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特開2022-147264検出装置、検出方法及び空間投影装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147264
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】検出装置、検出方法及び空間投影装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0346 20130101AFI20220929BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 5/08 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20220929BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220929BHJP
   G06F 3/038 20130101ALI20220929BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220929BHJP
   G02B 30/60 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
G06F3/0346 421
H04N5/74 A
G09G5/00 510B
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/00 510Q
G09G5/08 D
G09G5/08 L
G09G5/02 B
G09G3/20 680C
G09G3/20 691Z
G09G3/20 633L
G09G3/20 660G
G09G3/20 650M
G09G3/20 660X
G09G3/34 D
G03B21/00 D
G06F3/038 350
G06F3/01 570
G02B30/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048435
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 駿介
(72)【発明者】
【氏名】成川 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】深野 和靖
(72)【発明者】
【氏名】小林 正樹
【テーマコード(参考)】
2H199
2K203
5B087
5C058
5C080
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
2H199BA32
2H199BB06
2H199BB12
2H199BB15
2H199BB18
2H199BB20
2H199BB33
2H199BB52
2H199BB62
2K203FA62
2K203FA83
2K203FB14
2K203KA36
2K203MA35
5B087AA06
5B087CC09
5B087CC33
5C058BA35
5C058EA01
5C058EA13
5C058EA26
5C058EA54
5C080AA10
5C080AA17
5C080BB05
5C080CC02
5C080CC03
5C080CC04
5C080DD13
5C080DD21
5C080DD22
5C080DD27
5C080EE17
5C080EE21
5C080EE22
5C080EE27
5C080FF14
5C080GG05
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ06
5C080KK43
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA12
5C182AA14
5C182AB02
5C182AB08
5C182AC01
5C182AC38
5C182AC46
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA27
5C182BA29
5C182BA65
5C182BA75
5C182CA32
5C182CB14
5C182CB42
5E555AA78
5E555BA01
5E555BA29
5E555BB01
5E555BB29
5E555BC01
5E555CA41
5E555CB23
5E555CB55
5E555CB66
5E555DA03
5E555DA23
5E555DA24
5E555DB06
5E555DB53
5E555DC30
5E555DC35
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で空間操作の検出が可能な検出装置、検出方法及び空間投影装置を提供すること。
【解決手段】検出装置は、投影光を空間結像面40に結像させることで画像を空間投影する導光光学系30と、空間結像面40と同一面上に設けられ、空間結像面40の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出するセンサ(70)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影する導光光学系と、
前記空間結像面と同一面上に設けられ、前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出するセンサと、
を備えることを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記投影光が結像される結像媒体を備え、
