(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147306
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】監視システムおよび入出力ユニット
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20220929BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G05B19/05 D
G05B23/02 301M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048488
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新村 夏人
【テーマコード(参考)】
3C223
5H220
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA11
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223EA06
3C223FF15
3C223GG01
3C223HH04
3C223HH08
5H220AA01
5H220AA04
5H220BB10
5H220CC03
5H220CC07
5H220CX06
5H220JJ12
5H220JJ15
5H220JJ26
5H220KK06
(57)【要約】
【課題】表示部に表示される情報コードから入出力ユニットの稼働状況を容易に取得できる。
【解決手段】PLCシステムに含まれる入出力ユニットを監視するための監視システムであって、入出力ユニットに配置されている表示部と、入出力ユニットの稼働状況に関連する情報である稼働関連情報を格納する情報格納部と、稼働関連情報と、情報格納部にアクセスするためのアクセス情報と、のうちの少なくとも一方を示す情報が埋め込まれている一次元または二次元の情報コードを、表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PLCシステムに含まれる入出力ユニットを監視するための監視システムであって、
前記入出力ユニットに配置されている表示部と、
前記入出力ユニットの稼働状況に関連する情報である稼働関連情報を格納する情報格納部と、
前記稼働関連情報と、前記情報格納部にアクセスするためのアクセス情報と、のうちの少なくとも一方を示す情報が埋め込まれている一次元または二次元の情報コードを、前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムであって、
前記入出力ユニットに配置され、前記稼働状況を診断する稼働状況診断部と、前記入出力ユニットに配置され、前記診断された稼働状況に基づいて前記情報コードを生成する情報コード生成部と、
をさらに備える、監視システム。
【請求項3】
請求項2に記載の監視システムであって、
前記稼働状況診断部は、予め定められた時間間隔で前記稼働状況を診断して、診断結果を前記稼働関連情報として前記情報格納部に格納させる、監視システム。
【請求項4】
請求項3に記載の監視システムであって、
前記情報コードは、少なくとも前記稼働関連情報を示し、
前記情報コード生成部は、前記予め定められた時間間隔で前記稼働関連情報が格納されると、新たに格納された前記稼働関連情報に基づいて前記情報コードを新たに生成する、監視システム。
【請求項5】
請求項4に記載の監視システムであって、
前記表示制御部は、前記情報コードが新たに作成されると、前記表示部に、新たに作成された前記情報コードを、既に表示されている前記情報コードに代えて表示させる、監視システム。
【請求項6】
請求項1に記載の監視システムであって、
前記稼働関連情報は、前記入出力ユニットの内部の稼働状況を示す情報と、前記入出力ユニットと外部機器との接続状況を示す情報と、のうちの少なくとも一方を含む、監視システム。
【請求項7】
PLCシステムに用いられる入出力ユニットであって、
表示部と、
前記入出力ユニットの稼働状況に関連する情報である稼働関連情報と、前記稼働関連情報が格納されている情報格納部にアクセスするための情報と、のうちの少なくとも一方を示す情報が埋め込まれている一次元または二次元の情報コードを、前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、入出力ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視システムおよび入出力ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種装置の制御を目的としてプログラマブルロジックコントローラ(以下、「PLC」と呼ぶ)が用いられている(特許文献1参照)。PLCを用いて構成されるシステムは、制御ユニット、電源ユニット、および入出力ユニット等の各種機能ユニットを備える。入出力ユニットは、PLCによる制御対象の装置との接続インターフェイスや、各種センサとの接続インターフェイスを有し、制御ユニットから送信される指令を制御対象装置へ送信し、また、各種センサの検出結果を制御ユニットに送信する。