(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147352
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】飛沫防止マウスシールド
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A41D13/11 L
A41D13/11 Z
A41D13/11 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048558
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】510183730
【氏名又は名称】有限会社ファイバー浜松
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】安立 敦彦
(57)【要約】
【課題】使用者の顔が蒸れて暑くなることを抑制できる、飛沫防止マウスシールドを提供する。
【解決手段】飛沫防止マウスシールド10は、使用者の鼻および口を覆う透明で板状のシールド部12と、シールド部12を湾曲させた状態で支持するシールド支持部14と、使用者の顔に装着される装着部16と、シールド支持部14と装着部16とを連結する連結部18とを備えている。装着部16の左右方向中央部には、使用者の鼻に掛けられる鼻掛け部24が設けられている。連結部18は、前後方向へ延びるアーム部30,34を有している。アーム部30,34の前端部は、シールド支持部14の左右方向中央部に接続されており、アーム部30,34の後端部は、装着部16の左右方向中央部すなわち鼻掛け部24の近傍に位置する部分に上下方向へ回動可能に取り付けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の鼻および口を覆う透明で板状のシールド部と、
前記シールド部を正面視で前方へ向けて膨らむように湾曲させた状態で支持するシールド支持部と、
使用者の顔に装着される装着部と、
前記シールド支持部と前記装着部とを互いに離間させた状態で連結する連結部とを備え、
前記装着部の左右方向中央部には、使用者の鼻に掛けられる鼻掛け部が設けられており、
前記シールド支持部の左右方向中央部と前記装着部の左右方向中央部とが前記連結部を介して連結されている、飛沫防止マウスシールド。
【請求項2】
前記シールド支持部は、前記シールド部の上端部に設けられており、
前記連結部は、前後方向へ延びるアーム部を有しており、
前記アーム部の前端部は、前記シールド支持部に対して接続されており、
前記アーム部の後端部は、前記装着部に対して上下方向へ回動可能に取り付けられている、請求項1に記載の飛沫防止マウスシールド。
【請求項3】
前記アーム部の後端部には、回動軸の径方向へ突出する突出部が設けられており、
前記装着部には、前記アーム部が回動されるときに前記突出部が押し当てられて弾性変形されるストッパー部が設けられており、
前記アーム部が上方へ回動された状態において、前記突出部が復元された前記ストッパー部に当たることによって、前記アーム部の下方への回動が阻止される、請求項2に記載の飛沫防止マウスシールド。
【請求項4】
前記シールド支持部には、複数の突起が設けられており、
前記シールド部には、複数の前記突起のそれぞれに着脱可能に篏合される複数の貫通孔が設けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の飛沫防止マウスシールド。
【請求項5】
前記装着部の左側の後端部には、使用者の左耳に掛けられる左側耳掛け部が設けられており、
前記装着部の右側の後端部には、使用者の右耳に掛けられる右側耳掛け部が設けられている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の飛沫防止マウスシールド。
【請求項6】
前記装着部の左側の後端部には、眼鏡の左側テンプルに掛けられる左側テンプル掛け部が設けられており、
前記装着部の右側の後端部には、眼鏡の右側テンプルに掛けられる右側テンプル掛け部が設けられている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の飛沫防止マウスシールド。
【請求項7】
前記装着部の左側の後端部には、使用者の左耳に掛けられる左側耳掛け部および眼鏡の左側テンプルに掛けられる左側テンプル掛け部の一方が選択的かつ着脱可能に設けられており、
前記装着部の右側の後端部には、使用者の右耳に掛けられる右側耳掛け部および眼鏡の右側テンプルに掛けられる右側テンプル掛け部の一方が選択的かつ着脱可能に設けられている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の飛沫防止マウスシールド。
【請求項8】
前記装着部の左側の後端部と左右方向中央部との間には、棒状の左側シールドテンプルが下方へ向けて膨らむように湾曲してU字状に設けられており、