前記導光光学系は、前記結像媒体で結像された前記投影光を空間投影光として導光し、前記空間結像面に再結像させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記センサは、二軸周りに回動しながら走査して前記ユーザ操作に関する被検出体の立体空間上の位置を検出可能に構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記センサは、TOFライダセンサであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の検出装置。
【請求項5】
前記センサが検出した前記ユーザ操作に関する被検出体の前記空間結像面に対する進入深度に応じた強度で応答出力可能な出力部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の検出装置。
【請求項6】
前記出力部は、スピーカ又は送風機であることを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記センサが検出した前記ユーザ操作に関する被検出体の前記空間結像面に対する進入深度に応じて、前記空間結像面にポインタ画像の表示態様を段階的に変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の検出装置。
【請求項8】
前記ポインタ画像は、前記被検出体が深く進入するに従って前記被検出体の位置に収束するように形状が変化することを特徴とする請求項7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記ポインタ画像は、前記被検出体が深く進入するに従って色を変化させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の検出装置。
【請求項10】
導光光学系により投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影し、
前記空間結像面と同一面上に設けられたセンサにより前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出する、
ことを特徴とする検出方法。
【請求項11】
投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影する導光光学系と、
前記空間結像面と同一面上に設けられ、前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出するセンサと、
を備えることを特徴とする空間投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置、検出方法及び空間投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から空間投影画像に対する操作を検出する技術が開示されている。例えば、特許文献1の立体的二次元画像表示装置は、空間中の立体画像表示面に対応づけて配置され、外部からの物理的な働きかけを受けた位置に対応した信号を出力する三次元位置検出センサと、音声を出力するスピーカとを備えている。三次元位置検出センサは、検出平面を画成する四角枠の4つの辺に、X方向検出用ラインセンサの発光部と受光部とを対向して設け、Y方向検出用ラインセンサの発光部と受光部とを対向して設けている。また、三次元位置検出センサは、X方向検出用ラインセンサとY方向検出用ラインセンサを、奥行方向のZ方向に複数層配列することで、被検出物の三次元位置を検出可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-141102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような三次元位置検出センサでは、検出対象である三次元空間領域を囲うように多くのラインセンサを設けた煩雑な構成となってしまう。
【0005】
本発明は、簡易な構成で空間操作の検出が可能な検出装置、検出方法及び空間投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の検出装置は、投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影する導光光学系と、前記空間結像面と同一面上に設けられ、前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出するセンサと、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の検出方法は、導光光学系により投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影し、前記空間結像面と同一面上に設けられたセンサにより前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の空間投影装置は、投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影する導光光学系と、前記空間結像面と同一面上に設けられ、前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出するセンサと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な構成で空間操作の検出が可能な検出装置、検出方法及び空間投影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る空間投影装置を平面側から見た模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る投影装置の構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る空間投影装置を正面側から見た模式図である。
図4】本発明の実施形態に係るTOFライダセンサの走査範囲と、被検出領域との位置関係を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る変形例1における空間投影装置の平面側から見た模式図である。
