時30分に行われた排泄行為が行われた場所は、自宅で行われたことを示す。また、1月7日の7時30分に行われた排泄行為の便の性状は、形はバナナ状、色はこげ茶、量は少ないであることを示す。
【0106】
例えば、1月5日の7時15分に行われた排泄行為の排泄情報は、手動で登録されたことを示す。すなわち、1月5日の7時15分に行われた排泄行為の排泄情報は、使用者Uにより入力された排泄情報であることを示す。また、1月5日の7時15分に行われた排泄行為が行われた場所は、学校で行われたことを示す。また、1月5日の7時15分に行われた排泄行為の便の性状は、形はバナナ状、色は黄土、量は多いであることを示す。
【0107】
なお、排便情報データベース121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。上述したように、図6中の排便情報データベース121は、複数の使用者の排泄情報を記憶する。例えば、排便情報データベース421は、排泄情報として便画像を記憶してもよい。排便情報データベース421は、便画像に対応する便についての情報を、便画像に対応付けて記憶する。排便情報データベース421は、便画像に対応する便について判定された判定結果(形、色、量等)を、便画像に対応付けて記憶する。排便情報データベース421は、便画像に対応する便の性状や、便画像に対応する便の量等の情報を記憶する。また、排便情報データベース421は、便画像が取得された日時、便画像に対応する便の排泄を行った使用者を識別する情報等を、便画像に対応付けて記憶してもよい。
【0108】
制御部430は、例えば、CPUやGPU等によって、サーバ装置400内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る管理プログラムや生成プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部430は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0109】
図5に示すように、制御部430は、受付部431と、登録部432と、提供部433とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部430の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0110】
受付部431は、情報を受け付ける。受付部431は、記憶部420に記憶させる情報を受け付ける。受付部431は、手動によりユーザが入力した情報を受け付ける。受付部431は、ユーザがユーザ端末200を操作して入力した情報を受け付ける。受付部431は、排便情報データベース421に追加して登録する排泄記録の入力を受け付ける。受付部431は、トイレシステムTSの便器7以外の便器での排泄の排泄記録の入力を受け付ける。受付部431は、使用者が手動でユーザ端末200に入力した排便記録の入力をユーザ端末200から受信する。受付部431は、トイレシステムTSの便器7以外の便器での使用者の排泄の排泄記録の手動による入力を受け付ける。
【0111】
受付部431は、情報を取得する取得部としても機能する。受付部431は、記憶部420から各種情報を取得する。受付部431は、便座装置2やユーザ端末200から各種情報を受信する。受付部431は、便座装置2から便に関する情報を受信する。受付部431は、便座装置2から排泄記録を受信する。受付部431は、便座装置2から便画像(データ)を受信する。受付部431は、排泄物を受けるボウル部8が形成された便器7の上部に載置される便座装置2に設けられ、便を検知するために便性状センサ302からの情報に基づく便画像を取得する。受付部431は、取得した便画像を排便情報データベース421に格納する。
【0112】
登録部432は、各種の情報を登録する処理を行う。登録部432は、便座装置2から取得された排泄情報(排泄記録)を登録する。登録部432は、排泄情報を記憶部420に記憶させる。例えば、登録部432は、使用者識別情報に対応付けて排泄情報を排便情報データベース421に登録する。
【0113】
登録部432は、受付部431により受け付けられた情報を記憶部420に登録する。登録部432は、受付部431により受け付けられた手動による便器7以外の便器での排泄の排泄記録を排便情報データベース421に記憶する。登録部432は、各種のセンサ(検知部)で検知された排泄情報と時計部232により取得された排泄の日時情報とを含む排泄記録を自動で排便情報データベース421に記録する。例えば、登録部432は、便座装置2の検知により取得された排泄記録に第1のラベルを付与して排便情報データベース421に記憶する。例えば、登録部432は、ユーザ端末200を用いて使用者が手動で入力した排泄記録に第2のラベルを付与して排便情報データベース421に記憶する。例えば、登録部432は、便座装置2から受信した排泄記録に第1のラベルを付与して排便情報データベース421に記憶し、ユーザ端末200から受信した排泄記録に第2のラベルを付与して排便情報データベース421に記憶する。登録部432は、排泄記録とともに便器の位置の情報を排便情報データベース421に記憶する。
【0114】
提供部433は、情報を提供する。提供部433は、通信部410を介して外部の情報処理装置へ情報を送信する。例えば、提供部433は、ユーザ端末200や便座装置2へ各種情報を送信する。提供部433は、記憶部420に記憶された排泄記録をユーザ端末200等へ送信する。
【0115】
