(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147630
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】投光装置、投光方法およびロボットハンドシステム
(51)【国際特許分類】
B25J 13/08 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048961
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】池田 亮介
(72)【発明者】
【氏名】菅野 優太
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS06
3C707KS10
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT11
3C707KT15
3C707KX06
3C707LV04
3C707LV05
3C707MT11
3C707NS06
(57)【要約】
【課題】安価な構成で、ロボットハンドから把持対象物までの距離に関する情報と、ロボットハンドから見た把持対象物の姿勢に関する情報とを提示できる投光装置を提供する。
【解決手段】投光装置は、ロボットアームに取り付けられたロボットハンドに対して第1の位置に固定された第1の投光手段と、前記ロボットハンドに対して前記第1の位置とは異なる第2の位置に固定された第2の投光手段とを有し、前記第1の投光手段は、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第1の所定の図形の像を形成する第1の光線を出射し、前記第2の投光手段は、前記第1の光線と異なる方向に、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第2の所定の図形の像を形成する第2の光線を出射する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームに取り付けられたロボットハンドに対して第1の位置に固定された第1の投光手段と、前記ロボットハンドに対して前記第1の位置とは異なる第2の位置に固定された第2の投光手段とを有し、
前記第1の投光手段は、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第1の所定の図形の像を形成する第1の光線を出射し、
前記第2の投光手段は、前記第1の光線と異なる方向に、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第2の所定の図形の像を形成する第2の光線を出射する、
ことを特徴とする投光装置。
【請求項2】
前記第1の光線と前記第2の光線とが、互いに異なる色である、
ことを特徴とする請求項1に記載の投光装置。
【請求項3】
前記第1の所定の図形と前記第2の所定の図形が異なる形状である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の投光装置。
【請求項4】
前記第1の投光手段と前記第2の投光手段のうちの少なくとも一方が、
放射状に光を発する光源とスリットの組み合わせを有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の投光装置。
【請求項5】
前記第1の投光手段と前記第2の投光手段のうちの少なくとも一方が、
レーザと前記レーザをスキャンするレーザスキャン手段の組み合わせを有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の投光装置。
【請求項6】
ロボットアームに取り付けられたロボットハンドに対して第1の位置に固定された第1の投光手段から、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第1の所定の図形の像を形成する第1の光線を出射し、
前記ロボットハンドに対して前記第1の位置とは異なる第2の位置に固定された第2の投光手段から、前記第1の光線の方向と交点を持つ方向に、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第2の所定の図形の像を形成する第2の光線を出射する、
ことを特徴とする投光方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の投光装置と、
前記第1の所定の図形の像と前記第2の所定の図形の像とを含む画像を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した前記画像を表示するディスプレイと、
前記ロボットハンドを駆動するロボットと
前記ロボットを駆動するロボット駆動部と
前記ロボット駆動部を操作するロボット操作部と、
を有することを特徴とするロボットハンドシステム。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の投光装置と、
前記第1の所定の図形の像と前記第2の所定の図形の像とを含む画像を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した前記画像を表示するディスプレイと、
前記ロボットハンドを駆動するロボットと
前記ロボットを駆動するロボット駆動部と
前記画像に基づいて前記ロボット駆動部を自動制御するロボット自動制御部と、
を有することを特徴とするロボットハンドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投光装置、投光方法およびロボットハンドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業製品の生産現場では、把持対象物を把持するための、ロボットハンドを持つ産業用ロボットが多用されている。ロボットハンドで把持対象物の把持や吸着を行うためには、ロボットハンドと把持対象物の距離に関する情報と、把持対象物の姿勢(傾き)に関する情報が必要になる。
