(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147437
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】探知方向調整装置及び水中探知システム
(51)【国際特許分類】
G01S 15/96 20060101AFI20220929BHJP
G01S 7/521 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G01S15/96
G01S7/521 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048676
(22)【出願日】2021-03-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】521010838
【氏名又は名称】株式会社アースワン
(74)【代理人】
【識別番号】100165135
【弁理士】
【氏名又は名称】百武 幸子
(74)【代理人】
【識別番号】100173646
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 桂子
(72)【発明者】
【氏名】安斎 英之
【テーマコード(参考)】
5J083
【Fターム(参考)】
5J083AA02
5J083AB01
5J083AC25
5J083AD01
5J083AD04
5J083AE04
5J083AE06
5J083AF15
5J083AG07
5J083CA41
(57)【要約】
【課題】水中探査装置の探知方向を自動で変更し、潮流や水流、波、風向きなどの影響で船舶の向きや位置が変動した場合でも、対象物を探知し続けることが可能な探知方向調整装置及び水中探知システムを提供する。
【解決手段】水中探知装置の送受波部を構成する超音波センサ1が固定される回転軸11と、回転軸11を回転させるモータ13と、水中探知装置が設置されている船舶の加速度と角速度を検出する加速度角速度センサ14と、加速度角速度センサ14により検出された加速度及び角速度に基づきモータ13の駆動を制御する制御部15とを少なくとも備える探知方向調整装置10により、水中探知装置の探知方向を調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶に設置された水中探知装置の探知方向を調整する装置であって、
前記水中探知装置の送受波部を構成する超音波センサが固定される回転軸と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記船舶の加速度及び角速度を検出する加速度角速度センサと、
前記加速度角速度センサにより検出された加速度・角速度データに基づき前記モータの駆動を制御する制御部と、
を備える探知方向調整装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記超音波センサにより探知される場所が固定されるよう前記モータの駆動を制御する請求項1に記載の探知方向調整装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記モータの駆動制御の基準点となる初期位置を設定し、前記加速度角速度センサによって検出された加速度・角速度データより前記初期位置から移動した方向及び距離を算出し、その結果に基づき前記モータの駆動を制御して前記回転軸に固定されている前記超音波センサの向きを調整する請求項2に記載の探知方向調整装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の探知方向調整装置と、
超音波センサを備え、前記探知方向調整装置の回転軸に取り付けられる送受波器と、
前記送受波器と有線又は無線で接続され、前記送受波器を操作するための操作器と
を少なくとも有し、
超音波を用いて水中の対象物を探知する水中探知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を用いて水中の対象物を探知する水中探知システムに用いられる探知方向調整装置及びそれを用いた水中探知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、魚群探知機などの水中探知装置は、船舶に取り付けられた振動子から海底に向けて超音波を発信し、水中で魚や魚群、人工魚礁などの構造物、岩礁などの海底地形によって反射された反射波を振動子により受信して、その受信信号を解析することによって対象物を探知する構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。そして、例えば特許文献1に記載の魚群探知装置では、受信信号に基づいて水底認識処理と魚群認識処理を行い、魚群と認識された位置の水底からの距離を算出し、受信信号に基づいて形成された探知画像中に表示している。
【0003】
また、従来、水中における対象物の3次元的な位置を推定して表示する水中探知装置や、更新周期を短くして、リアルタイムで水中の画像を表示できるようにした水中探知装置も提案されている(例えば、特許文献2,3参照。)。これら従来の水中探知装置の探知範囲は、船舶の下方を探知するタイプのものが30°前後、3次元情報を表示するタイプのものは、前方と下方で約110°、左右方向に15~30°程度となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-176757号公報
