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特開2022-147539人事考課システム及び人事考課プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147539
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】人事考課システム及び人事考課プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/10 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048821
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】521122430
【氏名又は名称】株式会社ブリング・グロース
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】高川 健二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】 評価者が被評価者を容易且つ適切に評価でき、被評価者は自身の日々の評価内容を知ることができ、更に評価者が被評価者を評価する際の評価能力を高めることができる人事考課システム及び人事考課プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の人事考課システム1は、業務報告の評価に関する評価マーク21の選択肢の中から一つ又は複数の評価マークを選択した際に、当該評価マークを選択した理由が羅列された評価理由の一覧31~35を評価者に対して提示する。また、選択した評価マークに割り当てられているポイントを被評価者のポイントとして集計して表示する。評価者は評価理由を自ら文章化する必要がなく、評価理由の一覧の中から選ぶだけで済むので評価作業を容易に行うことができる。また、評価者は業務報告に基づいて評価を行うので、被評価者は自身の日々の行動に対する評価内容をすぐに知り、改善に役立てることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被評価者が作成した業務報告を記憶する業務報告記憶部と、
前記業務報告を閲覧した評価者に対して、当該業務報告の評価に関する評価マークの選択肢を提示する評価マーク提示部と、
前記評価者が前記評価マークの選択肢の中から一つ又は複数の前記評価マークを選択した際に、当該評価マークを選択した理由が記載された評価理由の一覧を前記評価者に対して提示する評価理由提示部と、
前記評価マーク毎にポイントが予め割り当てられており、前記評価者が前記評価マークを選択した際に、当該選択した前記評価マークに割り当てられている前記ポイントを前記被評価者のポイントとして集計するポイント集計部と、
前記被評価者に対して前記評価理由及び前記ポイントを提示する評価提示部とを備えることを特徴とする人事考課システム。
【請求項2】
前記評価理由の一覧が被評価者の能力に関する複数のカテゴリーと資質に関する複数のカテゴリーを組み合わせてマトリックス表記したものであることを特徴とする請求項1に記載の人事考課システム。
【請求項3】
前記評価提示部は、前記被評価者に対して、他の前記被評価者に関する評価も提示することを特徴とする請求項1又は2に記載の人事考課システム。
【請求項4】
前記評価者が前記業務報告を評価する際の内容に基づいて当該評価者の評価能力を判定する評価能力判定部を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の人事考課システム。
【請求項5】
被評価者が作成した業務報告を記憶する業務報告記憶部を備えた情報処理装置において実行される人事考課プログラムであって、
前記業務報告を閲覧した評価者に対して、当該業務報告の評価に関する評価マークの選択肢を提示するステップと、
前記評価者が前記評価マークの選択肢の中から一つ又は複数の前記評価マークを選択した際に、当該評価マークを選択した理由が記載された評価理由の一覧を前記評価者に対して提示するステップと、
前記評価マーク毎にポイントが予め割り当てられており、前記評価者が前記評価マークを選択した際に、当該選択された前記評価マークに割り当てられている前記ポイントを前記被評価者のポイントとして集計するステップと、
前記被評価者に対して前記評価理由及び前記ポイントを提示するステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする人事考課プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人事考課システム及び人事考課プログラムに関し、特に評価者が被評価者を容易且つ適切に評価でき、被評価者は自身の日々の評価内容を知ることができ、更に評価者が被評価者を評価する際の評価能力を高めることができる人事考課システム及び人事考課プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な人事考課システムでは予め設定してある目標に被評価者が到達できたか否かを主な評価項目にすることが多いが、被評価者をより適切に評価することを目的として被評価者の勤務態度等も評価項目に含めたり、一人の被評価者を複数人の評価者で評価したりするシステムも開発されている。
