(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147403
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】農地管理装置、および農地管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048628
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】宮嵜 優樹
(72)【発明者】
【氏名】香西 大輔
(72)【発明者】
【氏名】近藤 嶺
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】貸し出す農地全体の品質を良好に保つこと。
【解決手段】農地管理装置は、複数の指標を含む土壌肥沃度に関する土壌肥沃度情報を農地ごとに記憶する農地履歴記憶部と、ユーザが担当した農地の作付け前の土壌肥沃度と作物の収穫後の土壌肥沃度とに基づいて数値化した値をスキル値としてユーザのスキルを判定するユーザスキル判定部と、ユーザごとのスキルに関するスキル情報を記憶するユーザスキル記憶部と、農地履歴記憶部が記憶する土壌肥沃度情報と、ユーザスキル記憶部が記憶するユーザごとのスキル情報とに基づいて、土壌肥沃度の各指標および複数の農地間の土壌肥沃度を平準化するような、農地とユーザとの組み合わせを選択する選択部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の指標を含む土壌肥沃度に関する土壌肥沃度情報を農地ごとに記憶する農地履歴記憶部と、
ユーザが担当した農地の作付け前の土壌肥沃度と作物の収穫後の土壌肥沃度とに基づいて数値化した値をスキル値として前記ユーザのスキルを判定するユーザスキル判定部と、
前記ユーザごとの前記スキルに関するスキル情報を記憶するユーザスキル記憶部と、
前記農地履歴記憶部が記憶する前記土壌肥沃度情報と、前記ユーザスキル記憶部が記憶する前記ユーザごとの前記スキル情報とに基づいて、土壌肥沃度の各指標および複数の農地間の土壌肥沃度を平準化するような、前記農地と前記ユーザとの組み合わせを選択する選択部と、
を備える、農地管理装置。
【請求項2】
前記選択部は、収穫後の前記農地における土壌肥沃度の前記複数の指標に劣化した第1指標がある場合には、前記第1指標を改善可能なスキルを有する前記ユーザを選択し、土壌肥沃度の前記第1指標を劣化させた前記ユーザに対しては、土壌肥沃度の前記第1指標が過剰な農地を選択する、
請求項1に記載の農地管理装置。
【請求項3】
作付けした前記農地と、前記農地に作付けした作物および前記作物の収穫量と、を前記ユーザごとにユーザ履歴情報として記憶するユーザ履歴記憶部とを備え、
前記ユーザスキル判定部は、前記ユーザスキル記憶部が記憶する前記ユーザごとの前記スキル情報に加え、前記ユーザ履歴記憶部が記憶する前記ユーザ履歴情報に基づいて、前記ユーザの前記スキルを判定する、
請求項1または2に記載の農地管理装置。
【請求項4】
作物毎に土壌肥沃度の各指標に与える影響の情報を記憶した作物データ記憶部を備え、
前記ユーザ履歴記憶部は、前記ユーザごとに次回の栽培予定の作物に関する情報を記憶し、
前記選択部は、収穫後の前記農地における土壌肥沃度の前記複数の指標に過剰となった第2指標がある場合、前記作物データ記憶部を参照して前記第2指標を改善する作物の栽培を予定しているユーザを選択し、前記第2指標を過剰とする作物の栽培を予定しているユーザに対しては、前記第2指標が劣化した農地を選択する、
請求項3に記載の農地管理装置。
【請求項5】
複数の指標を含む土壌肥沃度に関する土壌肥沃度情報を農地ごとに農地履歴記憶部に記憶するステップと、
ユーザが担当した農地の作付け前の土壌肥沃度と作物の収穫後の土壌肥沃度とに基づいて数値化した値をスキル値として前記ユーザのスキルを判定するステップと、
前記ユーザごとの前記スキルに関するスキル情報をユーザスキル記憶部に記憶するステップと、
前記農地履歴記憶部に記憶された前記土壌肥沃度情報と、前記ユーザスキル記憶部に記憶された前記ユーザごとの前記スキル情報とに基づいて、土壌肥沃度の各指標を平準化し、さらには複数の農地間の土壌肥沃度を平準化するような、前記農地と前記ユーザとの組み合わせを選択するステップと、
