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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147603
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】シートおよびシートクッション
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20220929BHJP
   A47C 7/62 20060101ALN20220929BHJP
【FI】
B60N2/90
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048915
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 生佳
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084JA02
3B084JA06
3B084JC01
3B084JC13
3B087DE08
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】着座者の動きにより効率的に発電する。
【解決手段】シートSは、シートフレームFと、シートフレームFに被さったパッド本体10と、パッド本体10の着座者側に配置された振動によって発電する発電デバイスGと、を備える。一例として、シートSは、パッド本体10を覆う表皮部材18を備え、発電デバイスGは、パッド本体10と表皮部材18の間に位置する。望ましくは、パッド本体10は、着座者側の面に凹部11を有し、発電デバイスGは、凹部11の中に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートフレームと、
シートフレームに被さったパッド本体と、
前記パッド本体の、着座者側に配置された、振動によって発電する発電デバイスと、を備えることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記パッド本体を覆う表皮部材をさらに備え、
前記発電デバイスは、前記パッド本体と前記表皮部材の間に位置することを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記パッド本体は、着座者側の面に凹部を有し、
前記発電デバイスは、前記凹部の中に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記発電デバイスを覆う、カバーパッドをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート。
【請求項5】
前記パッド本体の、着座者側に配置された圧力センサをさらに備え、
前記発電デバイスは、前記圧力センサに電力を供給するように接続されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート。
【請求項6】
前記圧力センサは、前記発電デバイスに重なって、前記発電デバイスの着座者側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のシート。
【請求項7】
シートの着座面に配置されて使用されるシートクッションであって、
パッド本体と、
前記パッド本体の着座者側に配置された、振動によって発電する発電デバイスと、を備えることを特徴とするシートクッション。
【請求項8】
前記パッド本体を覆う表皮部材をさらに備え、
前記発電デバイスは、前記パッド本体と前記表皮部材の間に位置することを特徴とする請求項7に記載のシートクッション。
【請求項9】
前記パッド本体は、着座者側の面に凹部を有し、
前記発電デバイスは、前記凹部の中に位置することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のシートクッション。
【請求項10】
前記発電デバイスを覆う、カバーパッドをさらに備えることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のシートクッション。
【請求項11】
前記パッド本体の、着座者側に配置された圧力センサをさらに備え、
前記発電デバイスは、前記圧力センサに電力を供給するように接続されていることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のシートクッション。
【請求項12】
