(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147320
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】医用画像処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20220929BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G16H30/20
A61B5/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048509
(22)【出願日】2021-03-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトのアドレス:http://www.climb-ms.com/products/read/id/4 ウェブサイトの掲載日:令和2年5月11日
(71)【出願人】
【識別番号】520101340
【氏名又は名称】株式会社クライムメディカルシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【弁理士】
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 登
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB08
4C117XE44
4C117XE45
4C117XE46
4C117XQ02
4C117XQ18
4C117XR07
4C117XR08
4C117XR09
5L099AA26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】操作をより簡便化できる医用画像処理装置を提供する。
【解決手段】医用画像処理装置は、読影用モニターと制御部と操作入力部と補助操作入力部とを備える。制御部2は、医用画像を記読影用モニターに表示するビューワプログラムと、患者情報を読影用モニターにリスト表示するマネージャプログラムと、医用画像に基づいて読影の所見を入力するための所見入力プログラムとを備える。操作入力部は、ビューワプログラム、マネージャプログラムおよび所見入力プログラムの操作を実行する手段であり、ビューワプログラム、マネージャプログラムおよび所見入力プログラムによる作動内容に関し、予め選択され設定される作動内容に対する指令情報が蓄積されている。ビューワプログラム、マネージャプログラムおよび所見入力プログラムは、補助操作入力部からの指令操作によって、予め設定される作動内容を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像診断装置によって撮影された被検体の医用画像を処理する医用画像処理装置であって、
読影用モニターと、制御部と、操作入力部、補助操作入力部とを備えており、
前記制御部は、
前記医用画像の画像情報を蓄積する画像記憶部と、
前記医用画像に関連付けられる患者情報を蓄積する患者情報記憶部と、
前記画像記憶部に蓄積される前記医用画像を前記読影用モニターに表示するビューワプログラムと、
前記患者情報記憶部に記憶されている前記患者情報を前記読影用モニターにリスト表示するマネージャプログラムと、
前記読影用モニターに表示された前記医用画像に基づいて読影の所見を入力するための所見入力プログラムと、
前記所見入力プログラムを介して入力された所見情報が格納される所見情報記憶部とを備え、
前記操作入力部は、前記ビューワプログラム、前記マネージャプログラム、および、前記所見入力プログラムの操作を実行する手段であり、
前記補助操作入力部には、前記ビューワプログラム、前記マネージャプログラム、および、前記所見入力プログラムによる作動内容に関し、予め選択され設定される作動内容に対する指令情報が蓄積されており、該補助操作入力部からの指令操作によって、前記ビューワプログラム、前記マネージャプログラム、および、前記所見入力プログラムは、前記予め設定される作動内容を実行するように構成される医用画像処理装置。
【請求項2】
前記補助操作入力部は、複数のスイッチを備えており、スイッチごとに、前記予め選択され設定される作動内容に対する指令情報が振り分けられており、前記スイッチに対する操作によって前記予め設定される作動内容を実行することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記補助操作入力部は、前記各スイッチに対する操作によって実行させる作動内容を変更可能な実行内容変更手段を備えている請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記補助操作入力部は、前記各スイッチに対する操作によって実行させる作動内容を切替可能な実行内容切替手段を備えている請求項2又は3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記各スイッチは、押下可能な押ボタンスイッチにより構成されている請求項2から4のいずれかに記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記押ボタンスイッチは、押下可能な透明なボタン本体と、前記ボタン本体を介して視認可能な液晶表示部を備えており、
