(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147408
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】ロボットクリーナ
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A47L9/00 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048637
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 憲司
(72)【発明者】
【氏名】小口 和紀
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 将裕
【テーマコード(参考)】
3B006
【Fターム(参考)】
3B006KA01
3B006KA02
3B006KA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボットクリーナの走行安定性の低下を抑制すること。
【解決手段】ロボットクリーナは、クリーナ本体と、ホイールアセンブリ6と、を備える。ホイールアセンブリ6は、クリーナ本体に支持される支持アーム63と、支持アーム63に回転可能に支持される駆動輪62と、支持アーム63を移動する質量体64と、を有する。支持アーム63は、空洞66を有する。空洞66は、駆動輪62の回転軸AXに直交する方向に長い。質量体64は、空洞66に配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーナ本体と、
ホイールアセンブリと、を備え、
前記ホイールアセンブリは、
前記クリーナ本体に支持される支持アームと、
前記支持アームに回転可能に支持される駆動輪と、
前記支持アームを移動する質量体と、を有することを特徴とする、
ロボットクリーナ。
【請求項2】
前記質量体は、重力の作用により移動することを特徴とする、
請求項1に記載のロボットクリーナ。
【請求項3】
前記支持アームは、前記駆動輪が上下方向に移動するように回動し、
前記質量体は、前記駆動輪が下方に移動したときに前記駆動輪に接近し、前記駆動輪が上方に移動したときに前記駆動輪から離隔することを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載のロボットクリーナ。
【請求項4】
前記クリーナ本体は、吸込口を有する下部ハウジングを含み、
前記支持アームは、前記下部ハウジングの下面からの前記駆動輪の突出量が変化するように回動し、
前記駆動輪は、前記突出量が小さい収納位置と前記突出量が大きい突出位置とに移動することを特徴とする、
請求項3に記載のロボットクリーナ。
【請求項5】
前記ホイールアセンブリは、前記駆動輪が下方に移動するように前記支持アームを付勢する付勢部材を有することを特徴とする、
請求項3又は請求項4に記載のロボットクリーナ。
【請求項6】
前記駆動輪が下方に移動すると、前記付勢部材が前記駆動輪をクリーニング対象面に接触させる接触力が小さくなり、前記質量体が前記駆動輪をクリーニング対象面に接触させる接触力が大きくなることを特徴とする、
請求項5に記載のロボットクリーナ。
【請求項7】
前記支持アームは、空洞を有し、
前記質量体は、前記空洞に配置されることを特徴とする、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のロボットクリーナ。
【請求項8】
前記空洞は、前記駆動輪の回転軸に直交する方向に長いことを特徴とする、
請求項7に記載のロボットクリーナ。
【請求項9】
前記空洞は、前記駆動輪の回転軸に対して傾斜する方向に長いことを特徴とする、
請求項7に記載のロボットクリーナ。
【請求項10】
前記空洞は、前記質量体の可動範囲を規定する第1端部と第2端部とを含み、
前記第1端部と前記駆動輪の回転軸との距離は、前記第2端部と前記駆動輪の回転軸との距離よりも短く、
前記質量体が前記第1端部に移動すると前記質量体が前記駆動輪をクリーニング対象面に接触させる接触力が大きくなることを特徴とする、
請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のロボットクリーナ。
【請求項11】
前記質量体は、転動体を含むことを特徴とする、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のロボットクリーナ。
【請求項12】
