(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147543
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】後援会活動管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048826
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】521123080
【氏名又は名称】伊藤 友洋
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 友洋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組織票を管理することが可能な後援会活動管理装置を提供する。
【解決手段】後援会活動管理装置1は、有権者名と当該有権者の関連情報とを含む名簿情報を記憶するデータベース部22と、名簿情報に各種の情報を登録する名簿登録/更新部16と、複数の特定の送信先に対する電子メールを自動作成する電子メールをメール作成部14と、メール作成部14が作成した電子メールを複数の特定の送信先に設定時刻に一斉送信するメール自動送信部15と、を有する。複数の特定の送信先は、複数の階層に分けられている。メール作成部14は、下位の階層の特定の送信先の電子メール本文に、直上の階層の送信先の情報を記載し、複数の特定の送信先に対して、直上の階層に属する特定の送信先を差出人として、直下の階層に属する特定の送信先に関連する名簿情報を含む内容の電子メールを自動作成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有権者名と当該有権者の関連情報とを含む名簿情報を記憶する記憶手段と、
電子メールの送受信を行うメール手段と、を備え、
前記メール手段は、
前記名簿情報に含まれる複数の特定の送信先に対する電子メールを自動作成するメール作成部と、
当該メール作成部が作成した電子メールを複数の特定の送信先に設定時刻に一斉送信するメール自動送信部と、を有し、
複数の特定の送信先は、複数の階層に分けられており、
前記メール作成部は、下位の階層の特定の送信先の電子メールに、直上の階層の送信先の情報を含む電子メールを自動作成することを特徴とする、後援会活動管理装置。
【請求項2】
前記メール作成部は、複数の特定の送信先に対して、直上の階層に属する特定の送信先を差出人として、直下の階層に属する特定の送信先に関連する前記名簿情報を含む内容の前記電子メールを自動作成することを特徴とする、請求項1に記載の後援会活動管理装置。
【請求項3】
前記記憶手段には、前記直上の階層に属する現在の特定の送信先から引き継がれ得る特定の送信先に関する情報が予め記憶されており、
前記直上の階層に属する特定の送信先に変更があった場合、前記メール作成部は、前記特定の送信先に対して、前記引き継がれ得る特定の送信先を、前記直上の階層の送信先の情報とする前記電子メールを自動作成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の後援会活動管理装置。
【請求項4】
前記名簿情報に含まれる前記有権者は、前記特定の送信先が属する階層によって重みづけされており、
前記特定の送信先から電子メールを受信した場合に前記重みづけにしたがって後援の規模を予測する予測手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の後援会活動管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後援会活動管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、市町村会議員、都道府県会議員、国会議員の活動を支援する、議員の支持者によってつくられた後援会がある。後援会は、例えば、議員の活動報告会の案内を会員や支持者等に郵送したり、選挙期間であれば、ポスター貼りや看板作成、更には会員や支持者及びその知人、友人等に支持をお願いする電話をかけたりする等、多くの活動を行っている。
【0003】
特許文献1には、地図情報が表示される地図情報にリンクさせて選挙対策用の各種データを記録することにより、選挙活動の負担を軽減して効率的に行えるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、選挙期間中においては、組織票を確保することが重要であり、そのためには、例えば、会社の経営者のような有力者の協力を得ることが望ましい。
