(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147690
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】ロボットクリーナ
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A47L9/00 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049049
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】住吉 宏太伽
【テーマコード(参考)】
3B006
【Fターム(参考)】
3B006KA01
3B006KA02
3B006KA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボットクリーナの走行安定性の低下を抑制すること。
【解決手段】ロボットクリーナは、吸込口を有するクリーナ本体と、クリーナ本体に移動可能に支持される支持フレーム63及び支持フレーム63に支持される駆動輪62、付勢部材65を有するホイールアセンブリ6と、クリーナ本体及び支持フレーム63のそれぞれに接触するダンパアセンブリ10と、を備える。ダンパアセンブリ10は、ロボットクリーナがクリーニング対象面FLから受ける衝撃を緩和する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口を有するクリーナ本体と、
前記クリーナ本体に移動可能に支持される支持フレーム及び前記支持フレームに支持される駆動輪を有するホイールアセンブリと、
前記クリーナ本体及び前記支持フレームのそれぞれに接触するダンパアセンブリと、を備えることを特徴とする、
ロボットクリーナ。
【請求項2】
前記ダンパアセンブリは、固定部と、前記支持フレームの変位により移動する可動部と、を有することを特徴とする、
請求項1に記載のロボットクリーナ。
【請求項3】
前記固定部は、前記クリーナ本体に固定され、
前記可動部の少なくとも一部は、前記支持フレームに接触することを特徴とする、
請求項2に記載のロボットクリーナ。
【請求項4】
前記固定部は、流体が収容されるケースを含み、
前記可動部は、前記ケースの内側に配置されるピストンバルブと、前記ピストンバルブに接続され少なくとも一部が前記ケースの外側に配置されるピストンロッドとを含むことを特徴とする、
請求項2又は請求項3に記載のロボットクリーナ。
【請求項5】
前記ダンパアセンブリは、前記ケースと前記ピストンロッドとの境界に配置されるシール部材を有することを特徴とする、
請求項4に記載のロボットクリーナ。
【請求項6】
前記可動部は、前記ケースの外側に配置され前記ピストンロッドに固定される支持部材を有し、
前記支持フレームは、前記支持部材の少なくとも一部に接触することを特徴とする、
請求項4又は請求項5に記載のロボットクリーナ。
【請求項7】
前記支持部材は、前記ケースよりも下方に配置され前記支持フレームが接触するプレート部を有することを特徴とする、
請求項6に記載のロボットクリーナ。
【請求項8】
前記可動部は、前記ケースと前記プレート部とが接近又は離隔するように移動し、
前記ダンパアセンブリは、前記ケースと前記プレート部との間に配置される弾性部材を有することを特徴とする、
請求項7に記載のロボットクリーナ。
【請求項9】
前記支持部材は、前記プレート部の周縁部に接続され前記ケースの周囲に配置される筒部を有することを特徴とする、
請求項7又は請求項8に記載のロボットクリーナ。
【請求項10】
前記ケースは、ケース本体と、前記ケース本体の上部に設けられ前記クリーナ本体に固定されるケースフランジと、を有し、
前記ケースフランジは、前記筒部の少なくとも一部が配置されるガイド孔を有することを特徴とする、
請求項9に記載のロボットクリーナ。
【請求項11】
前記ダンパアセンブリは、前記ケースの内部空間において前記流体が収容される第1空間の容積を変更する容積可変機構を有することを特徴とする、
請求項4から請求項9のいずれか一項に記載のロボットクリーナ。
【請求項12】
前記容積可変機構は、前記ケースの内側に配置され前記ケースの内部空間を前記第1空間と前記流体が収容されない第2空間とに区画する区画部材と、前記区画部材の位置を調整する調整部材と、を有することを特徴とする、
請求項11に記載のロボットクリーナ。
【請求項13】
前記支持フレームは、前記駆動輪が上下方向に移動するように前記クリーナ本体に回動可能に支持されることを特徴とする、
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のロボットクリーナ。
