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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147788
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】便器装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/08 20060101AFI20220929BHJP
   E03D 5/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
E03D11/08
E03D5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049187
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 晴生
(72)【発明者】
【氏名】田村 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 真弘
(72)【発明者】
【氏名】榊原 敬輔
(72)【発明者】
【氏名】小里 尚史
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AC02
2D039AD01
2D039DB04
2D039FA03
2D039FC08
(57)【要約】
【課題】良好な汚物除去能力を得ることができる便器装置を提供する。
【解決手段】便鉢部と、便鉢部に、流速を1.5[m/s]以上とする便器洗浄のための洗浄水を供給する洗浄機構と、を備える便器装置である。洗浄機構は、便鉢部に洗浄水を吐き出す吐出部を備え、便鉢部は、便鉢部の溜水面から上方かつ吐出部よりも下方に設けられる鉢面部を備え、便器装置は、鉢面部での洗浄水の流速[m/s]を1.5以上とするように構成されてもよい。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便鉢部と、
前記便鉢部に、流速[m/s]を1.5以上とする便器洗浄のための洗浄水を供給する洗浄機構と、を備える便器装置。
【請求項2】
前記洗浄機構は、前記便鉢部に前記洗浄水を吐き出す吐出部を備え、
前記便鉢部は、前記便鉢部の溜水面から上方かつ前記吐出部よりも下方に設けられる鉢面部を備え、
前記便器装置は、前記鉢面部での前記洗浄水の流速[m/s]を1.5以上とするように構成される請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
前記便器装置は、前記便鉢部の後半部かつ前記鉢面部での前記洗浄水の流速[m/s]を1.5以上とするように構成される請求項2に記載の便器装置。
【請求項4】
前記便器装置は、前記便鉢部の前半部かつ前記鉢面部での前記洗浄水の流速[m/s]を1.5以上とするように構成される請求項2から3のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項5】
前記便器装置は、前記便鉢部の前方領域、後方領域、右側方領域及び左側方領域のうちの少なくとも二箇所かつ前記鉢面部での前記洗浄水の流速[m/s]を1.5以上とするように構成される請求項2から4のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項6】
前記便器装置は、乾燥状態にある前記鉢面部での前記洗浄水の流速[m/s]を2.0以上とするように構成される請求項2から5のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項7】
前記便器装置は、濡れ状態にある前記鉢面部での前記洗浄水の流速[m/s]を1.5以上とするように構成される請求項2から6のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項8】
前記洗浄機構は、前記便鉢部内に前記洗浄水を供給することによって旋回水流を形成し、
前記便器装置は、前記旋回水流の流速[m/s]を1.5以上とするように構成される請求項1から7のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項9】