【0006】
しかしながら、その有力者が、他の有力者に協力を依頼することによって協力関係が広がったとしても、他の有力者と後援会との関係性は、最初の有力者との関係性よりも薄い可能性がある。このため、例えば、後援会から他の有力者にお願いの電子メールを送信しても、他の有権者はこの電子メールに対して応答しない可能性がある。そうなると、後援会側では、折角、組織票が期待できる基盤を作ったとしても、実際の組織票の予測が困難になる。
【0007】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、組織票を管理することが可能な後援会活動管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
【0009】
(1) 有権者名と当該有権者の関連情報とを含む名簿情報を記憶する記憶手段(例えば、データベース部22)と、
電子メールの送受信を行うメール手段(例えば、メール部13)と、を備え、
前記メール手段は、
前記名簿情報に含まれる複数の特定の送信先に対する電子メールを自動作成する電子メールをメール作成部(例えば、メール作成部14)と、
当該メール作成部が作成した電子メールを複数の特定の送信先に設定時刻に一斉送信するメール自動送信部(例えば、メール自動送信部15)と、を有し、
複数の特定の送信先は、複数の階層に分けられており、
前記メール作成部は、下位の階層の特定の送信先の電子メールに、直上の階層の送信先の情報を記載することを特徴とする、後援会活動管理装置。
【0010】
(1)によれば、複数の階層において階層間に所定の繋がりがあり、後援会から特定の送信先に電子メールを送信する場合に、その電子メールに直上の階層の送信先の情報を記載している。これにより、電子メールを受信した者が直上の階層の送信先の情報を見ることにより、後援会からの電子メールに対する不信感を低減することが可能になり、電子メールの内容に協力する可能性が高くなる。その結果、各階層の人たちの協力が得られやすくなり、組織票を管理することが可能な後援会活動管理装置を提供することが可能になる。
【0011】
(2) (1)において、前記メール作成部は、複数の特定の送信先に対して、直上の階層に属する特定の送信先を差出人として、直下の階層に属する特定の送信先に関連する前記名簿情報を含む内容の前記電子メールを自動作成することを特徴とする、後援会活動管理装置。
【0012】
(2)によれば、電子メールの差出人が直上の階層に属する者であることから、電子メールを受け取った直下の階層の人たちの協力が得られやすくなり、組織票を管理することが可能な後援会活動管理装置を提供することが可能になる。
【0013】
(3) (1)又は(2)において、前記記憶手段には、前記直上の階層に属する現在の特定の送信先から引き継がれ得る特定の送信先に関する情報が予め記憶されており、
前記直上の階層に属する特定の送信先に変更があった場合、前記メール作成部は、前記特定の送信先に対して、前記引き継がれ得る特定の送信先を、前記直上の階層の送信先の情報とする前記電子メールを自動作成することを特徴とする、後援会活動管理装置。
【0014】
(3)によれば、直上の階層に属する特定の送信先を変更する必要が生じた場合、予め記憶手段に記憶されている特定の送信先に引き継がせることができる。このため、電子メールを受け取る直下の階層の人たちと繋がりの深い特定の送信先の変更することが可能になり、電子メールを受け取った直下の階層の人たちの協力が得られやすくなる。
【0015】
(4) (1)~(3)において、前記名簿情報に含まれる前記有権者は、前記特定の送信先が属する階層によって重みづけされており、
前記特定の送信先から電子メールを受信した場合に前記重みづけにしたがって後援の規模を予測する予測手段(例えば、投票数推定部17)をさらに備えることを特徴とする、後援会活動管理装置。
【0016】
(4)によれば、上位の階層に関わりの深い有権者であれば、他の有権者に候補者を紹介するような活動を行ってくれる期待が高いことから、その有権者だけでより多くの票が期待できる。そこで、その分、重みづけを行うことによって、より信頼性の高い票の予測が可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、組織票を管理することが可能な後援会活動管理装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態における後援会活動管理装置1の概略構成を示す説明図である。
