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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147524
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】送風機および室内機
(51)【国際特許分類】
   F04D 17/04 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
F04D17/04 D
F04D17/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048799
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 大貴
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB26
3H130AB54
3H130AC11
3H130BA03A
3H130CA06
3H130EA06A
3H130EA06C
(57)【要約】
【課題】サージング現象を抑制する。
【解決手段】送風機は、軸方向35に並ぶ複数の羽根車31を有する貫流ファン8と、軸方向35に平行である回転軸16を中心に貫流ファン8を回転させるモータ部とを備えている。複数の羽根車31は、貫流ファン8の一端に配置される第1羽根車37と、貫流ファン8の他端に配置される第2羽根車38と、第1羽根車37と第2羽根車38との間に配置される第3羽根車とを含んでいる。貫流ファン8は、第1羽根車37により送風される空気の速さと、第2羽根車38により送風される空気の速さとが、第3羽根車により送風される空気の速さより大きくなるように、形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に並ぶ複数の羽根車を有する多翼ファンと、
前記軸方向に平行である回転軸を中心に前記多翼ファンを回転させる機構とを備え、
前記複数の羽根車は、
前記多翼ファンの一端に配置される第1羽根車と、
前記多翼ファンの他端に配置される第2羽根車と、
前記第1羽根車と前記第2羽根車との間に配置される第3羽根車とを含み、
前記多翼ファンは、前記第1羽根車により送風される空気の速さと、前記第2羽根車により送風される空気の速さとが、前記第3羽根車により送風される空気の速さより大きくなるように、形成される
送風機。
【請求項2】
前記多翼ファンが格納されるケーシングをさらに備え、
前記ケーシングには、前記多翼ファンが回転することにより送風される空気が吹き出される吹き出し口が形成され、
前記吹き出し口の前記軸方向における幅は、前記多翼ファンの前記軸方向における幅より大きい
請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記ケーシングには、前記吹き出し口と前記多翼ファンとの間に前記空気が流れる下流側流路がさらに形成され、
前記流路の前記軸方向における幅は、前記多翼ファンの前記軸方向における幅より小さい
請求項2に記載の送風機。
【請求項4】
前記下流側流路は、貫流ファン側流路と吹き出し口側流路を含み、前記多翼ファンに空気を供給する上流側流路がさらに形成され、
前記吹き出し口側流路の前記軸方向における幅は、前記貫流ファン側流路の前記軸方向における幅より大きい
請求項3に記載の送風機。
【請求項5】
熱交換器と、
前記熱交換器を通過する気流を生成する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の送風機
とを備える室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、送風機および室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
貫流ファンが設けられた空気調和機の室内機が知られている。貫流ファンは、軸方向に並ぶ複数の羽根車を備えている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-72675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貫流ファンから吹き出される空気の流量は、軸方向に関して一様でなく、吹き出し口の両端では流路抵抗が大きくなることから、吹き出し口の両端から吹き出される空気の流量は、吹き出し口の中央から吹き出される空気の流量より小さくなることがある。