【請求項14】
前記ホイールアセンブリは、前記駆動輪が下方に移動するように前記支持フレームを付勢する付勢部材を有することを特徴とする、
請求項13に記載のロボットクリーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、ロボットクリーナに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットクリーナに係る技術分野において、特許文献1に開示されているようなロボットクリーナが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロボットクリーナは、クリーニング対象面を自力で走行しながらクリーニングする。クリーニング対象面の形状によっては、ロボットクリーナがクリーニング対象面から衝撃を受ける可能性がある。ロボットクリーナがクリーニング対象面から衝撃を受けると、ロボットクリーナの走行安定性が低下する可能性がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、ロボットクリーナの走行安定性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、ロボットクリーナを開示する。ロボットクリーナは、吸込口を有するクリーナ本体を備えてもよい。ロボットクリーナは、クリーナ本体に移動可能に支持される支持フレーム及び支持フレームに支持される駆動輪を有するホイールアセンブリを備えてもよい。ロボットクリーナは、クリーナ本体及び支持フレームのそれぞれに接触するダンパアセンブリを備えてもよい。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、ロボットクリーナの走行安定性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るロボットクリーナを示す下方からの斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るロボットクリーナを示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るロボットクリーナを示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るホイールアセンブリ及びダンパアセンブリを示す側面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るホイールアセンブリ及びダンパアセンブリを示す側面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係るダンパアセンブリを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ロボットクリーナは、吸込口を有するクリーナ本体を備えてもよい。ロボットクリーナは、クリーナ本体に移動可能に支持される支持フレーム及び支持フレームに支持される駆動輪を有するホイールアセンブリを備えてもよい。ロボットクリーナは、クリーナ本体及び支持フレームのそれぞれに接触するダンパアセンブリを備えてもよい。
【0010】
上記の構成では、例えばクリーニング対象面の凹凸により、駆動輪がクリーニング対象面から衝撃を受けても、ダンパアセンブリにより衝撃のエネルギーが吸収される。そのため、ロボットクリーナがクリーニング対象面から受ける衝撃が緩和される。したがって、ロボットクリーナの走行安定性の低下が抑制される。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ダンパアセンブリは、固定部と、支持フレームの変位により移動する可動部と、を有してもよい。
【0012】
上記の構成では、固定部と可動部との相対移動により、衝撃のエネルギーが吸収される。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、固定部は、クリーナ本体に固定されてもよい。可動部の少なくとも一部は、支持フレームに接触してもよい。
【0014】
上記の構成では、駆動輪がクリーニング対象面から衝撃を受けて支持フレームが移動すると、支持フレームに接触している可動部が固定部に対して移動することができる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、固定部は、流体が収容されるケースを含んでもよい。可動部は、ケースの内側に配置されるピストンバルブと、ピストンバルブに接続され少なくとも一部がケースの外側に配置されるピストンロッドとを含んでもよい。
