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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147546
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】用紙
(51)【国際特許分類】
   B42F 3/00 20060101AFI20220929BHJP
   B42D 13/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B42F3/00
B42D13/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048835
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000115821
【氏名又は名称】株式会社リヒトラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 莞二
(72)【発明者】
【氏名】有本 佳照
(72)【発明者】
【氏名】岩上 優樹
(57)【要約】
【課題】破断を抑制することができる用紙を提供する。
【解決手段】用紙の一縁部に沿って、綴じ具を挿入する複数の貫通孔が並ぶ。複数の貫通孔それぞれは、前記一縁部側に配置され、前記貫通孔の径方向外向きに突出するように湾曲した角部を有する。好ましくは、前記複数の貫通孔は、前記一縁部の端部に配置された端部孔を有し、前記端部孔の前記角部は、前記一縁部の端側に配置された第1角部と、前記一縁部の端の反対側に配置された第2角部とを有し、前記第1角部の曲率は前記第2角部の曲率よりも小さい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
綴じ具を挿入する複数の貫通孔が一縁部に沿って並ぶ用紙において、
前記複数の貫通孔それぞれは、前記一縁部側に配置され、前記貫通孔の径方向外向きに突出するように湾曲した角部を有する
用紙。
【請求項2】
前記複数の貫通孔は、前記一縁部の端部に配置された端部孔を有し、
前記端部孔の前記角部は、前記一縁部の端側に配置された第1角部と、前記一縁部の端の反対側に配置された第2角部とを有し、
前記第1角部の曲率は前記第2角部の曲率よりも小さい
請求項1に記載の用紙。
【請求項3】
前記複数の貫通孔は、
前記一縁部の端部に配置された端部孔と、
該端部孔よりも前記一縁部の中央側に配置された挿入孔と
を有し、
前記端部孔の前記角部は、前記一縁部の端側に配置された第1角部を有し、
前記第1角部の曲率は、前記挿入孔の角部の曲率よりも小さい
請求項1に記載の用紙。
【請求項4】
前記複数の貫通孔は、前記一縁部の両端部にそれぞれ配置された二つの前記端部孔を有する
請求項2又は3に記載の用紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、バインダーの綴じ具に綴じられる用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
バインダーの綴じ具に用紙を綴じたバインダーノートが提案されている。用紙の一縁部に沿って複数の貫通孔が並ぶ。貫通孔は平面視四角形状をなす。綴じ具はリングを有する。各リングは各貫通孔に挿入される。バインダーノートは、用紙の追加又は削除が容易である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-341478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バインダーに綴じられた用紙が斜めに移動した場合、一縁部の端に位置する貫通孔の角にリングが接触して、力が集中し、用紙が破断するおそれがある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、破断を抑制することができる用紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る用紙は、綴じ具を挿入する複数の貫通孔が一縁部に沿って並ぶ用紙において、前記複数の貫通孔それぞれは、前記一縁部側に配置され、前記貫通孔の径方向外向きに突出するように湾曲した角部を有する。
【0007】
本開示の一実施形態においては、用紙の一縁部に沿って複数の貫通孔が並ぶ。貫通孔の前記一縁部側に角部が形成されている。角部は貫通孔の径方向外向きに突出するように湾曲しているので、リングが接触した場合に、角部に作用する力が分散されやすい。
【0008】
本開示の一実施形態に係る用紙は、前記複数の貫通孔は、前記一縁部の端部に配置された端部孔を有し、前記端部孔の前記角部は、前記一縁部の端側に配置された第1角部と、前記一縁部の端の反対側に配置された第2角部とを有し、前記第1角部の曲率は前記第2角部の曲率よりも小さい。
【0009】
本開示の一実施形態においては、一縁部の端側に配置された第1角部の曲率を、一縁部の端の反対側に配置された第2角部の曲率よりも小さくする。第2角部よりも第1角部に力は集中しやすい。第1角部の曲率は第2角部の曲率よりも小さいので、力がより分散されやすくなる。