前記装着部の右側の後端部と左右方向中央部との間には、棒状の右側シールドテンプルが下方へ向けて膨らむように湾曲してU字状に設けられている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の飛沫防止マウスシールド。
【請求項9】
前記左側シールドテンプルの下部と前記右側シールドテンプルの下部との間隔は、使用者の左右の頬の間隔よりも狭く定められている、請求項8に記載の飛沫防止マウスシールド。
【請求項10】
前記シールド支持部、前記装着部および前記連結部は、透明または半透明の材料で形成されている、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の飛沫防止マウスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の鼻および口を覆うことによって飛沫の拡散を防止する飛沫防止マウスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の飛沫防止マウスシールドの一例が開示されている。この飛沫防止マウスシールドは、合成樹脂で形成された透明で平板状の本体板を備えている。本体板の上部には、上方へ向けて突出する2つの突出部が、使用者から見て左右方向に間隔を隔てて形成されており、各突出部には、貫通孔が設けられている。飛沫防止マウスシールドを使用する際には、左側の突出部の貫通孔に眼鏡の左側のつる部が挿通されるとともに、右側の突出部の貫通孔に眼鏡の右側のつる部が挿通され、眼鏡および飛沫防止マウスシールドの全体が使用者の顔に装着される。すると、本体板が眼鏡のつる部によって顔の前方で吊り下げられ、使用者の鼻および口が覆われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、特許文献1の飛沫防止マウスシールドでは、本体板が眼鏡のつる部から吊り下げられるため、本体板と顔との隙間が狭くなり、顔が蒸れて暑くなるという問題があった。
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためになされたものであり、使用者の顔が蒸れて暑くなることを抑制できる、飛沫防止マウスシールドを提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る飛沫防止マウスシールドの特徴は、使用者の鼻および口を覆う透明で板状のシールド部と、前記シールド部を正面視で前方へ向けて膨らむように湾曲させた状態で支持するシールド支持部と、使用者の顔に装着される装着部と、前記シールド支持部と前記装着部とを互いに離間させた状態で連結する連結部とを備え、前記装着部の左右方向中央部には、使用者の鼻に掛けられる鼻掛け部が設けられており、前記シールド支持部の左右方向中央部と前記装着部の左右方向中央部とが前記連結部を介して連結されていることにある。
【0007】
この構成では、板状のシールド部がシールド支持部で支持されており、シールド支持部の左右方向中央部と装着部の左右方向中央部とが互いに離間した状態で連結されているので、シールド部を使用者の顔から十分に離して配置できる。また、装着部の左右方向中央部は、鼻掛け部において使用者の鼻で支持されるので、装着部の左右方向中央部に連結されたシールド支持部およびシールド部を使用者の鼻および口に対して正確に位置決めでき、シールド部を必要以上に大きく形成する必要がない。したがって、使用者の顔が蒸れて暑くなることを効果的に抑制できる。
【0008】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記シールド支持部は、前記シールド部の上端部に設けられており、前記連結部は、前後方向へ延びるアーム部を有しており、前記アーム部の前端部は、前記シールド支持部に対して接続されており、前記アーム部の後端部は、前記装着部に対して上下方向へ回動可能に取り付けられていることにある。
【0009】
この構成では、アーム部を回動させることによって、シールド部を使用者の鼻および口を覆う降下位置と、使用者の鼻および口から上方へ離間する上昇位置との間で移動させることができる。シールド部を上昇位置に移動させた状態では、使用者の口の前方に広大な空間を確保できるので、使用者は、飛沫防止マウスシールドを装着したままでも飲食等ができる。アーム部の前端部が接続されるシールド支持部は、シールド部の上端部に設けられているので、アーム部を回動させてシールド部を上昇位置に移動させた状態において、シールド部の上端部は使用者の顔に当たらない。
【0010】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記アーム部の後端部には、回動軸の径方向へ突出する突出部が設けられており、前記装着部には、前記アーム部が回動されるときに前記突出部が押し当てられて弾性変形されるストッパー部が設けられており、前記アーム部が上方へ回動された状態において、前記突出部が復元された前記ストッパー部に当たることによって、前記アーム部の下方への回動が阻止されることにある。
