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特開2022-1476583次元モデル生成装置、3次元モデル生成方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147658
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】3次元モデル生成装置、3次元モデル生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 17/00 20060101AFI20220929BHJP
   G06T 13/40 20110101ALI20220929BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20220929BHJP
【FI】
G06T17/00
G06T13/40
G06F3/0484 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021048997
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 浩史
【テーマコード(参考)】
5B050
5B080
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA08
5B050BA08
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA01
5B050DA04
5B050EA19
5B050EA24
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B080AA00
5B080CA00
5B080FA02
5B080FA08
5B080GA11
5B080GA22
5E555AA25
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC01
5E555BE17
5E555CA42
5E555DA08
5E555DA09
5E555DB32
5E555EA05
5E555EA19
5E555EA27
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】VR空間に参加させるための全身の3次元モデルを容易に生成可能とする。
【解決手段】撮影装置が取得した被写体の上半身の撮影画像情報に基づいて上半身3次元のモデルを生成する上半身モデル生成部と、撮影画像情報に基づいて被写体の属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルから被写体の上半身に対する下半身の3次元モデルを選択する下半身モデル選択部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置が取得した被写体の上半身の撮影画像情報に基づいて上半身3次元のモデルを生成する上半身モデル生成部と、
前記撮影画像情報に基づいて前記被写体の属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルから前記被写体の上半身に対する下半身の3次元モデルを選択する下半身モデル選択部と、
を備える3次元モデル生成装置。
【請求項2】
仮想空間の状況を示す情報に応じて前記選択された下半身の3次元モデルの動きを選択する下半身モーション選択部を備える、
請求項1に記載の3次元モデル生成装置。
【請求項3】
前記撮影画像情報に基づいて前記被写体の上半身の姿勢を解析して状態を推定する上半身姿勢推定部を備え、
前記下半身モーション選択部は、前記仮想空間の状況を示す情報と前記上半身姿勢推定部が推定した上半身の姿勢との基づき、下半身の3次元モデルの動きを選択する、
請求項2に記載の3次元モデル生成装置。
【請求項4】
撮影装置が取得した被写体の上半身の撮影画像情報に基づいて上半身3次元のモデルを生成するステップと、
前記撮影画像情報に基づいて前記被写体の属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルから前記被写体の上半身に対する下半身の3次元モデルを選択するステップと、
を含む3次元モデル生成方法。
【請求項5】
撮影装置が取得した被写体の上半身の撮影画像情報に基づいて上半身3次元のモデルを生成するステップと、
前記撮影画像情報に基づいて前記被写体の属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルから前記被写体の上半身に対する下半身の3次元モデルを選択するステップと、
