(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147625
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】コンクリート構造物の表層分離方法
(51)【国際特許分類】
B28D 1/08 20060101AFI20220929BHJP
B28D 1/24 20060101ALI20220929BHJP
B28D 7/02 20060101ALI20220929BHJP
E04G 23/08 20060101ALI20220929BHJP
G21F 9/30 20060101ALI20220929BHJP
G21F 9/28 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B28D1/08
B28D1/24
B28D7/02
E04G23/08 D
G21F9/30 535B
G21F9/30 535C
G21F9/30 535F
G21F9/28 551Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048954
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502040041
【氏名又は名称】日揮株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 貴信
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 保志
(72)【発明者】
【氏名】海野 峻行
(72)【発明者】
【氏名】小林 航
(72)【発明者】
【氏名】吉田 望
【テーマコード(参考)】
2E176
3C069
【Fターム(参考)】
2E176AA02
2E176AA17
2E176DD22
3C069AA01
3C069BA04
3C069BA06
3C069BB01
3C069BB03
3C069BB04
3C069BC02
3C069BC04
3C069CA10
3C069DA05
3C069DA07
3C069EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンクリート構造物の表層を分離するにあたり、当該表層が粉塵化して飛散すること及び作業の手間が増えることを防止する。
【解決手段】分離対象領域21の周囲を切削して溝23を形成する工程と、分離対象領域21の左右の一方側の表層を前後に挟むようにガイドプーリ51を溝23内に設置する工程と、ワイヤーソー55について、分離対象領域21の左右の他方側における表層に掛回されると共に、ガイドプーリ51に架け渡されて溝23の外側へ引き出されるように設置し、表層を切断する切断工程と、第1の切断工程で表層が分離されることで形成される凹部内にガイドプーリを設置する工程と、ワイヤーソー55について、分離対象領域21の左右の一方側における表層に掛回されると共に、ガイドプーリ51に架け渡されて凹部の外側へ引出されるように設置し、表層を切断する第2の切断工程と、を行う。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート構造物の表層を無端のワイヤーソーにより分離する分離方法において、
前記表層をなす分離対象領域の周囲を切削して、前記分離対象領域を囲む第1の溝を形成する溝形成工程と、
前記分離対象領域の左右の一方側の表層を前後に挟むと共に、その外周面が前記第1の溝の底面と対向するように第1及び第2のガイドプーリを当該第1の溝内に設置する第1の設置工程と、
前記ワイヤーソーについて、前記分離対象領域の左右の他方側における前記表層に掛回されると共に、前記第1及び第2のガイドプーリに架け渡されて前記第1の溝の外側へ引き出されるように設置し、当該表層を切断して分離する第1の切断工程と、
前記第1の切断工程で前記表層が分離されることで形成される第1の凹部内に、その外周面が前記第1の凹部の底面と対向するように前記第1及び第2のガイドプーリを設置する第2の設置工程と、
前記ワイヤーソーについて、前記分離対象領域の左右の一方側における前記表層に掛回されると共に、前記第1及び第2のガイドプーリに架け渡されて前記第1の凹部の外側へ引出されるように設置し、当該表層を切断して分離する第2の切断工程と、
を備えるコンクリート構造物の表層分離方法。
【請求項2】
前記第1の溝を形成する工程は、円形の第1のブレードと、当該第1のブレードを覆うカバーとを含むウォールソーマシンにより溝を形成する工程を含み、
当該溝を形成する工程は、前記カバーと回転する前記第1のブレードとを共に移動させて、前記分離対象領域の周囲を切削する切削工程と、
前記切削工程を行う間、前記カバー内を排気して集塵する工程と、
を含む請求項1記載のコンクリート構造物の表層分離方法。
【請求項3】