前記質量体は、流動体を含むことを特徴とする、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のロボットクリーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、ロボットクリーナに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットクリーナに係る技術分野において、特許文献1に開示されているようなロボットクリーナが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロボットクリーナは、クリーニング対象面に接触する駆動輪を有する。ロボットクリーナは、クリーニング対象面を自力で走行しながらクリーニングする。駆動輪が所定の接触力でクリーニング対象面に接触し続けることにより、ロボットクリーナの走行安定性の低下が抑制される。例えば駆動輪がクリーニング対象面に存在する窪みに入り込んだとき又はクリーニング対象面に存在する段差を乗り上げるときにおいても、駆動輪とクリーニング対象面との接触力の低下が抑制されることが好ましい。
【0005】
本明細書で開示する技術は、ロボットクリーナの走行安定性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、ロボットクリーナを開示する。ロボットクリーナは、クリーナ本体と、ホイールアセンブリと、を備えてもよい。ホイールアセンブリは、クリーナ本体に支持される支持アームと、支持アームに回転可能に支持される駆動輪と、支持アームを移動する質量体と、を有してもよい。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、ロボットクリーナの走行安定性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るロボットクリーナを示す下方からの斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るロボットクリーナを示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るロボットクリーナを示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るホイールアセンブリを示す側面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るホイールアセンブリを示す側面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る突出量と接触力との関係を示す図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係るホイールアセンブリを示す側面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係るホイールアセンブリを示す側面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る突出量と接触力との関係を示す図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係るホイールアセンブリを示す側面図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係るホイールアセンブリを示す断面図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係るホイールアセンブリを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ロボットクリーナは、クリーナ本体と、ホイールアセンブリと、を備えてもよい。ホイールアセンブリは、クリーナ本体に支持される支持アームと、支持アームに回転可能に支持される駆動輪と、支持アームを移動する質量体と、を有してもよい。
【0010】
上記の構成では、支持アームを移動する質量体の位置により、駆動輪に作用するモーメントが変化する。例えばモーメントが大きくなるように質量体が移動すると、駆動輪をクリーニング対象面に押し付ける接触力が大きくなる。例えば駆動輪がクリーニング対象面に存在する窪みに入り込んだとき又はクリーニング対象面に存在する段差を乗り上げるとき、モーメントが大きくなるように質量体が移動することにより、駆動輪とクリーニング対象面との接触力の低下が抑制される。したがって、ロボットクリーナの走行安定性の低下が抑制される。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施形態において、質量体は、重力の作用により移動してもよい。
【0012】
上記の構成では、例えば質量体を移動させるためのアクチュエータを省略することができる。そのため、ホイールアセンブリの簡略化が図れる。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、支持アームは、駆動輪が上下方向に移動するように回動してもよい。質量体は、駆動輪が下方に移動したときに駆動輪に接近し、駆動輪が上方に移動したときに駆動輪から離隔してもよい。
【0014】