提供部433は、各種の情報の生成処理を行う生成部として機能する。提供部433は、ユーザ端末200に表示させる排泄記録を示すコンテンツを生成する。提供部433は、排泄記録を示す画面(コンテンツ)を生成する。例えば、提供部433は、画像生成や画像処理等に関する種々の技術を適宜用いて、ユーザ端末200へ提供するコンテンツ(画像情報)を生成する。例えば、提供部433は、Java(登録商標)等の種々の技術を適宜用いて、ユーザ端末200へ提供する画面(画像情報)を生成する。なお、提供部433は、CSS(Cascading Style Sheets)やJavaScript(登録商標)やHTML(Hyper Text Markup Language)の形式に基づいて、ユーザ端末200へ提供するコンテンツ(画像情報)を生成してもよい。また、例えば、提供部433は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やGIF(Graphics Interchange Format)やPNG(Portable Network Graphics)など様々な形式でコンテンツを生成してもよい。提供部433は、生成したコンテンツをユーザ端末200等へ送信する。例えば、提供部433は、手動入力画面を生成し、生成した手動入力画面をユーザ端末200へ送信する。
【0116】
提供部433は、各種の情報の通知処理を行う通知部(報知部)として機能する。提供部433は、排便情報データベース421への記録が所定の期間ない場合、排便情報データベース421への入力を促す報知をする。提供部433は、使用者の排泄記録の登録が使用者の排泄間隔を超える期間ない場合、使用者に排泄情報の入力を促す通知コンテンツ(例えば図17中のユーザ端末200の表示画面)をユーザ端末200へ送信し、ユーザ端末200に通知コンテンツを表示させる。
【0117】
提供部433は、各種の情報の推定処理を行う推定部として機能する。提供部433は、排便情報データベース421に記録された排泄の日時情報から推測される排泄の想定日時を基に所定の期間を算出する。例えば、提供部433は、排便情報データベース421に記録された排泄の日時情報を基に所定の期間を算出する。提供部433は、排便情報データベース421に記録された排泄の日時情報から使用者の排泄間隔を算出する。提供部433は、排便情報データベース421に記録された排泄間の間隔の平均を使用者の排泄間隔として算出する。
【0118】
例えば、提供部433は、使用者の最新(最後)の排泄日時と、使用者の排泄間隔から次の排泄日時(想定日時)を推定する。例えば、提供部433は、最後の排泄日時が1月5日8時であり、使用者の排泄間隔が24時間である場合、想定される次の排泄日時(想定日時)を1月6日8時であると推定する。この場合、提供部433は、最後の排泄日時「1月5日8時」と想定日時「1月6日8時」との差(24時間)を所定の期間として算出する。例えば、提供部433は、1月5日8時の24時間経過しても排泄記録が登録されていない場合、使用者に対して排泄記録の入力を促す報知を行う。
【0119】
提供部433は、排便情報データベース421に記録された排泄記録から排泄記録を推定し、推定される排泄記録を入力手段への入力とする。提供部433は、推定した推定情報を含むコンテンツを提供する。提供部433は、使用者に対応する推定情報が予め設定された手動入力画面(コンテンツ)を生成し、ユーザ端末200へ提供する。なお、情報の推定については後述する。
【0120】
<1-4.手動入力例>
ここで、使用者がトイレシステムTS(「健康トイレ」ともいう)以外のトイレなど、自動記録機能を有しないトイレ(便器)で行った排泄に関する排泄情報の取得について説明する。例えば、便座装置2が配置されていない通常のトイレ(便器)で使用者が排泄行為を行った場合、排泄情報管理システム1は、使用者による排泄情報の手動入力を受け付ける。この点について図7及び図8を用いて説明する。図7及び図8は、排便情報の手動入力の一例を示す図である。具体的には、図7は、排便情報の手動入力における表示の遷移の一例を示す図である。また、図8は、手動入力を選択する画面の一例を示す図である。なお、図7では、ユーザ端末200を表示の遷移に応じて、ユーザ端末200-1及びユーザ端末200-2として示すが、同一のユーザ端末200であり、区別せずに説明する場合、「ユーザ端末200」と記載する場合がある。
【0121】
図7の例では、使用者Uは、自動記録機能が無い通常のトイレ(便器TL)で排泄を行う。この場合、排泄情報管理システム1は、ユーザ端末200-1に示すように、使用者による排泄情報の手動入力を受け付ける。例えば、排泄情報管理システム1は、ユーザ端末200-1に示すように、前回の排泄記録を示す情報INF1とともに、「他のトイレでの排泄を入力」と記載されたボタンBT1をユーザ端末200に表示させる。なお、サーバ装置400がユーザ端末200-1に示す情報を含むコンテンツを生成し、ユーザ端末200へ送信してもよい。そして、受信した情報をユーザ端末200に表示してもよい。
【0122】
図7に示す例では、ユーザ端末200-1は、1月7日の7時30分の排泄記録を示す情報INF1を使用者Uの最新の排泄記録として表示する。また、ユーザ端末200-1は、使用者に手動入力を行わせるためのボタンBT1を表示する。ボタンBT1が使用者Uにより選択された場合、ユーザ端末200は、ユーザ端末200-2に示すように、排泄情報の入力を受け付ける画面(「手動入力画面」ともいう)に表示を遷移させる。例えば、使用者Uは、手UAによりユーザ端末200のボタンBT1が表示された領域をタッチすることにより、ユーザ端末200の表示を手動入力画面に遷移させる。例えば、ユーザ端末200は、ボタンBT1が選択された場合、手動入力画面をサーバ装置400へ要求し、サーバ装置400から受信した手動入力画面を表示する。