前記第1の設置工程において、前記第1及び第2のガイドプーリは、当該第1及び第2のガイドプーリの回転軸が前後に伸びるように前記第1の溝内に設置され、
前記第2の設置工程において、前記第1及び第2のガイドプーリは、当該第1及び第2のガイドプーリの回転軸が前後に伸びるように前記第1の凹部内に設置される請求項1または2記載のコンクリート構造物の表層分離方法。
【請求項4】
前記第1の設置工程は、前記第1及び第2のガイドプーリと、前記ワイヤーソーが架け渡されると共に当該ワイヤーソーを回動させるために回転する主プーリと、当該ワイヤーソーが架け渡されると共に前記ワイヤーソーに前記張力が付与されるように移動するテンションプーリと、を支持する支持体について、前記分離対象領域の左右の一方側における前記表層に固定する工程を含み、
前記第2の設置工程は、前記第1の切断工程において前記表層が分離された領域に前記支持体を固定する工程を含む請求項1ないし3のいずれか一つに記載のコンクリート構造物の表層分離方法。
【請求項5】
前記分離対象領域は部屋の内壁である床壁、側壁、天井壁のうち、前記床壁及び前記側壁または前記天井壁及び前記側壁である互いに隣接する内壁における表層であり、
前記溝形成工程は、前記隣接する内壁の各々の周縁よりも内側に前記第1の溝を形成する工程を含み、
前記溝形成工程、前記第1の設置工程、前記第1の切断工程、前記第2の設置工程及び前記第2の切断工程を繰り返し行い、前記隣接する内壁の各々に第2の凹部を形成する工程と、
前記各第2の凹部内から当該第2の凹部の外方に向う第2の溝を、前記隣接する内壁の各々の周縁に沿い、且つ当該隣接する内壁の各々に形成した当該第2の溝について互いに接続されるように形成し、前記コンクリート構造物から前記隣接する内壁の表層の周縁を分離する分離工程と、
を含む請求項1ないし4のいずれか一つに記載のコンクリート構造物の表層分離方法。
【請求項6】
前記分離対象領域は、前記床壁、前記側壁及び前記天井壁の各々における表層であり、
前記溝形成工程は、前記床壁、前記側壁及び前記天井壁の各々の周縁よりも内側に前記第1の溝を形成する工程を含み、
前記第2の凹部を形成する工程は、前記床壁、前記側壁及び前記天井壁の各々に当該第2の凹部を形成する工程であり、
前記分離工程は、前記床壁、前記側壁及び前記天井壁の各々のうち隣接する内壁における前記第2の溝については互いに接続されるように当該第2の溝を形成し、前記コンクリート構造物から前記床壁、前記側壁及び前記天井壁の各表層を分離する工程である請求項5記載のコンクリート構造物の表層分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物の表層分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物を解体するにあたり、内壁が放射性物質に曝された建屋が解体対象となり、且つ当該放射性物質が浸透したことによって、当該建屋の内壁の表層に汚染部位が発生することになり、その汚染部位を分離する作業が発生する。分離され、汚染された表層とそれ以外の部位とは、異なる種類の廃棄物として取り扱われることから、当該内壁の表層を分離する作業を行う必要が有る。この表層の分離作業に関しては、当該表層から発生した粉塵による二次汚染が防止されるように行う必要が有る。つまり、当該粉塵の発生及び粉塵の飛散が防止されるように行う必要が有る。
【0003】
特許文献1に、コンクリート構造物の放射性物質による汚染箇所の表層を剥離する工法が示されている。この特許文献1の工法ではウォールソーを用いることで、放射性物質により汚染された構造物の内側壁における剥離対象箇所に沿って門構え状に溝を形成した後、同じくウォールソーを用いて、その溝の門構えの左右の各下側の部位について拡幅し、拡幅した各箇所に対となるガイドプーリを設置する。溝の開口方向に対して、各ガイドプーリの軸は直交する。また、このガイドプーリの軸は溝の開口方向に沿った軸周りに回転自在、即ち、当該ガイドプーリの向きとしては変更自在である。そして無端のワイヤーソーを、その一部については溝内に収め、且つ他の一部についてはガイドプーリを介して溝の外側へと引き出されて駆動機に接続されるように設置し、剥離対象箇所を縦方向に切断する。
【0004】
この切断については切断面がガイドプーリの近くに至るように行われ、その際に拡幅された溝内のスペースが利用されて、切断の進行に伴うガイドプーリ付近のワイヤーソーの伸長方向の変化に追従するように、当該ガイドプーリの向きが変更される。しかし、上記の溝幅の拡大作業を行うのは手間である。また、ガイドプーリがワイヤーソーの伸長方向の変化に追従しきれず、当該ガイドプーリからワイヤーソーが外れてしまう懸念が有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、コンクリート構造物の表層を分離するにあたり、当該表層が粉塵化して飛散すること及び作業の手間が増えることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の分離方法は、コンクリート構造物の表層を無端のワイヤーソーにより分離する分離方法において、