一般に、PLCを用いたシステムでは、PC(パーソナルコンピュータ)等で構成されたシステム監視装置がシステムの設置場所(例えば、マシン室)とは別に設けられたオペレーション室に設けられる。入出力ユニットの前面には、異常の有無やデータ送受信の有無を表示するためのランプが設けられていることはあるものの、異常原因を特定できるような詳細な情報は、かかるランプでは得ることができない。そこで、システム監視装置が各ユニットから情報を収集し、異常の有無のみならず、異常原因を特定可能な情報を表示装置に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のシステムの監視においては、入出力ユニットとオペレーション室とが離れているため、マシン室において入出力ユニットの異常を発見した作業員は、オペレーション室まで赴かないと異常原因を特定できず、不便である。また、入出力ユニットにおいて、例えばシステム監視装置との接続インターフェイス部が故障している場合には、そもそもシステム監視装置において情報を収集できず、異常原因を特定できない。加えて、入出力ユニットが、PCなどの外部デバイスを電気的に接続するためのインターフェイスを有する構成においても、PLCのOUT端子がどこにあるかをマシン室で探すなどの作業負担を作業員に強いるという問題がある。そして、かかるOUT端子が探し出されたとしても、PCに繋げるためのOUT端子が余っている保証もない。なお、上述の問題は、入出力ユニットの異常原因を特定する場合に限らず、入出力ユニットの詳細な動作状態や現在接続されている装置種別など、入出力ユニットの稼働状況を確認しようとする場合において共通する。このため、入出力ユニットの稼働状況を簡易に把握可能な技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、監視システムが提供される。この監視システムは、PLCシステムに含まれる入出力ユニットを監視するための監視システムであって、前記入出力ユニットに配置されている表示部と、前記入出力ユニットの稼働状況に関連する情報である稼働関連情報を格納する情報格納部と、前記稼働関連情報と、前記情報格納部にアクセスするためのアクセス情報と、のうちの少なくとも一方を示す情報が埋め込まれている一次元または二次元の情報コードを、前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
この形態の監視システムによれば、稼働関連情報と、稼働関連情報を格納する情報格納部にアクセスするためのアクセス情報と、のうちの少なくとも一方を示す情報が埋め込まれている一次元または二次元の情報コードを、表示部に表示させる表示制御部を備えるので、表示部に表示される情報コードから入出力ユニットの稼働状況に関連する情報である稼働関連情報を容易に取得できる。例えば、かかる一次元または二次元の情報コード表示であれば、情報コード読み取り専用機や情報コード読み取りアプリケーションがインストールされたスマートフォンを用いて、電気的な接続を要することなく、かかる稼働関連情報を容易に取得できる。
(2)上記形態の監視システムにおいて、前記入出力ユニットに配置され、前記稼働状況を診断する稼働状況診断部と、前記入出力ユニットに配置され、前記診断された稼働状況に基づいて前記情報コードを生成する情報コード生成部と、をさらに備えてもよい。この形態の監視システムによれば、入出力ユニットは、稼働状況診断部と情報コード生成部を有するので、稼働状況診断と、稼働状況を反映した情報コード生成とを単一のユニット内で実行できる。したがって、稼働状況診断部と情報コード生成部とのうちの少なくとも一方を他のユニット等が備える構成と比べて、入出力ユニットと他のユニット等との接続ができない状況が生じた場合においても、情報コードの表示ができなくなることを回避できる。また、診断された稼働状況を取得するための通信、および、情報コードを取得するための通信を削減できる。
(3)上記形態の監視システムにおいて、前記稼働状況診断部は、予め定められた時間間隔で前記稼働状況を診断して、診断結果を前記稼働関連情報として前記情報格納部に格納させてもよい。この形態の監視システムによれば、予め定められた時間間隔で診断された稼働状況が情報格納部に格納されるので、定期的に更新された稼働状況を情報格納部に格納できる。
(4)上記形態の監視システムにおいて、前記情報コードは、少なくとも前記稼働関連情報を示し、前記情報コード生成部は、前記予め定められた時間間隔で前記稼働関連情報が格納されると、新たに格納された前記稼働関連情報に基づいて前記情報コードを新たに生成してもよい。この形態の監視システムによれば、情報コード生成部は、予め定められた時間間隔で格納される稼働関連情報に基づいて情報コードを新たに生成するので、定期的に更新された稼働状況を利用して情報コードを生成できる。
(5)上記形態の監視システムにおいて、前記表示制御部は、前記情報コードが新たに作成されると、前記表示部に、新たに作成された前記情報コードを、既に表示されている前記情報コードに代えて表示させてもよい。この形態の監視システムによれば、新たな情報コードが作成されると、表示部において、かかる新たな情報コードに表示が更新されるので、かかる表示更新された情報コードを利用して新たな稼働状況を迅速に把握できる。
