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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147567
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】圧力検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/00 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
G01L19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048867
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】591257111
【氏名又は名称】サーパス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】蓮沼 正裕
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB03
2F055CC02
2F055DD09
2F055EE12
2F055FF11
2F055GG12
2F055HH03
2F055HH08
(57)【要約】
【課題】圧力検出ユニットの圧力検出特性に変動が生じることを抑制する。
【解決手段】圧力検出ユニットと、流路ユニット20と、流路ユニット20を圧力検出ユニットに着脱可能に取り付ける取付部と、を備え、圧力検出ユニットが、圧力検出ダイヤフラム12aAと、圧力検出ダイヤフラム12aAの第1面12aA1の中心部CPに配置されるとともに圧力検出ダイヤフラム12aAに直交する第1軸線Y1に沿って流路ユニット20に向けて突出し、第1軸線Y1に直交する先端面12aC1が形成されたセンサロッド12aCと、を有し、流路ユニット20が、流路ダイヤフラム22aを有し、取付部により流路ユニット20が圧力検出ユニットに取り付けられた状態で、先端面12aC1と接触する流路ダイヤフラム22aの変位がセンサロッド12aCを介して圧力検出ダイヤフラム12aAに伝達される圧力検出装置100を提供する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の圧力を検出する圧力検出ユニットと、
前記流体が流通する流路が形成された流路ユニットと、
前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに着脱可能に取り付ける取付部と、を備え、
前記圧力検出ユニットが、
前記流路ユニットから伝達される圧力に応じて変位する圧力検出ダイヤフラムと、
前記圧力検出ダイヤフラムの第1面の中心部に配置されるとともに前記圧力検出ダイヤフラムに直交する第1軸線に沿って前記流路ユニットに向けて突出し、前記第1軸線に直交する先端面が形成された圧力伝達部材と、を有し、
前記流路ユニットが、
前記流路を流通する前記流体の圧力により変位する流路ダイヤフラムを有し、
前記取付部により前記流路ユニットが前記圧力検出ユニットに取り付けられた状態で、前記先端面と接触する前記流路ダイヤフラムの変位が前記圧力伝達部材を介して前記圧力検出ダイヤフラムに伝達される圧力検出装置。
【請求項2】
前記圧力検出ユニットは、
前記圧力検出ダイヤフラムと、前記圧力伝達部材と、前記圧力検出ダイヤフラムが取り付けられるベース部と、を有するセンサ本体と、
前記センサ本体を収容するとともに前記圧力検出ダイヤフラムの前記中心部を含む第1領域を露出させた状態で前記第1領域の外周側の第2領域に接触する収容部材と、を有し、
前記収容部材は、前記取付部により前記流路ユニットが前記圧力検出ユニットに取り付けられた状態で、前記流路ダイヤフラムの端部領域と接触する接触面を有し、
前記第1面から前記先端面までの前記第1軸線に沿った第1長さは、前記第1面から前記接触面までの前記第1軸線に沿った第2長さの1.0倍以上かつ1.3倍以下である請求項1に記載の圧力検出装置。
【請求項3】
前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出ダイヤフラムの第2面に接合されるとともにホイートストンブリッジ回路を構成するように接続された4つの歪抵抗部を有し、
4つの前記歪抵抗部は、前記第2面の前記中心部を除く領域に接合されている請求項1または請求項2に記載の圧力検出装置。
【請求項4】
前記流路ユニットは、前記流路と直交する第2軸線に沿って円筒状に延びるとともに前記流路と連通した連通穴を有し、
前記連通穴は、前記流路ダイヤフラムにより閉塞されており、
前記圧力伝達部材の外径が、前記連通穴の内径の0.2倍以上かつ0.6倍以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧力検出装置。
【請求項5】
前記ベース部は、前記第1軸線に沿って円筒状に延びる開口穴を有し、
前記開口穴は、前記圧力検出ダイヤフラムにより閉塞されており、
前記圧力伝達部材の外径が、前記開口穴の内径の0.2倍以上かつ0.5倍以下である請求項2に記載の圧力検出装置。
【請求項6】
前記圧力検出ユニットは、
前記第1軸線に沿って前記圧力検出ダイヤフラムを前記流路ダイヤフラムに向けて付勢する付勢力を発生する付勢部を有し、
前記取付部は、前記付勢部が発生する付勢力により前記圧力伝達部材の前記先端面を前記流路ダイヤフラムに接触させた状態で、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の圧力検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を流通させる流路の一部に圧力伝達面が形成された流路ユニットと、圧力検出面に伝達される圧力を検出する圧力検出ユニットと、これらを着脱可能に取り付ける取付機構とを備える圧力検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示される圧力検出装置は、流路ユニットが圧力検出ユニットに対して着脱可能となっているため、使用済の流路ユニットを新たな流路ユニットに交換することができる。
【0003】