を3次元モデル生成装置として動作するコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元モデル生成装置、3次元モデル生成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想現実(VR:Virtual Reality)を実現したVR空間を複数のユーザで共有することで、VR空間を利用した会議が増加している。このような会議では、ユーザに対応したアバターを生成し、VR空間に参加することが考えられる。複数のユーザが参加するウェブ会議は、ユーザ同士が離れた場所から端末およびネットワークを通して行われる。この場合、自分をカメラにより撮影し、自分の2次元撮影画像に基づいて3次元画像を生成し、自分の3次元画像をVR空間に参加させる。このような3次元モデル生成方法としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-113421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カメラで撮影した自分の2次元撮影画像に基づいて3次元画像を生成するとき、一般的に、自分の上半身の3次元画像を生成している。しかし、VR空間のようなコミュニケーション空間では、空間の臨場感を出すために、自分の全身の3次元画像を生成して会議に参加することが求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、VR空間に参加させるための全身の3次元モデルを容易に生成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る3次元モデル生成装置は、撮影装置が取得した被写体の上半身の撮影画像情報に基づいて上半身3次元のモデルを生成する上半身モデル生成部と、前記撮影画像情報に基づいて前記被写体の属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルから前記被写体の上半身に対する下半身の3次元モデルを選択する下半身モデル選択部と、を備える。
【0007】
本発明に係る3次元モデル生成方法は、撮影装置が取得した被写体の上半身の撮影画像情報に基づいて上半身3次元のモデルを生成するステップと、
前記撮影画像情報に基づいて前記被写体の属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルから前記被写体の上半身に対する下半身の3次元モデルを選択するステップと、を含む。
【0008】
本発明に係るプログラムは、撮影装置が取得した被写体の上半身の撮影画像情報に基づいて上半身3次元のモデルを生成するステップと、
前記撮影画像情報に基づいて前記被写体の属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルから前記被写体の上半身に対する下半身の3次元モデルを選択するステップと、を3次元モデル生成装置として動作するコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、VR空間に参加させるための全身の3次元モデルを容易に生成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係る3次元モデル生成システムを表すブロック構成図である。
図2図2は、下半身モデルデータベースにおける男性の下半身モデルの一例を表す説明図である。
図3図3は、下半身モデルデータベースにおける女性の下半身モデルの一例を表す説明図である。
図4図4は、全身モデルの生成方法の一例を表す説明図である。
図5図5は、第2実施形態に係る3次元モデル生成システムを表すブロック構成図である。
図6図6は、下半身3次元モーションデータベースにおける下半身の3次元モーションの一例を表す説明図である。
図7図7は、第3実施形態に係る3次元モデル生成システムを表すブロック構成図である。
図8図8は、上半身モデルの正姿勢に対する下半身モデルの姿勢の一例を表す説明図である。
図9図9は、上半身モデルの後傾姿勢に対する下半身モデルの姿勢の一例を表す説明図である。
図10図10は、上半身モデルの前傾姿勢に対する下半身モデルの姿勢の一例を表す説明図である。
図11図11は、上半身モデルの頬杖姿勢に対する下半身モデルの姿勢の一例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る3次元モデル生成装置、3次元モデル生成方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
<第1実施形態>
[3次元モデル生成システム]
第1実施形態では、仮想現実を実現したVR空間を複数のユーザで共有する会議において、ユーザの3次元モデル(アバター)を生成する装置および方法について説明する。なお、3次元モデル生成装置および方法は、VR空間を利用した会議だけではなく、例えば、VR空間を利用した展示会、展覧会、宴会などにも適用することができる。
【0013】
図1は、第1実施形態に係る3次元モデル生成システムを表すブロック構成図である。
【0014】
第1実施形態において、図1に示すように、3次元モデル生成システム10は、カメラ(撮影装置)11と、3次元モデル生成装置12と、表示装置13とを備える。
【0015】