図6】本発明の実施形態に係る変形例における空間投影装置の応答出力を示す模式図であり、(a)は変形例2を示し、(b)は変形例3を示す。
図7】本発明の実施形態に係る変形例4における空間投影装置の応答出力を示す模式図であり、(a)は変形例4のポインタ画像を空間投影画像に表示させた図であり、(b)はポインタ画像の色が変化する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は空間投影システム1における空間投影装置100の平面模式図である。空間投影装置100は、投影装置10(プロジェクタ)と、投影装置10から出射された投影光P1が照射される結像媒体20と、結像媒体20に投影された光を導光する導光光学系30と、導光光学系30により導光された光が再結像される空間結像面40(空間結像部)とを備える。また、空間投影装置100は、制御装置60と、TOFライダセンサ70と、出力部80であるスピーカ81とを備え、各々有線又は無線により接続されている。空間投影装置100は、投影装置10から出射されて結像媒体20で結像された投影画像2aが、結像媒体20から拡散透過されて導光光学系30に入射し、導光光学系30により空間結像面40で再結像されることで、空中に浮かぶ空間投影画像4aを視聴者50に視認させることができる。また、空間投影装置100は、空間投影画像4aに対する指51等による入力操作を検出して、様々な応答処理を実行することができる。
【0012】
まず、図2を参照して投影装置10の構成について説明する。投影装置10は、記憶部11、処理部12、投影部13、操作部14、通信部15及び音声処理部16を備え、各々内部バスにより接続されている。記憶部11は、例えば、SSD(Solid State Drive)やSRAM(Static Randam Access Memory)で構成される。記憶部11には、図示しない画像データ、動画データ、制御プログラム等のデータを記憶する。処理部12は、CPUやマイコン等により構成され、記憶部11に記憶される制御プログラムを読み出し、投影装置10を制御する。
【0013】
投影部13は、処理部12から送られてきた画像データを、予め設定した画像フォーマットに従ったフレームレートで画像を形成し、その画像を投影光P1として外部に出射する。本実施形態の投影装置10は、DLP(Digital Light Processing)方式の投影装置である。投影部13は、例えば、内部の光源装置によって出射された青色波長帯域光、緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光が表示素子であるDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)に照射されて、このDMDがマイクロミラー毎(又は画素毎)に青色波長帯域光、緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光を時分割で反射することによりカラーの画像光を形成することができる。画像光は投影部13内の投影レンズを介して投影装置10の投影光P1として外部に出射される。投影部13から出射された投影光P1(画像光)は、図1の結像媒体20に投影される。
【0014】
操作部14は、投影装置10の筐体に備える操作キー等から操作信号を受け付けて、その操作信号を、バスを介して処理部12に送信する。処理部12は、操作部14からの操作信号に応じて投影処理等の各種の機能を実行する。
【0015】
通信部15は、図示しないリモートコントローラからの赤外線変調信号等による操作信号を受信し、その操作信号を処理部12に送信する。また、通信部15は、制御装置60、出力部80及びTOFライダセンサ70(Time of Flight LiDAR(light detection and ranging) Sensor)等の外部装置と接続されている。
【0016】
音声処理部16は、PCM音源などの音源回路を備え、スピーカ17を駆動して音を拡散放音させる。音声処理部16は、投影する画像データに音声信号が含まれていた場合、投影動作時にその音声信号をアナログ変換してスピーカ17を介して音を出力する。
【0017】
図1に戻り、結像媒体20は、投影光P1の投影範囲を含む程度の任意の形状及び大きさを有する。又は、結像媒体20は、投影光P1の投影範囲が含まれる任意の位置に配置される。本実施形態の結像媒体20は平坦状に設けられた板状又はフィルム状の透過型スクリーンとして構成される。結像媒体20は、投影装置10側の第一面21側に投影装置10から出射された投影光P1(光L1を含む)が照射されると、第一面21の反対面である第二面22側から導光光学系30に向かって空間投影光P2(光L2も含む)を拡散出射させる透過部材である。
【0018】
導光光学系30は、結像媒体20の第二面22側に設けられ、ビームスプリッタ31と、再帰性反射部材32(再帰性反射ミラー)とを備える。再帰性反射部材32は、結像媒体20の配置面S(図1のY方向(前後方向)及びZ方向(上下方向)を含む面)に対して垂直となるように配置される。また、ビームスプリッタ31は、平板状に形成され、結像媒体20の配置面S及び再帰性反射部材32に対して、45度傾いて配置される。本実施形態のビームスプリッタ31は入射した光の一部を反射し、他の一部を透過するハーフミラーである。再帰性反射部材32は、入射した光を入射方向とは逆向きの反対方向に反射するミラー面を有する。
【0019】
空間結像面40は、結像媒体20に投影された投影画像2aが空間投影光P2(P3)として出射された後に、導光光学系30により再結像されて空間投影画像4aが表示される空間領域である。
【0020】
