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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147308
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】計算機システム及び人物の提示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220929BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20220929BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F13/00 540E
G06F16/9035
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048494
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 若菜
【テーマコード(参考)】
5B084
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA14
5B084AA26
5B084AA30
5B084AB06
5B084AB11
5B084AB20
5B084AB26
5B084AB31
5B084AB39
5B084BA04
5B084BB01
5B084BB15
5B084CC06
5B084CC07
5B084CC16
5B084DB02
5B084DC02
5B084DC03
5B084DC06
5B084DC27
5B084EA17
5B084FA28
5B175FB03
5B175HA01
5L049CC12
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】リアルタイム性の高いコミュニケーションを実現する。
【解決手段】問い合わせ先の人物を提示する計算機システムは、依頼者と対応者との間で行われたコミュニケーションの履歴を管理する履歴管理データベースと、対応者の特性、スケジュール、及び連絡手段を管理するためのプロファイルを格納するプロファイル管理データベースと、を管理し、人物の特性に関する情報を含む検索要求を受信した場合、指定された人物の特性を有する対応者を検索し、検索された対応者のスケジュール及び履歴に基づいて、検索された対応者に問い合わせを行った場合の応答の待ち時間の短さを評価するための指標を算出し、指標に基づいて、応答の待ち時間が短い候補対応者を提示するための対応者提示情報を生成し、出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問い合わせ先の人物を提示する計算機システムであって、
プロセッサ、前記プロセッサに接続される記憶装置、及び前記プロセッサに接続される通信装置を有する計算機を少なくとも一つ備え、
依頼者と対応者との間で行われたコミュニケーションの履歴を管理する履歴管理データベースと、対応者の特性、スケジュール、及び連絡手段を管理するためのプロファイルを格納するプロファイル管理データベースと、を管理し、
前記少なくとも一つの計算機は、
人物の特性に関する情報を含む検索要求を受信した場合、前記プロファイル管理データベースを参照して、前記検索要求にて指定された人物の特性を有する対応者を検索し、
前記履歴管理データベース及び前記プロファイル管理データベースを参照し、前記検索された対応者のスケジュール及び前記検索された対応者の前記履歴に基づいて、前記検索された対応者に問い合わせを行った場合の応答の待ち時間の短さを評価するための指標を算出し、
前記指標に基づいて、応答の待ち時間が短い候補対応者を提示するための対応者提示情報を生成し、
前記対応者提示情報を出力することを特徴とする計算機システム。
【請求項2】
請求項1に記載の計算機システムであって、
前記少なくとも一つの計算機は、
前記検索された対応者のスケジュールに基づいて、前記検索された対応者の勤務状態を特定し、
前記検索された対応者が受け付けている問合せの件数を算出し、
前記検索された対応者の前記履歴を用いた統計処理を実行することによって、前記検索された対応者が問合せに関するタスクの完了に要する推定応答完了時間を算出し、
前記検索された対応者の前記勤務状態、前記問合せの件数、及び前記推定応答完了時間に基づいて、前記検索された対象者の問合せ優先順位を決定し、
前記問合せ優先順位に基づいてソートされた前記候補対応者を提示するための前記対応者提示情報を生成することを特徴とする計算機システム。
【請求項3】
請求項2に記載の計算機システムであって、
前記少なくとも一つの計算機は、
前記検索された対応者の前記履歴を解析することによって、前記連絡手段毎の応答の速さを示す応答評価値を算出し、
前記検索された対応者の前記勤務状態、前記問合せの件数、前記推定応答完了時間、及び前記応答評価値に基づいて、前記検索された対象者の前記問合せ優先順位を決定することを特徴とする計算機システム。
【請求項4】
請求項3に記載の計算機システムであって、
前記少なくとも一つの計算機は、
前記検索された対応者の前記勤務状態、前記問合せの件数、及び前記推定応答完了時間に基づいて推定最小待ち時間を算出し、
前記推定最小待ち時間が小さい順に、前記検索された対応者をソートする第1ソート処理を実行し、
前記応答評価値に基づいて、応答が速い順に、前記推定最小待ち時間が同一の前記検索された対応者をソートする第2ソート処理を実行し、
前記第1ソート処理及び前記第2ソート処理の結果に基づいて、前記検索された対象者の前記問合せ優先順位を決定することを特徴とする計算機システム。
【請求項5】
請求項4に記載の計算機システムであって、
前記少なくとも一つの計算機は、
前記検索された対応者の前記スケジュールに基づいて、前記検索された対応者への問合せに利用可能な連絡手段を候補連絡手段として選択し、
前記候補対応者とともに、前記候補連絡手段を提示するための前記対応者提示情報を生成することを特徴とする計算機システム。
【請求項6】
請求項5に記載の計算機システムであって、
前記履歴は、使用した連絡手段の情報を含み、
前記少なくとも一つの計算機は、
前記候補連絡手段が複数存在する場合、前記応答評価値に基づいて、前記候補連絡手段の使用優先順位を決定し、
前記候補対応者とともに、前記使用優先順位に基づいてソートされた前記候補連絡手段を提示するための前記対応者提示情報を生成することを特徴とする計算機システム。
【請求項7】
計算機システムが実行する問合せ先の人物の提示方法であって、
前記計算機システムは、
プロセッサ、前記プロセッサに接続される記憶装置、及び前記プロセッサに接続される通信装置を有する計算機を少なくとも一つ含み、
依頼者と対応者との間で行われたコミュニケーションの履歴を管理する履歴管理データベースと、対応者の特性、スケジュール、及び連絡手段を管理するためのプロファイルを格納するプロファイル管理データベースと、を管理し、
前記少なくとも一つの計算機が、人物の特性に関する情報を含む検索要求を受信した場合、前記プロファイル管理データベースを参照して、前記検索要求にて指定された人物の特性を有する対応者を検索する第1のステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記履歴管理データベース及び前記プロファイル管理データベースを参照し、前記検索された対応者のスケジュール及び前記検索された対応者の前記履歴に基づいて、前記検索された対応者に問い合わせを行った場合の応答の待ち時間の短さを評価するための指標を算出する第2のステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記指標に基づいて、応答の待ち時間が短い候補対応者を提示するための対応者提示情報を生成する第3のステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記対応者提示情報を出力する第4のステップと、を含むことを特徴とする人物の提示方法。
【請求項8】
請求項7に記載の人物の提示方法であって、
前記第2のステップは、