【0016】
上記の構成では、支持フレームは、ケースの外側に配置されているピストンロッドを移動することができる。支持フレームの移動によりピストンロッドが移動すると、ピストンバルブがケースの内側で移動する。ケースの内側には流体が収容されている。そのため、ピストンバルブは、流体の粘性抵抗を受ける。流体の粘性抵抗により、衝撃のエネルギーが減衰される。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ダンパアセンブリは、ケースとピストンロッドとの境界に配置されるシール部材を有してもよい。
【0018】
上記の構成では、ケースの内側に収容されている流体がケースとピストンロッドとの間隙を介してケースの外側に漏出することが抑制される。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、可動部は、ケースの外側に配置されピストンロッドに固定される支持部材を有してもよい。支持フレームは、支持部材の少なくとも一部に接触してもよい。
【0020】
上記の構成では、支持フレームと可動部との接触が安定する。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、支持部材は、ケースよりも下方に配置され支持フレームが接触するプレート部を有してもよい。
【0022】
上記の構成では、支持フレームと可動部との接触が安定する。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、可動部は、ケースとプレート部とが接近又は離隔するように移動してもよい。ダンパアセンブリは、ケースとプレート部との間に配置される弾性部材を有してもよい。
【0024】
上記の構成では、弾性部材の弾性力と流体及びピストンバルブによる減衰力とにより、ロボットクリーナに発生する振動が制御される。
【0025】
1つ又はそれ以上の実施形態において、支持部材は、プレート部の周縁部に接続されケースの周囲に配置される筒部を有してもよい。
【0026】
上記の構成では、プレート部及び筒部を有する支持部材によりケースが囲まれるので、ケースから流体が漏出しても、流体は支持部材により保持される。そのため、流体の漏出範囲の拡大が抑制される。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ケースは、ケース本体と、ケース本体の上部に設けられクリーナ本体に固定されるケースフランジと、を有してもよい。ケースフランジは、筒部の少なくとも一部が配置されるガイド孔を有してもよい。
【0028】
上記の構成では、可動部はガイド孔にガイドされながら移動することができる。
【0029】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ダンパアセンブリは、ケースの内部空間において流体が収容される第1空間の容積を変更する容積可変機構を有してもよい。
【0030】
上記の構成では、第1空間の容積が変更されることにより、ダンパアセンブリが発生する減衰力が調整される。
【0031】
1つ又はそれ以上の実施形態において、容積可変機構は、ケースの内側に配置されケースの内部空間を第1空間と流体が収容されない第2空間とに区画する区画部材を有してもよい。容積可変機構は、区画部材の位置を調整する調整部材を有してもよい。
【0032】
上記の構成では、ケースの内側で区画部材が移動することにより、第1空間の容積が変更される。
【0033】
1つ又はそれ以上の実施形態において、支持フレームは、駆動輪が上下方向に移動するようにクリーナ本体に回動可能に支持されてもよい。
【0034】
上記の構成では、例えばクリーニング対象面の凹凸に合わせて駆動輪が上下方向に移動することができる。
【0035】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ホイールアセンブリは、駆動輪が下方に移動するように支持フレームを付勢する付勢部材を有してもよい。
【0036】
上記の構成では、付勢部材が発生する付勢力により、駆動輪はクリーニング対象面に押し付けられる。
【0037】
以下、実施形態について説明する。実施形態においては、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、ロボットクリーナ1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0038】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るロボットクリーナ1を示す下方からの斜視図である。