【0123】
図7に示す例では、ユーザ端末200-2は、排泄時刻、便の形状、便の量、便の色、排泄場所等の各項目の手動入力を受け付けるための手動入力画面を表示する。使用者Uは、ユーザ端末200-2に表示された排泄時刻、便の形状、便の量、便の色、排泄場所等の各項目について、手動での入力を行う。そして、手動入力が完了した使用者Uは、ユーザ端末200に手動入力した情報を登録させる。例えば、使用者Uは、手動入力された情報の登録を行うためのボタン(図18のボタンBT31等)を選択することにより、ユーザ端末200に手動入力した情報を登録させる。例えば、ユーザ端末200は、使用者Uにより手動入力された排泄情報を、サーバ装置400へ送信することにより、サーバ装置400に使用者Uにより手動入力された排泄情報の登録を要求する。ユーザ端末200から使用者Uにより手動入力された排泄情報を受信したサーバ装置400は、使用者Uにより手動入力された排泄情報を、手動入力を示す情報(第2のラベル)及び使用者Uの使用者識別情報に対応付けて排泄情報を排便情報データベース421に登録する。
【0124】
例えば、自宅など、日常的に排泄するトイレに排泄情報を取得(自動記録)する機能がついていれば、多くのデータを自動で取得することができ、排泄記録を付ける煩わしさはない。しかしながら、勤務先や学校など、他のトイレで排泄すると、データが欠損し、排泄記録を正しく解釈できない。そこで、排泄情報管理システム1は、他のトイレのデータを使用者に手動で入力させてデータの欠損をなくすことにより、より十分な履歴データを取得することができる。
【0125】
なお、排泄情報管理システム1は、様々な手段により排泄情報を収集してもよい。この点について図8を用いて説明する。図8のユーザ端末200は、使用者に手動入力を行わせるための第1ボタンBT2と、他のトイレとの通信を行うための第2ボタンBT3とを表示する。例えば、第1ボタンBT2が使用者Uにより選択された場合、ユーザ端末200は、図7中のユーザ端末200-2に示すように、排泄情報の入力を受け付ける手動入力画面に表示を遷移させる。
【0126】
また、例えば、第2ボタンBT3が使用者Uにより選択された場合、ユーザ端末200は、通信可能な自動記録機能を有するトイレがあるか否かを探す処理を実行する。例えば、ユーザ端末200は、近距離通信等により付近に通信可能なトイレがあるかどうかを判定する。例えば、使用者Uは、自身のスマートフォン等のユーザ端末200をトイレの便器にかざすなどして、便器にID(使用者識別情報等)を一時登録して、IDを照合し、検知結果(排泄情報)に自動記録を示す情報(第1のラベル)を対応付けてサーバ装置400に記憶させる。また、ユーザ端末200は、通信可能な自動記録機能を有するトイレがあった場合、そのトイレをあらかじめ登録しておき、トイレを使用したときに登録したトイレを選択することで、そのトイレが検知した排泄情報を使用者Uによる排泄の情報として、サーバ装置400へ登録させてもよく、あらかじめ登録しておくことにより、IDの一時登録と照合の手間が省くことができる。これにより、排泄情報管理システム1は、排泄情報管理システム1Aのように自動記録可能なトイレを複数に増加させてもよい。例えば、ユーザ端末200は、通信可能な自動記録機能を有するトイレがあった場合、そのトイレと通信することにより、そのトイレが検知した排泄情報をそのトイレから受信し、受信した排泄情報をサーバ装置400へ送信してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、排泄情報管理システム1は、使用者の排泄情報を取得可能であれば様々な処理により、トイレシステムTS以外のトイレでの使用者の排泄情報を取得し、管理してもよい。
【0127】
<1-5.情報表示例>
ここで、図9及び図10を用いて、情報の表示例を説明する。図9は、情報の表示の一例を示す図である。具体的には、図9は、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)を使用中の使用者のユーザ端末200での情報の表示の一例を示す図である。図10は、情報の表示の他の例を示す図である。具体的には、図10は、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)を使用していない場合、例えば、便座装置2が配置されていない通常のトイレ(便器)を使用中の使用者のユーザ端末200での情報の表示の一例を示す図である。
【0128】
なお、図9及び図10のユーザ端末200に表示される情報は、サーバ装置400が生成し、ユーザ端末200へ提供してもよい。例えば、サーバ装置400は、ユーザ端末200から取得したユーザ端末200の位置情報を基に、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)を使用者が使用しているか否かを判定し、その判定結果を基にユーザ端末200へ提供してもよい。この場合、サーバ装置400は、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)を使用者が使用していると判定した場合、図9に示すような情報をユーザ端末200に提供する。また、サーバ装置400は、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)を使用者が使用していないと判定した場合、図10に示すような情報をユーザ端末200に提供する。ユーザ端末200は、サーバ装置400から受信した情報を表示する。なお、サーバ装置400を介することなく、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)を使用者が使用しているか否かの判定をユーザ端末200が行い、判定結果を基に図9及び図10のいずれかを表示してもよい。