前記少なくとも一つの計算機が、前記検索された対応者のスケジュールに基づいて、前記検索された対応者の勤務状態を特定するステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記検索された対応者が受け付けている問合せの件数を算出するステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記検索された対応者の前記履歴を用いた統計処理を実行することによって、前記検索された対応者が問合せに関するタスクの完了に要する推定応答完了時間を算出するステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記検索された対応者の前記勤務状態、前記問合せの件数、及び前記推定応答完了時間に基づいて、前記検索された対象者の問合せ優先順位を決定するステップと、を含み、
前記第3のステップは、前記少なくとも一つの計算機が、前記問合せ優先順位に基づいてソートされた前記候補対応者を提示するための前記対応者提示情報を生成するステップを含むことを特徴とする人物の提示方法。
【請求項9】
請求項8に記載の人物の提示方法であって、
前記第2のステップは、
前記少なくとも一つの計算機が、前記検索された対応者の前記履歴を解析することによって、前記連絡手段毎の応答の速さを示す応答評価値を算出するステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記検索された対応者の前記勤務状態、前記問合せの件数、前記推定応答完了時間、及び前記応答評価値に基づいて、前記検索された対象者の前記問合せ優先順位を決定するステップと、を含むことを特徴とする人物の提示方法。
【請求項10】
請求項9に記載の人物の提示方法であって、
前記第2のステップは、前記少なくとも一つの計算機が、前記検索された対応者の前記勤務状態、前記問合せの件数、及び前記推定応答完了時間に基づいて推定最小待ち時間を算出するステップを含み、
前記第3のステップは、
前記少なくとも一つの計算機が、前記推定最小待ち時間が小さい順に、前記検索された対応者をソートする第1ソート処理を実行するステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記応答評価値に基づいて、応答が速い順に、前記推定最小待ち時間が同一の前記検索された対応者をソートする第2ソート処理を実行するステップと、
前記少なくとも一つの計算機が、前記第1ソート処理及び前記第2ソート処理の結果に基づいて、前記検索された対象者の前記問合せ優先順位を決定するステップと、を含むことを特徴とする人物の提示方法。
【請求項11】
請求項10に記載の人物の提示方法であって、
前記少なくとも一つの計算機が、前記検索された対応者の前記スケジュールに基づいて、前記検索された対応者への問合せに利用可能な連絡手段を候補連絡手段として選択するステップを含み、
前記第3のステップは、前記少なくとも一つの計算機が、前記候補対応者とともに、前記候補連絡手段を提示するための前記対応者提示情報を生成するステップを含むことを特徴とする人物の提示方法。
【請求項12】
請求項11に記載の人物の提示方法であって、
前記履歴は、使用した連絡手段の情報を含み、
前記人物の提示方法は、
前記少なくとも一つの計算機が、前記候補連絡手段が複数存在する場合、前記応答評価値に基づいて、前記候補連絡手段の使用優先順位を決定するステップを含み、
前記第3のステップは、前記少なくとも一つの計算機が、前記候補対応者とともに、前記使用優先順位に基づいてソートされた前記候補連絡手段を提示するための前記対応者提示情報を生成することを特徴とする人物の提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーションを支援するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、時間及び場所にとらわれない多様な働き方が広がっている。また、事業のグローバル化に伴って海外の人々と協働で業務を行う機会が増大している。このような社会環境では情報の共有等を目的としたコミュニケーションが重要となる。
【0003】
ある事柄について問合せを行う場合、適切な知識及びスキル等を有する人物を特定し、コミュニケーションを行う必要がある。この課題に対して、特許文献1に記載の技術が知られている。
【0004】
特許文献1には、「コミュニケーションシステムは、質問者からの質問を入力する質問入力部と、前記質問に対する回答者を検索する検索部と、前記質問に対する回答を行う第1コミュニケーションを行う第1コミュニケーション部と、前記第1コミュニケーションとは別に、第2コミュニケーションを設定する設定部とを備える。」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-201770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、コミュニケーションのリアルタイム性が考慮されていない。例えば、日本で活動する質問者が海外で活動する回答者に問合せを行った場合、回答者からの応答がすぐに得られない場合がある。質問者は、回答者からの応答があるまで問合せた事柄に関するタスクを停止しなければならない可能性がある。また、質問者は、回答者への問合せ後に別のタスクを実行していた場合、長時間経過した後に問合せの応答を受け取ると、実行中のタスクの停止及びタスクの切り替え等を行う必要があり、業務効率が低下する。
【0007】
したがった、リアルタイム性の高いコミュニケーションを実現するためには、問合せの応答の待ち時間を削減することが重要である。
【0008】
本発明は、待ち時間を削減し、リアルタイム性の高いコミュニケーションを支援するシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、問い合わせ先の人物を提示する計算機システムであって、プロセッサ、前記プロセッサに接続される記憶装置、及び前記プロセッサに接続される通信装置を有する計算機を少なくとも一つ備え、依頼者と対応者との間で行われたコミュニケーションの履歴を管理する履歴管理データベースと、対応者の特性、スケジュール、及び連絡手段を管理するためのプロファイルを格納するプロファイル管理データベースと、を管理し、前記少なくとも一つの計算機は、人物の特性に関する情報を含む検索要求を受信した場合、前記プロファイル管理データベースを参照して、前記検索要求にて指定された人物の特性を有する対応者を検索し、前記履歴管理データベース及び前記プロファイル管理データベースを参照し、前記検索された対応者のスケジュール及び前記検索された対応者の前記履歴に基づいて、前記検索された対応者に問い合わせを行った場合の応答の待ち時間の短さを評価するための指標を算出し、前記指標に基づいて、応答の待ち時間が短い候補対応者を提示するための対応者提示情報を生成し、前記対応者提示情報を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、計算機システムは、指定された特性を有し、かつ、待ち時間が小さい対応者を優先的に提示することができる。依頼者は、当該提示に基づいて対応者に問合せを行うことによって、リアルタイム性の高いコミュニケーションが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1のシステムの構成の一例を示す図である。
図2】実施例1のコミュニケーション制御システムに含まれる計算機の構成例を示す図である。
図3】実施例1のプロファイル管理DBの一例を示す図である。
図4】実施例1の履歴管理DBの一例を示す図である。
図5】実施例1のコミュニケーション制御システムが実行するプロファイル生成処理の一例を説明するフローチャートである。
図6】実施例1のコミュニケーション制御システムが実行する対応者提示処理の一例を説明するフローチャートである。
図7】実施例1のコミュニケーション制御システムが生成する解析情報の一例を示す図である。
図8】実施例1のコミュニケーション制御システムが実行する指標算出処理の一例を説明するフローチャートである。
図9】実施例1のコミュニケーション制御システムが実行する連絡手段優先順位決定処理の一例を説明するフローチャートである。
図10】実施例1のコミュニケーション制御システムが実行する問合せ優先順位決定処理の一例を説明するフローチャートである。
図11】実施例1の端末に表示される画面の一例を示す図である。
図12】対応者の勤務時間の具体例を示す図である。
図13A】実施例1の対応者提示処理において生成された解析情報の具体例を示す図である。
図13B】実施例1の対応者提示処理において生成された解析情報の具体例を示す図である。
図13C】実施例1の対応者提示処理において生成された解析情報の具体例を示す図である。