制御装置60は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びPDA等により構成することができ、制御装置60は、内部又は外部の記憶部(不図示)に記憶された画像データ(動画及び静止画を含む)や音声データを投影装置10に対して送信することができる。なお、制御装置60は音声データに関しては投影装置10外に設けられたスピーカ81に送信してもよい。外部の記憶部としては、例えば、LANやWANを介して接続された外部記憶装置を用いることができる。制御装置60は、TOFライダセンサ70からの入力を検出して、投影装置10や出力部80の動作を制御する。
【0021】
TOFライダセンサ70は、レーザー光である光を出射(投光)する投光部と、投光部により出射されてユーザ操作に関する被検出体に反射された光を受光する受光部とを有する。制御装置60は、TOFライダセンサ70がパルス状の赤外波長帯域の光を投光部から出射して、受光部が受光するまでに要する時間(具体的には、出射した光と受光した光との位相差)を計測して、TOFライダセンサ70から被検出体までの距離を算出する。なお、TOFライダセンサ70が出射する光としては、紫外線、可視光線、近赤外線等の任意の波長の光を用いることができる。
【0022】
本実施形態のTOFライダセンサ70は、空間結像面40の同一面上の側方(視聴者50から見た左側)であって空間結像面40の上下方向(Z方向)の内側の位置に配置されている(図1及び図3参照)。TOFライダセンサ70は、Z方向の軸周りの角度範囲θ1(図1参照)及びY方向の軸周りの角度範囲θ2(図3参照)を往復運動或いは振動するように所定の走査範囲71を回動しながら投光部により光を出射し、被検出体に照射されて反射された光を受光部により受光する。制御装置60は、光の投受光により、TOFライダセンサ70から指51迄の距離を検出することができる。また、制御装置60は、指51までの距離と、TOFライダセンサ70が走査した方向(立体角)から、指51の空間上の位置を検出することができる。
【0023】
空間投影装置100は、TOFライダセンサ70の走査範囲71が、空間投影画像4aの視聴者50側から見た前後方向(Y方向)の空間領域である被検出領域41を含むように構成される。図4は、走査範囲71と被検出領域41との位置関係を示す斜視図であり、走査範囲71はTOFライダセンサ70が配置される原点O周りの角度範囲θ1,θ2に設定される。本実施形態の被検出領域41は、矩形厚板状の空間領域である。また本実施形態では、被検出領域41の視聴者50側から見た平面領域(ZX平面上の領域)が、空間投影画像4aの表示範囲と一致している例について示しているが、空間投影画像4aの表示範囲より狭く又は広く設定してもよい。即ち、被検出領域41は、空間投影画像4aの一部又は全部を含むように設定することができる。また、被検出領域41の視聴者50側から見た奥行方向(Y方向)の範囲は、空間投影画像4aの手前側及び奥側の領域を含む例について示しているが、空間投影画像4aの手前側領域のみ又は奥側領域のみに設定してもよい。このように、TOFライダセンサ70は、空間結像面40の面外方向(Y方向)への振り幅を有するレーザー光を照射して空間投影画像4aに対する奥行方向(Y方向)へのユーザ操作を検出することができる。また、本実施形態のTOFライダセンサ70は、二軸周りに回動しながら空間を走査して、被検出領域41の被検出体の立体空間上の位置を検出可能に構成される。空間投影装置100は、被検出領域41において指51等の被検出体が検出された位置に応じて、任意の応答処理を実行することができる。従って、被検出領域41は、空間投影画像4aに対して入力操作が可能な被操作領域としても機能する。
【0024】
スピーカ81(出力部80)は、投影装置10又は制御装置60の外部スピーカとして設けられる。本実施形態では、スピーカ81は、投影装置10の投影制御に応じて通信部15から出力された音声信号を投影制御と連動する等して音声を再生することができる。また、スピーカ81は、制御装置60から直接出力された音声データを再生してもよい。
【0025】
次に、空間投影装置100(空間投影システム1)おける空間投影方法及び被検出体の検出方法について説明する。投影装置10内(投影部13内)の点光源(DMD(表示素子)におけるマイクロミラー上の任意の点)から投影レンズを介して出射された光L1は、結像媒体20上の結像点F1に結像する。結像媒体20には、投影光P1の照射範囲に亘って光L1と同様に結像した光が照射され、投影画像2aが投影される。
【0026】
結像媒体20に形成された投影画像2aを構成する任意の点の光は、第二面22から所定の拡散角度で拡散透過されて出射される。例えば、結像点F1に結像された前述の光L1は、光L2として、所定の拡散角度で拡散されてビームスプリッタ31に入射する。光L2の一部の光はビームスプリッタ31により再帰性反射部材32側に反射される。即ち、投影画像2aの点光源から出射された光L2は、結像媒体20から再帰性反射部材32までの光路において拡散光として導光される。再帰性反射部材32は、入射した光を入射方向とは逆向きの反対方向に反射するため、再帰性反射部材32に入射した光L2は、拡散角度と同じ角度で集光する集光光としてビームスプリッタ31に向けて反射される。再帰性反射部材32で反射された光L3は、ビームスプリッタ31で一部が透過されて空間結像面40側に導光される。そして、空間結像面40では、光L3が結像点F2で再結像する。なお、光L2の光路長と、光L3の光路長は、略同じである。
【0027】
そして、空間結像面40の結像点F2で結像した光L3は、光L3の集光角度及び光L2の拡散角度と同様の拡散角度を有する光L4として導光される。
【0028】
