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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147796
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】排泄情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20220929BHJP
   A47K 13/30 20060101ALI20220929BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20220929BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20220929BHJP
   G01N 33/497 20060101ALI20220929BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20220929BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
A47K13/30 Z
G01N33/50 Z
G01N33/483 C
G01N33/497 D
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049201
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木塚 里子
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直哉
(72)【発明者】
【氏名】戸崎 正道
(72)【発明者】
【氏名】荒木 祐介
(72)【発明者】
【氏名】合田 美奈
(72)【発明者】
【氏名】藤野 翔太
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2G045
5L099
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AD00
2D037AD16
2D038JF04
2D038KA03
2D038KA06
2D038KA11
2D038KA21
2D038KA26
2D038ZA03
2G045AA22
2G045AA40
2G045CB04
2G045CB30
2G045DB01
2G045DB06
2G045DB30
2G045FA14
2G045FA40
2G045GC08
2G045GC30
2G045JA01
2G045JA07
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】排泄に関する情報を他の人と比較可能に表示すること。
【解決手段】実施形態に係る排泄情報管理システムは、人の排泄に関する情報を収集して管理する排泄情報管理システムであって、個人の排便データとして、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを記憶する記憶部と、排便データを表示する表示部とを有し、前記記憶部に記憶された個人の排便データを複数人分収集し、前記表示部に、複数人の排便データと、個人の排便データと、複数人の排便データと個人の排便データとを比較する態様で示す情報のうち、少なくとも2つ以上を合わせて表示する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の排泄に関する情報を収集して管理する排泄情報管理システムであって、
個人の排便データとして、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを記憶する記憶部と、
排便データを表示する表示部と
を有し、
前記記憶部に記憶された個人の排便データを複数人分収集し、前記表示部に、複数人の排便データと、個人の排便データと、複数人の排便データと個人の排便データとを比較する態様で示す情報のうち、少なくとも2つ以上を合わせて表示する
ことを特徴とする排泄情報管理システム。
【請求項2】
前記複数人の排便データと個人の排便データとを比較する態様で示す情報について、個人の排便データに、個人の属性の情報を紐付けて前記記憶部に記憶し、収集したデータを、属性ごとに集計し、個人の属性に合致した複数人の排便データと、個人の排便データを比較する態様で、前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の排泄情報管理システム。
【請求項3】
所定の期間における個人の排便データを代表値に処理した情報を比較する態様で、前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排泄情報管理システム。
【請求項4】
個人の排便データを匿名化された状態で前記記憶部に保存する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の排泄情報管理システム。
【請求項5】
排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを検知する検知部、
を有し、
前記検知部で検知された前記排便データを自動で前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の排泄情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、排泄情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康管理に役立てるため、大便(以下「便」ともいう)の性状や体積、大便への血液付着を自動で検出し、その検出結果を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、取得した便性状のデータから、集団の健康状態を把握する健康情報管理システムもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-146244号公報
【特許文献2】特許第6689501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術は、排泄に関する情報の表示の点においては改善の余地がある。例えば、上述の従来技術では、表示を提供先となる人自身についての検出結果を表示されるが、表示を見た人は他の人との比較ができないため、例えば自身の便や排泄行為等が他の人と比べて一般的なのか、異なっているのかを把握することができない。そのため、使用者にとって適切な情報を表示させるには改善の余地がある。
【0005】
開示の実施形態は、排泄に関する情報を他の人と比較可能に表示する排泄情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムは、人の排泄に関する情報を収集して管理する排泄情報管理システムであって、個人の排便データとして、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを記憶する記憶部と、排便データを表示する表示部とを有し、前記記憶部に記憶された個人の排便データを複数人分収集し、前記表示部に、複数人の排便データと、個人の排便データと、複数人の排便データと個人の排便データとを比較する態様で示す情報のうち、少なくとも2つ以上を合わせて表示することを特徴とする。
【0007】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、複数人の排便データと個人の排便データとを合わせて表示することで、表示を見た人は自身の個人のデータを他の人のデータとを比較することができる。これにより、排泄情報管理システムは、排泄に関する情報を他の人と比較可能に表示することができる。排泄情報管理システムによれば、従来基準がわからず、自分自身では比較しにくい便の性状や排便行為(においに基づくパラメータや時間)を他人と比較できる。便性状はバナナ状がよい、色は明るいほうがよいなど、理想的な便性状に関する指標はあるが、そのような性状の大便をする人がどの程度いるのか、自分の大便は他の人に比べてよいのかどうか、わからなかった。年齢や性別によって、便性状の一般は異なるので、理想の状態を目指すだけでは、自身がよいのかどうか、よくわからず、自身の健康状態に不安を感じていた。複数人に対する自分の立ち位置がわかるので、健康管理に役立つ。例えば、他の人よりもよい人はよい状態を保つモチベーションを維持することができる。他の人と同程度の人は安心感を得ることができる。また、他の人よりも劣っている人は、健康向上の意識を高めることができる。
【0008】
また、腸内環境など気を付けている人は多いが、腸内環境の良し悪しの目安となる便の性状を他人と比較する機会はない。便の状態は、年齢や性別で異なる。女性のほうが、腹筋が弱いため、排泄する力が弱い。同様に、高齢になるほど排泄する力が弱くなるため、便秘がちになり、硬い便が増える。高齢になると、ビフィズス菌などの善玉菌が減り、悪玉菌が増え、腸内環境が悪くなる。硬い便が増えたり、色が黒くなったりすると一般には言われている。ただし、一般的に、他人の便を見る人はほぼいない。プライバシー性が高いため、自分の排泄物について、積極的に他者と共有したりしない。その分、自分の排泄物が普通なのかどうか、不安になることがある。排泄物データは、身長や体重のような、一般値(基準値)もない。そのため、自身の便が他の人と比べて異なっているのかわからない。しかしながら、排泄情報管理システムによれば、複数人の排便データと、個人の排便データとを合わせて表示することで、表示を見た人は自身の個人のデータを他の人のデータと比較することができ、健康管理に役立てることができる。
【0009】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムは、複数人の排便データと個人の排便データとを比較する態様で示す情報について、個人の排便データに、個人の属性の情報を紐付けて前記記憶部に記憶し、収集したデータを、属性ごとに集計し、個人の属性に合致した複数人の排便データと、個人の排便データを比較する態様で、前記表示部に表示する。
【0010】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、属性ごとに集計し、個人の属性に合致した複数人の排便データと、個人の排便データを比較する態様で表示することで、例えば情報の提供先となる人の属性に該当する他の人を対象として、比較する態様で表示することができる。これにより、排泄情報管理システムは、排泄に関する情報を自身の属性に該当する他の人と比較可能に表示することができる。例えば、便状態は、年齢や性別によって異なる。そこで、排泄情報管理システムは、年齢性別ごとに比較することで、その人の自身の状態がより正確に把握することができる。
【0011】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムは、所定の期間における個人の排便データを代表値に処理した情報を比較する態様で、前記表示部に表示する。
【0012】
便の状態は、食事の影響などを受けやすく、一度の排便だけでは特異的なデータが出る。そこで、実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、数日等の所定の期間における個人の排便データを代表値に処理した情報を比較する態様で表示部に表示することで、自身の平均的な便の状態を比較でき、適切な比較が可能となる。なお、ここでいう代表値は、平均値、最頻値、中央値等、対象とするデータ群を代表する値であれば、どのような値であってもよい。また、代表値に処理した情報は、例えば、所定期間で最も多く出現した情報や、所定期間で出現した範囲の中央の情報、所定期間で平均化した情報、所定期間のうち、外れ値を除いて平均化した情報等の様々な情報であってもよい。すなわち、代表値に処理した平均化した情報は、対象とするデータ群を代表する情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0013】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムは、個人の排便データを匿名化された状態で前記記憶部に保存する。
【0014】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、個人の排便データを匿名化された状態で保存することで、プライベート情報である収集した排便データを、個人を特定可能な情報(例えば、氏名、住所等)と紐づけない。これにより、排泄情報管理システムは、プライベート情報を考慮した上で適切にサービスを提供することができる。
【0015】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムは、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを検知する検知部、を有し、前記検知部で検知された前記排便データを自動で前記記憶部に記憶する。
【0016】
実施形態の一態様に係る排泄情報管理システムによれば、自動でデータ取得できるので、入力が簡単となり個人による入力ばらつきがなく、データの信頼性が高い記録が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
実施形態の一態様によれば、排泄に関する情報を他の人と比較可能に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、トイレルーム内の構成の一例を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る排便情報データベースの一例を示す図である。
図7図7は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
図8図8は、排便データの一例を示す図である。
図9図9は、情報の表示の一例を示す図である。
図10図10は、変形例に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
図11図11は、変形例に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
図12図12は、データの取得方法の一例を示す図である。
図13図13は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
図14図14は、便の形に関する表示の一例を示す図である。
図15図15は、便の形に関する表示の一例を示す図である。
図16図16は、便の色に関する表示の一例を示す図である。
図17図17は、便の色に関する表示の一例を示す図である。
図18図18は、便の量に関する表示の一例を示す図である。
図19図19は、便の量に関する表示の一例を示す図である。
図20図20は、排泄に要する時間に関する表示の一例を示す図である。
図21図21は、排泄に要する時間に関する表示の一例を示す図である。
図22図22は、便のにおいに関する表示の一例を示す図である。
図23図23は、便のにおいに関する表示の一例を示す図である。
図24図24は、排泄間隔に関する表示の一例を示す図である。
図25図25は、排泄間隔に関する表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する排泄情報管理システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
<1.実施形態>
以下に説明する各実施形態に係る排泄情報管理システムでは、センサにより検知された情報に基づく使用者の排泄に関する排泄情報を管理する。以下の例では、検知部(センサ)として、カメラ302(二次元のイメージセンサ)とガスセンサユニット350とを用いる場合を一例として説明する。なお、排泄情報管理システム1は、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを検知可能であれば、カメラ302等に限らず任意のセンサを用いてもよいが、この点は後述する。
【0021】
<1-1.排泄情報管理システムの構成>
実施形態に係る排泄情報管理システムの構成について、図1図3を参照して説明する。図1は、トイレルーム内の構成の一例を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。図3は、実施形態に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。
【0022】
まず、図1を用いて排泄情報管理システム1のうち、各実施形態で共通するトイレルームR内の構成例について説明する。以下、図1及び図2に示すトイレルームR内の構成をトイレシステムTSと総称する場合がある。図1に示すように、トイレルームRには、床面Fに、洋式大便器(以下「便器」と記載する)7が設置される。なお、以下では、床面FからトイレルームRの空間内に臨む向きを上と記載する。便座装置2は、便器7の上部に設けられる。
【0023】
便器7は、例えば、陶器製である。便器7には、ボウル部8が形成される。ボウル部8は、下方に凹んだ形状であり、使用者の排泄物を受ける部位である。なお、便器7は、図示のような床置き式に限らず、トイレシステムTSを適用可能であれば、どのような形式でもよく、壁掛け式等のような形式であってもよい。便器7には、ボウル部8が臨む開口の端部の全周にわたってリム部9が設けられる。トイレルームRには、例えば、便器7付近に洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設置されてもよいし、洗浄水タンクが設置されない、いわゆるタンクレス式でもよい。