図13D】実施例1の対応者提示処理において生成された解析情報の具体例を示す図である。
図14】実施例2のコミュニケーション制御システムが生成する解析情報の一例を示す図である。
図15】実施例2のコミュニケーション制御システムが実行する指標算出処理の一例を説明するフローチャートである。
図16】実施例2のコミュニケーション制御システムが実行する問合せ優先順位決定処理の一例を説明するフローチャートである。
図17】実施例3のシステムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
【0013】
以下に説明する発明の構成において、同一又は類似する構成又は機能には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数又は順序を限定するものではない。
【0015】
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、及び範囲等は、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、及び範囲等を表していない場合がある。したがって、本発明では、図面等に開示された位置、大きさ、形状、及び範囲等に限定されない。
【実施例0016】
図1は、実施例1のシステムの構成の一例を示す図である。図2は、実施例1のコミュニケーション制御システムに含まれる計算機の構成例を示す図である。
【0017】
実施例1のシステムは、コミュニケーション制御システム100及び複数の端末101、102、103から構成される。コミュニケーション制御システム100は、ネットワークを介して、登録者が操作する端末101、依頼者が操作する端末102、及び対応者が操作する端末103と接続する。ネットワークは、WAN(Wide Area Network)及びLAN(Local Area Network)等であり、接続方式は有線及び無線のいずれでもよい。なお、図1では、端末101、102、103の数は一つであるが、二つ以上でもよい。
【0018】
登録者は、対応者に関する情報を入力する人物である。依頼者は、任意の事柄について問合せを行う人物である。対応者は、依頼者からの問合せを受け付け、応答する人物である。登録者及び対応者は同一人物でもよい。また、対応者が依頼者となり、依頼者が対応者となる場合もある。
【0019】
端末101、102、103は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、及びタブレット端末等である。端末101、102、103は、図示しない、プロセッサ、記憶装置、ネットワークインタフェース、入力装置、及び出力装置を有する。なお、入力装置は、キーボード、マウス、タッチパネル、及びマイク等であり、出力装置は、ディスプレイ及びスピーカ等である。
【0020】
コミュニケーション制御システム100は、依頼者から検索要求を受け付け、問い合わせ先の対応者を提示し、また、依頼者及び対応者のコミュニケーションを制御するシステムであり、少なくとも一つの計算機200から構成される。
【0021】
計算機200は、プロセッサ201、ネットワークインタフェース202、主記憶装置203、及び副記憶装置204を有する。各ハードウェア要素はバス205を介して接続される。なお、計算機200は入力装置及び出力装置を有してもよい。
【0022】
ネットワークインタフェース202は、ネットワークを介して外部装置と通信するためのインタフェースである。
【0023】
プロセッサ201は、主記憶装置203に格納されるプログラムを実行する。プロセッサ201がプログラムにしたがって処理を実行することによって、特定の機能を実現する機能部(モジュール)として動作する。以下の説明では、機能部を主語に処理を説明する場合、プロセッサ201が当該機能部を実現するプログラムを実行していることを示す。
【0024】
主記憶装置203は、プロセッサ201が実行するプログラム及びプログラムが使用する情報を格納する。また、主記憶装置203は、プログラムが一時的に使用するワークエリアとして用いられる。主記憶装置203は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。
【0025】
副記憶装置204は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等であり、永続的に情報を格納する。
【0026】
なお、主記憶装置203に格納されるプログラム及び情報は、副記憶装置204に格納されてもよい。この場合、プロセッサ201が副記憶装置204からプログラム及び情報を読み出し、主記憶装置203にロードする。また、副記憶装置204に格納される情報は、主記憶装置203に格納されてもよい。
【0027】
まず、本システムの制御の概要について説明する。
【0028】
登録者は、端末101を用いて対応者の個人情報、スキル情報、及びスケジュール等の情報をコミュニケーション制御システム100に登録する。コミュニケーション制御システム100は、登録された情報に基づいてプロファイルを生成する。
【0029】
依頼者は、端末102を用いて、問合せ可能な対応者を確認するための検索要求をコミュニケーション制御システム100に送信する。検索要求には、依頼者が要求する対応者の特性に関する情報が含まれる。コミュニケーション制御システム100は、検索要求にて指定された特性を有する対応者を検索し、検索された対応者のスケジュール等に基づいて、問合せに対する応答の待ち時間の短さを評価することによって対応者の問合せ優先順位を決定する。コミュニケーション制御システム100は、問合せ優先順位に基づいて、問い合わせ先の候補となる対応者(候補対応者)を提示するための対応者提示情報を生成し、端末102に送信する。
【0030】
対応者提示情報を参照した依頼者は、端末102を用いて、任意の対応者への問合せ要求をコミュニケーション制御システム100に送信する。コミュニケーション制御システム100は、対応者が操作する端末103に依頼者からの問合せを通知する。依頼者及び対応者は、コミュニケーション制御システム100を介してコミュニケーションを行う。コミュニケーション制御システム100は、コミュニケーションに関する履歴を登録する。
【0031】
以上が本システムの制御の概要の説明である。次に、コミュニケーション制御システム100のソフトウェア構成について説明する。
【0032】
コミュニケーション制御システム100は、登録部110、プロファイル生成部111、検索部112、及びコミュニケーション制御部113を有し、また、対応者管理DB120、スキル管理DB121、スケジュール管理DB122、プロファイル管理DB123、及び履歴管理DB124を保持する。
【0033】
対応者管理DB120は、対応者の個人情報を管理するデータベースである。対応者管理DB120には、対応者のID、氏名、年齢、住所、所属等を含むデータが格納される。
【0034】
スキル管理DB121は、対応者が有するスキルに関する情報(スキル情報)を管理するデータベースである。スキル管理DB121には、対応者のID及び対応者が有するスキル等を含むデータが格納される。
【0035】
スケジュール管理DB122は、対応者のスケジュールを管理するデータベースである。スケジュール管理DB122には、対応者ID及びスケジュールを含むデータが格納される。一つのデータに対応者のすべてのスケジュールが含まれてもよいし、一つのデータに対応者の一つのスケジュールが含まれてもよい。
【0036】
プロファイル管理DB123は、対応者の特性及びスケジュール等を一元管理するプロファイルを管理するデータベースである。プロファイル管理DB123の詳細は図3を用いて説明する。
【0037】
履歴管理DB124は、コミュニケーションの履歴を管理するデータベースである。履歴管理DB124の詳細は図4を用いて説明する。
【0038】
登録部110は、登録者が操作する端末101によって入力された対応者の個人情報、スキル情報、及びスケジュールを対応者管理DB120、スキル管理DB121、及びスケジュール管理DB122に格納する。
【0039】
プロファイル生成部111は、対応者管理DB120、スキル管理DB121、及びスケジュール管理DB122に格納されるデータに基づいて対応者のプロファイルを生成し、プロファイル管理DB123に格納する。
【0040】