前記圧力センサは、前記発電デバイスに重なって、前記発電デバイスの着座者側に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のシートクッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電デバイスを備えるシートおよびシートクッションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、振動により発電する発電デバイスをクッションパッドの下に設けたシートが知られている(特許文献1)。この発明では、車両走行時の振動により発電デバイスで発電し、センサ等に給電している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-197035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、出願人はシートに設けた圧力センサを用いて、シートに座った着座者の動きを検出して、様々なものに応用することを検討している。このような場合、着座者の動きによって、発電することが期待できる。しかしながら、従来技術のように、クッションパッドの下に発電デバイスを設けた場合には、発電デバイスに効率的に振動が伝わらず、効率的に発電することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、着座者の動きにより効率的に発電することができるシートおよびシートクッションを提供することを目的とする。
また、座り心地を向上させることを目的とする。
また、圧力センサの感度を損なうことなく圧力センサに給電することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するシートは、シートフレームと、シートフレームに被さったパッド本体と、パッド本体の、着座者側に配置された、振動によって発電する発電デバイスと、を備える。
【0007】
このような構成によれば、振動によって発電する発電デバイスが、パッド本体の着座者側に配置されているので、着座者が動いた場合に、発電デバイスに振動が効率良く伝わる。このため、着座者の動きにより効率的に発電することができる。
【0008】
前記したシートは、パッド本体を覆う表皮部材をさらに備えることができる。この場合、発電デバイスは、パッド本体と表皮部材の間に位置することができる。
【0009】
パッド本体は、着座者側の面に凹部を有し、発電デバイスは、凹部の中に位置することが望ましい。
【0010】
このような構成によれば、着座者が発電デバイスを異物として感じにくく、座り心地を向上させることができる。
【0011】
シートは、発電デバイスを覆う、カバーパッドをさらに備えることが望ましい。
【0012】
このような構成によれば、着座者が発電デバイスを異物として感じにくく、座り心地を向上させることができる。
【0013】
シートは、パッド本体の、着座者側に配置された圧力センサをさらに備えることができる。この場合に、発電デバイスは、圧力センサに電力を供給するように接続されていてもよい。
【0014】
シートが圧力センサを備える場合、圧力センサは、発電デバイスに重なって、発電デバイスの着座者側に配置されていてもよい。
【0015】
このような構成によれば、圧力センサと発電デバイスを接続しやすいとともに、圧力センサの感度を損なうことがない。
【0016】
前記した課題を解決する、シートの着座面に配置されて使用されるシートクッションは、パッド本体と、パッド本体の着座者側に配置された、振動によって発電する発電デバイスと、を備える。
【0017】
このような構成によれば、振動によって発電する発電デバイスが、パッド本体の着座者側に配置されているので、着座者が動いた場合に、発電デバイスに振動が効率良く伝わる。このため、着座者の動きにより効率的に発電することができる。
【0018】
シートクッションは、パッド本体を覆う表皮部材をさらに備えることができる。この場合、発電デバイスは、パッド本体と表皮部材の間に位置することができる。
【0019】
パッド本体は、着座者側の面に凹部を有し、発電デバイスは、凹部の中に位置することが望ましい。
【0020】
このような構成によれば、着座者が発電デバイスを異物として感じにくく、座り心地を向上させることができる。
【0021】
シートクッションは、発電デバイスを覆う、カバーパッドをさらに備えることが望ましい。
【0022】
このような構成によれば、着座者が発電デバイスを異物として感じにくく、座り心地を向上させることができる。
【0023】
シートクッションは、パッド本体の、着座者側に配置された圧力センサをさらに備えることができる。この場合に、発電デバイスは、圧力センサに電力を供給するように接続されていてもよい。
【0024】
シートクッションが圧力センサを備える場合、圧力センサは、発電デバイスに重なって、発電デバイスの着座者側に配置されていてもよい。
【0025】
このような構成によれば、圧力センサと発電デバイスを接続しやすいとともに、圧力センサの感度を損なうことがない。
【発明の効果】
【0026】
本発明のシートおよびシートクッションによれば、着座者の動きにより効率的に発電することができる。
また、効率良く発電できる発電デバイスを備えるシートおよびシートクッションの座り心地を向上させることができる。
また、圧力センサを発電デバイスの着座者側に重ねて配置することで、圧力センサと発電デバイスを接続しやすいとともに、圧力センサの感度を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態に係るシートを示す斜視図である。
図2】シートフレームの斜視図である。
図3】発電デバイスと圧力センサの接続を示す図である。
図4】(a)発電デバイスが配置された部分のシートの断面図と、(b)発電デバイスと圧力センサが配置された部分のシートの断面図である。
図5】カバーパッドを設けた場合の、(a)発電デバイスが配置された部分のシートの断面図と、(b)発電デバイスと圧力センサが配置された部分のシートの断面図である。