低流量である吹き出し口の両端の位置において貫流ファンに空気が逆流し、サージング現象が発生し易くなるという問題がある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、サージング現象を抑制する送風機および室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による送風機は、軸方向に並ぶ複数の羽根車を有する多翼ファンと、前記軸方向に平行である回転軸を中心に前記多翼ファンを回転させる機構とを備えている。前記複数の羽根車は、前記多翼ファンの一端に配置される第1羽根車と、前記多翼ファンの他端に配置される第2羽根車と、前記第1羽根車と前記第2羽根車との間に配置される第3羽根車とを含んでいる。前記多翼ファンは、前記第1羽根車により送風される空気の速さと、前記第2羽根車により送風される空気の速さとが、前記第3羽根車により送風される空気の速さより大きくなるように、形成される。
【発明の効果】
【0007】
開示の送風機および室内機は、サージング現象を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1の送風機が設けられた室内機10を示す断面図である。
図2図2は、実施例1の送風機を示す斜視図である。
図3図3は、実施例1の送風機におけるファンケーシングを示す斜視図である。
図4図4は、実施例1の送風機におけるファンケーシングを示す断面図である。
図5図5は、図4のA-B-C線断面を示し、実施例1の送風機におけるファンケーシングを示す他の断面図である。
図6図6は、実施例1の送風機の吹き出し口に関する複数の位置と複数の風速との関係を示し、比較例の送風機の吹き出し口に関する複数の位置と複数の風速との関係を示すグラフである。
図7図7は、実施例2の送風機を示す断面図である。
図8図8は、実施例2の送風機を示す他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる送風機および室内機について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例0010】
実施例1の送風機1は、図1に示されているように、空気調和機の室内機10に設けられている。図1は、実施例1の送風機1が設けられた室内機10を示す断面図である。空気調和機は、室内機10を備え、図示されていない室外機を備えている。室外機は、屋外に設置されている。室内機10は、屋外から隔てられた空調室の壁面に設置されている。室内機10は、送風機1と筐体2と熱交換器3とを備えている。筐体2の内部には、空気通路5が形成されている。筐体2の上部には、空気通路5と筐体2の外部とを連通させる吸込み口6が形成されている。熱交換器3は、空気通路5に配置されている。送風機1は、空気通路5のうちの熱交換器3の下部に配置されている。送風機1が後述する機構により回転駆動することで、熱交換器3を通過する気流を生成する。
【0011】
送風機1は、ファンケーシング7と貫流ファン8とを備えている。ファンケーシング7は、筐体2の内部に配置され、または、筐体2と一体に形成され、筐体2に固定されている。ファンケーシング7には、送風路11と吹き出し口12とが形成されている。送風路11は、ファンケーシング7の内部に形成されている。送風路11の一端は、空気通路5のうちの送風機1と熱交換器3との間の領域に接続されている。吹き出し口12は、ファンケーシング7の下端に配置されている。送風路11の他端は、吹き出し口12に接続され、吹き出し口12を介して室内機10の筐体2の外部に接続されている。
【0012】
貫流ファン8は、送風路11に配置されている。ファンケーシング7は、前面側舌部14と背面側舌部15とを備えている。前面側舌部14は、送風路11の前面側に配置されている。背面側舌部15は、送風路11の背面側に配置されている。
【0013】
図2は、実施例1の送風機1を示す斜視図である。貫流ファン8は、概ね円柱状に形成され、回転軸16に沿うように送風路11に配置され、回転軸16を中心に回転可能にファンケーシング7に支持されている。貫流ファン8は、複数の羽根車31と複数の仕切板32と第1端板33と第2端板34とを備えている。複数の羽根車31は、回転軸16に平行である軸方向35に並び、複数の仕切板32を介して互いに固定されている。複数の羽根車31のうちの1つの羽根車36は、複数の翼41を備えている。複数の翼41の各々は、いわゆる翼形に形成されている。複数の翼41は、それぞれ、回転軸16を中心とする円周方向に並び、回転軸16に平行である直線に沿うように配置されている。複数の羽根車31のうちの羽根車36と異なる他の羽根車は、羽根車36と同様に、複数の翼41を備えている。
【0014】