(6)上記形態の監視システムにおいて、前記稼働関連情報は、前記入出力ユニットの内部の稼働状況を示す情報と、前記入出力ユニットと外部機器との接続状況を示す情報と、のうちの少なくとも一方を含んでもよい。この形態の監視システムによれば、入出力ユニットの内部の稼働状況や外部との接続状況を容易に得ることができる。
【0007】
本開示は、監視システム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、監視システムにおけるPLCシステム、監視システムの制御方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態としての監視システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】情報コード表示処理の手順を示すフローチャートである。
【
図4】QRコード(登録商標)に埋め込まれた稼働関連情報の一例を示す表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A-1.システム構成:
図1は、本開示の一実施形態としての監視システム100の概略構成を示すブロック図である。監視システム100は、PLCシステム101に含まれる入出力ユニット102の監視を目的とするシステムである。監視システム100は、入出力ユニット102の一部の機能部と、PC(Personal Computer)140とを備える。入出力ユニット102は、PLCシステム101の一部である。PLCシステム101と、PC140または外部機器150とは、無線通信可能に構成されている。本実施形態において、かかる無線通信は、IEEE802.11等で規定される無線LAN(Local Area Network)通信である。
【0010】
PLCシステム101は、工場において用いられる各種自動機械、エレベーター、自動ドア等の装置の制御を目的とするシステムである。PLCシステム101は、制御対象である外部機器150を制御する。外部機器150は、本実施形態においてはロボット及びその制御に用いる各種センサである。センサは、具体的には、ロボットの電圧センサやロボットの位置を特定する位置センサ等が該当する。本実施形態において、PC140と、PLCシステム101における各ユニット102、120、130と、外部機器150は、複数のフロアA~Cにまたがって配置されている。外部機器150は、フロアCに配置されている。
【0011】
PLCシステム101は、入出力ユニット102と、制御ユニット120と、電源ユニット130とを備えている。入出力ユニット102と、電源ユニット130は、外部機器150と同様に、フロアCに配置されている。制御ユニット120は、フロアBに配置されている。入出力ユニット102と、制御ユニット120または電源ユニット130とは、内部バスにより電気的に接続されている。なお、PLCシステム101は、上述した各ユニット102、120、130に加えて、他の種類のユニットを備えていてもよい。例えば、他のPLCとの間で通信を行なうためのユニットを備えていてもよい。
【0012】
入出力ユニット102は、外部機器150との間での信号の入力および出力を行なう。入出力ユニット102は、図示しないコネクタを備えており、かかるコネクタにおいて、外部機器150との接続用ケーブルと接続する。
【0013】
入出力ユニット102は、情報格納部104と、表示部106と、稼働状況診断部108と、情報コード生成部110と、表示制御部112を備える。
【0014】
情報格納部104は、入出力ユニット102の稼働状況に関連する情報である稼働関連情報を格納する。「稼働関連情報」とは、入出力ユニット102の内部の稼働状況を示す情報、および、入出力ユニット102と外部機器150との接続状況を示す情報である。具体的には、入出力ユニット102の稼働状況の診断において、内部の回路の診断が含まれ、かかる内部回路の診断の結果が「入出力ユニット102の内部の稼働状況を示す情報」に相当する。なお、「入出力ユニット102の内部の稼働状況を示す情報」は、入出力ユニット102の内部回路の診断結果に限らず、入出力ユニット102の内部を示す温度等、入出力ユニット102自身の状況を示す任意の種類の情報であってもよい。「入出力ユニット102と外部機器150との接続状況を示す情報」とは、接続の有無や、接続異常の発生の有無を示す情報である。ここで、接続異常の発生有りの場合には、異常の種類、例えば、断線や短絡などの接続異常の種類を示す情報も含まれる。
【0015】
表示制御部112は、表示部106の表示を制御する。具体的には、表示制御部112は、上述の稼働関連情報を示す情報が埋め込まれている情報コードを、表示部106に表示させる。本実施形態では、情報コードとは、二次元の情報コードであるQRコード(登録商標)を意味する。
【0016】
表示部106は、表示制御部112の制御によってQRコードを表示させる。
図2は、入出力ユニット102の前面図である。
図2に示すように、表示部106は、入出力ユニット102の前面上方側に配置されている。表示部106は、液晶パネルで構成されている。表示部106において、QRコードCo1が表示される。入出力ユニット102の前面において、表示部106の下方側には、状態表示部107が設けられている。状態表示部107は、点灯部CHにおいて、状態表示用のLEDが配置されている。かかるLEDの色の変化によって、稼働の正常や異常の状態、非稼働の状態が示される。
