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  • 特開-水性発泡耐火塗料組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147769
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】水性発泡耐火塗料組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20220929BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20220929BHJP
   C09D 201/08 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D5/02
C09D201/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049157
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001409
【氏名又は名称】関西ペイント株式会社
(72)【発明者】
【氏名】オウエン モリス
(72)【発明者】
【氏名】岩田 直之
【テーマコード(参考)】
4J038
【Fターム(参考)】
4J038JC24
4J038MA08
4J038MA10
4J038NA15
4J038PB05
4J038PB08
4J038PB09
4J038PC01
4J038PC02
4J038PC04
4J038PC06
4J038PC07
4J038PC08
4J038PC10
(57)【要約】
【課題】 火災時の耐火性と平常時の塗膜の耐水性に十分に優れた水性の発泡耐火塗料組成物を提案する。
【解決手段】
樹脂、チャー形成補助剤、炭素源、発泡剤及び水を含む水性耐火塗料組成物であって、炭素源がその成分の一部としてペンタエリスリトールリン酸エステルを含む、水性発泡耐火塗料組成物、基材表面に、前記水性発泡耐火塗料組成物を塗装することを含む、基材の塗装方法、基材表面に、前記水性発泡耐火塗料組成物を塗装することを含む、熱及び火災から構造物を保護する方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂、チャー形成補助剤、炭素源、発泡剤及び水を含む水性耐火塗料組成物であって、炭素源がその成分の一部として多価アルコールリン酸エステルを含む、水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項2】
多価アルコールリン酸エステルの多価アルコール源が、ペンタエリスリトールである、請求項1に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項3】
多価アルコールリン酸エステルが、4-ヒドロキシメチル-2,6,7-トリオキサ-1-ホスファビシクロ[2.2.2]オクタン1-オキシドである、請求項1又は2に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項4】
前記樹脂が、カルボキシル基を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項5】
前記樹脂の酸価が3~100mgKOH/gである、請求項1~4のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項6】
前記樹脂が、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーの共重合体エマルションである、請求項1~5のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項7】
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーの共重合量が全重合性不飽和モノマー中に1~10質量%の範囲内にある、請求項6に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項8】
架橋剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項9】
架橋剤が多価金属化合物である、請求項8に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項10】
1液型塗料組成物である、請求項1~9のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項11】
2液型塗料組成物である、請求項1~9のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項12】
第1成分(I)及び第2成分(II)を使用直前に混合して使用する2液型塗料組成物であり、第1成分が樹脂を含み、第2成分が架橋剤を含み、第1成分及び/又は第2成分が炭素源、チャー形成補助剤、発泡剤及び水を含む、請求項11に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
【請求項13】
基材表面に、請求項1~12のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物を塗装することを含む、基材の塗装方法。
【請求項14】
基材表面に、請求項1~12のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物を塗装することを含む、熱及び火災から構造物を保護する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水を希釈媒体として含む水性の発泡耐火塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄は500℃付近で急激に強度を失うため、火災時には鉄骨造りの構造物は崩壊し、避難や消火活動が出来なくなる。このため、火災時でも定められた時間、強度を維持するために、構造物の鉄骨に断熱性を備えた耐火被覆を施工することが建築基準法によって義務付けられている。この耐火被覆材料としてはロックウール耐火被覆材と発泡耐火塗料がある。ロックウール耐火被覆材は安価であり、市場で多く流通されているが、耐火性能を発揮するには1cm~数cmの厚みを要するものであり、吹き付け作業が困難であるという問題がある。