例えば特許文献1には、能力考課表と情意考課表を用いてグループ内の全員が相互に評価し合う人事考課システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-195642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1を含む従来の技術では次のような問題が生じる。
グループ内の全員が相互に評価し合う方法では集計が煩雑で時間がかかるという問題がある。
また、評価者の評価能力が低い場合には適切な評価結果を得られないという問題もある。
また、一般的な人事考課システムでは所定の期間(例えば四半期や半期)が終了するタイミングで評価を行うため、被評価者にとっては自身の評価を所定の期間毎にしか知ることができず、評価内容を自身の日々の行動の改善に役立てることが難しいという問題もある。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑み、評価者が被評価者を容易且つ適切に評価でき、被評価者は自身の日々の評価内容を知ることができ、更に評価者が被評価者を評価する際の評価能力を高めることができる人事考課システム及び人事考課プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の人事考課システムは、被評価者が作成した業務報告を記憶する業務報告記憶部と、前記業務報告を閲覧した評価者に対して、当該業務報告の評価に関する評価マークの選択肢を提示する評価マーク提示部と、前記評価者が前記評価マークの選択肢の中から一つ又は複数の前記評価マークを選択した際に、当該評価マークを選択した理由が記載された評価理由の一覧を前記評価者に対して提示する評価理由提示部と、前記評価マーク毎にポイントが予め割り当てられており、前記評価者が前記評価マークを選択した際に、当該選択した前記評価マークに割り当てられている前記ポイントを前記被評価者のポイントとして集計するポイント集計部と、前記被評価者に対して前記評価理由及び前記ポイントを提示する評価提示部とを備えることを特徴とする。
また、前記評価理由の一覧が被評価者の能力に関する複数のカテゴリーと資質に関する複数のカテゴリーを組み合わせてマトリックス表記したものであることを特徴とする。
【0007】
また、前記評価提示部は、前記被評価者に対して、他の前記被評価者に関する評価も提示することを特徴とする。
また、前記評価者が前記業務報告を評価する際の内容に基づいて当該評価者の評価能力を判定する評価能力判定部を備えることを特徴とする。
本発明の人事考課プログラムは、被評価者が作成した業務報告を記憶する業務報告記憶部を備えた情報処理装置において実行される人事考課プログラムであって、前記業務報告を閲覧した評価者に対して、当該業務報告の評価に関する評価マークの選択肢を提示するステップと、前記評価者が前記評価マークの選択肢の中から一つ又は複数の前記評価マークを選択した際に、当該評価マークを選択した理由が記載された評価理由の一覧を前記評価者に対して提示するステップと、前記評価マーク毎にポイントが予め割り当てられており、前記評価者が前記評価マークを選択した際に、当該選択された前記評価マークに割り当てられている前記ポイントを前記被評価者のポイントとして集計するステップと、前記被評価者に対して前記評価理由及び前記ポイントを提示するステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
業務報告を閲覧した評価者はまず評価マークを選択し、次に評価理由の一覧の中から当該評価マークを選択した理由を選ぶ。評価者は評価理由を自ら文章化する必要がなく、評価理由の一覧の中から選ぶだけで済むので評価作業を容易に行うことができる。
また、評価者は業務報告に基づいて評価を行うので、被評価者は自身の日々の行動に対する評価内容をすぐに知り、改善に役立てることができる。
【0009】
評価理由の一覧を被評価者の能力と資質の観点に基づいて作成すれば、被評価者の内面に着目して評価することになるので、単に数値目標に到達したか否かを主な評価項目にする従来の人事考課システムと比較してより適切な評価が可能となる。
また、一人の被評価者が他の被評価者の評価も閲覧可能にすれば複数の被評価者の中での自身の評価を客観視することが可能となり、被評価者の勤労意欲を増進させることができる。
また、評価者の評価能力を判定できることにすれば、評価者の評価能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】人事考課システムの構成を示すブロック図
図2】評価者端末に被評価者の氏名、所属名、ステータス等が一覧表示された状態を示す図
図3】評価者端末に4種類の評価マークが表示された状態を示す図
図4】評価者が「いいね」の評価マークを選択した際に提示される評価理由の一覧
図5】評価者が「頑張れ」の評価マークを選択した際に提示される評価理由の一覧
図6】評価者が「マズいね」の評価マークを選択した際に提示される評価理由の一覧