【0017】
図1に示す稼働状況診断部108は、入出力ユニット102の稼働状況を診断する。情報コード生成部110は、稼働状況診断部108によって診断された入出力ユニット102の稼働状況に基づいて情報コードを生成する。
【0018】
制御ユニット120は、PLCシステム101全体を制御する。制御ユニット120は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を備え、CPUによりROMに記憶されている各種制御用プログラムが実行される。制御ユニット120は、外部機器150であるロボットのセンサ等から入出力ユニット102に入力される信号等に基づき、外部機器150およびPLCシステム101内の他の機能ユニット、具体的には、入出力ユニット102を制御する。
【0019】
電源ユニット130は、外部機器150への電力供給を実行すると共に、その供給電力量を制御する。本実施形態では、上述した各ユニット102、120、130は、基板上に上述のCPU、ROM、RAMや、各種電気回路が配置された構成を有する。
【0020】
PC140は、オペレーション室に設けられている監視装置として機能するパーソナルコンピュータである。PC140は、自身のソフトウェアから制御ユニット120を経由して入出力ユニット102へ接続する。PC140は、入出力ユニット102から稼働関連情報を取得して監視する。
【0021】
A-2.情報コード表示処理:
図3は、情報コード表示処理の手順を示すフローチャートである。情報コード表示処理とは、監視システム100によって稼働関連情報を示す情報が埋め込まれている情報コードを表示するための処理である。入出力ユニット102の電源がONされると、
図3に示す情報コード表示処理が実行される。
【0022】
稼働状況診断部108は、予め定められた時間間隔で入出力ユニット102の稼働状況を診断する(ステップS10)。本実施形態において、予め定められた時間間隔は10秒である。稼働状況診断部は、上述した入出力ユニット102の内部の稼働状況、および、入出力ユニット102と外部機器150との接続状況を診断する。なお、予め定められた時間間隔は10秒に限らず、予め定められた任意の時間間隔であってもよい。
【0023】
稼働状況診断部108は、ステップS10で診断された診断結果を稼働関連情報として
情報格納部104に格納させる(ステップS12)。かかる稼働関連情報は、例えば、「入出力ユニット102の内部の稼働状況の異常の有無、入出力ユニット102と外部機器150との接続状況の異常の有無」を示す情報である。この場合、稼働関連情報には、接続異常の情報である断線や短絡等の接続異常の種類と、接続異常が発生した箇所と、接続異常発生の日時を示す情報等が含まれる。
【0024】
情報コード生成部110は、ステップS12で格納される稼働関連情報に基づいてQRコードを新たに生成する(ステップS14)。表示制御部112は、表示部106に、ステップS14で新たに生成されたQRコードを、既に表示されているQRコードに代えて表示させる(ステップS16)。これにより、QRコードの表示が更新される。
【0025】
ステップS10へ戻って、ステップS10~S16までの処理が繰り返される。
【0026】
作業員は、任意の時点において、QRコード読み取り専用機やQRコード読み取りアプリケーションがインストールされたスマートフォン等を用いて、入出力ユニット102の前面の表示部106に表示されたQRコードを読み取る。
図4は、QRコードに埋め込まれた稼働関連情報の一例を示す表示画面である。QRコードが読み取られると、具体的には、
図4に示すように、「入出力ユニット102の内部の稼働状況に異常無し、接続状況に異常有り、チャネル1のポート番号2に断線の異常有り、接続異常の発生日時は2021年2月26日13時55分」などのテキスト情報がスマートフォン等の表示画面にリストアップされる。これにより、作業員は容易に稼働関連情報を把握できる。
【0027】
以上説明した本実施形態の監視システム100では、入出力ユニット102の稼働状況に関連する情報である稼働関連情報を示す情報が埋め込まれているQRコードを、表示部106に表示させる表示制御部112を備えるので、表示部106に表示されるQRコードから稼働関連情報を示す情報を容易に取得できる。例えば、かかるQRコードの表示であれば、QRコード読み取り専用機やQRコード読み取りアプリケーションがインストールされたスマートフォンを用いて、電気的な接続を要することなく、かかる稼働関連情報を示す情報を容易に取得できる。
【0028】
また、入出力ユニット102は、稼働状況診断部108と情報コード生成部110を有するので、稼働状況診断と、稼働状況を反映した情報コード生成とを単一のユニット内で実行できる。したがって、稼働状況診断部と情報コード生成部とのうちの少なくとも一方を他のユニット等が備える構成と比べて、入出力ユニットと他のユニット等との接続ができない状況が生じた場合においても、情報コードの表示ができなくなることを回避できる。また、診断された稼働状況を取得するための通信、および、情報コードを取得するための通信を削減できる。