前記表層をなす分離対象領域の周囲を切削して、前記分離対象領域を囲む第1の溝を形成する溝形成工程と、
前記分離対象領域の左右の一方側の表層を前後に挟むと共に、その外周面が前記第1の溝の底面と対向するように第1及び第2のガイドプーリを当該第1の溝内に設置する第1の設置工程と、
前記ワイヤーソーについて、前記分離対象領域の左右の他方側における前記表層に掛回されると共に、前記第1及び第2のガイドプーリに架け渡されて前記第1の溝の外側へ引き出されるように設置し、当該表層を切断して分離する第1の切断工程と、
前記第1の切断工程で前記表層が分離されることで形成される第1の凹部内に、その外周面が前記第1の凹部の底面と対向するように前記第1及び第2のガイドプーリを設置する第2の設置工程と、
前記ワイヤーソーについて、前記分離対象領域の左右の一方側における前記表層に掛回されると共に、前記第1及び第2のガイドプーリに架け渡されて前記第1の凹部の外側へ引出されるように設置し、当該表層を切断して分離する第2の切断工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンクリート構造物の表層が砕かれることが無いように所望の厚さで切断することができる。そして、その切断の際にワイヤーソーが架け渡されるガイドプーリを設置するための負担が少ない。従って、コンクリート構造物の表層が粉塵化して飛散すること及び作業の手間が増えることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る部屋の内壁を分離する手順を示す工程図である。
【
図2】前記内壁を分離する手順を示す工程図である。
【
図3】前記内壁を分離する手順を示す工程図である。
【
図4】前記内壁を分離する手順を示す工程図である。
【
図5】前記内壁を分離する手順を示す工程図である。
【
図6】前記内壁を分離する手順を示す工程図である。
【
図7】前記内壁を分離する手順を示す工程図である。
【
図8】前記内壁を分離する手順を示す工程図である。
【
図9】前記内壁を分離する工程に用いるウォールソーマシンを示す正面図である。
【
図10】前記内壁を分離する工程に用いるワイヤーソーマシンを示す斜視図である。
【
図11】前記ワイヤーソーマシンを構成するガイドプーリ及びワイヤーソーを示す側面図である。
【
図12】前記ワイヤーソーマシンを構成するガイドプーリ及びワイヤーソーを示す側面図である。
【
図13】前記ワイヤーソーマシンを用いて行う処理の工程図である。
【
図14】前記ワイヤーソーマシンを用いて行う処理の工程図である。
【
図15】前記ワイヤーソーマシンを用いて行う処理の工程図である。
【
図16】前記ワイヤーソーマシンを用いて行う処理の工程図である。
【
図17】前記内壁をなす天井面を示す平面図である。
【
図18】前記内壁の周縁の表層を分離する手順を示す工程図である。
【
図19】前記内壁の周縁の表層を分離する手順を示す工程図である。
【
図20】前記内壁の周縁の表層を分離する手順を示す工程図である。
【
図23】比較例の手法に用いるワイヤーソーマシンの上面図である。
【
図24】前記比較例の手法に用いるワイヤーソーマシンのガイドプーリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について
図1~
図8を参照して、先ずその概略を説明する。この実施形態は、背景技術の項目で述べたように、内壁が放射性物質により汚染されたコンクリート構造物である建屋10を解体する過程で行われる作業工程を示すものである。より具体的には、建屋10内における角型の部屋11のコンクリート製の内壁(床壁13、側壁14及び天井壁15)の表層を分離する工程を示す。
図1~
図8はその工程図であると共に、部屋11の平面図である。以下の説明では、放射性物質により汚染された内壁の表層を汚染表層として記載する。図中では部屋11の床壁13の汚染表層について、多数のドットを付して示している。
【0011】
先ず、部屋11の床壁13において、壁面内の一部を、長方形状の分離対象領域21として定める(
図1)。この分離対象領域21は、後にワイヤーソーマシン4を用いて汚染表層が切断される領域であり、そのワイヤーソーマシン4による切断が可能な大きさとなるように定める。以下では説明の便宜上、分離対象領域21について、長さ方向を左右方向、幅方向を前後方向とする。
【0012】
そして分離対象領域21の外周をウォールソーマシン3で切削し、細溝22を2つ形成する(
図2)。当該2つの細溝22は、分離対象領域21を各々囲むように平面視、角型の環状に形成され、互いに近接する。その後、この2つの細溝22をつなげるように加工して、角型で環状の溝23(第1の溝)を形成する(