前記便器装置は、前記便鉢部の後半部での洗浄水の流速を、前記便鉢部の前半部の流速よりも速くするように構成される請求項1から8のいずれか1項に便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、便鉢部と、便器洗浄のための洗浄水を便鉢部内に供給する洗浄機構とを備える便器装置を開示する。この便器装置は、汚物除去能力を高めるため、便鉢部に洗浄水を旋回させる旋回路部を設け、その旋回路部を流れる勢いで汚物を洗い流すように工夫を講じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-308912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、良好な汚物除去能力を得るための条件について検討を進めた。この結果、良好な汚物除去能力を得るうえで、洗浄水の流速の最適化が有効であるとの知見を得た。このような洗浄水の流速と汚物除去能力との関係で工夫を講じた技術は未だ提案されていない。
【0005】
本開示の目的の1つは、良好な汚物除去能力を得ることができる便器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の便器装置は、便鉢部と、前記便鉢部に、流速[m/s]を1.5以上とする便器洗浄のための洗浄水を供給する洗浄機構と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の便器装置を示す構成図である。
図2】実施形態の便器装置の一部を示す側面断面図である。
図3】実施形態の便器装置の一部を示す平面図である。
図4図3のA-A断面図である。
図5図3の便器の一部を示す平面図である。
図6】実施例のテストピースの側面断面図である。
図7】乾燥状態にあるときの洗浄水の流速と汚物除去率との関係を示すグラフである。
図8】濡れ状態にあるときの洗浄水の流速と汚物除去率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0009】
図1を参照する。便器装置10は、主に、便器12と、便器12の便鉢部14内に便器洗浄のための洗浄水を供給する洗浄機構16と、洗浄機構16を制御する制御部18と、を備える。便器装置10は、この他に、例えば、便器12上に取り付けられるケーシング(図示せず)と、便器12上に開閉可能に配置される便座及び便蓋(図示せず)とを備える。ケーシングは、着座者の局部を洗浄する衛生洗浄機器等の複数の機器を搭載する。
【0010】
洗浄機構16は、便器洗浄を実行するための主機構部20と、プレ洗浄動作を実行するための副機構部22と、を備える。便器洗浄とは、ユーザの用便後において、便鉢部14内に洗浄水を供給することによって、便鉢部14内の汚物を排出する動作をいう。プレ洗浄動作とは、ユーザの用便前において、液体を供給することによって、便鉢部14内を濡らす動作をいう。ユーザの用便前にプレ洗浄動作を実行することで、便器洗浄時の汚物除去性能を高めることができる。
【0011】
主機構部20は、洗浄水を便鉢部14内に吐き出す少なくとも一つの吐出部24A、24Bと、水源26から吐出部24A、24Bに供給される水の通り道となる給水路28と、給水路28を開閉可能な第1開閉弁30と、を備える。
【0012】
本実施形態の吐出部24A、24Bは、便器12とは別体のノズルに設けられる。吐出部24A、24Bは、この他にも、便器12の一部として便器12に一体に設けられてもよい。水源26は、例えば、上水道、タンク等である。給水路28は、第1開閉弁30が設けられる共通水路28aと、共通水路28aから分岐して個別の吐出部24A、24Bに通じる複数の分岐水路28bとを備える。第1開閉弁30は、電磁弁、電動弁等の電気駆動弁である。
【0013】
副機構部22は、プレ洗浄動作のための液体を便鉢部14内に吐き出す副吐出部32と、液源34から副吐出部32に供給される液体の通り道となる給液路36と、給液路36を開閉可能な第2開閉弁38と、を備える。
【0014】
本実施形態の副吐出部32は、便器12とは別体のノズルに設けられる。副吐出部32は、この他にも、便器12の一部として便器12に一体に設けられてもよい。液源34は、水源26と共通及び別体の何れでもよい。本実施形態においてプレ洗浄動作に用いられる液体は洗浄水である。この他にも、液体は洗剤、除菌水等でもよい。第2開閉弁38は、第1開閉弁30と同様に電気駆動弁である。
【0015】
制御部18は、CPU、ROM、RAMの組み合わせにより構成されるコンピュータである。洗浄機構16における便器12とは別体の構成要素(例えば、開閉弁30、38、吐出部24A、24Bを構成するノズル等)は、前述のケーシングに搭載される。
【0016】
洗浄機構16は、制御部18による制御のもと、所定の便器洗浄条件を満たしたときに便器洗浄を実行可能である。便器洗浄条件は、例えば、コントローラ、携帯端末等の操作端末から出力される便器洗浄指令を制御部18が取得することである。便器洗浄は、制御部18によって、予め定められた時間の間、吐出部24A、24Bから洗浄水が吐き出されるように第1開閉弁30を開状態に維持することで実行される。