上記の構成では、支持アームがクリーナ本体に回動可能に支持される。支持アームの回動により、駆動輪が上下方向に移動する。駆動輪が下方に移動したときに質量体が駆動輪に接近することにより、駆動輪に作用するモーメントが大きくなる。駆動輪が上方に移動したときに質量体が駆動輪から離隔することにより、駆動輪に作用するモーメントが小さくなる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、クリーナ本体は、吸込口を有する下部ハウジングを含んでもよい。支持アームは、下部ハウジングの下面からの駆動輪の突出量が変化するように回動してもよい。駆動輪は、突出量が小さい収納位置と突出量が大きい突出位置とに移動してもよい。
【0016】
上記の構成では、例えば駆動輪が平坦なクリーニング対象面を走行するとき、駆動輪は、支持アームの回動により収納位置に配置される。例えば駆動輪がクリーニング対象面に存在する窪みに入り込んだとき又はクリーニング対象面に存在する段差を乗り上げるとき、駆動輪は、支持アームの回動により突出位置に配置される。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ホイールアセンブリは、駆動輪が下方に移動するように支持アームを付勢する付勢部材を有してもよい。
【0018】
上記の構成では、付勢部材が発生する付勢力により、駆動輪はクリーニング対象面に押し付けられる。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、駆動輪が下方に移動すると、付勢部材が駆動輪をクリーニング対象面に接触させる接触力が小さくなり、質量体が駆動輪をクリーニング対象面に接触させる接触力が大きくなってもよい。
【0020】
上記の構成では、駆動輪が突出位置に配置されるように下方に移動した場合、付勢部材による接触力が低下しても、接触力の低下を質量体が補うことができる。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、支持アームは、空洞を有してもよい。質量体は、空洞に配置されてもよい。
【0022】
上記の構成では、質量体は、支持アームの内部を移動することができる。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、空洞は、駆動輪の回転軸に直交する方向に長くてもよい。
【0024】
上記の構成では、質量体の移動により、駆動輪に作用するモーメントを効率良く変化させることができる。
【0025】
1つ又はそれ以上の実施形態において、空洞は、駆動輪の回転軸に対して傾斜する方向に長くてもよい。
【0026】
上記の構成では、質量体は、駆動輪の回転軸に対して傾斜する方向に移動することができる。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施形態において、空洞は、質量体の可動範囲を規定する第1端部と第2端部とを含んでもよい。第1端部と駆動輪の回転軸との距離は、第2端部と駆動輪の回転軸との距離よりも短くてもよい。質量体が第1端部に移動すると質量体が駆動輪をクリーニング対象面に接触させる接触力が大きくなってもよい。
【0028】
上記の構成では、質量体は、空洞の第1端部と第2端部との間を移動することができる。質量体が第1端部に移動することにより、駆動輪に作用するモーメントが大きくなる。質量体が第2端部に移動することにより、駆動輪に作用するモーメントが小さくなる。
【0029】
1つ又はそれ以上の実施形態において、質量体は、転動体を含んでもよい。
【0030】
上記の構成では、質量体は、支持アームを転がるように移動することができる。また、質量体の移動により、駆動輪に作用するモーメントがステップ的に変化する。
【0031】
1つ又はそれ以上の実施形態において、質量体は、流動体を含んでもよい。
【0032】
上記の構成では、質量体の移動により、駆動輪に作用するモーメントが単調増加又は単調減少する。
【0033】
以下、実施形態について説明する。実施形態においては、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、ロボットクリーナ1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0034】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るロボットクリーナ1を示す下方からの斜視図である。
図2は、本実施形態に係るロボットクリーナ1を示す側面図である。
図3は、本実施形態に係るロボットクリーナ1を示すブロック図である。
【0035】
ロボットクリーナ1は、クリーニング対象面FLを自力で走行しながらクリーニングする。ロボットクリーナ1は、クリーナ本体2と、バッテリ装着部3と、コントローラ4と、吸引ユニット5と、ホイールアセンブリ6と、後補助輪8と、前補助輪9とを備える。
【0036】
クリーナ本体2は、ハウジング20を含む。ハウジング20は、上部ハウジング21と、下部ハウジング22とを含む。下部ハウジング22は、上部ハウジング21の下部に接続される。下部ハウジング22の下面23は、クリーニング対象面FLに対向する。下部ハウジング22は、吸込口24を有する。吸込口24は、クリーニング対象面FLに対向する。吸込口24は、クリーニング対象面FLの塵埃を吸い込む。