カメラ11は、ユーザ(被写体)を撮影した撮影画像情報を取得する。カメラ11は、ユーザである自分の上半身を撮影可能である。この場合、カメラ11は、ユーザの頭部から少なくとも腰部までの上半身を撮影することが好ましい。カメラ11は、撮影画像情報を3次元モデル生成装置12へ送信する。
【0016】
3次元モデル生成装置12は、カメラ11が撮影した撮影画像情報に基づいて、ユーザの全身の3次元モデルを生成する。3次元モデル生成装置12は、生成した全身の3次元モデル を仮想空間構成システム14へ送信する。3次元モデル生成装置12は、例えばCPUな(Central Processing Unit)どの演算回路を含む。3次元モデル生成装置12の具体的な構成は後述する。
【0017】
仮想空間構成システム14は、インターネッなどのネットワークを介して複数のユーザのパーソナルコンピュータ(3次元モデル生成装置12)に接続する。仮想空間構成システム14は、複数のユーザのパーソナルコンピュータ(3次元モデル生成装置12)で生成された全身の3次元モデルに基づき、VR空間の情報を生成する。仮想空間構成システム14は、生成したVR空間の情報を表示装置13へ出力する。なお、仮想空間構成システム14は、例えば、サーバなどである。
【0018】
表示装置13は、仮想空間構成システム14から取得したVR空間の情報をもとに、ユーザ自身から見たVR空間の画像を表示する。表示装置13は、例えばHMD(Head Mount Display)や、液晶ディスプレイなどである。
【0019】
下半身モデルデータベース26は、予め設定された複数の下半身の3次元モデルが格納されている。下半身モデルデータベース26は、3次元モデル生成装置12の要求に基づき、所定の下半身の3次元モデルを3次元モデル生成装置12へ出力するが、詳細は後述する。なお、下半身モデルデータベース26は、例えば、サーバなどであり、少なくともHDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置やメモリを含む。なお、仮想空間構成システム14と下半身モデルデータベース26とは一体の構成であってもよい。
【0020】
3次元モデル生成装置12は、上半身モデル生成部21と、下半身モデル選択部22と、全身モデル生成部23とを備える。また、3次元モデル生成装置12は、性別解析部24と、服装解析部25とを備える。下半身モデル選択部22は、下半身モデルデータベース26に接続される。
【0021】
上半身モデル生成部21は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいて上半身の3次元モデルを生成する。具体的に、カメラ11が撮影したユーザの上半身2次元モデルに基づいて上半身の3次元モデルを生成する。上半身の3次元モデルを生成方法としては、例えば、光切断法やパターン投影法など既存の技術を利用することが好ましい。
【0022】
性別解析部24および服装解析部25は、ユーザの属性を解析する。ここで、属性とは、ユーザの性別と服装であるが、それ以外であってもよい。性別解析部24は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの性別を解析し、ユーザが男性であるか女性であるかを特定する。服装解析部25は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの服装を解析し、服装の種類を特定する。なお、性別解析部24および服装解析部25による解析は、例えば、AI(人工知能)を用いた画像解析であり、深層学習(ディープラーニング)などの機械学習を用いればよい。但し、性別解析部24および服装解析部25による解析は、AIを用いた画像解析に限定されるものではなく、その他の解析方法を用いてもよい。
【0023】
下半身モデル選択部22は、性別解析部24および服装解析部25の解析結果に基づいて下半身の3次元モデルを選択する。下半身モデルデータベース26は、予め設定された複数の下半身の3次元モデルが格納されている。下半身モデル選択部22は、性別解析部24が特定したユーザの性別と服装解析部25が特定した服装の種類に基づいて、下半身モデルデータベース26に格納された複数の下半身の3次元モデルの中から、ユーザの性別と服装の種類に最適な同姓で同様の服装をした下半身の3次元モデルを選択する。
【0024】
全身モデル生成部23は、上半身モデル生成部21が生成したユーザの上半身の3次元モデルと、下半身モデル選択部22が選択したユーザの下半身の3次元モデルを合成させることで、全身の3次元モデルを生成する。なお、下半身モデル選択部22は、色情報やテクスチャ情報を有していない。そのため、全身モデル生成部23は、ユーザの上半身の3次元モデルと下半身の3次元モデルを合成させるとき、上半身の3次元モデルにおける色情報やテクスチャ情報に応じて下半身の3次元モデルに色情報やテクスチャ情報を付加して全身の3次元モデルを生成する。
【0025】
[3次元モデル生成方法]