【0003】
一方、発泡耐火塗料は火災時の温度上昇によって塗膜が膨張して断熱性を発揮する被覆材料である。発泡耐火塗料を用いた耐火被覆はロックウールとは異なり平常時は薄膜で、構造物自体がもつ形状を損なうことがなく、火災時には膨張、炭化し、チャーと呼ばれる難燃性の断熱層によって鉄の温度上昇を抑制し、構造物の崩壊を遅延させることができる。
【0004】
この発泡耐火塗料として本出願人は特許文献1において、加水分解性シリル基含有樹脂、可塑剤、発泡剤、炭化剤を含む発泡耐火塗料を提案した。この塗料においては、厚塗りが容易であり、速乾性、内部硬化性、耐水性等の諸物性に優れた保護塗膜が得られ、そして火災の状況下においては耐火性に優れた発泡層を形成しうるものである。
【0005】
しかしながら特許文献1に記載の発泡耐火塗料は希釈媒体として有機溶剤を含むものであり、病院や学校等で施工する場合に臭気の問題がある。また、有機溶剤が飛散することにより電気工事との並行作業ができないなどの問題があり、水を希釈媒体とする水性発泡耐火塗料の要望が高まっている。
【0006】
水性発泡耐火塗料として例えば特許文献2には、アクリル樹脂エマルション、多価アルコール、発泡剤、難燃性脱水剤、及びアルカリ増粘型エマルションを含む塗料組成物が開示されている。この塗料組成物は塗装作業性、耐火性には優れるものの、塗膜の耐水性が不十分であるため、その適用範囲が制限されるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-159065号公報
【特許文献2】特開2015-59180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、火災時の耐火性と平常時の塗膜の耐水性に十分に優れた水性の発泡耐火塗料組成物を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ところで、火災時にチャーを生成させるために発泡耐火塗料にはチャー形成補助剤、炭素源、発泡剤が配合されている。これら成分によるチャー生成メカニズムは定かではないが、一般には次のように考えられている。火炎により塗膜の周囲温度が高温になり、塗膜に含まれるチャー形成補助剤が熱分解してルイス酸が発生される。そしてこのルイス酸によって炭素源が分解され炭化層となる。一方、高温により塗膜に含まれる発泡剤が分解されガスを発生し、溶融した塗膜形成成分を発泡させることによって炭化層が膨張し、チャーが生成される。
【0010】
本発明者は水性発泡耐火塗料組成物において平常時の耐水性を向上させる手法について鋭意検討した。
その結果、発泡耐火塗料組成物においてチャーを生成させるために使用される炭素源として特定の化合物を使用することで、火災時の耐火性を大幅に低下させることなく、平常時の耐水性に優れた塗膜が得られることに成功した。
【0011】
すなわち、本発明は、
項1.
樹脂、チャー形成補助剤、炭素源、発泡剤及び水を含む水性耐火塗料組成物であって、炭素源がその成分の一部として多価アルコールリン酸エステルを含む、水性発泡耐火塗料組成物。
項2.
多価アルコールリン酸エステルの多価アルコール源が、ペンタエリスリトールである、項1に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項3.
多価アルコールリン酸エステルが、4-ヒドロキシメチル-2,6,7-トリオキサ-1-ホスファビシクロ[2.2.2]オクタン1-オキシドである、項1又は2に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項4.
前記樹脂が、カルボキシル基を含有する、項1~3のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項5.
前記樹脂の酸価が3~100mgKOH/gである、項1~4のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項6.
前記樹脂が、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーの共重合体エマルションである、項1~5のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項7.
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーの共重合量が全重合性不飽和モノマー中に1~10質量%の範囲内にある、項6に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項8.
架橋剤をさらに含む、項1~7のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項9.
架橋剤が多価金属化合物である、項8に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項10.
1液型塗料組成物である、項1~9のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項11.
2液型塗料組成物である、項1~9のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項12.
第1成分(I)及び第2成分(II)を使用直前に混合して使用する2液型塗料組成物であり、第1成分が樹脂を含み、第2成分が架橋剤を含み、第1成分及び/又は第2成分が炭素源、チャー形成補助剤、発泡剤及び水を含む、項11に記載の水性発泡耐火塗料組成物。
項13.
基材表面に、項1~12のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物を塗装することを含む、基材の塗装方法。
項14.