特許文献1に開示される圧力検出装置は、取付機構により流路ユニットの圧力伝達面を圧力検出ユニットの圧力検出面に接触させることで、流路ユニットを流通する液体の圧力が圧力伝達面を介して圧力検出面に伝達されるようにする。使用済みの流路ユニットを新たな流路ユニットに交換する際には、取付機構により、使用済みの流路ユニットを圧力検出ユニットから取り外し、新たな流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-15568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される圧力検出装置では、流路ユニットの圧力伝達面の全領域を、圧力検出ユニットの圧力検出面に直接的に接触させるように、流路ユニットが圧力検出ユニットに取り付けられる。
しかしながら、流路ユニットの形状の個体差や流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける際の作業のばらつきなどにより、圧力伝達面の一部の領域が圧力検出面に直接的に接触しない状態になる場合がある。また、圧力伝達面の全領域が圧力検出面に直接的に接触した状態であったとしても、互いの接触力に偏りが生じてしまう場合がある。このような場合、流路ユニットを交換する前と交換した後で、圧力検出ユニットの圧力検出特性が変化してしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、流路ユニットの形状の個体差や流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける際の作業のばらつきなどにより圧力検出ユニットの圧力検出特性に変動が生じることを抑制することが可能な圧力検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の一態様にかかる圧力検出装置は、流体の圧力を検出する圧力検出ユニットと、前記流体が流通する流路が形成された流路ユニットと、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに着脱可能に取り付ける取付部と、を備え、前記圧力検出ユニットが、前記流路ユニットから伝達される圧力に応じて変位する圧力検出ダイヤフラムと、前記圧力検出ダイヤフラムの第1面の中心部に接合されるとともに前記圧力検出ダイヤフラムに直交する第1軸線に沿って前記流路ユニットに向けて突出し、前記第1軸線に直交する先端面が形成された圧力伝達部材と、を有し、前記流路ユニットが、前記流路を流通する前記流体の圧力により変位する流路ダイヤフラムを有し、前記取付部により前記流路ユニットが前記圧力検出ユニットに取り付けられた状態で、前記先端面と接触する前記流路ダイヤフラムの変位が前記圧力伝達部材を介して前記圧力検出ダイヤフラムに伝達される。
【0008】
本発明の一態様にかかる圧力検出装置によれば、流路ユニットが圧力検出ユニットに着脱可能に取り付けられるため、流路を流通させる流体を変更する場合には、使用済みの流路ユニットを圧力検出ユニットから取り外し、未使用の流路ユニットを新たに圧力検出ユニットに取り付けることができる。そのため、流路を流通させる流体を変更する場合に、多大な時間を要する流路の洗浄作業が不要となり作業の迅速性を高めることができる。また、未使用の流路ユニットを新たに使用できるため、安全性を高めることができる。
【0009】
また、本発明の一態様にかかる圧力検出装置によれば、取付部により流路ユニットが圧力検出ユニットに取り付けられた状態で、圧力検出ダイヤフラムの第1面の中心部に配置される圧力伝達部材の先端面と接触する流路ダイヤフラムの変位が、圧力伝達部材を介して圧力検出ダイヤフラムに伝達される。
【0010】
圧力伝達部材の先端面と接触する流路ダイヤフラムの領域が流路ダイヤフラムの全領域の一部であるため、流路ユニットの形状の個体差や流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける際の作業のばらつきがあったとしても、圧力伝達部材の先端面の全領域が流路ダイヤフラムに確実に接触する。そのため、流路ユニットの形状の個体差や流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける際の作業のばらつきなどにより圧力検出ユニットの圧力検出特性に変動が生じることを抑制することができる。
【0011】
また、本発明の一態様にかかる圧力検出装置によれば、圧力検出ユニットが圧力検出ダイヤフラムの第1面の中心部に配置される圧力伝達部材を有するため、流路ユニットを交換しても圧力伝達部材の形状は変化しない。したがって、流路ユニットに圧力伝達部材を設ける場合に比べ、圧力伝達部材の形状の個体差による圧力検出特性の変動を防止することができる。
【0012】
ここで、圧力検出特性の変動とは、例えば、圧力検出装置に外力が加わった場合において、流体の圧力が一定であっても外力が加わる前の圧力検出値と、外力が加わった後の圧力検出値とが変化することである。また、圧力検出特性の変動とは、例えば、流体の圧力が同じ場合であっても、流体の圧力が漸次増加する状態での圧力検出値と、流体の圧力が漸次減少する状態での圧力検出値とが変化することである。
【0013】
本発明の一態様に係る圧力検出装置において、前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出ダイヤフラムと、前記圧力伝達部材と、前記圧力検出ダイヤフラムが取り付けられるベース部と、を有するセンサ本体と、前記センサ本体を収容するとともに前記圧力検出ダイヤフラムの前記中心部を含む第1領域を露出させた状態で前記第1領域の外周側の第2領域に接触する収容部材と、を有し、前記収容部材は、前記取付部により前記流路ユニットが前記圧力検出ユニットに取り付けられた状態で、前記流路ダイヤフラムの端部領域と接触する接触面を有し、前記第1面から前記先端面までの前記第1軸線に沿った第1長さは、前記第1面から前記接触面までの前記第1軸線に沿った第2長さの1.0倍以上かつ1.3倍以下である構成が好ましい。
【0014】
上記構成の圧力検出装置によれば、圧力検出ダイヤフラムの第1面から圧力伝達部材の先端面までの第1軸線に沿った第1長さが、第1面から収容部材の接触面までの第2長さの1.0倍以上である。そのため、圧力伝達部材の先端面が収容部材の接触面と同じかそれよりも流路ダイヤフラム側へ突出した位置に配置され、先端面の全領域を確実に流路ダイヤフラムに接触させることができる。
【0015】