前記液晶表示部には、前記予め選択され設定される作動内容に関する文字情報、または、図形情報が表示される請求項5に記載の医用画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各医療機関において、乳房撮影装置(マンモグラフィ)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomografhy)等の画像撮影装置を用いて患者の撮影を行い、撮影により得られた医用画像については、読影医と呼ばれる専門医による画像診断(読影)が行われ、その結果は所見レポート(読影レポート)としてまとめられる。医用画像の画像診断に際しては、医用画像に係る患者情報を表示手段にリスト表示するマネージャプログラム、医用画像を表示手段に表示するためのビューワプログラム、表示手段に表示された医用画像に基づいて読影の所見を入力し、所見レポートを作成するための所見入力プログラム等のソフトウェアを備える医用画像処理装置を用いて行われる。
【0003】
ここで、読影医が医用画像の画像診断を行う場合、医用画像処理装置を操作して上記各種ソフトウェアを起動させて、表示手段の画面上に表示される医用画像に係る患者情報のリストから診断を行う所定の患者情報を選択し、その患者に係る医用画像をビューワプログラムを介して表示手段の画面上に表示し、該医用画像の読影を行い、必要に応じて医用画像上で確認された病変部分に対して病変マークを書き入れる作業が行われる。病変マークとしては、例えば病変部分を囲む円形状等の実線表記や、病変部分の輪郭を縁取った実線表記等種々のものが採用されうる。また、読影医は、表示手段の画面上に表示される所見入力プログラム画面を操作して、病変部分の有無や、病変部分の大きさ、病変の進行程度、再検査が必要であるか否か、治療方針等の所見情報を入力して所見レポートが作成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の医用画像処理装置を用いて医用画像の読影を行う場合、医用画像処理装置が備えるキーボードやマウスを読影医が操作して、マネージャプログラム、ビューワプログラム、所見入力プログラム等のソフトウェアの操作が行われている。具体的に説明すると、まず、医用画像処理装置が有する表示手段の画面上に表示される各ソフトウェアのアイコンにマウスのカーソルマークを重ねてダブルクリックする等して各ソフトウェアを起動させ、マネージャプログラム操作画面、ビューワプログラム操作画面、所見入力プログラム操作画面等を表示手段の画面上に表示させる。
【0005】
ここで、表示手段の画面上に表示されるマネージャプログラム、ビューワプログラム、所見入力プログラムの各操作画面の上部には、
図7に示すように、メニューバーが配置されており、当該メニューバーに配置される各操作ボタンにマウスのカーソルマークをあわせてクリックする等により、各操作ボタンに割り当てられている機能を実行できるように構成されている。各操作ボタンに割り当てられている機能としては、例えば、ファイルの読み出し機能、ファイルの保存機能、画面情報の印刷機能、ヘルプ機能等種々の機能を例示することができる。また、ビューワプログラムの操作画面においては、上述の病変マークの描画機能に係る操作ボタン、描画機能によって表示される図形を変更するための操作ボタン、該図形の線種を変更するための操作ボタン、表示手段の画面に表示される医療画像の拡大縮小に関する操作ボタン、医用画像の白黒反転機能に関する操作ボタン、医用画像を回転させるための操作ボタン等の種々の操作ボタンがメニューバーに配列されている。また、所見入力プログラムにおいては、当該所見入力プログラムによって作成された所見レポートを一覧表示させるための操作ボタンや、新規所見情報作成用のテキスト画面を表示するための操作ボタン等の種々の操作ボタンがメニューバーに配列されている。
【0006】