以上のような投影装置10内の表示素子における点光源からの光L1~L4が、結像媒体20及び導光光学系30の光路の有効領域内に亘って導光される。即ち、投影装置10から出射された点光源からの光L1の集合である投影光P1は、結像媒体20の第一面21側から照射されて、結像媒体20において結像される。結像媒体20に照射された投影光P1は、光L2の集合である空間投影光P2として第二面22からビームスプリッタ31側へ出射される。ビームスプリッタ31に照射された空間投影光P2の一部の光は、再帰性反射部材32側に反射される。再帰性反射部材32は、ビームスプリッタ31側から導光された空間投影光P2を空間投影光P3(光L3の集合)として反射する。再帰性反射部材32により反射された空間投影光P3の一部の光は、ビームスプリッタ31を透過して空間結像面40側に導光される。
【0029】
このように、結像媒体20上で結像された投影画像2aを構成する光(点光源の集合)は、空間投影面である空間結像面40上で再結像し、視聴者50側に出射される。そのため、視聴者50は、空間結像面40上の空中に結像された空間投影画像4aを視認することができる。また、視聴者50は、観測点を移動させても、空間投影画像4aを視認することができる。例えば、結像点F2から出射された光L4は、図1に示す光L4の拡散角度範囲内(出射角度範囲内)の位置において視認することができる。
【0030】
また、視聴者50側から空間結像面40側の方向であるA方向から見た空間投影画像4aの上下方向(Z方向)及び左右方向(X方向)の向きは、B方向から見た投影画像2aの上下方向(Z方向)及び前後方向(Y方向)と略同じである。一方で、光L2と光L3の光路長が略同じであるため、A方向から見た空間投影画像4aの奥行き位置は、B方向から見た投影画像2aの奥行き位置とは逆の関係である。図1の平坦状に設けられた結像媒体20を用いる場合は、空間投影画像4aも平坦な平面画像として表示される。
【0031】
空間投影装置100は、空間投影画像4aに被操作画像等を含めて、視聴者50等の操作者のタッチ操作による入力操作を検出し、入力操作に応じた制御を行うことができる。被操作画像としては、例えば、ボタン、スライドバー、アイコン等を表示することができる。従って、空間投影装置100は、空間投影画像4aに対する操作を検出する検出装置としても機能する。制御装置60は、操作者が被検出領域41に表示された被操作画像等に指51近づけると、TOFライダセンサ70が指51の位置を検出して、指51が空間投影画像4a上のいずれの部分をどの程度の深さで指示したのかを制御装置60に取得させることができる。
【0032】
このとき、制御装置60は、TOFライダセンサ70が検出した被検出領域41における指51(被検出体)の空間結像面40に対する進入深度(押し込み深さ)を段階的に判定し、進入深度に応じた強度で応答出力可能に構成される。図1の例では、制御装置60は、指51の進入深度が深くなるに従って、スピーカ81から操作音を小さい状態から徐々に大きく出力させる、又は、スピーカ81から操作音を大きい状態から徐々に小さく出力させるように制御する。或いは、制御装置60は、指51の進入深度が深くなるに従って、スピーカ81から出力される操作音の音高が高く、又は、音高が低くなるように制御することができる。さらに、制御装置60は、指51の進入深度が深くなるに従って、スピーカ81から出力される音色が変化するように制御してもよい。
【0033】
そして、制御装置60は、指51の進入深度が予め定めた深さに到達した場合、空間投影画像4aに対する入力操作が行われたと判定して、任意の応答処理を行う。応答処理としては、例えば、空間投影画像4aの表示内容や設定内容の切り換えや、スピーカ81(又はスピーカ17)からの音声出力を行うことができる。
【0034】
このように、TOFライダセンサ70が空間結像面40の側方から被検出領域41の指51等の被検出体を検出し、出力部80から被検出体の進入深度に応じた操作音が出力されることで、操作者は空間投影画像4aに対する入力操作がどの程度で認識されるのかを容易に知覚することができる。従って、操作感の良好な空間投影装置100(検出装置)を構成することができる。
【0035】
次に、被検出領域41において被検出体が検出された場合における他の応答例である変形例1乃至変形例4について説明する。なお、変形例1乃至変形例4の説明において、図1乃至図4で示した構成と同様の構成については、同一の符号を付す等して、その説明を省略又は簡略化する。
【0036】
(変形例1)
図5は、変形例1における空間投影装置100の平面側から見た模式図である。変形例1における空間投影装置100では、出力部80としてスピーカ81の代わりに送風機82(ファン)を用いている。
【0037】
変形例1の空間投影装置100における制御装置60は、TOFライダセンサ70により検出した被検出領域41における指51(被検出体)の進入深度を段階的に判定し、進入深度に応じた強度で送風機82によって送風(応答出力)可能に構成される。制御装置60は、指51の進入深度が深くなるに従って、送風機82の送風量を弱風から徐々に強風へ変化させて出力させる、又は、送風機82の送風量を強風から徐々に弱風へ変化させて出力させるように制御する。なお、送風機82による風は、指51の先端を狙って指向性を持たせてもよいし、所定の幅を持たせて指51全体を狙ってもよい。また、送風機82の位置は任意に設定することができ、図5に示すような空間結像面40に対する側方位置に限らず、操作者(視聴者50)側から見て空間結像面40越しの奥側から指51に向けて送風する構成としてもよい。また、制御装置60は、指51が空間投影画像4aの位置よりも奥側(図1の上側)に位置すると判定した場合に、送風機82による送風を行う構成としてもよい。このように、送風機82を用いることで、操作者は、入力操作の操作感を触覚によりフィードバックを受け知覚することができる。
【0038】
(変形例2)
図6(a)は、変形例2における空間投影装置100の応答出力を示す模式図である。変形例2において、図1の制御装置60は、TOFライダセンサ70が検出した被検出領域41(図1参照)における指51(被検出体)の進入深度に応じて、空間結像面40にポインタ画像4a1の表示態様を段階的に変化させる。従って、応答出力が行われる出力部80として、空間投影画像4aを投影する投影部が適用される(変形例3及び変形例4も同様)。