【0003】
ロボットハンドと把持対象物の距離に関する情報を得るための技術が、例えば、特許文献1に開示されている。この技術では、把持対象物を把持するための複数の指を持つロボットハンドで、2つの異なる指から、色の異なるコリメート光を把持対象物の近傍で交差するように照射する。コリメート光によって形成されたスポットの色に基づいて、スポットがどちらの光源によって形成されたものであるかを識別し、その位置関係とスポット間の距離に基づいて、ロボットハンドから把持対象物までの距離に関する情報を得ることができる。
【0004】
また、把持対象物の姿勢を把握するための技術が、例えば、特許文献2に開示されている。この技術では、3次元画像撮像装置を用いて、把持対象物の3次元画像を撮像し、この3次元画像に基づいて把持対象物に該当する3次元点群を取得し、この3次元点群に基づいて把持対象物の姿勢を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-297100号公報
【特許文献2】特開2021-016910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、距離に関する情報は得られるが、把持対象物の姿勢に関する情報が得られないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2の技術では、3次元画像を撮像する3次元画像撮像装置を用いており、装置が高価になるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、安価な構成で、ロボットハンドから把持対象物までの距離に関する情報と、ロボットハンドから見た把持対象物の姿勢に関する情報とを提示できる投光装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の投光装置は、投光装置は、ロボットアームに取り付けられたロボットハンドに対して第1の位置に固定された第1の投光手段と、前記ロボットハンドに対して前記第1の位置とは異なる第2の位置に固定された第2の投光手段とを有し、前記第1の投光手段は、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第1の所定の図形の像を形成する第1の光線を出射し、前記第2の投光手段は、前記第1の光線の方向と異なる方向に、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第2の所定の図形の像を形成する第2の光線を出射する。
【0010】
また、本発明の投光方法は、ロボットアームに取り付けられたロボットハンドに対して第1の位置に固定された第1の投光手段から、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第1の所定の図形の像を形成する第1の光線を出射し、前記ロボットハンドに対して前記第1の位置とは異なる第2の位置に固定された第2の投光手段から、前記第1の光線と異なる方向に、前記ロボットハンドの把持対象物の表面に第2の所定の図形の像を形成する第2の光線を出射する。
【0011】
また、本発明のロボットハンドシステムは、上記の投光装置と、前記第1の所定の図形の像と前記第2の所定の図形の像とを含む画像を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した前記画像を表示するディスプレイと、前記ロボットハンドを駆動するロボットと
前記ロボットを駆動するロボット駆動部と、前記ロボット駆動部を操作するロボット操作部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果は、安価な構成で、ロボットハンドから把持対象物までの距離に関する情報と、ロボットハンドから見た把持対象物の姿勢に関する情報とを提示できる投光装置を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態の投光装置の構成を示す側面模式図である。
【
図2】第1の実施形態の投光装置の第1の動作状態を示す側面模式図である。
【
図3】第1の実施形態の投光装置の第2の動作状態を示す側面模式図である。
【
図4】第1の実施形態の投光装置の第3の動作状態を示す側面模式図である。
【
図5】第2の実施形態の投光装置の構成を示す側面模式図である。
【
図6】第2の実施形態の投光装置の第1の動作状態を示す側面模式図である。
【
図7】第2の実施形態の投光装置の第2の動作状態を示す側面模式図である。
【
図8】第3の実施形態のロボットハンドシステムを示すブロック図である。
【
図9】第4の実施形態のロボットハンドシステムを示すブロック図である。
【
図10】第4の実施形態のロボットハンドシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の投光装置10の構成を示す側面模式図である。投光装置10は、ロボットハンド1と、第1の投光手段2と、第2の投光手段3とを有する。
【0016】
ロボットハンド1は、ロボットアームに取り付けられ、把持対象物20を把持する。
【0017】
第1の投光手段2は、ロボットハンド1に対して第1の位置に固定されている。第1の投光手段2は、把持対象物20の表面に第1の所定の図形の像を形成する第1の光線2aを出射する。
【0018】
第2の投光手段3は、第1の光線2aとは異なる方向に、把持対象物20の表面に第2の所定の図形の像を形成する第2の光線3aを出射する。
【0019】
図2(a)は、投光装置10の第1の動作状態を示す側面模式図である。
図2(b)は、この状態での把持対象物20の表面における第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bを示す平面図である。