【0017】
洗浄機構16は、制御部18による制御のもと、所定のプレ洗浄条件を満たしたときにプレ洗浄動作を実行可能である。プレ洗浄条件は、例えば、センサによってユーザが用便前に行う所定の用便前動作を検出することである。用便前動作は、例えば、便座に着座する着座動作である。センサは、例えば、光電センサ、タッチセンサ、感圧センサ、人感センサ等によって構成される。プレ洗浄動作は、予め定められた時間の間、副吐出部32から洗浄水が吐き出されるように第2開閉弁38を開状態に維持することで実行される。
【0018】
図2図4を参照する。以下、互いに直交する三つの方向を用いて説明する。この方向とは、前後方向X、左右方向Y及び上下方向Zである。前後方向X、左右方向Yは水平方向であり、便座に通常の姿勢で座る着座者の前後左右と対応する。上下方向Zは鉛直方向である。
【0019】
便器12は、便鉢部14と、便鉢部14の上端開口部が開口する上面部40と、を備える。便鉢部14は、汚物を受けるための鉢面42と凹部44を備える。鉢面42は上方に開口する椀状部材である。凹部44は、鉢面42の下方に設けられ、鉢面42に対して下向きに凹む部材である。本実施形態の鉢面42と凹部44は同じ部材の一部として一体に設けられる。この他にも、これらは別体に設けられてもよい。上面部40は、便鉢部14に対して後方に設けられる収容凹部46を備える。収容凹部46は、収容凹部46の周縁にある上面部40の周縁部40aよりも下向きに凹んでいる。洗浄機構16の一部の構成要素(吐出部24A、24B等)は収容凹部46に収容される。
【0020】
便器装置10は、便鉢部14の底部に接続される排水管路48を備える。排水管路48の入口48aは便鉢部14の凹部44に開口する。本実施形態の排水管路48は、便器12の一部となる便器排水路50と、便器排水路50に接続される排水ソケット52とを備える。排水管路48は、建物に設置される排水管(不図示)に接続される。排水管路48は、便鉢部14内から排水管に排出される汚物の通り道となる。排水管路48は、便鉢部14内に封水54を貯留する排水トラップ等の封水貯留部56を備える。封水54の一部は便鉢部14内に溜められる溜め水58となる。以下、静止した状態にある溜め水58の水面であって、便鉢部14内に溜めることができる最高水位にある溜め水58の水面を溜水面60という。
【0021】
便鉢部14は、第1鉢面部62と、第2鉢面部64とを備える。第1鉢面部62は溜水面60から上方かつ吐出部24A、24Bよりも下方に設けられる。第2鉢面部64は、溜水面60よりも下方かつ凹部44よりも上方に設けられる。ここでの「吐出部24A、24Bよりも下方」とは、複数の吐出部24A、24Bがある場合、最も低い位置にある吐出部24A、24Bの吐出口24aの最低位置よりも下方にあればよい。ここでの吐出口24aとは、吐出部24A、24Bの洗浄水を吐き出す箇所をいう。本実施形態では、後述する第1吐出部24A、第2吐出部24Bのなかで、第2吐出部24Bの吐出口24aが最も低い位置にある。よって、第1鉢面部62は、第2吐出部24Bの吐出口24aの最低位置よりも下方に設けられることになる。第1鉢面部62は、吐出部24A、24Bから吐き出された洗浄水の通水経路となる。各図では第1鉢面部62の範囲の上端縁62aを模式的に一点鎖線で示す。この第1鉢面部62を定める「吐出部」は、排水管路48に汚物の排出を促進する水流を形成するための噴流を吐き出すジェット孔を除く概念である。このジェット孔は、便鉢部14の底部及び排水管路48の何れかに形成される。この「吐出部」は、便鉢部14の上部において洗浄水を吐き出すものとも捉えることができる。
【0022】
第1鉢面部62は、溜水面60から上方に連続する滑面部66を備える。滑面部66は、内向きに突き出る凸曲面部を形成することなく滑らかに上下方向に連続する。本実施形態の滑面部66は、第1鉢面部62の上下方向Zの全域に設けられる。ここでの凸曲面部とは、例えば、鉢面42の外周側部分に棚部が設けられる場合に、棚部と滑面部66を繋ぐ箇所を想定している。この棚部は、滑面部66の上端部より緩やかな勾配を持つ。
【0023】