基材表面に、項1~12のいずれか1項に記載の水性発泡耐火塗料組成物を塗装することを含む、熱及び火災から構造物を保護する方法、
に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、平常時には耐水性等の物性に優れた塗膜を形成しうる水性発泡耐火塗料組成物が得られる。また、この水性発泡耐火塗料組成物により形成される塗膜は、降雨水等によって劣化し難いものであり、塗装後に長期間経過した後でも火災時などの高温時には膨張し、優れた断熱性を発揮するので、構造物の熱による崩壊を遅延することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】試験例2で行った、実施例5の水性耐火塗料組成物の耐火試験後のチャーの状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の水性発泡耐火塗料組成物は、樹脂、チャー形成補助剤、炭素源、発泡剤及び水を含む。
【0015】
<樹脂>
本発明において、樹脂は、水に溶解又は分散可能な樹脂が使用される。その樹脂種には特に限定はなく、また、分散粒子の形態である場合には単層状又はコアシェル型等の多層状であることができる。
【0016】
樹脂の例としては、塗膜形成能を有するものであれば特に制限なく従来公知のものを使用でき、その具体例としては、アクリル樹脂エマルション、アクリルシリコン樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルション、アルキド樹脂エマルション、メラミン樹脂エマルションなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、これらは単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
【0017】
前記樹脂としては、カルボキシル基を含有することが好ましい。
【0018】
本発明において、前記樹脂がカルボキシル基を有する場合、樹脂の酸価は3~100mgKOH/g、特に5~80mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。ここで酸価とは、樹脂不揮発分の質量1g中に含まれる酸基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を、アルカリ中和滴定に基づく常法により求めたものである。
【0019】
前記樹脂は、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーの共重合体エマルションが挙げられる。
【0020】
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、β-カルボキシエチルアクリレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0021】
共重合体エマルションを製造するに際して、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーの共重合量としては、全重合性不飽和モノマー中に1~20質量%、特に3~10質量%の範囲内が好適である。
【0022】
その他の重合性不飽和モノマーとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)、シクロヘキシル(メタ)アクリレ-ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ-ト、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ-ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ-ト等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;
イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する(メタ)アクリレート;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;
パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;
マレイミド基等の光重合性官能基を有するモノマー;
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ-ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ-ト、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸と炭素数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物のε-カプロラクトン変性体、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコ-ル、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;