図3)。
【0013】
溝23の形成後、床壁13にワイヤーソーマシン4を設置し、溝23を利用して分離対象領域21の汚染表層を切断し、分離する(
図4、
図5)。後に詳しく説明するため、ここでは詳細な説明を省くが、この汚染表層の切断は2回に分けて行い、分離対象領域21の左右の一方、他方を順に切断する。1回切断を行うと、ワイヤーソーマシン4の配置を変更する。そのように2回の切断を行うことで汚染表層が分離済みとなった分離対象領域21を、
図5中に汚染表層分離領域20として示している。
【0014】
その後は、床壁13において汚染表層が残る領域を新たに分離対象領域21として、以上に述べた一連の工程と同様の工程を繰り返し行う(
図6)。その間、汚染表層分離済みの領域にはビニールシートを被せるなどして適宜、養生を行う。そして、床壁13についての汚染表層の分離が完了したら、側壁14、天井壁15についても
図2~
図6で述べた工程と同様の工程を行い、汚染表層を分離する。
【0015】
以上の工程で、汚染表層のほとんどが分離されるが、床壁13、側壁14、天井壁15の各々の周縁については、後述する理由によって汚染表層が分離されずに残る。そのように周縁を除いて汚染表層が分離されたことで、床壁13、側壁14、天井壁15の各々には、角型の凹部16(第2の凹部)が形成された状態となる(
図7)。この各壁の周縁の汚染表層については、ウォールソーマシン6を用いて切断、分離する(
図8)。この周縁の汚染表層を分離する工法(以下、周縁分離工法と記載する場合が有る)についても後に詳しく述べる。
【0016】
以下、
図2~
図8で述べた各工程について詳細に説明する。
図9は、上記の
図2で述べた細溝22の形成工程で用いるウォールソーマシン3を示している。ウォールソーマシン3は、円形のブレード32と、駆動機33と、カバー34と、図示しない直線状のガイドレールを備える移動機構と、を備えている。ブレード32の中心はシャフト35を介して駆動機33に接続され、当該駆動機33により回転する。
【0017】
また、ブレード32はカバー34で覆われており、当該カバー34は、チューブ36を介して粉塵回収機37に接続されている。上記の駆動機33は、図示しない直線状のガイドレールを備える移動機構に接続されている。その移動機構により、ガイドレールに沿ってカバー34、駆動機33及び回転するブレード32が一体となって直動し、内壁が切削され、直線状に細溝22を形成することができる。そして、ウォールソーマシン3の配置を適宜変更することで、
図2で述べたように細溝22について角型の環状に形成することができる。この細溝22の形成中(即ち、回転するブレード32を移動させることによって内壁を切削する間)に、粉塵回収機37によりカバー34内を排気・集塵し、汚染表層から生じた粉塵の飛散を防止する。
【0018】
なお、ブレード32はカバー34から離れて設けられるので、内壁の周縁付近に細溝22を形成するにあたり、カバー34よりもブレード32が内壁の中心寄りになる。つまり、内壁の周縁には細溝22が形成されないので、ワイヤーソーマシン4を用いて汚染表層が分離される箇所は内壁の周縁より内側になる。そのため、
図7を参照して述べたようにワイヤーソーマシン4を用いて汚染表層の分離を繰り返し行った後の内壁の周縁には、汚染表層が残った状態になる。
【0019】
以上のようにワイヤーソーマシン4により形成した細溝22から、
図3で述べたように溝23を形成する。この溝23の形成については、細溝22に挟まれた状態で残る未切削領域である突条部24を、粉塵が発生しないように、例えば作業者がバールなどを用いて引き剥がすことで行う。
【0020】
続いて、
図4、
図5に示した汚染表層の分離工程について述べるために、ワイヤーソーマシン4について、
図10~
図12を参照して説明する。
図10はワイヤーソーマシン4の概略斜視図、
図11、
図12はワイヤーソーマシン4に設けられるガイドプーリ51の側面図である。なお、
図10のワイヤーソーマシン4の構成は作業工程の理解を容易にするための例示であり、ガイドプーリ51以外の各プーリの配置及び数や、各プーリを支持する支持体41の形状などは、作業が可能な範囲内で適宜変更されるものとする。
【0021】
ワイヤーソーマシン4は、各種プーリを支持する支持体41と、図示しない油圧ユニットと、を備えている。支持体41については、既述したように分離対象領域21を2回に分けて切断を行うにあたって配置が変更される。当該支持体41は、支柱42と、支柱42の伸長方向とは直交する方向に伸びる2つの腕部43とを含み、当該2つの腕部43は互いに逆方向に伸びる。支柱42の下部側には台座44が設けられており、当該台座44はアンカーボルト45を介して分離対象領域21上に固定することができる。支持体41には、2つのガイドプーリ(第1及び第2のガイドプーリ)51、多数のプーリ52、主プーリ53、テンションプーリ54が設けられており、これらのプーリに無端のワイヤーソー55が架け渡される。