【0024】
例えば、トイレルームRに設けられた洗浄用の洗浄操作部(図示省略)が使用者により操作されると、便器7のボウル部8への洗浄水の供給による便器洗浄が実施される。洗浄操作部は操作レバーや、操作装置10に表示された便器洗浄オブジェクトに対するタッチ操作であってもよい。なお、洗浄操作部は、操作レバーなどのような使用者の手動によって便器洗浄を実施させるものに限らず、着座センサ301のような使用者を検知するセンサの人体検知によって便器洗浄を実施させるものでもよい。
【0025】
便座装置2は、便器7の上部に取り付けられ、本体部3と、便蓋4と、便座5と、洗浄ノズル6とを備える。便座装置2は、排泄物を受けるボウル部8が形成された便器7の上部に載置される。便座装置2は、洗浄ノズル6が洗浄水を噴射する前にボウル部8に進出するように便器7の上部に載置される。なお、便座装置2は、便器7に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器7と一体化するように取り付けられてもよい。
【0026】
図1に示すように、便座5は、中央に開口50を有する環状に形成され、リム部9に沿って、便器7の開口に重なる位置に配置される。便座5は、使用者が着座する。便座5は、着座した使用者の臀部を支持する着座部として機能する。また、図1に示すように、便蓋4及び便座5は、それぞれの一端部が本体部3に軸支され、本体部3の軸支部分を中心として回動可能(開閉可能)に取り付けられる。なお、便蓋4は、便座装置2に必要に応じて取り付けられ、便座装置2は、便蓋4を有しなくてもよい。
【0027】
洗浄ノズル6は、洗浄用の水を吐水するためのノズルである。洗浄ノズル6は、洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、使用者に向けて洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、局部洗浄用のノズルである。洗浄ノズル6は、電動モータなどの駆動源(図4中のノズルモータ61等)の駆動により、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進退可能に構成される。また、洗浄ノズル6は、図示しない水道管などの水源に接続される。そして、洗浄ノズル6は、図1に示すように、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進出した位置(以下「進出位置」ともいう)にあるときに、水源からの水を使用者の身体へ噴出させて局部を洗浄する。
【0028】
図1では、洗浄ノズル6が進出位置にある状態を示す。なお、洗浄ノズル6は、便器7(ボウル部8等)内の洗浄用にも共用されてもよい。洗浄ノズル6は、使用者の局部を洗浄する局部洗浄モードと、便器7内に水を撒く便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。例えば、洗浄ノズル6は、便座装置2の制御部23(図4参照)による制御に応じて、局部洗浄モードと便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。
【0029】
操作装置10は、トイレルームR内に設けられる。操作装置10は、使用者が操作可能な位置に設けられる。操作装置10は、使用者が便座5に着座時において、操作可能な位置に設けられる。図1に示す例において、操作装置10は、便座5に着座した使用者から見て右側方の壁面Wに配置される。なお、操作装置10は、便座5に着座した使用者が利用可能であれば、壁面に限らず、種々の態様により配置されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置2と一体に設けられてもよい。
【0030】
ここで、図2を参照して、センサの配置の一例を説明する。図2は、センサの配置を示すために、便蓋4を除き、便座5において使用者が着座する面(着座面)の反対側の面である裏面51を図示するために、便座5を上げた状態を示す図である。
【0031】
図2では、洗浄ノズル6(図1参照)が本体カバー30内に収納される位置(以下「収納位置」ともいう)にある状態を示す。図2に示すように、洗浄ノズル6が収納位置にある場合、ノズル用蓋60は閉じられており、洗浄ノズル6は、ノズル用蓋60の裏に隠されている。洗浄ノズル6による洗浄が行われる場合、ノズル用蓋60が開放するとともに、本体カバー30の開口(図2の閉鎖状態であるノズル用蓋60が塞ぐ開口)から洗浄ノズル6が突出し、洗浄ノズル6は、進出状態に移行する。
【0032】
図2に示すように、排泄情報管理システム1で用いられるセンサである着座センサ301及びカメラ302は、便座5の裏面51側に配置される。着座センサ301は、便座5の裏面51から着脱可能であってもよいし、便座5の裏面51に固定されていてもよい。着座センサ301は、便座装置2の構成に含まれてもよい。また、カメラ302は、便座5の裏面51から着脱可能であってもよいし、便座5の裏面51に固定されていてもよい。カメラ302は、便座装置2の構成に含まれてもよい。
【0033】
なお、着座センサ301は、使用者による便座5への着座が検知可能であれば、どのような検知方式でもよく、またどのような場所に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が赤外線方式やμ(マイクロ)波方式の測距センサであり距離で着座を検知する場合、着座センサ301は便器7側方から人の足を検知する位置や便器7に付いているタンクから人の背中を検知する位置に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が便器7側方から人の足を検知する場合、着座センサ301は、図2に示す便器7の外周部付近に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が便器7に付いているタンクから人の背中を検知する場合、着座センサ301は、図2に示す便器7の後部に設けられたタンクの外周部に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が測距センサであり距離で着座を検知する場合、着座センサ301は便器7の周囲に配置されてもよい。例えば、着座センサ301が距離で着座を検知する場合、トイレルームRの天井に配置されてもよい。また例えば、着座センサ301が接点スイッチで、着座したことによる便座の沈み込みを検知する場合、着座センサ301は便座5の軸支部分に配置されてもよい。また例えば、着座センサ301が荷重センサで、便座にかかった重さで着座を検知する場合、着座センサ301は便座5の裏面で、便器7と接する面に配置されてもよい。また、カメラ302は、便器7内に排泄される便の検知が可能であれば、どのような場所に配置されてもよい。
【0034】
また、図2に示すように、ガスセンサユニット350は、本体部3の開口31内に配置される。例えば、ガスセンサユニット350は、本体部3の開口31から連通する内部空間に配置される。なお、ガスセンサユニット350は、便器7内の便のにおいに基づくパラメータを検知可能であれば、どのような配置態様であってもよい。ガスセンサユニット350は、便座装置2の構成に含まれてもよい。また、ガスセンサユニット350は、便座装置2とは別に配置可能な装置であってもよい。例えば、ガスセンサユニット350は、便座装置2外に配置されてもよい。例えば、ガスセンサユニット350は、便器7に付いているタンク等に取り付けられてもよい。なお、ガスセンサユニット350は、においに基づくパラメータとして、例えば、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア等のにおい成分の有無や濃度を検知する。
【0035】
図3に示すように、排泄情報管理システム1は、便座装置2、操作装置10、着座センサ301、カメラ302及びガスセンサユニット350を含むトイレシステムTSと、ユーザ端末200と、サーバ装置400とを有する。排泄情報管理システム1には、複数のトイレシステムTSや、複数のユーザ端末200やサーバ装置400が含まれてもよい。なお、複数のトイレシステムTSを含む場合については後述する。
【0036】
便座装置2は、トイレルームR内に配置される装置である。便座装置2は、トイレシステムTSの各装置(操作装置10、着座センサ301、カメラ302及びガスセンサユニット350)やユーザ端末200やサーバ装置400との間で通信する。
【0037】
便座装置2は、トイレルームR内の便器7を利用して排泄を行う使用者を特定するための情報を取得する処理(個人識別)を行う。例えば、便座装置2は、使用者が所有するユーザ端末200との通信や、操作装置10に対する使用者の操作等により、便器7を利用して排泄を行う使用者を特定するための情報を取得し、使用者の個人識別を行う。例えば、便座装置2は、使用者が所有するユーザ端末200との通信し、ユーザ端末200から使用者を特定するための使用者識別情報であるユーザID(単に「ID」ともいう)を受信する。なお、便座装置2は、トイレルームRの便器7を利用して排泄を行う使用者を特定が可能であれば、どのような方法により使用者の特定を行ってもよい。
【0038】
また、便座装置2は、取得した使用者識別情報と検知した排泄(排便)に関する排泄情報(排便情報)とを対応付けて管理する。例えば、便座装置2は、取得した使用者識別情報と排泄情報(排便情報)とを対応付けてサーバ装置400へ送信する。サーバ装置400は、受信した使用者識別情報に、受信した排泄情報を対応付けて記憶部420に登録する。また、便座装置2は、便座装置2を識別するための便座識別情報(便座識別情報)に使用者識別情報及び排泄情報(排便情報)を対応付けてサーバ装置400へ送信してもよい。この場合、サーバ装置400は、受信した使用者識別情報に、受信した排泄情報と便座識別情報に対応する位置(例えば自宅や学校など)を示す情報とを対応付けて記憶部420に登録する。また、便座装置2は、便座装置2の配置位置を示す情報(位置情報)に使用者識別情報及び排泄情報(排便情報)を対応付けてサーバ装置400へ送信してもよい。この場合、サーバ装置400は、受信した使用者識別情報に、受信した排泄情報と位置情報とを対応付けて記憶部420に登録する。なお、便座装置2の構成等の詳細は後述する。
【0039】
操作装置10は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、操作装置10は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と操作装置10とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0040】
操作装置10は、例えばタッチパネル機能により表示面(例えば表示画面11)を介して使用者からの各種操作を受け付ける。また、操作装置10は、スイッチやボタンを備え、スイッチやボタン等により各種操作を受け付けてもよい。表示画面11は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、操作装置10は、表示画面11により使用者の入力を受け付け、使用者への出力も行う。表示画面11は、各種情報を表示する表示装置である。
【0041】
操作装置10は、便座装置2により実行中の制御を止めるためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2による局部洗浄の実行を開始するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、使用者による洗浄ノズル6への指示を受け付ける。操作装置10は、便座装置2に所定の音を出力させるためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2の洗浄ノズル6(図1参照)を除菌水で殺菌する殺菌処理を行うためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2による局部洗浄時の吐水の勢いを調整するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2が出力する音の音量を調整するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、トイレの利用に関する情報を操作装置10に表示したり音声出力したりする際の言語を選択するためのユーザの操作を受け付ける。
【0042】
例えば、操作装置10は、上述したユーザの操作を受け付けるオブジェクトを表示画面11に表示し、表示したオブジェクトに対するユーザの接触に応じて、各種処理を実行してもよい。例えば、操作装置10は、上述したユーザの操作を受け付けるスイッチやボタン等を有し、スイッチやボタン等に対するユーザの接触に応じて、各種処理を実行してもよい。なお、上記は一例であり、操作装置10は、各種処理を実行するユーザによる操作を受け付けてもよい。
【0043】
着座センサ301は、便座装置2への人の着座を検知する機能を有する。着座センサ301は、使用者が便器7に座った(着座した)ことを検知する。着座センサ301は、便座5に対する使用者による着座を検知可能である。着座センサ301は、使用者による便座5からの離座を検知する離座検知センサとしても機能する。着座センサ301は、便座5に対する使用者の着座状態を検知する。
【0044】
着座センサ301は、例えば便座5に着座した使用者の荷重によってON・OFFが切り替わるスイッチである。着座センサ301は、使用者が着座して、便座5が沈むとスイッチが入ることにより、使用者が便器7に座ったことを検知する。
【0045】
なお、上記は一例であり、着座センサ301は、上記に限らず、種々の手段により便座装置2への人の着座を検知してもよい。着座センサ301は、着座検知信号を便座装置2へ送信する。
【0046】
着座センサ301は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、着座センサ301は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と着座センサ301とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、着座センサ301は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0047】
カメラ302は、便器7内を撮像することにより排便を検知する検知部として機能する。カメラ302は、撮像を行うカメラであり、二次元の画像を生成する。例えば、カメラ302は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが面状(二次元)に配列されたエリアセンサ(二次元のイメージセンサ)を有する。
【0048】
カメラ302は、便器7の封水部(例えばボウル部8の封水が溜まる部分)を撮影する。カメラ302は、便器7の封水部を検知(撮像)可能な位置及び向きで、便座5の裏面51に配置される。例えば、カメラ302は、便座5を下げた状態(便座5に使用者が着座し排便可能な状態)において、便器7の封水部に指向性を向けて便座5に設けられる。なお、カメラ302は、便器7の封水部を検知(撮像)可能であれば、どのような配置態様であってもよい。なお、カメラ302は、便器7の封水部を撮影可能であれば、どのような場所に配置されてもよい。また、カメラ302は、静止画像を撮影してもよい、動画像を撮影してもよい。なお、カメラ302は、落下中の便を撮影(検知)するように配置されてもよい。また、使用者が便座に座ることで便器内が暗くなり、十分な明るさで撮影できない場合は、光源(発光部)を設けてもよい。
【0049】
カメラ302は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、カメラ302は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2とカメラ302とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、カメラ302は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
【0050】
ガスセンサユニット350は、ファン351、においセンサ352等を有し、においを検知するセンサとして機能する。なお、ガスセンサユニット350は、ファン351、においセンサ352に限らず、例えば通信回路等、所望の処理を行うために必要な構成を有する。
【0051】
ファン351は、便器7(ボウル部8)内のガスを吸引するために用いられる。ファン351は、便器7(ボウル部8)内のガスを、開口31からにおいセンサ352が配置された本体部3の内部空間へ吸引する。
【0052】
においセンサ352は、本体部3の内部空間に配置され、開口31(便器7側)からファン351により吸引されたガスを検知する。においセンサ352には、半導体ガスセンサや電気化学式センサなどが用いられる。例えば、においセンサ352は、パラメータとして、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア等のにおい成分の有無や濃度を検知する。
【0053】
なお、においセンサ352は、複数あってもよい。例えば、複数のにおいセンサ352には、無臭ガスを測るセンサが含まれてもよい。無臭ガス成分としては、水素、メタン、二酸化炭素等がある。複数のにおいセンサ352には、無臭ガスを測るセンサとして、半導体ガスセンサ、非分散赤外線吸収法(Non Dispersive Infrared)による検知を行うNDIR式ガスセンサ等の光学式センサ等が含まれてもよい。なお、上記は一例に過ぎず、検知する成分(パラメータ)に応じて、においセンサ352には、様々な成分を検知するセンサが含まれてもよい。