【0011】
この構成では、突出部がストッパー部に当たることによって、アーム部の下方への回動が阻止されるので、使用者が飲食等する際には、シールド部を上昇位置で保持できる。
【0012】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記シールド支持部には、複数の突起が設けられており、前記シールド部には、複数の前記突起のそれぞれに着脱可能に篏合される複数の貫通孔が設けられていることにある。
【0013】
この構成では、シールド支持部の複数の突起とシールド部の複数の貫通孔とが着脱可能に篏合されるので、シールド部を大きさが異なる他のシールド部に交換できるとともに、破損したシールド部を新たなシールド部に交換できる。
【0014】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記装着部の左側の後端部には、使用者の左耳に掛けられる左側耳掛け部が設けられており、
前記装着部の右側の後端部には、使用者の右耳に掛けられる右側耳掛け部が設けられていることにある。
【0015】
この構成では、左右両側の耳掛け部を使用者の左右両側の耳に掛けるとともに、鼻掛け部を使用者の鼻に掛けることによって、装着部を使用者の顔に簡単かつ安定的に装着できる。
【0016】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記装着部の左側の後端部には、眼鏡の左側テンプルに掛けられる左側テンプル掛け部が設けられており、前記装着部の右側の後端部には、眼鏡の右側テンプルに掛けられる右側テンプル掛け部が設けられていることにある。
【0017】
この構成では、左右両側のテンプル掛け部を使用者が装着する眼鏡の左右両側のテンプルに掛けるとともに、鼻掛け部を使用者の鼻に掛けることによって、装着部を使用者の顔に簡単かつ安定的に装着できる。
【0018】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記装着部の左側の後端部には、使用者の左耳に掛けられる左側耳掛け部および眼鏡の左側テンプルに掛けられる左側テンプル掛け部の一方が選択的かつ着脱可能に設けられており、前記装着部の右側の後端部には、使用者の右耳に掛けられる右側耳掛け部および眼鏡の右側テンプルに掛けられる右側テンプル掛け部の一方が選択的かつ着脱可能に設けられていることにある。
【0019】
この構成では、左側耳掛け部および右側耳掛け部を使用することによって、眼鏡を使用しない使用者の顔に装着部を簡単かつ安定的に装着でき、また、左側テンプル掛け部および右側テンプル掛け部を使用することによって、眼鏡を使用する使用者の顔に装着部を簡単かつ安定的に装着できる。
【0020】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記装着部の左側の後端部と左右方向中央部との間には、棒状の左側シールドテンプルが下方へ向けて膨らむように湾曲してU字状に設けられており、前記装着部の右側の後端部と左右方向中央部との間には、棒状の右側シールドテンプルが下方へ向けて膨らむように湾曲してU字状に設けられていることにある。
【0021】
この構成では、左右両側のシールドテンプルが下方へ向けて膨らむように湾曲してU字状に設けられているので、これらのシールドテンプルが眼鏡のテンプルと干渉することを防止でき、良好な装着感を得ることができる。また、シールドテンプルは、U字部分が弾性的に開くように構成することで使用者の頭部または顔面の大きさに合わせて変形させることで安定的に装着することができる。
【0022】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記左側シールドテンプルの下部と前記右側シールドテンプルの下部との間隔は、使用者の左右の頬の間隔よりも狭く定められていることにある。
【0023】
この構成では、左側シールドテンプルおよび右側シールドテンプルのそれぞれの下部を使用者の頬に接触させることができるので、装着部は上下方向へ移動し難い。したがって、連結部、シールド支持部およびシールド部の全体が上下方向へ回動可能に構成されている場合には、これらを使用者の手の力で回動させ易い。
【0024】
本発明に係る飛沫防止マウスシールドの他の特徴は、前記シールド支持部、前記装着部および前記連結部は、透明または半透明の材料で形成されていることにある。
【0025】