図10の例では支柱42に主プーリ53が設けられ、各プーリ52が各腕部43に設けられる。また、腕部43の一つから支柱43に平行して伸びる副支柱46に、テンションプーリ54が当該副支柱46の伸長方向に移動自在に設けられている。
【0022】
上記の油圧ユニットは油圧ポンプを含み、図示しないチューブを介して支持体41に接続される。当該油圧ユニットにより、主プーリ53が回転すると共に、テンションプーリ54が移動する。それにより、ワイヤーソー55が回動すると共に、切断対象に巻き掛けられたワイヤーソー55に張力が付与され、当該切断対象を切断することができる。なお、油圧ユニットは後述の作業中、例えば部屋11の外で汚染表層が既に分離された部屋に配置される。
【0023】
上記の2つのガイドプーリ51は、他のプーリよりも切断対象に近接して配置されるプーリであり、各々支持体41の腕部43に設けられる。支持体41を分離対象領域21上に設置した際に、ガイドプーリ51は溝23内に進入することができ、且つ分離対象領域21を前後から挟むように、当該分離対象領域21の幅の大きさに合わせて、互いに離れて位置している。また、そのように支持体41が設置された際に、ガイドプーリ51の軸50(
図11参照)は前後に伸びた状態となる。なお、支持体41は分離対象領域21上に設置されるが、詳しくは後述するように1回目の切断を行う際には汚染表層上に設置され、2回目の切断を行う際には汚染表層分離領域20に(即ち汚染表層を分離済みの領域に)設置される。従って、各回の切断時において支持体41が設置される場所の高さは、互いに異なる。そのように支持体41が設置される高さの変化に対応できるように、例えば腕部43におけるガイドプーリ51の取り付け位置は、当該支持体41の支柱42の長さ方向に変更可能である。
【0024】
続いて、
図13~
図16の工程図を参照して説明する。この
図13~
図16は、
図4、
図5で述べたワイヤーソーマシン4による汚染表層の分離工程をさらに詳しく示すための平面図でもあり、従って床壁13の汚染表層が分離される様子を示す。なお、
図13及び
図15では実線及び一点鎖線でワイヤーソー55を示し、当該ワイヤーソー55が移動する様子について表している。
【0025】
先ず、2つのガイドプーリ51が、分離対象領域21の左側を前後に挟んで溝23内に位置するように、支持体41を当該分離対象領域21の左側に固定する。上記したように、このように支持体41を固定した際には、ガイドプーリ51の軸50が前後に伸びた状態となっている。ガイドプーリ51の配置についてさらに述べると、ガイドプーリ51の外周面について溝23の底面と対向する。そして、ワイヤーソー55について
図13に実線で示すように溝23の底面を這わせて分離対象領域21の右側を囲む共に、ガイドプーリ51に架け渡されて溝23の外側へ引き出されるように(即ち、上方へ向うように)設置する。
【0026】
続いてワイヤーソーマシン4を駆動させ、ワイヤーソー55が回動すると共に、テンションプーリ54が分離対象領域21から離れるように上方へ向けて移動する。それによりワイヤーソー55のうち、分離対象領域21に掛回された部位には、当該分離対象領域21の左側へ向かう張力が付与される。なお、既に説明した
図10はこの状態におけるワイヤーソーマシン4を表し、
図11はこの状態におけるガイドプーリ51及びワイヤーソー55を表している。
【0027】
上記のワイヤーソーマシン4の動作により、分離対象領域21が左側に向けて溝23の底面に沿って切断される。即ち、分離対象領域21の1回目の切断が行われる。そして、切断面が分離対象領域21の左右のおおよそ中央に達したら、ワイヤーソーマシン4による切断を停止する。
図13の一点鎖線は、当該1回目の切断の停止時におけるワイヤーソー55を示している。その後は切断された汚染表層を、部屋11から搬出可能な大きさの破片として分離し、分離対象領域21の右半分が、汚染表層分離領域20となる(
図14)。なお、この汚染表層の分離により、溝23のうち分離対象領域21の右半分を囲む部位は消失する。そして、依然として残る分離対象領域21の汚染表層に対する右側には、上記のように分離対象領域21の右半分である汚染表層分離領域20と溝23を形成していた領域と、からなる凹部29(第1の凹部)が形成された状態となる。
【0028】
続いて支持体41の位置が変更されて、汚染表層分離領域20上に固定される。ガイドプーリ51としては、分離対象領域21の右側を囲む溝23を形成していた底面上に位置すると共に、上記した凹部29内に進入し、軸50が前後に伸びた状態とされる。ガイドプーリ51の配置についてさらに述べると、ガイドプーリ51の外周面について凹部29の底面と対向する。そして、ワイヤーソー55について