【0054】
ガスセンサユニット350は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、ガスセンサユニット350は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2とガスセンサユニット350とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、ガスセンサユニット350は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。ガスセンサユニット350は、通信回路等によって実現される通信機能を有し、検知したにおいに関する情報を便座装置2に送信する。例えば、ガスセンサユニット350は、ガスの検知に応じて出力する出力値を検知したにおいに関する情報として便座装置2に送信する。
【0055】
なお、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを検知可能であれば、カメラ302及びガスセンサユニット350に限らず、様々なセンサが用いられてもよい。例えば、水位センサが用いられてもよい。この場合、水位センサは、便器7の封水部の水位の変化を検知することにより排便を検知する。また、放射温度計が用いられてもよい。この場合、放射温度計は、排便から放出される赤外線を受光し、放射温度を検知することにより排便を検知する。
【0056】
また、例えば、一次元画像を撮影するラインセンサが用いられてもよいが、この点につては後述する。また、超音波センサが用いられてもよい。この場合、超音波センサは、超音波を排便に対して発信し、排便から反射した波(超音波)を受信することにより排便を検知する。なお、上記は一例に過ぎず、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを検知可能であれば、どのようなセンサが用いられてもよい。
【0057】
ユーザ端末200は、排便データ(排泄データ)等の使用者の排泄に関する各種情報(排泄情報)を表示する表示部(表示装置)として機能する。ユーザ端末200は、便座装置2から排便データを示す情報を受信し、受信した排便データを示す情報を表示する。例えば、ユーザ端末200は、排便データを、排泄の日時ごとに時系列で表示する。
【0058】
例えば、ユーザ端末200は、使用者(ユーザ)によって利用されるユーザ端末(コンピュータ)である。ユーザ端末200は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)等により実現される。例えば、ユーザ端末200は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、ユーザ端末200は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。
【0059】
ユーザ端末200は、便座装置2やサーバ装置400との間で情報を送受信する。例えば、ユーザ端末200は、使用者の排泄に関する情報をサーバ装置400から受信し、受信した情報を表示する。例えば、ユーザ端末200は、使用者の排便データを示すコンテンツをサーバ装置400から受信し、受信したコンテンツを表示する。
【0060】
また、ユーザ端末200の位置を検知するセンサ(位置センサ)を有してもよい。例えば、ユーザ端末200は、GPS(Global Positioning System)センサを有し、ユーザ端末200(使用者)の位置を検知してもよい。例えば、ユーザ端末200は、GPSの機能により排泄場所の情報を取得する。また、ユーザ端末200は、通信を行っている基地局の位置情報や、WiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)の電波を用いて推定されたユーザ端末200(使用者)の位置情報を取得してもよい。
【0061】
ユーザ端末200は、排便データを表示する。ユーザ端末200は、複数人の排便データと、個人の排便データとを合わせて表示する。ユーザ端末200は、個人の属性に合致した複数人の排便データと、個人の排便データを比較する態様で表示する。ユーザ端末200は、個人の排便データを代表値に処理した情報を比較する態様で表示する。例えば、ユーザ端末200は、所定の期間における個人の排便データを平均化した情報を比較する態様で表示する。また、ユーザ端末200は、複数人の排便データと、個人の排便データと、複数人の排便データと個人の排便データとの比較結果の少なくとも2種以上を合わせて表示する。
【0062】
サーバ装置400は、便座装置2やユーザ端末200と、インターネット等の所定のネットワーク(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、サーバ装置400は、情報の送受信が可能であれば、便座装置2やユーザ端末200とどのように接続されてもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。
【0063】
サーバ装置400は、記憶部420に記憶された個人の排便データを複数人分収集する。サーバ装置400は、個人の排便データに、個人の属性の情報を紐付けて記憶部420に記憶し、収集したデータを、属性ごとに集計する。サーバ装置400は、個人の排便データを匿名化された状態で記憶部420に保存する。サーバ装置400は、検知部(センサ)で検知された排便データを自動で記憶部420に記憶する。
【0064】
サーバ装置400の装置構成及び配置は、便座装置2やユーザ端末200と通信し、処理が実現可能であれば、任意の形態が採用可能である。例えば、サーバ装置400は、排泄情報管理システム1の管理者等が携帯可能なノートパソコン等の携帯端末(デバイス)であってもよい。また、サーバ装置400は、トイレルームR内に配置されてもよい。
【0065】
なお、上記は一例に過ぎず、排泄情報管理システム1は、所望の処理を実現可能であれば任意の装置構成が採用可能である。例えば、操作装置10が排便データを表示する表示部として機能してもよい。また、操作装置10及びユーザ端末200の両方が表示部として機能する装置として排泄情報管理システム1に含まれてもよい。また、排泄情報管理システム1に含まれるカメラ302等のセンサ(検知部)は、便座装置2が有してもよい。なお、上記のシステム構成は一例に過ぎず、所望の処理が可能であれば、排泄情報管理システム1はどのようなシステム構成であってもよい。
【0066】
また、排泄情報管理システム1には、着座センサ301やカメラ302やガスセンサユニット350以外のセンサも含まれてもよい。例えば、排泄情報管理システム1には、人体検知センサが含まれてもよい。人体検知センサは、人体を検知する機能を有する。例えば、人体検知センサは、赤外線信号を用いた焦電センサ等により実現される。例えば、人体検知センサは、μ(マイクロ)波センサ等により実現されてもよい。なお、上記は一例であり、人体検知センサは、上記に限らず、種々の手段により人体を検知してもよい。例えば、人体検知センサは、トイレルームR(図1参照)内に入室した人(使用者など)を検知する。人体検知センサは、検知信号を便座装置2へ送信する。
【0067】
<1-2.便座装置の機能構成>
次に、便座装置2の機能構成について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、便座装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、電磁弁71と、ノズルモータ61と、洗浄ノズル6とを備える。例えば、通信部21、記憶部22及び制御部23は便座装置2の本体部3に設けられる。なお、図4では、図1で説明した便座装置2の構成の一部(本体部3や便座5や便器7等)についての図示を省略する。
【0068】
通信部21は、例えば、通信装置、通信回路等によって実現される。通信部21は、ネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部21は、操作装置10、着座センサ301、カメラ302、ガスセンサユニット350、ユーザ端末200、サーバ装置400等との間で情報の送受信を行う。
【0069】
通信部21は、制御部23の制御に応じて、サーバ装置400と通信する。通信部21は、カメラ302による検知により取得した排泄情報をサーバ装置400へ送信する。通信部21は、ガスセンサユニット350による検知により取得した排泄情報をサーバ装置400へ送信する。また、通信部21は、操作装置10から使用者の操作を示す操作情報の受信を行う。
【0070】
記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部22は、便性状等の判定プログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。記憶部22は、検知部により検知された情報等の様々な情報を記憶する、記憶部22は、判定処理に用いる様々な情報を記憶する。
【0071】
記憶部420は、便の性状等、便に関する判定処理に用いる様々な情報を記憶する。例えば、記憶部420は、便に関する判定処理に用いる閾値を記憶する。例えば、便に関する判定に用いる各種のモデル(判定モデル)を記憶する。例えば、便の形状、色、量等の判定に用いる各種の判定モデルを記憶する。記憶部22は、計測した時間に関する情報を記憶する。記憶部22は、排便に要する時間を示す情報を記憶する。なお、上記は一例に過ぎず、記憶部22は、便に関する様々な情報を記憶する。
【0072】
制御部23は、例えば各種構成や処理を制御する制御装置であってもよい。制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって、便座装置2内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係便性状等の判定プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0073】
図4に示すように、制御部23は、取得部231と、時計部232と、要求部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0074】
取得部231は、情報を取得する。取得部231は、記憶部22から各種情報を取得する。取得部231は、検知部(センサ)から検知の情報を取得する。取得部231は、着座センサ301から着座センサ301による検知を示す情報を受信する。取得部231は、カメラ302からカメラ302による検知を示す情報を受信する。取得部231は、ガスセンサユニット350からガスセンサユニット350による検知を示す情報を受信する。取得部231は、操作装置10から使用者の操作等を示す各種情報を受信する。取得部231は、受信した各種情報を記憶部22に格納する。
【0075】
時計部232は、排便に関する時間を取得する。時計部232は、排泄行為が行われた日時を取得する。時計部232は、排泄の日時を示す情報(日時情報)を取得する。時計部232は、センサにより検知された情報に基づく排泄情報を生成する。時計部232は、通信部21を介してサーバ装置400へ情報を送信する。例えば、時計部232は、便座装置2を使用する使用者の排泄情報をサーバ装置400へ送信する。時計部232は、センサにより検知された情報を基に、使用者の排便に要する時間を計測する。時計部232は、排便に要する時間を計測する。
【0076】
時計部232は、時刻を検知する。時計部232は、着座センサ301により使用者が座ったことを検知した時刻を計測する。時計部232は、カメラ302が取得した大便を最初に検知した時刻を計測する。時計部232は、着座センサ301により使用者が座ったことを検知した時刻と、カメラ302が取得した大便を最初に検知した時刻との差分からなる排泄に要した時間を取得する。例えば、時計部232は、排泄に要した時間を、排便行為ごとに時系列で計測してもよい。時計部232は、カメラ302による検知により排便を経時的に計測する。
【0077】
時計部232は、各種の判定処理を行う判定部として機能する。時計部232は、カメラ302により検知された情報を用いて、判定処理を行う。時計部232は、記憶部22に記憶された情報を用いて、判定処理を行う。時計部232は、カメラ302により撮影された画像中に大便が含まれるかを判定する。時計部232は、画像認識に関する技術を用いて、画像中に大便が含まれるかを判定する。
【0078】
例えば、時計部232は、画像を入力として、入力された画像中に大便が含まれるか否かを示す情報(スコア)を出力するモデル(大便判定モデル)を用いて、画像中に大便が含まれるかを判定する。この場合、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアと閾値(第1閾値)とを比較し、スコアが第1閾値以上である場合、その画像中に大便が含まれると判定する。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアと第1閾値とを比較し、スコアが第1閾値未満である場合、その画像中に大便が含まれないと判定する。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、画像に大便が含まれるか否かを判定してもよい。
【0079】
また、時計部232は、カメラ302により撮影された画像を基に大便の量を判定する。例えば、時計部232は、画像中に占める大便の割合を基に大便の量を判定する。例えば、時計部232は、大便判定モデルが出力するスコアを用いて、大便の量を判定してもよい。時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第1閾値以上、第2閾値未満である場合、大便の量を「とても少ない」と判定してもよい。第2閾値は、第1閾値よりも大きい値であるものとする。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第2閾値以上、第3閾値未満である場合、大便の量を「少ない」と判定してもよい。第3閾値は、第2閾値よりも大きい値であるものとする。
【0080】
また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第3閾値以上、第4閾値未満である場合、大便の量を「中」と判定してもよい。第4閾値は、第3閾値よりも大きい値であるものとする。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第4閾値以上、第5閾値未満である場合、大便の量を「多い」と判定してもよい。第5閾値は、第4閾値よりも大きい値であるものとする。また、時計部232は、画像が入力された大便判定モデルが出力するスコアが第5閾値以上である場合、大便の量を「とても多い」と判定してもよい。なお、上記の5段階の判定は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、大便の量を判定してもよい。
【0081】
時計部232は、センサによる検知結果から便の性状を判定する。時計部232は、光学的な手法により便の性状を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の性状を判定する。時計部232は、便画像に基づいて、その便画像に対応する便の性状を判定する。例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の形状(単に「形」ともいう)を判定する。時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の形が、形に基づく複数段階のレベルのいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の形が、コロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか(半練り状)、泥状、及び水状のいずれかであるかを判定する。
【0082】
時計部232は、カメラ302による検知結果から便の形状を判定する。時計部232は、光学的な手法により便の形状を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の形状を判定する。時計部232は、便の形状の分類に関する種々の技術を適宜用いて、便の形が、コロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状のいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、便画像の落下方向の長さや便(塊)の個数等の様々な情報(特徴量)に基づいて便の形状を判定(判断)してもよい。
【0083】
時計部232は、AI(人工知能)に関する技術を用いて便の形状を判定してもよい。例えば、時計部232は、機械学習により生成された学習モデル(形状判定モデル)を用いて、便の形状を判定してもよい。この場合、形状判定モデルは、事前に分類判断を示す教師データにより学習される。この教師データには、便画像と、その便画像に含まれる塊(便)の形状(コロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状のいずれか)を示すラベル(正解情報)との組合せを複数含む。例えば、形状判定モデルは、便画像を入力とし、入力された便画像に含まれる塊(便)の形状を示す情報を出力するモデルである。例えば、形状判定モデルは、便画像が入力された場合に、入力された便画像に対応するラベル(便の形状)の情報を出力するように学習される。形状判定モデルの学習は、いわゆる教師あり学習に関する種々の手法を適宜用いて行われる。この場合、形状判定モデルは記憶部22に格納され、時計部232は、記憶部22に格納された形状判定モデルを用いて、便の形状を判定してもよい。例えば、便座装置2が学習処理を行い、形状判定モデルを生成してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、便の形状を判定してもよい。また、上記のコロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状の7段階は形状の一例に過ぎず、時計部232は、それ以外の形状を判定してもよいし、6段階以下に判定してもよい。また、ここでは便の形を複数段階のレベルのいずれかであるかを判定する例を示したが、その限りではなく、1度の排泄行為において、複数の便の形状が含まれる場合は、複数の便形状を判定してもよい。