図7】評価者端末に資質の3つのカテゴリーと能力の6つのカテゴリーをボタンで表示した状態を示す図(a)及び(b)
図8】被評価者端末に評価の内容及びポイントを表示させた状態を示す図
図9】被評価者端末に評価理由を表示させた状態を示す図(a)及び(b)
図10】被評価者端末に累積ポイントを表示させた状態を示す図
図11】累積ポイントの他の表示例を示す図(a)~(c)
図12】累積ポイントの他の表示例を示す図(a)~(c)
図13】役職毎に累積ポイントを表示させる場合を示す図
図14】役職毎に累積ポイントを表示させる場合を示す図
図15】評価者の評価能力を表示させた状態を示す図
図16】制御部で実行するシーケンスの例
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の人事考課システムの実施の形態について説明する。
人事考課システムは被評価者が作成した業務報告を評価者が閲覧し、その内容に基づいて被評価者を評価するためのシステムである。人事考課システムを導入する施設としては企業が挙げられるが、これに限らず学校、市役所等の公的機関でも導入可能である。本実施の形態では企業に本システムを導入した場合を想定して説明する。被評価者としては例えば企業に勤務する社員が挙げられ、評価者としては当該社員の上司が挙げられるがこれに限定されない。
【0012】
図1に示すように人事考課システム1は業務報告記憶部10、評価マーク提示部20、評価理由提示部30、ポイント集計部40、評価提示部50等で概略構成されており、これらはサーバ100内に格納される。
サーバ100は、被評価者端末200及び評価者端末201と各種情報の送受信を行う通信部101、各種情報を記憶する記憶部102、被評価者端末200及び評価者端末201からの指示に応じて種々の処理を行う制御部103から概略構成されている。記憶部102が業務報告記憶部10を備えており、制御部103が評価マーク提示部20、評価理由提示部30、ポイント集計部40及び評価提示部50を備えている。
サーバ100はネットワーク104を介して被評価者端末200及び評価者端末201と有線又は無線で繋がっており各種情報の送受信を可能にする。サーバ100の設置場所としてはインターネット上が挙げられるが特に限定されない。
被評価者端末200とは被評価者自身のスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター等の情報処理装置を指す。評価者端末201とは評価者自身のスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター等の情報処理装置を指す。
【0013】
制御部103は図示は省略するがCPU、RAM及びROMを備えており、CPUがROMに格納されている各種プログラム及び記憶部102に格納されている各種情報を読み出して適宜実行することによりサーバ100を統括制御する。
業務報告記憶部10は被評価者が作成した業務報告を記憶する。具体的には、被評価者は被評価者端末200を使用してフォーマットに沿った業務報告を作成する。業務報告は勤務日毎に作成するのが好ましいが、一定期間(例えば一週間)に一度作成することにしてもよい。被評価者は作成した業務報告をネットワーク104を介してサーバ100に送信する。サーバ100に送信された業務報告は記憶部102が備える業務報告記憶部10に記憶される。
【0014】
評価マーク提示部20は業務報告を閲覧した評価者に対して、当該業務報告の評価に関する評価マーク21(図3)の選択肢を提示する。具体的には、評価者端末201には図2に示すように評価者が評価を担当する複数の被評価者の氏名、所属名、役職等と共に「状態」欄に業務報告の評価が完了しているか否かのステータスが一覧表示される。業務報告の評価が完了していない場合は「未」と表示され、完了している場合には「済」と表示される。
評価者は「未」と表示されている中から任意の一つを選択してクリックすると、制御部103は業務報告記憶部10の中から該当する業務報告を読み出し、評価者端末201に送信する。評価者は自身の評価者端末201で業務報告を受信して閲覧する。
閲覧が完了すると、評価マーク提示部20は図3に示すように評価者端末201に評価マーク21の選択肢を提示する。本実施の形態では「いいね」「静観」「頑張れ」「マズいね」の4種類の評価マーク21が表示されるものとするが、評価マーク21の内容及び数は任意に変更可能である。
評価者は閲覧した業務報告の内容に基づいて4種類の評価マーク21の選択肢の中から一つの評価マーク21を選択してクリックする。
【0015】
評価理由提示部30は評価者が評価マーク21の選択肢の中から一つの評価マーク21を選択した際に、その評価マーク21を選択した理由が記載された評価理由の一覧31~33を評価者に対して提示する。
図4は評価理由の一覧31~33のうち、評価者が「いいね」の評価マーク21を選択した際に提示される評価理由の一覧31である。この評価理由の一覧31は縦軸に能力(「完成度」「早さ・速さ」「対人関係」「規律性」「危機管理能力」「創造力」)の6つのカテゴリーが記載されており、横軸に資質(「心」「知」「体」)の3つのカテゴリーが記載されている。そして、縦軸と横軸とが交差する欄に評価理由の詳細31aが一つ又は複数記載されている。また、各評価マーク21にはポイントが予め割り当てられている。