を含む、農地管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農地管理装置、および農地管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物を栽培する農地を管理する方法が知られている。例えば、特許文献1には、連作障害が発生しないように、来季に作付け予定の複数の栽培対象作物と、その作付面積を入力し、過去数年の作付け情報から、来季の圃場を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
農地の管理者が、農業生産者に農地を貸し出して、農作物の栽培を行うことがある。特許文献1に記載の技術により、貸し出す個々の農地の作物を制限することで連作障害を防ぐことができる。しかしながら、農地を借りるユーザの技量は一定ではなく、連作とはならなくても、個々の農地ごとに収穫後の土壌品質はばらつく可能性が高い。また、農地の土壌の品質のバラつきが大きい場合、農地ごとに作物の収穫量や品質に影響を与えることになる。このため、作物の収穫量や品質が、ユーザの技量による影響であるのか、農地の影響であるのかは確かではなくなる。この場合、農地を借りたユーザからのクレームとなる可能性もある。よって、農地の管理者としては、農地全体の土壌品質が良好で、バラつきの少ない状態で維持することが好ましい。
【0005】
本発明は、貸し出す農地全体の品質を良好に保つことのできる農地管理装置、および農地管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る農地管理装置は、複数の指標を含む土壌肥沃度に関する土壌肥沃度情報を農地ごとに記憶する農地履歴記憶部と、ユーザが担当した農地の作付け前の土壌肥沃度と作物の収穫後の土壌肥沃度とに基づいて数値化した値をスキル値として前記ユーザのスキルを判定するユーザスキル判定部と、前記ユーザごとの前記スキルに関するスキル情報を記憶するユーザスキル記憶部と、前記農地履歴記憶部が記憶する前記土壌肥沃度情報と、前記ユーザスキル記憶部が記憶する前記ユーザごとの前記スキル情報とに基づいて、土壌肥沃度の各指標および複数の農地間の土壌肥沃度を平準化するような、前記農地と前記ユーザとの組み合わせを選択する選択部と、を備える。
【0007】
本発明に係る農地管理方法は、複数の指標を含む土壌肥沃度に関する土壌肥沃度情報を農地ごとに農地履歴記憶部に記憶するステップと、ユーザが担当した農地の作付け前の土壌肥沃度と作物の収穫後の土壌肥沃度とに基づいて数値化した値をスキル値として前記ユーザのスキルを判定するステップと、前記ユーザごとの前記スキルに関するスキル情報をユーザスキル記憶部に記憶するステップと、前記農地履歴記憶部に記憶された前記土壌肥沃度情報と、前記ユーザスキル記憶部に記憶された前記ユーザごとの前記スキル情報とに基づいて、土壌肥沃度の各指標を平準化し、さらには複数の農地間の土壌肥沃度を平準化するような、前記農地と前記ユーザとの組み合わせを選択するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、貸し出す農地全体の品質を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る農地管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る農地管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第2実施形態に係る農地管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第3実施形態に係る農地管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第3実施形態に係る農地管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第4実施形態に係る農地管理装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態に係る農地管理装置の構成例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る農地管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、農地管理装置10は、入力部12と、表示部14と、記憶部16と、通信部18と、制御部20と、を備える。