【0037】
メインブラシ25が吸込口24に配置される。メインブラシ25の回転により、クリーニング対象面FLの塵埃が吸込口24に回収される。サイドブラシ26が下部ハウジング22の前部に配置される。サイドブラシ26の回転により、クリーニング対象面FLの塵埃が吸込口24に集められる。
【0038】
バッテリ装着部3は、上部ハウジング21の後部に配置される。バッテリ装着部3にバッテリパック7が装着される。バッテリパック7は、ロボットクリーナ1の電源として機能する。
【0039】
コントローラ4は、ロボットクリーナ1に搭載されている電子機器を制御する。コントローラ4は、ハウジング20に収容される。
【0040】
吸引ユニット5は、吸込口24に吸引力を発生させる。吸引ユニット5は、ハウジング20に収容される。吸引ユニット5は、吸引モータ51と、吸引ファン52とを有する。吸引モータ51は、吸引ファン52を回転させる動力を発生する。吸引ファン52が回転することにより、吸込口24に吸引力が発生する。
【0041】
ホイールアセンブリ6は、クリーナ本体2を支持する。ホイールアセンブリ6は、2つ設けられる。一方のホイールアセンブリ6は、クリーナ本体2の左部に設けられる。他方のホイールアセンブリ6は、クリーナ本体2の右部に設けられる。ホイールアセンブリ6は、走行モータ61と、駆動輪62とを有する。
【0042】
走行モータ61は、駆動輪62を回転させる動力を発生する。駆動輪62が回転することにより、ロボットクリーナ1が走行する。駆動輪62は、クリーニング対象面FLに接触する。駆動輪62の少なくとも一部は、下部ハウジング22の下面23から下方に突出する。
【0043】
後補助輪8及び前補助輪9のそれぞれは、下部ハウジング22に設けられる。後補助輪8及び前補助輪9のそれぞれは、クリーナ本体2を支持する。後補助輪8は、下部ハウジング22の後部に2つ設けられる。前補助輪9は、下部ハウジング22の前部に1つ設けられる。
【0044】
図4は、本実施形態に係るホイールアセンブリ6を示す側面図である。
図4に示すように、ホイールアセンブリ6は、駆動輪62と、支持アーム63と、質量体64と、付勢部材65とを有する。
【0045】
クリーナ本体2は、支持ブラケット27及び支持ブラケット28を含む。支持ブラケット27及び支持ブラケット28のそれぞれは、ハウジング20の内部に配置される。支持ブラケット27は、上部ハウジング21及び下部ハウジング22の少なくとも一方に固定される。支持ブラケット28は、上部ハウジング21及び下部ハウジング22の少なくとも一方に固定される。支持ブラケット27と支持ブラケット28との相対位置は変化しない。なお、支持ブラケット27と支持ブラケット28とが一体でもよい。なお、支持ブラケット27と支持ブラケット28とハウジング20とが一体でもよい。ホイールアセンブリ6は、支持ブラケット27及び支持ブラケット28の少なくとも一方に支持される。
【0046】
駆動輪62は、支持アーム63に回転可能に支持される。駆動輪62は、回転軸AXを中心に回転する。
【0047】
支持アーム63は、支持ブラケット27に回動可能に支持される。支持アーム63は、回動軸BXを中心に回動する。
【0048】
駆動輪62の回転軸AXは、左右方向に延伸する。支持アーム63の回動軸BXは、左右方向に延伸する。駆動輪62の回転軸AXと支持アーム63の回動軸BXとは平行である。
【0049】
支持アーム63は、駆動輪62の少なくとも一部が下部ハウジング22の下面23よりも下方に配置されるように駆動輪62を支持する。支持アーム63は、駆動輪62が上下方向に移動するように回動する。支持アーム63は、下部ハウジング22の下面23からの駆動輪62の突出量Tが変化するように回動する。突出量Tとは、下部ハウジング22の下面23から下方に突出した駆動輪62の突出量をいう。
【0050】
駆動輪62は、支持アーム63の回動により、突出量Tが小さい収納位置と突出量Tが大きい突出位置とに移動する。下面23を基準とした場合、突出位置は収納位置よりも下方に規定される。
図4は、駆動輪62が収納位置に配置されている状態を示す。
【0051】
質量体64は、支持アーム63を移動する。質量体64は、支持アーム63に移動可能に支持される。質量体64は、駆動輪62の回転軸AXとの距離が変化するように移動する。質量体64は、駆動輪62の回転軸AXに接近するように移動することができる。質量体64は、駆動輪62の回転軸AXから離隔するように移動することができる。質量体64は、駆動輪62の回転軸AXに接近した場合、支持アーム63の回動軸BXから離隔する。質量体64は、駆動輪62の回転軸AXから離隔した場合、支持アーム63の回動軸BXに接近する。
【0052】