図2の例では、第2の光線3aの方向を、第1の光線2aと交点を持つ方向にしている。ただし、この方向は一例であり、第2の光線3aが、把持対象物20に第2の所定の図形の像3bを形成でき、第1の光線2aの方向と異なっていれば、どこの方向でも良い。また交点を持たなくても良い。
【0020】
図2の例では、第1の投光手段2は略円形の第1の所定の図形の像を形成する第1の光線2aを出射し、第2の投光手段3は略円形の第2の所定の図形の像を形成する第2の光線3aを出射するものとしている。ここで、
図2の、ロボットハンド1と把持対象物20が正対した状態は、本実施形態とは別の方法で予め作ったものであるとする。本実施形態では、
図2の状態を、他の状態との比較の基準となる基準状態とする。なお図示はしていないが、第1の光線2aと第2の光線3aを異なる色としておくことで、第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bとを識別することができる。また、後述するが、第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bとを異なる形状としておくことでも、像がどちらの光線によって形成されたかを識別することができる。本実施形態では、第1の光線2aと第2の光線3aの出射方向が決まっていて、その出射方向が交差するようにしている。このため、第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bの位置関係と、その距離から、ロボットハンド1と把持対象物20の距離を類推するための情報を提示することができる。
【0021】
また、例えば、
図2のように、ロボットハンド1と把持対象物20表面とが正対している時の、第1の所定の図形の像2bと、第2の所定の図形の像3bの形状を、それぞれの基準形状とすると、把持対象物20が傾いたときに図形が歪む。これらの像の変化から、把持対象物20の傾きの類推に資する情報を提示できる。
【0022】
図3(a)は、投光装置10の第2の動作状態を示す側面模式図である。
図3(b)は、この状態での把持対象物20の表面における第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bを示す平面図である。
【0023】
図3の例では、把持対象物20の表面は、ロボットハンド1と把持対象物20の表面を結ぶ線分に対して傾いている。この場合は、第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bは、基準状態の形から歪んだ形状となる。この形状の歪みは、把持対象物20がロボットハンド1に対して傾いた姿勢にあるとの情報を示している。つまり、
図3に示すように、本実施形態の投光装置10によれば、把持対象物20の表面がロボットハンド1に対する姿勢に関する情報を提示することができる。
【0024】
図4(a)は、投光装置10の第3の動作状態を示す側面模式図である。
図4(b)は、この状態での把持対象物20の表面における第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bを示す平面図である。
【0025】
図4の第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bは、
図2のこれらの像と相似形になっている。このことから、把持対象物20の表面はロボットハンド1に正対していることを把握することができる。さらに、第1の所定の図形の像2bと第2の所定の図形の像3bとが重なっている。
図4(b)の状態が観察される場合は、ロボットハンド1が把持対象物20の表面に正対し、ロボットハンド1と把持対象物20の表面とが、第1の投光手段2と第2の投光手段3の配置から決まる特別な距離にある状態である。そこで、例えば、この状態を基準状態とすることができる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によれば、安価な構成で、ロボットハンドから把持対象物までの距離に関する情報と、ロボットハンドから見た把持対象物の姿勢に関する情報とを提示できる投光装置を提供することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
図5は第2の実施形態の投光装置1000の構成を示す側面模式図である。投光装置1000は、ロボットハンド110と、第1の投光手段120と、第2の投光手段130とを有する。ロボットハンド110は第1の実施形態のロボットハンド1の一例、第1の投光手段120は第1の投光手段2の一例、第2の投光手段130は第2の投光手段3の一例である。本実施形態の第1の投光手段120は略円形の第1の所定の図形の像122を形成する第1の光線121を出射する。また、第2の投光手段130は、十字型の第2の所定の図形の像132を形成する第2の光線131を出射する。第1の投光手段120、第2の投光手段130は、例えば、放射状に光を出射する光源とスリットの組み合わせによって、第1の光線121、第2の光線131を出射することができる。あるいは、レーザをスキャンする方式であっても良い。
【0028】
図5の例では、把持対象物200の表面はロボットハンド1に正対している。そして、第1の所定の図形の像122と第2の所定の図形の像132とは、ある距離だけ離れている。
【0029】
図6(a)は、投光装置1000の第1の動作状態を示す側面模式図である。
図6(b)は、この状態での把持対象物200の表面における第1の所定の図形の像122と第2の所定の図形の像132を示す平面図である。
【0030】
図6の例では、把持対象物200の表面は、ロボットハンド110と把持対象物200の表面を結ぶ線分に対して傾いている。この場合は、第1の所定の図形の像122と第2の所定の図形の像132は、
図6(b)のように、基準状態の形から歪んだ形状となる。つまり、第1の実施形態と同様に、把持対象物200の表面がロボットハンド110に対して傾いていることの情報を提示することができる。
【0031】
図7(a)は、投光装置1000の第2の動作状態を示す側面模式図である。