図2は、下半身モデルデータベースにおける男性の下半身モデルの一例を表す説明図、図3は、下半身モデルデータベースにおける女性の下半身モデルの一例を表す説明図、図4は、全身モデルの生成方法の一例を表す説明図である。
【0026】
第1実施形態の3次元モデル生成方法は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいて上半身の3次元モデルを生成するステップと、カメラ11の撮影画像情報に基づいてユーザの属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルからユーザの上半身に最適な下半身の3次元モデルを選択するステップと、上半身の3次元モデルと下半身の3次元モデルを合成させて全身の3次元モデルを生成するステップとを含む。
【0027】
図1に示すように、上半身モデル生成部21は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいて上半身の3次元モデルを生成する。性別解析部24は、ユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの性別を解析し、服装解析部25は、ユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの服装を解析する。下半身モデル選択部22は、性別解析部24が解析したユーザの性別と服装解析部25が解析したユーザの服装の種類に基づいて最適な下半身の3次元モデルを選択する。
【0028】
図2に示すように、下半身モデルデータベース26は、ユーザが男性であれば、(a)スーツのパンツ姿、(b)ボタンシャツのパンツ姿などの複数の下半身の3次元モデルが格納されている。また、図3に示すように、下半身モデルデータベース26は、ユーザが女性であれば、(a)パンツ姿、(b)スカート姿などの複数の下半身の3次元モデルが格納されている。なお、性別として、男性と女性だけでなく、大人の男性および女性や子供の男性および女性の下半身の3次元モデルを用意したり、ユニセックスの下半身の3次元モデルを用意したりしてもよい。
【0029】
図1に示すように、全身モデル生成部23は、上半身モデル生成部21が生成したユーザの上半身の3次元モデルと、下半身モデル選択部22が選択したユーザの下半身の3次元モデルを合成させる。図1および図4に示すように、上半身モデル生成部21がスーツのジャケット姿をした上半身の3次元モデル(a)を生成すると、下半身モデル選択部22は、下半身モデルデータベース26からスーツのパンツ姿をした下半身の3次元モデル(b)を選択する。この場合、下半身モデル選択部22は、上半身モデル生成部21が生成したユーザの上半身の3次元モデルに対して最適な下半身の3次元モデルを選択する。ここで、最適な下半身の3次元モデルとは、上半身の3次元モデルに対して性別や服装の種類が類似している下半身の3次元モデルである。
【0030】
全身モデル生成部23は、上半身の3次元モデルと下半身の3次元モデルを合成させるとき、上半身の3次元モデルのウエストサイズと下半身の3次元モデルのウエストサイズとが同じになるように、下半身の3次元モデルのスケール比を調整する。また、全身モデル生成部23は、上半身の3次元モデルの服装と下半身の3次元モデルの服装の繋がりを考慮して上下方向における結合位置を調整する。このとき、全身モデル生成部23は、生成した全身の3次元モデルが予め決めておいた平均身長となるように、上半身の3次元モデルと下半身の3次元モデルとの結合位置を調整してもよい。さらに、全身モデル生成部23は、上半身3次元モデルと下半身3次元モデルとの接合部分に違和感を生じさせないように、接合部分似対して平滑化処理を行う。そして、全身モデル生成部23は、全身の3次元モデルを生成するとき、上半身の3次元モデルにおける服装の色やテクスチャに合わせて、下半身の3次元モデルに色やテクスチャを付加する。
【0031】
<第2実施形態>
[3次元モデル生成システム]
図5は、第2実施形態に係る3次元モデル生成システムを表すブロック構成図である。
【0032】
第2実施形態において、図5に示すように、3次元モデル生成システム10Aは、カメラ11と、3次元モデル生成装置12Aと、表示装置13とを備える。ここで、カメラ11と表示装置13は、第1実施形態と同様であることから、説明は省略する。
【0033】
下半身モーションデータベース37は、予め設定された複数の下半身の3次元モーションが格納されている。なお、3次元モーションとは、3次元モデルの動きを意味する。下半身モーションデータベース37は、3次元モデル生成装置12の要求に基づき、所定の下半身の3次元モデルを3次元モデル生成装置12へ出力するが、詳細は後述する。なお、下半身モデルデータベース26は、例えば、サーバなどであり、少なくともHDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置やメモリを含む。なお、仮想空間構成システム14と下半身モデルデータベース26とは一体の構成であってもよい。
【0034】