支持アーム63は、空洞66を有する。空洞66は、支持アーム63の内部に設けられる。空洞66は、駆動輪62の回転軸AXに直交する方向に長い。質量体64は、空洞66に配置される。質量体64は、空洞66の内側で回転軸AXに直交する方向に移動することができる。空洞66により、質量体64の可動範囲が規定される。空洞66は、質量体64の可動範囲を規定する第1端部66Aと第2端部66Bとを有する。第1端部66Aと駆動輪62の回転軸AXとの距離は、第2端部66Bと駆動輪62の回転軸AXとの距離よりも短い。質量体64は、第1端部66Aと第2端部66Bとの間を回転軸AXに直交する方向に移動することができる。質量体64が第1端部66Aに配置されると、質量体64と駆動輪62の回転軸AXとの距離が短くなり、質量体64と支持アーム63の回動軸BXとの距離が長くなる。質量体64が第2端部66Bに配置されると、質量体64と駆動輪62の回転軸AXとの距離が長くなり、質量体64と支持アーム63の回動軸BXとの距離が短くなる。
【0053】
本実施形態において、質量体64は、転動体である。質量体64として、金属製のボールが例示される。質量体64は、空洞66の内側を転がることができる。質量体64は、空洞66の内側で滑らかに移動することができる。
【0054】
本実施形態において、質量体64は、重力の作用により移動する。
【0055】
付勢部材65は、駆動輪62が下方に移動するように支持アーム63を付勢する。付勢部材65は、駆動輪62がクリーニング対象面FLに押し付けられるように支持アーム63を付勢する。付勢部材65として、コイルばねが例示される。付勢部材65の一端部は、クリーナ本体2の支持ブラケット28に接続される。付勢部材65の他端部は、支持アーム63の端部に接続される。
【0056】
図5は、本実施形態に係るホイールアセンブリ6を示す側面図である。
図5は、駆動輪62が突出位置に配置されている状態を示す。
【0057】
例えば駆動輪62が平坦なクリーニング対象面FLを走行するとき、
図4に示したように、駆動輪62は、支持アーム63の回動により収納位置に配置される。例えば駆動輪62がクリーニング対象面FLに存在する窪みに入り込んだとき又はクリーニング対象面FLに存在する段差を乗り上げるとき、
図5に示すように、駆動輪62は、支持アーム63の回動により突出位置に配置される。駆動輪62が突出位置に配置されると、下面23からの駆動輪62の突出量Tが大きくなる。
【0058】
図4に示したように、質量体64は、支持アーム63の回動により駆動輪62が上方に移動して収納位置に配置されたときに、重力の作用により駆動輪62の回転軸AXから離隔するように移動する。すなわち、駆動輪62が収納位置に配置されるように支持アーム63が回動したときに、第2端部66Bが第1端部66Aよりも低い位置に配置され、質量体64は、重力の作用により空洞66の第2端部66Bに移動する。
【0059】
図5に示すように、質量体64は、支持アーム63の回動により駆動輪62が下方に移動して突出位置に配置されたときに、重力の作用により駆動輪62の回転軸AXに接近するように移動する。すなわち、駆動輪62が突出位置に配置されるように支持アーム63が回動したときに、第1端部66Aが第2端部66Bよりも低い位置に配置され、質量体64は、重力の作用により空洞66の第1端部66Aに移動する。
【0060】
駆動輪62が収納位置から突出位置に移動したときに、質量体64が支持アーム63の回動軸BXから離隔して駆動輪62の回転軸AXに接近することにより、駆動輪62を下方に移動させるモーメントが大きくなる。駆動輪62は、質量体64の重量によりクリーニング対象面FLに押し付けられ、駆動輪62とクリーニング対象面FLとの接触力Fが大きくなる。接触力Fとは、駆動輪62をクリーニング対象面FLに押し付ける力をいう。
【0061】
本実施形態においては、駆動輪62が収納位置から突出位置に移動して、質量体64が重力の作用により空洞66の第2端部66Bから第1端部66Aに移動すると、質量体64が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが大きくなる。
【0062】
図6は、本実施形態に係る突出量Tと接触力Fとの関係を示す図である。
図6において、横軸は突出量Tを示し、縦軸は接触力Fを示す。ラインLaは、
図4及び
図5を参照して説明したような、ホイールアセンブリ6が質量体64及び付勢部材65の両方を有する場合の突出量Tと接触力Fとの関係を示す。ラインLb及びラインLcは、比較例に係る突出量Tと接触力Fとの関係を示す。ラインLbは、ホイールアセンブリ6が付勢部材65を有し質量体64を有していない場合の突出量Tと接触力Fとの関係を示す。ラインLcは、ホイールアセンブリ6が質量体64を有し付勢部材65を有していない場合の突出量Tと接触力Fとの関係を示す。
【0063】
ラインLbに示すように、ホイールアセンブリ6が付勢部材65を有する場合、突出量Tが大きくなるほど付勢部材65による接触力Fが小さくなる。すなわち、突出量Tが大きくなるように駆動輪62が下方に移動すると、付勢部材65が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが徐々に小さくなる。
【0064】