【0129】
まず、図9について説明する。図9中のユーザ端末200は、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)を使用者が使用している場合の表示例を示す。「いますぐ結果を見る」と表示されたボタンBT11は、トイレ内でデータを見るときに用いられる。例えば、ボタンBT11が選択された場合、ユーザ端末200は、最新の検知結果(排泄情報)を表示する。
【0130】
また、「結果をダウンロードする」と表示されたボタンBT12は、自動で取得して記憶部(例えば、排便情報データベース421)に記憶されたデータを見るときに用いられる。例えば、ボタンBT12が選択された場合、ユーザ端末200は、サーバ装置400に使用者の未確認の最新の排泄情報を要求し、サーバ装置400から取得した最新の排泄情報を表示する。
【0131】
また、「過去の結果を見る」と表示されたボタンBT13は、自動、および手動で取得して記憶部(例えば、排便情報データベース421)に記憶されたデータを見るときに用いられる。例えば、ボタンBT13が選択された場合、ユーザ端末200は、サーバ装置400に使用者の過去の排泄情報を要求し、サーバ装置400から取得した過去の排泄情報を表示する。
【0132】
また、「結果を手動登録する」と表示されたボタンBT14は、使用者が手動入力するときに用いられる。なお、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)を使用者が使用している場合、ボタンBT14は選択不可の状態で表示される。図9では、ユーザ端末200は、ボタンBT14を選択不可の状態で表示する。このように、トイレシステムTS(健康トイレ)を使用者が使用している場合、ユーザ端末200は、ボタンBT14以外のボタンであるボタンBT11、BT12、BT13を選択可能な状態で表示する。
【0133】
次に、図10について説明する。図10中のユーザ端末200は、便座装置2が配置されていない通常のトイレ(健康トイレ以外のトイレ)を使用者が使用している場合の表示例を示す。なお、図9と同様の点については適宜説明を省略する。
【0134】
便座装置2が配置されていない通常のトイレ(健康トイレ以外のトイレ)を使用者が使用している場合、ボタンBT11は選択不可の状態で表示される。図10では、便座装置2が配置されていない通常のトイレ(健康トイレ以外のトイレ)を使用者が使用しているため、ユーザ端末200は、ボタンBT11を選択不可の状態で表示する。
【0135】
また、便座装置2が配置されていない通常のトイレ(健康トイレ以外のトイレ)を使用者が使用している場合、ユーザ端末200は、ボタンBT11以外のボタンであるボタンBT12、BT13、BT14を選択可能な状態で表示する。例えば、ボタンBT12が選択された場合、ユーザ端末200は、サーバ装置400に使用者の未確認の最新の排泄情報を要求し、サーバ装置400から取得した最新の排泄情報を表示する。例えば、ボタンBT13が選択された場合、ユーザ端末200は、サーバ装置400に使用者の過去の排泄情報を要求し、サーバ装置400から取得した過去の排泄情報を表示する。また、例えば、ボタンBT14が選択された場合、ユーザ端末200は、排泄情報の入力を受け付ける画面(例えば図7中のユーザ端末200-2の手動入力画面)を表示する。
【0136】
<2.変形例>
なお、上述したように、排泄記録を自動記録するトイレシステムTSは複数あってもよい。この点について以下説明する。なお、変形例に係る排泄情報管理システム1Aにおいて、実施形態に係る排泄情報管理システム1と同様の点については適宜説明を省略する。
【0137】
<2-1.排泄情報管理システムの構成>
変形例に係る排泄情報管理システムの構成について、図11を参照して説明する。図11は、変形例に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
【0138】
図11に示すように、排泄情報管理システム1Aは、トイレシステムTS1と、トイレシステムTS2と、ユーザ端末200と、サーバ装置400とを有する。トイレシステムTS1及びトイレシステムTS2は、実施形態で示したトイレシステムTSと同様に、便座装置2、操作装置10、着座センサ301及び便性状センサ302を含む。なお、トイレシステムTS1と、トイレシステムTS2とを区別せずに説明する場合、トイレシステムTSと記載する場合がある。
【0139】
このように、排泄情報管理システム1Aは、トイレシステムTS1及びトイレシステムTS2等、自動記録機能を有す複数のトイレシステムTSを含む。すなわち、排泄情報管理システム1Aは、便座装置2が配置されたトイレシステムTS(健康トイレ)が複数ある場合のシステム例を示す。なお、排泄情報管理システム1AのトイレシステムTSは、例えば使用者Uが自身のスマートフォン等のユーザ端末200を便座装置2等にかざすなどして登録を行うことにより、使用者Uの排泄情報を自動記録するトイレシステムTS(健康トイレ)として登録されてもよい。例えば、トイレシステムTS2は、使用者Uが使用時にユーザ端末200を便座装置2等にかざし、トイレシステムTS2の登録を行うことにより、トイレシステムTS2が使用者Uの排泄情報を自動記録するトイレシステムTS(健康トイレ)として登録されてもよい。
【0140】
<2-1.排泄情報管理システムの処理例>
図12を用いて、排泄情報管理システムの処理例について説明する。図12は、排泄情報管理システムの処理の一例を示す図である。
【0141】