分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、スルホエチルメタクリレート、及びそのナトリウム塩又はアンモニウム塩等のスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー;
2-アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2-メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等のリン酸基含有重合性不飽和モノマー;
アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4~7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー;
並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
前記その他の重合性不飽和モノマーとしては、耐水性と耐火性の観点から、アルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート及び/又はビニル芳香族化合物の使用が好ましい。
【0024】
上記共重合体エマルションは、通常の方法を採用することで得ることができるが、形成される塗膜の耐水性の点から乳化重合法が好ましい。乳化重合に際しては、通常用いられるイオン性または非イオン性の界面活性剤を用いることができる。
【0025】
前記樹脂は、水性発泡耐火塗料組成物中の不揮発性成分の全質量を基準として、水性発泡耐火塗料組成物中に、不揮発分質量で5~50質量%、より好ましくは10~35質量%の範囲内で存在することができる。
【0026】
本発明において水性発泡耐火塗料組成物中の不揮発性成分の質量は、既知の質量(例えば、0.3g)の水性発泡耐火塗料組成物を試料とし、これを予め秤量したアルミニウム皿に入れ、この試料をオーブン中で105℃、30分間加熱し、その皿の質量を再び測定し、加熱前の質量と加熱後の試料の質量から計算することができる(ASTM D2697参照)。
【0027】
本明細書では特に断りのない限り、質量%の値は、水性発泡耐火塗料組成物中の不揮発性成分の全質量を基準として計算される。尚、不揮発性分とは揮発成分を除いた残存物を意味するものであり、残存物としては常温で固形状であっても液状であっても差し支えない。
【0028】
<チャー形成補助剤>
チャー形成補助剤は、水性発泡耐火塗料組成物により形成される塗膜が火に曝されたときにチャーの形成を促進するためのものであり、具体的にはリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸等のリン含有化合物が使用される。リン含有化合物の中でも、リン酸またはポリリン酸のアンモニウム塩であるリン酸アンモニウム化合物が好ましく、ポリリン酸アンモニウムがより好ましい。本発明では、リン含有化合物の代わりにまたはリン含有化合物に加えて、他のチャー形成補助剤を使用することも可能である。例えばポリリン酸アンモニウムとトリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEIC)の組み合わせはその一例である。
【0029】
上記チャー形成補助剤は、水性発泡耐火塗料組成物中の不揮発性成分の全質量を基準として、水性発泡耐火塗料組成物中に10~70質量%、より好ましくは20~45質量%の量で存在することができる。
【0030】
<炭素源>
水性発泡耐火塗料組成物は、炭素源を含有する。
【0031】
本発明では、炭素源がその成分の一部として多価アルコールリン酸エステルを含む。
【0032】
多価アルコールの例としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロース粉末等が挙げられ、特にペンタエリスリトールが好ましい。
【0033】
本発明では特に耐水性と耐火性、さらには耐久性の観点から、前記多価アルコールリン酸エステルとして、4-ヒドロキシメチル-2,6,7-トリオキサ-1-ホスファビシクロ[2.2.2]オクタン1-オキシドの使用が適している。
【0034】
4-ヒドロキシメチル-2,6,7-トリオキサ-1-ホスファビシクロ[2.2.2]オクタン1-オキシドは下記一般式で表される化合物である。
【0035】
【化1】
【0036】
本発明において前記炭素源は、水性発泡耐火塗料組成物中の不揮発性成分の全質量を基準として、水性発泡耐火塗料組成物中に好ましくは1~50質量%、より好ましくは5~30質量%の量で存在することができる。
【0037】
<発泡剤>