複数の仕切板32は、それぞれ、概ね円板状に形成されている。複数の仕切板32は、それぞれ、回転軸16に垂直である複数の平面にそれぞれ沿うように、配置されている。複数の仕切板32の各々は、複数の羽根車31のうちの2つの羽根車の間に配置され、その2つの羽根車の複数の翼41に固定されている。
【0015】
第1端板33は、概ね円板状に形成されている。第1端板33は、回転軸16に垂直である平面に沿うように貫流ファン8の一端に配置され、複数の羽根車31のうちの一端に配置される第1羽根車37の複数の翼41に固定されている。第2端板34は、概ね円板状に形成されている。第2端板34は、回転軸16に垂直である平面に沿うように貫流ファン8の他端に配置され、複数の羽根車31のうちの他端に配置される第2羽根車38の複数の翼41に固定されている。複数の羽根車31のうちの第1羽根車37および第2羽根車38と異なる第3羽根車は、第1羽根車37と第2羽根車38との間に配置されている。
【0016】
送風機1は、図示されていないモータ部をさらに備えている。モータ部は、図1に示されているように、回転軸16を中心に貫流ファン8を予め定められた回転方向40に回転させる機構である。複数の羽根車31の各々は、貫流ファン8が回転方向40に回転することにより、空気が送風路11を吹き出し口12に向かって流れるように、形成されている。
【0017】
このとき、第1羽根車37は、予め定められた回転速度で貫流ファン8が回転するときに、第1速さの空気が第1羽根車37により送風されるように、形成されている。第2羽根車38は、予め定められた回転速度で貫流ファン8が回転するときに、第1速さに等しい第2速さの空気が第2羽根車38により送風されるように、形成されている。第3羽根車は、予め定められた回転速度で貫流ファン8が回転するときに、第1速さおよび第2速さより小さい第3速さの空気が第3羽根車により送風されるように、形成されている。すなわち、第2羽根車38の複数の翼41は、第1羽根車37の複数の翼41と概ね同様に形成されている。第3羽根車の複数の翼41は、第1羽根車37の複数の翼41と異なる形状に形成され、当然に、第2羽根車38の複数の翼41と異なる形状に形成されている。たとえば、第3羽根車の複数の翼41の翼弦長(翼41の内周側端部と外周側端部を結ぶ直線の長さ)は、第1羽根車37の複数の翼41の翼弦長より小さく、第1羽根車37の複数の翼41の翼弦長の80%(例示)の長さに等しい。なお、第3羽根車は、第1羽根車37に対して、複数の翼41の迎え角(空気流れ方向に沿う直線と翼弦線とのなす角)、複数の翼41の枚数、複数の翼41の内外径差(翼41の径方向の幅寸法)を異ならせるように形成されてもよい。
【0018】
図3は、実施例1の送風機1におけるファンケーシング7を示す斜視図である。前面側舌部14は、帯状に形成され、軸方向35に平行である直線に沿うように、送風路11の前面側に配置されている。背面側舌部15は、帯状に形成され、軸方向35に平行である直線に沿うように、送風路11の背面側に配置されている。ファンケーシング7には、第1凹部39がさらに形成されている。第1凹部39は、ファンケーシング7のうちの貫流ファン8の第1端板33に対向する面に形成されている。
【0019】
図4は、実施例1の送風機1におけるファンケーシング7を示す断面図である。送風路11は、貫流ファン配置領域51と上流側流路52と下流側流路53とを含んでいる。貫流ファン配置領域51は、送風路11のうちの貫流ファン8が配置される領域である。上流側流路52は、送風路11のうちの貫流ファン配置領域51より熱交換器3に近い側の領域である。下流側流路53は、送風路11のうちの貫流ファン配置領域51より吹き出し口12に近い側の領域である。下流側流路53の軸方向35における幅は、上流側流路52の軸方向35における幅に等しく、吹き出し口12の軸方向35における幅に等しい。
【0020】
図5は、図4のA-B-C線断面を示し、実施例1の送風機1におけるファンケーシング7を示す他の断面図である。第1凹部39の内部には、第1端板33と第1羽根車37の一部とが配置されている。ファンケーシング7には、図示されていない第2凹部がさらに形成されている。第2凹部は、第1凹部39に向かい合うようにファンケーシング7に形成され、ファンケーシング7のうちの貫流ファン8の第2端板34に対向する面に形成されている。第2凹部の内部には、第2端板34と第2羽根車38の一部とが配置される。貫流ファン8は、第1端板33と第1羽根車37の一部とが第1凹部39の内部に配置され、第2端板34と第2羽根車38の一部とが第2凹部の内部に配置される。また、貫流ファン8の回転軸16が回転可能な状態でファンケーシング7に適切に支持される。
【0021】