上記構成のマネージャプログラム、ビューワプログラム、所見入力プログラム等のソフトウェアを操作する読影医は、上述のように、各ソフトウェアの操作画面におけるメニューバーに配置される各操作ボタンにマウスのカーソルマークを重複させてクリックすることにより所望の操作を行うことになるが、該操作においては、表示手段の画面上のマウスのカーソルマークの位置を探し出した後、マウスを操作してカーソルマークを所望の操作ボタンの位置まで移動させるという一連の動作を要することになり、常に、所望の操作ボタンにマウスのカーソルマークを重ね合わせてクリックするという作業を行わなければならないことが不便であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の問題を解消するためになされたものであり、操作をより簡便化できる医用画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記目的は、医用画像診断装置によって撮影された被検体の医用画像を処理する医用画像処理装置であって、読影用モニターと、制御部と、操作入力部、補助操作入力部とを備えており、前記制御部は、前記医用画像の画像情報を蓄積する画像記憶部と、前記医用画像に関連付けられる患者情報を蓄積する患者情報記憶部と、前記画像記憶部に蓄積される前記医用画像を前記読影用モニターに表示するビューワプログラムと、前記患者情報記憶部に記憶されている前記患者情報を前記読影用モニターにリスト表示するマネージャプログラムと、前記読影用モニターに表示された前記医用画像に基づいて読影の所見を入力するための所見入力プログラムと、前記所見入力プログラムを介して入力された所見情報が格納される所見情報記憶部とを備え、前記操作入力部は、前記ビューワプログラム、前記マネージャプログラム、および、前記所見入力プログラムの操作を実行する手段であり、前記補助操作入力部には、前記ビューワプログラム、前記マネージャプログラム、および、前記所見入力プログラムによる作動内容に関し、予め選択され設定される作動内容に対する指令情報が蓄積されており、該補助操作入力部からの指令操作によって、前記ビューワプログラム、前記マネージャプログラム、および、前記所見入力プログラムは、前記予め設定される作動内容を実行するように構成される医用画像処理装置により達成される。
【0009】
また、上記医用画像処理装置に関し、前記補助操作入力部は、複数のスイッチを備えており、スイッチごとに、前記予め選択され設定される作動内容に対する指令情報が振り分けられており、前記スイッチに対する操作によって前記予め設定される作動内容を実行することが好ましい。
【0010】
また、前記補助操作入力部は、前記各スイッチに対する操作によって実行させる作動内容を変更可能な実行内容変更手段を備えるように構成してもよい。
【0011】
また、前記補助操作入力部は、前記各スイッチに対する操作によって実行させる作動内容を切替可能な実行内容切替手段を備えるように構成してもよい。
【0012】
また、前記各スイッチは、押下可能な押ボタンスイッチにより構成してもよい。
【0013】
また、前記押ボタンスイッチは、押下可能な透明なボタン本体と、前記ボタン本体を介して視認可能な液晶表示部を備えており、前記液晶表示部には、前記予め選択され設定される作動内容に関する文字情報、または、図形情報が表示されるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作をより簡便化できる医用画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る医用画像処理装置の概略構成模式図である。
【
図2】本発明に係る医用画像処理装置が備える制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】本発明に係る医用画像処理装置が備える補助操作入力部の要部拡大図である。
【
図4】本発明に係る医用画像処理装置が備える補助操作入力部の要部拡大図である。
【
図5】本発明に係る医用画像処理装置が備える補助操作入力部の要部拡大図である。
【
図6】本発明に係る医用画像処理装置が備える補助操作入力部の要部拡大図である。
【
図7】医用画像処理装置が有するモニターに表示されるソフトウエア操作画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る医用画像処理装置について添付図面を参照して説明する。本発明に係る医用画像処理装置1は、医療機関において撮影された患者の医用画像の画像情報に対して読影の所見レポートを作成するための装置であり、
図1の概略構成模式図に示すように、制御部2と、読影用モニター3と、操作入力部4、補助操作入力部5とを備えるコンピュータとして構成される。この医用画像処理装置1には、医療機関等が保有する画像撮影装置が取得した医用画像の画像情報及び医用画像に関連付けられる患者情報が蓄積される。
【0017】
患者を撮影した医用画像の画像情報としては、特に限定されず、例えば、乳房撮影装置(マンモグラフィ)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomografhy)、X線撮影装置、超音波診断装置、内視鏡装置等によって患者を撮影してデジタル化された画像情報を挙げることができる。また、患者情報とは、患者を特定可能な情報であり、例えば患者氏名、患者ID、年齢、性別、患者の病歴に関する情報等、患者に関する各種情報が含まれる。なお、患者情報には、患者に実施される検査、撮影の内容(例えば検査種別、検査日付、撮影日付、撮影部位等)に関する検査情報を含めてもよい。