上記構成の圧力検出装置によれば、圧力検出ダイヤフラムの第1面から圧力伝達部材の先端面までの第1軸線に沿った第1長さが、第1面から収容部材の接触面までの第2長さの1.3倍以下である。そのため、圧力伝達部材の先端面が収容部材の接触面よりも流路ダイヤフラムへ過度に突出することが抑制され、流路ダイヤフラムが過度に変形することによる圧力検出特性の変動を防止することができる。
【0016】
上記構成の圧力検出装置において、前記圧力検出ユニットは、前記圧力検出ダイヤフラムの第2面に接合されるとともにホイートストンブリッジ回路を構成するように接続された4つの歪抵抗部を有し、4つの前記歪抵抗部は、前記第2面の前記中心部を除く領域に接合されている構成が好ましい。
【0017】
上記構成の圧力検出装置によれば、4つの歪抵抗部が圧力検出ダイヤフラムの第2面の中心部を除く領域に接合されている。そのため、圧力伝達部材が配置されることにより変位が抑制される圧力検出ダイヤフラムの中心部に歪抵抗部を配置する場合に比べ、圧力検出精度の低下を抑制することができる。
【0018】
本発明の一態様に係る圧力検出装置において、前記流路ユニットは、前記流路と直交する第2軸線に沿って円筒状に延びるとともに前記流路と連通した連通穴を有し、前記連通穴は、前記流路ダイヤフラムにより閉塞されており、前記圧力伝達部材の外径(D1)が、前記連通穴の内径(D2)の0.2倍以上かつ0.6倍以下である構成が好ましい。
【0019】
上記構成の圧力検出装置によれば、圧力伝達部材の外径が、流路ユニットの連通穴の内径の0.2倍以上であるため、連通穴の内径に対する圧力伝達部材の外径を十分に確保し、流路を流通する流体の圧力変化を確実に圧力検出ダイヤフラムに伝達することができる。
【0020】
また、上記構成の圧力検出装置によれば、圧力伝達部材の外径が、流路ユニットの連通穴の内径の0.6倍以下であるため、流路ユニットの形状の個体差や流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける際の作業のばらつきがあったとしても、圧力伝達部材の先端面の全領域を流路ダイヤフラムに確実に接触させることができる。
【0021】
本発明の一態様に係る圧力検出装置において、前記ベース部は、前記第1軸線に沿って円筒状に延びる開口穴を有し、前記開口穴は、前記圧力検出ダイヤフラムにより閉塞されており、前記圧力伝達部材の外径が、前記開口穴の内径の0.2倍以上かつ0.5倍以下である構成が好ましい。
【0022】
上記構成の圧力検出装置によれば、圧力伝達部材の外径が、ベース部の開口穴の内径の0.2倍以上である。そのため、開口穴の内径に対する圧力伝達部材の外径を十分に確保し、圧力伝達部材から伝達される圧力に応じて圧力検出ダイヤフラムを確実に変位させることができる。
【0023】
また、上記構成の圧力検出装置によれば、圧力伝達部材の外径が、ベース部の開口穴の内径の0.5倍以下である。そのため、圧力伝達部材が配置されない圧力検出ダイヤフラムの領域を十分に確保し、圧力検出ダイヤフラムの変位量を十分に確保することができる。
【0024】
本発明の一態様に係る圧力検出装置において、前記圧力検出ユニットは、前記第1軸線に沿って前記圧力検出ダイヤフラムを前記流路ダイヤフラムに向けて付勢する付勢力を発生する付勢部を有し、前記取付部は、前記付勢部が発生する付勢力により前記圧力伝達部材の先端面を前記流路ダイヤフラムに接触させた状態で、前記流路ユニットを前記圧力検出ユニットに取り付ける構成が好ましい。
【0025】
上記構成の圧力検出装置によれば、取付部が、付勢部が発生する付勢力により圧力伝達部材の先端面を流路ダイヤフラムに接触させた状態で、流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける。付勢部が発生する付勢力により圧力伝達部材の先端面が流路ダイヤフラムに接触するため、先端面が流路ダイヤフラムに接触する力の強さが一定となり、圧力検出ユニットによる圧力検出特性の変動を防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、流路ユニットの形状の個体差や流路ユニットを圧力検出ユニットに取り付ける際の作業のばらつきなどにより圧力検出ユニットの圧力検出特性に変動が生じることを抑制することが可能な圧力検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態の圧力検出装置を示す平面図である。
図2図1に示す圧力検出装置から流路ユニットを取り外した状態を示す平面図である。
図3図1に示す圧力検出ユニットから流路ユニットを取り外した状態を示す正面図である。
図4図3に示す流路ユニットおよび取付部の部分断面である。
図5図3に示す圧力検出ユニットの縦断面図である。
図6図1に示す圧力検出装置の正面図である。
図7】取付部を解除位置からロック位置へ回転させる途中の状態の圧力検出装置を示す正面図である。
図8】取付部をロック位置へ回転させた状態の圧力検出装置を示す正面図である。
図9図8に示す圧力検出装置の平面図である。
図10図8に示す圧力検出ユニットの縦断面図である。
図11図10に示す圧力検出装置のA部分の部分拡大図であり、圧力検出ダイヤフラムが加圧されていない状態を示す。
図12図11に示す圧力検出装置のB-B矢視断面図である。
図13】4つの歪抵抗部を金属配線により接続して構成されたホイートストンブリッジ回路を示す図である。
図14図10に示す圧力検出装置のA部分の部分拡大図であり、圧力検出ダイヤフラムが加圧されている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態の圧力検出装置100を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の圧力検出装置100は、設置面S(図3参照)に締結ボルト(図示略)で取り付けられた圧力検出ユニット10と、流入口21aから流出口21bへ向けた直線状の流通方向に沿って流体を流通させる流路21が内部に形成された流路ユニット20と、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に着脱可能に取り付ける取付部30とを備える。
【0029】
本実施形態の圧力検出装置100において、流路ユニット20は、取付部30によって圧力検出ユニット10に取り付けられる。圧力検出装置100は、流路ユニット20が取付部30によって圧力検出ユニット10に取り付けられて一体化した状態で、設置面Sに取り付けられている。