【特許文献2】特開2020-190451号公報
【特許文献3】特開2021-001737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
魚群探知機は、主に海洋で漁を行う漁船や釣り船に搭載され、利用されているが、近年、河川や湖沼などにおいて、趣味或いは競技で行う船釣りにも利用され始めている。その結果、河川や湖沼などで行われる小型船舶によるボートフィッシングの方法も、従来の水面を見て釣るスタイルから、投げたルアーと対象魚の姿を魚群探知機の画面で確認しながら釣るというスタイルに変わってきている。
【0006】
しかしながら、前述したように従来の水中探査装置は、左右方向の探知幅が15~30°と狭く、停船して漁や釣りをしている間に潮や水の流れ、波、風向きなどによって船舶の向きや位置が変動すると、船舶に取り付けられている水中探知装置の振動子の向きが変わり、対象物を探知できなくなるという問題点がある。この問題点を解決する方法としては、振動子の向きを手動で変更する方法や、エレキモータや舵を操作して船の向きを一定に保つ方法があるが、いずれの方法も釣りをしながら行うことは難しく、釣りに集中することができないという課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、水中探査装置の探知方向を自動で変更し、潮流や水流、波、風向きなどの影響で船舶の向きや位置が変動した場合でも、対象物を探知し続けることが可能な探知方向調整装置及び水中探知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る探知方向調整装置は、船舶に設置された水中探知装置の探知方向を調整す
る装置であって、前記水中探知装置の送受波部を構成する超音波センサが固定される回転軸と、前記回転軸を回転させるモータと、前記船舶の加速度及び角速度を検出する加速度角速度センサと、前記加速度角速度センサにより検出された加速度・角速度データに基づき前記モータの駆動を制御する制御部とを備える。
本発明の探知方向調整装置では、例えば、前記制御部において前記超音波センサが探知する場所が固定されるよう前記モータの駆動を制御する。
その際、前記制御部は、前記モータの駆動制御の基準点となる初期位置を設定し、前記加速度角速度センサによって検出された加速度・角速度データより前記初期位置から移動した方向及び距離を算出し、その結果に基づき前記モータの駆動を制御して前記回転軸に固定されている前記超音波センサの向きを調整してもよい。
【0009】
本発明に係る水中探知システムは、前述した探知方向調整装置と、超音波センサを備え前記探知方向調整装置の回転軸に取り付けられる送受波器と、前記受送信器と有線又は無線で接続され前記送受信器を操作するための操作器とを少なくとも有し、超音波を用いて水中の対象物を探知するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、船舶の移動方向・移動距離に応じて超音波センサの向きを自動で変更するため、潮流や水流、波、風向きなどの影響で船舶の向きや位置が変動した場合でも、漁や釣りを中断することなく、対象物を探知し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態の探知方向調整装置の構成を模式的に示す図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態の水中探知システムの構成を模式的に示す図である。
【
図3】A,Bは
図2に示す水中探知システム20により水中の対象物を探知する方法を示す模式図であり、Aは上面図、Bは側面図である。
【
図4】A,Bは船舶が回転したときの探知方向を示す図であり、Aは探知方向の調整しなかった場合を示し、Bは探知方向調整装置10により水中探査装置2の探知方向を調整した場合を示す。
【
図5】A,Bは船舶が横移動したときの探知方向を示す図であり、Aは探知方向の調整しなかった場合を示し、Bは探知方向調整装置10により水中探査装置2の探知方向を調整した場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0013】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る探知方向調整装置について説明する。
図1は本実施形態の探知方向調整装置の構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態の探知方向調整装置10は、例えば船舶の船首や船尾に設置され、水中探知装置(図示せず)により探知する方向を調整するものであり、回転軸11と、モータ13により回転軸11を回転させる回転駆動機構17と、加速度角速度センサ14と、モータ13を制御する制御部15などを備える。
【0014】
[回転軸11]
回転軸11は、例えばアルミニウム合金などの金属材料又は炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)などの強化プラスチックからなる棒状部材であ
り、モータ13により右方向又は左方向に任意の角度で回転可能となっている。この回転軸11には、水中探知装置の送受波部を構成する超音波センサ1が固定される。超音波センサ1の固定位置は、特に限定されるものではなく、探知方向調整装置10を船舶の所定位置に設置したときに超音波センサ1が水中に浸漬されるよう、回転軸11の長さや探知方向調整装置10の設置場所から水面までの距離などに応じて適宜設定すればよい。