農地管理装置10は、例えば、ユーザに貸し出して作付けを行ってもらう農地を管理する農地管理者などによって使用される。農地管理者が貸し出す農地において、それなりに時間をかけ、作物の種類に応じて相応の収穫量が得られるユーザであれば、比較的良好に、または劣化の少ない状態で農地を保つことはできる。しかしながら、ユーザが初心者等である場合には、肥料をあげすぎて土壌肥沃度の特定の指標を上げてしまったり、土壌を枯らしてしまったりすることもある。農地管理装置10は、農地の土壌肥沃度と、農地に作付けを行うユーザのスキルとのマッチングを行い、農地とユーザとの最適な組み合わせを選択する。
【0013】
入力部12は、農地管理装置10に対する各種の入力操作を受け付ける入力装置である。入力部12は、例えば、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどを含む。
【0014】
表示部14は、各種映像を表示する。表示部14は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイを含む。表示部14は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光部を含んでもよい。なお、タッチパネル等を用いて、入力部12と、表示部14とを一体に構成してもよい。
【0015】
記憶部16は、各種の情報を記憶するメモリである。記憶部16は、例えば、制御部20の演算内容、およびプログラムなどの情報を記憶する。記憶部16は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0016】
記憶部16は、農地履歴記憶部16aと、ユーザスキル記憶部16bと、ユーザ履歴記憶部16cと、作物データ記憶部16dを有する。
【0017】
農地履歴記憶部16aは、農地管理者がユーザに貸し出すための複数の農地に関する情報を記憶する。農地履歴記憶部16aは、例えば、複数の指標を含む農地の状態を示す土壌肥沃度に関する土壌肥沃度情報を農地ごとに記憶する。土壌肥沃度の複数の指標は、例えば、土壌に含まれる栄養素、有機物、微生物、pH、水はけのよさ、表土の深さなどを含む。土壌に含まれ栄養素としては、窒素、リン酸、カリウム、ホウ素、塩素、コバルト、銅、鉄、マンガン、マグネシウム、モリブデン、および亜鉛などが例示される。すなわち、土壌肥沃度情報には、作物の栽培に影響を与えうる各種の情報が含まれる。
【0018】
ユーザスキル記憶部16bは、複数のユーザについて、作物を栽培するスキルに関するスキル情報を記憶する。ユーザスキル記憶部16bは、例えば、スキル情報として、ユーザが担当した農地の作付け前の土壌肥沃度と、作物の収穫後の土壌肥沃度とに基づいてユーザのスキルを数値化されたユーザごとのスキル値を記憶する。
【0019】
ユーザ履歴記憶部16cは、複数のユーザについて、過去の作付けした作物に関する情報を記憶する。ユーザ履歴記憶部16cは、例えば、作付けした農地と、農地に作付けした作物、および作付けした作物の収穫量とに関する情報をユーザごとのユーザ履歴情報として記憶する。
【0020】
作物データ記憶部16dは、作物毎に土壌肥沃度に与える影響の情報を記憶する。詳細には、作物データ記憶部16dは、作物毎に土壌肥沃度のいずれの指標を変化させ、またその変化量を予め記憶している。
【0021】
通信部18は、農地管理装置10と、外部装置との間で通信を実行する通信装置である。通信部18は、例えば、農地管理装置10と、スマートフォン等との間で、通信を実行する。
【0022】
制御部20は、農地管理装置10の各部の動作を制御する。制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部16などに記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部20は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部20は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0023】