【0030】
図3に示すように、流路ユニット20の流入口21aには流体を流入口21aへ流入させる流入側配管(図示略)が取り付けられ、流路ユニット20の流出口21bには流出口21bから流出する流体を流通させる流出側配管(図示略)が取り付けられる。流入口21aから流出口21bへ向けた流路21を流通する流体の圧力は、圧力検出ユニット10によって検出される。ここで、流体とは、例えば、血液や透析液等の液体である。
【0031】
図3に示すように、圧力検出ユニット10は、設置面Sに取り付けられる本体部11を備える。図1および図2に示すように、圧力検出ユニット10の本体部11には、内部に配置されるセンサ部12と外部の制御装置(図示略)とを電気的に接続するケーブル50が、ケーブル取付ナット50aを介して取り付けられている。
【0032】
次に、図1から図5を参照して圧力検出ユニット10について詳細に説明する。図1から図5に示す圧力検出ユニット10は、圧力検出ダイヤフラム12aAに伝達される流体の圧力を検出する装置である。図3は、図1に示す圧力検出ユニット10から流路ユニット20を取り外した状態を示す正面図である。図4は、図3に示す流路ユニット20および取付部30の部分断面である。図5は、図3に示す圧力検出ユニット10の縦断面図である。
【0033】
図5に示すように、圧力検出ユニット10は、本体部11と、センサ部12と、保持部13と、付勢部14と、センサ基板15と、ゼロ点調整スイッチ16(図1参照)と、ガイド部材(案内部)18と、を有する。
【0034】
図5に示すように、センサ部12は、センサ本体12aと、収容部材12bと、支持部材12cと、を有する。センサ本体12aは、歪抵抗が貼り付けられる圧力検出ダイヤフラム12aAと、圧力検出ダイヤフラム12aAが取り付けられるベース部12aBと、センサロッド(圧力伝達部材)12aCと、を有する。センサ本体12aは、伝達される圧力に応じて圧力検出ダイヤフラム12aAとともに変形する歪抵抗の抵抗値の変化に応じた圧力信号を出力する歪式のセンサである。
【0035】
ベース部12aBには圧力検出ダイヤフラム12aAと連通する開口穴12aB1(図11参照)が形成されており、開口穴12aB1は圧力検出ダイヤフラム12aAにより閉塞されている。圧力検出ダイヤフラム12aAの第2面12aA2は、大気圧に維持される。そのため、センサ本体12aは、大気圧を基準にしたゲージ圧を検出するセンサとなっている。圧力検出ダイヤフラム12aAは、耐腐食性のある材料(例えば、サファイア)により薄膜状に形成されている。圧力検出ダイヤフラム12aAは、流路ユニット20からセンサロッド12aCを介して伝達される圧力に応じて変位する。
【0036】
図5に示すように、収容部材12bは、第1軸線Y1に沿って延びるとともに円筒状に形成されており、センサ本体12aを内部に収容する部材である。収容部材12bの内周面には、雌ねじ12bAが形成されている。雌ねじ12bAは、支持部材12cの外周面に形成される雄ねじ12cAと係合する。
【0037】
収容部材12bの下端には、周方向の2箇所に形成されるとともに下端に向けて開口するスリット12bBが形成されている。スリット12bBは、操作者が取付部30を軸線Y回りに回転させる際に、取付部30とともに軸線Y回りにセンサ部12が回転することを防止する回り止めピン14cに挿入される。
【0038】
図5に示すように、支持部材12cは、第1軸線Y1に沿って延びるとともに円筒状に形成されており、センサ本体12aを収容部材12bの内部で支持する部材である。支持部材12cの外周面には、雄ねじ12cAが形成されている。収容部材12bの内部にセンサ本体12aを挿入し、支持部材12cの雄ねじ12cAを収容部材12bの雌ねじ12bAに締結して締め付けることにより、センサ本体12aが収容部材12bの内部に固定される。
【0039】
保持部13は、第1軸線Y1に沿って延びるとともに円筒状に形成される部材であり、センサ部12を圧力検出ダイヤフラム12aAに直交する第1軸線Y1に沿って移動可能に保持する部材である。保持部13は、本体部13aと、固定部材13bと、Oリング13cと、を有する。本体部13aの内周面には、センサ部12の収容部材12bの外周面と接触するOリング13cが取り付けられている。
【0040】
本体部13aの下端の外周面には雄ねじ13aAが形成されており、固定部材13bの内周面には雌ねじ13bAが形成されている。固定部材13bの雌ねじ13bAを本体部13aの雄ねじ13aAに締結して締め付けることにより、本体部13aが本体部11に取り付けられたガイド部材18に対して固定される。
【0041】
付勢部14は、センサ部12を流路ユニット20の流路ダイヤフラム22aに向けて付勢する付勢力を発生するものである。付勢部14は、ばね14aと、ベース部材14bと、回り止めピン14cと、を有する。ばね14aは、本体部11に固定されたベース部材14bに一端が接触し、センサ部12の支持部材12cに他端が接触した状態で配置される。ばね14aは、ベース部材14bに接触する一端から他端までの第1軸線Y1に沿った距離に応じた付勢力を発生する。
【0042】
回り止めピン14cは、第1軸線Y1に直交する方向に延びる軸状に形成される部材であり、ベース部材14bに固定されている。回り止めピン14cは、収容部材12bの下端に形成される一対のスリット12bBに挿入される。回り止めピン14cは、操作者が取付部30を第1軸線Y1回りに回転させる際に、取付部30とともに第1軸線Y1回りにセンサ部12が回転することを防止する。
【0043】
センサ基板15は、センサ本体12aが出力する圧力信号を増幅する増幅回路(図示略)と、増幅回路により増幅された圧力信号をケーブル50の圧力信号線(図示略)に伝達するインターフェース回路と、ケーブル50を介して外部から供給される電源電圧をセンサ本体12aへ伝達する電源回路(図示略)と、ゼロ点調整スイッチ16が押下された場合にゼロ点調整を行うゼロ点調整回路(図示略)等を備える。ゼロ点調整回路は、ゼロ点調整スイッチ16が押下された場合に、その時点でセンサ本体12aが出力する圧力信号を基準値(例えば、ゼロ)として設定するように調整する回路である。
【0044】
図3および図5に示すように、圧力検出ユニット10のセンサ部12および保持部13は、本体部11から第1軸線Y1に沿って上方に突出し、圧力検出ダイヤフラム12aAが頂部に配置された状態となる。図2および図3に示すように、保持部13は、本体部13aの外周面から第1軸線Y1に直交する方向に突出する一対の突起部13aBを有する。