【0010】
本開示の一実施形態に係る用紙は、前記複数の貫通孔は、前記一縁部の端部に配置された端部孔と、該端部孔よりも前記一縁部の中央側に配置された挿入孔とを有し、前記端部孔の前記角部は、前記一縁部の端側に配置された第1角部を有し、前記第1角部の曲率は、前記挿入孔の角部の曲率よりも小さい。
【0011】
本開示の一実施形態においては、挿入孔の角部よりも端部孔の第1角部に力は集中しやすい。端部孔の第1角部の曲率は挿入孔の角部の曲率よりも小さいので、力がより分散されやすくなる。
【0012】
本開示の一実施形態に係る用紙は、前記複数の貫通孔は、前記一縁部の両端部にそれぞれ配置された二つの前記端部孔を有する。
【0013】
本開示の一実施形態においては、一縁部の両端部に二つの端部孔がそれぞれ配置される。各端部孔の第1角部の曲率は、他の角部の曲率よりも大きいので、力がより一層分散されやすくなる。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一実施形態に係る用紙にあっては、用紙の一縁部に沿って複数の貫通孔が並ぶ。貫通孔の前記一縁部側に角部が形成されている。角部は貫通孔の径方向外向きに突出するように湾曲しているので、リングが接触した場合に、角部に作用する力が分散されやすい。そのため、端に位置する貫通孔から用紙が破断することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】展開したバインダーノートの略示平面図である。
図2】用紙の略示平面図である。
図3】第1端部孔の略示部分拡大平面図である。
図4】第2端部孔の略示部分拡大平面図である。
図5】挿入孔の略示部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明を実施の形態に係るバインダーノートを示す図面に基づいて説明する。以下の説明では、図に示す前後左右を使用する。図1は、展開したバインダーノートの略示平面図である。バインダーノート1は、バインダー2及び複数の用紙7を備える。
【0017】
バインダー2は、表表紙3、裏表紙4及び背表紙5を備える。表表紙3は平面視長方形をなし、前後に延びる。裏表紙4は平面視長方形をなし、前後に延びる。表表紙3及び裏表紙4は左右に配置される。表表紙3及び裏表紙4それぞれの前後及び左右寸法は略同じである。本実施形態においては、バインダー2の展開時に、図1に示す如く、表表紙3は右側に配置され、裏表紙4は左側に配置される。左右方向において、表表紙3及び裏表紙4の間に背表紙5が配置されている。
【0018】
背表紙5は前後に延びた四角帯状をなす。背表紙5の前後寸法は、表表紙3及び裏表紙4それぞれの前後寸法と略同じである。背表紙5の右縁と表表紙3の左縁とが回動可能に連結される。背表紙5の左縁と裏表紙4の右縁とが連結される。背表紙5と表表紙3との連結部分、及び、背表紙5と裏表紙4との連結部分は、前後方向を回転軸方向としたヒンジを構成する。
【0019】
背表紙5の上側に綴じ具6が設けられている。綴じ具6は複数のリング6aを備える。リング6aは前後方向を軸方向とする。背表紙5の上側において、複数のリング6aは軸方向、即ち前後方向に並ぶ。
【0020】
図2は、用紙7の略示平面図である。図2は、バインダーノート1を展開した場合に、右側に配置される用紙7を示す。以下の用紙7の説明では、図2の状態を基準にする。用紙7は平面視長方形をなし、前後に延びる。用紙7は第1長手縁部7a、第2長手縁部7b、前縁部7c及び後縁部7dを備える。第1長手縁部7aは右縁部を構成し、第2長手縁部7bは左縁部を構成する。
【0021】
第2長手縁部7bに沿って、複数の貫通孔11が形成されている。複数の貫通孔11は、前端部に配置された第1端部孔8、後端部に配置された第2端部孔9、及び第1端部孔8及び第2端部孔9の間に配置された複数の挿入孔10を備える。挿入孔10は、第2長手縁部7bに沿う方向、即ち前後方向において、第1端部孔8又は第2端部孔9よりも第2長手縁部7bの中央側に配置されている。第2長手縁部7bは一縁部に対応する。
【0022】
図3は、第1端部孔8の略示部分拡大平面図である。第1端部孔8は、平面視略四角形状をなし、リング6aの外側に配置された二つの外側角部8a、8bと、リング6aの内側に配置された二つの内側角部8c、8dとを備える。外側角部8aは第1端部孔8の右後部分に配置され、外側角部8bは第1端部孔8の右前部分に配置されている。内側角部8cは第1端部孔8の左後部分に配置され、内側角部8dは第1端部孔8の左前部分に配置されている。
【0023】
外側角部8a、8b及び内側角部8c、8dはいずれも、第1端部孔8の径方向外向きに突出するように、円弧状に湾曲している。内側角部8cの曲率は、外側角部8a、8b及び内側角部8dの曲率よりも小さい。即ち、内側角部8cの曲がり具合は外側角部8a、8b及び内側角部8dよりも緩い。外側角部8a、8b及び内側角部8dの曲率は略同じである。
【0024】