3次元モデル生成装置12Aは、カメラ11が撮影した撮影画像情報に基づいて、ユーザの全身の3次元モデルを生成すると共に、全身の3次元モーションを生成する。
【0035】
3次元モデル生成装置12Aは、上半身モデル生成部21と、下半身モデル選択部22と、全身モデル生成部23と、性別解析部24と、服装解析部25とを備え、下半身モデル選択部22に下半身モデルデータベース26が接続される。また、3次元モデル生成装置12Aは、ヘッドトラッキング部(上半身モーション取得部)31と、フェイストラッキング部(上半身モーション取得部)32と、ハンドトラッキング部(上半身モーション取得部)33と、ボーン付加部34と、下半身モーション選択部35と、全身モーション生成部36とを備える。下半身モーション選択部35は、下半身モーションデータベース37に接続される。
【0036】
上半身モデル生成部21と下半身モデル選択部22と全身モデル生成部23と性別解析部24と服装解析部25と下半身モデルデータベース26は、第1実施形態と同様であることから、説明は省略する。
【0037】
ヘッドトラッキング部31は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの頭の位置を追跡することで、ユーザの頭の3次元モーションを取得する。フェイストラッキング部32は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの顔の表情を追跡することで、ユーザの顔の3次元モーションを取得する。ハンドトラッキング部33は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの手の位置を追跡することで、ユーザの手の3次元モーションを取得する。ヘッドトラッキング部31とフェイストラッキング部32とハンドトラッキング部33による解析は、例えば、AIを用いた画像解析であるが、その他の解析方法を用いてもよい。
【0038】
ボーン付加部34は、全身モデル生成部23が生成したユーザの全身の3次元モデルに対して、ユーザの関節情報を付加する。ユーザの関節情報は、ユーザに応じて予め設定しておくことが好ましい。
【0039】
下半身モーション選択部35は、仮想空間構成システム14から取得したVR空間のシチュエーション情報に応じて最適な下半身の3次元モーションを選択する。VR空間のシチュエーション情報とは、VR空間の状況を示す情報である。VR空間のシチュエーション情報とは、例えば、会議と設定された情報であり、また3次元モデルが座るという状況を示す情報である。下半身モーション選択部35は、VR空間のシチュエーション情報に基づいて、下半身モーションデータベース37に格納された複数の下半身の3次元モーションの中から、VR空間のシチュエーション情報に最適な下半身の3次元モーションを選択する。
【0040】
全身モーション生成部36は、全身モデル生成部23が生成してボーン付加部34が関節情報を付加したユーザの全身の3次元モデルに対して、ヘッドトラッキング部31が取得したユーザの頭の3次元モーションと、フェイストラッキング部32が取得したユーザの顔の3次元モーションと、ハンドトラッキング部33が取得したユーザの手の3次元モーションと、下半身モーション選択部35が選択した下半身の3次元モーションとを合成させることで、全身の3次元モーションを生成する。
【0041】
3次元モデル生成装置12Aは、ユーザの全身の3次元モデルおよび全身の3次元モーションを生成すると、生成した全身の3次元モデルおよび全身の3次元モーションを仮想空間構成システム14に出力する。3次元モデル生成システム10は、接続されたユーザの全身の3次元モデルおよび全身の3次元モーションに基づいてVR空間を生成する。表示装置13は、仮想空間構成システム14が生成したVR空間の情報に基づいて、ユーザ自身から見たVR空間の画像を表示する。
【0042】
[3次元モデル生成方法]
図6は、下半身3次元モーションデータベースにおける下半身の3次元モーションの一例を表す説明図である。
【0043】
図5に示すように、上半身モデル生成部21は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいて上半身の3次元モデルを生成する。性別解析部24は、ユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの性別を解析し、服装解析部25は、ユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの服装を解析する。下半身モデル選択部22は、性別解析部24が解析したユーザの性別と服装解析部25が解析したユーザの服装の種類に基づいて最適な下半身の3次元モデルを選択する。全身モデル生成部23は、上半身モデル生成部21が生成したユーザの上半身の3次元モデルと、下半身モデル選択部22が選択したユーザの下半身の3次元モデルを合成させ、全身の3次元モデルを生成する。そして、ボーン付加部34は、全身モデル生成部23が生成したユーザの全身の3次元モデルにユーザの関節情報を付加する。