【
図3】メール作成部14による処理を示すフローチャートである。
【
図4】メール自動送信部15による処理を示すフローチャートである。
【
図5】メールの送信経路及び返信経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態における後援会活動管理装置1の概略構成を示す説明図である。後援会活動管理装置1は、後援会活動管理端末10と、各種の表示を行う表示部20と、後援会活動管理端末10に各種の入力を行う入力部21と、後援会で作成した有権者名簿を記憶するデータベース部22と、を備えている。後援会活動管理端末10は、表示部20、入力部21及びデータベース部22にケーブル等で通信可能に接続されている。また、後援会活動管理端末10は、電子メールの送受信を行うメール部13としての機能を備えている。
【0020】
後援会活動管理端末10は、特に限定されず、従来技術の端末でよい。後援会活動管理端末10は、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン、タブレット端末等でよい。
【0021】
表示部20は、特に限定されず、従来技術の表示部でよい。表示部20として、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTモニタ、タッチパネル等の1以上を含む構成が挙げられる。
【0022】
入力部21は、特に限定されず、従来技術の入力部でよい。入力部21として、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等の1以上を含む構成が挙げられる。
【0023】
データベース部22は、特に限定されず、従来技術のデータベース及び/又はストレージを有するデータベース部でよい。データベース部のハードウェア構成は、特に限定されず、例えば、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等の1以上を含むハードウェア構成でよい。データベース部は、ネットワークを介して複数の計算装置を接続してストレージ及び/又はデータベースを構成するクラウド技術を用いて構成されたストレージ及び/又はデータベースを含んでも良い。
【0024】
後援会活動管理端末10は、制御部11と、プログラム記憶部12とを備えている。後援会活動管理端末10に後援会活動管理アプリケーションを導入することにより、プログラム記憶部12に、後援会活動管理アプリケーションを構成する各種のプログラムが記憶される。制御部11が各種のプログラムを実行することにより、後援会活動管理端末10に、名簿登録/更新部16及び投票数推定部17等の機能を持たせることができる。更に、メール部13に、メール作成部14、メール自動送信部15の機能を追加することができる。
【0025】
メール作成部14は、特定の送信先に対して自動的に文章を作成する。
図2は、特定の送信先の一例を示す図であり、メール作成部14は、3階層者が使用する3階層者端末30、2階層者が使用する2階層者端末40、1階層者が使用する1階層者端末50に対して送信する電子メールを作成する。また、メール作成部14は、2階層者端末40に送信する電子メールには、3階層者を差出人として記載する。1階層者端末40に送信する電子メールには、2階層者を差出人として記載する。
【0026】
なお、3階層~1階層は、いわゆる縦の関係にあり、例えば、親会社、子会社、孫会社、あるいは大手会社、下請け会社、下請けの下請け会社という関係にあるものとする。
【0027】
メール自動送信部15は、電子メールを自動送信する時刻の設定を行い、この設定時刻にメール作成部14で作成した文書を、ショートメールあるいは電子メールで特定の送信先に対して一斉送信する。
【0028】
名簿登録/更新部16は、データベース部22に記憶されている有権者名簿への新規登録、登録抹消及び登録内容の更新を行う。有権者名簿には、後援会が支援する議員(候補者)を支持する有権者、後援会活動において知り合った有権者、後援会がサポートする議員を支持する人たちから紹介された有権者等、後援会に大なり小なり関わった人たちが登録される。
【0029】
有権者名簿には、氏名、生年月日、住所、電話番号、携帯番号、電子メールアドレス、といった基本情報が記入されており、この基本情報に関連づけて、属性情報、活動履歴情報や評価情報が記入されている。
【0030】
属性情報は、紹介者、グループ情報、家族情報、職場名、後援会員か否か、後援会からのメール送信は可能か否か、等からなる。