下流側流路53は、下流側流路53の軸方向35における幅が、貫流ファン8の軸方向35における長さより小さくなるように、形成されている。また、上流側流路52は、図示されていないが、上流側流路52の軸方向35における幅が、下流側流路53の軸方向35における幅に等しく、すなわち、貫流ファン8の長さより小さくなるように、形成されている。
【0022】
[空気調和機の動作]
空気調和機は、室内機10と室外機とに冷媒を循環させる。室外機は、冷媒と外気とを熱交換する。送風機1は、回転軸16を中心に貫流ファン8を回転方向40に回転させる。送風機1は、貫流ファン8が回転することにより、空調室の空気を室内機10の吸込み口6から空気通路5に供給する。熱交換器3は、吸込み口6から空気通路5に供給された空気と冷媒とを熱交換し、空気通路5に供給された空気の温度を調節する。送風機1は、貫流ファン8が回転することにより、さらに、熱交換器3により温度が調節された空気を吹き出し口12から空調室に吹き出す。空気調和機は、このような動作により空調室を冷房または暖房することができる。
【0023】
送風路11には、貫流ファン8が回転方向40に回転することにより、熱交換器3により温度が調節された空気が流れる。すなわち、上流側流路52は、温度が調節された空気を貫流ファン8の複数の羽根車31に供給し、貫流ファン8には、温度が調節された空気が通過する。送風路11を流れる空気は、ファンケーシング7のうちの送風路11の軸方向35に隣接する側壁に接触し、送風路11を流れる空気のうちの軸方向35の両端に近い領域を流れる空気ほど風速が低下する。
【0024】
送風機1の貫流ファン8は、両端の第1羽根車37と第2羽根車38とが中央の第3羽根車より大きい風速で送風することにより、送風路11のうちの軸方向35における両端の領域を流れる空気の風速を大きくすることができる。送風機1は、送風路11の両端の領域を流れる空気の風速が大きいことにより、吹き出し口12から吹き出される空気の速さの軸方向35における分布を均一化することができる。すなわち、両端の第1羽根車37と第2羽根車38の風量が中央の第3羽根車の風量と同等になることで、空気の逆流が防止され、サージング現象を抑制することができる。
【0025】
[比較例の送風機]
比較例の送風機は、既述の実施例1の送風機1の貫流ファン8が他の貫流ファンに置換され、他の部分は、既述の実施例1の送風機1と同じである。その置換された貫流ファンは、既述の貫流ファン8と同様に、軸方向に並ぶ複数の羽根車を備えている。複数の羽根車は、実施例1の貫流ファン8の第3羽根車と同様の形状を有しており、予め定められた回転速度で貫流ファンが回転するときに、複数の羽根車からそれぞれ送風される複数の空気の速さが互いに等しくなるように、互いに概ね同様に形成されている。
【0026】
図6は、実施例1の送風機1の吹き出し口12に関する複数の位置と複数の風速との関係を示し、比較例の送風機の吹き出し口12に関する複数の位置と複数の風速との関係を示すグラフである。複数の風速のうちのある位置に対応する風速は、吹き出し口12のうちのその位置から吹き出される空気の速さを示している。曲線61は、実施例1の送風機1の吹き出し口12に関する複数の位置と複数の風速との関係を示している。曲線61は、複数の風速が互いに概ね等しく、実施例1の送風機1の吹き出し口12から吹き出される空気の速さが位置に関して概ね一様に分布していることを示している。曲線62は、比較例の送風機の吹き出し口12に関する複数の位置と複数の風速との関係を示している。曲線62は、吹き出し口12の両端の領域から吹き出される空気の速さが、吹き出し口12の中央から吹き出される空気の速さが最も大きく、吹き出し口12の両端に近づくにつれて、吹き出される空気の速さが小さくなることを示している。すなわち、実施例1の送風機1は、吹き出し口12から吹き出される空気の速さの軸方向35における分布を均一化することができる。これにより、空気の逆流が防止され、サージング現象を抑制することができる。
【0027】
[実施例1の送風機1の効果]
実施例1の送風機1は、軸方向35に並ぶ複数の羽根車31を有する貫流ファン8と、軸方向35に平行である回転軸16を中心に貫流ファン8を回転させるモータ部とを備えている。複数の羽根車31は、貫流ファン8の一端に配置される第1羽根車37と、貫流ファン8の他端に配置される第2羽根車38と、第1羽根車37と第2羽根車38との間に配置される第3羽根車とを含んでいる。貫流ファン8は、第1羽根車37により送風される空気の速さと、第2羽根車38により送風される空気の速さとが、第3羽根車により送風される空気の速さより大きくなるように、形成されている。
【0028】