図15に実線で示すように溝23の底面を這わせて分離対象領域21の左側を囲むと共に、ガイドプーリ51を介して凹部29の外側へ引き出されるように(即ち、上方へ向かうように)設置する。続いてワイヤーソーマシン4を駆動させ、ワイヤーソー55が回動すると共に、テンションプーリ54が分離対象領域21から離れるように上方へ向けて移動する。それによりワイヤーソー55のうち、分離対象領域21の左側に掛回された部位には分離対象領域21の右側へ向かう張力が付与される。
図12はこの状態におけるガイドプーリ51及びワイヤーソー55を示しており、分離対象領域21が右側に向けて溝23の底面に沿って切断される。即ち、分離対象領域21の2回目の切断が行われる。
【0029】
ワイヤーソー55が分離対象領域21の左右のおおよそ中央に達して、左側の汚染表層が全て切断されると、ワイヤーソーマシン4の駆動を停止する。
図15の一点鎖線は、2回目の切断停止時におけるワイヤーソー55を示している。この2回目の切断後は、分離対象領域21の右側の汚染表層と同様、左側の汚染表層についても部屋11から搬出可能な大きさの破片として分離し、分離対象領域21の全体が汚染表層分離領域20となる(
図16)。以下、説明の便宜上、
図13~
図16で述べたワイヤーソーマシン4による分離対象領域21を2回に分けて切断、分離する工法を分割分離工法と記載する場合が有る。
【0030】
図6で説明したように、溝23の形成と分割分離工法とを繰り返し行う。それにより、床壁13において汚染表層分離領域20を広げる。なお床壁13において、2回目以降の分割分離工法を行うために分離対象領域21に沿って形成する溝23は、
図6に示すように平面視コ字型で、且つその両端部が既に形成された汚染表層分離領域20に接続されたものとすればよい。つまり、1回目の分割分離工法を行うために形成する溝23のように環状としなくてよく、従って溝23を形成するための細溝22についても平面視コ字型に形成すればよい。このように2回目以降の分割分離工法を行う際には、汚染表層分離領域20をなす凹部とコ字型の溝23とが、分離対象領域21を囲む第1の溝に相当する。
【0031】
そして、床壁13について周縁を残して汚染表層を分離した後(即ち、
図7で示した凹部16の形成後)は、上記したように側壁14及び天井壁15についても床壁13と同様に汚染表層の分離が行われる。なお天井壁15に対して分割分離工法を行うために、当該天井壁15に形成した溝23にワイヤーソー55を設置するにあたっては、例えば
図16の下面図に示すように分離対象領域21に、ワイヤーソー55の落下防止部材26を設ける。この落下防止部材26は、分離対象領域21にボルトなどで固定され、分離対象領域21からその外側に突出して溝23の一部に重ねることで、ワイヤーソー55を下方から支持する。
【0032】
続いて、
図7、
図8で述べた周縁分離工法について、
図18~
図20の工程図と、
図21及び
図22の部屋11の角部の縦断面図と、を参照して説明する。
図18~
図20は、部屋11の内部の概略斜視図でもある。
図18は当該周縁分離工法の作業前の状態を示しており、各内壁に既述の凹部16が形成されている。この
図18の状態からウォールソーマシン6を用いて汚染表層を分離する。
図21、
図22に示すように、ウォールソーマシン3との差異点として、ウォールソーマシン6にはカバー34が設けられていない。
【0033】
ウォールソーマシン6により、凹部16の底部の側面をブレード32が当該凹部16の底面と近接、対向した状態で、凹部16の外方に向けて切削する。そして、ブレード32を凹部16の底面と対向した状態を保ったまま内壁の周縁に沿って直動させることで、溝61(第2の溝)を形成する(
図19)。つまり、溝61はその深さ方向が各凹部16内から凹部16の外方に向い、凹部16の全周に亘って形成される。
【0034】
各凹部16について、上記の溝61を形成する。
図19では溝61を形成する位置を示すために、各溝61を一斉に形成するように示しているが、実際には順番に形成する。
図21、
図22では床壁13及び側壁14において、床壁13、側壁14の順で溝61を形成する例を示している。なお凹部16の底部を切削するため、この溝61の形成の際には汚染表層の粉塵化は防止される。
【0035】
各溝61について補足して説明すると、床壁13、側壁14、天井壁15のうち、隣接する内壁に形成した当該溝61同士が接続される深さを有するように各溝61が形成される。つまり、床壁13に形成した溝61と4つの側壁14の各々に形成した溝61同士は互いに接続され、4つの側壁14のうち隣り合う側壁14に形成した溝61同士が互いに接続され、天井壁15に形成した溝61と4つの側壁14の各々に形成した溝61同士は互いに接続される。
図19の矢印の先及び
図22では、代表して床壁13の凹部16に形成された溝61と、側壁14の凹部16に形成された溝61と、が互いに接続されている様子を示している。