【0031】
グループ情報は、3階層者のグループ、2階層者のグループ、1階層者のグループ、それ以外のグループを区別する情報である。各グループには、後援会からの電子メールの送信先となる代表者情報が設定されている。また、代表者情報が、後援会からの電子メールによる依頼に応えられない状況にある場合に、代わりに代表者となる副代表者情報が設定可能である。すなわち、第3階層者の端末30は代表者の端末であり、代表者を変更した場合には副代表者の端末が第3階層者の端末30となる。第2階層者の端末40、第1階層者の端末50も同様に変更可能である。なお、副代表者は、代表者と同様に下位階層者との繋がりが深い者であることが望ましい。仮に、代表者のメールアドレスが消去されている場合に、メール作成部14は、副代表者のメールアドレスを設定するとともに、代表者名の代わりに副代表者名を送信メールに記載する。
【0032】
活動履歴情報は、電話履歴、訪問履歴、メール履歴、ファックス履歴、対面履歴等からなる。評価情報は、後援会が推している議員(候補者)に投票してくれるか否かの評価値からなり、例えば、5段階の数字で表している。
【0033】
投票数推定部17は、評価情報や、特定の送信先に対する電子メールに対して直接あるいは間接的に受信した返信状況及び返信内容等に基づいて、現時点で確保した実票数及び見込み票数を推定する。
【0034】
表示部20には管理画面が表示され、管理画面には、見込み票数、実票数、紹介組織の一覧及び地図等を表示させるアイコン、一斉メール機能を立ち上げるアイコン、活動履歴を表示させるアイコン、有権者の状態確認をするためのアイコン等が表示される。
【0035】
入力部21によって一斉メール機能を立ち上げるアイコンを指定すると、メール作成画面や送信時刻の設定画面、特定の送信先を指定する指定画面等が表示可能になる。入力部21によって活動履歴を表示させるアイコンを指定すると、活動履歴を表示させるとともに、名簿から対象者を指定して、電話をかけたり電子メールやファックスを送信することが可能になる。活動履歴として、電話をかけた日やその時の心証、ファックスを送った日とそのデータ、電子メールを送った日とそのデータ及びそれに対する返信データ等が表示可能である。入力部21によって有権者の状態確認をするためのアイコンを指定すると、送信メールに対して返信メールを送った人たちと返信メールを送っていない人たちのリスト、返信メールに基づく有権者の状態、例えば、後述するように返信メールに投票予定日が記載されている場合に、投票予定日に投票したか否かといった状態、等が表示可能である。また、この画面から、返信メールを送っていない人たちのリストを添付して催促メールを、例えばグループの代表者の端末に送信することも可能である。
【0036】
図3は、メール作成部14において実行される処理を示すフローチャートである。
メール作成部14は、まず、3階層者へのメール作成処理を行う(S1)。この処理において、候補者あるいは候補者から作業を依頼された後援会員が、後援会活動管理端末10を操作して、管理画面に所定の情報を入力することにより、3階層者へ送信するお願いメールを作成する。
【0037】
具体的には、差出人を後援会として、本文に、「今回もご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。」といった定型文を貼り付け、候補者のメールアドレス、あるいは返信用フォームのURLやSNSのアカウント等の連絡先を貼り付ける。また、お願いメールに3階層者が紹介した人たちの名簿リストを添付する。そして、3階層者に、名簿リストに挙げられた人たちに対しての投票の呼びかけをお願いするとともに、投票予定日を返信メールで知らせてくれるように依頼する内容の定型文を本文に貼り付ける。更に、3階層者に、投票予定日ごとの返信メール数を集計して後援会に報告するように依頼する内容の定型文を本文に貼り付ける。なお、名簿リストに挙げられた人たちに対して電子メールで呼びかけを行う場合の文例を添付してもよい。作成したお願いメールは、後援会活動管理端末10の記憶部に記憶される。
【0038】
次に、メール作成部14は、2階層者へのメール作成処理を行う(S2)。この処理において、候補者あるいは候補者から作業を依頼された後援会員が、後援会活動管理端末10を操作して、管理画面に所定の情報を入力することにより、2階層者へ送信するお願いメールを作成する。
【0039】