図5を参照する。ここでは、便鉢部14の内面に関する最大前後寸法Axを四等分する四等分線La1~La3と、便器12の最大左右寸法Ayを二等分する左右中心線Lbとを想定する。便鉢部14は、平面視において、便鉢部14の前方に設けられる前方領域68と、便鉢部14の後方に設けられる後方領域70と、前方領域68と後方領域70の間に設けられる左右で一対の側方領域72、74と、を備える。前方領域68は、前側の四等分線La1から前方の領域である。後方領域70は、後側の四等分線La3から後方の領域である。一対の側方領域72、74は、前後の四等分線の間の領域で、かつ、左右中心線Lbに対して左右両側の領域である。一対の側方領域72、74は、左右方向Yの右側にある右側方領域72と、左右方向Yの左側にある左側方領域74とを含む。この他に、便鉢部14は、その前方半分部分を構成する前半部80と、その後方半分部分を構成する後半部82とを備える。前半部80は、便鉢部14の中央側の四等分線La2よりも前側にあり、後半部82は、その四等分線La2よりも後側にある。四等分線La2は、便鉢部14の最大前後寸法Axを二等分する前後中心線として捉えることができる。
【0024】
図2図5を参照する。少なくとも一つの吐出部24A、24Bは、第1吐出部24Aと、第2吐出部24Bとを含む。各図では、吐出部24A、24Bを模式的に示す。図2図4では、吐出部24A、24Bから吐き出される洗浄水の一部に関する流れ方向に矢印を付して示す。図5では、吐出部24A、24Bから吐き出される洗浄水によって形成される水流の流れ方向に矢印を付して示す。第1吐出部24Aは、便鉢部14の右側方領域72に向けて洗浄水を吐き出すことによって、便鉢部14内を旋回する旋回水流76を形成できる。洗浄機構16は、便鉢部14内に洗浄水を供給することによって旋回水流76を形成することになる。旋回水流76は、便鉢部14内の少なくとも一部の周方向範囲を周方向に流れる水流をいう。旋回水流76は、便鉢部14内の周方向全範囲を流れることを必須とするものではない。旋回水流76は、例えば、便鉢部14内の半周以上の周方向範囲を流れてもよい。本実施形態の旋回水流76は、右側方領域72、前方領域68、左側方領域74を順に経由するように便鉢部14内を流れることができる。第2吐出部24Bは、便鉢部14の後方領域70に幅広な洗浄水を下向きに吐き出すことによって、その後方領域70を下向きに流れる流下水流78を形成できる。これらの水流76、78によって、便鉢部14内の汚物を洗い落としたうえで、排水管路48を通して汚物を排出する便器洗浄がなされる。
【0025】
副吐出部32は、便鉢部14の第1鉢面部62を濡らすための液体を便鉢部14内に供給する。副吐出部32の液体の供給態様は特に限定されない。例えば、副吐出部32は、ミスト状の液体を噴射することで便鉢部14内に液体を供給してもよい。図2では、副吐出部32による液体の噴射範囲Saを示す。
【0026】
洗浄機構16は、汚物除去能力との関係で、流速[m/s](以下、単位を省略する)を1.5以上とする洗浄水を便鉢部14内に供給することを条件としている。この流速は、吐出部24A、24Bから吐き出された直後の洗浄水において満たされていればよい。便器装置10は、好ましくは、便鉢部14の第1鉢面部62での洗浄水の流速を1.5以上とするように構成される。一般的な洗浄水の流速は0.6~1.2であり、それより大きい流速にすることを条件としていることになる。これにより、後述のように良好な汚物除去能力を得ることができる。ここで説明する洗浄水の流速は、例えば、流速計を用いて測定すればよい。この他にも、一般的な測定方法として、PIV法(Particle Image Velocimetry,画像粒子測定法)で測定してもよい。PIV法は、流れ場にトレーサーと呼ばれるマーカーを挿入し、移動するマーカーの移動量から流れ場の速度を算出する方法である。PIV法に従い、マーカーと洗浄水を一緒に流し、カメラ等を用いてマーカーの移動スピードを計測してもよい。
【0027】
便器装置10は、好ましくは、第1鉢面部62が乾燥状態にあるとき、その第1鉢面部62での洗浄水の流速を2.0以上とするように構成されるとよい。ここでの「乾燥状態」とは、第1鉢面部62が濡れずに乾燥した状態にあることをいう。これにより、後述のように、洗浄水の流速を1.5以下にする場合と比べて、格段に良好な汚物除去能力を得ることができる。便器装置10は、乾燥状態にある第1鉢面部62での洗浄水の流速を1.5以上とするように構成されても勿論よい。
【0028】
乾燥状態は、例えば、第1鉢面部62に水滴が付いていない状態にあるときに満たされる。乾燥状態は、例えば、水滴が付いていない状態になることを確認できるまで、第1鉢面部62にエアブローを行うことで実現してもよい。これは、便器12の現物及びサンプルのいずれを用いて実現してもよい。
【0029】
便器装置10は、好ましくは、第1鉢面部62が濡れ状態にあるとき、その第1鉢面部62での洗浄水の流速を1.5以上、さらに好ましくは2.0以上とするように構成されるとよい。ここでの「濡れ状態」とは、第1鉢面部62がプレ洗浄動作等によって濡れた状態にあることをいう。これにより、後述のように、乾燥状態にある第1鉢面部62に1.5以下の流速の洗浄水を流す場合と比べ、格段に良好な汚物除去能力を得ることができる。便器12の便鉢部14は、第1鉢面部62を濡れ状態に長期間に亘って維持する観点から、親水性を持つ素材によって構成されると好ましい。