制御部20は、取得部30と、ユーザスキル判定部32と、土壌肥沃度算出部34と、選択部36と、を備える。
【0024】
取得部30は、各種情報を取得する。取得部30は、例えば、農地履歴記憶部16aから土壌肥沃度情報を取得する。取得部30は、例えば、ユーザスキル記憶部16bからユーザごとのスキル情報を取得する。取得部30は、例えば、ユーザ履歴記憶部16cから
ユーザごとのユーザ履歴情報を取得する。
【0025】
ユーザスキル判定部32は、農地で作付けを行うユーザの農作業に関するスキルを判定する。ユーザスキル判定部32は、例えば、ユーザが担当した農地の作付け前の土壌肥沃度と、作物の収穫後の土壌肥沃度とに基づいて数値化した値をスキル値とし、ユーザのスキルを判定する。ユーザスキル判定部32は、例えば、ユーザが担当した農地の作付け前の土壌肥沃度と、作物の収穫後の土壌肥沃度との差分に基づいて、ユーザのスキルを数値化してスキル値として判定する。
【0026】
土壌肥沃度算出部34は、土壌肥沃度に関する各種の情報を算出する。土壌肥沃度算出部34は、例えば、農地の土壌肥沃度の変化量を算出する。土壌肥沃度算出部34は、例えば、所定の農地の現状の土壌肥沃度と、所定のユーザのスキル値とに基づいて、所定のユーザが所定の農地で作付けを行って作物を収穫した場合に、所定の農地の土壌肥沃度と変化量を算出する。
【0027】
選択部36は、農地とユーザとの組み合わせを選択する。選択部36は、農地履歴記憶部16aが記憶する土壌肥沃度情報と、ユーザスキル記憶部16bが記憶するユーザごとのスキル情報とに基づいて、農地とユーザとの組み合わせを選択する。
【0028】
[処理内容]
図2を用いて、第1実施形態に係る農地管理装置の処理内容について説明する。
図2は、第1実施形態に係る農地管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0029】
取得部30は、土壌肥沃度情報を取得する(ステップS10)。具体的には、取得部30は、農地履歴記憶部16aから農地ごとの土壌肥沃度情報を取得する。そして、ステップS12に進む。
【0030】
取得部30は、スキル情報を取得する(ステップS12)。具体的には、取得部30は、ユーザスキル記憶部16bからユーザごとのスキル情報を取得する。そして、ステップS14に進む。
【0031】
土壌肥沃度算出部34は、土壌肥沃度の変化を算出する(ステップS14)。具体的には、土壌肥沃度算出部34は、取得部30が取得した農地ごとの土壌肥沃度情報と、取得部30が取得したユーザごとのスキル情報とに基づいて、各農地の作付け前と作物の収穫後の土壌肥沃度の想定される変化を算出する。より、具体的には、土壌肥沃度算出部34は、各農地と、各ユーザとの全ての組み合わせにおける、各農地の作付け前と作物の収穫後の土壌肥沃度の想定される変化を算出する。そして、ステップS16に進む。
【0032】
選択部36は、ユーザおよび農地を選択する(ステップS16)。具合的には、選択部36は、ユーザのスキルに基づいて、農地の土壌肥沃度を平準化するような、農地とユーザとの組み合わせを選択する。より具体的には、選択部36は、農地の作付け前と作物の収穫後の土壌肥沃度の差分に基づいて判定されたユーザのスキルに基づいて、農地の土壌肥沃度の各指標が平準化し、さらには複数の農地間の土壌肥沃度を平準化するような、農地とユーザとの組み合わせを選択する。選択部36は、例えば、収穫後の所定の農地における土壌肥沃度の所定の第1指標が劣化した場合には、第1指標を改善可能なスキルを有するユーザを選択してもよい。選択部36は、例えば、土壌肥沃度の第1指標を劣化させたユーザに対しては、土壌肥沃度の第1指標が過剰な農地を選択してもよい。例えば、選択部36は、肥料をあげすぎて、土壌肥沃度の特定の指標を上げてしまうユーザに対しては、土壌肥沃度の特定の指標が低い土地を選択することで、土壌肥沃度の平準化を図る。また、選択部36は、収穫量と収穫物の品質が極めて高いが、その土地の土壌肥沃度の特定の指標を枯らしてしまうような、ユーザに対しては、枯れてしまった指標が高すぎる土地を選択することで、土壌肥沃度の平準化を図る。そして、
図2の処理を終了する。
【0033】