【0045】
図2に示すように、保持部13の外周面に形成される突起部13aBは、軸線Y回りに180°の間隔を空けて2箇所に形成されている。図2に示すように、圧力検出ユニット10に流路ユニット20が取り付けられていない状態においては、センサ部12の圧力検出ダイヤフラム12aAが外部へ露出した状態となっている。
【0046】
ガイド部材18は、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける際に、流路21を所定の取付位置に案内する溝部18aを有する部材である。ガイド部材18は、第1軸線Y1に対して対象となる位置に一対で設けられている。一対のガイド部材18は、流路21の流入口21a側の一部と流出口21b側の一部とを、所定の取付位置にそれぞれ案内する。
【0047】
次に、図1図3図4を参照して流路ユニット20について詳細に説明する。
図4に示すように、流路ユニット20は、流入口21aから流出口21bへ向けて軸線Xに沿って延びる流通方向に流体を流通させる流路21と、流路ダイヤフラム22aが底部に配置される凹部22と、軸線Xに直交する第2軸線Y2に沿って円筒状に延びる連通穴23とが形成された流路本体20Aを有する。連通穴23は、流路21と連通している。
【0048】
流路ダイヤフラム22aは、耐腐食性のある材料(例えば、PC(ポリカーボネート))により薄膜状に形成されるダイヤフラムである。流路ダイヤフラム22aは第2軸線Y2を中心軸とした平面視円形に形成される部材であり、その外周縁部が連通穴23を閉塞するように接着あるいは溶着により流路本体20Aに接合されている。そのため、流路21へ導入された流体は、流路21から外部へ流出することがない。流路ダイヤフラム22aは、薄膜状に形成されているため、流路21に導入された流体の圧力によって第1軸線Y1に沿って変位する。
【0049】
図3に示す流路ユニット20が圧力検出ユニット10から取り外された状態において、流路ユニット20の流路ダイヤフラム22aは圧力検出ユニット10のセンサロッド12aCから離間した状態となる。一方、後述する図10に示すように流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられた状態においては、流路ユニット20の流路ダイヤフラム22aは圧力検出ユニット10のセンサロッド12aCに接触した状態となる。そのため、流路ダイヤフラム22aは、流路21を流通する流体の圧力をセンサロッド12aCに伝達するための面となっている。
【0050】
図4に示すように、流路ユニット20は、圧力検出ユニット10に取り付けられていない状態においては、流路ダイヤフラム22aが外部へ露出した状態となっている。ただし、流路ダイヤフラム22aは凹部22の底部に配置されるため、操作者が流路ダイヤフラム22aを触ってしまう危険が少ない。
【0051】
図4に示すように、流路ユニット20の凹部22の外周面には、第2軸線Y2回りに延びる無端状の環状溝部22bが形成されている。一方、取付部30には、第2軸線Y2回りに延びる無端状の環状突起部30aが形成されている。弾性変形可能な材料(例えば、樹脂材料)により形成される取付部30は、凹部22の外周面に形成された環状溝部22bに向けて押し込まれることにより、環状突起部30aが環状溝部22bに係合した状態となる。
【0052】
図4に示すように環状突起部30aが環状溝部22bに係合した状態において、環状突起部30aの外周面と環状溝部22bの内周面との間には、微小な隙間が設けられる。そのため、取付部30は、圧力検出ユニット10に取り付けられた状態で、センサ部12および保持部13に対して第2軸線Y2回りに相対的に回転可能となっている。これにより、操作者は、圧力検出ユニット10を設置面Sに固定した状態で、取付部30を第2軸線Y2回りに回転させることが可能である。
【0053】
図3に示すように、取付部30は、第2軸線Y2に沿って延びる筒状に形成される部材であり、連結部材31と、つまみ部32とを有する。取付部30は、第2軸線Y2回りに回転可能に流路ユニット20に取り付けられている。図3および図4に示すように、連結部材31は、保持部13の本体部13aから突出する突起部13aBを収容する溝部31aを有する。
【0054】
溝部31aは、第2軸線Y2に沿って延びるとともに下端が開口した第1溝部31aAと、第1溝部31aAの上端に連結されるとともに軸線Y回りの周方向に延びる第2溝部31aBと、を有する。第2溝部31aBは、第1溝部31aAに接続される一端とは周方向の反対側の他端に、突起部13aBの外周面と対応する形状に形成された凹部31aCを有する。第2溝部31aBは、周方向において、第1溝部31aAに接続される一端から凹部31aCが形成される他端まで、軸線Y回りに1回転未満の範囲に形成されている。この範囲は、例えば、1/4回転以下の範囲(回転角度45度以下の範囲)とするのが望ましい。
【0055】
連結部材31には、流路ユニット20の流路本体20Aを収容するための収容穴31dが形成されている。収容穴31dは、流路本体20Aが連結部材31に対して第2軸線Y2回りに回転可能となるように周方向に所定の開口幅で形成されている。流路ユニット20は、連結部材31の収容穴31dに設置した後に、連結部材31の上端につまみ部32を取り付けることにより、収容穴31dに収容された状態となる。
【0056】
つまみ部32は、第2軸線Y2に直交する方向に延びるとともに付勢部14が発生する付勢力に対抗する押圧力を操作者が第2軸線Y2に沿った方向に付与することが可能な部材である。また、つまみ部32は、操作者が取付部30を第2軸線Y2回りの周方向に回転させる力を付与することが可能な部材である。
【0057】
次に、流路ユニット20を圧力検出ユニット10へ取り付ける操作について説明する。
操作者は、設置面Sに取り付けられた圧力検出ユニット10に流路ユニット20を取り付ける場合、以下のような手順で作業する。
【0058】
始めに、図3に示すように、圧力検出ユニット10の第1軸線Y1と流路ユニット20の第2軸線Y2とを一致させ、かつ圧力検出ユニット10の突起部13aBの第1軸線Y1回りの周方向の位置と、取付部30の第1溝部31aAの第2軸線Y2回りの周方向の位置とが一致するように流路ユニット20を配置する。