検索部112は、依頼者が操作する端末102から送信された検索要求に基づいて、依頼者が指定した特性を有する対応者を検索し、検索された対応者のスケジュール及びコミュニケーションの履歴に基づいて応答の待ち時間の短さを評価することによって、問合せ優先順位を決定する。また、検索部112は、検索結果及び問合せ優先順位に基づいて対応者提示情報を生成し、端末102に送信する。
【0041】
コミュニケーション制御部113は、依頼者及び対応者の間(端末102及び端末103の間)のコミュニケーションを制御する。コミュニケーション制御部113は、コミュニケーションの履歴を生成し、履歴管理DB124に格納する。
【0042】
なお、コミュニケーション制御システム100が有する各機能部については、複数の機能部を一つの機能部にまとめてもよいし、一つの機能部を機能毎に複数の機能部に分けてもよい。例えば、プロファイル生成部111が登録部110を含んでよい。
【0043】
なお、コミュニケーション制御システム100が複数の計算機200を含む場合、各計算機200に機能部を分散配置してもよい。
【0044】
なお、コミュニケーション制御システム100は、計算機200の他に、ネットワークスイッチ及びストレージシステム等を含んでいてもよい。
【0045】
図3は、実施例1のプロファイル管理DB123の一例を示す図である。
【0046】
プロファイル管理DB123は、対応者ID301、氏名302、特性303、スケジュール304、及び連絡手段305を含むエントリを格納する。一人の対応者に対して一つのエントリ(プロファイル)が存在する。なお、エントリに含まれるフィールドは前述したものに限定されない。前述したフィールドのいずれかを含まなくてもよいし、また、他のフィールドを含んでもよい。
【0047】
対応者ID301は、対応者に付与されたIDを格納するフィールドである。氏名302は、対応者の氏名を格納するフィールドである。特性303は、対応者の特性を格納するフィールドである。特性303には、年齢、性別、所属、及びスキル等に関する情報が格納される。なお、特性303は小さな粒度のフィールドに分けてもよい。スケジュール304は、対応者のスケジュールを格納するフィールドである。スケジュール304には、対応者の勤務時間のほかに、会議及び出張等の個別のスケジュールが格納される。なお、スケジュール304は小さい粒度のフィールドに分けてもよい。連絡手段305は、対応者への問合せ時に使用可能な連絡手段を格納するフィールドである。連絡手段305には、連絡手段の種別と、使用するアドレス等の連絡先とを対応づけた情報が格納される。なお、連絡手段305は小さい粒度のフィールドに分けてもよい。
【0048】
図4は、実施例1の履歴管理DB124の一例を示す図である。
【0049】
履歴管理DB124は、履歴ID401、依頼者ID402、対応者ID403、連絡手段404、問合せ時刻405、応答開始時刻406、及び応答終了時刻407を含むエントリを格納する。依頼者及び対応者の間の一回のコミュニケーションに対して一つのエントリ(履歴)が存在する。なお、エントリに含まれるフィールドは前述したものに限定されない。前述したフィールドのいずれかを含まなくてもよいし、また、他のフィールドを含んでもよい。
【0050】
履歴ID401は、履歴のIDを格納するフィールドである。依頼者ID402は、コミュニケーションを行った依頼者のIDを格納するフィールドである。対応者ID403は、コミュニケーションを行った対応者のIDを格納するフィールドである。連絡手段404は、コミュニケーションに使用した連絡手段の種別を格納するフィールドである。問合せ時刻405は、依頼者が対応者に問合せを行った時刻を格納するフィールドである。応答開始時刻406は、対応者が依頼者とコミュニケーションを開始した時刻を格納するフィールドである。応答開始時刻406には、対応者が依頼者からの問合せに最初に応答した時刻が格納される。応答終了時刻407は、対応者が依頼者とのコミュニケーションを終了した時刻を格納するフィールドである。
【0051】
なお、対応者が依頼者からの電話による問合せの取り次ぎを拒否した場合、応答開始時刻406には拒否を示す値が格納され、応答終了時刻407は空欄となる。対応者が依頼者からの電話による問合せを取り次げなかった場合、応答開始時刻406には不応答を示す値が格納され、応答終了時刻407は空欄となる。
【0052】
後述するように、履歴は対応者の問合せに対する応答の速さを解析するための学習情報として用いられる。
【0053】
コミュニケーション制御システム100が実行する処理の詳細について説明する。
【0054】
図5は、実施例1のコミュニケーション制御システム100が実行するプロファイル生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【0055】
プロファイル生成部111は、対応者管理DB120、スキル管理DB121、及びスケジュール管理DB122のいずれかが更新された場合、又は、実行指示を受け付けた場合、プロファイル生成処理を実行する。なお、周期的にプロファイル生成処理が実行されてもよい。
【0056】
プロファイル生成部111は、処理対象の対応者のリストを生成する(ステップS101)。
【0057】
対応者管理DB120、スキル管理DB121、及びスケジュール管理DB122のいずれかの更新が実行契機の場合、プロファイル生成部111は、更新されたデータに関連する対応者のリストを生成する。実行指示の受信が実行契機の場合、プロファイル生成部111は、対応者管理DB120に登録されているすべての対応者又は実行指示にて指定された対応者のリストを生成する。実行周期の経過が実行契機の場合、プロファイル生成部111は、対応者管理DB120に登録されているすべての対応者のリストを生成する。
【0058】
次に、プロファイル生成部111は、リストから一人の対応者を選択する(ステップS102)。
【0059】
次に、プロファイル生成部111は、対応者管理DB120、スキル管理DB121、及びスケジュール管理DB122から、選択された対応者のデータを取得し(ステップS103)、当該データを用いてプロファイルを生成する(ステップS104)。プロファイルの生成方法は公知の技術を用いればよいため、詳細な説明は省略する。
【0060】
次に、プロファイル生成部111は、生成されたプロファイルをプロファイル管理DB123に格納する(ステップS105)。
【0061】
なお、選択した対応者のプロファイルがプロファイル管理DB123に存在する場合、プロファイル生成部111は、当該プロファイルに、生成されたプロファイルを上書きする。
【0062】
次に、プロファイル生成部111は、リストに登録されたすべての対応者の処理が完了したか否かを判定する(ステップS106)。
【0063】
リストに登録されたすべての対応者の処理が完了していない場合、プロファイル生成部111はステップS102に戻り、同様の処理を実行する。
【0064】
リストに登録されたすべての対応者の処理が完了した場合、プロファイル生成部111はプロファイル生成処理を終了する。
【0065】
図6は、実施例1のコミュニケーション制御システム100が実行する対応者提示処理の一例を説明するフローチャートである。図7は、実施例1のコミュニケーション制御システム100が生成する解析情報の一例を示す図である。図8は、実施例1のコミュニケーション制御システム100が実行する指標算出処理の一例を説明するフローチャートである。図9は、実施例1のコミュニケーション制御システム100が実行する連絡手段優先順位決定処理の一例を説明するフローチャートである。図10は、実施例1のコミュニケーション制御システム100が実行する問合せ優先順位決定処理の一例を説明するフローチャートである。図11は、実施例1の端末102に表示される画面の一例を示す図である。
【0066】
検索部112は、依頼者が操作する端末102から検索要求を受信した場合、対応者提示処理を実行する。
【0067】
検索部112は、プロファイル管理DB123の特性303を参照して、検索要求に含まれる特性を有する対応者を検索する(ステップS201)。特性に基づく対応者の検索は公知の技術であるため詳細な説明は省略する。
【0068】
このとき、検索部112は、検索結果に基づいて解析情報700を生成する。解析情報700は、対応者ID701、推定最小待ち時間702、問合せ件数703、電話不応答率704、推定応答時間(チャット)705、及び推定応答時間(メール)706を含むエントリを格納する。一人の対応者に対して一つのエントリが存在する。
【0069】