このとき、実施例1の送風機1は、送風路11を通過する空気の送風路11の軸方向35の両端の側壁への接触による風速の低下を防止することができ、吹き出し口12から吹き出される空気の速さの軸方向35における分布を均一化することができる。このため、実施例1の送風機1は、吹き出し口12から吹き出される空気の速さの軸方向35における分布を均一化することができる。これにより、空気の逆流が防止され、サージング現象を抑制することができる。
【実施例0029】
実施例2の送風機は、図7に示されているように、既述の実施例1の送風機1のファンケーシング7が他のファンケーシング71に置換され、他の部分は、既述の実施例1の送風機1と同じである。図7は、実施例2の送風機を示す断面図である。ファンケーシング71は、既述の実施例1の送風機1のファンケーシング7の吹き出し口12と下流側流路53とが他の吹き出し口75と他の下流側流路72とにそれぞれ置換され、他の部分は、既述のファンケーシング7と同じである。
【0030】
吹き出し口75は、既述の吹き出し口12と同様にファンケーシング71の下端に配置されている。吹き出し口75の軸方向35における幅は、貫流ファン8の軸方向35における幅より大きい。下流側流路72は、貫流ファン側流路73と吹き出し口側流路74とを含んでおり、空気が流れる方向に貫流ファン側流路73と吹き出し口側流路74が順に並んでいる。貫流ファン側流路73は、貫流ファン配置領域51に隣接している。
【0031】
図8は、実施例2の送風機を示す他の断面図である。貫流ファン側流路73の軸方向35における幅は、上流側流路52の軸方向35における幅に等しい。吹き出し口側流路74は、貫流ファン配置領域51と吹き出し口75との間に配置されている。吹き出し口側流路74の軸方向35における幅は、貫流ファン側流路73の軸方向35における幅より大きく、吹き出し口75の軸方向35における幅に等しい。
【0032】
実施例2の送風機は、既述の実施例1の送風機1と同様に、送風路11を通過する空気の送風路11の軸方向35の両端の側壁への接触による風速の低下を防止することができる。このため、実施例2の送風機は、吹き出し口75の軸方向35における幅が貫流ファン8の軸方向35における長さより大きい場合でも、吹き出し口75から吹き出される空気の速さの軸方向35における分布を均一化することができる。実施例2の送風機は、貫流ファン側流路73の幅が吹き出し口75の幅より小さいことにより、第1端板33と第1凹部との隙間からの空気の逆流が防止され、よりサージング現象を抑制することができる。
【実施例0033】
実施例3の送風機は、既述の実施例2の送風機の貫流ファン側流路73が他の貫流ファン側流路に置換され、他の部分は、既述の実施例2の送風機と同じである。その置換された貫流ファン側流路の軸方向35における幅は、既述の貫流ファン側流路73の軸方向35における幅より小さく、上流側流路52の軸方向35における幅より小さい。
【0034】
実施例3の送風機は、既述の実施例1の送風機と同様に、送風路11を通過する空気の送風路11の軸方向35の両端の側壁への接触による風速の低下を防止することができる。このため、実施例3の送風機は、吹き出し口75の軸方向35における幅が貫流ファン8の軸方向35における長さより大きい場合でも、吹き出し口75から吹き出される空気の速さの軸方向35における分布を均一化することができる。実施例3の送風機は、貫流ファン側流路の幅が上流側流路52の幅より小さいことにより、第1端板33と第1凹部との隙間からの空気の逆流が防止され、よりサージング現象を抑制することができる。
【0035】
ところで、既述の実施例の送風機は、半径方向から空気を吸い込み他の半径方向に吹き出す貫流ファン8が設けられているが、貫流ファンと異なる多翼ファンが設けられてもよい。多翼ファンとしては、空気を軸方向から吸い込んで半径方向に吹き出す遠心ファン(例えばシロッコファン、ターボファン等)が例示される。このような送風機も、既述の実施例の送風機と同様にして、吹き出し口12から吹き出される空気の速さの軸方向35における分布を均一化することができる。
【0036】
ところで、既述の実施例の送風機1は、空気調和機の室内機10に利用されているが、室内機10と異なる他の装置に利用されてもよい。その装置としては、エアカーテン装置が例示される。
【0037】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0038】
1 :送風機
3 :熱交換器
7 :ファンケーシング
8 :貫流ファン
10:室内機
11:送風路
12:吹き出し口
16:回転軸
31:複数の羽根車
35:軸方向
52:上流側流路
53:下流側流路
71:ファンケーシング
73:貫流ファン側流路
75:吹き出し口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8