【0039】
図6(a)のポインタ画像4a1は、円形に形成される。制御装置60は、ポインタ画像4a1が被検出領域41に指51が深く進入するに従って指51の位置に収束(図6(a)では空間投影画像4aの略中央で一致)するように円形の大きさが小さく変化する。なお、ポインタ画像4a1として、多角形、矢印、アイコン等のその他の画像を用いることができる。また、円形のポインタ画像4a1のように閉じた図形に限らず、一部が開放された図形(例えば、破線、鎖線)をポインタ画像4a1として用いてもよい。操作者は、ポインタ画像4a1が小さく変化したことを視認して、入力操作が空間投影装置100に認識されたと判断することができる。
【0040】
(変形例3)
図6(b)は、変形例3における空間投影装置100の応答出力を示す模式図である。変形例3においても、図1の制御装置60は、TOFライダセンサ70が検出した被検出領域41(図1参照)における指51の進入深度に応じて、空間結像面40にポインタ画像4a2の態様を段階的に変化させる。
【0041】
図6(b)のポインタ画像4a2は、互いに入隅側を対向配置させた二つのL字状の図形により構成される。ポインタ画像4a2は、操作者側から見て右上及び左下に位置し、制御装置60は、二つのポインタ画像4a2が被検出領域41に指51が深く進入するに従って指51の位置(図6(b)では空間投影画像4aの略中央)に近づいて収束するように表示態様を変化させる。即ち、二つのポインタ画像4a2の全体形状が、離間した二つのL字状の図形から、閉じた四角形状に変化する。操作者は、二つのポインタ画像4a2が閉じて四角形状に変化したことを視認して、入力操作が空間投影装置100に認識されたと判断することができる。
【0042】
(変形例4)
図7(a)及び図7(b)は、変形例4における空間投影装置100の応答出力を示す模式図である。変形例4においても、図1の制御装置60は、TOFライダセンサ70が検出した被検出領域41(図1参照)における指51の進入深度に応じて、空間結像面40にポインタ画像4a3の態様を段階的に変化させる。
【0043】
図7(a)のポインタ画像4a3は円形に形成される。制御装置60は、このポインタ画像4a3が、被検出領域41に指51が深く進入するに従って色が変化するように表示態様を変化させる。例えば、ポインタ画像4a3は、被検出領域41に指51が深く進入するに従って、色が濃くなる(図7(b)に示す変化)又は色が薄くなるように(図7(b)とは逆の変化)変化する。変形例4では、操作者は、ポインタ画像4a3の色を視認して、入力操作が空間投影装置100に認識されたと判断することができる。
【0044】
以上、変形例1乃至変形例4の応答出力の例について示したが、これらの構成は、図1に示した他の構成と組み合わせてもよい。例えば、空間投影装置100は、出力部80として、スピーカ81と共に送風機82を設ける構成としてもよい。また、変形例2乃至変形例4のポインタ画像4a1~4a3は、場面や位置などに応じて表示方法が選択されてもよいし、組み合わせてもよい。例えば、ポインタ画像の表示態様は、ポインタ画像4a1やポインタ画像4a2のように徐々に大きさや表示位置を変化させることに加え、ポインタ画像4a3のように色を変化させる構成としてもよい。
【0045】
以上のように、本実施形態の空間投影装置100は、空間投影画像4aとして投影させる投影画像2aを投影装置10により形成した。従って、投影対象としてのディスプレイ画像や実物を用いた場合に比べて高輝度な投影画像2aを表示させることができ、空間投影画像4aも高輝度で鮮明に表示させることができる。また、投影装置10により投影される投影画像2aは、結像媒体20の形状を大きくし、投影装置10と結像媒体20との距離を適切に空けることで、空間投影画像4aを容易に大きくすることもできる。
【0046】
また、空間投影装置100は、ビームスプリッタ31及び再帰性反射部材32の代わりに、結像媒体20で結像された各点光源(例えば、結像点F1からの光)を面対称位置である空間結像面40(例えば、結像点F1の面対称位置である結像点F2)に再結像させる光反射部材を配置してもよい。例えば、光反射部材は、複数の微細なプリズムやマイクロミラーを設けて、所定の拡散角度で入射した光を、その拡散角度と略同じ集光角度で集光する光として反射し、点光源から入射された光を面対称位置に結像するように出射させる構成としてもよい。これにより、図1の空間投影装置100よりも部品点数を減らして簡易に構成することができるため、全体を小型化することができる。
【0047】
なお、本実施形態で説明した空間投影装置100は、投影装置10、結像媒体20、導光光学系30、空間結像面40、制御装置60、TOFライダセンサ70及び出力部80を、一つの装置に配置して構成してもよいし、複数の装置に分散配置して構成してもよい。
【0048】
また、投影装置10は上記DLP方式に限らずその他の方式であってもよい。投影装置10としてはLCP(liquid crystal panel,液晶パネル)方式の投影装置を用いてもよい。LCP方式の投影装置は、青色波長帯域光、緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光が液晶フィルタ(液晶板)により画素毎に透過率が制御されて、液晶フィルタを透過した各画素の青色波長帯域光、緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光を合成して投影光として出射する。
【0049】
また、投影装置10として、LCoS(Liquid Crystal on Silicon)方式の投影装置を用いてもよい。LCoS方式の投影装置では、DLP方式の投影装置10におけるDMDの代わりに、反射層の上に画素毎に対応して光の透過率を可変(遮光も含む)可能な液晶フィルタ(液晶層)を有する表示素子を配置する。従って、投影装置は、表示素子に照射された光源光を画素毎に光量制御しながら反射して画像光を形成し、この画像光を投影光として外部に出射して結像媒体20に投影画像2aを投影することができる。