【0059】
次に、操作者は、図3に示す状態を維持したまま、流路ユニット20を第2軸線Y2に沿って下方に移動させ、圧力検出ユニット10のセンサ部12を流路ユニット20の凹部22に挿入する。センサ部12が凹部22に挿入されると、センサ部12のセンサロッド12aCが流路ユニット20の流路ダイヤフラム22aに接触した状態となる。
【0060】
図6に示すように、センサロッド12aCが流路ダイヤフラム22aに接触した状態において、圧力検出ユニット10の突起部13aBが取付部30の第1溝部31aAに挿入された状態となる。操作者がつまみ部32を下方に押し下げる押圧力を付与しない状態において、付勢部14は、取付部30および流路ユニット20の重さを支持する付勢力を発生する。
【0061】
次に、操作者は、図6に示す状態でつまみ部32を把持しながら、取付部30を下方に押し付ける押圧力を付与する。取付部30に下方に向けた押圧力が付与されると、付勢部14のばね14aが縮み、圧力検出ユニット10の突起部13aBが第1溝部31aAの上端に到達する。操作者は、突起部13aBが第1溝部31aAの上端に到達した状態でつまみ部32を軸線Y回りの周方向に沿って時計回りに回転させ、突起部13aBを第2溝部31aBへ挿入し、図7に示す状態とする。
【0062】
図7は、取付部30を解除位置からロック位置へ回転させる途中の状態の圧力検出装置100を示す正面図である。図7に示す状態では、操作者がつまみ部32を下方へ押圧する力を少なくしあるいはつまみ部32を離したとしても、付勢部14により上方へ向けた付勢力が付与される取付部30は第1軸線Y1に向けて上方へ移動することが規制される。これは、付勢部14の付勢力により取付部30が上方へ移動しようとしても、第2溝部31aBが突起部13aBに接触するからである。
【0063】
次に、操作者は、図7に示す状態でつまみ部32を把持しながら、つまみ部32を第2軸線Y2回りの周方向に沿って時計回りに回転させ、第2溝部31aBの端部に配置された凹部31aCを突起部13aBに押し当て、図8に示す状態とする。図8に示すように、凹部31aCは、第2溝部31aBよりも第1軸線Y1に沿って下方へ向けて凹み、かつ突起部13aBの外周面と対応する形状に形成されている。
【0064】
図8は、取付部30をロック位置へ回転させた状態の圧力検出装置100を示す正面図である。図9は、図8に示す圧力検出装置100の平面図である。図10は、図8に示す圧力検出装置100の縦断面図である。
【0065】
図8に示すように、取付部30をロック位置へ回転させた状態において、付勢部14が発生する付勢力により第2溝部31aBの凹部31aCを突起部13aBに押し当てることにより、センサ部12が第2軸線Y2上の所定位置に位置決めされる。
【0066】
また、取付部30は、付勢部14が発生する付勢力により凹部31aCを突起部13aBに押し当てることにより、第2軸線Y2回りに回転することを規制する。これは、凹部31aCが突起部13aBに押し当てられると、つまみ部32を下方に押圧する押圧力を操作者が付与しない限り、つまみ部32を反時計回りに回転させることができなくなるからである。
【0067】
以上においては、取付部30を解除位置からロック位置へ回転させることにより、流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける操作について説明した。流路ユニット20を圧力検出ユニット10から取り外す操作は、取付部30をロック位置から解除位置へ回転させる操作となる。
【0068】
流路ユニット20を圧力検出ユニット10から取り外す場合、操作者は、つまみ部32を下方に押し当てて凹部31aCを突起部13aBから離間させ、つまみ部32を反時計回りに回転させて図7に示す状態とする。操作者は、更につまみ部32を反時計回りに回転させ、図6に示す状態とする。その後、操作者は、つまみ部32を把持しながら取付部30を上方へ引き上げることにより、流路ユニット20を圧力検出ユニット10から離間させる。
【0069】
次に、図11から図14を参照して、流路ダイヤフラム22aから圧力検出ダイヤフラム12aAに流体の圧力を伝達する構造について説明する。図11は、図10に示す圧力検出装置100のA部分の部分拡大図であり、圧力検出ダイヤフラム12aAが加圧されていない状態を示す。図12は、図11に示す圧力検出装置100のB-B矢視断面図である。
【0070】
図13は、4つの歪抵抗部を金属配線により接続して構成されたホイートストンブリッジ回路を示す図である。図14は、図10に示す圧力検出装置のA部分の部分拡大図であり、圧力検出ダイヤフラム12aAが加圧されている状態を示す。図14には、圧力検出ダイヤフラム12aAが加圧されていない状態の圧力検出ダイヤフラム12aAおよび流路ダイヤフラム22aを仮想線で示してある。
【0071】
圧力検出ダイヤフラム12aAが加圧されていない状態とは、流路21に流体が流通しておらず流路21が大気圧に維持されている状態や、流路21に流通する流体の圧力が大気圧と一致している状態をいう。圧力検出ダイヤフラム12aAが加圧されている状態とは、流路21に流通する流体の圧力が大気圧よりも高い状態をいう。
【0072】
図11および図14に示すように、センサ本体12aが備えるセンサロッド12aCは、圧力検出ダイヤフラム12aAの第1面12aA1の中心部CPに配置される部材である。センサロッド12aCは、圧力検出ダイヤフラム12aAに直交する第1軸線Y1に沿って流路ユニット20の流路ダイヤフラム22aに向けて突出し、第1軸線Y1に直交する先端面12aC1が形成されている。センサロッド12aCは、例えば、ガラスにより形成されており、接着剤により圧力検出ダイヤフラム12aAの中心部CPに接合されている。
【0073】
センサロッド12aCにガラスを用いるのは、圧力検出ダイヤフラム12aAを形成する材料(例えば、サファイア)と同等の機械的特性および熱的特性を有するからである。センサロッド12aCの機械的特性および熱的特性を圧力検出ダイヤフラム12aAと同等にすることにより、これらが異なる場合にセンサロッド12aCの機械的特性および熱的特性に起因する検出精度の低下を抑制することができる。
【0074】
また、センサロッド12aCと圧力検出ダイヤフラム12aAの材料を同等とすることにより、接着剤に対する双方の接着性を向上させることができる。なお、センサロッド12aCと圧力検出ダイヤフラム12aAとを、同一の材料や同種のガラスにより形成し、それらを接着剤により接合してもよい。また、センサロッド12aCと圧力検出ダイヤフラム12aAとを、同一の材料により一体に形成してもよい。