図6】第2実施形態に係るシートクッションを示す斜視図である。
図7】(a)発電デバイスが配置された部分のシートの断面図と、(b)発電デバイスと圧力センサが配置された部分のシートの断面図と、(c)カバーパッドを設けた場合の発電デバイスが配置された部分のシートの断面図と、(b)カバーパッドを設けた場合の発電デバイスと圧力センサが配置された部分のシートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1実施形態]
次に、シートの実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のシートSは、例えば、スマートフォンSPなどと接続されて、シートSの上で着座者が動くことにより、スマートフォンSPのアプリを操作するシート体験装置として使用される。シートSは、車両に設置されていてもよいし、車両以外の施設等に設置されていてもよい。
【0029】
シートSは、座部S1と、背もたれS2と、ヘッドレストS3とを備えてなる。詳しくは、シートSは、図2に示すようなシートフレームFと、図4(a),(b)に示すような、シートフレームFに被さったパッド本体10と、パッド本体10を覆う表皮部材18とを備えて構成されている。
【0030】
図2に示すように、シートフレームFは、座部S1のフレームとなる座部フレームF1と、背もたれS2のフレームとなる背もたれフレームF2とを有する。また、図示は省略するが、背もたれフレームF2の上端部には、ヘッドレストS3のフレームが、背もたれフレームF2に対して着脱可能に設けられる。ヘッドレストS3のフレームにも、パッドと表皮部材が被せられている。
【0031】
座部フレームF1および背もたれフレームF2は、それぞれ、左右に離間して配置された左右のサイドフレームSFと、左右のサイドフレームSFの間に配置された、着座者からの荷重を受ける支持部材15とを有する。支持部材15は、図4(a),(b)に示すように、パッド本体10の左右方向の中央部を支持する。
【0032】
図1に示すように、座部S1は、前方を向く前面S11と、着座者が載る上面のうち、左右方向中央部に位置する中央面S12と、中央面S12の左右両側に位置し、中央面S12よりも上に張り出した張出面S13とを有する。また、背もたれS2は、着座者を後から支える面である、左右方向中央部に位置する中央面S22と、中央面S22の左右両側に位置し、中央面S22よりも前に張り出した張出面S23とを有する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、シートSに座る着座者を基準とする。
【0033】
シートSは、座部S1と背もたれS2に、複数の圧力センサPS(21~26)が設けられている。圧力センサPSは、パッド本体10の着座者側、具体的には、パッド本体10と表皮部材18の間に配置されている(図4(b)参照)。圧力センサPSは、例えば、外部からの圧力により抵抗値が変化する素子である。圧力センサPSは、シートSに着座するユーザに対向する座面の状態を検知可能に配置され、シートSに座っているユーザから座面にかかる圧力を検出する。
【0034】
各圧力センサ21~26は、シートSの左右の中心に対して左右対称に1対ずつ設けられている。座部S1には、圧力センサ21~23が設けられている。
【0035】
圧力センサ21は、座部S1の前後方向の中央よりも前の前部に設けられ、着座者の大腿からの圧力を測定可能に配置されている。
【0036】
圧力センサ22および圧力センサ23は、ユーザの臀部からの圧力を測定するためのものである。なお、圧力センサ22および圧力センサ23は、いずれも、ユーザの臀部からの圧力を測定するためのものであるため、いずれか一方のみが設けられていてもよい。圧力センサ22および圧力センサ23は、前後方向において座部S1の座面の中央よりも後に位置している。
【0037】
圧力センサ22および圧力センサ23は、圧力センサ21から後方に大きく離れて配置されている。詳しくは、圧力センサ23は、ユーザの坐骨の最下部に対応する位置に設けられている。この位置では、ユーザの荷重が最も大きくかかる。圧力センサ22は、圧力センサ23の少し前に配置されている。
【0038】
背もたれS2には、圧力センサ24~26が設けられている。圧力センサ24は、ユーザの腰の後ろに対応する位置に設けられている。圧力センサ25は、圧力センサ24の少し上に配置されている。圧力センサ24および圧力センサ25は、いずれも、ユーザの腰からの圧力を測定するためのものであり、いずれか一方のみが設けられていてもよい。圧力センサ26は、圧力センサ24および圧力センサ25から上方に大きく離れて配置されている。圧力センサ26は、ユーザの肩に対応して位置し、ユーザの肩からの圧力を測定可能である。
【0039】
また、シートは、座部S1と背もたれS2に、複数の発電デバイスG(31~34,41~46)が設けられている。各発電デバイスGは、パッド本体10の着座者側、具体的には、パッド本体10と表皮部材18の間に配置されている(図4(a),(b)参照)。発電デバイスGは、振動によって発電する装置である。
【0040】
発電デバイス31は、座部S1の前面S11に、左右に離間して一対配置されている。
発電デバイス32は、座部S1の中央面S12の前端部に、左右に離間して一対配置されている。
発電デバイス33は、座部S1の中央面S12の、圧力センサ22と重なる位置に、左右に離間して一対配置されている。