対応者ID701は、対応者のIDを格納するフィールドである。推定最小待ち時間702、問合せ件数703、電話不応答率704、推定応答時間(チャット)705、及び推定応答時間(メール)706は、問合せに対する応答の待ち時間の短さを評価するための指標を格納するフィールドである。
【0070】
この時点の解析情報700には、検索された対応者の数と同数のエントリが登録され、各エントリの対応者ID701に検索された対応者のIDが格納される。各エントリの対応者ID701以外のフィールドは空欄となっている。
【0071】
次に、検索部112は、検索された対応者の中から一人の対応者を選択する(ステップS202)。以下の説明では、選択された対応者をターゲット対応者と記載する。
【0072】
次に、検索部112は、ターゲット対応者の勤務状態を特定する(ステップS203)。
【0073】
具体的には、検索部112は、ターゲット対応者のプロファイルを参照してターゲット対応者の勤務時間を特定し、現在、ターゲット対応者が勤務中か否かを判定する。なお、検索部112は、端末103を介して、対応者に勤務状態を問い合わせてもよい。
【0074】
次に、検索部112は、ターゲット対応者に対して指標算出処理を実行する(ステップS204)。ここで、図8を用いて指標算出処理について説明する。
【0075】
検索部112は、ターゲット対応者の推定最小待ち時間を算出する(ステップS301)。推定最小待ち時間は、ターゲット対応者の勤務状態に基づいて算出される値であり、問合せに対する最初の応答までに要する時間の推定最小値である。具体的には、以下のような処理によって算出される。
【0076】
(S301-1)検索部112は、ステップS301の処理結果に基づいて、ターゲット対応者が勤務中であるか否かを判定する。
【0077】
(S301-2)ターゲット対応者が勤務中である場合、問合せに対して即時に応答可能である。そこで、検索部112は、推定最小待ち時間として「0」を算出する。検索部112は、解析情報700のターゲット対応者に対応するエントリの推定最小待ち時間702に算出結果を設定する。
【0078】
(S301-3)ターゲット対応者が勤務中でない場合、勤務開始後に応答可能である。そこで、検索部112は、ターゲット対応者のプロファイルに基づいて、現在時刻からターゲット対応者の業務開始時刻までの差を推定最小待ち時間として算出する。検索部112は、解析情報700のターゲット対応者に対応するエントリの推定最小待ち時間702に算出結果を設定する。
【0079】
以上がステップS301の処理の説明である。
【0080】
次に、検索部112は、ターゲット対応者の問合せ件数を算出する(ステップS302)。
【0081】
具体的には、検索部112は、コミュニケーション制御部113から、対応中の問合せ及び応答開始前の問合せの数を取得し、前述の数の合計値を、ターゲット対応者の問合せ件数として算出する。このとき、検索部112は、解析情報700のターゲット対応者に対応するエントリの問合せ件数703に、算出した問合せ件数を設定する。なお、検索部112は、履歴管理DB124のターゲット対応者の履歴に基づいて、問合せ件数を算出してもよい。
【0082】
対応者は、受け付けている問合せに関するタスクがすべて終了した後、依頼者の問合せに対する応答が可能となる。したがって、問合せ件数は、応答の待ち時間の短さを評価するための指標として扱うことができるため、問合せ件数が算出される。
【0083】
次に、検索部112は、ターゲット対応者の履歴に基づいて、各連絡手段について、連絡手段を用いた問合せに対するターゲット対応者の応答の速さを表す応答評価値を算出し(ステップS303)、その後、指標算出処理を終了する。具体的には、以下のような処理が実行される。
【0084】
(S303-1)検索部112は、履歴管理DB124から、対応者ID403にターゲット対応者のIDが格納される履歴を取得する。
【0085】
(S303-2)検索部112は、取得された履歴の中から連絡手段404に「電話」が格納される履歴を抽出する。検索部112は、拒否及び不応答の履歴の数を、抽出された履歴の数で除算することによって不応答率を算出する。検索部112は、解析情報700のターゲット対応者に対応するエントリの電話不応答率704に算出された不応答率を設定する。
【0086】
(S303-3)検索部112は、取得された履歴の中から連絡手段404に「チャット」が格納される履歴を抽出する。なお、応答開始時刻406が空欄の履歴は、チャットでの問合せの対応が行われたなったことを示すため、当該履歴は抽出対象から除外される。検索部112は、各履歴について、応答開始時刻406から問合せ時刻405を減算することによって応答時間を算出する。検索部112は、解析情報700のターゲット対応者に対応するエントリの推定応答時間(チャット)705に、応答時間の平均値を設定する。
【0087】
(S303-4)検索部112は、取得された履歴の中から連絡手段404に「メール」が格納される履歴を抽出する。なお、応答開始時刻406が空欄の履歴は、メールでの問合せの対応が行われたなったことを示すため、当該履歴は抽出対象から除外される。検索部112は、各履歴について、応答開始時刻406から問合せ時刻405を減算することによって応答時間を算出する。検索部112は、解析情報700のターゲット対応者に対応するエントリの推定応答時間(メール)706に、応答時間の平均値を設定する。
【0088】
対応者の応答の速さは、応答の待ち時間の短さを評価するための指標として扱うことができるため、各連絡手段の応答評価値が算出される。
【0089】
以上がステップS303の処理の説明である。
【0090】
本実施例では、推定最小待ち時間、問合せ件数、及び連絡手段の応答評価値に基づいて、応答の待ち時間の短さが評価される。
【0091】
以上が指標算出処理の説明である。図6の説明に戻る。
【0092】
次に、検索部112は、連絡手段優先順位決定処理を実行する(ステップS205)。ここで、図9を用いて連絡手段優先順位決定処理について説明する。
【0093】
検索部112は、ターゲット対応者の勤務状態に基づいて、ターゲット対応者への問合せに使用可能な連絡手段を選択する(ステップS401)。
【0094】
例えば、ターゲット対応者が勤務中の場合、検索部112は、すべての連絡手段(電話、チャット、及びメール)を、使用可能な連絡手段として選択する。ただし、ターゲット対応者が勤務中であるが、会議中又は出張中である場合、検索部112は、即時対応可能な連絡手段を除く連絡手段(チャット及びメール)を、使用可能な連絡手段として選択する。ターゲット対応者が勤務外の場合、検索部112は、即時対応可能な連絡手段を除く連絡手段(チャット及びメール)を、使用可能な連絡手段として選択する。
【0095】
なお、前述の選択方法は一例であってこれに限定されない。対応者の勤務状態に応じて連絡手段を選択できる方法であればよい。
【0096】
次に、検索部112は、選択された連絡手段の応答評価値に基づいて、連絡手段の優先順位を決定する(ステップS402)。
【0097】
本実施例では、あらかじめ設定されたルールに基づいて連絡手段の優先順位が決定されるものとする。例えば、以下のようなルールが考えられる。
(ルール1)電話不応答率が30%より小さい場合、電話に最も高い優先順位とする。チャット及びメールは、応答時間が小さい順に優先順位を決定する。
(ルール2)電話不応答率が50%より大きく、かつ、応答時間が15分より小さい場合、電話に最も低い優先順位とする。チャット又はメールは、応答時間が小さい順に優先順位を決定する。
【0098】
なお、前述のルールは一例であってこれに限定されない。
【0099】
次に、検索部112は、ターゲット対応者と、優先順位に基づいてソートされた連絡手段とを対応づけた中間データを生成し、ワークエリアに格納する(ステップS403)。その後、検索部112は連絡手段優先順位決定処理を終了する。
【0100】
連絡手段の優先順位を決定することによって、応答が早い順に連絡手段を提示できる。依頼者は、当該提示に基づいて連絡手段を選択し、問合せを行うことによって、応答の待ち時間を削減することができる。
【0101】
以上が連絡手段優先順位決定処理の説明である。図6の説明に戻る。
【0102】
次に、検索部112は、検索されたすべての対応者の処理が完了したか否かを判定する(ステップS206)。
【0103】
検索されたすべての対応者の処理が完了していない場合、検索部112はステップS202に戻り、同様の処理を実行する。
【0104】
検索されたすべての対応者の処理が完了した場合、検索部112は、問合せ優先順位決定処理を実行する(ステップS207)。ここで、図10を用いて問合せ優先順位決定処理について説明する。