【0036】
既述したように各内壁に形成された溝61が接続されることで、部屋11の汚染表層が
図20に示すように直方体枠として、部屋11から分離される。
図20では理解を容易にするために、直方体枠のまま部屋11から分離されて分離されるように示しているが、実際には部屋から搬出可能な大きさになるように切断された後、分離される。それによって、
図8で示したように部屋11内の汚染表層の分離が完了する。
【0037】
ところで
図13~
図16で説明した分割分離工法に対する比較例を、
図23の平面図、
図24の側面図を参照して説明する。比較例では、軸50が分離対象領域21の厚さ方向に伸びるようにガイドプーリ51が配置されるワイヤーソーマシンを用いて、当該分離対象領域21を切断するものとする。そして、この比較例での分離対象領域21は、既に汚染表層が分離された領域71に隣接して設定され、ワイヤーソー55が設置される溝23は平面視、コ字型であると共に、その端部が領域71に接続されている。図中70はワイヤーソーマシン4の支持体41に相当する機器であり、ガイドプーリ51以外の各種プーリを含む。
【0038】
仮に分離対象領域21の表面付近を切断すると、当該分離対象領域21は砕けて粉塵となって飛散してしまう。そのために切断される分離対象領域21の表層の厚さが十分に、例えば5cm程度確保されるように、ワイヤーソー55を溝23の底面上に位置させ、当該底面に沿って当該分離対象領域21の表層を切断することが望まれる。その一方で、ガイドプーリ51については、厚さ方向の中央部が窪み、その窪みにワイヤーソー55が架けられる。つまり、ガイドプーリ51のワイヤーソー55が架けられる位置及びワイヤーソー55を溝23の底面に配置することを考慮すると、
図24に示すように領域71を切削して凹部72を形成し、当該凹部72にガイドプーリ51を埋設することになる。
【0039】
しかし、そのように凹部72を形成するのは手間である。また、この比較例のように汚染分離済みの領域71として、ガイドプーリ51及び機器70を設置するスペースを確保することは、作業を遅らせる原因になるおそれが有る。そこで、ガイドプーリ51としては上記の本発明の実施形態で述べたように、軸50が前後に伸びる配置とすると共に、分離対象領域21を前後に挟む配置として、溝23の底面上を引き回されたワイヤーソー55が架けられるようにすることが望ましい。ただし、そのようなガイドプーリ51の配置とするにあたり、特許文献1の説明でも述べたようにワイヤーソー55の位置に応じてガイドプーリ51の向きを変えられるように溝23を拡幅させる作業を行うことは手間である。
【0040】
そこで、本実施形態では、既述したように分離対象領域21の左側、右側を順に切断すると共に、切断する側を変更するにあたって、ガイドプーリ51を備える支持体41の位置を変更する。従って、汚染表層の切断の進行中、ガイドプーリ51については、切断を停止する分離対象領域21の左右の中心から比較的離れた位置に配置しておくことができる。つまり、切断が進行してもガイドプーリ51の近傍ではワイヤーソー55は左右方向に伸びる状態が保たれることで、ガイドプーリ51の向きを変更しなくてもよい。従って、溝23を拡幅してガイドプーリ51の向きの変更に必要なスペースを確保する必要が無い。
【0041】
以上に述べたことから本実施形態によれば、汚染表層を切断、分離するにあたり、溝23の底面に沿ってワイヤーソー55が移動することで、汚染表層については十分な厚さをもって切断されて砕かれることが無いようにガイドプーリ51が配置される。さらに、当該ガイドプーリ51を設置するために要する負担が少ない。即ち、本実施形態については、汚染表層が粉塵化して飛散すること及び作業の手間が増えることが防止される。なお、本実施形態で上記のように支持体41の分離対象領域21への配置、位置変更を行うにあたっては、支持体41の台座44を固定するためのアンカーボルト45を通す孔の形成、当該アンカーボルト45の着脱を行えばよい。従って、比較例のようにガイドプーリ51用の凹部72を形成することに比べて、作業が簡易である。
【0042】
ところで、溝23の拡幅作業を行うこと及びガイドプーリ51の向きの変更が不要であると述べてきたが、本発明は、そのような拡幅作業を行うこと及びガイドプーリ51の向きが変更されることを禁止するものでは無い。ガイドプーリ51の向きを変更させるとしても、本発明によれば必要な当該向きの変更量が抑えられることで、溝幅の拡大量としては小さくなり、作業の手間の軽減を図ることができる。
【0043】
また、既述した分割分離工法における、
図13に示す1回目の切断と、