図3に示す如く、リング6aにおける軸方向に平行な面で切断した切断面は半円形状をなす。前記切断面は、リング6aの径方向内側に向けて突出するように、湾曲した円弧部6bと、該円弧部6bの両端を連結する弦部6cとを備える。内側角部8cの曲率は円弧部6bの曲率と略同じである。換言すれば、内側角部8cの曲率は円弧部6bの曲率に対応する。内側角部8cは第1角部に対応し、内側角部8dは第2角部に対応する。
【0025】
図4は、第2端部孔9の略示部分拡大平面図である。第2端部孔9は、平面視略四角形状をなし、リング6aの外側に配置された二つの外側角部9a、9bと、リング6aの内側に配置された二つの内側角部9c、9dとを備える。外側角部9aは第2端部孔9の右後部分に配置され、外側角部9bは第2端部孔9の右前部分に配置されている。内側角部9cは第2端部孔9の左後部分に配置され、内側角部9dは第2端部孔9の左前部分に配置されている。
【0026】
外側角部9a、9b及び内側角部9c、9dはいずれも、第2端部孔9の径方向外向きに突出するように、円弧状に湾曲している。内側角部9dの曲率は、外側角部9a、9b及び内側角部9cの曲率よりも小さい。外側角部9a、9b及び内側角部9cの曲率は略同じである。内側角部9dの曲率は、リング6aの円弧部6bの曲率と略同じである。換言すれば、内側角部9dの曲率は円弧部6bの曲率に対応する。内側角部9dは第1角部に対応し、内側角部9cは第2角部に対応する。
【0027】
図5は、挿入孔10の略示部分拡大平面図である。挿入孔10は、平面視略四角形状をなし、リング6aの外側に配置された二つの外側角部10a、10bと、リング6aの内側に配置された二つの内側角部10c、10dとを備える。外側角部10aは挿入孔10の右後部分に配置され、外側角部10bは挿入孔10の右前部分に配置されている。内側角部10cは挿入孔10の左後部分に配置され、内側角部10dは挿入孔10の左前部分に配置されている。
【0028】
外側角部10a、10b及び内側角部10c、10dはいずれも、挿入孔10の径方向外向きに突出するように、円弧状に湾曲している。外側角部10a、10b及び内側角部10c、10dの曲率は略同じであり、円弧部6bの曲率よりも大きい。外側角部10a、10b及び内側角部10c、10dの曲率は、内側角部8c及び内側角部9dよりも大きい。即ち、挿入孔10の各角部の曲がり具合は、内側角部8c及び内側角部9dよりも急である。
【0029】
バインダーノート1を展開した場合に、右側に配置される用紙7について説明したが、左側に配置される用紙7についても、左右の位置が入れ替わることを除けば、右側に配置される用紙7と構成は同じであり、その詳細な説明は省略する。なお第1端部孔8及び第2端部孔9の内側角部8c、9dのみならず、第1端部孔8の隣側に位置する数個の孔、第2端部孔9の隣側に位置する数個の孔について、第2長手縁部7b側に位置し、且つ第2長手縁部7bの端部側に位置する内側角部の曲率を、同じ孔の他の内側角部の曲率よりも小さくしてもよい。
【0030】
実施の形態に係るバインダーノート1にあっては、用紙7の第2長手縁部7bに沿って複数の貫通孔11が並ぶ。貫通孔11の第2長手縁部7b側に角部8c、8d、9c、9d、10c、10dが形成されている。前記角部は貫通孔11の径方向外向きに突出するように湾曲しているので、リング6aが接触した場合に、前記角部に作用する力が分散されやすい。そのため、第2長手縁部7bの端に位置する貫通孔11から用紙7が破断することを抑制することができる。
【0031】
また第2長手縁部7bの端側に配置された内側角部8c、9d曲率を、第2長手縁部7bの端の反対側に配置された内側角部8d、9cの曲率よりも小さくする。内側角部8d、9cよりも内側角部8c、9dに力は集中しやすい。内側角部8c、9dの曲率は内側角部8d、9cの曲率よりも小さいので、力がより分散されやすくなる。
【0032】
また挿入孔10の角部10a~10dよりも第1端部孔8及び第2端部孔9の内側角部8c、9dに力は集中しやすい。第1端部孔8及び第2端部孔9の内側角部8c、9dの曲率は挿入孔10の角部10a~10dの曲率よりも小さいので、力がより分散されやすくなる。
【0033】
また第2長手縁部7bの両端部に第1端部孔8及び第2端部孔9がそれぞれ配置される。第1端部孔8及び第2端部孔9それぞれの内側角部8c、9dの曲率は、他の角部、即ち、内側角部8d、9c、外側角部8a、8b、9a、9b、及び挿入孔10の角部10a~10dの曲率よりも小さいので、力がより一層分散されやすくなる。
【0034】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0035】
1 バインダーノート
2 バインダー
6 綴じ具
6a リング
7 用紙
7a 第1長手縁部
7b 第2長手縁部(一縁部)
8 第1端部孔
8a、8b 外側角部
8c、8d 内側角部
9 第2端部孔
9a、9b 外側角部
9c、9d 内側角部
10 挿入孔
10a、10b 外側角部
10c、10d 内側角部
11 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5