【0018】
制御部2は、
図2のブロック図に示すように、医用画像の画像情報が記憶される画像記憶部21、医用画像に関連付けられる患者情報が記憶される患者情報記憶部22、患者情報記憶部22に記憶される医用画像に係る患者情報に基づいて読影用モニター3に医用画像に係る患者情報をリスト表示するマネージャプログラム23、画像記憶部21に記憶されている医用画像を読影用モニター3に表示するためのビューワプログラム24、読影用モニター3に表示された医用画像に基づいて読影の所見を入力し、所見レポートを作成するための所見入力プログラム25、医用画像に係る画像情報に関連付けられた患者の患者情報を編集するための編集プログラム26等を備えて構成されている。
【0019】
なお、画像記憶部21は、医療機関等において撮影された患者の医用画像の画像情報を複数蓄積する記憶手段である。また、画像記憶部21には、患者に関する過去に撮影された医用画像の画像情報も蓄積するように構成してもよい。また、制御部2は、所見入力プログラム25を介して入力される所見情報が蓄積される所見情報記憶部27を備えている。
【0020】
読影用モニター3は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニター(表示手段)であり、マネージャプログラム23の作動によって生成される医用画像に係る患者情報のリストを含むマネージャプログラム操作画面や、ビューワプログラム24の作動によって生成される所定の患者の医用画像を含むビューワプログラム操作画面、所見入力プログラム25の作動によって生成される所見入力部を含む所見入力プログラム操作画面等が表示される。なお、読影用モニター3は、精密な読影診断を可能とするために、一般的なコンピュータが備えるモニターよりも高精細のものを用いることが好ましい。また、本実施形態においては、
図1に示すように、複数の読影用モニター3を備えるように構成し、それぞれの読影用モニター3に、例えば、マネージャプログラム操作画面、ビューワプログラム操作画面、所見入力プログラム操作画面を表示するように構成してもよい。
【0021】
操作入力部4は、上述のビューワプログラム24、マネージャプログラム23、および、所見入力プログラム25等のソフトウェアの操作を実行する手段であり、例えば、文字入力キー、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボード41と、マウス等のポインティングデバイス42を備えて構成されており、医用画像処理装置1の操作者による文字等の入力操作や、医用画像上への描画操作を可能とする機能を有している。
【0022】
ここで、医用画像処理装置1を用いて医用画像の読影を行う場合、医用画像処理装置1が備える操作入力部4(キーボード41およびマウス42)を読影医が操作して、マネージャプログラム23、ビューワプログラム24、所見入力プログラム25等のソフトウェアの操作が行われている。具体的には、まず、医用画像処理装置1が有する読影用モニター3の画面上に表示される各ソフトウェアのアイコンにマウス42のカーソルマークを重複させてダブルクリックする等して各ソフトウェアを起動させ、マネージャプログラム操作画面、ビューワプログラム操作画面、所見入力プログラム操作画面等を読影用モニター3の画面上に表示させる。読影医は、読影用モニター3に表示されたビューワプログラム操作画面上の医用画像に基づいて読影を行い、読影の所見を表す情報を、操作入力部4(キーボード41およびマウス42)を介して所見入力プログラム操作画面上に入力することができる。読影医によって入力された読影の所見情報は、所見情報記憶部27に格納される。なお、読影の結果である所見情報は、読影対象の医用画像の画像情報と関連付けられて所見情報記憶部27に格納される。
【0023】
読影用モニター3の画面上に表示されるマネージャプログラム23、ビューワプログラム24、所見入力プログラム25の各操作画面の上部には、