【0050】
また、投影装置10としてLCP方式やLCoS方式の投影装置を用いた例では、液晶フィルタを透過した各光(青色波長帯域光、緑色波長帯域光、赤色波長帯域光)は、所定の偏光方向を有する偏光光である。従って、例えば、実施形態1において、ビームスプリッタ31としてS偏光及びP偏光の光の一方を反射し他方を透過する偏光ミラーを配置し、ビームスプリッタ31と再帰性反射部材32との間の光路上に1/4波長板を配置してもよい。これにより、ビームスプリッタ31は、結像媒体20から出射された光のうちのS偏光及びP偏光の一方である第一偏光方向の光を再帰性反射部材32側に反射し、1/4波長板を透過して円偏光に変換された後、再帰性反射部材32により反射される。再帰性反射部材32により反射された円偏光の光は、再び1/4波長板を透過して第一偏光方向に対して直交する第二偏光方向の光に変換され、ビームスプリッタ31を透過する。このように、ビームスプリッタ31として偏光ミラーを用いた場合は、一度ビームスプリッタ31で反射された殆どの光を再帰性反射部材32による反射の後にビームスプリッタ31を透過させることができるため、ハーフミラーを用いた場合に比べて、光の利用効率を向上させることができる。
【0051】
また、投影装置10として、レーザースキャン方式の投影装置を用いてもよい。レーザースキャン方式の投影装置では、青色波長帯域光、緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光により所望の色に色合成されたレーザー光が表示素子に照射され、表示素子がレーザー光を時分割で反射角度を制御しながら反射して被投影体である結像媒体20に照射する。その際、表示素子は、結像媒体20に対して垂直方向及び水平方向に二次元的に走査するようにレーザー光を照射し、結像媒体20に投影画像2aを投影することができる。レーザースキャン方式の投影装置では、表示素子から出射された光を集光させる投影レンズを省略できるため、投影装置全体を小型化することができる。また、この投影装置は、レーザー光により画像を形成できるため、凹凸の大きい立体面状の結像媒体を用いた場合であっても、意図した鮮明な投影画像2aを投影することができる。
【0052】
また、本実施形態では、TOFライダセンサ70が、二軸周りに回動しながら空間を走査して、被検出領域41の被検出体の立体空間上の位置を検出可能な構成について説明したが、TOFライダセンサ70は任意の駆動機構により所定区間を走査して被検出領域41の被検出体を検出可能な構成としてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、制御装置60が、TOFライダセンサ70、出力部80及び投影装置10の各動作について制御する構成について説明したが、投影部13を有する装置(本実施形態の投影装置10に相当)がTOFライダセンサ70や出力部80を制御する構成としてもよい。
【0054】
また、図1等に示した平坦状の結像媒体20の代わりに、曲面や凹凸等を含む立体面状の結像媒体を用いてもよい。図1で前述したとおり、導光光学系30により導光される光L2と光L3の光路長は略同じであり、A方向から見た空間投影画像4aの奥行き位置は、B方向から見た投影画像2aの奥行き位置とは逆の関係である。即ち、図3に示すように、B方向から見た湾曲した投影画像2aの奥側に位置する結像点は、A方向から見た空間投影画像4aの手前側に位置する結像点に対応する。従って、結像媒体を、立体面状に形成することで、立体的な空間投影画像4aを空間結像面40に投影することができる。
【0055】
また、結像媒体20として、板状又はフィルム状の構成を例示したが、煙(スモーク)や水等の流体を用いてもよい。
【0056】
また、結像媒体20には、着色を施してもよい。これにより、空間投影画像4aの色彩を変化させたり、色味を任意に調整したりすることができる。結像媒体20として流体を用いる場合は、その流体を着色してもよい。結像媒体20の着色は時系列で経時的に変化させてもよい。これにより、様々な演出効果を表現することができる。
【0057】
また、導光光学系30は、フレネルレンズを用いて結像媒体20から出射された光を空間結像面40に再結像させる構成としてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、結像媒体20に投影される投影光P1は、結像媒体20の第一面21側から入射して第一面21は反対側の第二面22側から出射し、導光光学系30へ空間投影光P2として導光される透過型の結像媒体を例に説明したが、投影光P1を出射する面と空間投影光P2を出射する面が同じ面である反射型の結像媒体(プロジェクタスクリーンや壁面等の被投影媒体)を用いてもよい。
【0059】
また、投影光P1により結像媒体20に結像される投影画像2aは、投影装置10から出射された投影光による画像に限らず、その他の光源装置から投影光として出射された任意の光源光、照明光、LED光又はレーザー光による光像としてもよい。また、投影画像2aは、任意の光源を用いることで、可視光により形成してもよいし、非可視光(例えば、電子透かし等の用途)により形成してもよい。
【0060】
また、本実施形態では、ユーザ操作を検出するセンサとしてTOFライダセンサ70を用いた構成について示したが、TOFライダセンサ70に限らず、空間結像面40と同一面上に設けられ、空間結像面40の面外方向(Y方向)への振り幅を有するレーザー光を照射して画像に対する奥行方向(Y方向)へのユーザ操作を検出するその他のセンサを用いることができる。
【0061】
以上、本実施形態で説明した検出装置(空間投影装置100)は、投影光を空間結像面40に結像させることで画像を空間投影する導光光学系30と、空間結像面40と同一面上に設けられ、空間結像面40の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出するセンサ(70)と、を備える。これにより、センサ含む装置全体を安価で簡易に構成し、ユーザによる空間操作の検出を容易に行うことができる。