図15に示す2回目の切断とで、異なるワイヤーソーマシンを用いてもよい。例えば、1回目の切断では上記のワイヤーソーマシン4を用いる。そして、2回目の切断ではワイヤーソーマシン4よりもガイドプーリ51同士の間隔が小さいワイヤーソーマシンを用いる。そして、当該ワイヤーソーマシンの各ガイドプーリ51を凹部29内における右側の汚染表層分離領域20に重なるように配置し、分離対象領域21の左側に掛回したワイヤーソー55をガイドプーリ51に架け渡し、当該汚染表層分離領域20から上方へ向うように配置して切断を行う。つまり2回目の切断時におけるガイドプーリ51については、溝23が設けられていた箇所に設置されることには限られない。なお、2つのガイドプーリ51の軸50について、上記の実施形態では平面視において分離対象領域21の幅方向に平行であるように示したが、若干傾いていてもよい。即ち、各軸50が平面視ハの字をなすように、2つのガイドプーリ51を配置してもよい。
【0044】
また、細溝22を形成するためのウォールソーマシン3については、2枚刃構造のものを用いてもよい。詳しく述べると、例えば互いに同じ大きさであると共に対向して近接する2つの円形のブレード32を備え、駆動機33により当該2つのブレード32が共に回転するウォールソーマシン3を用い、並行する2本の細溝22を同時に形成してもよい。なお、2つのブレード32はいずれもカバー34によって覆われ、既述したようにカバー34内が排気・集塵されることで粉塵の飛散が防止されるものとする。
【0045】
ところで
図13~
図16で述べたように分割分離工法を行うことで床壁13の分離対象領域21の汚染表層を分離して汚染表層分離領域20を形成し、さらにその後、
図6に示すように新たに定めた分離対象領域21を囲むようにコ字型に溝23を形成した後は、ワイヤーソーマシン4の支持体41を当該分離対象領域21上に配置するのではなく、既に形成されている汚染表層分離領域20に固定してもよい。そして、当該溝23に囲まれる分離対象領域21の汚染表層を一度に切断するようにしてもよい。このように床壁13について、分割分離工法を1回行った後は、分割分離工法を用いずに汚染表層の分離を進行させてもよい。床壁13と同様に、側壁14及び天井壁15の各々についても1回のみ分割分離工法が行われるようにしてもよい。
【0046】
分割分離工法を行うにあたり分離対象領域21について、1回目に切断する領域、2回目に切断する領域を当該分離対象領域21の長さ方向で分けたが、分離対象領域21の幅方向(短手方向)で分けてもよい。つまり、
図13~
図16の平面図中の上側、下側のうちのいずれか一方を1回目に切断し、他方を2回目に切断してもよい。また、分割分離工法を行うにあたり、1回目に切断する領域の面積と、2回目に切断する領域の面積とが同じであることには限られず、偏りがあってもよい。なお、分離対象領域21の周囲を囲むように第1の溝として溝23を形成するが、例えば重機等を使い、幅広の凹部を分離対象領域21の周囲に形成したとする。そのような幅広の凹部も第1の溝である。
【0047】
そして本技術はコンクリート建造物の表層であれば適用することができるので、既述した部屋11の内壁の表層の分離に用いられることには限られず、例えばコンクリート建造物の外壁の表層を、本技術により分離してもよい。そして、分離対象領域21は矩形であることに限られず、例えば円形であってもよく、その場合には分離対象領域21の形状に合わせて適切な機器、工具を用いて溝23を円環状に形成すればよい。
ところで部屋11の内壁のうち、床壁13及び各側壁14のみ、
図1~
図6で説明したように汚染表層を分離して凹部16を形成し、各凹部16に対して既述した深さの溝61を形成し、部屋11から床壁13及び各側壁14の周縁を分離してもよい。この分離の際には、天井壁15から各側壁14の周縁を切り離す必要が有る。この切り離しについては、例えば各側壁14と天井壁15との角部あるいはその付近に、既述したウォールソーマシン3のブレード32を当て、天井壁15の周縁に沿ってカバー34内の排気・集塵を行いつつブレード32を移動させることで行う。ウォールソーマシン3で切削する箇所は汚染表層となっているため、このように排気・集塵を行いつつ切削する。
同様に天井壁15及び各側壁14のみ、
図1~
図6で示したように汚染表層を分離して凹部16を形成し、この凹部16に対して既述した深さの溝61を形成し、部屋11から天井壁15及び各側壁14の周縁を分離してもよい。この分離の際には、床壁13から各側壁14の周縁を切り離す必要が有る。この切り離しについては、上記した天井壁15からの各側壁14の周縁の切り離しと同様に、ウォールソーマシン3を用いて側壁14と床壁13との角部あるいはその付近を切削し、その切削の際にはカバー34内の排気・集塵を行うようにすればよい。
【0048】
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更、組み合わせ等がなされてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 建屋
13 床壁
23 溝
21 分離対象領域
29 凹部
51 ガイドプーリ
55 ワイヤーソー