この構成では、シールド支持部、装着部および連結部が透明または半透明の材料で形成されているので、シールド部が透明であることと相まって、飛沫防止マウスシールドの全体が目立ち難い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1実施形態に係る飛沫防止マウスシールドの使用状態を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る飛沫防止マウスシールドの構成を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る飛沫防止マウスシールドの構成を示す左側面図である。
【
図4】シールド支持部に対するシールド部の取付構造を示す分解斜視図である。
【
図5】装着部に対する連結部の取付構造を示す分解斜視図である。
【
図6】左側アーム部の状態を示す図であり、(A)は、シールド部が降下位置にあるときの状態を示す図、(B)は、シールド部が降下位置と上昇位置との間を移動されるときの途中の状態を示す図、(C)は、シールド部が上昇位置にあるときの状態を示す図である。
【
図7】第2実施形態に係る飛沫防止マウスシールドの使用状態を示す斜視図である。
【
図8】左側テンプル掛け部の構成を示す図であり、(A)は、左側面をやや後方から見た図、(B)は、右側面をやや後方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る飛沫防止マウスシールドの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る飛沫防止マウスシールド10の使用状態を示す斜視図である。
図2は、飛沫防止マウスシールド10の構成を示す斜視図である。
図3は、飛沫防止マウスシールド10の構成を示す左側面図である。
図4は、シールド支持部14に対するシールド部12の取付構造を示す分解斜視図である。
図5は、装着部16に対する連結部18の取付構造を示す分解斜視図である。なお、以下の説明で用いる「前・後・左・右・上・下」の各方向は、使用者Mから見た方向であり、
図1、
図2、
図3および
図4において矢印で示す各方向と一致する。
【0029】
図1に示す飛沫防止マウスシールド10は、ウイルスの飛沫感染対策として使用される衛生器具であり、使用者Mの鼻および口を覆うシールド部12と、シールド部12を支持するシールド支持部14と、使用者Mの顔Fに装着される装着部16と、シールド支持部14と装着部16とを連結する連結部18とを備えている。
【0030】
本実施形態の飛沫防止マウスシールド10は、
図1中に実線で示す第1態様と、
図1中に一部を二点鎖線で示す第2態様とを選択的にとることができるように構成されている。第1態様は、通常使用時の態様であり、シールド部12が使用者Mの鼻および口を覆う位置に配置される。第2態様は、飲食時などのシールド部12を必要としないときの態様であり、シールド部12が使用者Mの鼻および口を覆う位置から上方へ離間した位置に配置される。第1態様におけるシールド部12(実線)の位置が「降下位置P1」であり、第2態様におけるシールド部12(二点鎖線)の位置が「上昇位置P2」である。
【0031】
図2に示すように、シールド部12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂で形成された透明で板状の部材であり、下側の2つの角部が丸められた略四角形に形成されている。シールド部12の大きさは、顔F(
図1)の前方に配置されたときに鼻および口を完全に覆うことができる大きさに定められている。
【0032】
より詳しく説明すると、シールド部12の上下方向長さは、顔F(
図1)の鼻根部から顎の下端までの長さよりもやや長めに定められており、シールド部12の上端部12aの左右方向長さは、顔F(
図1)における上端部12aに対応する部分の左右方向長さよりもやや長めに定められている。また、シールド部12の全体の左右方向長さ(幅)は、上端部12aから下端部12bに向かうにつれて徐々に短く(狭く)なるように定められている。
【0033】
図2に示すように、シールド部12の上端縁12cは、略水平方向へ延びて形成されており、シールド部12の下端縁12dは、下方へ向けて膨らむように湾曲して形成されている。シールド部12の下端縁12dと左右の側端縁12e,12fとの境界部は、四角形の角部が丸められた形状、すなわち滑らかに湾曲した形状に形成されている。なお、単独部品としてのシールド部12は、平板状に形成されており、シールド支持部14に取り付けられるときに、正面視で前方へ向けて膨らむように弾性的に曲げられる。
【0034】
図4に示すように、シールド部12の上端部12aには、後述する複数(本実施形態では5個)の突起20が着脱可能に篏合される複数(本実施形態では5個)の貫通孔22が左右方向に間隔を隔てて設けられている。なお、シールド部12の厚さは、特に限定されるものではないが、本実施形態では、0.25mmに定められている。
【0035】