【0084】
また、例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の色を判定する。時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の色が、色に基づく複数段階のレベルのいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、便画像を用いて、その便画像に対応する便の色が、黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶のいずれかであるかを判定する。
【0085】
時計部232は、カメラ302による検知結果から便の色を判定する。時計部232は、光学的な手法により便の色を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の色を判定する。時計部232は、便の色の分類に関する種々の技術を適宜用いて、便の色が、黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶のいずれかであるかを判定する。例えば、時計部232は、カラー画像(RGB)の輝度や明度等の様々な情報(特徴量)に基づいて便の色を判定(判断)する。
【0086】
時計部232は、AI(人工知能)に関する技術を用いて便の色を判定してもよい。例えば、時計部232は、機械学習により生成された学習モデル(色判定モデル)を用いて、便の色を判定してもよい。この場合、色判定モデルは、事前に分類判断を示す教師データにより学習される。この教師データには、便画像と、その便画像に含まれる塊(便)の色(黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶のいずれか)を示すラベル(正解情報)との組合せを複数含む。例えば、色判定モデルは、便画像を入力とし、入力された便画像に含まれる塊(便)の色を示す情報を出力するモデルである。例えば、色判定モデルは、便画像が入力された場合に、入力された便画像に対応するラベル(便の色)の情報を出力するように学習される。色判定モデルの学習は、いわゆる教師あり学習に関する種々の手法を適宜用いて行われる。この場合、色判定モデルは記憶部22に格納され、時計部232は、記憶部22に格納された色判定モデルを用いて、便の色を判定してもよい。例えば、便座装置2が学習処理を行い、色判定モデルを生成してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、便の色を判定してもよい。また、上記の黄、薄い黄土、黄土、茶、こげ茶、及び濃いこげ茶の6段階は色の一例に過ぎず、時計部232は、それ以外の形状を判定してもよいし、5段階以下に判定してもよい。また、ここでは便の色を複数段階のいずれかであるかを判定する例を示したが、その限りではなく、1度の排泄行為において、複数の便の色が含まれる場合は、複数の便の色を判定してもよい。
【0087】
時計部232は、ガスセンサユニット350により検知された情報を用いて、判定処理を行う。時計部232は、使用者による排泄時のにおいの判定を行う。時計部232は、カメラ302による検知結果で便が存在すると判定された日時においてガスセンサユニット350により検知された情報を用いて、排泄時のにおいの判定を行う。時計部232は、ガスセンサユニット350により検知されたにおいの情報を用いて、使用者の排泄物(大便)のにおいを判定する。時計部232は、ガスセンサユニット350による検知結果から便のにおいを判定する。時計部232は、においの所定のパラメータとしてガスセンサユニット350で検知したにおいのある成分の有無や濃度、あるいは、においのある成分とにおいのしない(無臭ガス)成分の濃度との比に基づいて、使用者の便のにおいを判定する。時計部232は、においの分類に関する種々の技術を適宜用いて、便のにおいが、においなし、臭くない、少し臭い、臭い、及びとても臭いのいずれかであるかを判定する。なお、カメラ302による検知結果で便が存在すると判定された日時以外、つまり、身体からガスだけ出る場合(おならの場合)にも、においの判定をしてもよい。
【0088】
時計部232は、AI(人工知能)に関する技術を用いて便のにおいを判定してもよい。例えば、時計部232は、機械学習により生成された学習モデル(におい判定モデル)を用いて、便のにおいを判定してもよい。この場合、におい判定モデルは、事前に分類判断を示す教師データにより学習される。この教師データには、ガスセンサユニット350の出力値と、そのガスセンサユニット350の出力値に対応するにおい(においなし、臭くない、少し臭い、臭い、及びとても臭いのいずれか)を示すラベル(正解情報)との組合せを複数含む。例えば、におい判定モデルは、ガスセンサユニット350の出力値を入力とし、入力されたガスセンサユニット350の出力値に対応するガスのにおいを示す情報を出力するモデルである。例えば、におい判定モデルは、ガスセンサユニット350の出力値が入力された場合に、入力されたガスセンサユニット350の出力値に対応するラベル(ガスのにおい)の情報を出力するように学習される。におい判定モデルの学習は、いわゆる教師あり学習に関する種々の手法を適宜用いて行われる。この場合、におい判定モデルは記憶部22に格納され、時計部232は、記憶部22に格納されたにおい判定モデルを用いて、便のにおいを判定してもよい。例えば、便座装置2が学習処理を行い、におい判定モデルを生成してもよい。
【0089】
なお、上記は一例に過ぎず、時計部232は、様々な情報を適宜用いて、便のにおいを判定してもよい。また、上記のにおいなし、臭くない、少し臭い、臭い、及びとても臭いの5段階はにおいの一例に過ぎず、時計部232は、においの種類(強く臭う成分)を判定してもよし、4段階以下に判定してもよい。なお、時計部232は、においについて所望の分類が可能であれば、上記に限らず、様々な処理によりにおいの判定(分類)を行ってもよい。また、上述した各種の判定処理は、サーバ装置400が行ってもよい。この場合、上述した判定処理に用いる情報や判定処理の機能はサーバ装置400が有し、便座装置2はカメラ302やガスセンサユニット350により検知した情報をサーバ装置400へ送信する。
【0090】
要求部233は、検知した使用者の排泄情報の登録をサーバ装置400へ要求する。要求部233は、通信部21を介してサーバ装置400へ排泄情報を送信することにより、サーバ装置400へ排泄情報の登録を要求する。要求部233は、使用者識別情報とともに排泄情報をサーバ装置400へ排泄情報を送信することにより、サーバ装置400へその排泄情報を、使用者識別情報により特定される使用者の情報としての登録を要求する。
【0091】
また、制御部23は、ノズルモータ61や電磁弁71を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された信号に基づいて、ノズルモータ61や電磁弁71を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された局部洗浄に関する制御指示の信号に基づいて、ノズルモータ61を制御する。制御部23は、洗浄ノズル6を進退させるためにノズルモータ61を制御する。制御部23は、電磁弁71の開閉を制御する。制御部23は、カメラ302を制御するための制御情報をカメラ302に送信する。制御部23は、ガスセンサユニット350を制御するための制御情報をガスセンサユニット350に送信する。
【0092】
また、制御部23は、図1に示すような便蓋4や便座5を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された信号に基づいて、便蓋4や便座5を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された便蓋開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便蓋4を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された着座部開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便座5を制御する。制御部23は、有線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信する。なお、制御部23は、無線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信してもよい。
【0093】
制御部23は、着座センサ301による使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部23は、着座センサ301による便座5への使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部23は、上述した制御に関する演算を実行する演算部や記憶部等の各種の構成を有する。
【0094】
電磁弁71は、流体の流れを電磁的方法により制御する弁(バルブ)の機能を有する。電磁弁71は、例えば給水管からの水道水の供給および停止を切り替える。電磁弁71は、制御部23からの指示に応じて開閉の制御を実行する。
【0095】
ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を進退駆動する駆動源(モータ)である。ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を本体部3の本体カバー30に対して進退させる制御を実行する。ノズルモータ61は、制御部23からの指示に応じて洗浄ノズル6を進退させる制御を実行する。
【0096】
<1-3.サーバ装置の機能構成>
次に、サーバ装置の機能構成について図5を参照して説明する。図5は、実施形態に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。具体的には、図5は、サーバ装置の一例であるサーバ装置400の構成の一例を示すブロック図である。
【0097】
図5に示すように、サーバ装置400は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを有する。なお、サーバ装置400は、サーバ装置400の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0098】
通信部410は、例えば、通信回路等によって実現される。通信部410は、ネットワークN(図3参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部410は、便座装置2やユーザ端末200等との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部410は、排便データを示す情報(コンテンツ)をユーザ端末200へ送信する。
【0099】
記憶部420は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部420は、排泄情報を管理する管理プログラムや提供するコンテンツ等の情報を生成する生成プログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。実施形態に係る記憶部420は、図5に示すように、排便情報データベース421を有する。記憶部420は、排便情報データベース421に示すように、個人の排便データとして、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを記憶する。なお、記憶部420は、排便情報データベース421に限らず、様々な情報を記憶する。
【0100】
実施形態に係る排便情報データベースは、使用者の排便に関する各種情報を記憶する。例えば、排便情報データベースは、使用者の排便の履歴を記憶する。図6は、実施形態に係る排便情報データベースの一例を示す図である。図6に示す排便情報データベースには、「ID」、「性別」、「年齢」、「日付」、「時刻」、「形状」、「色」、「量」、「排泄時間」、「におい」、「間隔」といった項目が含まれる。
【0101】
「ID」は、使用者(ユーザ)を識別するための識別情報を示す。このように、排泄情報管理システム1では、各使用者を実名ではなく、匿名化されたIDで管理する。
【0102】
「性別」は、IDにより識別されるユーザの性別を示す。「年齢」は、IDにより識別されるユーザの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば20代、30代など、年代を示す情報あってもよい。また、排便情報データベース421では、誕生した年を管理し、サーバ装置400で「年齢」に換算してもよい。
【0103】
「日付」は、排泄行為が行われた日付(日にち)を示す。「時刻」は、排泄行為が行われた時刻(時間)を示す。
【0104】
「形状」は、取得された便の形状を示す。「形状」は、例えば「コロコロ」、「カチカチ」、「ひび割れ」、「バナナ状」、「やわらか」、「泥状」、「水状」等の複数の形状への分類結果が登録される。なお、上記は一例に過ぎず、「形状」は上記に限らず、様々な形状を示す情報が登録されてもよい。
【0105】
「色」は、取得された便の色を示す。例えば、「色」は、「黄」、「薄い黄土」、「黄土」、「茶」、「こげ茶」、「濃いこげ茶」等の複数の色への分類結果が登録される。例えば、「黄」、「薄い黄土」、「黄土」、「茶」、「こげ茶」、「濃いこげ茶」の順で色が濃くなり、「濃いこげ茶」が最も色が濃い便となる。なお、上記は一例に過ぎず、「色」は上記に限らず、様々な色を示す情報が登録されてもよい。
【0106】
「量」は、取得された便の量を示す。例えば、「量」は、「とても多い」、「多い」、「中」、「少ない」、「とても少ない」等の複数の量への分類結果が登録される。例えば、「とても多い」、「多い」、「普通」、「少ない」、「とても少ない」の順で量が少なくなり、「とても少ない」が最も量が少ない便となる。なお、上記は一例に過ぎず、「量」は上記に限らず、様々な量を示す情報が登録されてもよい。
【0107】
「排泄時間」は、排泄に要した時間を示す。例えば、「排泄時間」は、使用者が着座してから排便が行われるまでの時間を示す。
【0108】
「におい」は、取得された便の量を示す。例えば、「におい」は、「においなし」、「臭くない」、「少し臭い」、「臭い」、及び「とても臭い」等の複数のにおいの強さへの分類結果が登録される。例えば、「においなし」、「臭くない」、「少し臭い」、「臭い」、及び「とても臭い」の順でにおいが強くなり、「とても臭い」が最もにおいが強いことを示す。なお、上記は一例に過ぎず、「におい」は上記に限らず、様々なにおいを示す情報が登録されてもよい。
【0109】
「間隔」は、排泄の間隔(時間)を示す。例えば、「排泄時間」は、前回(直前)の排泄日時からの時間間隔を示す。
【0110】
図6の例では、ID「AAA」で識別される使用者(以下「使用者AAA」ともいう)の属性は、性別が「女性」であり、年齢が「52歳」である。また、ID「AAA」で識別される使用者(使用者AAA)については、1月5日の7時15分に行われた排泄行為の排泄情報、及び1月7日の7時30分に行われた排泄行為の排泄情報等が登録されている状態を示す。
【0111】
例えば、1月7日の7時30分に行われた排泄行為については、形はバナナ状、色はこげ茶、量は少ない、排泄時間は35秒、においは少しあり、間隔は48時間15分(2日と15分)であることを示す。例えば、間隔「48時間15分」は、前回の排泄日時「1月5日7時15分」と今回の排泄日時「1月7日7時30分」との差分を示す。サーバ装置400は、前回の排泄日時「1月5日7時15分」と今回の排泄日時「1月7日7時30分」との差分を算出することにより、間隔「48時間15分」を算出する。
【0112】
例えば、1月5日の7時15分に行われた排泄行為については、形はバナナ状、色は黄土、量は多い、排泄時間は20秒、においはなし、間隔は23時間52分であることを示す。
【0113】
なお、排便情報データベース421は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。上述したように、図6中の排便情報データベース421は、複数の使用者の排泄情報を記憶する。例えば、排便情報データベース421は、排泄情報として便画像を記憶してもよい。排便情報データベース421は、便画像に対応する便についての情報を、便画像に対応付けて記憶する。排便情報データベース421は、便画像に対応する便について判定された判定結果(形、色、量、におい等)を、便画像に対応付けて記憶する。排便情報データベース421は、便画像に対応する便の性状や、便画像に対応する便の量等の情報を記憶する。また、排便情報データベース421は、便画像が取得された日時、便画像に対応する便の排泄を行った使用者を識別する情報等を、便画像に対応付けて記憶してもよい。また、排便情報データベース421は、個人の属性として、居住地域や体重を記憶してもよい。排便情報データベース421は、排便データとして、排泄した場所の情報を記憶してもよい。