図12の例では、使用者Uは、トイレシステムTS1の便座装置2が配置された便器7で排泄行為を行う。そして、便座装置2は、検知した使用者Uの排泄情報をサーバ装置400へ送信する(ステップS1)。トイレシステムTS1の便座装置2は、検知した日時を含む排泄情報と使用者Uを識別する使用者識別情報とを対応付けてサーバ装置400へ送信する。なお、トイレシステムTS1の便座装置2は、トイレシステムTS1の位置を示す情報(位置情報)もサーバ装置400へ送信してもよい。
【0142】
そして、サーバ装置400は、受信した使用者Uの使用者識別情報に、受信した排泄情報及び自動記録を示す情報(第1のラベル)を対応付けて排便情報データベース421に登録する(ステップS2)。
【0143】
そして、使用者Uは、トイレシステムTS2の便座装置2が配置された便器7で排泄行為を行う。そして、便座装置2は、検知した使用者Uの排泄情報をサーバ装置400へ送信する(ステップS3)。トイレシステムTS2の便座装置2は、検知した日時を含む排泄情報と使用者Uを識別する使用者識別情報とを対応付けてサーバ装置400へ送信する。なお、トイレシステムTS2の便座装置2は、トイレシステムTS2の位置を示す情報(位置情報)もサーバ装置400へ送信してもよい。
【0144】
そして、サーバ装置400は、受信した使用者Uの使用者識別情報に、受信した排泄情報及び自動記録を示す情報(第1のラベル)を対応付けて排便情報データベース421に登録する(ステップS4)。これにより、サーバ装置400は、トイレシステムTS1及びトイレシステムTS2のように異なるトイレシステムTSで検知された使用者Uの排泄情報を、同じ人物である使用者Uの排泄履歴として登録することができる。
【0145】
サーバ装置400は、使用者Uが利用するユーザ端末200に使用者Uの排泄履歴を示す情報を提供する(ステップS5)。例えば、使用者Uが利用するユーザ端末200からの要求に応じて、サーバ装置400は、使用者Uが利用するユーザ端末200に使用者Uの排泄履歴を示す情報を送信する。そして、ユーザ端末200は、サーバ装置400から受信した情報を表示する(ステップS6)。これにより、使用者Uは、トイレシステムTS1及びトイレシステムTS2のように異なる複数のトイレシステムTS(トイレ)で行った排泄の排泄記録を併せて確認することができる。
【0146】
<3.表示例>
ここから、図13図18を用いて、ユーザ端末200による排泄記録の表示の一例を説明する。
【0147】
まず、図13図15を用いて、便の形状、色、量など種別ごとの排泄記録の表示例を示す。図13は、排泄記録の表示の一例を示す図である。具体的には、図13は、便の形状に関する排泄記録の表示の一例を示す図である。図14は、排泄記録の表示の一例を示す図である。具体的には、図14は、便の色に関する排泄記録の表示の一例を示す図である。図15は、排泄記録の表示の一例を示す図である。具体的には、図15は、便の量に関する排泄記録の表示の一例を示す図である。図13図15では折れ線グラフを、排泄記録の表示態様の一例として示す。なお、排泄記録の表示態様は、折れ線グラフに限らず、棒グラフ、円グラフ、レーダーチャート及び各形状のカウント数を円の大きさで示すバブルチャート等の他の形式のグラフ、カレンダー形式、または文字情報であってもよく、これらを複数表示する表示態様であってもよい。
【0148】
<3-1.便の形状の表示例>
まず、図13について説明する。例えば、サーバ装置400は、日時毎に記憶した排泄情報(排泄記録)のうち形状の情報を、時系列に並べたグラフGR1を生成する。サーバ装置400は、縦軸がコロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状のいずれかであることを示し、横軸が日付を示す折れ線グラフであるグラフGR1を生成する。
【0149】
図13の例では、サーバ装置400は、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録を用いて、その約10日間における使用者Uの便の形状を時系列に並べたグラフGR1を生成する。サーバ装置400は、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録のうち、使用者Uが手動入力した情報が手入力であることを示す情報を付加したグラフGR1を生成する。サーバ装置400は、排便情報データベース421を参照し、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録のうち、第2のラベル(手動)が対応付けられた12月28日及び1月5日については、その情報が手入力であることを示す情報を付加したグラフGR1を生成する。
【0150】
そして、サーバ装置400は、図13に示すグラフGR1を含む情報(コンテンツ)をユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、図13に示すグラフGR1を含む情報(コンテンツ)をサーバ装置400から受信する。そして、ユーザ端末200は、図13に示すグラフGR1を含む情報(コンテンツ)を表示する。なお、ユーザ端末200は、第2のラベル(手動)が対応付けられた12月28日及び1月5日について、使用者による再入力を受け付けてもよい。
【0151】
例えば、表示したグラフGR1中の12月28日または1月5日が使用者により選択された場合、ユーザ端末200は、便の形状の入力を受け付ける画面(例えば図7中のユーザ端末200-2の手動入力画面)を表示して、使用者による便の形状の再入力を受け付けてもよい。使用者により便の形状の再入力がされた場合、ユーザ端末200は、使用者により再入力された便の形状の情報を対応する日時の情報とともにサーバ装置400から送信する。サーバ装置400は、受信した日時の便の形状の情報を、使用者により再入力された便の形状の情報に更新する。