図4に示すように、シールド支持部14は、ABS樹脂等で形成された透明または半透明で棒状の部材であり、正面視で前方へ向けて膨らむように湾曲して形成されている。シールド支持部14の上下方向の長さ(高さ)は、上下方向に対して直交する方向の長さ(厚さ)よりも長く定められており、シールド支持部14の内側面(すなわち後側面)14aには、シールド部12の複数(本実施形態では5個)の貫通孔22に着脱可能に篏合される複数(本実施形態では5個)の突起20が長さ方向(すなわち左右方向)に間隔を隔てて設けられている。そして、シールド部12の各貫通孔22にシールド支持部14の各突起20が篏合されることによって、シールド部12がシールド支持部14の内側面(すなわち後側面)14aに取り付けられている。
【0036】
図4に示すように、突起20は、頭部20aと軸部20bとを有するキノコ状に形成されている。頭部20aに外接する第1外接円の直径は、貫通孔22の内径よりもわずかに大きく定められており、軸部20bに外接する第2外接円の直径は、第1外接円の直径よりも小さく定められている。シールド部12をシールド支持部14の内側面(すなわち後側面)14aに取り付ける際には、シールド支持部14の各突起20がシールド部12の各貫通孔22に挿し込まれて篏合される。突起20の頭部20aが貫通孔22を通過するとき、貫通孔22が弾性的に拡径される。したがって、頭部20aが貫通孔22を通過した後は、復元された貫通孔22の内径が上記第1外接円の直径よりも小さくなり、突起20は貫通孔22から離脱し難い。
【0037】
図4に示すように、シールド支持部14の内側面(すなわち後側面)14aは、正面視で前方へ向けて膨らむように湾曲して形成されており、平板状のシールド部12は、この内側面(すなわち後側面)14aに沿うようにしてシールド支持部14に取り付けられている。したがって、シールド支持部14は、シールド部12を正面視で前方へ向けて膨らむように湾曲させた状態で支持していることになる。
【0038】
図2に示すように、装着部16は、使用者M(
図1)の鼻に掛けられる鼻掛け部24と、使用者Mの左耳に掛けられる左側耳掛け部26と、使用者Mの右耳に掛けられる右側耳掛け部28とを有している。また、
図4に示すように、装着部16は、連結部18の左側アーム部30が回動可能に取り付けられる左側取付け部32と、連結部18の右側アーム部34が回動可能に取り付けられる右側取付け部36とを有している。さらに、
図2に示すように、装着部16は、左側耳掛け部26から鼻掛け部24に向けて延びる左側シールドテンプル38と、右側耳掛け部28から鼻掛け部24に向けて延びる右側シールドテンプル40とを有している。
【0039】
装着部16を構成する上記の各部分のうち、鼻掛け部24、左側取付け部32、右側取付け部36、左側シールドテンプル38および右側シールドテンプル40は、ABS樹脂等を用いて透明または半透明に形成されている。以下では、装着部16を構成する各部分について詳細に説明する。
【0040】
図4に示すように、鼻掛け部24は、使用者M(
図1)の鼻を跨ぐように配置される逆U字状の部分である。鼻掛け部24の下端部、すなわち逆U字状の開口端に対応する左右両側の部分には、使用者M(
図1)の左右両側の鼻翼(鼻背の両側の部分)に当たる滑らかな面(図示省略)を有する板状の鼻当て部42,44が設けられている。
【0041】
図2に示すように、左側耳掛け部26は、使用者Mの左耳に対して、一般的な眼鏡のテンプルと同様の方式で引掛けられる部分であり、シリコーン等の弾性を有する材料で棒状に形成されている。
図3に示すように、左側耳掛け部26の前端部には、左側シールドテンプル38の後端部に設けられた篏合突部46が篏合される円柱状の篏合穴48が設けられている。
【0042】
図2に示すように、右側耳掛け部28は、使用者Mの右耳に対して、一般的な眼鏡のテンプルと同様の方式で引掛けられる部分であり、シリコーン等の弾性を有する材料で棒状に形成されている。図示していないが、右側耳掛け部28の前端部には、右側シールドテンプル40の後端部に設けられた篏合突部が篏合される円柱状の篏合穴が設けられている。なお、本実施形態の右側耳掛け部28は、左側耳掛け部26に対して左右対称に構成されている。
【0043】
図5に示すように、左側取付け部32は、左側鼻当て部42の上面において左側アーム部30を回動可能に支持する部分であり、左側アーム部30を左右方向から挟むようにして互いに対向して設けられた2つの壁部50a,50bと、2つの壁部50a,50bの互いに対向する内面に設けられた2つの突起状の軸部52a,52bとを有している。また、左側取付け部32は、2つの壁部50a,50bの後端部どうしを繋ぐとともに、左側アーム部30の回動を抑制する板状のストッパー部54を有している。
【0044】
図4に示す右側取付け部36は、右側鼻当て部44の上面において右側アーム部34を回動可能に支持する部分であり、左側取付け部32に対して左右対称に構成されている。
【0045】
図2に示すように、左側シールドテンプル38は、鼻掛け部24と左側耳掛け部26とを繋ぐ棒状の部分であり、下方へ向けて膨らむように湾曲してU字状に形成されている。この場合、U字部分は弾性的に広がるように形成されている。左側シールドテンプル38の前端部は、鼻掛け部24の左側鼻当て部42に接続されており、左側シールドテンプル38の後端部には、左側耳掛け部26が着脱可能に接続される接続部56が設けられている。