図7(b)は、この状態での把持対象物200の表面における第1の所定の図形の像122と第2の所定の図形の像132を示す平面図である。
【0032】
図7の例では、把持対象物200の表面はロボットハンド110に正対している。さらに、第1の所定の図形の像122と第2の所定の図形の像132とが重なっている。
図7(b)の状態が観察される場合は、ロボットハンド110が把持対象物200の表面に正対し、ロボットハンド110と把持対象物200の表面とが、第1の投光手段120と第2の投光手段130の配置から決まる特別な距離にある状態である。そこで、例えば、この状態を基準状態とすることができる。
【0033】
なお、上記の説明では、第1の所定の図形の像と第2の所定の図形の像とが、円形と十字線である例を用いたが、これらの像は、上記の例に限られず、任意の所定の形状を用いることができる。
【0034】
以上説明したように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、安価な構成で、ロボットハンドから把持対象物までの距離に関する情報と、ロボットハンドから見た把持対象物の姿勢に関する情報とを提示できる投光装置を提供することができる。
【0035】
なお上記の説明では、投光手段を2つとして説明したが、3つ以上であっても良い。
【0036】
(第3の実施形態)
本実施形態では、第1または第2の投光装置を用いたロボットハンドシステムについて説明する。
図8は、このロボットハンドシステムの一例を示すブロック図である。
【0037】
ロボットハンドシステム10000は、第2の実施形態のロボットハンド1000と、ディスプレイ2000と、ロボット3000と、ロボット駆動部4000と、ロボット操作部5000とを有する。またロボットハンド1000には、第1の所定の図形の像と第2の所定の図形の像とを含む画像を撮影するカメラ1400が配置されている。ディスプレイ2000は、カメラ1400が撮影した画像を表示する。ロボット3000は、多関節のアーム3100を備え、アーム3100の先にはロボットハンド1000が固定されている。ロボット駆動部4000は、ロボット操作部5000から出力された制御信号にしたがって、ロボット3000、アーム3100、ロボットハンド1000を駆動させる。ロボット操作部5000は、ヒューマンインターフェースを備え、オペレータによるロボットの操作入力を受け付ける。
【0038】
本実施形態のロボットハンドシステム10000は、オペレータの操作によって制御される。ディスプレイ2000とロボット操作部5000は、例えば、ロボット3000とは離れた場所に配置されている。オペレータは、ディスプレイ2000の画像から、ロボットハンド1000と把持対象物200の傾きに関する情報と、距離に関する情報を得ることができる。そして、その画像に基づいて、ロボット操作部5000を操作し、ロボットハンド1000を、把持対象物2000を把持しやすい角度に調整する。さらに、その角度で、ロボットハンド1000に把持動作を行わせることで、容易に把持対象物200を把持させることができる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態のロボットハンドシステムによれば、ロボットハンドの把持対象物に対する角度を遠隔操作し、スムーズに把持動作を行わせることができる。
【0040】
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、ロボットハンド1000とロボット3000の操作をオペレータが行うロボットハンドシステムについて説明したが、この操作を自動で行うロボットハンドシステムを構築することも可能である。
【0041】
図9は、ロボットの操作を自動で行うロボットハンドシステム11000を示すブロック図である。ロボットハンドシステム11000は、第3の実施形態のロボットハンドシステム10000のロボット操作部5000の代わりに、ロボット自動制御部6000を備えている。なお、図示はしていないが、第3の実施形態と同様のロボット操作部5000が有っても良い。その他の構成に関しては、第3の実施形態と同様である。
【0042】
本実施形態のロボットハンドシステム11000では、ロボットハンド1000の把持対象物200に対する角度の調整を自動で行う。
【0043】
図10は、ロボットハンドシステム11000の動作の一例を示すフローチャートである。まず、本実施形態とは別の方法で、予め、ロボットハンド1000の把持対象物200に対する角度の基準状態を作る。基準状態の定め方は任意であるが、例えば、第1の実施形態と同様に、ロボットハンド1000と把持対象物200が正対し、両者の間隔が所定の基準値である状態とすることができる。そして、その時の第1の所定の図形の像と第2の所定の図形をテンプレートとして記憶する(S1)。次に、把持しようとする把持対象物200の表面の、第1の所定の図形の像と第2の所定の図形の像とをモニタする(S2)。次に、モニタの画像とテンプレートとを比較し、モニタ画像がテンプレートに近づくようにロボットハンドの角度を調整する(S3)。この調整は、任意の周知技術を用いて行うことができるが、例えばモニタ画像の形状とテンプレートとの差分が小さくなるように角度の微調整を繰り返すことで行うことができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、ロボットハンドの角度を把持対象物が把持しやすい角度に自動的に調整することができる。
【0045】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1、110 ロボットハンド
2、120 第1の投光手段
3、130 第2の投光手段
10、1000 投光装置
20、200 把持対象物
1400 カメラ
2000 ディスプレイ
3000 ロボット
3100 アーム
4000 ロボット駆動部
5000 ロボット操作部
6000 ロボット自動制御部
10000、11000 ロボットハンドシステム