【0152】
<3-2.便の色の表示例>
次に、図14について説明する。例えば、サーバ装置400は、日時毎に記憶した排泄情報(排泄記録)のうち色の情報を、時系列に並べたグラフGR2を生成する。サーバ装置400は、縦軸が黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶のいずれかであることを示し、横軸が日付を示す折れ線グラフであるグラフGR2を生成する。
【0153】
図14の例では、サーバ装置400は、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録を用いて、その約10日間における使用者Uの便の色を時系列に並べたグラフGR2を生成する。サーバ装置400は、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録のうち、使用者Uが手動入力した情報が手入力であることを示す情報を付加したグラフGR2を生成する。サーバ装置400は、排便情報データベース421を参照し、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録のうち、第2のラベル(手動)が対応付けられた12月28日及び1月5日については、その情報が手入力であることを示す情報を付加したグラフGR2を生成する。
【0154】
そして、サーバ装置400は、図14に示すグラフGR2を含む情報(コンテンツ)をユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、図14に示すグラフGR2を含む情報(コンテンツ)をサーバ装置400から受信する。そして、ユーザ端末200は、図14に示すグラフGR2を含む情報(コンテンツ)を表示する。なお、ユーザ端末200は、第2のラベル(手動)が対応付けられた12月28日及び1月5日について、使用者による再入力を受け付けてもよい。
【0155】
例えば、表示したグラフGR2中の12月28日または1月5日が使用者により選択された場合、ユーザ端末200は、便の色の入力を受け付ける画面(例えば図7中のユーザ端末200-2の手動入力画面)を表示して、使用者による便の色の再入力を受け付けてもよい。使用者により便の色の再入力がされた場合、ユーザ端末200は、使用者により再入力された便の色の情報を対応する日時の情報とともにサーバ装置400から送信する。サーバ装置400は、受信した日時の便の色の情報を、使用者により再入力された便の色の情報に更新する。
【0156】
<3-3.便の量の表示例>
次に、図15について説明する。例えば、サーバ装置400は、日時毎に記憶した排泄情報(排泄記録)のうち量の情報を、時系列に並べたグラフGR3を生成する。サーバ装置400は、縦軸がとても多い、多い、中、少ない、とても少ないのいずれかであることを示し、横軸が日付を示す折れ線グラフであるグラフGR3を生成する。
【0157】
図15の例では、サーバ装置400は、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録を用いて、その約10日間における使用者Uの便の量を時系列に並べたグラフGR3を生成する。サーバ装置400は、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録のうち、使用者Uが手動入力した情報が手入力であることを示す情報を付加したグラフGR3を生成する。サーバ装置400は、排便情報データベース421を参照し、使用者Uの12月26日から1月7日までの約10日間の排泄記録のうち、第2のラベル(手動)が対応付けられた12月28日及び1月5日については、その情報が手入力であることを示す情報を付加したグラフGR3を生成する。
【0158】
そして、サーバ装置400は、図15に示すグラフGR3を含む情報(コンテンツ)をユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、図15に示すグラフGR3を含む情報(コンテンツ)をサーバ装置400から受信する。そして、ユーザ端末200は、図15に示すグラフGR3を含む情報(コンテンツ)を表示する。なお、ユーザ端末200は、第2のラベル(手動)が対応付けられた12月28日及び1月5日について、使用者による再入力を受け付けてもよい。
【0159】
例えば、表示したグラフGR3中の12月28日または1月5日が使用者により選択された場合、ユーザ端末200は、便の量の入力を受け付ける画面(例えば図7中のユーザ端末200-2の手動入力画面)を表示して、使用者による便の量の再入力を受け付けてもよい。使用者により便の量の再入力がされた場合、ユーザ端末200は、使用者により再入力された便の量の情報を対応する日時の情報とともにサーバ装置400から送信する。サーバ装置400は、受信した日時の便の量の情報を、使用者により再入力された便の量の情報に更新する。
【0160】
<3-4.場所の表示例>
排泄記録の表示態様は、種別ごとに限らず様々な表示態様であってもよい。例えば、ユーザ端末200は、排泄記録の文字や数を時系列に並べて時系列で表示してもよい。この場合、サーバ装置400は、排泄記録の文字や数を時系列に並べたコンテンツ(コンテンツCX)を生成し、ユーザ端末200へ送信する。そして、ユーザ端末200は、受信したコンテンツCXを表示する。例えば、ユーザ端末200は、図6に示す排便情報データベース421を表示してもよい。
【0161】
また、ユーザ端末200は、排泄記録を場所に対応付けて表示してもよい。この点について、図16を用いて説明する。図16は、マップ化された表示の一例を示す図である。