図2は、本実施形態に係るロボットクリーナ1を示す側面図である。
図3は、本実施形態に係るロボットクリーナ1を示すブロック図である。
【0039】
ロボットクリーナ1は、クリーニング対象面FLを自力で走行しながらクリーニングする。ロボットクリーナ1は、クリーナ本体2と、バッテリ装着部3と、コントローラ4と、吸引ユニット5と、ホイールアセンブリ6と、後補助輪8と、前補助輪9とを備える。
【0040】
クリーナ本体2は、ハウジング20を含む。ハウジング20は、上部ハウジング21と、下部ハウジング22とを含む。下部ハウジング22は、上部ハウジング21の下部に接続される。下部ハウジング22の下面23は、クリーニング対象面FLに対向する。下部ハウジング22は、吸込口24を有する。吸込口24は、クリーニング対象面FLに対向する。吸込口24は、クリーニング対象面FLの塵埃を吸い込む。
【0041】
メインブラシ25が吸込口24に配置される。メインブラシ25の回転により、クリーニング対象面FLの塵埃が吸込口24に回収される。サイドブラシ26が下部ハウジング22の前部に配置される。サイドブラシ26の回転により、クリーニング対象面FLの塵埃が吸込口24に集められる。
【0042】
バッテリ装着部3は、上部ハウジング21の後部に配置される。バッテリ装着部3にバッテリパック7が装着される。バッテリパック7は、ロボットクリーナ1の電源として機能する。
【0043】
コントローラ4は、ロボットクリーナ1に搭載されている電子機器を制御する。コントローラ4は、ハウジング20に収容される。
【0044】
吸引ユニット5は、吸込口24に吸引力を発生させる。吸引ユニット5は、ハウジング20に収容される。吸引ユニット5は、吸引モータ51と、吸引ファン52とを有する。吸引モータ51は、吸引ファン52を回転させる動力を発生する。吸引ファン52が回転することにより、吸込口24に吸引力が発生する。
【0045】
ホイールアセンブリ6は、クリーナ本体2を支持する。ホイールアセンブリ6は、2つ設けられる。一方のホイールアセンブリ6は、クリーナ本体2の左部に設けられる。他方のホイールアセンブリ6は、クリーナ本体2の右部に設けられる。ホイールアセンブリ6は、走行モータ61と、駆動輪62とを有する。
【0046】
走行モータ61は、駆動輪62を回転させる動力を発生する。駆動輪62が回転することにより、ロボットクリーナ1が走行する。駆動輪62は、クリーニング対象面FLに接触する。駆動輪62の少なくとも一部は、下部ハウジング22の下面23から下方に突出する。
【0047】
後補助輪8及び前補助輪9のそれぞれは、下部ハウジング22に設けられる。後補助輪8及び前補助輪9のそれぞれは、クリーナ本体2を支持する。後補助輪8は、下部ハウジング22の後部に2つ設けられる。前補助輪9は、下部ハウジング22の前部に1つ設けられる。
【0048】
図4は、本実施形態に係るホイールアセンブリ6及びダンパアセンブリ10を示す側面図である。
図4に示すように、ホイールアセンブリ6は、駆動輪62と、支持フレーム63と、付勢部材65とを有する。
【0049】
クリーナ本体2は、支持ブラケット27及び支持ブラケット28を含む。支持ブラケット27及び支持ブラケット28のそれぞれは、ハウジング20の内部に配置される。支持ブラケット27は、上部ハウジング21及び下部ハウジング22の少なくとも一方に固定される。支持ブラケット28は、上部ハウジング21及び下部ハウジング22の少なくとも一方に固定される。支持ブラケット27と支持ブラケット28との相対位置は変化しない。なお、支持ブラケット27と支持ブラケット28とが一体でもよい。なお、支持ブラケット27と支持ブラケット28とハウジング20とが一体でもよい。ホイールアセンブリ6は、支持ブラケット27及び支持ブラケット28の少なくとも一方に支持される。
【0050】
駆動輪62は、支持フレーム63に回転可能に支持される。駆動輪62は、回転軸AXを中心に回転する。
【0051】
支持フレーム63は、支持ブラケット27に回動可能に支持される。支持フレーム63は、回動軸BXを中心に回動する。
【0052】
駆動輪62の回転軸AXは、左右方向に延伸する。支持フレーム63の回動軸BXは、左右方向に延伸する。駆動輪62の回転軸AXと支持フレーム63の回動軸BXとは平行である。
【0053】
支持フレーム63は、駆動輪62の少なくとも一部が下部ハウジング22の下面23よりも下方に配置されるように駆動輪62を支持する。支持フレーム63は、駆動輪62が上下方向に移動するように回動する。
【0054】