【0114】
制御部430は、例えば、CPUやGPU等によって、サーバ装置400内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る管理プログラムや生成プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部430は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0115】
図5に示すように、制御部430は、受付部431と、登録部432と、提供部433とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部430の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0116】
受付部431は、情報を受け付ける。受付部431は、記憶部420に記憶させる情報を受け付ける。受付部431は、手動によりユーザが入力した情報を受け付ける。受付部431は、ユーザがユーザ端末200を操作して入力した情報を受け付ける。受付部431は、排便情報データベース421に追加して登録する排便データの入力を受け付ける。受付部431は、トイレシステムTSの便器7以外の便器での排泄の排便データの入力を受け付ける。受付部431は、使用者が手動でユーザ端末200に入力した排便データの入力をユーザ端末200から受信する。受付部431は、トイレシステムTSの便器7以外の便器での使用者の排泄の排便データの手動による入力を受け付ける。また、受付部431が受け付ける全ての情報は、使用者により手動での入力を行ってもよい。
【0117】
受付部431は、情報を取得する取得部としても機能する。受付部431は、記憶部420から各種情報を取得する。受付部431は、便座装置2やユーザ端末200から各種情報を受信する。受付部431は、便座装置2から便に関する情報を受信する。受付部431は、便座装置2から排便データを受信する。受付部431は、便座装置2から使用者を識別するIDとともにその使用者の排便データを受信する。受付部431は、便座装置2から便画像(データ)を受信する。受付部431は、排泄物を受けるボウル部8が形成された便器7の上部に載置される便座装置2に設けられ、便を検知するためにカメラ302からの情報に基づく便画像を取得する。受付部431は、取得した便画像を排便情報データベース421に格納する。
【0118】
登録部432は、各種の情報を登録する処理を行う。登録部432は、便座装置2から取得された排泄情報(排便データ)を登録する。登録部432は、排泄情報を記憶部420に記憶させる。例えば、登録部432は、使用者識別情報に対応付けて排泄情報を排便情報データベース421に登録する。
【0119】
登録部432は、受付部431により受け付けられた情報を記憶部420に登録する。登録部432は、受付部431により受け付けられた手動による便器7以外の便器での排泄の排便データ(排便記録)を排便情報データベース421に記憶する。登録部432は、各種のセンサ(検知部)で検知された排泄情報と時計部232により取得された排泄の日時情報とを含む排便データを自動で排便情報データベース421に記憶する。登録部432は、排便データとともに便器の位置の情報を排便情報データベース421に記憶する。
【0120】
提供部433は、情報を提供する。提供部433は、通信部410を介して外部の情報処理装置へ情報を送信する。例えば、提供部433は、ユーザ端末200や便座装置2へ各種情報を送信する。提供部433は、記憶部420に記憶された排便データをユーザ端末200等へ送信する。
【0121】
提供部433は、各種の情報の生成処理を行う生成部として機能する。提供部433は、ユーザ端末200に表示させる排便データを示すコンテンツを生成する。提供部433は、排便データを示す画面(コンテンツ)を生成する。例えば、提供部433は、画像生成や画像処理等に関する種々の技術を適宜用いて、ユーザ端末200へ提供するコンテンツ(画像情報)を生成する。例えば、提供部433は、Java(登録商標)等の種々の技術を適宜用いて、ユーザ端末200へ提供する画面(画像情報)を生成する。なお、提供部433は、CSS(Cascading Style Sheets)やJavaScript(登録商標)やHTML(Hyper Text Markup Language)の形式に基づいて、ユーザ端末200へ提供するコンテンツ(画像情報)を生成してもよい。また、例えば、提供部433は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やGIF(Graphics Interchange Format)やPNG(Portable Network Graphics)など様々な形式でコンテンツを生成してもよい。
【0122】
提供部433は、複数人の排便データと、個人の排便データとを合わせて示す情報を生成する。提供部433は、個人の属性に合致した複数人の排便データと、個人の排便データを比較する態様で示す情報を生成する。提供部433は、個人の排便データを代表値に処理した情報を比較する態様で示す情報を生成する。例えば、提供部433は、所定の期間における個人の排便データを平均化した情報を比較する態様で示す情報を生成する。提供部433は、生成したコンテンツをユーザ端末200等へ送信する。例えば、提供部433は、図14図25に示すようなグラフを含むコンテンツを生成し、生成したコンテンツをユーザ端末200へ送信する。
【0123】
<1-4.制御フロー例>
図7を用いて、センサに基づく制御フロー例について説明する。図7は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
【0124】
図7中の波形LN1は、着座検知センサ(着座センサ301)による使用者の便座5への着座検知の検知結果を示す。また、図7中の波形LN2は、カメラ302により撮影された画像に基づく便の量の検知結果を示す。なお、図7中の時系列に沿って並ぶ8個の矩形は、対応する各時点において撮影された便器7内の封水部の画像(イメージ)である。
【0125】
図7の例では、波形LN1に示すように、時間t1において、着座センサ301により使用者の便座5への着座が検知される。例えば、時間t1において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていないことを示す「OFF」から、便座5への着座が検知されたことを示す「ON」へ変更される。
【0126】
また、波形LN1に示すように、時間t4において、着座センサ301により使用者の便座5への離座が検知される。例えば、時間t4において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていることを示す「ON」から、便座5への着座が検知されなくなったことを示す「OFF」へ変更される。すなわち、図7の例では、使用者は時間t4以降にトイレ(例えばトイレルームR)から退出する。なお、波形LN1で途中の落ちる箇所を示す検知MDは、使用者が便座5の座り位置調整する等により、着座センサ301がOFFになった場合(チャタリング)を示す。便座装置2は、検知MDのようなわずかな時間(例えば1~5秒程度)でONからOFF、OFFからONへと切り替わった場合、使用者は着座を継続していると判定する。
【0127】
波形LN2では、検知された大便の量を「なし」、「小」、「中」、「多」の4段階で検知する例を示す。なお、図7に示す4段階は、一例に過ぎず、3段階以下であってもよいし、5段階以上であってもよい。例えば、波形LN2では、大便が検知されていないことを示す「なし」と大便が検知されたことを示す「あり」との2段階であってもよい。例えば、大便が検知されていないことを示す「なし」と、大便が検知されているが画像に変化がない状態である「排泄後」と、それ以外の「排泄中」の3段階であってもよい。
【0128】
波形LN2に示すように、時間t2の直後において、カメラ302により検知された画像に1つの便が含まれており、使用者の排便が検知される。これにより、便座装置2は、便の量を「小」と検知し、時間t2に使用者による最初の排便が行われたと判定する。
【0129】
また、波形LN2に示すように、時間t2~t3において、カメラ302により検知された画像に新たな便が追加され、2つの便が含まれており、使用者の排便が検知される。これにより、便座装置2は、便の量を「多」と検知し、使用者による2回目の排便が行われたと判定する。その後、便の量に変化がなくなる。これにより、便座装置2は、時間t3が使用者の最後の排便のタイミングであると判定し、時間t3で使用者による排便が終了したと判定する。
【0130】
便座装置2は、使用者が座ってから最初の便が出るまでの時間を取得する。便座装置2は、時間t1と時間t2との差分から排泄に要した時間を取得する。すなわち、便座装置2は、時間t1から時間t2までの期間TM1を、使用者が排泄に要した時間として取得する。また、便座装置2は、時間t2から時間t3までの期間TM2を、排泄開始から終了までの時間として取得する。また、便座装置2は、時間t3から時間t4までの期間TM3を、排泄終了から使用者がトイレを離れるまでの時間として取得する。
【0131】
<1-5.排便データ例>
ここで、使用者の排便データの一例について図8を用いて説明する。図8は、排便データの一例を示す図である。図8に示す排便データは、使用者AAAの1回の排泄行為に関する排便データを示す。個人ID「AAA」により識別される使用者(使用者AAA)が1月7日の7時30分に行った排泄行為については、形は普通(バナナ状)、色はこげ茶、量は少ない、排泄時間は35秒、においは少しあり、間隔は48時間15分であることを示す。
【0132】
<1-6.情報表示例>
ここで、図9を用いて、情報の表示例を説明する。図9は、情報の表示の一例を示す図である。具体的には、図9は、排泄時刻ごとの使用者の割合を示す表示の一例を示す図である。以下の表示例では、使用者AAAを情報提供先(図中の「あなた」)として、使用者AAAが利用するユーザ端末200での表示を一例として説明する。
【0133】
例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から各使用者の排泄時刻を取得する。サーバ装置400は、排泄時刻を所定の時間間隔(例えば30分)で刻み、ある使用者について、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データ中で最も頻度が高い排泄時刻を、その使用者の排泄時刻として決定してもよい。例えば、サーバ装置400は、使用者AAAについて、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データ中で最も頻度が高い排泄時刻が8時~8時29分である場合、使用者AAAの排泄時刻を「8時(~8時29分)」に決定する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された全使用者について排泄時刻を決定する。そして、サーバ装置400は、各時刻を排泄時刻とする使用者の数を全使用者の数で除することにより、各時刻の使用者の割合を算出する。
【0134】
そして、サーバ装置400は、算出した各時刻の使用者の割合を用いて、図9に示すグラフGR1を生成する。グラフGR1の横軸は排泄時刻を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR1中の曲線RT1は、各時刻の使用者の割合を示す。また、グラフGR1中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR1は、あなたである使用者AAAが属する時刻8時の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR1を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0135】
グラフGR1を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR1を表示する。これにより、使用者AAAは、各時刻において排泄する使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR1を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR1で示す時刻8時の使用者に属することを認識させることができる。
【0136】
排泄時刻の表示は、任意の時間間隔でよく、1分や5分刻みでもよい。また、間隔で刻まず、数値データ(連続値)としてもよい。所定期間の排泄時刻の決定方法は、所定期間内の平均値やトリム平均値、中央値でもよい。
【0137】
<2.変形例>
上述した例では、カメラ302(二次元のイメージセンサ)を用いる例を示したが、センサ(検知部)は二次元のイメージセンサに限らず、様々なセンサであってもよい。例えば、センサ(検知部)がライセンサ(一次元のイメージセンサ)であり、検知部が落下中の便を経時的に撮影した一次元画像を基に検知を行ってもよい。この点について以下説明する。なお、変形例に係る排泄情報管理システム1Aにおいて、実施形態に係る排泄情報管理システム1と同様の点については適宜説明を省略する。
【0138】
<2-1.排泄情報管理システムの構成>
変形例に係る排泄情報管理システムの構成について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、変形例に係る排泄情報管理システムの構成例を示す図である。図11は、変形例に係るセンサの配置の一例を示す斜視図である。
【0139】
図15に示すように、排泄情報管理システム1Aは、便座装置2、操作装置10、着座センサ301、光学ユニット100及びガスセンサユニット350を含むトイレシステムTSと、ユーザ端末200と、サーバ装置400とを有する。このように、排泄情報管理システム1Aは、カメラ302に代えて光学ユニット100を含む点で排泄情報管理システム1と相違する。
【0140】
図11を参照して、センサの配置の一例を説明する。図11は、センサの配置を示すために、便蓋4を除き、便座5において使用者が着座する面(着座面)の反対側の面である裏面51を図示するために、便座5を上げた状態を示す図である。
【0141】
図11に示すように、排泄情報管理システム1Aで用いられるセンサである光学ユニット100は、便器7内を落下する便を検知可能な位置及び向きで、本体カバー30内に配置される。例えば、光学ユニット100は、便器7内に指向性を向けて開口32から露出する位置に設けられる。なお、光学ユニット100は、便器7内を落下する便を検知可能であれば、どのような配置態様であってもよい。光学ユニット100は、便座装置2の構成に含まれてもよい。例えば、光学ユニット100は、図2に示すカメラ302と同様に便座5の裏面51等に配置されてもよい。
【0142】
光学ユニット100は、発光部120により光を大便に対して照射し、大便から反射した光を受光部130により受光することにより排便を経時的に検知する検知部として機能する。光学ユニット100の発光部120や受光部130は、本体カバー30の開口32から露出する。発光部120は、便器7内の排泄物に向けて光を照射可能であり、受光部130は、便器7内の排泄物からの反射光を受光可能となる。
【0143】
光学ユニット100は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、光学ユニット100は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と光学ユニット100とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、光学ユニット100は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。なお、光学ユニット100の詳細は後述する。
【0144】
変形例に係る便座装置2は、実施形態に係る便座装置2と同様に便画像により便の性状を判定する。便座装置2は、本体カバー30に光学ユニット100を配置するための開口32を有する。光学ユニット100を便座5等に配置する場合、便座装置2は、開口32を有しなくてもよい。
【0145】
変形例に係る便座装置2は、便器7内を落下中の排便を撮影することにより、使用者が排泄した大便の画像(便画像)を取得する。変形例に係る通信部21は、実施形態に係る通信部21と同様に、使用者を識別する識別情報(ID)ととともに、その使用者の排便データをサーバ装置400へ送信する。変形例に係る記憶部22は、実施形態に係る記憶部22と同様に各種情報を記憶する。
【0146】
変形例に係る制御部23は、光学ユニット100による検知を基に各種処理を行う。変形例に係る時計部232は、光学ユニット100による検知により排便を経時的に計測する。時計部232は、各種の判定処理を行う。時計部232は、光学ユニット100により検知された一次元画像から二次元画像(便画像)を生成して、生成した便画像を用いて、判定処理を行う。
【0147】
例えば、時計部232は、光学ユニット100により検知された情報を基に便画像を生成する。時計部232は、複数の素子が直線状に配置されたラインセンサ(受光素子)を有する受光部130により、所定時間間隔で経時的に取得されたデータである一次元データ(線状の静止画)を時系列に複数並べて1つの二次元画像を生成する。例えば、時計部232は、光学ユニット100により検知された一次元画像を基に二次元の便画像を生成するがこの点については図12で説明する。なお、二次元の便画像を用いた処理は、実施形態に係る便座装置2での処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0148】