具体的には、差出人を3階層者として、本文に、「今回もご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。」といった定型文を貼り付け、候補者のメールアドレス、あるいは返信用フォームのURLやSNSのアカウント等の連絡先を貼り付ける。また、お願いメールに2階層者が紹介した人たちの名簿リストを添付する。そして、2階層者に、名簿リストに挙げられた人たちに対しての投票の呼びかけをお願いするとともに、投票予定日を返信メールで知らせてくれるように依頼する内容の定型文を本文に貼り付ける。更に、2階層者に、投票予定日ごとの返信メール数を集計して3階層者に報告するように依頼する内容の定型文を本文に貼り付ける。なお、名簿リストに挙げられた人たちに対して電子メールで呼びかけを行う場合の文例を添付してもよい。作成したお願いメールは、後援会活動管理端末10の記憶部に記憶される。
【0040】
次に、メール作成部14は、1階層者へのメール作成処理を行う(S3)。この処理において、候補者あるいは候補者から作業を依頼された後援会員が、後援会活動管理端末10を操作して、管理画面に所定の情報を入力することにより、1階層者へ送信するお願いメールを作成する。
【0041】
具体的には、差出人を2階層者として、本文に、「今回もご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。」といった定型文を貼り付け、候補者のメールアドレス、あるいは返信用フォームのURLやSNSのアカウント等の連絡先を貼り付ける。また、お願いメールに2階層者が紹介した人たちの名簿リストを添付する。そして、1階層者に、名簿リストに挙げられた人たちに対しての投票の呼びかけをお願いするとともに、投票予定日を返信メールで知らせてくれるように依頼する内容の定型文を本文に貼り付ける。更に、1階層者に、投票予定日ごとの返信メール数を集計して2階層者に報告するように依頼する内容の定型文を本文に貼り付ける。なお、名簿リストに挙げられた人たちに対して電子メールで呼びかけを行う場合の文例を添付してもよい。作成したお願いメールは、後援会活動管理端末10の記憶部に記憶される。
【0042】
各階層者に送信される名簿リストに挙げられている人たちは、例えば、各階層者が経営している会社の社員や友人、知人等であり、後援会が応援している候補者を応援している人たち、あるいは各階層者が応援している候補者を知っている人たちであり、後援会の有権者名簿に登録されている。
【0043】
後援会活動管理端末10は、有権者名簿におけるグループ情報の項目に紐付けられている有権者を抽出することによって名簿リストを作成する。例えば、1階層者のグループであれば、1階層者が紹介した人たち、例えば、1階層者が経営している会社の社員や友人、知人等がリストアップされる。
【0044】
次に、メール作成部14は、作成したお願いメールの送信日を設定する処理を行う(S4)。この処理において、候補者あるいは候補者から作業を依頼された後援会員が、後援会活動管理端末10を操作して、管理画面に公示日を入力することにより、公示日にお願いメールを一斉送信するように設定する。この処理が終了した場合にメール作成処理が終了する。
【0045】
図4は、メール自動送信部15において実行される処理を示すフローチャートである。
メール自動送信部15は、後援会活動管理端末10の時計機能を利用して日時を監視し、
図3に示すメール作成処理におけるS4の処理で設定した送信日に到達した場合に(S5のYES)、お願いメールを各階層者に一斉送信して(S6)、メール自動送信処理を終了する。送信日に到達しない場合には(S5のNo)には日時の監視を継続する。
【0046】
次に、本実施形態の後援会活動管理装置1を、選挙期間において使用する例について、
図5を参照しながら説明する。
【0047】
まず、例えば候補者あるいは候補者から作業を依頼された後援会員が、後援会活動管理端末10を操作して、お願いメールを予め作成する。併せて、お願いメールの送信日として選挙の公示日に設定する。
【0048】
そして、後援会活動管理端末10は、公示日の初日に、お願いメールを一斉送信する。このお願いメールを受け取った1~3階層者は、差出人を確認することにより、3階層者は後援会が差出人であること、2階層者は3階層者が差出人であること、1階層者は2階層者が差出人であることを把握することが可能になる。
【0049】
1~3階層者は、名簿リストの有権者たちに、添付の文例に沿った電子メールを送った場合、この電子メールを受信した有権者は返信メールを送信先に返信する。ここで、返信メールを送信先に返信しない有権者がいる場合もある。
【0050】