付勢部材65は、駆動輪62が下方に移動するように支持フレーム63を付勢する。付勢部材65は、駆動輪62がクリーニング対象面FLに押し付けられるように支持フレーム63を付勢する。付勢部材65として、コイルばねが例示される。付勢部材65の一端部は、クリーナ本体2の支持ブラケット28に接続される。付勢部材65の他端部は、支持フレーム63の端部に接続される。
【0055】
ダンパアセンブリ10は、ロボットクリーナ1がクリーニング対象面FLから受ける衝撃を緩和する。ダンパアセンブリ10は、ホイールアセンブリ6がクリーニング対象面FLから受ける衝撃を緩和する。ダンパアセンブリ10の少なくとも一部は、クリーナ本体2とホイールアセンブリ6との間に配置される。ダンパアセンブリ10の少なくとも一部は、支持ブラケット28と支持フレーム63との間に配置される。
【0056】
ダンパアセンブリ10は、クリーナ本体2の支持ブラケット28及びホイールアセンブリ6の支持フレーム63のそれぞれに接触するように配置される。
【0057】
ダンパアセンブリ10は、固定部30と、可動部40と有する。可動部40は、固定部30に対して移動する。固定部30は、クリーナ本体2の支持ブラケット28に固定される。可動部40の少なくとも一部は、支持フレーム63に接触する。可動部40は、支持フレーム63の変位により移動する。可動部40は、支持フレーム63の回動により移動する。
【0058】
固定部30は、流体16が収容されるケース11を含む。ケース11は、内部空間を有する。流体16は、ケース11の内部空間に収容される。流体16として、オイルのような粘性液体が例示される。なお、流体16は、気体でもよい。
【0059】
ケース11は、クリーナ本体2の支持ブラケット28に固定される。ケース11は、流体16が収容される内部空間を有するケース本体11Aと、ケース本体11Aの上部に設けられ支持ブラケット28に固定されるケースフランジ11Bとを有する。
【0060】
可動部40は、ピストンバルブ14と、ピストンロッド13と、支持部材12とを含む。
【0061】
ピストンバルブ14は、ケース11の内側に配置される。ピストンバルブ14は、ケース11の内側において上下方向に移動する。ピストンバルブ14は、流体16に浸かるようにケース11の内部空間に配置される。ピストンバルブ14の一部にオリフィス14Aが設けられる。流体16は、オリフィス14Aを通過することができる。
【0062】
ピストンロッド13は、ピストンバルブ14に接続される。ピストンロッド13の少なくとも一部は、ケース11の外側に配置される。ピストンロッド13の少なくとも一部は、ケース11に設けられた開口11Cに配置される。開口11Cは、ケース11の下部に設けられる。ピストンロッド13の上端部は、ケース11の内側において、ピストンバルブ14に固定される。ピストンロッド13の下端部は、ケース11の外側に配置される。
【0063】
支持部材12は、ケース11の外側に配置される。支持部材12は、ケース11の外側において、ピストンロッド13の下端部に固定される。支持部材12は、プレート部12Aと、筒部12Bとを有する。プレート部12Aは、ケース11よりも下方に配置される。プレート部12Aの上面とケース11の下面とは間隙を介して対向する。筒部12Bは、プレート部12Aの周縁部に接続される。筒部12Bは、ケース11の周囲に配置される。筒部12Bは、ケース11の外周面を囲むように配置される。
【0064】
上述のように、可動部40の少なくとも一部は、支持フレーム63に接触する。支持フレーム63は、支持部材12の少なくとも一部に接触する。支持フレーム63は、支持部材12のプレート部12Aの下面に接触する接触部64を有する。支持フレーム63は、プレート部12Aに接触する。
【0065】
支持フレーム63が回動軸BXを中心に回動すると、接触部64が上下方向に移動する。接触部64とプレート部12Aとが接触した状態で接触部64が上下方向に移動すると、可動部40が上下方向に移動する。
【0066】
なお、支持フレーム63が回動軸BXを中心に回動すると、接触部64は、上下方向に移動するとともに前後方向にも僅かに移動する。接触部64は、プレート部12Aの下面を滑ることができる。接触部64は、プレート部12Aの下面に接触した状態で前後方向に移動することができる。
【0067】
ケースフランジ11Bは、筒部12Bの少なくとも一部が配置されるガイド孔11Dを有する。筒部12Bを含む可動部40は、ガイド孔11Dにガイドされながら上下方向に移動する。
【0068】
ダンパアセンブリ10は、シール部材17と、弾性部材15とを有する。
【0069】