発電デバイス34は、座部S1の左右の張出面S13に配置されている。各発電デバイス34は、前後方向の略中央部に位置している。
【0041】
発電デバイス41,42,43,44は、背もたれS2の中央面S22の左右中央部に、下から上に向かってこの順に配置されている。発電デバイス41は、着座者の腰の高さに対応して、背もたれS2の上下方向の中央よりも下に位置している。発電デバイス42は、着座者の背中の中央に対応して、背もたれS2の上下方向の略中央に位置している。発電デバイス43,44は、着座者の肩の高さに対応して、背もたれS2の上下方向の中央よりも上に位置している。
発電デバイス45は、背もたれS2の中央面S22に、左右に離間して一対配置されている。発電デバイス45は、着座者の背中の中央の高さに対応して設けられている。
発電デバイス46は、背もたれS2の左右の張出面S23に配置されている。各発電デバイス46は、上下方向の略中央に位置している。
【0042】
図3に示すように、発電デバイスGは、発電素子51と、制御部55と、発電素子51と制御部55を接続する配線57とを有してなる。制御部55は、発電デバイスGで発電した電力を圧力センサPSに供給するように、圧力センサPSと配線58により接続されて、圧力センサPSにかかる圧力を検出する。発電素子51は、圧電素子などからなる。発電素子51は、着座者の運動による振動の周波数で効率良く発電できる大きさおよび形状に形成されている。制御部55は、発電素子51で発電した電気を蓄電するキャパシタと、圧力センサPSの抵抗を検出する回路と、検出した圧力をスマートフォンSPなどの外部機器に無線で送信する通信機とを備えている。発電素子51は、発電した電力を通信機にも供給する。
【0043】
図4(a)に示すように、パッド本体10は、着座者側の面10Fに凹部11を有している。発電デバイスGは、凹部11の中に位置している。発電デバイスGの着座者側の面GFは、パッド本体10の着座者側の面10Fと面一となっている。
【0044】
図1に示した圧力センサ22と発電デバイス33のように、圧力センサPSと発電デバイスGが重なって配置される場合、図4(b)に示すように、圧力センサPSは、発電デバイスGに重なって、発電デバイスGの着座者側に配置される。この場合、圧力センサPSの着座者側の面PSFは、パッド本体10の着座者側の面10Fと面一となっている。
【0045】
スマートフォンSPは、発電デバイスGの制御部55から、測定された圧力値を受信する。スマートフォンSPは、アプリケーションがインストールされ、この圧力値を利用したゲーム等を提供する。アプリケーションの内容は特に限定されないが、例えば、着座者がシートSに座って脚を上下させると、その上下動の回数に応じてキャラクターを走らせて競争するゲーム等を提供することができる。
【0046】
以上のように構成されたシートSによれば、振動によって発電する発電デバイスGが、パッド本体10の着座者側に配置されているので、着座者が動いた場合に、発電デバイスGに振動が効率良く伝わる。このため、着座者の動きにより効率的に発電することができる。
【0047】
そして、発電デバイスGは、パッド本体10の凹部11の中に位置するので、着座者が発電デバイスGを異物として感じにくく、座り心地を向上させることができる。
【0048】
また、圧力センサPSが、発電デバイスGに重なっていることで、圧力センサPSと発電デバイスGを接続しやすい。そして、発電デバイスGの着座者側に配置されていることで、圧力センサPSの感度を損なうことがない。
【0049】
シートSは、座り心地をさらに向上させるため、図5(a),(b)に示すように、カバーパッド12をさらに備えていてもよい。
【0050】
図5(a)に示すように、発電デバイスGに圧力センサPSが重ならない場合、カバーパッド12は、発電デバイスGの着座者側に重なって配置される。凹部11は、発電デバイスGの厚みとカバーパッド12の厚みを合わせた深さで形成され、カバーパッド12の着座者側の面12Fは、パッド本体10の着座者側の面10Fと面一となっている。
【0051】
図5(b)に示すように、発電デバイスGの上に圧力センサPSが重なる場合、カバーパッド12は、圧力センサPSの着座者側に重なって配置される。凹部11は、発電デバイスGの厚みと、圧力センサPSの厚みと、カバーパッド12の厚みとを合わせた深さで形成され、カバーパッド12の着座者側の面12Fは、パッド本体10の着座者側の面10Fと面一となっている。
【0052】
このような図5(a),(b)の構成によれば、カバーパッド12が発電デバイスGの着座者側に配置されることで、着座者が発電デバイスGを異物として感じにくく、座り心地をさらに向上させることができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、シートクッションの実施形態について説明する。本実施形態において、第1実施形態と実質的に同じ部分は、適宜説明を省略する。
図6に示すように、シートクッションSCは、シートS10の着座面に配置されて使用される。シートS10は、座部S110と背もたれS120を有する。シートクッションSCは、座部S110の着座面に配置される座部クッションSC1と、背もたれS120の着座面に配置される背もたれクッションSC2とを有する。座部クッションSC1と背もたれクッションSC2とは、独立に構成されている。