【0046】
図3に示すように、接続部56は、左側耳掛け部26に対して段差なく連続する棒状の本体部56aを有しており、本体部56aの後端部には、左側耳掛け部26に設けられた篏合穴48に挿し込まれて篏合される篏合突部46が設けられている。篏合突部46は、左側耳掛け部26に設けられた篏合穴48の内径よりもわずかに小さい外径を有する円柱状に形成されており、篏合突部46の外周面には、抜け止めのための半球状の突起46aが設けられている。
【0047】
図2に示すように、右側シールドテンプル40は、鼻掛け部24と右側耳掛け部28とを繋ぐ棒状の部分であり、左側シールドテンプル38に対して左右対称に構成されている。
【0048】
図2に示す左側シールドテンプル38の下部と右側シールドテンプル40の下部との間隔は、
図1に示す使用者Mの左右の頬の間隔よりも狭く定められている。したがって、使用者Mが飛沫防止マウスシールド10を顔Fに装着したときには、これらの下部が使用者Mの頬に接触する。
【0049】
装着部16の各部分の位置に着目すると、
図2に示すように、鼻掛け部24は、装着部16の左右方向中央部に設けられており、左側耳掛け部26は、装着部16の左側の後端部に設けられており、右側耳掛け部28は、装着部16の右側の後端部に設けられている。また、
図4に示すように、左側取付け部32および右側取付け部36は、装着部16の左右方向中央部であって、鼻掛け部24を挟んだ左右方向の両側に設けられている。
図2に示すように、左側シールドテンプル38は、装着部16の左側の後端部と左右方向中央部との間に設けられており、右側シールドテンプル40は、装着部16の右側の後端部と左右方向中央部との間に設けられている。
【0050】
図2に示すように、連結部18は、シールド支持部14と装着部16とを互いに離間させた状態で、これらの左右方向中央部どうしを連結する部分であり、ABS樹脂等で形成された透明または半透明で棒状の左側アーム部30および右側アーム部34を有している。これらのアーム部30,34は、互いに左右方向に間隔を隔てて前後方向に延びて設けられている。
【0051】
図4に示すように、左側アーム部30の前端部は、シールド支持部14に対して接続されており、左側アーム部30の後端部には、装着部16に設けられた左側取付け部32の軸部52a,52bが嵌め込まれる孔60が形成されている。また、左側アーム部30の後端部には、「回動軸」である軸部52a,52bの径方向へ突出する突出部62が設けられている。左側アーム部30の回動中心を中心として、突出部62に外接する外接円を想定したとき、この外接円の一部は、ストッパー部54の内面と交差する。右側アーム部34は、左側アーム部30に対して左右対称に構成されている。
【0052】
図6は、連結部18の左側アーム部30の状態を示す図であり、
図6(A)は、シールド部12が降下位置P1にあるときの状態を示す図、
図6(B)は、シールド部12が降下位置P1と上昇位置P2との間を移動されるときの途中の状態を示す図、
図6(C)は、シールド部12が上昇位置P2にあるときの状態を示す図である。なお、
図2に示す右側アーム部34の状態は、左側アーム部30の状態に対して左右対称となる。
【0053】
図6(A)に示すように、シールド部12が降下位置P1にあるとき、左側アーム部30の突出部62は、回動中心を通る水平線Qよりも上方に配置されている。この状態のシールド部12に対して上方へ回動させる力が作用すると、突出部62がストッパー部54に当たることによってシールド部12の回動が抑制される。したがって、シールド部12が風力のような自然力によって持ち上げられる事態は生じ難い。
【0054】
飲食時などのシールド部12を必要としないとき、使用者Mは、シールド部12を手で持ち上げて、これを上昇位置P2まで回動させる。
図6(B)に示すように、この回動過程では、突出部62がストッパー部54に押し当てられるが、ストッパー部54が外側へ弾性変形されることによって、シールド部12の回動が可能となる。なお、この回動過程では、使用者Mの手に対してストッパー部54からの反力が伝わるため、使用者Mは、この反力の変動を感知することによってシールド部12の状態を知ることができる。
【0055】
図6(C)に示すように、シールド部12が上昇位置P2にあるとき、左側アーム部30の突出部62は、回動中心を通る水平線Qよりも下方に配置されている。この状態のシールド部12に対して下方へ回動させる力が作用すると、突出部62がストッパー部54に当たることによってシールド部12の回動が抑制される。したがって、シールド部12が振動などで降下する事態は生じ難い。
【0056】
(第1実施形態の効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、