【0015】
なお、回転軸11の超音波センサ1が固定されない部分には、筒状部材12が設けられていてもよい。また、回転軸11に取り付けられる超音波センサ1は、超音波を発信し、物体からの反射波を受信するものであればよく、例えばモールド型振動子などを用いることができる。
【0016】
[回転駆動機構17]
回転駆動機構17は、回転軸11を回転させるものであり、モータ13と、モータ13の回転を回転軸11に伝えるための機構を備える。モータ13には、例えばサーボモータやステッピングモータなどを用いることができる。また、モータ13の回転を回転軸11に伝える機構には、例えば、軸継手を用いる構成、プーリー又はギアとベルトを用いる構成などを適用することができるが、これらに限定されるものではなく、モータ13によって回転軸11を任意の方向に回転させることができる構成であればよい。なお、
図1には回転駆動機構17が装置本体16の筐体内に設けられている例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部又は全部の構成が筐体の外に設けられていてもよい。
【0017】
[加速度角速度センサ14]
加速度角速度センサ14は、x軸方向、y軸方向、z軸方向の加速度を検出する3軸加速度センサと、各軸における角速度を検出するジャイロセンサが一体化されたものであり、本実施形態の探知方向調整装置10が設置される船舶の加速度及び角速度を検出する。加速度角速度センサ14は、制御部15に接続されており、加速度角速度センサ14で検出された加速度・角速度データは、制御部15に送信される。この加速度角速度センサ14は、例えば装置本体16の筐体内に設けられている。
【0018】
船舶の変動が回転だけであれば、通常のジャイロセンサでも検出することができるが、ジャイロセンサでは位置変動を検出することができないため、船舶の位置も変動している場合は、超音波センサ1の探知方向にずれが生じる。特に、船舶の回転はなく、位置のみが横に移動したような場合は、ジャイロセンサだけでは船舶の移動を検出することができない。
【0019】
これに対して、本実施形態の探知方向調整装置10では、6軸の加速度角速度センサ14を用いているため、漁や釣りのために停船している間の船舶の向きや位置の変動を確実に検出することができる。なお、加速度角速度センサ14に用いられる素子は、加速度センサと角速度センサ(ジャイロセンサ)が1つのチップに設けられているものに限定されず、同一基板上に加速度センサチップと角速度センサ(ジャイロセンサ)チップが実装されているものでもよい。
【0020】
[制御部15]
制御部15は、加速度角速度センサ14により検出された加速度・角速度データに基づきモータ13の駆動を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やメモ
リなどを備えるマイクロコントローラやマイクロプロセッサで構成されている。
【0021】
制御部15は、例えば船が回転や移動をしても超音波センサ1が同じ位置を探知し続けるよう、モータ13の駆動を制御して回転軸11を回転させる。具体的には、魚や魚群な
どの対象物を発見した場合は、その位置をモータ13の駆動制御の基準点となる初期位置(変動前の位置)として設定する。次に、加速度角速度センサ14によって検出された加速度・角速度データから船舶の移動や回転を検知し、初期位置から移動した方向及び距離を算出する。そして、その結果に基づきモータ13を駆動させて回転軸11を回転させ、超音波センサ1が初期位置で探知していたエリアの方向を向くように調整する。
【0022】
回転軸11の回転制御は、例えば、加速度・角速度データを、制御部15のマイクロプロセッサなどで三角法などを用いて処理し、生成したPWN信号などによってモータ13を所定方向に所定角度回転させる。また、制御部15は、モータ13からの信号を受信して現在の角度を把握し、その位置からずれないようモータ13を制御する。
【0023】
[その他の構成]
本実施形態の探知方向調整装置10の装置本体16には、モータ13、加速度角速度センサ14及び制御部15などに電力を供給する電源(図示せず)、加速度角速度センサ14のON/OFFを行うスイッチ(図示せず)、探知方向調整装置10のON/OFFを行うスイッチ(図示せず)、基準点(初期位置)の設定やモータ13を手動で動作させるための操作ボタン、現在探知している方向を示す方向表示部18などが設けられていてもよい。なお、各種スイッチや操作ボタンは、装置本体16と有線又は無線で接続された操作器(図示)に設けられていてもよい。
【0024】
[動作]
次に、前述した探知方向調整装置10の動作について説明する。
図1に示す探知方向調整装置10を用いて水中探査装置の探査方向を調整する場合は、先ず、水中探査装置の受発信部を構成する超音波センサ1を回転軸11に固定し、超音波センサ1が水に浸かるように探知方向調整装置10を船首又は船尾などに取り付ける。
【0025】
次に、探知方向調整装置10の装置本体16のスイッチを操作して主電源をONにする。その際、手動でモータ13を操作して回転軸11を回転させて、超音波センサ1の向き(探知方向)を調整してもよい。釣りや漁を開始する場合は、加速度角速度センサ14の電源をONにし、基準点となる初期位置を設定する。これによりセンサが初期化される。
【0026】