【0054】
座部クッションSC1と背もたれクッションSC2は、第1実施形態と同様に、複数の圧力センサPSと、複数の発電デバイスGとが配置されている。一部の発電デバイスGは、圧力センサPSと重なって配置され、他の発電デバイスGは、圧力センサPSと重ならずに配置されている。
【0055】
図7(a)に示すように、シートクッションSC(SC1,SC2)は、パッド本体110と、パッド本体110を覆う表皮部材118を備える。発電デバイスGは、パッド本体110の着座者側、具体的には、パッド本体110と表皮部材118の間に配置されている。
【0056】
パッド本体110は、着座者側の面110Fに凹部111を有している。発電デバイスGは、凹部111の中に位置している。発電デバイスGの着座者側の面GFは、パッド本体110の着座者側の面110Fと面一となっている。
【0057】
圧力センサPSと発電デバイスGが重なって配置される場合、図7(b)に示すように、圧力センサPSは、発電デバイスGに重なって、発電デバイスGの着座者側に配置される。この場合、圧力センサPSの着座者側の面PSFは、パッド本体110の着座者側の面110Fと面一となっている。
【0058】
以上のように構成されたシートクッションSCによれば、振動によって発電する発電デバイスGが、パッド本体110の着座者側に配置されているので、着座者が動いた場合に、発電デバイスGに振動が効率良く伝わる。このため、着座者の動きにより効率的に発電することができる。
【0059】
そして、発電デバイスGは、パッド本体110の凹部111の中に位置するので、着座者が発電デバイスGを異物として感じにくく、座り心地を向上させることができる。
【0060】
また、圧力センサPSが、発電デバイスGに重なっていることで、圧力センサPSと発電デバイスGを接続しやすい。そして、発電デバイスGの着座者側に配置されていることで、圧力センサPSの感度を損なうことがない。
【0061】
また、発電デバイスGが通信機に電力を供給することで、電源を必要とせずに圧力センサPSを設けたシートクッションSCからスマートフォンSPに検出した圧力を送信できるので、シートクッションSCを利用したシート体験システムを電源がない場所で使用することができる。
【0062】
シートSは、座り心地をさらに向上させるため、図7(c),(d)に示すように、カバーパッド112をさらに備えていてもよい。
【0063】
図7(c)に示すように、発電デバイスGに圧力センサPSが重ならない場合、カバーパッド112は、発電デバイスGの着座者側に重なって配置される。凹部111は、発電デバイスGの厚みとカバーパッド112の厚みを合わせた深さで形成され、カバーパッド112の着座者側の面112Fは、パッド本体110の着座者側の面110Fと面一となっている。
【0064】
図7(d)に示すように、発電デバイスGの上に圧力センサPSが重なる場合、カバーパッド112は、圧力センサPSの着座者側に重なって配置される。凹部111は、発電デバイスGの厚みと、圧力センサPSの厚みと、カバーパッド112の厚みとを合わせた深さで形成され、カバーパッド112の着座者側の面112Fは、パッド本体110の着座者側の面110Fと面一となっている。
【0065】
このような図7(c),(d)の構成によれば、カバーパッド112が発電デバイスGの着座者側に配置されることで、着座者が発電デバイスGを異物として感じにくく、座り心地をさらに向上させることができる。
【0066】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、発電デバイスGは、パッド本体10の凹部11の中に位置していたが、パッド本体10に凹部11を設けずに、パッド本体10の着座者側の面10Fに発電デバイスGを配置してもよい。
【0067】
前記したシートSにおいて、ヘッドレストS3には、発電デバイスGを設けていなかったが、ヘッドレストS3に発電デバイスGを設けてもよい。
【0068】
前記したシートSおよびシートクッションSCでは、表皮部材18,118を備えていたが、表皮部材を備えなくてもよい。
【0069】
前記したシートクッションSCは、座部クッションSC1と背もたれクッションSC2とが独立に構成されていたが、座部クッションSC1と背もたれクッションSC2はつながっていてもよい。
【0070】
発電デバイスGと圧力センサPSを重ねて配置する場合、発電デバイスGと圧力センサPSの間に他の部材を挟んでもよい。
【0071】
前記実施形態においては、発電デバイスGは、圧力センサPSに電力を供給するものとしたが、圧力センサ以外の物に電力を供給してもよい。発電デバイスは、例えば、ヒータ、照明、ブロワ、モータなどに電力を供給してもよい。
【0072】
また、本明細書に記載した各実施形態および各変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 パッド本体
11 凹部
12 カバーパッド
18 表皮部材
110 パッド本体
112 カバーパッド
118 表皮部材
F シートフレーム
G 発電デバイス
PS 圧力センサ
S シート
S10 シート
SC シートクッション
SC1 座部クッション
SC2 背もたれクッション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7