シール部材17は、ケース11とピストンロッド13との境界に配置される。シール部材17として、ケース11の開口11Cに配置されたシールリングが例示される。シール部材17は、ケース11の内側に収容されている流体16が、ケース11とピストンロッド13との間隙を介してケース11の外側に漏出することを抑制する。
【0070】
弾性部材15は、ケース11の下面とプレート部12Aの上面との間に配置される。弾性部材15として、コイルばねが例示される。弾性部材15の上端部は、ケース11の下面に接続される。弾性部材15の下端部は、プレート部12Aの上面に接続される。可動部は、ケース11の下面とプレート部12Aの上面とが接近又は離隔するように移動する。可動部40が上方に移動して、ケース11の下面とプレート部12Aの上面とが接近すると、弾性部材15は縮む。可動部40が下方に移動して、ケース11の下面とプレート部12Aの上面とが離隔すると、弾性部材15は伸びる。
【0071】
図5は、本実施形態に係るホイールアセンブリ6及びダンパアセンブリ10を示す側面図である。
図5は、駆動輪62がクリーニング対象面FLの凸部に乗り上げて接触部64が上方に移動した状態を示す。
【0072】
駆動輪62が凸部に乗り上げたとき、接触部64が上方に移動するように支持フレーム63が回動する。接触部64が上方に移動すると、可動部40も上方に移動する。可動部40は、ガイド孔11Dにガイドされながら上方に移動する。また、可動部40が上方に移動すると、弾性部材15が縮む。
【0073】
可動部は、支持部材12、ピストンロッド13、及びピストンバルブ14を含む。ピストンバルブ14は、流体16に浸かっている状態で上方に移動する。流体16の一部は、ピストンバルブ14のオリフィス14Aを通過する。ピストンバルブ14は、流体16の粘性抵抗を受ける。ピストンバルブ14が受ける粘性抵抗により、ダンパアセンブリ10は減衰力を発生することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態において、ロボットクリーナ1は、吸込口24を有するクリーナ本体2を備える。ロボットクリーナ1は、クリーナ本体2に移動可能に支持される支持フレーム63及び支持フレーム63に支持される駆動輪62を有するホイールアセンブリ6を備える。ロボットクリーナ1は、クリーナ本体2及び支持フレーム63のそれぞれに接触するダンパアセンブリ10を備える。
【0075】
上記の構成では、例えばクリーニング対象面FLの凹凸により、駆動輪62がクリーニング対象面FLから衝撃を受けても、ダンパアセンブリ10により衝撃のエネルギーが吸収される。そのため、ロボットクリーナ1がクリーニング対象面FLから受ける衝撃が緩和される。したがって、ロボットクリーナ1の走行安定性の低下が抑制される。
【0076】
実施形態において、ダンパアセンブリ10は、固定部30と、支持フレーム63の変位により移動する可動部40と、を有する。
【0077】
上記の構成では、固定部30と可動部40との相対移動により、衝撃のエネルギーが吸収される。
【0078】
実施形態において、固定部30は、クリーナ本体2に固定される。可動部40の少なくとも一部は、支持フレーム63に接触する。
【0079】
上記の構成では、駆動輪62がクリーニング対象面FLから衝撃を受けて支持フレーム63が移動すると、支持フレーム63に接触している可動部40が固定部30に対して移動することができる。
【0080】
実施形態において、固定部30は、流体16が収容されるケース11を含む。可動部40は、ケース11の内側に配置されるピストンバルブ14と、ピストンバルブ14に接続され少なくとも一部がケース11の外側に配置されるピストンロッド13とを含む。
【0081】
上記の構成では、支持フレーム63は、ケース11の外側に配置されているピストンロッド13を移動することができる。支持フレーム63の移動によりピストンロッド13が移動すると、ピストンバルブ14がケース11の内側で移動する。ケース11の内側には流体16が収容されている。そのため、ピストンバルブ14は、流体16の粘性抵抗を受ける。流体16の粘性抵抗により、衝撃のエネルギーが減衰される。
【0082】
実施形態において、ダンパアセンブリ10は、ケース11とピストンロッド13との境界に配置されるシール部材17を有する。
【0083】
上記の構成では、ケース11の内側に収容されている流体16がケース11とピストンロッド13との間隙を介してケース11の外側に漏出することが抑制される。
【0084】
実施形態において、可動部40は、ケース11の外側に配置されピストンロッド13に固定される支持部材12を有する。支持フレーム63は、支持部材12の少なくとも一部に接触する。
【0085】
上記の構成では、支持フレーム63と可動部40との接触が安定する。
【0086】