上述のとおり、第1実施形態では、農地の土壌肥沃度と、ユーザのスキルとに基づいて、各農地の土壌肥沃度および複数の農地間の土壌肥沃度を平準化できるように、農地とユーザとの組み合わせを選択する。これにより、第1実施形態は、各農地の条件を一定に保ち、かつ農地全体の品質を良好に保つことができる。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る農地管理装置の構成は、
図1に示す農地管理装置10と同一の構成なので、説明を省略する。
【0035】
[処理内容]
図3を用いて、第2実施形態に係る農地管理装置の処理内容について説明する。
図3は、第2実施形態に係る農地管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0036】
ステップS20からステップS24の処理は、それぞれ、
図2に示すステップS10からステップS14の処理と同一なので、説明を省略する。
【0037】
取得部30は、ユーザ履歴情報を取得する(ステップS26)。具体的には、取得部30は、ユーザ履歴記憶部16cからユーザごとのユーザ履歴情報を取得する。そして、ステップS28に進む。
【0038】
ユーザスキル判定部32は、ユーザごとのスキルを判定する(ステップS28)。具体的には、ユーザスキル判定部32は、取得部30が取得したユーザごとの前記スキル情報に加え、取得部30が取得したユーザ履歴情報に基づいて、ユーザのスキル値を判定する。すなわち、ユーザスキル判定部32は、取得部30が取得したユーザ履歴情報に基づいて、ユーザのスキルを補正する。そして、ステップS30に進む。
【0039】
選択部36は、ユーザおよび農地を選択する(ステップS30)。具合的には、選択部36は、農地の土壌肥沃度を平準化するような、農地とユーザとの組み合わせを選択する。より具体的には、選択部36は、ステップS28で判定されたユーザのスキルに基づいて、農地の土壌肥沃度の各指標が平準化し、さらには複数の農地間の土壌肥沃度を平準化するような、農地とユーザとの組み合わせを選択する。そして、
図3の処理を終了する。
【0040】
上述のとおり、第2実施形態では、農地の土壌肥沃度と、ユーザ履歴情報を加味したユーザのスキルとに基づいて、農地の土壌肥沃度を平準化できるように、農地とユーザとの組み合わせを選択する。これにより、第2実施形態は、各農地の条件を一定に保ち、かつ農地全体の品質をより良好に保つことができる。
【0041】
[第2実施形態の変形例]
次に、第2実施形態の変形例について説明する。第2実施形態の変形例では、ユーザ履歴記憶部16cは、ユーザごとに次回の栽培予定の作物に関する情報を記憶してもよい。第2実施形態の変形例では、ユーザが栽培予定の作物を栽培した場合の土壌肥沃度の変化を作物データ記憶部16dを参照し、考慮して、ユーザと農地とのマッチングを行う。
【0042】
第2実施形態の変形例では、
図3に示すステップS26において、取得部30は、ユーザ履歴記憶部16cからユーザごとのユーザ履歴情報と、ユーザごとの次回の栽培予定の作物に関する情報を取得する。
【0043】
第2実施形態の変形例では、
図3に示すステップS30において、選択部36は、収穫後の所定の農地における土壌肥沃度の所定の第2指標が過剰な場合、第2指標を改善する作物の栽培を予定しているユーザを選択する。また、選択部36は、第2指標を過剰とする作物の栽培を予定しているユーザに対しては、第2指標が劣化した農地を選択する。
【0044】
上述のとおり、第2実施形態の変形例では、農地の土壌肥沃度と、ユーザが栽培予定の作物による土壌肥沃度の変化を考慮して、農地の土壌肥沃度を平準化できるように、農地とユーザとの組み合わせを選択する。これにより、第2実施形態の変形例では、各農地の条件を一定に保ち、かつ農地全体の品質をより良好に保つことができる。
【0045】
[第3実施形態]
図4を用いて、第3実施形態に係る農地管理装置の構成例について説明する。
図4は、第3実施形態に係る農地管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0046】
図4に示すように、農地管理装置10Aは、制御部20Aがユーザスキル推定部38を備える点で、
図1に示す農地管理装置10と異なる。
【0047】
農地管理者が管理している農地を、借りたいと所望する新規なユーザが現れることも想定される。この場合、新たなユーザのスキルを推定しておくことが好ましい。第3実施形態では、新たなユーザに農地を貸し出す前に、新たなユーザのスキルを推定する。