【0044】
下半身モーション選択部35は、下半身モーションデータベース37からVR空間のシチュエーション情報に適合した下半身の3次元モーションを選択する。VR空間のシチュエーション情報に適合した下半身の3次元モーションとは、例えば、VR空間におけるユーザの姿勢(立位姿勢、座位姿勢など)に応じた下半身の3次元モーションである。例えば、図6に示すように、ユーザが座位姿勢であれば、下半身の3次元モーションは、(a)左足を組む姿勢、(b)右足を組む姿勢、(c)膝を合わせる姿勢、(d)膝を開く姿勢、(e)足首を交差させる姿勢、(f)足をそろえる姿勢、を繰り返し行うモーションである。また、ユーザの姿勢が立位姿勢であれば、同様に、足を組む姿勢、足を閉じる姿勢、足を開く姿勢などを組み合わせて下半身の3次元モーションを構成すればよい。なお、下半身の3次元モーションを構成する姿勢の数は、6個に限るものではない。
【0045】
全身モーション生成部36は、ユーザの全身の3次元モデルに対して、頭の3次元モーションと顔の3次元モーションと手の3次元モーションを合成すると共に、下半身の3次元モーションを合成させることで、全身の3次元モーションを生成する。
【0046】
<第3実施形態>
[3次元モデル生成システム]
図7は、第3実施形態に係る3次元モデル生成システムを表すブロック構成図である。
【0047】
第3実施形態において、図7に示すように、3次元モデル生成システム10Bは、カメラ11と、3次元モデル生成装置12Bと、表示装置13とを備える。ここで、カメラ11と表示装置13は、第1実施形態と同様であることから、説明は省略する。
【0048】
3次元モデル生成装置12Bは、カメラ11が撮影した撮影画像情報に基づいて、ユーザの全身の3次元モデルを生成すると共に、全身の3次元モーションを生成する。
【0049】
3次元モデル生成装置12Bは、上半身モデル生成部21と、下半身モデル選択部22と、全身モデル生成部23と、性別解析部24と、服装解析部25とを備え、下半身モデル選択部22に下半身モデルデータベース26が接続される。また、3次元モデル生成装置12Bは、ヘッドトラッキング部31と、フェイストラッキング部32と、ハンドトラッキング部33と、ボーン付加部34と、下半身モーション選択部35と、全身モーション生成部36とを備える。下半身モーション選択部35は、下半身モーションデータベース37に接続される。さらに、3次元モデル生成装置12Bは、上半身姿勢推定部41を備える。
【0050】
上半身モデル生成部21と下半身モデル選択部22と全身モデル生成部23と性別解析部24と服装解析部25と下半身モデルデータベース26は、第1実施形態と同様であることから、説明は省略する。また、ヘッドトラッキング部31とフェイストラッキング部32とハンドトラッキング部33とボーン付加部34は、第2実施形態と同様であることから、説明は省略する。
【0051】
上半身姿勢推定部41は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの上半身の姿勢を解析して状態を推定する。上半身姿勢推定部41は、例えば、ユーザの正姿勢、前傾姿勢、後傾姿勢などを特定する。上半身姿勢推定部41による解析は、例えば、AIを用いた画像解析であるが、その他の解析方法を用いてもよい。
【0052】
下半身モーション選択部35は、仮想空間構成システム14から取得したVR空間のシチュエーション情報と上半身姿勢推定部41が推定したユーザの上半身の姿勢状態に応じて最適な下半身の3次元モーションを選択する。全身モーション生成部36は、ユーザの全身の3次元モデルに、ユーザの頭の3次元モーションと、ユーザの顔の3次元モーションと、ユーザの手の3次元モーションと、ユーザの下半身の3次元モーションとを合成させることで、全身の3次元モーションを生成する。
【0053】
3次元モデル生成装置12Aは、ユーザの全身の3次元モデルおよび全身の3次元モーションを生成すると、生成した全身の3次元モデルおよび全身の3次元モーションを仮想空間構成システム14に出力する。3次元モデル生成システム10は、接続されたユーザの全身の3次元モデルおよび全身の3次元モーションに基づいてVR空間を生成する。表示装置13は、仮想空間構成システム14が生成したVR空間の情報に基づいて、ユーザ自身から見たVR空間の画像を表示する。
【0054】
[3次元モデル生成方法]
図8は、上半身モデルの正姿勢に対する下半身モデルの姿勢の一例を表す説明図、図9は、上半身モデルの後傾姿勢に対する下半身モデルの姿勢の一例を表す説明図、図10は、上半身モデルの前傾姿勢に対する下半身モデルの姿勢の一例を表す説明図、図11は、上半身モデルの頬杖姿勢に対する下半身モデルの姿勢の一例を表す説明図である。
【0055】