なお、能力に関する6つのカテゴリーの内容は図4に示したものに限定されず、任意に決定すればよい。例えば、「クオリティ(仕事の質)」、「スピード(速さ・早さ)」、「チームワーク(協調性・対話力・マナー)」、「セルフコントロール(感情調整力)」、「リスクマネジメント(危機管理能力)」、「コンプライアンス(規律性・法令遵守)」等を能力に関するカテゴリーに入れてもよい。
【0016】
「いいね」の評価マーク21を選択した評価者は図4の評価理由の一覧31の中から被評価者に相応しい評価理由の詳細31aを一つ又は複数選択する。例えば評価者は縦軸「早さ・速さ」、横軸「知」の欄の中から評価理由の詳細「緻密な計画を立てる能力を有している」を選択する。そして、「いいね」の評価マーク21に割り当てられているポイント(例えば1ポイント)が被評価者に配点される。更に評価者は縦軸「危機管理能力」、横軸「心」の欄の中から評価理由の詳細「事前にリスクを回避しようと心掛けている」を選択してもよい。その場合には更に1ポイントが被評価者に配点される。
【0017】
図5は評価理由の一覧31~33のうち、評価者が「頑張れ」の評価マーク21を選択した際に提示される評価理由の一覧32である。
「頑張れ」の評価マーク21を選択した評価者は図5の評価理由の一覧32の中から被評価者に相応しい評価理由の詳細32aを一つ又は複数選択する。例えば評価者は縦軸「対人関係」、横軸「心」の欄の中から評価理由「困っている人を見て見ぬふりをする」を選択する。そして、「頑張れ」の評価マーク21に割り当てられているポイント(例えば-1ポイント)が被評価者に配点される。
図6は評価理由の一覧31~33のうち、評価者が「マズいね」の評価マーク21を選択した際に提示される評価理由の一覧33である。
「マズいね」の評価マーク21を選択した評価者は図6の評価理由の一覧33の中から被評価者に相応しい評価理由の詳細33aを一つ又は複数選択する。例えば評価者は縦軸「完成度」、横軸「心」の欄の中から評価理由「わざと雑に汚くしようとする」を選択する。そして、「マズいね」の評価マークに割り当てられているポイント(例えば-3ポイント)が被評価者に配点される。
【0018】
一人の被評価者の業務報告に対して評価者が複数の評価マーク21を選択することもできる。例えば被評価者の服装が整っていると判断した場合には「いいね」の評価マーク21を選択して、縦軸「規律性」、横軸「体」の欄の評価理由「身だしなみ、姿勢などが常に見本となる姿でいる」を選択し、更に被評価者の思考力に問題があると判断した場合には「頑張れ」の評価マーク21を選択して、縦軸「創造力」、横軸「知」の欄の評価理由「論理的に考えることが出来ない」を選択すればよい。この場合、「いいね」の評価マーク21で1ポイント、「頑張れ」の評価マーク21で-1ポイントになるので被評価者への配点はゼロになる。
また、評価者が「静観」の評価マーク21を選択した場合には評価理由を選択する必要がなく、被評価者にポイントが配点されないものとする。
このように、評価者が4つの評価マーク「いいね」「静観」「頑張れ」「マズいね」の中から一つの評価マーク21を選択した後、評価理由提示部30は該当する評価理由の一覧31~33を評価者に対して提示する。評価者は評価理由の一覧31~33中に羅列されている評価理由の詳細31a~33aの中から適切なものを一つ又は複数選択するだけで評価が完了するので、評価に要する時間を抑えることができる。
【0019】
なお、評価理由の一覧31~33を表示させるのが煩雑になる場合もあるので、図7に示すように、より簡易的に評価理由の一覧を表示させることにしてもよい。つまり、評価者が4種類の評価マーク21の選択肢の中から一つの評価マーク21(例えば「いいね」)を選択してクリックしたあと、図7(a)に示すように評価理由の一覧34として、資質の複数のカテゴリー(例えば「心」「知」「体」の3つのカテゴリー)と能力の複数のカテゴリー(例えば「完成度」「早さ・速さ」「対人関係」「自己管理」「危機管理」「遵守」の6つのカテゴリー)をボタンで表示することにしてもよい。
この場合、評価者は資質の「心」「知」「体」の中から1つのカテゴリーを選択し、能力の「完成度」「早さ・速さ」「対人関係」「自己管理」「危機管理」「遵守」の中から1つのカテゴリーを選択することによって被評価者への評価理由とする。
図7(b)は評価者が「がんばれ」の評価マーク21を選択した際の評価理由の一覧35を示している。
【0020】
ポイント集計部40は、評価者が評価マーク21を選択した際に、当該選択した評価マークに割り当てられているポイントを被評価者のポイントとして集計する。例えば期初には被評価者に対してポイントが配点されておらず、被評価者が業務報告を提出する度にポイントが加減されていく仕組みにしたり、或いは期初に被評価者に対して基礎ポイントが配点されており、被評価者が業務報告を提出する度にポイントが加減されていく仕組みにしたりしてもよい。
【0021】
図8に示すように被評価者端末200には評価者による業務報告への評価の内容及びポイントが表示される。被評価者が「理由」の欄をクリックすると図9(a)に示すように被評価者が選択した評価理由31a~33aが表示される。或いは図9(b)に示すように被評価者が入力したコメント36が表示されるようにしてもよい。