【0030】
濡れ状態は、例えば、第1鉢面部62の全面を濡らした直後において、第1鉢面部62が少なくとも部分的に濡れた状態にあるときに満たされる。ここでの「第1鉢面部62の全面を濡らした直後」とは、例えば、第1鉢面部62の全面を濡らしてから30秒~1分が経過した直後をいう。濡れ状態は、例えば、洗瓶を用いて第1鉢面部62の全面を濡らすことによって実現してもよい。この他にも、濡れ状態は、第1鉢面部62の全面に対して霧吹きすることによって実現してもよいし、便器12を浸漬することによって実現してもよい。これらは、便器12の現物及びサンプルのいずれを用いて実現してもよい。
【0031】
洗浄水の流速の上限値は特に限定されない。この上限値は、例えば、流量を50~100[L/min]の範囲にした条件のもと、10.0となってもよい。
【0032】
以上の洗浄水の流速に関する条件(以下、流速条件という)を満たすことが好ましい位置を説明する。まず、洗浄条件を満たすことが望ましい便鉢部14の周方向での位置を説明する。
【0033】
流速条件は、好ましくは、汚物としての大便の付着し易い第1鉢面部62かつ後半部82において満たされるとよい。これにより、その後半部82に付着し易い大便を良好に除去できる。このような効果との関係から、流速条件は、凹部44よりも後方かつ第1鉢面部62において満たされるとよい。
【0034】
流速条件は、好ましくは、汚物としての小便の付着し易い第1鉢面部62かつ前半部80において満たされるとよい。これにより、その前半部80に付着し易い小便を良好に除去できる。このような効果との関係から、流速条件は、好ましくは、凹部44よりも前方かつ第1鉢面部62において満たされるとよい。
【0035】
流速条件は、前方領域68、後方領域70、右側方領域72及び左側方領域74のうちの少なくとも二箇所かつ第1鉢面部62で満たされてもよい。ここでの二箇所とは、例えば、前方領域68と後方領域70の組み合わせでもよいし、右側方領域72と左側方領域74の組み合わせでもよい。この他にも、流速条件は、次に説明する旋回方向Daに連続する二箇所かつ第1鉢面部62で満たされてもよい。これにより、広い範囲で汚物を良好に除去できる。
【0036】
流速条件は、前述の各領域68、70、72、74の四箇所で満たされていてもよい。
【0037】
流速条件は、各領域68、70、72、74のうちの、旋回水流76の通水経路上にある領域であって、旋回水流76の旋回方向Daに連続する二つ以上の領域において満たされていてもよい。例えば、旋回方向Daに連続する右側方領域72、前方領域68において満たされていてもよいし、前方領域68、左側方領域74において満たされてもよい。流速条件は、さらに好ましくは、これら四つの領域のうち旋回方向Daに連続する三つ以上の領域において満たされてもよい。この他にも、流速条件は、これら四つの領域において満たされてもよい。
【0038】
ここまで説明した周方向での位置に関する条件を満たすうえでは、その領域68、70、72、74の少なくとも一部において流速条件を満たしていればよく、その全域において満たす必要はない。ここでの「一部」は、例えば、その領域68、70、72、74それぞれの70%以上の箇所でもよい。この他にも、ここでの「一部」とは、その領域68、70、72、74のなかで、汚物を除去し難い部分的な箇所であってもよい。この他にも、流速条件は、各領域68、70、72、74の全域に対して70%以上の箇所において満たされていてもよい。
【0039】
流速条件は、好ましくは、便鉢部14の周方向の半周以上に亘る範囲で満たされているとよい。流速条件は、さらに好ましくは、周方向の全周に亘る範囲で満たされているとよい。ここでの周方向とは、便鉢部14の中央側の四等分線La2と左右中心線Lbの交点Ca(図5参照)を中心とする円の円周方向をいう。
【0040】
この他にも、便鉢部14の後半部82での洗浄水の流速を、その前半部80での洗浄水の流速よりも速くしてもよい。この条件は、後半部82において洗浄水の流速を1.5以上とすることを前提としている。この条件を満たすうえで、前半部80での洗浄水の流速を1.5以上にしてもよいし、その流速を1.5未満にしてもよい。これにより、除去し難い大便の付着し易い後半部82での流速を速くしつつ、除去し易い小便の付着し易い前半部80での流速を遅くすることになる。つまり、前半部80での洗浄水の流速を後半部82での洗浄水の流速より速くする場合と比べ、前半部80において、汚物除去に要求される流速に対して実際の流速を過剰に大きくせずに済む。ひいては、所要の汚物除去性能を得るために洗浄機構16に要求される性能を緩和することができる。この他にも、便鉢部14の後半部82での洗浄水の流速を、その前半部80での洗浄水の流速以下にしてもよい。