図7に示すように、メニューバー101が配置されており、当該メニューバー101に配置される各操作ボタン102にマウス42のカーソルマークを重複させてクリックする等により、各操作ボタン102に割り当てられている機能を実行できるように構成されている。各操作ボタン102に割り当てられている機能としては、例えば、ファイルの読み出し機能、ファイルの保存機能、画面情報の印刷機能、ヘルプ機能等種々の機能を例示することができる。また、ビューワプログラム24の操作画面においては、医用画像において確認された病変部分を示す病変マークの描画機能に係る操作ボタン(例えば、“点表示の追加操作ボタン”、“フリーハンドでの描画操作ボタン”、“矩形表示の追加操作ボタン”、“多角形表示の追加操作ボタン”、“円表示の追加操作ボタン”)、描画機能によって表示される図形を変更するための操作ボタン、該図形の線種を変更するための操作ボタン、表示手段の画面に表示される医療画像の拡大縮小に関する操作ボタン、医用画像の白黒反転機能に関する操作ボタン、医用画像を回転させるための操作ボタン(例えば“医用画像の左90度回転操作ボタン”、“医用画像の右90度回転操作ボタン”)、医用画像のスライス位置変更機能に関する操作ボタン、ウィンドウ分割変更機能に関する操作ボタン、レイアウト切り替えに関する操作ボタン、階調変更に関する操作ボタン、医用画像の削除操作ボタン、複数の医療画像のグループ化操作ボタン等の種々の操作ボタン102がメニューバー101に配列されている。また、所見入力プログラム25においては、当該所見入力プログラム25によって作成された所見レポートを一覧表示させるための操作ボタンや、新規所見情報作成用のテキスト画面を表示するための操作ボタン(所見追加操作ボタン)、所見が入力されたテキストデータを保存するための操作ボタン、所見入力対象患者前方変更操作ボタン、所見入力対象患者後方変更操作ボタン、異常なし判定操作ボタン、所見編集操作ボタン、所見削除操作ボタン、所見確定操作ボタン、所見確定解除操作ボタン、所見プレビュー操作ボタン等の種々の操作ボタン102がメニューバー101に配列されている。
【0024】
マネージャプログラム23、ビューワプログラム24、所見入力プログラム25等のソフトウェアを操作する読影医は、各ソフトウェアの操作画面におけるメニューバー101に配置される各操作ボタン102にマウス42のカーソルマークを重複させてクリックすることにより所望の操作を行うことができる。
【0025】
また、本発明に係る医用画像処理装置1は、
図1に示すように、補助操作入力部5を備えて構成されている。この補助操作入力部5は、ビューワプログラム24、マネージャプログラム23、および、所見入力プログラム25による作動内容に関し、予め選択され設定される作動内容に対する指令情報が蓄積されており、該補助操作入力部5からの指令操作によって、ビューワプログラム24、マネージャプログラム23、および、所見入力プログラム25は、予め設定される作動内容を実行するように構成される。より詳細に説明すると、この補助操作入力部5は、
図1や
図3の要部拡大図に示すように、操作盤上に複数のスイッチ51を備えており、スイッチ51ごとに、予め選択され設定される作動内容に対する指令情報が振り分けられており、該スイッチ51に対する操作によって予め設定される作動内容を実行することができるように構成されている。
図3においては、各スイッチ51に対して、医用画像に対して行われる“データ保存指令(スイッチ51a)”、“作業終了指令(スイッチ51b)”、“病変マークの描画機能に関する種々の指令(スイッチ51c~51h)”、“テキスト入力指令(スイッチ51i)”等が振り分けられており、所望のスイッチ51を操作することにより、いわゆるショートカット操作を実行できるように構成されている。なお、
図3においては、“病変マークの描画機能に関する種々の指令”として、医用画像に対する“図形選択指令(スイッチ51c)”、“点表示の追加指令(スイッチ51d)”、“円表示の追加指令(スイッチ51e)”、 “矩形表示の追加指令(スイッチ51f)”、“フリーハンドでの描画指令(スイッチ51g)”、“多角形表示の追加指令(スイッチ51h)”、等が各スイッチ51に設定されている。また、
図1や
図3に示す補助操作入力部5においては、各スイッチ51が、押下可能な押ボタンスイッチ51により構成されている。各スイッチ51を押ボタンスイッチ51として構成する場合、押下可能な透明なボタン本体と、ボタン本体を介して視認可能な液晶表示部を備えるようにスイッチ51(押ボタンスイッチ51)を構成してもよい。液晶表示部には、予め選択され設定される作動内容に関する文字情報、または、図形情報が表示されるように構成することが好ましい。
【0026】
また、補助操作入力部5は、各スイッチ51に対する操作によって実行させる作動内容を切替可能な実行内容切替手段を備えて構成することが好ましい。本発明に係る補助操作入力部5においては、
図4の要部拡大図に示すように、該補助操作入力部5が有する複数のスイッチ51の内、一のスイッチ51zに実行内容切替手段の機能を持たせて構成している。このスイッチ51zを操作することにより、例えば、
図5の要部拡大図に示すように、各スイッチ51が実行するショートカット内容が変更され、異なる作動内容を各スイッチ51が実行可能となるように構成される。この
図5においては、“医用画像の左90度回転指令(スイッチ51a)”、“医用画像の右90度回転指令(スイッチ51b)”、“医用画像の削除指令(スイッチ51c)”等を各スイッチ51の操作により実行できるように設定されている。
【0027】
なお、上記