制御部23は、光学ユニット100を制御する。制御部23は、操作装置10から送信された信号に基づいて、光学ユニット100を制御する。制御部23は、発光部120の点灯や消灯を制御するための制御情報を光学ユニット100に送信する。
【0149】
制御部23は、受光部130の電子シャッタの機能を制御するための制御情報を光学ユニット100に送信する。なお、受光部130の電子シャッタは、いわゆるレンズシャッタのような機械的なシャッタとは異なり、受光素子(撮像素子)を電子的に制御して露光を読み出すシャッタ方式である。すなわち、受光部130の電子シャッタは、いわゆる電子式シャッタや電子制御式シャッタである。制御部23は、有線により、ノズルモータ61や電磁弁71や光学ユニット100に制御情報を送信する。なお、制御部23は、無線により、光学ユニット100に制御情報を送信してもよい。
【0150】
制御部23は、光学ユニット100に発光及び受光を行わせる。制御部23は、光学ユニット100を制御して、発光部120に光を照射させ、受光部130により受光を行わせる。制御部23は、着座センサ301によって使用者による便座5への着座が検知されている期間において、光学ユニット100に発光及び受光を行わせる。
【0151】
制御部23は、発光部120による光の照射を制御する。制御部23は、発光部120の発光素子への通電、及び受光素子に対する電圧の印加を制御する。制御部23は、受光素子に対して、電子シャッタを開く制御指示を送り、発光部120の発光素子に通電することで、大便からの反射光を受光可能とする受光制御を行う。制御部23は、一の受光制御の実行開始後、一の受光制御の次の受光制御を実行するまでの間隔を、制御処理が可能な範囲内で任意の時間(例えば0.2ミリ秒以上等)に制御する。なお、上記は一例に過ぎず、光学ユニット100が所望の発光及び受光が可能であれば、制御部23による制御態様はどのような態様であってもよい。また発光部120から照射される光が1波長帯である場合、発光部120からの光を受光制御に合わせて点滅させなくてもよく、連続的に照射してもよい。また、後述のようなカラー方式の受光素子を使う場合は、発光部120から照射される光が複数波長帯である場合でも、連続的に照射してもよい。
【0152】
ここで、制御部23の構成の一例について説明する。制御部23は、ADConverterや演算処理装置やROM(Read Only Memory)や第1のメモリを有する。
【0153】
ADConverterは、いわゆるA/Dコンバータ(アナログ-デジタル変換回路)であり、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換の機能を有する。ADConverterは、アナログ-デジタル変換回路であってもよい。例えば、ADConverterは、受光部130が受光(検知)したアナログデータをデジタルデータに変換する。ADConverterは、アナログデータのうち、所定の範囲のデータを削除したアナログデータをデジタルデータに変換してもよい。例えば、ADConverterは、予め設定された範囲(例えば中央の所定の範囲)の画素に対応するデータだけを残し、残りの範囲の画素に対応するデータを削除してもよい。なお、受光素子に排泄物検知用に画素数等が設定されたラインセンサ等の専用のセンサが用いられる場合、ADConverterは、所定の範囲のデータの削除を行うことなく、アナログデータ全体をデジタルデータに変換する。
【0154】
演算処理装置は、CPUやマイコン等の種々の手段により実現され、各種の処理を実行する。例えば、演算処理装置は、ADConverterにより変換されたデジタルデータを用いた各種処理を実行する。演算処理装置は、ROMに記憶されたプログラム(例えば便の検知プログラムや便性状の判定プログラム等の検知処理に関連する各種プログラム)により各種処理を実行する。例えば、演算処理装置は、ROMに記憶されたプログラムが演算処理装置内の一時的に使用される記憶領域等を作業領域として実行されることにより実現される。
【0155】
演算処理装置は、データを解析する。演算処理装置は、第1のメモリに一時的に記憶されたデータを解析する。演算処理装置は、第1のメモリへの受光部130が受光したデータの転送、第1のメモリに記憶されたデータの解析及び削除を実行する。
【0156】
ROMは、例えば便の検知プログラム等の便の検知処理に関連する各種プログラムを記憶する。
【0157】
第1のメモリは、各種データを一時的に格納する内部メモリ(記憶装置)である。第1のメモリは、受光部130が受光したデータを記憶する。第1のメモリは、ADConverterにより変換されたデジタルデータを格納する。例えば、第1のメモリは、SRAM(Static Random Access Memory)である。なお、第1のメモリは、SRAMに限らず、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の他のRAM(Random Access Memory)やPROM(Programmable Read Only Memory)等の高速処理が可能なROMが用いられる。
【0158】
第1のメモリは、演算処理装置による制御に応じて、データを格納する。例えば、第1のメモリには、96キロバイトや512キロバイト等の記憶容量の記憶装置が用いられる。第1のメモリに一時的に記憶される受光部130が受光したデータには、受光部130により検知された生データ(アナログデータ)や、A/D変換されることによって加工されたデータ(デジタルデータ)が含まれる。
【0159】
なお、上述した制御部23の構成は一例に過ぎず、所望の処理が可能な構成であれば、制御部23はどのような構成であってもよい。また、便座装置2は、第2のメモリを有する。便座装置2は、制御部23により取得されたデータを第2のメモリに格納する。
【0160】
例えば、第2のメモリは、各種データを格納する外部メモリ(記憶装置)である。第2のメモリは、制御部23から取得したデジタルデータを格納する。例えば、第2のメモリは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等が用いられる。第2のメモリは、SD(Secure Digital)カードメモリや、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の種々の記憶装置(メモリ)であってもよい。
【0161】
第2のメモリは、第1のメモリに記憶されたデータを転送可能である。第2のメモリは、第1のメモリよりも記憶領域が大きい。例えば、第2のメモリには、4ギガバイト等、第1のメモリと比べて記憶容量が大きい記憶装置が用いられる。第2のメモリに記憶されたデータは、外部装置に送信されてもよい。排泄情報管理システム1は、便座装置2の通信装置等により、第2のメモリに記憶されたデータを無線により、使用者が利用する端末装置等の外部装置に送信してもよい。
【0162】
なお、第2のメモリは、便座装置2内や便座装置2外等のいずれに設けられてもよい。例えば、第2のメモリは、便座装置2内のMicroSDであってもよいし、便座装置2外にあり、便座装置2とWi-Fi(登録商標)等により通信する外部メモリであってもよい。この場合、演算処理装置は、第1のメモリに一時的に記憶されているデータを、第1のメモリよりも記憶領域が大きい外部メモリである第2のメモリとの通信により、第2のメモリに転送する。なお、第2のメモリと便座装置2との通信は、Wi-Fi(登録商標)に限らず、種々の通信規格、例えばZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)等による通信であってもよい。
【0163】
光学ユニット100は、発光部120と、受光部130とを備える。光学ユニット100は、落下中の便を検知するために複数の素子が直線状に配置された受光素子を有する検知部(検知装置)として機能する。
【0164】
発光部120は、光を照射する。発光部120は、光を照射する発光素子を有する。発光部120は、使用者によって排泄される排泄物に対して光を照射する。発光部120は、使用者によって排泄される大便に対して光を照射する。発光部120は、落下中の大便に対して光を照射する。
【0165】
発光部120は、光を照射する発光素子が設けられる。発光部120は、前方に光を照射する発光素子が設けられる。発光部120は、使用者によって排泄される排泄物に向けて前方に光を照射する発光素子が設けられる。例えば、発光素子は、LED(Light Emitting Diode)である。なお、発光素子は、LEDに限らず、種々の素子が用いられてもよい。
【0166】
発光部120は、前方に光を照射する。発光部120は、使用者によって排泄される大便に向けて前方に光を照射する。発光部120は、複数の発光素子を備える。発光部120は、光を照射する発光素子を複数備える。発光部120は、使用者によって排泄される落下中の大便に対して光を照射する。発光部120は、異なる波長の光を照射するための複数の発光素子を備える。なお、上記は一例に過ぎず、発光部120の発光素子については、所望の発光が可能であれば、その数及び発光する波長については任意の構成が採用可能である。
【0167】
受光部130は、光を受光する。受光部130は、レンズ131や光を受光する受光素子を有する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する排泄物からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する落下中の大便からの反射光を受光する。
【0168】
受光部130は、光を受光する受光素子が設けられる。受光部130は、落下中の便を検知するために複数の素子が直線状に配置された受光素子を有する。例えば、受光素子は、ラインセンサである。例えば、受光素子は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが一列に並べられたラインセンサである。なお、受光素子は、ラインセンサ(一次元のイメージセンサ)に限らず、エリアセンサ(二次元のイメージセンサ)等の各種のセンサが用いられてもよい。
【0169】
受光部130は、受光素子の前方の光を集光するためのレンズ131を備える。受光素子の周囲には、受光素子の前方以外からの光の入射を抑制するためのカバーであるケースが設けられている。受光素子の周囲には、前方に配置されたレンズ131を通過する光以外が受光素子に入射することを抑制するためのカバーであるケースが設けられている。受光素子の周囲には、受光素子の側部方向からの光の入射を抑制するためのカバーであるケースが設けられている。
【0170】
ケースは、受光素子の前方以外からの光を遮断したり、減衰したりする入射抑制カバーとして機能する。ケースは、例えば黒等の光を反射しにくい色に着色されることで、ケース自体からの反射光が受光素子に入ることを抑制する。なお、ケースには、所望の形状に形成可能であれば、樹脂等、種々の材料が用いられてもよい。受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する落下中の大便からの反射光を受光する。受光部130は、発光部120により照射された光に対する大便からの反射光を受光する。
【0171】
<2-2.便画像のデータ取得方法>
ここで、便画像(データ)の取得方法の具体的動作について図12を参照して説明する。図12は、データの取得方法の一例を示す図である。上述した点と同様の点については適宜説明を省略する。
【0172】
図12に示す各要素について説明する。対象物OB1は、検知(測定)対象とする大便(排泄物)を模式的に示す。また、受光装置PDは、例えばラインセンサ等の受光素子を有する受光部130である。
【0173】
また、発光装置LEは、発光素子を有する発光部120である。なお、図12では、説明を簡単にするために、発光装置LEが1つの波長を照射する場合を一例として説明するが、発光装置LEは異なる波長の光を照射してもよい。
【0174】
図12の例では、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の結果を基に便画像(二次元画像)を取得(生成)する処理を概念的に示す。発光装置LEから対象物OB1へ伸びる点線は、発光装置LEから対象物OB1への光の照射を模式的に示し、対象物OB1から受光装置PDへ伸びる点線は、受光装置PDが受光する対象物OB1からの反射光を模式的に示す。また、対象物OB1に重なる矩形枠は、対応する発光及び受光で検知される対象物OB1の範囲(一次元)を模式的に示す。
【0175】
図12の例では、シーンSN1は、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSN1(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PI1に対応する。すなわち、シーンSN1(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PI1を取得(検知)する。
【0176】
また、時間tにおいて取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PI2に対応する。すなわち、時間tでの発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PI2を取得(検知)する。時間tのデータは、時間tのデータの次に取得されたデータである。そのため、便座装置2は、一次元画像PI1に連続させて一次元画像PI2を並べて配置することにより、二次元画像EIを生成する。
【0177】
また、シーンSNiは、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSNi(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PIiに対応する。すなわち、シーンSNi(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PIiを取得(検知)する。
【0178】
また、シーンSNjは、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSNj(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PIjに対応する。すなわち、シーンSNj(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PIjを取得(検知)する。
【0179】
便座装置2は、一次元画像(受光データ)が取得された時間の順序に沿って一次元画像を並べて配置することにより、二次元画像(便情報)を生成する。図12では、便座装置2は、一次元画像PI1、PI2…、PIi…、PIj…の順に並べて配置することにより、二次元画像EIを生成する。
【0180】
なお、上述した例では、発光は1波長である場合を一例として説明したが、複数の波長の発光を行う場合、便座装置2は、発光させた波長ごとに経時的に取得したデータ(一次元画像)を時系列で並べて便情報(二次元画像)を生成する。この点について、3つの異なる波長の光を照射する3つの発光素子の各々の発光及び受光を行う場合を一例として説明する。
【0181】
この場合、便座装置2は、第1波長の光を照射する発光素子(「第1の発光素子」ともいう)を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第1の発光素子に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、590nm等の第1波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第1波長に対応する便情報(第1の二次元画像)を生成する。
【0182】
また、便座装置2は、第2波長の光を照射する発光素子(「第2の発光素子」ともいう)を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第2の発光素子に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、670nm等の第2波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第2波長に対応する便情報(第2の二次元画像)を生成する。
【0183】
また、便座装置2は、第3波長の光を照射する発光素子(「第3の発光素子」ともいう)を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第3の発光素子に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、870nm等の第3波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第3波長に対応する便情報(第3の二次元画像)を生成する。
【0184】
このように、便座装置2は、第1の発光素子、第2の発光素子及び第3の発光素子の各々に対応する3つの波長ごとの二次元画像を生成することにより、カラー画像を取得することができる。例えば便座装置2は、上述した第1の二次元画像、第2の二次元画像及び第3の二次元画像を合成することにより、カラー画像を生成してもよい。また、受光部130のラインセンサ等の受光素子をカラー式の受光素子とし、複数色の発光素子を同時に照射し、反射光の色を受光部で検知して、カラー画像を生成してもよい。
【0185】
<2-3.制御フロー例>
図13を用いて、センサに基づく制御フロー例について説明する。図13は、検知の関係を示すタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図7と同様の点については適宜説明を省略する。