実施形態において、支持部材12は、ケース11よりも下方に配置され支持フレーム63が接触するプレート部12Aを有する。
【0087】
上記の構成では、支持フレーム63と可動部40との接触が安定する。
【0088】
実施形態において、可動部40は、ケース11とプレート部12Aとが接近又は離隔するように移動する。ダンパアセンブリ10は、ケース11とプレート部12Aとの間に配置される弾性部材15を有する。
【0089】
上記の構成では、弾性部材15の弾性力と流体16及びピストンバルブ14による減衰力とにより、ロボットクリーナ1に発生する振動が制御される。
【0090】
実施形態において、支持部材12は、プレート部12Aの周縁部に接続されケース11の周囲に配置される筒部12Bを有する。
【0091】
上記の構成では、プレート部12A及び筒部12Bを有する支持部材12によりケース11が囲まれるので、ケース11から流体16が漏出しても、流体16は支持部材12により保持される。そのため、流体16の漏出範囲の拡大が抑制される。
【0092】
実施形態において、ケース11は、ケース本体11Aと、ケース本体11Aの上部に設けられクリーナ本体2に固定されるケースフランジ11Bと、を有する。ケースフランジ11Bは、筒部12Bの少なくとも一部が配置されるガイド孔11Dを有する。
【0093】
上記の構成では、可動部40はガイド孔11Dにガイドされながら移動することができる。
【0094】
実施形態において、支持フレーム63は、駆動輪62が上下方向に移動するようにクリーナ本体2に回動可能に支持される。
【0095】
上記の構成では、例えばクリーニング対象面FLの凹凸に合わせて駆動輪62が上下方向に移動することができる。
【0096】
実施形態において、ホイールアセンブリ6は、駆動輪62が下方に移動するように支持フレーム63を付勢する付勢部材65を有する。
【0097】
上記の構成では、付勢部材65が発生する付勢力により、駆動輪62はクリーニング対象面FLに押し付けられる。
【0098】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0099】
図6は、本実施形態に係るダンパアセンブリ100を示す側面図である。ダンパアセンブリ100は、固定部300と、可動部400と、シール部材170と、弾性部材150とを有する。固定部300は、流体16が収容されるケース110を含む。固定部300は、クリーナ本体2の支持ブラケット280に固定される。可動部400は、ケース110の内側に配置されるピストンバルブ140と、ピストンバルブ140に接続されるピストンロッド130と、ケース11の外側に配置されピストンロッド130に固定される支持部材120とを有する。ピストンバルブ140は、オリフィス140Aを有する。支持フレーム63の接触部64は、支持部材120の下面に接触する。シール部材170は、ケース110とピストンロッド130との境界に配置される。弾性部材150は、ケース110と支持部材120との間に配置される。
【0100】
本実施形態において、ダンパアセンブリ100は、ケース110の内部空間において流体16が収容される第1空間110Aの容積を変更する容積可変機構70を有する。
【0101】
容積可変機構70は、区画部材180と、区画部材180の位置を調整する調整部材190とを有する。
【0102】
区画部材180は、ケース110の内側に配置される。区画部材180は、ケース110の内部空間を第1空間110Aと第2空間110Bとに区画する。第1空間110Aに流体16が収容される。第2空間110Bに流体16は収容されない。区画部材180は、プレート状である。第1空間110Aは、区画部材180よりも下方に規定される。第2空間110Bは、区画部材180よりも上方に規定される。第1空間110Aは、流体16で満たされる。第2空間110Bは、空気で満たされる。区画部材180の周囲にシール部材220が配置される。シール部材220は、区画部材180の外周面とケース110の内周面との境界に配置される。シール部材220により、第1空間110Aから第2空間110Bに流体16が漏出することが抑制される。
【0103】
調整部材190は、区画部材180を上下方向に移動する。調整部材190は、上下方向の区画部材180の位置を調整する。調整部材190の少なくとも一部は、ケース110の上部に設けられた開口111に配置される。調整部材190の下端部は、区画部材180に固定される。調整部材190の上端部は、ケース110の外側に配置される。
【0104】
ケース110の開口111にシール部材210及びナット200が配置される。
【0105】