図2に示すように、板状のシールド部12がシールド支持部14で支持されており、シールド支持部14の左右方向中央部と装着部16の左右方向中央部とが互いに離間した状態で連結されているので、シールド部12を使用者Mの顔F(
図1)から十分に離して配置できる。また、装着部16の左右方向中央部は、鼻掛け部24において使用者Mの鼻で支持されるので、当該中央部に連結されたシールド支持部14およびシールド部12を使用者Mの鼻および口に対して正確に位置決めでき、シールド部12を必要以上に大きく形成する必要がない。したがって、使用者Mの顔Fが蒸れて暑くなることを効果的に抑制できる。
【0057】
図6に示すように、アーム部30(34)を回動させることによって、シールド部12を使用者Mの鼻および口を覆う降下位置P1と、使用者Mの鼻および口から上方へ離間する上昇位置P2との間で移動させることができる。シールド部12を上昇位置P2に移動させた状態では、使用者Mの口の前方に広大な空間を確保できるので、使用者Mは、飛沫防止マウスシールド10を装着したままでも飲食等ができる。
【0058】
アーム部30(34)の前端部が接続されるシールド支持部14は、シールド部12の上端部12aに設けられているので、アーム部30(34)を回動させてシールド部12を上昇位置P2に移動させた状態(
図6(C))において、シールド部12の上端部12aは使用者Mの顔F(
図1)に当たらない。
【0059】
図6(C)に示すように、シールド部12が上昇位置P2にあるとき、突出部62がストッパー部54に当たることによって、アーム部30(34)の下方への回動が阻止される。したがって、使用者Mが飲食等する際には、シールド部12を上昇位置P2で保持できる。
【0060】
図4に示すように、シールド支持部14の複数の突起20とシールド部12の複数の貫通孔22とが着脱可能に篏合されるので、シールド部12を大きさが異なる他のシールド部12に交換できるとともに、破損したシールド部12を新たなシールド部12に交換できる。
【0061】
図2に示す左右両側の耳掛け部26,28を使用者Mの左右両側の耳に掛けるとともに、
図2に示す鼻掛け部24を使用者Mの鼻に掛けることによって、装着部16を使用者Mの顔Fに簡単かつ安定的に装着できる。
【0062】
図2に示すように、鼻掛け部24が、左右両側の鼻翼の広い面積で支持されるので、シールド部12のサイズが大きい場合でも、これを安定的に支持できる。また、飛沫防止マウスシールド10を装着しているときでも、眼鏡の鼻パッドを鼻根に当てることができるので、飛沫防止マウスシールド10と眼鏡とを併用できる。
【0063】
図2に示すように、左右両側のシールドテンプル38,40は、下方へ向けて膨らむように湾曲してU字状に設けられているので、これらのシールドテンプル38,40が眼鏡のテンプルと干渉することを防止でき、良好な装着感を得ることができる。また、左右両側のシールドテンプル38,40は、U字部分が弾性的に開くことで使用者Mの頭部または顔面の大きさに合わせて変形するため、種々の大きさの頭部または顔面に対応できるとともに鼻掛け部24と耳掛け部26,28で頭部を挟んで安定的に装着することができる。また、左右両側のシールドテンプル38,40のそれぞれの下部を使用者Mの頬に接触させることができるので、装着部16は上下方向へ移動し難い。したがって、連結部18、シールド支持部14およびシールド部12の全体を使用者Mの手の力で回動させ易い。なお、左右両側のシールドテンプル38,40のそれぞれの下部を使用者Mの頬に対して離間して接触しないように構成してもよいことは当然である。また、左右両側のシールドテンプル38,40は、U字部分が弾性変形しない剛体で構成されていてもよい。
【0064】
図2に示す左側耳掛け部26および右側耳掛け部28のそれぞれの円柱状の篏合穴48(
図3)に、左側シールドテンプル38および右側シールドテンプル40のそれぞれの円柱状の篏合突部46(
図3)が篏合されているので、左側耳掛け部26および右側耳掛け部28を回動させることによって、これらの向きを簡単に調整できる。
【0065】
図2に示すシールド支持部14、装着部16および連結部18が透明または半透明の材料で形成されているので、シールド部12が透明であることと相まって、飛沫防止マウスシールド10の全体が目立ち難い。
【0066】
(変形例)
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、シールド支持部14、装着部16および連結部18が透明または半透明の材料で形成されているが、これらのうち少なくとも1つは、不透明材料で形成されてもよい。
【0067】
図6(B)に示すように、上記実施形態では、シールド部12の回動を抑制するためのストッパー部54が板状に形成されているが、ストッパー部54は、棒状または突起状に形成されてもよい。
【0068】