ラインLcに示すように、ホイールアセンブリ6が質量体64を有する場合、突出量Tが突出量Ts未満においては、質量体64が第2端部66Bに配置される。突出量Tが突出量Ts以上になると、質量体64が駆動輪62の回転軸AXに接近するように移動して第1端部66Aに配置される。質量体64が第2端部66Bから第1端部66Aに移動すると、質量体64による接触力Fがステップ的に大きくなる。すなわち、突出量Tが大きくなるように駆動輪62が下方に移動すると、質量体64が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fがステップ的に大きくなる。
【0065】
ラインLaに示すように、ホイールアセンブリ6が質量体64及び付勢部材65の両方を有する場合、突出量Tが大きくなるように駆動輪62が下方に移動すると、付勢部材65が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが小さくなり、質量体64が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが大きくなる。本実施形態においては、突出量Tが突出量Ts以上になると、質量体64による接触力Fと付勢部材65による接触力Fとの和が駆動輪62とクリーニング対象面FLとの間に作用する。そのため、例えば駆動輪62がクリーニング対象面FLに存在する窪みに入り込んだとき又はクリーニング対象面FLに存在する段差を乗り上げるときに、駆動輪62の突出量Tが大きくなっても、駆動輪62とクリーニング対象面FLとの接触力Fの低下が抑制される。接触力Fの低下が抑制されるので、クリーニング対象面FLに対する駆動輪62のグリップ力の低下が抑制される。そのため、ロボットクリーナ1の走行安定性の低下が抑制される。
【0066】
以上説明したように、本実施形態において、ロボットクリーナ1は、クリーナ本体2と、ホイールアセンブリ6と、を備える。ホイールアセンブリ6は、クリーナ本体2に支持される支持アーム63と、支持アーム63に回転可能に支持される駆動輪62と、支持アーム63を移動する質量体64と、を有する。
【0067】
上記の構成では、支持アーム63を移動する質量体64の位置により、駆動輪62に作用するモーメントが変化する。例えばモーメントが大きくなるように質量体64が移動すると、駆動輪62をクリーニング対象面FLに押し付ける接触力Fが大きくなる。例えば駆動輪62がクリーニング対象面FLに存在する窪みに入り込んだとき又はクリーニング対象面FLに存在する段差を乗り上げるとき、モーメントが大きくなるように質量体64が移動することにより、駆動輪62とクリーニング対象面FLとの接触力Fの低下が抑制される。したがって、ロボットクリーナ1の走行安定性の低下が抑制される。
【0068】
本実施形態において、質量体64は、重力の作用により移動する。
【0069】
上記の構成では、例えば質量体64を移動させるためのアクチュエータを省略することができる。そのため、ホイールアセンブリ6の簡略化が図れる。
【0070】
本実施形態において、支持アーム63は、駆動輪62が上下方向に移動するように回動する。質量体64は、駆動輪62が下方に移動したときに駆動輪62に接近し、駆動輪62が上方に移動したときに駆動輪62から離隔する。
【0071】
上記の構成では、支持アーム63がクリーナ本体2に回動可能に支持される。支持アーム63の回動により、駆動輪62が上下方向に移動する。駆動輪62が下方に移動したときに質量体64が駆動輪62に接近することにより、駆動輪62に作用するモーメントが大きくなる。駆動輪62が上方に移動したときに質量体64が駆動輪62から離隔することにより、駆動輪62に作用するモーメントが小さくなる。
【0072】
本実施形態において、クリーナ本体2は、吸込口24を有する下部ハウジング22を含む。支持アーム63は、下部ハウジング22の下面23からの駆動輪62の突出量Tが変化するように回動する。駆動輪62は、突出量Tが小さい収納位置と突出量Tが大きい突出位置とに移動する。
【0073】
上記の構成では、例えば駆動輪62が平坦なクリーニング対象面FLを走行するとき、駆動輪62は、支持アーム63の回動により収納位置に配置される。例えば駆動輪62がクリーニング対象面FLに存在する窪みに入り込んだとき又はクリーニング対象面FLに存在する段差を乗り上げるとき、駆動輪62は、支持アーム63の回動により突出位置に配置される。
【0074】
本実施形態において、ホイールアセンブリ6は、駆動輪62が下方に移動するように支持アーム63を付勢する付勢部材65を有する。
【0075】
上記の構成では、付勢部材65が発生する付勢力により、駆動輪62はクリーニング対象面FLに押し付けられる。
【0076】
本実施形態において、駆動輪62が下方に移動すると、付勢部材65が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが小さくなり、質量体64が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが大きくなる。
【0077】
上記の構成では、駆動輪62が突出位置に配置されるように下方に移動した場合、付勢部材65による接触力が低下しても、接触力の低下を質量体64が補うことができる。