図7に示すように、上半身モデル生成部21は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいて上半身の3次元モデルを生成する。性別解析部24は、ユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの性別を解析し、服装解析部25は、ユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの服装を解析する。下半身モデル選択部22は、性別解析部24が解析したユーザの性別と服装解析部25が解析したユーザの服装の種類に基づいて最適な下半身の3次元モデルを選択する。全身モデル生成部23は、上半身モデル生成部21が生成したユーザの上半身の3次元モデルと、下半身モデル選択部22が選択したユーザの下半身の3次元モデルを合成させ、全身の3次元モデルを生成する。そして、ボーン付加部34は、全身モデル生成部23が生成したユーザの全身の3次元モデルにユーザの関節情報を付加する。
【0056】
上半身姿勢推定部41は、カメラ11が撮影することで取得したユーザの上半身の撮影画像情報に基づいてユーザの上半身の姿勢を解析して状態を推定する。図8に示すように、上半身姿勢推定部41は、ユーザの上半身が正姿勢(a)であったとき、正姿勢(a)に応じた下半身の3次元モーション(b)(c)を選択する。また、図9に示すように、上半身姿勢推定部41は、ユーザの上半身が後傾姿勢(a)であったとき、後傾姿勢(a)に応じた下半身の3次元モーション(b)(c)を選択する。また、図10に示すように、上半身姿勢推定部41は、ユーザの上半身が前傾姿勢(a)であったとき、前傾姿勢(a)に応じた下半身の3次元モーション(b)を選択する。また、図11に示すように、上半身姿勢推定部41は、ユーザの上半身が頬杖姿勢(a)であったとき、頬杖姿勢(a)に応じた下半身の3次元モーション(b)を選択する。なお、下半身の3次元モーションを構成する姿勢の数は、1個または複数設定されている。
【0057】
全身モーション生成部36は、ユーザの全身の3次元モデルに対して、頭の3次元モーションと顔の3次元モーションと手の3次元モーションを合成すると共に、下半身の3次元モーションを合成させることで、全身の3次元モーションを生成する。
【0058】
[実施形態の作用効果]
本実施形態では、カメラ(撮影装置)11が取得したユーザ(被写体)の上半身の撮影画像情報に基づいて上半身の3次元モデルを生成する上半身モデル生成部21と、撮影画像情報に基づいてユーザの属性を解析して予め設定された複数の下半身の3次元モデルからユーザの上半身に対する下半身の3次元モデルを選択する下半身モデル選択部22とを備える。
【0059】
そのため、ユーザの上半身の撮影画像情報に基づいて生成した上半身の3次元モデルに対する下半身の3次元モデルを選択する。そのため、VR空間に参加させるための全身の3次元モデルを容易に生成することができる。
【0060】
本実施形態では、仮想空間の状況を示す情報に応じて選択された下半身の3次元モデルの動きを選択する下半身モーション選択部35を備える。そのため、ユーザの全身の3次元モデルを生成すると共に、下半身の3次元モーションを生成することとなり、VR空間のようなコミュニケーション空間の臨場感を出すことができる。
【0061】
本実施形態では、撮影画像情報に基づいてユーザの上半身の姿勢を解析して状態を推定する上半身姿勢推定部41を備え、下半身モーション選択部35は、仮想空間の状況を示す情報と上半身姿勢推定部41が推定した上半身の姿勢とに基づき、下半身の3次元モデルの動きを選択する。そのため、上半身の3次元モーションと下半身の3次元モーションとの関連性を高めることができる。
【0062】
これまで本発明に係る3次元モデル生成装置12,12A,12Bについて説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0063】
図示した3次元モデル生成装置12,12A,12Bの各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0064】
3次元モデル生成装置12,12A,12Bの構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0065】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
10,10A,10B 3次元モデル生成システム
11 カメラ(撮影装置)
12,12A,12B 3次元モデル生成装置
13 表示装置
21 上半身モデル生成部
22 下半身モデル選択部
23 全身モデル生成部
24 性別解析部
25 服装解析部
26 下半身モデルデータベース
31 ヘッドトラッキング部(上半身モーション取得部)
32 フェイストラッキング部(上半身モーション取得部)
33 ハンドトラッキング部(上半身モーション取得部)
34 ボーン付加部
35 下半身モーション選択部
36 全身モーション生成部
37 下半身モーションデータベース
41 上半身姿勢推定部
図1
図2
図3
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図11