【0105】
検索部112は、解析情報700を参照し、推定最小待ち時間に基づいて、ステップS201において検索された対応者の中間データをソートする(ステップS501)。
【0106】
具体的には、検索部112は、推定最小待ち時間の小さい順に中間データをソートする。
【0107】
次に、検索部112は、解析情報700を参照し、問合せ件数に基づいて、推定最小待ち時間が同一の対応者をソートする(ステップS502)。
【0108】
具体的には、検索部112は、問合せ件数が小さい順に、推定最小待ち時間が同一の中間データをソートする。
【0109】
なお、推定最小待ち時間が同一の対応者が存在しない場合、ステップS502及びステップS503の処理は省略できる。
【0110】
次に、検索部112は、解析情報700を参照し、連絡手段の応答評価値に基づいて、問合せ件数が同一の対応者をソートする(ステップS503)。具体的には、以下のような処理が実行される。
【0111】
(S503-1)検索部112は、問合せ件数が同一の対応者の中間データを参照し、最も高い優先順位が付与されている連絡手段を特定する。
【0112】
(S503-2)検索部112は、特定された連絡手段が「電話」である対応者の中間データのグループ(第1グループ)と、特定された連絡手段が「電話」ではない対応者の中間データのグループ(第2グループ)を生成する。
【0113】
(S503-3)検索部112は、第1グループの中間データを不応答率の小さい順にソートし、第2グループの中間データを応答時間の小さい順にソートする。検索部112は、第1グループの中間データにソート順にソート番号を付与し、第2グループの中間データにソート順にソート番号を付与する。第2グループの中間データには付与されるソート番号は、第1グループの中間データより優先順位が低くなるようにソート番号が付与される。
【0114】
(S503-4)検索部112は、ソート番号に基づいて対応者をソートする。
【0115】
以上がステップS503の処理の説明である。応答評価値に基づいて、応答の早い順に対応者がソートされる。なお、問合せ件数が同一の対応者が存在しない場合、ステップS503の処理は省略できる。
【0116】
次に、検索部112は、ソート結果に基づいて、対応者の問合せ優先順位を決定し(ステップS504)、その後、問合せ優先順位決定処理を終了する。
【0117】
具体的には、検索部112は、ソート順に高い問合せ優先順位を付与する。
【0118】
問合せ優先順位決定処理では、検索部112は、各指標に基づいて対応者をソートすることによって、各対応者の問合せに対する応答の待ち時間の短さを評価する。問合せ優先順位決定処理を実行することによって、待ち時間が小さい順(問合せ優先順位が高い順)に対応者を提示することができる。依頼者は、当該提示に基づいて、問合せ優先順位が高い対応者を選択し、問合せを行うことによって、待ち時間を削減することができる。
【0119】
なお、問合せ優先順位決定処理には、連絡手段の応答評価値に基づくソート処理が含まれていなくてもよい。
【0120】
以上が問合せ優先順位決定処理の説明である。図6の説明に戻る。
【0121】
検索部112は、中間データに基づいて、対応者提示情報を生成する(ステップS208)。
【0122】
例えば、検索部112は、問合せ優先順位がn位までの対応者を提示するための対応者提示情報を生成する。また、検索部112は、問合せ優先順位が高い順にn人の対応者を選択し、選択した対応者を提示するための対応者提示情報を生成する。また、検索部112は、すべての対応者を提示するための対応者提示情報を生成する。
【0123】
検索部112は、問合せ優先順位が高い順に対応者を提示し、また、連絡手段の優先順位が高い順に連絡手段を提示するための対応者提示情報を生成する。
【0124】
なお、検索部112は、対応者の個人情報、スキル情報、スケジュール、及び勤務状態等もあわせて提示する対応者提示情報を生成してもよい。また、検索部112は、対応者の問合せ件数に応じた表示色を決定し、色づけした情報を提示する対応者提示情報を生成してもよい。例えば、検索部112は、問合せ件数が8件以上の場合「赤色」、問合せ件数が3件以上かつ8件より小さい場合「薄桃色」、問合せ件数が3件より小さい場合「無色」と決定する。
【0125】
検索部112は、依頼者が操作する端末102に、対応者提示情報を出力し(ステップS209)、その後、対応者提示処理を終了する。
【0126】
対応者提示情報を受信した端末102は、図11に示すような画面1100を表示する。画面1100は、複数の対応者表示欄1101を含む。対応者表示欄1101は、対応者に関する情報を表示する欄である。画面1100には、問合せ優先順位が高い順に、対応者表示欄1101が表示される。また、対応者表示欄1101には、連絡手段の優先順位が高い順に連絡手段が表示される。
【0127】
依頼者が対応者表示欄1101の連絡手段を表す文字又はアイコンを操作した場合、検索部112は、当該連絡手段による問合せの実行をコミュニケーション制御部113に指示する。これによって、依頼者は対応者へ問合せを行うことができる。
【0128】
次に、具体例を用いて対応者提示処理の流れを説明する。図12は、対応者の勤務時間の具体例を示す図である。図13A図13B図13C、及び図13Dは、実施例1の対応者提示処理において生成された解析情報の具体例を示す図である。
【0129】
以下の説明では、プロファイル管理DB123には、対応者A、B、C、Dのプロファイルが格納されているものとする。対応者A、B、C、Dは図12に示すような勤務時間であるものとする。また、以下の説明では、対応者B、C、Dが、依頼者が指定する特性を有するものとする。また、以下の説明では、問合せ優先順位を(X_i)と記載し、連絡手段の優先順位を(Y_j)と記載する。i、jは1以上の整数である。
【0130】
(具体例1)時刻T1において実行される対応者提示処理について説明する。
【0131】
対応者B、C、Dに対して、指標算出処理を実行した結果、図13Aに示すような解析情報700が生成されたものとする。ここで、対応者Dは時刻T1において個別スケジュールがないものとする。
【0132】
対応者B、Cは、時刻T1では勤務外であるため、推定最小待ち時間は0より大きい値となる。対応者Dは、時刻T1では勤務中であるため、推定最小待ち時間は0となっている。
【0133】
対応者Bについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Bは勤務外であるため、チャット及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。チャットの推定応答時間はメールの推定応答時間より小さい。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)チャット、(Y_2)メールとなる。
【0134】
対応者Cについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Cは勤務外であるため、チャット及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。チャット及びメールの推定応答時間は同一である。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)チャット/メールとなる。
【0135】
対応者Dについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Dは勤務中、かつ、個別スケジュールがないため、電話、チャット、及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。電話の不応答率は低いため、電話の優先順位が最も高く設定される。また、メールの推定応答時間はチャットの推定応答時間より小さい。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)電話、(Y_2)メール、(Y_3)チャットとなる。
【0136】
ステップS501では、(X_1)対応者D、(X_2)対応者C、(X_3)対応者Bの順にソートされる。推定最小待ち時間が同一である対応者は存在しないため、ステップS502及びステップS503の処理は実行されない。
【0137】