【0078】
本実施形態において、支持アーム63は、空洞66を有する。質量体64は、空洞66に配置される。
【0079】
上記の構成では、質量体64は、支持アーム63の内部を移動することができる。
【0080】
本実施形態において、空洞66は、駆動輪62の回転軸AXに直交する方向に長い。
【0081】
上記の構成では、質量体64の移動により、駆動輪62に作用するモーメントを効率良く変化させることができる。
【0082】
本実施形態において、空洞66は、質量体64の可動範囲を規定する第1端部66Aと第2端部66Bとを含む。第1端部66Aと駆動輪62の回転軸AXとの距離は、第2端部66Bと駆動輪62の回転軸AXとの距離よりも短い。質量体64が第1端部66Aに移動すると質量体64が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが大きくなる。
【0083】
上記の構成では、質量体64は、空洞66の第1端部66Aと第2端部66Bとの間を移動することができる。質量体64が第1端部66Aに移動することにより、駆動輪62に作用するモーメントが大きくなる。質量体64が第2端部66Bに移動することにより、駆動輪62に作用するモーメントが小さくなる。
【0084】
本実施形態において、質量体64は、転動体を含む。
【0085】
上記の構成では、質量体64は、支持アーム63を転がるように移動することができる。また、質量体64の移動により、駆動輪62に作用するモーメントがステップ的に変化する。
【0086】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0087】
図7及び
図8のそれぞれは、本実施形態に係るホイールアセンブリ600を示す側面図である。本実施形態において、質量体640は、流動体である。流動体として、液体が例示される。また、流動体として、複数の微粒子が例示される。微粒子として、砂が例示される。
【0088】
図9は、本実施形態に係る突出量Tと接触力Fとの関係を示す図である。
図9において、横軸は突出量Tを示し、縦軸は接触力Fを示す。ラインLdは、
図7及び
図8を参照して説明したような、ホイールアセンブリ600が質量体640及び付勢部材65の両方を有する場合の突出量Tと接触力Fとの関係を示す。ラインLe及びラインLfは、比較例に係る突出量Tと接触力Fとの関係を示す。ラインLeは、ホイールアセンブリ600が付勢部材65を有し質量体640を有していない場合の突出量Tと接触力Fとの関係を示す。ラインLfは、ホイールアセンブリ600が質量体640を有し付勢部材65を有していない場合の突出量Tと接触力Fとの関係を示す。
【0089】
ラインLeに示すように、ホイールアセンブリ600が付勢部材65を有する場合、突出量Tが大きくなるように駆動輪62が下方に移動すると、付勢部材65が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが徐々に小さくなる。
【0090】
ラインLfに示すように、ホイールアセンブリ600が質量体640を有する場合、突出量Tが大きくなるように駆動輪62が下方に移動すると、質量体640が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが徐々に大きくなる。
【0091】
ラインLdに示すように、ホイールアセンブリ600が質量体640及び付勢部材65の両方を有する場合、突出量Tが大きくなるように駆動輪62が下方に移動すると、付勢部材65が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが小さくなり、質量体640が駆動輪62をクリーニング対象面FLに接触させる接触力Fが大きくなる。本実施形態においては、突出量Tが大きくなるほど、質量体640による接触力Fと付勢部材65による接触力Fとの和が徐々に大きくなる。そのため、例えば駆動輪62がクリーニング対象面FLに存在する窪みに入り込んだとき又はクリーニング対象面FLに存在する段差を乗り上げるときに、駆動輪62の突出量Tが大きくなっても、駆動輪62とクリーニング対象面FLとの接触力Fの低下が抑制される。接触力Fの低下が抑制されるので、クリーニング対象面FLに対する駆動輪62のグリップ力の低下が抑制される。そのため、ロボットクリーナ1の走行安定性の低下が抑制される。
【0092】
以上説明したように、本実施形態において、質量体640は、流動体を含む。
【0093】
上記の構成では、質量体640の移動により、駆動輪62に作用するモーメントが単調増加又は単調減少する。
【0094】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0095】
図10は、本実施形態に係るホイールアセンブリ601を示す側面図である。
図11は、本実施形態に係るホイールアセンブリ601を示す断面図である。
図12は、本実施形態に係るホイールアセンブリ601を示す側面図である。
図10、