【0162】
例えば、サーバ装置400は、日時毎に記憶した排泄情報(排泄記録)を参照し、場所(エリア)ごとの排泄行為の回数をカウントする。図16の例では、サーバ装置400は、場所(エリア)を都道府県単位として排泄行為の回数をカウントする。そして、サーバ装置400は、排泄行為の回数が多い場所程点が大きくなるコンテンツCYを生成する。図16の例では、サーバ装置400は、最も回数が多い東京都に対応する最も大きな点P1を含むコンテンツCYを生成する。また、サーバ装置400は、他に排泄行為が行われた場所である栃木に対応する点P2、北海道に対応する点P3、及び愛媛に対応する点P4を含むコンテンツCYを生成する。
【0163】
サーバ装置400は、コンテンツCYをユーザ端末200へ送信する。そして、ユーザ端末200は、受信したコンテンツCYを表示する。
【0164】
<3-5.入力を促す報知例>
排泄情報管理システム1は、使用者の排泄記録の登録が所定の期間(例えば24時間等使用者の排泄間隔を超える期間)ない場合、使用者に排泄情報の入力を促す報知を行ってもよい。この点について、図17を用いて説明する。図17は、使用者に入力を促す報知の一例を示す図である。なお、所定の期間は、排泄の日時情報を基に算出される。サーバ装置400は、排泄の日時の間隔から推定する排泄間隔を所定の期間として用いてもよい。
【0165】
また、図17のユーザ端末200に表示される情報は、サーバ装置400が生成し、ユーザ端末200へ提供してもよい。サーバ装置400は、排便情報データベース421を参照し、使用者の最後の排泄の日時とその時点での日時との差がその使用者の排泄間隔を超えている場合、その使用者のユーザ端末200に入力を促す報知を行うように指示する。例えば、サーバ装置400は、図17中の文字情報TX1やボタンBT21を含むコンテンツをユーザ端末200へ送信し、そのコンテンツをユーザ端末200に表示させることにより、ユーザ端末200に入力を促す報知を行うように指示してもよい。
【0166】
図17に示す例では、ユーザ端末200は、「前回排泄から24時間経過しています。入力忘れはないですか?」といった文字情報TX1と、「手動で入力する」と表記されたボタンBT21とを表示する。文字情報TX1は、使用者の排泄間隔(図17の例では24時間)を超えて排泄記録が登録されていない状態を使用者に報知するための情報である。また、ボタンBT21は、使用者に手動入力を行わせるためのボタンであり、ボタンBT21が使用者により選択された場合、ユーザ端末200は、排泄情報の入力を受け付ける画面(例えば図7中のユーザ端末200-2の手動入力画面)を表示する。これにより、排泄情報管理システム1は、使用者に手動入力を促すことができ、データの欠損を抑制することができる。なお、所定期間を超えて排泄記録が登録されていない状態を使用者に報知しても、使用者による入力忘れではなく、真に排泄がない場合もある。この場合、入力忘れではないことをユーザ端末200に入力することで、所定期間排泄がないことを登録してもよい。
【0167】
<3-6.推定情報の表示例>
排泄情報管理システム1は、手動入力画面を表示する際に、推定した情報(推定情報)を予め設定して表示してもよい。この点について、図18を用いて説明する。図18は、推定情報の表示の一例を示す図である。
【0168】
なお、図18のユーザ端末200に表示される情報は、サーバ装置400が生成し、ユーザ端末200へ提供してもよい。例えば、サーバ装置400は、図7中のボタンBT1や図17中のボタンBT21が使用者に選択された場合、その使用者に対応する推定情報が予め設定された手動入力画面(コンテンツ)を生成し、ユーザ端末200へ提供する。例えば、サーバ装置400は、図18中の手動入力された情報の登録を行うための情報やボタンBT31等を含むコンテンツをユーザ端末200へ送信する。
【0169】
図18に示す例では、ユーザ端末200は、推定情報として、排泄の時刻「7時」、便の形状「やわらか」、便の量「100g~250g」(中)、便の色「茶」があらかじめ設定された手動入力画面を表示する。排泄の時刻「7時」は、例えば表示時点での時刻や、最後の排泄日時にその使用者の排泄間隔を加算した時刻であってもよい。例えば、サーバ装置400は、使用者の最後の排泄日時にその使用者の排泄間隔を加算することにより、設定する排泄の時刻を算出する。
【0170】
また、便の形状「やわらか」は、例えばその使用者の排便記録で最も頻度が高い形状や、最後の排泄での形状であってもよい。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された使用者の排便記録での各形状をカウントし、最も回数が多い形状をその使用者の便の形状に推定する。
【0171】
また、便の量「100g~250g」は、例えばその使用者の排便記録における量の平均値や、最後の排泄での量であってもよい。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された使用者の排便記録における量の平均値を算出し、その平均値をその使用者の便の量に推定する。
【0172】
また、便の色「茶」は、例えばその使用者の排便記録で最も頻度が高い色や、最後の排泄での色であってもよい。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された使用者の排便記録での各色をカウントし、最も回数が多い色をその使用者の便の色に推定する。
【0173】