したがって、画面1100には、対応者D、対応者C、及び対応者Bの順に対応者表示欄1101が表示される。対応者Dの対応者表示欄1101には、連絡手段が電話、メール、及びチャットの順に表示される。対応者Cの対応者表示欄1101には、連絡手段がチャット及びメールが同列に表示される。対応者Bの対応者表示欄1101には、連絡手段がメール及びチャットの順に表示される。
【0138】
(具体例2)時刻T2において実行される対応者提示処理について説明する。
【0139】
対応者B、C、Dに対して、指標算出処理を実行した結果、図13Bに示すような解析情報700が生成されたものとする。ここで、対応者Cは時刻T2において個別スケジュールがないものとする。また、対応者Dは時刻T2において個別スケジュールがあるものとする。
【0140】
対応者Bは、時刻T2では勤務外であるため、推定最小待ち時間は0より大きい値となる。対応者C、Dは、時刻T2では勤務中であるため、推定最小待ち時間は0となっている。
【0141】
対応者Bについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Bは勤務外であるため、チャット及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。チャットの推定応答時間はメールの推定応答時間より小さい。したがって、優先順位は(Y_1)チャット、(Y_2)メールとなる。
【0142】
対応者Cについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Cは勤務中、かつ、個別スケジュールがないため、電話、チャット、及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。電話の不応答率は低いため、電話の優先順位が最も高く設定される。また、チャット及びメールの推定応答時間は同一である。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)電話、(Y_2)チャット/メールとなる。
【0143】
対応者Dについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Dは勤務中であるが、個別スケジュールがあるため、チャット及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。メールの推定応答時間はチャットの推定応答時間より小さい。したがって、連絡手段の優先順位は、(Y_1)メール、(Y_2)チャットとなる。
【0144】
ステップS501では、(X_1)対応者C/対応者D、(X_3)対応者Bの順にソートされる。ステップS502では、対応者C及び対応者Dの問合せ件数は同一であるためソートは行われない。ステップS503では、対応者Cの最も優先順位が高い連絡手段は電話であり、対応者Dの最も優先順位が高い連絡手段はメールであるため、(X_1)対応者C、(X_2)対応者D、(X_3)対応者Bの順にソートされる。
【0145】
したがって、画面1100には、対応者C、対応者D、及び対応者Bの順に対応者表示欄1101が表示される。対応者Cの対応者表示欄1101には、連絡手段が電話、メール及びチャットの順に表示される。なお、メール及びチャットは同列に表示される。対応者Dの対応者表示欄1101には、連絡手段がメール、チャットの順に表示される。対応者Bの対応者表示欄1101には、連絡手段がチャット、メールの順に表示される。
【0146】
(具体例3)時刻T3において実行される対応者提示処理について説明する。
【0147】
対応者B、C、Dに対して、指標算出処理を実行した結果、図13Cに示すような解析情報700が生成されたものとする。ここで、対応者Cは時刻T3において個別スケジュールがないものとする。また、対応者Dは時刻T3において個別スケジュールがあるものとする。
【0148】
対応者Bは、時刻T3では勤務外であるため、推定最小待ち時間は0より大きい値となる。対応者C、Dは、時刻T3では勤務中であるため、推定最小待ち時間は0となっている。
【0149】
対応者Bについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Bは勤務外であるため、チャット及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。チャットの推定応答時間はメールの推定応答時間より小さい。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)チャット、(Y_2)メールとなる。
【0150】
対応者Cについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Cは勤務中、かつ、個別スケジュールがないため、電話、チャット、及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。電話の不応答率は低いため、電話の優先順位が最も高く設定される。また、チャット及びメールの推定応答時間は同一である。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)電話、(Y_2)チャット/メールとなる。
【0151】
対応者Dについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Dは勤務中であるが、個別スケジュールがあるため、チャット及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。メールの推定応答時間はチャットの推定応答時間より小さい。したがって、優先順位は、(Y_1)メール、(Y_2)チャットとなる。
【0152】
ステップS501では、(X_1)対応者C/対応者D、(X_3)対応者Bの順にソートされる。ステップS502では、(X_1)対応者D、(X_2)対応者C、(X_3)対応者Bの順にソートされる。ステップS503の処理は実行されない。
【0153】
したがって、画面1100には、対応者D、対応者C、及び対応者Bの順に対応者表示欄1101が表示される。対応者Dの対応者表示欄1101には、連絡手段がメール、チャットの順に表示される。対応者Cの対応者表示欄1101には、連絡手段が電話、メール及びチャットの順に表示される。なお、メール及びチャットは同列に表示される。対応者Bの対応者表示欄1101には、連絡手段がチャット、メールの順に表示される。
【0154】
(具体例4)時刻T4において実行される対応者提示処理について説明する。
【0155】
対応者B、C、Dに対して、指標算出処理を実行した結果、図13Dに示すような解析情報700が生成されたものとする。ここで、対応者B及び対応者Cは時刻T4において個別スケジュールがないものとする。
【0156】
対応者Dは、時刻T4では勤務外であるため、推定最小待ち時間は0より大きい値となる。対応者B、Cは、時刻T4では勤務中であるため、推定最小待ち時間は0となっている。
【0157】
対応者Bについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Bは勤務中であり、かつ、個別スケジュールがないため、電話、チャット、及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。電話の不応答率は低いため、電話の優先順位が最も高く設定される。また、チャットの推定応答時間はメールの推定応答時間より小さい。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)電話、(Y_2)チャット、(Y_3)メールとなる。
【0158】
対応者Cについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Cは勤務中であり、かつ、個別スケジュールがないため、電話、チャット、及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。電話の不応答率は高いため、電話の優先順位が最も低く設定される。また、チャット及びメールの推定応答時間は同一である。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)チャット/メール、(Y_2)電話となる。
【0159】
対応者Dについての連絡手段優先順位決定処理では、対応者Dは勤務外であるため、チャット及びメールが使用可能な連絡手段として選択される。メールの推定応答時間はチャットの推定応答時間より小さい。したがって、連絡手段の優先順位は(Y_1)メール、(Y_2)チャットとなる。
【0160】