本発明において水性発泡耐火塗料組成物は、発泡剤(spumific)を含有する。発泡剤とは、熱(通常は火)に暴露されると、分解して膨張ガスを提供する1つ以上の化合物である。発泡剤が分解し、ガスを発生するのに十分な熱は、通常約90℃以上である。
【0038】
発泡剤がガスを放出する温度としては、有機ポリマーが軟らかくなる温度で、且つチャーが形成される温度よりも低い温度であることが望ましい。このようにして形成された水性発泡地下塗料組成物は十分に発泡してからチャーを形成、より良好な断熱体となることができる。
【0039】
発泡剤としてはメラミン、メラミンホルムアルデヒド、メチロール化メラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、メラミンモノホスフェート、メラミンジ燐酸、メラミンポリ燐酸ホスフェート、メラミンピロ燐酸、メラミンシアヌレート、尿素、ニトロウレア、ジメチル尿素、ジシアンジアミド、グアニル尿素ホスフェート、グリシン、アミンリン酸塩、アゾジカルボンアミド、4,4´-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p-トルエンヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、5-フェニルテトラゾール、ジアゾアミノベンゼン等が使用可能である。上記化合物は、熱に暴露されると分解し、窒素ガスを放出する。また、ホウ酸アンモニウム、炭酸カリウム、クエン酸誘導体など、熱に曝されると二酸化炭素、水蒸気および/またはアンモニアを放出する化合物、膨張性グラファイトも発泡剤として使用することができる。好ましい発泡剤は、メラミンまたはその誘導体であることができ、単独でまたは組み合わせて使用される。
【0040】
前記発泡剤は、水性発泡耐火塗料組成物中の不揮発性成分の全質量を基準として、好ましくは1~30質量%、より好ましくは5~25質量%の範囲内で存在することができる。
【0041】
本発明の水性発泡耐火塗料組成物は、さらに、架橋剤、顔料、可塑剤、造膜助剤の各々を1又は複数を含むことができる。
【0042】
<架橋剤>
本発明において水性発泡耐火塗料組成物は、任意に、架橋剤を含有することができる。本発明において、架橋剤としては多価金属化合物が好適に使用される。
前記多価金属化合物は、前記樹脂に含まれる官能基と金属架橋を形成可能な金属を有するものである。金属架橋とは、金属を介して樹脂の分子間を繋ぐ架橋構造である。本発明者は、このような金属架橋は非金属同士の共有結合による架橋構造よりも低い温度で分解されるため、火炎にさらされた際に塗膜の膨張を妨げることなく、強度なチャーを形成すると考えている。
【0043】
前記多価金属化合物は、2価以上、好ましくは2~4価のイオン原子価をとりうる金属元素を含む多価金属化合物であり、例えば、Mg、Ca、Ba、Fe、Cu、Zn、Al、Ti、Si、Zr、Mn等の金属元素を含む化合物が挙げられる。
前記多価金属化合物としては無機金属化合物、有機金属化合物のいずれも好適に用いられる。
【0044】
無機金属化合物としては、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、硝酸金属塩、硫酸金属塩、リン酸金属塩等が挙げられる。この中でも金属酸化物が好ましい。
【0045】
有機金属化合物としては、例えば、有機酸金属塩、金属アルコキシド、有機金属錯体等が挙げられる。この中でも有機酸金属塩の使用が好ましい。
【0046】
有機酸金属塩を構成する有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸亜鉛、吉草酸、α-メチル酪酸、サリチル酸、ステアリン酸、乳酸等を挙げることができる。
【0047】
また、架橋剤として、前記樹脂に含まれる官能基と反応可能な官能基を有する化合物も使用可能である。ポリオキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、ポリアミン類、ヒドラジン化合物、ポリヒドラジド化合物、ポリイソシアネート系化合物等が挙げられる。
【0048】
本発明水性発泡耐火塗料組成物が架橋剤を使用する場合、その量は、樹脂の不揮発分質量を基準として、0.01~10質量%、好ましくは0.1~5質量%の範囲内で存在することができる。
【0049】
<顔料>
本発明の水性発泡耐火塗料組成物は任意に顔料を含むことができる。顔料は上記の多価金属化合物であるものを除く。該着色顔料としては、塗料分野で公知のものを使用でき、例えば、二酸化チタン(白色顔料)、カーボンブラック、酸化鉄等の有色顔料;バライト、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、クレー等のフィラー顔料;並びに繊維等が挙げられる。前記顔料は、水性発泡耐火塗料組成物中の不揮発性成分の全質量を基準として、水性発泡耐火塗料組成中に1~40質量%、好ましくは5~30質量%の範囲で存在することができる。
【0050】
<可塑剤及び/又は造膜助剤>
本発明の水性発泡耐火塗料組成物は、任意に可塑剤及び/又は造膜助剤を含むことができる。