船舶を停船させて釣りや漁を行っている間は、加速度角速度センサ14で船舶の回転や移動を検知し、その加速度・角速度データが制御部15に出力される。制御部15では、加速度・角速度データに基づいてモータ13を制御して、回転軸11を右方向又は左方向に所定角度回転させ、初期位置と同じエリアを探知するように超音波センサ1の向きを調整する。なお、探知エリアが大きく変動してしまった場合は、リセットボタンを押すことにより、探知する方向を初期位置に戻すこともできる。そして、釣りや漁を終了する際は、電源をOFFし、探知方向調整装置10を船に引き上げる。
【0027】
以上詳述したように、本実施形態の探知方向調整装置は、加速度角速度センサを用いて船舶の回転や移動を検知し、そのデータに基づいてモータを動作させ、超音波センサが固定されている回転軸の回転を制御しているため、船舶の移動方向・移動距離に応じて超音波センサの向きを自動で変更することができる。その結果、潮流や水流、波、風向きなどの影響で船舶の向きや位置が変動した場合でも、漁や釣りを中断することなく、対象物を探知し続けることができる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る水中探知システムについて説明する。
図2は本実施形態の水中探知システムの構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、本実施形態の水中探知システム20は、超音波を用いて水中の対象物を探知するものであり、前述
した第1の実施形態の探知方向調整装置10と、魚群探知機などの水中探知装置2を備える。
【0029】
[水中探知装置2]
水中探知装置2は、例えばリアルタイムソナーであり、超音波センサ1を備える送受波器21と、送受波器21を操作するための操作器22などを備えている。操作器22には、超音波センサ1の検出結果を処理するデータ処理部と、探知データを画像として表示する表示部などが設けられていてもよい。なお、探知データの画像は、操作器22と有線又は無線で接続された表示装置23に表示することもできる。また、専用のアプリケーションを動作させることにより、携帯端末を操作器22として利用することもできる。
【0030】
[動作]
次に、本実施形態の水中探査システムにより、水中の対象物を探知する方法について説明する。
図3A,Bは
図2に示す水中探知システム20により水中の対象物を探知する方法を示す模式図であり、
図3Aは上面図、
図3Bは側面図である。また、
図4A,Bは船舶が回転したときの探知方向を示す図であり、
図5A,Bは船舶が横移動したときの探知方向を示す図である。
【0031】
本実施形態の水中探知システム20により水中の対象物31を探知する場合は、
図3A,Bに示すように、船舶Sを停船させ、回転軸11に送受波器21を取り付けた探知方向調整装置10を、例えば船舶Sの船首に設置する。このとき、送受波器21は水面32より下方、即ち水中に配置される。そして、送受波器21から超音波を発信し、探知エリア30内に存在する魚、ルアー、岩などの対象物31からの反射波を検知する。例えば、水中探知装置2として小型のマルチビームソナーを使用した場合、前方向の探知角θ
1は15~30°程度であり、下方向の探知角θ
2は110°程度となる。
【0032】
風、波、水流の影響がなく、船舶Sが同じ位置に留まっていられる場合は問題ないが、
図4Aに示すように船舶Sが回転し、船首の向きが変わると、探知エリア30が移動し、対象物31を探知できなくなる。そこで、本実施形態の水中探知システム20では、探知方向調整装置10の加速度角速度センサにより船舶Sの回転を検知し、そのデータに基づいてモータを動作させ、送受波器21が取り付けられている回転軸11を所定角度回転させる。これにより、
図4Bに示すように、送受波器21の向きが変更され、それに伴い、対象物31が存在している場所に探知エリア30が移動する。
【0033】
図5Aに示すように船舶Sが横に平行移動した場合も同様に、探知エリア30が横にずれて、対象物31を探知できなくなる。この場合も、本実施形態の水中探知システム20では、探知方向調整装置10の加速度角速度センサにより船舶Sの移動を検知し、そのデータに基づいてモータを動作させて、送受波器21が取り付けられている回転軸11を所定角度回転させる。これにより、
図5Bに示すように、送受波器21の向きが変更され、対象物31が存在している場所に探知エリア30が移動する。
【0034】
船舶を停船させて漁や釣りを行っている場合は、水中探知システム20の探知方向調整装置10を動作させ、前述した探知方向の調整を自動で行う。一方、漁や釣りを終了し、船舶を移動させる場合は、探知方向調整装置10の電源を切り、船内に引き上げる。
【0035】
以上、詳述したように、本実施形態の水中探知システムは、船舶の移動方向・移動距離に応じて受発信器(超音波センサ)の向きを自動で変更するため、潮流や水流、波、風向きなどの影響で船舶の向きや位置が変動した場合でも、漁や釣りを中断することなく、対象物を探知し続けることが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 超音波センサ
2 水中探知装置
10 探知方向調整装置
11 回転軸
12 筒状部材
13 モータ
14 加速度角速度センサ
15 制御部
16 装置本体
17 回転駆動機構
18 方向表示部
20 水中探知システム
21 送受波器
22 操作器
23 表示装置
30 探知エリア
31 対象物
S 船舶