ステップS501では、(X_1)対応者B/対応者C、(X_3)対応者Dの順にソートされる。ステップS502では、対応者C及び対応者Dの問合せ件数は同一であるためソートは行われない。ステップS503では、対応者Bの最も優先順位が高い連絡手段は電話であり、対応者Cの最も優先順位が高い連絡手段はチャット/メールであるため、(X_1)対応者B、(X_2)対応者C、(X_3)対応者Dの順にソートされる。
【0161】
したがって、画面1100には、対応者B、対応者C、及び対応者Dの順に対応者表示欄1101が表示される。対応者Bの対応者表示欄1101には、連絡手段が電話、チャット、メールの順に表示される。対応者Cの対応者表示欄1101には、連絡手段がメール及びチャット、電話の順に表示される。なお、メール及びチャットは同列に表示される。対応者Dの対応者表示欄1101には、連絡手段がメール、チャットの順に表示される。
【0162】
実施例1によれば、コミュニケーション制御システム100は、指定された特性を有する対応者を応答の待ち時間が短い順に順位付けして提示することができる。これによって、依頼者に、待ち時間が小さい対応者への問合せを促すことができる。依頼者は、コミュニケーション制御システム100の提示に基づいて、問合せ優先順位が高い対応者に、連絡手段の優先順位が高い連絡手段を用いて問合せを行うことができる。これによって、適切な対応者との間で、リアルタイム性の高いコミュニケーションが可能となる。
【実施例0163】
実施例2では、問合せ優先順位決定処理が異なる。以下、実施例1との差異を中心に実施例2について説明する。
【0164】
実施例2のシステム構成は実施例1と同一である。実施例2のコミュニケーション制御システム100のハードウェア構成及びソフトウェア構成は実施例1と同一である。
【0165】
実施例2のプロファイル生成処理は実施例1と同一である。実施例1の対応者提示処理は、フローの流れは実施例1と同一である。ただし、実施例2の解析情報700の構造が実施例1と異なり、実施例2の指標算出処理及び問合せ優先順位決定処理の処理内容が実施例1と異なる。
【0166】
図14は、実施例2のコミュニケーション制御システム100が生成する解析情報の一例を示す図である。
【0167】
実施例2の解析情報700は問合せ件数703を含まない。また、実施例2の解析情報700の推定最小待ち時間702には、対応者の勤務状態及び問合せ件数に基づいて算出される推定最小待ち時間が格納される。
【0168】
具体的には、式(1)に基づいて推定最小待ち時間が算出される。
【0169】
【数1】
【0170】
勤務状態ペナルティは、対応者の勤務状態に応じた待ち時間を表す項であり、例えば、式(2)のように定義される。ただし、業務開始時刻は現在時刻以降の時刻であるものとする。
【0171】
【数2】
【0172】
推定応答完了時間は、履歴の応答開始時刻406及び応答終了時刻407を用いて算出される応答完了時間を統計処理によって算出される値である。例えば、応答完了時間の平均値が推定応答完了時間となる。
【0173】
実施例2の推定最小待ち時間は、勤務状態及び現在の問合せ件数を考慮した時間であり、実際の待ち時間との誤差が小さいことが期待される。
【0174】
図15は、実施例2のコミュニケーション制御システム100が実行する指標算出処理の一例を説明するフローチャートである。
【0175】
検索部112は、ターゲット対応者の問合せ件数を算出する(ステップS351)。ステップS351の処理はステップS302の処理と同一である。
【0176】
次に、検索部112は、ターゲット対応者の履歴に基づいて、推定応答完了時間を算出する(ステップS352)。
【0177】
次に、検索部112は、式(1)に基づいて、推定最小待ち時間を算出する(ステップS353)。検索部112は、解析情報700のターゲット対応者に対応するエントリの推定最小待ち時間702に算出結果を設定する。
【0178】
次に、検索部112は、ターゲット対応者の履歴に基づいて、各連絡手段の応答評価値を算出し(ステップS354)、その後、指標算出処理を終了する。ステップS354の処理はステップS303の処理と同一である。
【0179】
図16は、実施例2のコミュニケーション制御システム100が実行する問合せ優先順位決定処理の一例を説明するフローチャートである。
【0180】
検索部112は、解析情報700を参照し、推定最小待ち時間に基づいて、ステップS201において検索された対応者の中間データをソートする(ステップS551)。ステップS551の処理はステップS501の処理と同一である。
【0181】
次に、検索部112は、解析情報700を参照し、連絡手段の応答評価値に基づいて、推定最小待ち時間が同一の対応者をソートする(ステップS552)。ステップS552の処理はステップS503の処理と同一である。
【0182】
次に、検索部112は、ソート結果に基づいて、対応者の問合せ優先順位を決定し(ステップS553)、その後、問合せ優先順位決定処理を終了する。ステップS553の処理はステップS504の処理と同一である。
【0183】
実施例2での推定最小待ち時間は、問合せ件数を加味した時間となっている。そのため、現在業務外の対応者が、問合せが集中している対応者より問合せ優先順位が高くなる場合がある。したがって、実際の問合せ対応に即した対応者の提示が可能となる。
【実施例0184】
実施例3は、システムの構成が異なる。以下、実施例1との差異を中心に実施例3について説明する。
【0185】
図17は、実施例3のシステムの構成の一例を示す図である。
【0186】
実施例3のシステムは、人材検索システム1700、コミュニケーション制御システム1701、及び複数の端末101、102、103から構成される。人材検索システム1700は、ネットワークを介して、コミュニケーション制御システム1701、端末101、102と接続する。また、コミュニケーション制御システム1701は、ネットワークを介して、端末102、103と接続する。
【0187】
人材検索システム1700は、対応者を検索し、提示するシステムであり、少なくとも一つの計算機200から構成される。人材検索システム1700は、登録部110、プロファイル生成部111、及び検索部112を有し、また、対応者管理DB120、スキル管理DB121、スケジュール管理DB122、プロファイル管理DB123、及び履歴管理DB124を保持する。
【0188】
実施例3の登録部110、プロファイル生成部111、及び検索部112が実行する処理は、実施例1と同一である。実施例3の対応者管理DB120、スキル管理DB121、スケジュール管理DB122、プロファイル管理DB123、及び履歴管理DB124のデータ構造は、実施例1と同一である。
【0189】
コミュニケーション制御システム1701は、依頼者及び対応者の間(端末102及び端末103の間)のコミュニケーションを制御する。コミュニケーション制御システム1701は、コミュニケーションに関する履歴を人材検索システム1700に送信する。
【0190】
実施例3では、対応者の検索を行うシステムと、コミュニケーションを制御するシステムとが別々に存在する。
【0191】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【0192】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、HDD及びSSD等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、及び光ディスク等の記録媒体に置いてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。例えば実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0193】
100 コミュニケーション制御システム
101、102、103 端末
110 登録部
111 プロファイル生成部
112 検索部
113 コミュニケーション制御部
120 対応者管理DB
121 スキル管理DB
122 スケジュール管理DB
123 プロファイル管理DB
124 履歴管理DB
200 計算機
201 プロセッサ
202 ネットワークインタフェース
203 主記憶装置
204 副記憶装置
205 バス
700 解析情報
1100 画面
1700 人材検索システム
1701 コミュニケーション制御システム
図1
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