図18の例では、サーバ装置400は、排泄時刻を「7時」、便の形状が「やわらか」、便の量が「100g~250g」、便の色が「茶」に設定された手動入力画面(コンテンツ)を生成し、ユーザ端末200へ送信する。そして、図18に示すように、ユーザ端末200は、排泄時刻を「7時」、便の形状が「やわらか」、便の量が「100g~250g」、便の色が「茶」に設定された手動入力画面(コンテンツ)を表示する。このように、使用者がトイレシステムTS(健康トイレ)以外のトイレなど、自動記録機能を有しないトイレ(便器)で行った排泄に関する排泄情報を登録したい場合、推定情報を予め設定して表示(入力)することで、その推定情報が間違っていれば使用者がそれを修正し、推定情報があっていれば登録するだけ済む。したがって、排泄情報管理システム1は、使用者による手動入力の煩雑さを低減させることができ、使用者による手動入力を促進させることができる。
【0174】
<3-6-1.推定例>
なお、排泄情報管理システム1は、上記に限らず、様々な情報を用いて情報を推定してもよい。例えば、排泄情報管理システム1は、時刻や便の性状を直近数週間の平均から算出してもよい。例えば、排泄情報管理システム1は、使用者に直近の1週間では平均8時に普通便が出る傾向がある場合、その使用者は次も8時に普通便が出ると推定(推測)してもよい。
【0175】
例えば、排泄情報管理システム1は、前回の排泄結果から、推定してもよい。例えば、排泄情報管理システム1は、使用者に朝に硬い便が出て、次は夕方に軟便が出る傾向がある場合、朝に硬い便が出ている場合、その使用者は夕方に軟便が出ると推定してもよい。また、例えば、排泄情報管理システム1は、使用者に朝に普通便が出ている場合、次は翌朝に普通便が出る傾向がある場合、朝に普通便が出ている場合、その使用者は翌朝に普通便が出ると推定してもよい。なお、前回の排泄結果のみから推定するのではなく、過去2回以上の排泄結果の傾向や、排便情報データベースに記憶された使用者の排便記録の傾向から推定してもよい。
【0176】
例えば、排泄情報管理システム1は、曜日ごとの傾向から推定してもよい。例えば、排泄情報管理システム1は、使用者に月曜日は朝硬い便が出る傾向がある場合、その使用者は月曜日の朝に硬い便が出ると推定してもよい。例えば、排泄情報管理システム1は、使用者に金曜日は夕方に普通便が出る傾向がある場合、その使用者は金曜日の夕方に普通便が出ると推定してもよい。
【0177】
例えば、排泄情報管理システム1は、位置情報を取得して、位置ごとの傾向から推定してもよい。例えば、排泄情報管理システム1は、使用者に自宅にいるときは朝に普通便が出る傾向がある場合、朝の時間帯(例えば7~10時等)に使用者の位置が自宅である場合、その使用者は普通便が出ると推定してもよい。例えば、排泄情報管理システム1は、使用者に外出先では夕方に軟便が出る傾向がある場合、夕方の時間帯(例えば16~19時等)に使用者の位置が自宅及び勤務先とは異なる場所である場合、その使用者は軟便が出ると推定してもよい。
【0178】
例えば、排泄情報管理システム1は、スケジュールと連動して、傾向を推定してもよい。例えば、排泄情報管理システム1は、使用者に会議前に軟便が出る傾向がある場合、その使用者は会議前には軟便が出ると推定してもよい。
【0179】
<4.システム構成例>
上述したように、上記の排泄情報管理システム1の構成は一例に過ぎず、排泄情報管理システム1は、所望の処理を実現可能であれば任意の装置構成が採用可能である。例えば、上述した時計部232や記憶部22は、便座装置2以外の装置が有してもよい。例えば、時計部232の機能を実現する装置や記憶部22の機能を実現する装置の位置は任意の位置であってよい。例えば、サーバ装置400が時計部232の機能の全てまたは一部を有してもよい。また例えば、サーバ装置400が記憶部22の機能の全てまたは一部を有してもよい。
便性状の判定
【0180】
図4では便座装置2が時計部232を有する場合を一例として示したが、時計部232は、排泄情報管理システム1に含まれる他の装置が有してもよい。例えば、時計部232は、サーバ装置400が有してもよいし、便座装置2、サーバ装置400等と通信する他の装置(便性状判定装置)が有してもよい。この場合、例えば、排泄情報管理システム1には便性状判定装置が含まれてもよい。また例えば、サーバ装置400が時計部232を有する場合、サーバ装置400は、便性状判定装置としても機能する。また、時計部232の便の色等の便性状の判定の機能のみをサーバ装置400が有し、その他の時計部232の機能を便座装置2が有してもよい。このように、排泄情報管理システム1は、時計部232の機能を複数の装置に分散してもよい。なお、上記一例に過ぎず、所望の処理が可能であれば、排泄情報管理システム1は、任意の装置構成が採用可能である。
【0181】
なお、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0182】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0183】
R トイレルーム
1 排泄情報管理システム
2 便座装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 取得部
232 時計部
233 要求部
3 本体部
30 本体カバー
4 便蓋
5 便座
6 洗浄ノズル
60 ノズル用蓋
7 洋式大便器(便器)
71 電磁弁
8 ボウル部
9 リム部
10 操作装置
11 表示画面
200 ユーザ端末
301 着座センサ
302 便性状センサ
400 サーバ装置
410 通信部
420 記憶部
421 排便情報データベース
430 制御部
431 受付部
432 登録部
433 提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18