【0062】
また、投影光P1が結像される結像媒体20を備え、導光光学系30が結像媒体20で結像された投影光P1を空間投影光P2,P3として導光し空間結像面40に再結像させる検出装置は、高輝度な空間投影画像4aを表示させることができる。
【0063】
また、センサ(70)が二軸周りに回動しながら走査してユーザ操作に関する被検出体の立体空間上の位置を検出可能に構成される検出装置は、センサ(70)を少ない制御軸で駆動し、簡易な構成で空間走査を行うことができる。
【0064】
また、センサ(70)がTOFライダセンサ70である検出装置は、装置全体を小型に構成することができる。
【0065】
また、センサ(70)が検出したユーザ操作に関する被検出体の空間結像面40に対する進入深度に応じた強度で応答出力可能な出力部80を備える構成について説明した。これにより、操作者は、応答出力の強度によって空間投影画像4aに対する入力操作が検出装置に認識されるまでの操作感を知覚することができる。
【0066】
また、出力部80がスピーカ又は送風機である構成について説明した。これにより、操作者は、入力操作の操作感を、聴覚又は触覚により知覚することができる。
【0067】
また、センサ(70)が検出したユーザ操作に関する被検出体の空間結像面40に対する進入深度に応じて、空間結像面40にポインタ画像4a1~4a3の表示態様を段階的に変化させる構成について説明した。これにより、操作者は、ポインタ画像4a1~4a3の変化を視認して空間投影画像4aに対する入力操作が検出装置に認識されるまでの操作感を知覚することができる。
【0068】
また、被検出体が深く進入するに従って、ポインタ画像4a1,4a2が被検出体の位置に収束するように形状が変化する構成とすることで、操作者は、ポインタ画像4a1,4a2の変化を視認して、入力操作が検出装置に認識されたことを容易に判断することができる。
【0069】
また、被検出体が深く進入するに従ってポインタ画像4a3の色が変化する構成とすることで、操作者は、ポインタ画像4a3の変化を視認して、入力操作が検出装置に認識されたことを容易に判断することができる。
【0070】
なお、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0071】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影する導光光学系と、
前記空間結像面と同一面上に設けられ、前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出するセンサと、
を備えることを特徴とする検出装置。
[2] 前記投影光が結像される結像媒体を備え、
前記導光光学系は、前記結像媒体で結像された前記投影光を空間投影光として導光し、前記空間結像面に再結像させる、
ことを特徴とする前記[1]に記載の検出装置。
[3] 前記センサは、二軸周りに回動しながら走査して前記ユーザ操作に関する被検出体の立体空間上の位置を検出可能に構成されることを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載の検出装置。
[4] 前記センサは、TOFライダセンサであることを特徴とする前記[1]乃至前記[3]の何れかに記載の検出装置。
[5] 前記センサが検出した前記ユーザ操作に関する被検出体の前記空間結像面に対する進入深度に応じた強度で応答出力可能な出力部を備えることを特徴とする前記[1]乃至前記[4]の何れかに記載の検出装置。
[6] 前記出力部は、スピーカ又は送風機であることを特徴とする前記[5]に記載の検出装置。
[7] 前記センサが検出した前記ユーザ操作に関する被検出体の前記空間結像面に対する進入深度に応じて、前記空間結像面にポインタ画像の表示態様を段階的に変化させることを特徴とする前記[1]乃至前記[4]の何れかに記載の検出装置。
[8] 前記ポインタ画像は、前記被検出体が深く進入するに従って前記被検出体の位置に収束するように形状が変化することを特徴とする前記[7]に記載の検出装置。
[9] 前記ポインタ画像は、前記被検出体が深く進入するに従って色を変化させることを特徴とする前記[7]又は前記[8]に記載の検出装置。
[10] 導光光学系により投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影し、
前記空間結像面と同一面上に設けられたセンサにより前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出する、
ことを特徴とする検出方法。
[11] 投影光を空間結像面に結像させることで画像を空間投影する導光光学系と、
前記空間結像面と同一面上に設けられ、前記空間結像面の面外方向への振り幅を有するレーザー光を照射して前記画像に対する奥行方向へのユーザ操作を検出するセンサと、
を備えることを特徴とする空間投影装置。
【符号の説明】
【0072】
1 空間投影システム 2a 投影画像
4a 空間投影画像 4a1~4a3 ポインタ画像
10 投影装置 11 記憶部
12 処理部 13 投影部
14 操作部 15 通信部
16 音声処理部 17 スピーカ
20 結像媒体 21 第一面
22 第二面 30 導光光学系
31 ビームスプリッタ 32 再帰性反射部材
40 空間結像面 41 被検出領域
50 視聴者 51 指
60 制御装置 70 TOFライダセンサ
71 走査範囲 80 出力部
81 スピーカ 82 送風機
100 空間投影装置
F1,F2 結像点 L1~L4 光
P1 投影光 P2,P3 空間投影光
S 配置面 θ1,θ2 角度範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7