【0041】
次に、流速条件を満たすことが望ましい便鉢部14の上下方向での位置を説明する。流速条件は、便鉢部14の第1鉢面部62において、その滑面部66を含む上下方向範囲で満たされていると好ましい。流速条件は、鉢面42に棚部がない場合、第1鉢面部62の滑面部66において満たされていればよく、鉢面42に棚部がある場合、第1鉢面部62の棚部及び滑面部66において満たされていればよいということである。鉢面42に棚部がある場合、棚部よりも下方にある滑面部66での洗浄水の流速が低下する傾向にあり、汚物を除去し難い傾向にある。よって、滑面部66を含む範囲で前述の流速条件が満たされることで、第1鉢面部62の広い上下方向範囲にある汚物を良好に除去できるようになる。
【0042】
便鉢部14の第1鉢面部62において流速条件を満たすうえで、少なくとも第1鉢面部62の上下方向の中央部において満たされていてもよい。この他にも、第1鉢面部62において上下方向の複数箇所で満たされていてもよいし、第1鉢面部62の上下方向の全範囲で満たされていてもよい。この他にも、流速条件は、溜水面60よりも下側にある第2鉢面部64において満たされていてもよい。
【0043】
ここまで述べた目的とする位置で流速条件を満たすうえでは、(1)便鉢部14の形状、(2)洗浄機構16の構成の何れかを調整すればよい。いずれにしても、目的とする位置で流速条件を満たすように便器装置10が構成されていればよいということである。
【0044】
まず、流速条件との関係で好ましい便鉢部14の形状に関して説明する。便鉢部14において洗浄水の通水経路上に凸曲面部のような急激に曲率の変化する箇所があると、そこで流速が小さくなってしまう。よって、本実施形態のように、便鉢部14の第1鉢面部62の上下方向の全域を凸曲面部のない滑面部66によって構成してもよい。これにより、目的とする位置で洗浄水の流速条件を満たし易くなる。
【0045】
この他に、便鉢部14の第1鉢面部62において棚部のある形状を採用した場合、棚部と滑面部66を繋ぐ凸曲面部の曲率半径を大きくしてもよい。この曲率半径を大きくするほど、凸曲面部での急激な流速の低下を防ぐことができ、目的とする箇所で洗浄水の流速条件を満たし易くなる。
【0046】
次に、流速条件との関係で好ましい洗浄機構16の構成を説明する。目的とする位置で洗浄水の流速条件を満たすうえでは、その目的とする範囲が広くなるほど、吐出部24A、24Bの数を増やすとよい。本実施形態では、二つの吐出部24A、24Bを用いている。三つ以上の吐出部24A、24Bを用いてもよい。
【0047】
この他にも、目的とする範囲が広くなるほど、吐出部24A、24Bから吐き出される洗浄水の流速を大きくしたり、吐出部24A、24Bから洗浄水が吐き出される範囲を大きくしたりしてもよい。
【0048】
洗浄水の流速vは、吐出部24A、24Bの吐出口24aを通り抜けるときの、洗浄水の体積流量Qと、吐出口24aの軸線方向に直交する断面の断面積Aとを用いて、次の式(1)で表すことができる。式(1)から分かるように、吐出口24aを通り抜けるときの洗浄水の流速vを大きくするうえでは、吐出口24aの断面積Aを小さくするか、吐出部に供給される洗浄水の体積流量Qを大きくすることが有効となる。洗浄水の体積流量Qを大きくするうえでは、給水路28上に蓄圧器、ポンプ等の加圧機構を設け、加圧機構によって加圧した状態の洗浄水を、給水路28を通して供給することが有効となる。
v=Q/A ・・・(1)
【0049】
この他にも、吐出部24A、24Bとしてノズルを用いる場合、洗浄水がノズルを離れてから便器12の便鉢部14に到達するまでの距離をできるだけ短くするとよい。この他にも、ノズルの吐出口24aの軸線方向と洗浄水が便鉢部14に到達する位置の接線方向とをできるだけ平行に近づけるとよい。これにより、洗浄水が便鉢部14に到達する時の衝撃を小さくでき、洗浄水の流速の低下を防止できる。
【0050】
次に、以上の流速条件を満たすことが好ましい水流の種類に関して説明する。流速条件は、便鉢部14内において形成される旋回水流76において満たされると好ましい。本実施形態では、側方領域72、74、前方領域68を通る旋回水流76に関して流速条件を満たすと好ましいということである。これにより、便鉢部14内の全域において流下水流78のみを形成する場合と比べ、吐出部24A、24Bの個数を減らしつつ、便鉢部14の広範囲で流速を1.5以上とする水流を容易に形成できる。