返信メールを受け取った1階層者は結果を集計して、2階層者の端末40に完了報告をメール送信する。2階層者は返信メールを集計して、1階層者の集計結果とともに、3階層者の端末30に完了報告をメール送信する。3階層者は返信メールを集計して、1階層者、2階層者の集計結果とともに、後援会活動管理端末10に完了報告をメール送信する。
【0051】
ここで、名簿リストは、有権者ごとに投票予定日を指定するチェックボックスを備えており、各階層者は返信メールの内容に応じて名簿リストのチェックボックスにチェックを入れる。この名簿リストを上の階層者の端末にメール送信することにより完了報告とすることができる。
【0052】
後援会活動管理端末10は、3階層者の端末から完了報告を受信することにより、各階層者からの名簿リストを取得し、この名簿リストに基づいて後援会活動管理端末10の名簿登録/更新部16は、名簿リストに基づいて、有権者名簿に紐付けられている投票予定日の項目に日付を登録する。後援会活動管理端末10は、投票予定日を表示部20に表示することが可能であり、例えば紹介者が3階層者のリストを表示部20に表示することにより、3階層者が紹介した有権者の投票予定日や、お願いメールに返信していない、といった有権者の状態を確認することができる。
【0053】
なお、後援会活動管理端末10は、指定時刻までに完了報告を受信していない場合に、3階層者~1階層者30、40、50の端末に催促メールを送信してもよい。
【0054】
後援会活動管理端末10の投票数推定部17は、お願いメールに対して返ってきた返信メールにおいて、投票予定日を答えてくれたメールの数を実投票数と推定する。また、投票予定日を答えてくれたメールの数に対して重み係数を乗算した値を見込み投票数と推定する。重み係数は、上の階層者のグループであるほど大きな値が設定されており、例えば、3階層者のグループの有権者には1.5、2階層者のグループの有権者には1.3、1階層者のグループの有権者には1.1が設定されている。つまり、上の階層者のグループであるほど候補者あるいは後援会との繋がりが深いことから、上の階層者のグループの有権者は他の有権者を紹介してくれることを期待できる。このように、投票数推定部17は、グループの有権者によって増える可能性がある票を見込んだ数を推定する。そして、お願いメールの送信数、お願いメールに対する返信数、推定した実投票数、見込み投票数等を記載した状況報告メールを候補者あるいはその秘書が使用する端末に送信する。
【0055】
後援会活動管理端末10は、3階層者から完了報告メールを受信するごとに、各階層者に送信する名簿リストを更新する。そして、選挙期間中において毎日お願いメールを各階層者に送信し、お願いメールに対応する集計結果を取得する。後援会活動管理端末10の名簿登録/更新部16は、3階層者から送信された名簿リストに基づいて、有権者名簿に紐付けられている投票予定日の項目を更新する。
【0056】
後援会活動管理端末10は、投票予定日になった場合に、その旨各階層者を介して有権者に知らせることができる。具体的に、後援会活動管理端末10は、投票予定日の有権者を名簿リストに含めて各階層者に送信する。この名簿リストには、投票予定日の有権者の項目に、投票した場合にチェックを入れるチェックボックスが含まれている。階層者は、名簿リスト上の投票予定日の有権者に対して、投票に行ったか否かを伺うメールを送信し、投票に行った旨の返信があった場合に、名簿リストのチェックボックスにチェックを入れて、上階層者に名簿リストを送信する。返信がない場合には、そのまま上階層者に名簿リストを送信する。後援会活動管理端末10は、各階層者を介して名簿リストを受信し、この名簿リストに基づいて有権者名簿を更新する。
【0057】
このように、後援会活動管理端末10は、各階層者に送信した名簿リストの有権者の状態を自動で管理することが可能になり、例えば、投票する予定があるか否か、投票する予定があるのであればいつ投票に行くか、ということを、候補者あるいは後援会員が、表示部20に表示される管理画面を介して、一目で分かるようにすることが可能になる。また、後援会活動管理端末10は、候補者に対する状況報告メールも自動で作成して、候補者や秘書の端末に自動送信することが可能になり、候補者は、状況報告メールを見ることにより、いわゆる、組織票がどの程度固まっているかを知ることができる。
【0058】