図3~
図5においては、主に、ビューワプログラム操作画面上に表示される医用画像に対して行われる操作に関する各種指令に係るショートカット操作が可能な構成について説明しているが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、
図6に示すように、所見入力プログラム操作に関するショートカット操作を実行できるように、スイッチ51ごとに、予め選択され設定される作動内容に対する指令情報を振り分けるように構成してもよい。
図6においては、各スイッチ51に対して、“所見入力対象患者前方変更指令(スイッチ51a)”、“所見入力対象患者後方変更指令(スイッチ51b)”、“異常なし判定指令(スイッチ51c)”、“所見追加指令(スイッチ51d)”、“所見編集指令(スイッチ51e)”、“所見削除指令(スイッチ51f)”、“所見プレビュー指令(スイッチ51g)”、 所見確定解除指令(スイッチ51h)”、“所見確定指令(スイッチ51i)”といった指令情報が各スイッチ51に振り分けられている。また、特に図示等はしないが、マネージャプログラム操作画面上に表示される医用画像に係る患者情報のリスト表示に対して行われる操作(患者情報の選択操作や削除操作等)に関してショートカット操作を実行できるように、さらに、患者の患者情報を編集するための編集プログラムに係る操作画面に対して行われる操作に関してショートカット操作を実行できるように、スイッチ51ごとに、予め選択され設定される作動内容に対する指令情報を振り分けるように構成してもよい。
【0028】
また、補助操作入力部5は、各スイッチ51に対する操作によって実行させる作動内容を変更可能な実行内容変更手段を備えるように構成することが好ましい。このような構成を備えることにより、医用画像処理装置1を操作者(読影医)の好みに合わせたショートカット機能を補助操作入力部5が有する所定のスイッチ51に付与することができ、より操作者の利便性を高めることが可能となる。実行内容変更手段による作動内容の変更方法としては、特に限定されないが、例えば、補助操作入力部5が備える複数のスイッチ51の内、所望の位置にあるスイッチ51に対して、10秒以上の長押しを行うことにより、このスイッチ51を実行内容変更受付モードに切り替え、キーボード41やマウス42を操作して、ビューワプログラム24やマネージャプログラム23、所見入力プログラム25によって実行される所望の機能に関するショートカット内容を当該スイッチ51に付与することができる。
【0029】
上述のように、補助操作入力部5を備えるように構成することにより、マネージャプログラム23、ビューワプログラム24、所見入力プログラム25等のソフトウェアを操作する読影医は、各ソフトウェアの操作画面におけるメニューバー101に配置される各操作ボタン102にマウス42のカーソルマークを重複させてクリックすることにより所望の操作を行うことに加えて、補助操作入力部5によるショートカット操作によってマネージャプログラム23、ビューワプログラム24、所見入力プログラム25等のソフトウェアを操作することが可能となり、操作に関する利便性を向上させることが可能となる。特に、補助操作入力部5の各スイッチ51に、上記各ソフトウェアに関して頻繁に使用する作動内容に係る指令情報を振り分けることにより、より一層操作に関する利便性を向上させることが可能となる。
【0030】
また、各スイッチ51を押ボタンスイッチ51により構成することにより、所望のショートカットキーとして作用する押ボタンスイッチ51を押下するという簡単な操作により、所望の操作を実行できるため、従来のように、読影用モニター3の画面上におけるマウス42のカーソルマークの位置を探し出した後、マウス42を操作してカーソルマークを所望の操作ボタン102の位置まで移動させるという一連の動作と比べてよりスムーズに所望の操作を実行でき、操作者の利便性が大きいものとなる。
【0031】
また、各スイッチ51を押ボタンスイッチ51として構成する場合において、押下可能な透明なボタン本体と、ボタン本体を介して視認可能な液晶表示部を備えるように構成し、液晶表示部には、
図3~
図6に示すように、予め選択され設定される作動内容に関する文字情報、または、図形情報が表示されるように構成することにより、操作者が実行を所望するスイッチ51の位置を容易に把握することが可能となり、誤って異なるスイッチ51を操作することを効果的に抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
1 医用画像処理装置
2 制御部
21 画像記憶部
22 患者情報記憶部
23 マネージャプログラム
24 ビューワプログラム
25 所見入力プログラム
26 編集プログラム
27 所見情報記憶部
3 読影用モニター
4 操作入力部
41 キーボード
42 マウス(ポインティングデバイス)
5 補助操作入力部
51 スイッチ