【0051】
この他にも、以上の流速条件は、便鉢部14内において形成される流下水流78において満たされてもよい。本実施形態では、後方領域70を通る流下水流78に関して流速条件を満たすと好ましいということである。
【実施例0052】
次に、以上の流速条件と汚物除去能力との関係を見出すために行った試験を説明する。この試験では、図6に示すような、平板状のテストピース90を作成し、その表面に大便を模した疑似汚物92を付着させた。このテストピース90上に洗浄水94を流すことで、テストピース90上に付着した疑似汚物92を除去することとした。この試験は、テストピース90上の疑似汚物92に当たるときの洗浄水の流速を0.8、1.5、2.0、3.0に変えた条件のもとで行った。
【0053】
腸内環境系の学術分野では、いわゆるブリストルスケールによって、大便に関して複数種類に分類されることが知られる。この大便の種類とは、(1)コロコロ便(タイプ1)、(2)硬い便(タイプ2)(3)やや硬い便(タイプ3)、(4)普通便(タイプ4)、(5)やや軟らかい便(タイプ5)、(6)泥状便(タイプ6)、(7)水様便(タイプ7)である。ここで分類のために付した番号が小さくなるほど、大便の水分成分が小さくなり、大便が硬くなり、さらには、洗浄水による汚物の除去が困難となる。つまり、タイプ1のコロコロ便が最も洗浄水による汚物の除去が困難となる。この試験では、最も厳しい汚物条件下での汚物除去能力を評価するため、コロコロ便の成分比率を持つ疑似汚物92を用いた。ここでは、コロコロ便の成分比率を持つ疑似汚物92を作成した。疑似汚物92は、水分、食物残渣、腸内細菌、腸内物質などに相当する複数の成分からなる。疑似汚物92は、これらの成分を所定量含み、実際の便の性状に類似させている。この試験では、コロコロ便の性状に類似させるため、疑似汚物92の水分率を53%とした。
【0054】
テストピース90上に疑似汚物92を付着させるうえでは、テストピース90の上方において間隔を空けた位置から疑似汚物92を自由落下させ、テストピース90への付着時に所定の最大衝突荷重[g]が付加されるようにした。この試験は、この最大衝突荷重が300gとなる第1荷重条件と、1200gとなる第2荷重条件とのもとで行った。第1荷重条件は、一般的な腹圧のユーザが便座上で座位姿勢にある状態のもと用便する場合に、便鉢部14に大便が付着するときの衝突荷重を想定したものである。第2荷重条件は、高腹圧のユーザが同様の条件で用便するときに、便鉢部14に付着するときの衝突荷重を想定したものである。
【0055】
この試験は、パネルの表面を濡れ状態、乾燥状態のそれぞれの状態にした条件下で行った。濡れ状態は、テストピース90に霧吹きで水を吹き付けることにより実現した。乾燥状態は、布でテストピース90の水分を拭き取り、水分を除去できるまでドライヤーで温風を当てることにより実現した。
【0056】
この他の以下の条件は、他の条件によらず同じとした。
・テストピース90上に疑似汚物92を付着させてから洗浄水を流すまでの放置時間:1[min]
・洗浄水を吐き出す吐水時間:2.2[s]
・疑似汚物92に当たるときの洗浄水94の厚み:2.0[mm]
・温度:25[℃]
・湿度:70[%]
・テストピース90の素材:陶器
【0057】
この試験では、汚物除去能力を評価するため、次の式(2)によって表される汚物除去率を算出した。質量ma[g]は、洗浄水を流す前にテストピース90上にある疑似汚物92の質量をいい、ここでは1.0gとした。質量mb[g]は、洗浄水を流した後にテストピース90上に残る疑似汚物92の質量をいう。汚物除去率は、洗浄水を流す前の疑似汚物の質量に対する、洗浄水を流すことによって除去された疑似汚物の質量の割合を百分率で表したものとなる。汚物除去能力を評価するにあたっては、同一の試験条件のもとで5回の試験を行って得られた汚物除去率に関する測定値の平均値を評価対象とした。
汚物除去率={1-(mb/ma)}×100・・・(2)
【0058】
以上の試験結果を説明する。図7を参照する。乾燥状態にあるとき、流速を1.5以上にしたとき、洗浄水の流速が0.8程度のときと比べて、厳しい汚物条件下において、良好な汚物除去能力(例えば、除去率で20%以上)を得ることができることを把握できる。この他に、流速を1.5以上にしたとき、流速を0.8以上1.5未満にした場合と比べ、流速の増加に伴う汚物除去能力の上がり代を大きくできることを把握できる。
【0059】