【0075】
図11および図14に示すように、取付部30により流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられた状態で、センサロッド12aCの先端面12aC1と接触する流路ダイヤフラム22aの変位は、センサロッド12aCを介して圧力検出ダイヤフラム12aAに伝達される。
【0076】
図11および図14に示すように、収容部材12bの流路ユニット20側の端部は、圧力検出ダイヤフラム12aAの中心部CPを含む第1領域R1を露出させた状態で第1領域R1の外周側の第2領域R2に接触する。図12に示すように、第1領域R1は第1軸線Y1を中心とした円形の領域であり、第2領域R2は第1軸線Y1を中心とした円環状の領域である。
【0077】
図11および図14に示すように、収容部材12bは、取付部30により流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられた状態で、流路ダイヤフラム22aの端部領域と接触する接触面12bCを有する。流路ダイヤフラム22aは、接触面12bCと接触することにより、第1軸線Y1上の位置が圧力検出ダイヤフラム12aAに対して相対的に固定される。
【0078】
図11に示すように、圧力検出ダイヤフラム12aAの第1面12aA1から先端面12aC1までの第1軸線Y1に沿った長さは第1長さL1であり、第1面12aA1から接触面12bCまでの第1軸線Y1に沿った長さは第2長さL2である。第1長さL1は、第2長さL2の1.0倍以上かつ1.3倍以下に設定されている。
【0079】
図11に示すように、センサロッド12aCの外径はD1であり、連通穴23の内径はD2である。外径D1は、内径D2の0.2倍以上かつ0.6倍以下に設定されている。また、センサ本体12aのベース部12aBに形成される開口穴12aB1の内径はD3である。外径D1は、内径D3の0.2倍以上かつ0.5倍以下に設定されている。
【0080】
図11および図14に示すように、収容部材12bの先端には、接触面12bCよりも流路ユニット20側へ突出する環状突出部12bDが形成されている。環状突出部12bDは、第1軸線Y1回りに環状に形成されている。また、流路本体20Aの環状突出部12bDと対向する位置には、環状溝部24が形成されている。環状溝部24の幅(第2軸線Y2に直交する方向の長さ)は、環状突出部12bDの幅よりもわずかに広くなっている。
【0081】
付勢部14によりセンサ部12が流路ユニット20へ近づく方向に付勢されると、流路ダイヤフラム22aがセンサロッド12aCの先端面12aC1に接触する前に、環状突出部12bDが環状溝部24に挿入される。環状突出部12bDが環状溝部24に挿入されることにより、圧力検出ユニット10の第1軸線Y1と流路ユニット20の第2軸線Y2とが一致した状態となる。
【0082】
そのため、流路ダイヤフラム22aがセンサロッド12aCの先端面12aC1に接触する際に、圧力検出ユニット10の第1軸線Y1と流路ユニット20の第2軸線Y2とが一致した状態となる。これにより、流路ダイヤフラム22aがセンサロッド12aCの先端面12aC1に接触した後に、流路ダイヤフラム22aと先端面12aC1とが第1軸線Y1に直交する方向にずれ、圧力検出特性が変動することが防止される。
【0083】
ここで、圧力検出ダイヤフラム12aAの第2面12aA2に接合される歪抵抗部12aDについて説明する。図12は、圧力検出ダイヤフラム12aAを第1面12aA1側からみた図であるため、圧力検出ダイヤフラム12aAの第2面12aA2に接合される4つの歪抵抗部12aD(12aD1,12aD2,12aD3,12aD4)が仮想線で示されている。
【0084】
図12に示すように、歪抵抗部12aD1は、歪抵抗素子12aD11と歪抵抗素子12aD12の2つの素子を、中心部CPを中心とした円周方向の異なる位置に配置したものである。同様に、歪抵抗部12aD2は、歪抵抗素子12aD21と歪抵抗素子12aD22の2つの素子を、中心部CPを中心とした円周方向の異なる位置に配置したものである。同様に、歪抵抗部12aD3は、歪抵抗素子12aD31と歪抵抗素子12aD32の2つの素子を、中心部CPを中心とした円周方向の異なる位置に配置したものである。同様に、歪抵抗部12aD4は、歪抵抗素子12aD41と歪抵抗素子12aD42の2つの素子を、中心部CPを中心とした円周方向の異なる位置に配置したものである。
【0085】
図12に示すように、本実施形態の4つの歪抵抗部12aDは、圧力検出ダイヤフラム12aAの第2面12aA2の第1領域R1において、センサロッド12aCが配置される中心部CPを除く領域に配置される。4つの歪抵抗部12aDを、中心部CPを除く領域に配置しているのは、センサロッド12aCから圧力検出ダイヤフラム12aAに圧力が伝達されても中心部CPが殆ど変位しないからである。中心部CPが殆ど変位しないのは、圧力検出ダイヤフラム12aAの第2面12aA2の中心部CPが、センサロッド12aCと接着剤により接合されているためである。
【0086】
図13に示すように、4つの歪抵抗部12aDの抵抗値は、圧力検出ダイヤフラム12aAに伝達される圧力による圧力検出ダイヤフラム12aAの変位(歪)によって変化する。圧力検出ダイヤフラム12aAに圧力が伝達され、4つの歪抵抗部12aDの抵抗値が変化すると、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutの値が変化する。この出力電圧Voutの値がセンサ基板15により流体の圧力に変換される。
【0087】
以上説明した本実施形態の圧力検出装置100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の圧力検出装置100によれば、流路ユニット20が圧力検出ユニット10に着脱可能に取り付けられるため、流路21を流通させる流体を変更する場合には、使用済みの流路ユニット20を圧力検出ユニット10から取り外し、未使用の流路ユニット20を新たに圧力検出ユニット10に取り付けることができる。そのため、流路21を流通させる流体を変更する場合に、多大な時間を要する流路の洗浄作業が不要となり作業の迅速性を高めることができる。また、未使用の流路ユニット20を新たに使用できるため、安全性を高めることができる。