【0029】
さらに、予め定められた時間間隔で診断された稼働状況が情報格納部104に格納されるので、定期的に更新された稼働状況を情報格納部104に格納できる。
【0030】
また、情報コード生成部110は、予め定められた時間間隔で格納される稼働関連情報に基づいてQRコードを新たに生成するので、定期的に更新された稼働状況を利用してQRコードを生成できる。
【0031】
さらに、新たなQRコードが作成されると、表示部106において、かかる新たなQRコードに表示が更新されるので、かかる表示更新されたQRコードを利用して新たな稼働状況を迅速に把握できる。
【0032】
また、稼働関連情報は、入出力ユニット102の内部の稼働状況を示す情報、および、入出力ユニット102と外部機器150との接続状況を示す情報を含んでいるので、入出力ユニット102の内部の稼働状況のみならず、外部との接続状況を容易に得ることができる。
【0033】
B.他の実施形態:
(B1)本実施形態の監視システム100において、表示制御部112は、稼働関連情報を示す情報が埋め込まれているQRコードを表示部106に表示させていたが、これに代えて、または、これに加えて、情報格納部104にアクセスするためのアクセス情報を示す情報が埋め込まれているQRコードを表示させてもよい。例えば、PC140がWebサーバとして構成されており、かかるPC140に情報格納部が配置され、かかる情報格納部の場所を示すURLがアクセス情報としてQRコードに埋め込まれていてもよい。具体的な利用フローとして、例えば、作業員は、スマートフォンのQRコード読み取りアプリケーションを用いて、表示部106に表示されたQRコードを読み取る。作業員のスマートフォンの表示画面に、情報格納部104にアクセスするためのアクセス情報であるURLが表示される。作業員がブラウザソフトを起ち上げて、かかるURLにアクセスする。WebサーバであるPC140から情報格納部に格納されている稼働関連情報が取得され、かかる稼働関連情報が作業員のスマートフォンに送信され、スマートフォンの表示画面にテキスト表示される。
【0034】
(B2)本実施形態の監視システム100において、表示部106はQRコードを表示していたが、QRコードに限らず他の任意の種類の二次元の情報コードを表示してもよい。また、二次元の情報コードに限らず、一次元の情報コードなど任意の種類の情報コードを表示してもよい。
【0035】
(B3)本実施形態の監視システム100において、表示部106は、予め定められた時間間隔で格納された稼働関連情報に基づいて新たに生成されたQRコードを表示していたが、本開示はこれに限られない。稼働状況の異常が予め定められた回数、例えば5回発生した場合、表示部106はQRコードを表示してもよい。なお、かかる予め定められた回数は、5回に限らず任意の回数であってもよい。また、入出力ユニット102の内部の稼働状況の異常である場合に、表示部106は異常が一回であっても表示してもよい。さらに、表示部106を、タッチパネルとして操作可能に構成し、作業員の表示部106へのタッチを契機として、最新のQRコードがリロードされて表示部106に表示されてもよい。また、入出力ユニット102に表示用の物理ボタンを設けられ、かかるボタンが押されたことを契機として、最新のQRコードがリロードされて表示部106に表示されてもよい。また、タッチパネルや物理ボタンが、タッチまたは押下されないときは、省電力の観点から表示部106の表示は消されていてもよいし、既に表示されているQRコードが表示されたままでもよい。
【0036】
(B4)本実施形態の監視システム100において、稼働関連情報は、入出力ユニット102の内部の稼働状況を示す情報と、入出力ユニット102と外部機器150との接続状況を示す情報と、の両方を含んでいたが、どちらか一方を含んでいればよい。また他の情報を追加して含んでいてもよい。
【0037】
(B5)本実施形態の監視システム100において、QRコードが切り替わったことを示すランプを備えていてもよい。これにより、作業員に同じ稼働関連情報を確認させる手間を省ける。また、QRコードが切り替わったことを目視で確認できるので、作業員にQRコードを読み込ませる動機付けを与えられる。
【0038】
(B6)本実施形態の監視システム100において、表示制御部112は、QRコードが新たに作成されると、表示部106に、新たに作成されたQRコードを表示させていたが、新たに作成されたQRコードを情報格納部104に格納させてから、QRコードを表示させてもよい。
【0039】
(B7)本実施形態の監視システム100において、PC140と、PLCシステム101における各ユニット102、120、130と、外部機器150は、複数のフロアA~Cにまたがって配置されていたが、同一のフロアに配置されていてもよい。
【0040】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
100…監視システム、101…PLCシステム、102…入出力ユニット、104…情報格納部、106…表示部、107…状態表示部、108…稼働状況診断部、110…情報コード生成部、112…表示制御部、120…制御ユニット、130…電源ユニット、150…外部機器、CH…点灯部、Co1…QRコード