図2に示すように、上記実施形態では、左右両側のシールドテンプル38,40が、下方へ向けて膨らむように湾曲してU字状に形成されているが、これらは、一般的な眼鏡のテンプルと同様に、前後方向へ延びる直線状に形成されてもよい。また、シールドテンプル38,40のそれぞれの下部の間隔は、使用者M(
図1)の左右の頬の間隔と同じに定められてもよいし、それよりも広く定められてもよい。
【0069】
図2に示すように、上記実施形態では、連結部18の左側アーム部30および右側アーム部34が棒状に形成されているが、これらは板状に形成されてもよい。また、左側アーム部30および右側アーム部34の一方は省略されてもよいし、少なくとも1つの他のアーム部が追加されてもよい。
【0070】
図2に示すように、上記実施形態では、装着部16を使用者M(
図1)の左右の耳で支持するための手段として、左側耳掛け部26および右側耳掛け部28が使用されているが、これらは、左右の耳に掛けられる環状の左側ゴム紐および右側ゴム紐(図示省略)に変更されてもよい。また、これらは、使用者M(
図1)の後頭部に掛けられるバンド等に変更されてもよい。
【0071】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る飛沫防止マウスシールド64の使用状態を示す斜視図である。
図2に示す第1実施形態に係る飛沫防止マウスシールド10では、左側耳掛け部26および右側耳掛け部28が使用者M(
図1)の左耳および右耳に掛けられるので、これらが眼鏡のテンプルと干渉する。この問題を解決するために、
図7に示す飛沫防止マウスシールド64では、左側耳掛け部26に代えて左側テンプル掛け部66が用いられるとともに、右側耳掛け部26に代えて右側テンプル掛け部(図示省略)が用いられる。
【0072】
図8は、左側テンプル掛け部66の構成を示す図であり、
図8(A)は、左側テンプル掛け部66の左側面をやや後方から見た図、
図8(B)は、左側テンプル掛け部66の右側面をやや後方から見た図である。なお、図示していないが、右側テンプル掛け部は、左側テンプル掛け部66に対して左右対称に構成されている。
【0073】
図8(A),(B)に示す左側テンプル掛け部66は、
図7に示す眼鏡68の左側テンプル68aに引掛けられる部分であり、シリコーン等の弾性を有する材料で形成されている。左側テンプル掛け部66は、左側テンプル68aの外側面に沿って配置される外壁部70と、左側テンプル68aの内側面に沿って配置される内壁部72と、外壁部70の上端縁と内壁部72の上端縁とを繋ぐ上壁部74とを有している。
【0074】
外壁部70の後端部70aの上下方向長さは、内壁部72の後端部72aの上下方向長さよりも十分に長く定められており、外壁部70の後端部70aにおける内壁部72の後端部72aよりも下方に位置する部分には、左側シールドテンプル38の接続部56に接続される円柱状の接続部76が設けられている。接続部76の前端部には、左側シールドテンプル38の後端部に設けられた篏合突部46が篏合される円柱状の篏合穴78が設けられている。
【0075】
図8(B)に示すように、内壁部72の後端部72aと接続部76との間には、上壁部74の下方の空間S1に繋がる空間S2が構成されている。左側テンプル掛け部66を左側テンプル68a(
図7)に掛ける際には、左側テンプル68aが空間S2に通されて空間S1に収容される。
【0076】
図7に示すように、第2実施形態に係る飛沫防止マウスシールド64によれば、左側テンプル掛け部66および右側テンプル掛け部(図示省略)を眼鏡68の左側テンプル68aおよび右側テンプル(図示省略)に掛けるとともに、鼻掛け部24を使用者Mの鼻に掛けることによって、装着部16を使用者Mの顔Fに簡単かつ安定的に装着できる。
【0077】
また、左側テンプル掛け部66および右側テンプル掛け部(図示省略)と、左側耳掛け部26および右側耳掛け部28とを予め準備しておくことによって、これらを左右両側のシールドテンプル38,40の後端部に選択的に取り付けることができる。つまり、左側耳掛け部26および右側耳掛け部28を使用することによって、眼鏡を使用しない使用者Mの顔Fに装着部16を簡単かつ安定的に装着でき、また、左側テンプル掛け部66および右側テンプル掛け部(図示省略)を使用することによって、眼鏡68(
図7)を使用する使用者Mの顔Fに装着部16を簡単かつ安定的に装着できる。
【符号の説明】
【0078】
M…使用者、F…顔、P1…降下位置、P2…上昇位置、10,64…飛沫防止マウスシールド、12…シールド部、14…シールド支持部、16…装着部、18…連結部、20…突起、22…貫通孔、24…鼻掛け部、26…左側耳掛け部、28…右側耳掛け部、30…左側アーム部、32…左側取付け部、34…右側アーム部、36…右側取付け部、38…左側シールドテンプル、40…右側シールドテンプル、42…左側鼻当て部、44…右側鼻当て部、46a…突起、46…篏合突部、48…篏合穴、54…ストッパー部、56…接続部、62…突出部、66…左側テンプル掛け部、76…接続部、78…篏合穴。