前記可塑剤は、塗膜に残存する室温で液状の化合物であり、塗料分野で公知のものを使用可能である。可塑剤の具体例としては、例えば脂肪酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤等が挙げられる。
【0051】
一方、造膜助剤とは、樹脂に相溶可能な高沸点の有機溶剤であり、水が揮発した後も塗膜内に残り、樹脂粒子の融合を促進しながら徐々に揮発する成分である。造膜助剤の具体例としては、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルル等のグリコールエーテル系化合物;2,2,4-トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4-トリメチルペンタンジオールジイソブチレート等のエステル系化合物等が挙げられる。
【0052】
可塑剤及び造膜助剤を含有する場合、その場合の含有量としては水性発泡耐火塗料組成物中の不揮発性成分の全質量を基準として、0.1~15質量%、好ましくは0.5~10質量%の範囲内である。
【0053】
<水性発泡耐火塗料組成物>
本発明の水性発泡耐火塗料組成物は、他の成分、例えば、顔料分散剤、触媒、有機溶剤、溶融粘度を変えるための添加剤、レオロジー調整剤、硬化剤を任意選択で含むことができるが、これらに限定されない。
【0054】
本発明の水性発泡耐火塗料組成物の塗料形態は特に制限されない。一液型であることも可能である。
本発明の水性発泡耐火塗料組成物が架橋剤を含む場合、第1成分(I)及び第2成分(II)を使用直前に混合して使用する2液型塗料組成物であり、第1成分が樹脂を含み、第2成分が架橋剤を含み、第1成分及び/又は第2成分が炭素源、チャー形成補助剤、発泡剤及び水を含む形態であることが好適である。
【0055】
<塗装方法>
本発明はさらに、基材表面に、上記水性発泡耐火塗料組成物を塗装することを含む、基材の塗装方法に関する。
【0056】
本発明の水性発泡耐火塗料組成物は、周囲温度、例えば-5℃~40℃で硬化および/または乾燥することができる。よって、加熱硬化が実用的でない大きな構造物に適用するのに適している。
【0057】
本発明において、水性発泡耐火塗料組成物の層の乾燥フィルムの厚さは、用途に応じて適宜選択することができる。典型的には、セルロース系の耐火用途(例えばオフィスビルなどの建築物に適用)の場合、100μm~8mm、好ましくは200μm~4mmである。
【0058】
本発明はさらに、基材表面に、上記水性発泡耐火塗料組成物を塗装することを含む、火炎又は熱から構造物を保護する方法に関する。
【0059】
本発明の水性発泡耐火塗料組成物は、様々な基材に適用することができる。
【0060】
基材の例としては、鉄骨、アルミニウム、亜鉛鉄板等の金属だけでなく、壁紙、合板、木材、無機質ボード、コンクリート、モルタル、FRP、プラスチック類、紙、布、繊維、合成樹脂、ゴム、シリコン、電線ケーブル等が挙げられる。構造物としては、地上構造物、海洋構造物等が挙げられ、特に好適な構造物としては建築基準法第21条及び第27条に規定される建物等が挙げられる。その具体例の一部としては、ビル、学校、病院、ホテル、映画館、店舗、倉庫、空港等が挙げられる。
【0061】
本発明の水性発泡耐火塗料組成物を既存構造物の鉄骨に適用する場合は、錆除去等の下地処理をした後、必要に応じて下塗り塗料を塗装したあとに本発明水性発泡耐火塗料を塗装することができる。また、本発明の水性発泡耐火塗料組成物を塗装したあとに公知の上塗り塗装をしてもよい。
【0062】
塗装方法としては特に限定されず、刷毛、コテ、ローラー、スプレー等の一般の方法で簡単に塗布することができ、平滑塗布だけでなく、厚膜で凹凸のあるパターンを形成することも可能である。これらの塗布方法は、基材の使用目的に応じて適宜選択される。
【実施例0063】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。ここで、『部』および『%』はそれぞれ『質量部』および『質量%』を意味する。
【0064】
実施例1
<1液型の水性発泡耐火塗料組成物の製造>
実施例1
容器に下記成分を入れてプラネタリーミキサを用いて均一になるまで攪拌混合し、1液型の水性発泡耐火塗料組成物(X-1)を得た。
【0065】
[水性発泡耐火塗料組成物(X-1)の組成]
脱イオン水 20部
メラミン 8.09部
ペンタエリスリトールリン酸エステル(注1) 8.09部
酸化チタン 8部
ポリリン酸アンモニウム 24.27部
ロックウールファイバー 3部
50%アクリル樹脂エマルション(注2) 17.26部
2,2,4-トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート 5.9部
増粘剤 0.2部。
【0066】
(注1)ペンタエリスリトールリン酸エステル:4-ヒドロキシメチル-2,6,7-トリオキサ-1-ホスファビシクロ[2.2.2]オクタン1-オキシド