シール部材210は、調整部材190とケース110との境界に配置される。シール部材210は、ケース110の内側の流体16が開口111を介してケース11の外側に漏出することを抑制する。
【0106】
ナット200は、ケース110に固定される。ナット200は、調整部材190の周囲に配置される。調整部材190は、ねじを含む。調整部材190に設けられているねじ山とナット200に設けられているねじ溝とは噛み合う。ナット200に対して調整部材190が回転すると、調整部材190は、ケース110に対して上下方向に移動する。
【0107】
ロボットクリーナ1の使用者は、調整部材190の上端部を操作することができる。ロボットクリーナ1の使用者は、調整部材190の上端部をつまんで調整部材190を回転させることができる。ナット200に対して調整部材190が回転することにより、調整部材190は、ケース110に対して上下方向に移動する。区画部材180は、調整部材190に固定されている。そのため、調整部材190が上下方向に移動すると、区画部材180も上下方向に移動する。
【0108】
ケース110の内側で区画部材180が下方に移動すると、第1空間110Aの容積が小さくなる。ケース110の内側で区画部材180が上方に移動すると、第1空間110Aの容積が大きくなる。このように、調整部材190が操作されることにより、第1空間110Aの容積が変更される。
【0109】
以上説明したように、実施形態において、ダンパアセンブリ100は、ケース110の内部空間において流体16が収容される第1空間110Aの容積を変更する容積可変機構70を有する。
【0110】
上記の構成では、第1空間110Aの容積が変更されることにより、ダンパアセンブリ100が発生する減衰力が調整される。
【0111】
実施形態において、容積可変機構70は、ケース110の内側に配置されケース110の内部空間を第1空間110Aと流体16が収容されない第2空間110Bとに区画する区画部材180を有する。容積可変機構70は、区画部材180の位置を調整する調整部材190を有する。
【0112】
上記の構成では、ケース110の内側で区画部材180が移動することにより、第1空間110Aの容積が変更される。
【0113】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、支持フレーム63は、クリーナ本体2の支持ブラケット27に回動可能に支持されることとした。支持フレーム63は、クリーナ本体2に移動可能に支持されていればよい。支持フレーム63は、例えば上下方向に移動可能にクリーナ本体2に支持されてもよい。
【0114】
上述の実施形態において、固定部30(300)が固定される支持ブラケット28(280)は、駆動輪62の回転軸AXよりも上方に配置されることとした。支持ブラケット28(280)は、駆動輪62の回転軸AXよりも下方に配置されてもよい。
【0115】
上述の実施形態において、ダンパアセンブリ10(100)は、駆動輪62の回転軸AXよりも上方に配置されることとした。ダンパアセンブリ10(100)の少なくとも一部は、駆動輪62の回転軸AXよりも下方に配置されてもよい。
【0116】
上述の実施形態において、固定部30(300)が支持フレーム63に固定され、可動部40(400)の少なくとも一部がクリーナ本体2に接触してもよい。
【符号の説明】
【0117】
1…ロボットクリーナ、2…クリーナ本体、3…バッテリ装着部、4…コントローラ、5…吸引ユニット、6…ホイールアセンブリ、7…バッテリパック、8…後補助輪、9…前補助輪、10…ダンパアセンブリ、11…ケース、11A…ケース本体、11B…ケースフランジ、11C…開口、11D…ガイド孔、12…支持部材、12A…プレート部、12B…筒部、13…ピストンロッド、14…ピストンバルブ、14A…オリフィス、15…弾性部材、16…流体、17…シール部材、20…ハウジング、21…上部ハウジング、22…下部ハウジング、23…下面、24…吸込口、25…メインブラシ、26…サイドブラシ、27…支持ブラケット、28…支持ブラケット、30…固定部、40…可動部、51…吸引モータ、52…吸引ファン、61…走行モータ、62…駆動輪、63…支持フレーム、64…接触部、65…付勢部材、70…容積可変機構、100…ダンパアセンブリ、110…ケース、110A…第1空間、110B…第2空間、111…開口、120…支持部材、130…ピストンロッド、140…ピストンバルブ、140A…オリフィス、150…弾性部材、170…シール部材、180…区画部材、190…調整部材、200…ナット、210…シール部材、220…シール部材、280…支持ブラケット、300…固定部、400…可動部、AX…回転軸、BX…回動軸、FL…クリーニング対象面。