【0048】
ユーザスキル推定部38は、ユーザのスキルを推定する。ユーザスキル推定部38は、例えば、新たに農地を借りたいと所望する新規ユーザのスキルを推定する。
【0049】
[処理内容]
図5を用いて、第3実施形態に係る農地管理装置の処理内容について説明する。
図5は、第3実施形態に係る農地管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0050】
取得部30は、新規ユーザのユーザ情報を取得する(ステップS40)。具体的には、取得部30は、例えば、新規ユーザが入力部12に入力したユーザ情報を取得する。取得部30は、例えば、通信部18を介して、ユーザがスマートフォンなどに入力したユーザ情報を取得してもよい。新規ユーザのユーザ情報としては、作物の栽培の経験年数、栽培したことのある作物の種類とその収穫量、および栽培予定の作物に関数情報などを含み得るが、これらに限定されない。そして、ステップS42に進む。
【0051】
ユーザスキル推定部38は、新規ユーザのスキルを推定する(ステップS42)。具体的には、ユーザスキル推定部38は、取得部30が取得した情報に基づいて、ユーザのスキルを推定する。例えば、ユーザスキル推定部38は、作物の栽培の経験年数が長かったり、栽培したことのある作物の種類とその収穫量が多かったりする場合に、新規ユーザのスキルは比較的高いと推定する。そして、ステップS44に進む。
【0052】
ユーザスキル推定部38は、新規ユーザのスキルの推定結果を記憶する(ステップS44)。具体的には、ユーザスキル推定部38は、推定した新規ユーザのスキルに関する情報を、新規ユーザと対応付けて、ユーザスキル記憶部16bに記憶させる。そして、
図5の処理を終了する。
【0053】
上述のとおり、第3実施形態では、新規ユーザのスキルを推定して、ユーザスキル記憶部16bに記憶させる。これにより、第3実施形態では、各農地の条件を一定に保ち、かつ農地全体の品質をより良好に保つために選択するユーザに、新規ユーザを候補として含めることができる。
【0054】
[第4実施形態]
図6を用いて、第4実施形態に係る農地管理装置の構成例について説明する。
図6は、第4実施形態に係る農地管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0055】
図6に示すように、農地管理装置10Bは、制御部20Bがポイント算出部40を備える点で、
図1に示す農地管理装置10と異なる。
【0056】
農地管理装置10Bは、ユーザの農地の使用状態に応じて、ユーザにポイントを付与する。農地管理装置10Bは、ユーザに付与されたポイントに応じて、ユーザにインセンティブを付与する。
【0057】
ポイント算出部40は、農地で作物を作付けしたユーザに与えるポイントを算出する。ポイント算出部40は、ユーザが作付けした農地について、作付けする前の農地の土壌肥沃度と、作付け後の農地の土壌肥沃度との差を比較して、土壌肥沃度の劣化の少なさ度合いに応じたポイントを付与する。ポイント算出部40は、例えば、1、2、3のように農地の劣化の少なさに応じて段階的にポイント算出してもよいし、劣化の少なさが所定範囲内であれば、1ポイントを付与するようにしてもよい。
【0058】
第4実施形態では、選択部36は、ユーザに付与されているポイントを加味して、農地とユーザとの組み合わせを選択する。選択部36は、例えば、農地とユーザとの組み合わせを選択する際に、ポイントが高いユーザを優先的に選択されるようにしてもよい。
【0059】
上述のとおり、第4実施形態では、農地の土壌肥沃度を劣化させないユーザを優先的に選択することができる。これにより、第4実施形態は、各農地の条件を一定に保ち、かつ農地全体の品質をより良好に保つことができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0061】
10,10A,10B 農地管理装置
12 入力部
14 表示部
16 記憶部
16a 農地履歴記憶部
16b ユーザスキル記憶部
16c ユーザ履歴記憶部
16d 作物データ記憶部
18 通信部
20 制御部
30 取得部
32 ユーザスキル判定部
34 土壌肥沃度算出部
36 選択部
38 ユーザスキル推定部
40 ポイント算出部