(注2)50%アクリル樹脂エマルション:スチレン/メタクリル酸/2-エチルヘキシルアクリレート/ヒドロキシエチルアクリレート=85/8/6.1/0.9、乳化重合体、不揮発分50%、酸価40mgKOH/g。
【0067】
<2液型の水性発泡耐火塗料組成物の製造>
実施例2
実施例1で得られた水性発泡耐火塗料組成物(X-1)を第1成分とし、これに対して10%酢酸亜鉛水溶液を第2成分として1.625部入れて撹拌混合し、水性発泡耐火塗料組成物(X-2)を製造した。
【0068】
実施例3~4及び比較例1
配合組成を表1とする以外は実施例1または実施例2と同様にして各水性発泡耐火塗料組成物(X―3)~(X-5)を製造した。
【0069】
【表1】
【0070】
試験例1
上記実施例及び比較例で得られた各水性発泡耐火塗料組成物について、コーンカロリーメータによる簡易的な耐火性試験、耐久性、耐ブリスター性を評価した。
【0071】
(*)耐火性簡易試験
100×100×3.2mmのブラスト鋼板に、「エスコNBプライマー」(商品名、関西ペイント社製、変性エポキシ樹脂さび止め塗料)を塗装し、乾燥させた後各水性発泡耐火塗料組成物を乾燥膜厚が1.0mmとなるように塗装し、23℃で3日間、50℃で1日間乾燥させた試験パネルを作成した。
試験パネルの裏面側に熱電対を取り付け、加熱強度が50kw/mのコーンカロリーメータを用いた着火試験に供し、20分後の熱電対の温度を測定し、下記基準で評価した。
〇:熱電対の温度が500℃以下、
×:熱電対の温度が500℃を超える。
【0072】
(*)耐久性:
上記耐火性簡易試験で作成した試験パネルと同じものを作成し、20℃の水に18時間浸漬、3時間-20℃に冷却する、3時間50℃に加温するサイクルを1サイクルとし、これを10回繰り返し行うことで塗膜を劣化させた後、同様に耐火性簡易試験に供した。この結果、劣化塗膜の方が新しい塗膜と比較して高い温度であった。
【0073】
表1の数値は、コーンカロリーメータ試験での20分後の試験パネル裏面温度に関して、劣化塗膜の場合の温度から新しい塗膜の場合の温度を引いた温度差である。表中の数値が小さいほど塗膜が劣化しても耐火性が低下しておらず、耐久性が良好であると判断した。
(*)耐ブリスター性
150×70×3.2mmのブラスト鋼板に、各水性耐火塗料組成物を乾燥膜厚2mmとなるように塗装し23℃で7日間乾燥させたものを2枚用意し、1枚はそのまま、もう一枚はさらにその上に「コスモシリコン」(商品名、関西ペイント社製、水性反応硬化型アクリルシリコン塗料)を乾燥膜厚が50μmとなるように塗装し、23℃7日間乾燥させたものを試験パネルとした。この上塗り有り無しの各試験パネルを23℃の水に3週間浸漬し、50℃で3日間乾燥させ、下記基準にて外観を評価した。
◎:浸漬前後でまったく変化なし、
〇:フクレが極めてわずかに認められる、
△:フクレがはっきりと認められる、
×:大きなフクレが顕著に認められる。
【0074】
試験例2
(*)耐火性試験
実施例5
下記配合組成にて2液型の水性発泡耐火塗料組成物(X-6)を製造した。熱電対が装着された鋼材(大きさ300mm×300mm×4.5mm)を用意し、これに水性発泡耐火塗料組成物(X-6)を乾燥膜厚が3.3mmとなるようにコテで塗装し、23℃で7日間乾燥させ、試験体を得た。この試験体をISO834で定められた昇温曲線となるように経過時間に対して所定温度に熱せられる炉に入れて耐火試験に供したところ、試験体の温度が500℃に到達するまでの時間が89分であった。実施例5の耐火試験後の試験体は図1に示すようにチャーによって覆われていた。
【0075】
[水性発泡耐火塗料組成物(X-6)の組成]
第1成分
25%酢酸亜鉛水溶液 0.65部
脱イオン水 18部
メラミン 8.09部
ペンタエリスリトールリン酸エステル(注1) 8.09部
酸化チタン 7.94部
ポリリン酸アンモニウム 24.27部
ロックウールファイバー 0.5部
第2成分
50%アクリル樹脂エマルション(注2) 17.26部
カーボンブラック 0.01部
2,2,4-トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート 5.9部
増粘剤 0.1部。
【0076】
比較例2
配合組成を下記とする以外は実施例5と同様にして500℃到達時間を測定したところ、77分であった。比較例2では実施例5よりも500℃到達時間が短く、耐火性に劣っていると判断した。
[水性発泡耐火塗料組成物(X-7)の組成]
第1成分
25%酢酸亜鉛水溶液 0.65部
脱イオン水 20部
メラミン 8.09部
ジペンタエリスリトール 8.09部
酸化チタン 7.94部
ポリリン酸アンモニウム 24.27部
ロックウールファイバー 0.5部
第2成分
50%アクリル樹脂エマルション(注2) 17.26部
カーボンブラック 0.01部
2,2,4-トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート 5.9部
増粘剤 0.1部
図1