累積ポイントの表示方法は特に限定されないが、例えば図10に示すように「資質」と「能力」に分けて「今回の点数」、「クラス内(例えば部署内)順位」、「前回の点数」、「前回のクラス内順位」、「成長率」、「順位の伸長」が表示されるようにしてもよい。
また、図11(a)~(c)に示すように「資質」と「能力」に分けた累積ポイントをレーダーチャートで表示したり、累積ポイントの推移を折れ線グラフで表示したりしてもよい。
【0022】
また、図12に示すように縦軸に能力の6つのカテゴリーを記載し、横軸に資質の3つのカテゴリーを記載し、縦軸と横軸とが交差する欄に累積ポイントを表示することにしてもよい。こうすることで被評価者が自身の強み・弱みを客観視することができる。
また、図13に示すように役職が表示されており、いずれかの役職(例えば「課長」)を選択すると図14に示すように当該役職全員の累積ポイント及び順位が表示されるようにしてもよく、順位だけが表示されるようにしてもよい。更に、被評価者の役職に応じて表示可能な役職が制限されることにしてもよく、例えば被評価者が「課長」の場合、課長以下の役職だけ閲覧可能にしてもよい。
【0023】
更に、評価者が業務報告を評価する際の内容に基づいて当該評価者の評価能力を判定する評価能力判定部60(図1)を備えることにしてもよい。図15に示すように評価の対象となる項目が予め設定されており、評価能力判定部は例えば「スピード」の項目では業務報告が届いてから実際に評価を終えるまでに要した時間について、当該時間が大きいほど評価能力を低評価とし、「適当さ」の項目では評価者が「静観」の評価マーク21を選択した割合が多いほど低評価とする。これを全ての評価者に対して行うことで各評価者が有する評価能力を判定することができる。
【0024】
次に、人事考課システムの記憶部102に予め記憶されている人事考課プログラムに基づいて、制御部103がサーバ100に格納された各要素と協働して実行するシーケンスの一例について図16を用いて説明する。
被評価者は被評価者端末200を介して自身の業務報告をサーバ100に送信する(ステップS101)。業務報告記憶部10は受信した当該業務報告を記憶する(ステップS102)。
評価者が評価者端末201を介してサーバ100へアクセスすると(ステップS103)、制御部103はその時点で業務報告記憶部10に記憶されている当該評価者が評価すべき被評価者の一覧を記憶部102から読み出し、評価者端末201に送信する(ステップS104)。
【0025】
評価者が評価者端末201を介してまだ業務報告を評価していない被評価者を選択すると(ステップS105)、制御部103は当該被評価者の業務報告を評価者端末201に送信する(ステップS106)。なお、ステップS104で評価者端末201に送信する被評価者の一覧の中に予め各被評価者の業務報告が含まれているものとしてもよい。
評価者は業務報告を閲覧し、その評価を行うべく評価者端末201を操作して評価モードに入ると(ステップS107)、評価マーク提示部20は「いいね」「静観」「頑張れ」「マズいね」の4種類の評価マーク21の選択肢を評価者端末201に提示させる(ステップS108)。
評価者が任意の評価マーク21を選択すると(ステップS109)、評価理由提示部30は当該評価マーク21を選択した理由が羅列された評価理由の一覧31~33を評価者に対して提示する(ステップS110)。
【0026】
評価者が評価理由の一覧31~33の中から一つ又は複数の評価理由31a~33aを選択すると(ステップS111)、ポイント集計部40は当該選択した評価理由に割り当てられているポイントを被評価者のポイントとして集計する(ステップS112)。以上で評価者による業務報告の評価作業は終了し、被評価者の累積ポイントは記憶部102に記憶される(ステップS113)。
被評価者が自身の被評価者端末200を介してサーバ100にアクセスすると(ステップS114)、評価提示部50は当該被評価者及び他の被評価者に対する評価理由及びポイントをまとめて記憶部102から読み出して被評価者端末200に送信する(ステップS115)。
被評価者は自身の評価理由及びポイントを閲覧する(ステップS116)。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、評価者が被評価者を容易且つ適切に評価でき、被評価者は自身の日々の評価内容を知ることができ、更に評価者が被評価者を評価する際の評価能力を高めることができる人事考課システム及び人事考課プログラムであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0028】
1 人事考課システム
10業務報告記憶部
20 評価マーク提示部
21 評価マーク
30 評価理由提示部
31~35 評価理由の一覧
31a,32a,33a 評価理由
36 コメント
40 ポイント集計部
50 評価提示部
60 評価能力判定部
100 サーバ
101 通信部
102 記憶部
103 制御部
104 ネットワーク
200 被評価者端末
201 評価者端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16