以上、説明したように構成された本実施形態によれば、複数の階層において階層間に選挙協力の繋がりがあり、後援会から各階層者にお願いメールを送信する場合に、そのお願いメールの本文に直上の階層者のお願いでもある内容を記載している。これにより、後援会からのお願いメールであれば、なぜこのようなお願いメールがくるのか不信感をもたれる恐れがあるが、お願いメールを受信した階層者が直上の階層者に関する記載を見ることにより、後援会からのお願いメールに対する不信感を低減することが可能になり、お願いメールの内容に協力する可能性が高くなる。その結果、各階層の人たちの協力が得られやすくなり、組織票を管理することが可能な後援会活動管理装置を提供することが可能になる。
【0059】
また本実施形態によれば、メール作成部14は、各階層者に対して、直上の階層に属する階層者を差出人として、直下の階層者に関連する名簿リストを含む内容の電子メールを自動作成する。これにより、電子メールの差出人が直上の階層に属する者であることから、電子メールを受け取った直下の階層の人たちの協力が得られやすくなり、組織票を管理することが可能な後援会活動管理装置を提供することが可能になる。
【0060】
また本実施形態によれば、データベース部22には、例えば、現在の3階層者から引き継がれ得る者の情報が予め記憶されており、3階層者に変更があった場合、メール作成部14は、現在の3階層者から引き継ついだ3階層者に基づく電子メールを自動作成する。これにより、直上の階層者を変更する必要が生じた場合、予めデータベース部22に記憶されている者に引き継がせることができる。このため、電子メールを受け取る直下の階層の人たちと繋がりの深い者に変更することが可能になり、電子メールを受け取った直下の階層の人たちの協力が得られやすくなる。
【0061】
また本実施形態によれば、有権者名簿に含まれる有権者は、属する階層によって重み付けされており、投票数推定部17が、重み付けにしたがって後援の規模すなわち見込み投票数を予測することができる。このため、上位の階層に関わりの深い有権者であれば、他の有権者に候補者を紹介するような活動を行ってくれる期待が高いことから、その有権者によってより多くの票が期待できることから、その分、重み付けを行うことによって、より信頼性の高い票の予測が可能になる。
【0062】
また、メール作成部14は、各階層者に対するお願いメールに、後援会が所有する有権者名簿に基づいて作成され、かつ投票に行ったか否かといった情報の書き込みが可能な名簿リストを添付し、名簿登録/更新部16は、各階層者から、情報が書き込まれた名簿リストが返信された場合に、この名簿リストに基づいて有権者名簿を更新する。これにより、後援会が、各階層者から後援会の有権者名簿にある有権者に関する情報を取得したい場合に、各階層者はリストに情報を書き込んで返信するという作業で後援会からの要望に応えることが可能になる。また、後援会側では、返信された名簿リストに基づいて名簿登録/更新部16が有権者名簿を更新するため、後援会側の作業負担が軽減される。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述したものに限るものではない。例えば、上述した名簿リストには、投票予定日の有権者の項目に、投票した場合にチェックを入れるチェックボックスが含まれているが、それに限らず、後援会への入会希望、後援会からの退会希望のチェックボックスを追加してもよい。
【0064】
また、各階層者から社員や家族に送信する電子メールに、返信用フォームのURLを記載してもらい、各階層者から社員や家族に、この返信用フォームから投票予定日、後援会への入会希望、後援会からの退会希望等を入力してもらい、直接、後援会活動管理端末10に送信するようにしてもよい。
【0065】
また、電子メールを利用する方法による選挙運動は、候補者・政党等に限って行うことができるものであり、一般の有権者が電子メールを利用して選挙運動をすることは規制されている。このため、例えば、3階層者が差出人となっている2階層者に送信するお願いメールに、選挙運動に関する記載の有無をチェックする機能を持たせてもよい。
【0066】
また、上述した実施形態においては、3つの階層であるが、階層数がそれよりも多くてもよいことは言うまでもない。また、3階層者に対して複数の2階層者がつながっており、更に2階層者に対して複数の1階層者がつながっている場合でも本実施形態は適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 後援会活動管理装置
10 後援会活動管理端末
11 制御部
12 プログラム記憶部
13 メール部
14 メール作成部
15 メール自動送信部
16 名簿登録/更新部
17 投票数推定部
20 表示部
21 入力部
22 データベース部