図11、及び
図12は、クリーナ本体2の右部に設けられたホイールアセンブリ601を示す。
図11において、左側はクリーナ本体2の内側(中央側)に相当し、右側はクリーナ本体2の外側に相当する。
【0096】
また、
図10及び
図11は、駆動輪62が収納位置に配置されている状態を示す。
図12は、駆動輪62が突出位置に配置されている状態を示す。
【0097】
図10、
図11、及び
図12に示すように、ホイールアセンブリ601は、クリーナ本体2の支持ブラケット270に回動可能に支持される支持アーム630と、支持アーム630に回転可能に支持される駆動輪620と、支持アーム630を移動する質量体641とを有する。支持アーム630は、回動軸BXを中心に回動する。駆動輪620は、回転軸AXを中心に回転する。駆動輪620の回転軸AXと支持アーム630の回動軸BXとは平行である。
【0098】
支持アーム630の内部に空洞660が設けられる。質量体641は、空洞660に配置される。本実施形態において、質量体641は、転動体である。転動体として、金属製のボールが例示される。質量体641は、空洞660の内側で移動することができる。
【0099】
質量体641は、重力の作用により支持アーム630の空洞660を移動する。
図12に示すように、質量体641は、駆動輪620が下方に移動するように支持アーム630が回動したときに、駆動輪620の回転軸AXに接近する。
図10に示すように、質量体641は、駆動輪620が上方に移動するように支持アーム630が回動したときに、駆動輪620の回転軸AXから離隔する。
【0100】
空洞660は、質量体641の可動範囲を規定する第1端部660Aと第2端部660Bとを有する。第1端部660Aと駆動輪620の回転軸AXとの距離は、第2端部660Bと駆動輪62の回転軸AXとの距離よりも短い。質量体641は、第1端部660Aと第2端部660Bとの間を移動する。質量体641が第1端部660Aに移動すると、質量体641が駆動輪620をクリーニング対象面FLに接触させる接触力FLが大きくなる。
【0101】
図11に示すように、本実施形態において、空洞660は、駆動輪620の回転軸AXに対して傾斜する方向に長い。第1端部660Aは、第2端部660Bよりもクリーナ本体2の外側に配置される。
【0102】
なお、本実施形態において、ホイールアセンブリ601は、付勢部材65を有しない。なお、上述の実施形態と同様、ホイールアセンブリ601は、駆動輪620が下方に移動するように支持アーム630を付勢する付勢部材65を有してもよい。
【0103】
以上説明したように、本実施形態において、空洞660は、駆動輪620の回転軸AXに対して傾斜する方向に長い。
【0104】
上記の構成では、質量体641は、駆動輪620の回転軸AXに対して傾斜する方向に移動することができる。
【0105】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、質量体(64等)は、重力の作用により支持アーム(63等)を移動することとした。質量体は、アクチュエータが発生する動力により移動してもよい。例えば、支持アームの回動角度又は突出量Tを検出するセンサが設けられ、センサの検出データに基づいて、アクチュエータが質量体を移動してもよい。コントローラ4は、センサにより検出された突出量Tに基づいて、駆動輪(62等)が収納位置に移動したと判定した場合、質量体が駆動輪から離隔するようにアクチュエータを制御することができる。コントローラ4は、センサにより検出された突出量Tに基づいて、駆動輪(62等)が突出位置に移動したと判定した場合、質量体が駆動輪に接近するようにアクチュエータを制御することができる。
【0106】
上述の実施形態において、支持アーム(63等)は支持ブラケット(27等)に回動可能に支持されることとした。支持アームは、回動しなくてもよい。支持アームが回動しなくても、支持アームを移動する質量体(64等)の位置により、駆動輪(62等)をクリーニング対象面FLに押し付ける接触力Fが変化する。
【符号の説明】
【0107】
1…ロボットクリーナ、2…クリーナ本体、3…バッテリ装着部、4…コントローラ、5…吸引ユニット、6…ホイールアセンブリ、7…バッテリパック、8…後補助輪、9…前補助輪、20…ハウジング、21…上部ハウジング、22…下部ハウジング、23…下面、24…吸込口、25…メインブラシ、26…サイドブラシ、27…支持ブラケット、28…支持ブラケット、51…吸引モータ、52…吸引ファン、61…走行モータ、62…駆動輪、63…支持アーム、64…質量体、65…付勢部材、66…空洞、66A…第1端部、66B…第2端部、270…支持ブラケット、600…ホイールアセンブリ、601…ホイールアセンブリ、620…駆動輪、630…支持アーム、640…質量体、641…質量体、660…空洞、660A…第1端部、660B…第2端部、AX…回転軸、BX…回動軸、La…ライン、Lb…ライン、Lc…ライン、Ld…ライン、Le…ライン、Lf…ライン、F…接触力、FL…クリーニング対象面、T…突出量、Ts…突出量。