【0088】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、取付部30により流路ユニット20が圧力検出ユニット10に取り付けられた状態で、圧力検出ダイヤフラム12aAの第1面12aA1の中心部CPに配置されるセンサロッド12aCの先端面12aC1と接触する流路ダイヤフラム22aの変位が、センサロッド12aCを介して圧力検出ダイヤフラム12aAに伝達される。
【0089】
センサロッド12aCの先端面12aC1と接触する流路ダイヤフラム22aの領域が流路ダイヤフラム22aの全領域の一部であるため、流路ユニット20の形状の個体差や流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける際の作業のばらつきがあったとしても、センサロッド12aCの先端面12aC1の全領域が流路ダイヤフラム22aに確実に接触する。そのため、流路ユニット20の形状の個体差や流路ユニット20を圧力検出ユニット10に取り付ける際の作業のばらつきなどにより圧力検出ユニット10の圧力検出特性に変動が生じることを抑制することができる。
【0090】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、圧力検出ユニット10が圧力検出ダイヤフラム12aAの第1面12aA1の中心部CPに配置されるセンサロッド12aCを有するため、流路ユニット20を交換してもセンサロッド12aCの形状は変化しない。したがって、流路ユニット20にセンサロッド12aCを設ける場合に比べ、センサロッド12aCの形状の個体差による圧力検出特性の変動を防止することができる。
【0091】
ここで、圧力検出特性の変動とは、例えば、圧力検出装置100に外力が加わった場合において、流体の圧力が一定であっても外力が加わる前の圧力検出値と、外力が加わった後の圧力検出値とが変化することである。また、圧力検出特性の変動とは、例えば、流体の圧力が同じ場合であっても、流体の圧力が漸次増加する状態での圧力検出値と、流体の圧力が漸次減少する状態での圧力検出値とが変化することである。
【0092】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、圧力検出ダイヤフラム12aAの第1面12aA1からセンサロッド12aCの先端面12aC1までの第1軸線Y1に沿った第1長さL1が、第1面12aA1から収容部材12bの接触面12bCまでの第2長さL2の1.0倍以上である。そのため、センサロッド12aCの先端面12aC1が収容部材12bの接触面12bCと同じか、それよりも流路ダイヤフラム22aへ突出した位置に配置され、先端面12aC1の全領域を確実に流路ダイヤフラム22aに接触させることができる。
【0093】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、第1長さL1が第2長さの1.3倍以下である。そのため、センサロッド12aCの先端面12aC1が収容部材12bの接触面12bCよりも流路ダイヤフラム22aへ過度に突出することが抑制され、流路ダイヤフラム22aが過度に変形することによる圧力検出特性の変動を防止することができる。
【0094】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、4つの歪抵抗部12aDが圧力検出ダイヤフラム12aAの第2面12aA2の中心部CPを除く領域に接合されている。そのため、センサロッド12aCが配置されることにより変位が抑制される圧力検出ダイヤフラム12aAの中心部CPに歪抵抗部12aDを配置する場合に比べ、圧力検出精度の低下を抑制することができる。
【0095】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、センサロッド12aCの外径D1が、流路ユニット20の連通穴23の内径D2の0.2倍以上である。そのため、連通穴23の内径D2に対するセンサロッド12aCの外径D1を十分に確保し、流路21を流通する流体の圧力変化を確実に圧力検出ダイヤフラム12aAに伝達することができる。
【0096】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、センサロッド12aCの外径D1が、流路ユニット20の連通穴23の内径D2の0.6倍以下である。そのため、流路ユニット20の形状の個体差や流路ユニット20を圧力検出ユニットに取り付ける際の作業のばらつきがあったとしても、センサロッド12aCの先端面12aC1の全領域を流路ダイヤフラム22aに確実に接触させることができる。
【0097】
本実施形態の圧力検出装置100によれば、センサロッド12aCの外径D1が、ベース部12aBの開口穴12aB1の内径D3の0.2倍以上である。そのため、開口穴12aB1の内径D3に対するセンサロッド12aCの外径D1を十分に確保し、センサロッド12aCから伝達される圧力に応じて圧力検出ダイヤフラム12aAを確実に変位させることができる。
【0098】
また、本実施形態の圧力検出装置100によれば、センサロッド12aCの外径D1が、ベース部12aBの開口穴12aB1の内径D3の0.5倍以下である。そのため、センサロッド12aCが配置されない圧力検出ダイヤフラム12aAの領域を十分に確保し、圧力検出ダイヤフラム12aAの変位量を十分に確保することができる。
【符号の説明】
【0099】
10 圧力検出ユニット
11 本体部
12 センサ部
12a センサ本体
12aA 圧力検出ダイヤフラム
12aA1 第1面
12aA2 第2面
12aB ベース部
12aB1 開口穴
12aC センサロッド(圧力伝達部材)
12aC1 先端面
12aD 歪抵抗部
12b 収容部材
12bC 接触面
12bD 環状突出部
12c 支持部材
13 保持部
14 付勢部
15 センサ基板
16 ゼロ点調整スイッチ
18 ガイド部材
20 流路ユニット
20A 流路本体
21 流路
22 凹部
22a 流路ダイヤフラム
22b 環状溝部
23 連通穴
24 環状溝部
30 取付部
32 つまみ部
100 圧力検出装置
CP 中心部
R1 第1領域
R2 第2領域
X 軸線
Y1 第1軸線
Y2 第2軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14