【0186】
図13中の波形LN11は、着座検知センサ(着座センサ301)による使用者の便座5への着座検知の検知結果を示す。また、図13中の波形LN12は、光学ユニット100が撮影した画像による検知結果を示す。
【0187】
図13の例では、波形LN11に示すように、時間t11において、着座センサ301により使用者の便座5への着座が検知される。例えば、時間t11において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていないことを示す「OFF」から、便座5への着座が検知されたことを示す「ON」へ変更される。
【0188】
また、波形LN11に示すように、時間t14において、着座センサ301により使用者の便座5への離座が検知される。例えば、時間t14において、着座センサ301の検知結果が、便座5への着座が検知されていることを示す「ON」から、便座5への着座が検知されなくなったことを示す「OFF」へ変更される。すなわち、図13の例では、使用者は時間t14以降にトイレ(例えばトイレルームR)から退出する。
【0189】
波形LN12では、大便が検知されていないことを示す「便なし」と大便が検知されたことを示す「便あり」との2段階で光学ユニット100により撮影された画像(ラインデータ)に基づく検知結果を示す。
【0190】
波形LN12に示すように、時間t12において、大便が検知されていないことを示す「便なし」から、大便が検知されたことを示す「便あり」になり、使用者の排便が検知される。これにより、便座装置2は、時間t12に使用者による最初の排便が行われたと判定する。
【0191】
また、波形LN12に示すように、時間t13以降において、大便が検知されていないことを示す「便なし」の状態が継続する。これにより、便座装置2は、時間t13が使用者の最後の排便のタイミングであると判定し、時間t13で使用者による排便が終了したと判定する。図13の例では、便座装置2は、時間t12から時間33までの間に3回の排便が行われたと判定する。この例では、1度の排便行為において、排便の回数が3回の場合を示したが、便座装置2は、使用者の最後の排便のタイミングを判定し、1度の排便行為において、排便が1回の場合や、複数回に渡る場合も判定することができる。
【0192】
便座装置2は、使用者が座ってから最初の便が出るまでの時間を取得する。便座装置2は、時間t11と時間t12との差分から排泄に要した時間を取得する。すなわち、便座装置2は、時間t11から時間t12までの期間TM1を、使用者が排泄に要した時間として取得する。また、便座装置2は、時間t12から時間t13までの期間TM2を、排泄開始から終了までの時間として取得する。また、便座装置2は、時間t13から時間t14までの期間TM3を、排泄終了から使用者がトイレを離れるまでの時間として取得する。
【0193】
<3.表示例>
ここから、図14図25を用いて、ユーザ端末200による排便データの表示の一例を説明する。図14図25では、便の形状、色、量、時間、におい、排泄間隔(前回との間隔)などの種別ごとの排便データの表示例を示す。図14図25では棒グラフを、排便データの表示態様の一例として示す。なお、排便データの表示態様は、棒グラフに限らず、折れ線グラフ、円グラフ、レーダーチャート及び各形状のカウント数を円の大きさで示すバブルチャート等の他の形式のグラフ、または文字情報であってもよく、これらを複数表示する表示態様であってもよい。なお、図14図25に示す各グラフGR11~GR22を区別せずに説明する場合、「グラフGR」と総称する。
【0194】
図14図25の表示例では、使用者AAAを情報提供先(図中の「あなた」)として、使用者AAAが利用するユーザ端末200での表示を一例として説明する。各グラフGRは、サーバ装置400により生成され、ユーザ端末200により表示される。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された使用者の排便データを用いて、図14に示すグラフGR11を生成する。そして、サーバ装置400は、図14に示すグラフGR11を含む情報(コンテンツ)をユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、図14に示すグラフGR11を含む情報(コンテンツ)をサーバ装置400から受信する。そして、ユーザ端末200は、図14に示すグラフGR11を含む情報(コンテンツ)を表示する。
【0195】
<3-1.便の形状の表示例>
まず、図14及び図15を用いて、便の形状(形)の表示例について説明する。図14及び図15は、便の形に関する表示の一例を示す図である。具体的には、図14は、全使用者を対象として各便の形の割合を示す表示の一例を示す図である。また、図15は、表示対象となる使用者が属するユーザ属性に該当する使用者を対象として、各便の形の割合を示す表示の一例を示す図である。
【0196】
まず、図14を用いて、全使用者を対象とする場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から各使用者の便の形を取得する。サーバ装置400は、ある使用者について、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データ中で最も頻度が高い便の形を、その使用者の便の形として決定してもよい。例えば、サーバ装置400は、使用者AAAについて、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データ中で最も頻度が高い便の形がカチカチである場合、使用者AAAの便の形を「カチカチ」に決定する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された全使用者について、各個人の、所定の期間の排便データ中で最も頻度が高い便の形を決定し、全使用者について集計する。そして、サーバ装置400は、集計した全使用者の便の形の数を全使用者の数で除することにより、各便の形に該当する使用者の割合を算出する。
【0197】
そして、サーバ装置400は、算出した各便の形に該当する使用者の割合を用いて、図14に示すグラフGR11を生成する。グラフGR11の横軸は便の形を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR11中の複数の棒グラフ(バー)は、各便の形に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR11中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR11は、あなたである使用者AAAが属する便の形「カチカチ」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR11を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0198】
グラフGR11を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR11を表示する。これにより、使用者AAAは、便の形の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR11を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR11で示す便の形「カチカチ」の使用者に属することを認識させることができる。
【0199】
なお、グラフGRに示す情報は、グラフGR11に示す情報に限らず、様々な情報が含まれてもよい。例えば、複数の棒グラフ(バー)のうち望ましい態様(理想)に対応するバーに印(マーク)をつけて表示してもよい。この場合、サーバ装置400は、記憶部420に便の形状、色、量、時間、においに基づく所定のパラメータ、排泄間隔(前回との間隔)などの種別ごとに理想を示す情報を記憶し、記憶した理想を示す情報を用いて、各種別の理想を特定する。例えば、サーバ装置400は、グラフGR11中の複数の棒グラフ(バー)のうち、理想の形であるバナナ状に、例えば「理想」等と表記されたマークを付してもよい。そして、ユーザ端末200は、複数の棒グラフ(バー)のうち、理想の形であるバナナ状に対応するバー(中央のバー)にマークが付されたグラフGR11を表示してもよい。これにより、使用者AAAは、どのような便の形が理想的であるかを認識することができる。また、例えば、使用者が目標とする態様を事前に設定し、複数の棒グラフ(バー)のうち目標に対応するバーに印(マーク)をつけて表示してもよい。これにより、使用者AAAは、使用者全体に対する分布と自身の目標と、現在の態様を認識することができる。
【0200】
次に、図15を用いて、使用者AAAが属するユーザ属性「50代女性」に該当する使用者(以下「属性該当使用者」ともいう)のみを対象とする場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から属性該当使用者の便の形を取得する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、年齢が「50代」に該当し、性別が「女性」該当する使用者を属性該当使用者として特定し、特定した属性該当使用者の便の形を取得する。
【0201】
サーバ装置400は、使用者AAAについて、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データ中で最も頻度が高い便の形がカチカチである場合、使用者AAAの便の形を「カチカチ」に決定する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された属性該当使用者について、各個人の、所定の期間の排便データ中で最も頻度が高い便の形を決定し、全属性該当使用者について集計する。そして、サーバ装置400は、集計した全属性該当使用者の便の形の数を全属性該当使用者の数で除することにより、各便の形に該当する使用者の割合を算出する。
【0202】
そして、サーバ装置400は、算出した各便の形に該当する使用者の割合を用いて、図15に示すグラフGR12を生成する。グラフGR12の横軸は便の形を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR12中の複数の棒グラフ(バー)は、各便の形に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR12中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR12は、あなたである使用者AAAが属する便の形「カチカチ」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR12を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0203】
グラフGR12を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR12を表示する。これにより、使用者AAAは、使用者AAAと同じユーザ属性の使用者について、便の形の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR12を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR12で示す便の形「カチカチ」の使用者に属することを認識させることができる。
【0204】
<3-2.便の色の表示例>
次に、図16及び図17を用いて、便の色の表示例について説明する。図16及び図17は、便の色に関する表示の一例を示す図である。具体的には、図16は、全使用者を対象として各便の色の割合を示す表示の一例を示す図である。また、図17は、表示対象となる使用者が属するユーザ属性に該当する使用者を対象として、各便の色の割合を示す表示の一例を示す図である。なお、上述した図14及び図15と同様の点については説明を省略する。
【0205】
まず、図16を用いて、全使用者を対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から各使用者の便の色を取得する。サーバ装置400は、使用者AAAについて、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データ中で最も頻度が高い便の色がこげ茶である場合、使用者AAAの便の色を「こげ茶」に決定する。同様に、サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された各使用者について便の色を決定する。
【0206】
サーバ装置400は、各便の色に該当する使用者の割合を用いて、図16に示すグラフGR13を生成する。グラフGR13の横軸は便の色を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR13中の複数の棒グラフ(バー)は、各便の色に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR13中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR13は、あなたである使用者AAAが属する便の色「こげ茶」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR13を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0207】
グラフGR13を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR13を表示する。これにより、使用者AAAは、便の色の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR13を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR13で示す便の色「こげ茶」の使用者に属することを認識させることができる。
【0208】
次に、図17を用いて、使用者AAAが属するユーザ属性「50代女性」に該当する使用者(属性該当使用者)のみを対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から属性該当使用者の便の色を取得する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、年齢が「50代」に該当し、性別が「女性」該当する使用者を属性該当使用者として特定し、特定した属性該当使用者の便の色を取得する。
【0209】
サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された属性該当使用者について便の色を決定し、集計する。そして、サーバ装置400は、集計した全属性該当使用者の便の色の数を全属性該当使用者の数で除することにより、各便の色に該当する使用者の割合を算出する。
【0210】
そして、サーバ装置400は、算出した各便の色に該当する使用者の割合を用いて、図17に示すグラフGR14を生成する。グラフGR14の横軸は便の色を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR14中の複数の棒グラフ(バー)は、各便の色に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR14中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR14は、あなたである使用者AAAが属する便の色「こげ茶」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR14を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0211】
グラフGR14を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR14を表示する。これにより、使用者AAAは、使用者AAAと同じユーザ属性の使用者について、便の色の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR14を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR14で示す便の色「こげ茶」の使用者に属することを認識させることができる。
【0212】
<3-3.便の量の表示例>
次に、図18及び図19を用いて、便の量の表示例について説明する。図18及び図19は、便の量に関する表示の一例を示す図である。具体的には、図18は、全使用者を対象として各便の量の割合を示す表示の一例を示す図である。また、図19は、表示対象となる使用者が属するユーザ属性に該当する使用者を対象として、各便の量の割合を示す表示の一例を示す図である。なお、上述した図14図17と同様の点については説明を省略する。
【0213】
まず、図18を用いて、全使用者を対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から各使用者の便の量を取得する。サーバ装置400は、使用者AAAについて、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データ中で1日当たりの便の量の平均値が少ないである場合、使用者AAAの便の量を「少ない」に決定する。同様に、サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された各使用者について便の量を決定する。