乾燥状態にあるとき、流速を2.0以上にしたとき、洗浄水の流速が0.8程度のときと比べて、厳しい汚物条件下において、格段に良好な汚物除去能力(例えば、除去率で60%以上)を得ることができることを把握できる。この他に、乾燥状態にあるとき、流速を2.0とする付近を境として汚物除去能力の変化傾向が変化していることを把握できる。流速が2.0未満になると汚物除去能力が大きく減少する。これに対して、2.0以上であれば、安定した汚物除去能力(例えば、除去率で60%以上)を得ることができる。
【0060】
図8を参照する。濡れ状態にあるとき、流速を1.5以上にしたとき、洗浄水の流速が0.8程度のときと比べて、厳しい汚物条件下において、良好な汚物除去能力(例えば、除去率で70%以上)を得ることができることを把握できる。濡れ状態にあるとき、流速を2.0以上にしたとき、厳しい汚物条件下において、さらに良好な汚物除去能力(例えば、除去率で80%以上)を得ることができることを把握できる。この他に、図7図8に示すように、洗浄水の流速が0.8程度のとき、濡れ状態及び乾燥状態のいずれにあるときも同程度の汚物除去能力(例えば、除去率で20%未満)となる。これに対して、濡れ状態にあるとき、流速を1.5とする付近で、乾燥状態にあるときと比べて、流速の増大に伴う汚物除去能力の上がり代が大きく向上している。ひいては、濡れ状態にあるとき、乾燥状態にあるときと比べ、流速を1.5以上にすることで、格段に良好な汚物除去能力を得られることを把握できる。
【0061】
この他に、濡れ状態にあるとき、流速を1.5~2.0とする付近を境として汚物除去能力の変化傾向が大きく変化していることを把握できる。流速が1.5未満になると汚物除去能力が急激に減少するものの、1.5~2.0の範囲以上であれば、安定した汚物除去能力(例えば、除去率で70%以上)を得ることができる。
【0062】
この他に、濡れ状態及び乾燥状態の何れにあるときも、流速を1.5以上にすることで、一般的な大きさの流速(0.8程度)にする場合と比べて、良好な汚物除去能力を得ることができることを把握できる。この条件を満たす洗浄水を吐出部24A、24Bから吐き出すことで、便鉢部14内を流れる洗浄水の流速を安定して1.5以上にすることができ、便鉢部14に付着する汚物を良好に除去できることになる。
【0063】
各構成要素の他の変形形態を説明する。
【0064】
便器12は、実施形態のように、ジェット孔を備えていなくともよいし、ジェット孔を備えていてもよい。
【0065】
洗浄機構16は、少なくとも便器洗浄を実行するための主機構部20を備えていればよく、プレ洗浄動作を実行するための副機構部22は必須とはならない。この他に、主機構部20は、副機構部22を兼ねていてもよい。これは、便鉢部14内に液体を吐き出すことによって旋回水流76及び流下水流78の何れかを形成することで、プレ洗浄動作を実行することを想定している。少なくとも一つの吐出部24A、24Bは副吐出部32を兼ねていてもよいともいえる。この場合、プレ洗浄動作は、便器洗浄時に吐出部24A、24Bから吐き出される水量よりも少ない水量を、副吐出部32を兼ねる吐出部24A、24Bから吐き出すことによって実行してもよい。
【0066】
洗浄機構16の吐出部24A、24Bの個数は特に限定されない。吐出部24A、24Bの個数を増やすほど目的とする範囲で洗浄水の流速を1.5以上にすることを容易に実現できるものの、吐出部24A、24Bの個数を一つのみとしてもよい。
【0067】
洗浄機構16は、少なくとも、吐出部24A、24Bから吐き出される洗浄水の流速を1.5以上にするように構成されていればよい。便器12の第1鉢面部62における洗浄水の流速を1.5以上にすることは必須ではないということである。便器12の便鉢部14において洗浄水の流速を1.5以上にする具体的な箇所は特に限定されない。たとえば、便鉢部14の周方向範囲でいえば、前方領域68及び後方領域70のうちの一方のみにおいて洗浄水の流速を1.5以上とし、他の箇所では流速を1.5未満としてもよい。この他にも、溜水面60を挟んだ二箇所においてのみ洗浄水の流速を1.5以上とし、他の箇所では流速を1.5未満としてもよい。
【0068】
洗浄機構16は、便鉢部14の全周に亘る範囲で旋回水流76及び流下水流78の一方のみを形成し、その形成した一方の水流の流速を1.5以上としてもよい。
【0069】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【符号の説明】
【0070】
10…便器装置、12…便器、14…便鉢部、16…洗浄機構、24A、24B…吐出部、60…溜水面、62…第1鉢面部(鉢面部)、68…前方領域、70…後方領域、72…右側方領域、74…左側方領域、76…旋回水流、80…前半部、82…後半部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8