【0214】
サーバ装置400は、各便の量に該当する使用者の割合を用いて、図18に示すグラフGR15を生成する。グラフGR15の横軸は便の量を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR15中の複数の棒グラフ(バー)は、各便の量に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR15中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR15は、あなたである使用者AAAが属する便の量「少ない」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR15を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0215】
グラフGR15を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR15を表示する。これにより、使用者AAAは、便の量の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR15を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR15で示す便の量「少ない」の使用者に属することを認識させることができる。
【0216】
次に、図19を用いて、使用者AAAが属するユーザ属性「50代女性」に該当する使用者(属性該当使用者)のみを対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から属性該当使用者の便の量を取得する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、年齢が「50代」に該当し、性別が「女性」該当する使用者を属性該当使用者として特定し、特定した属性該当使用者の便の量を取得する。
【0217】
サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された属性該当使用者について便の量を決定し、集計する。そして、サーバ装置400は、集計した全属性該当使用者の便の量の数を全属性該当使用者の数で除することにより、各便の量に該当する使用者の割合を算出する。
【0218】
そして、サーバ装置400は、算出した各便の量に該当する使用者の割合を用いて、図19に示すグラフGR16を生成する。グラフGR16の横軸は便の量を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR16中の複数の棒グラフ(バー)は、各便の量に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR16中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR16は、あなたである使用者AAAが属する便の量「少ない」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR16を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0219】
グラフGR16を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR16を表示する。これにより、使用者AAAは、使用者AAAと同じユーザ属性の使用者について、便の量の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR16を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR16で示す便の量「少ない」の使用者に属することを認識させることができる。
【0220】
<3-4.排泄時間の表示例>
次に、図20及び図21を用いて、排泄に要する時間(「排泄時間」ともいう)の表示例について説明する。図20及び図21は、排泄に要する時間に関する表示の一例を示す図である。具体的には、図20は、全使用者を対象として各排泄に要する時間の割合を示す表示の一例を示す図である。また、図21は、表示対象となる使用者が属するユーザ属性に該当する使用者を対象として、各排泄に要する時間の割合を示す表示の一例を示す図である。図20及び図21では、サーバ装置400は、所定の長さ(例えば10秒や30秒等)で区切った時間範囲を基に排泄時間を集計するが、時間範囲については任意の設定(例えば1秒間隔や5秒間隔等)が可能である。なお、上述した図14図19と同様の点については説明を省略する。
【0221】
まず、図20を用いて、全使用者を対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から各使用者の排泄時間を取得する。サーバ装置400は、使用者AAAについて、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データにおける排泄時間の平均値が40秒台である場合、使用者AAAの排泄時間を「40秒」に決定する。同様に、サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された各使用者について排泄時間を決定する。
【0222】
サーバ装置400は、各排泄時間に該当する使用者の割合を用いて、図20に示すグラフGR17を生成する。グラフGR17の横軸は排泄時間を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR17中の複数の棒グラフ(バー)は、各排泄時間に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR17中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR17は、あなたである使用者AAAが属する排泄時間「40秒」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR17を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0223】
グラフGR17を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR17を表示する。これにより、使用者AAAは、排泄時間の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR17を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR17で示す排泄時間「40秒」の使用者に属することを認識させることができる。
【0224】
次に、図21を用いて、使用者AAAが属するユーザ属性「50代女性」に該当する使用者(属性該当使用者)のみを対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から属性該当使用者の排泄時間を取得する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、年齢が「50代」に該当し、性別が「女性」該当する使用者を属性該当使用者として特定し、特定した属性該当使用者の排泄時間を取得する。
【0225】
サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された属性該当使用者について排泄時間を決定し、集計する。そして、サーバ装置400は、集計した全属性該当使用者の排泄時間の数を全属性該当使用者の数で除することにより、各排泄時間に該当する使用者の割合を算出する。
【0226】
そして、サーバ装置400は、算出した各排泄時間に該当する使用者の割合を用いて、図21に示すグラフGR18を生成する。グラフGR18の横軸は排泄時間を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR18中の複数の棒グラフ(バー)は、各排泄時間に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR18中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR18は、あなたである使用者AAAが属する排泄時間「40秒」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR18を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0227】
グラフGR18を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR18を表示する。これにより、使用者AAAは、使用者AAAと同じユーザ属性の使用者について、排泄時間の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR18を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR18で示す排泄時間「40秒」の使用者に属することを認識させることができる。
【0228】
<3-5.便のにおいの表示例>
次に、図22及び図23を用いて、便のにおいの表示例について説明する。図22及び図23は、便のにおいに関する表示の一例を示す図である。具体的には、図22は、全使用者を対象として各便のにおいの割合を示す表示の一例を示す図である。また、図23は、表示対象となる使用者が属するユーザ属性に該当する使用者を対象として、各便のにおいの割合を示す表示の一例を示す図である。なお、上述した図14図21と同様の点については説明を省略する。
【0229】
まず、図22を用いて、全使用者を対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から各使用者の便のにおいを取得する。サーバ装置400は、使用者AAAについて、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データ中で最も頻度が高い便のにおいが臭くないである場合、使用者AAAの便のにおいを「臭くない」に決定する。サーバ装置400は、同様に、排便情報データベース421に排便データが記憶された各使用者について便のにおいを決定する。
【0230】
サーバ装置400は、各便のにおいに該当する使用者の割合を用いて、図22に示すグラフGR19を生成する。グラフGR19の横軸は便のにおいを示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR19中の複数の棒グラフ(バー)は、各便のにおいに該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR19中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR19は、あなたである使用者AAAが属する便のにおい「臭くない」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR19を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0231】
グラフGR19を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR19を表示する。これにより、使用者AAAは、便のにおいの使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR19を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR19で示す便のにおい「臭くない」の使用者に属することを認識させることができる。
【0232】
次に、図23を用いて、使用者AAAが属するユーザ属性「50代女性」に該当する使用者(属性該当使用者)のみを対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から属性該当使用者の便のにおいを取得する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、年齢が「50代」に該当し、性別が「女性」該当する使用者を属性該当使用者として特定し、特定した属性該当使用者の便のにおいを取得する。
【0233】
サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された属性該当使用者について便のにおいを決定し、集計する。そして、サーバ装置400は、集計した全属性該当使用者の便のにおいの数を全属性該当使用者の数で除することにより、各便のにおいに該当する使用者の割合を算出する。
【0234】
そして、サーバ装置400は、算出した各便のにおいに該当する使用者の割合を用いて、図23に示すグラフGR20を生成する。グラフGR20の横軸は便のにおいを示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR20中の複数の棒グラフ(バー)は、各便のにおいに該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR20中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR20は、あなたである使用者AAAが属する便のにおい「臭くない」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR20を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0235】
グラフGR20を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR20を表示する。これにより、使用者AAAは、使用者AAAと同じユーザ属性の使用者について、便のにおいの使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR20を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR20で示す便のにおい「臭くない」の使用者に属することを認識させることができる。
【0236】
<3-6.排泄間隔の表示例>
次に、図24及び図25を用いて、排泄間隔(前回との間隔)の表示例について説明する。図24及び図25は、排泄間隔に関する表示の一例を示す図である。具体的には、図24は、全使用者を対象として各排泄間隔の割合を示す表示の一例を示す図である。また、図25は、表示対象となる使用者が属するユーザ属性に該当する使用者を対象として、各排泄間隔の割合を示す表示の一例を示す図である。図24及び図25では、サーバ装置400は、所定の間隔(例えば1日3回以上や1日2回等)で区切った時間範囲を基に排泄間隔を集計するが、間隔については任意の設定(例えば12時間毎、1.5日に1回等)が可能である。なお、上述した図14図23と同様の点については説明を省略する。
【0237】
まず、図24を用いて、全使用者を対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から各使用者の排泄間隔を取得する。サーバ装置400は、使用者AAAについて、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、所定の期間(例えば直近の1週間や1カ月等)の排便データにおける排泄間隔のトリム平均(例えば、上位5%と下位5%を除いたときの平均)の値が24時間より大きく48時間以下である場合、使用者AAAの排泄間隔を「2日毎」に決定する。同様に、サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された各使用者について排泄間隔を決定する。
【0238】
サーバ装置400は、各排泄間隔に該当する使用者の割合を用いて、図24に示すグラフGR21を生成する。グラフGR21の横軸は排泄間隔を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR21中の複数の棒グラフ(バー)は、各排泄間隔に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR21中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR21は、あなたである使用者AAAが属する排泄間隔「2日毎」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR21を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0239】
グラフGR21を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR21を表示する。これにより、使用者AAAは、排泄間隔の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR21を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR21で示す排泄間隔「2日毎」の使用者に属することを認識させることができる。
【0240】
次に、図25を用いて、使用者AAAが属するユーザ属性「50代女性」に該当する使用者(属性該当使用者)のみを対象となる場合の処理の一例を説明する。例えば、サーバ装置400は、排便情報データベース421から属性該当使用者の排泄間隔を取得する。サーバ装置400は、排便情報データベース421に記憶された排便データのうち、年齢が「50代」に該当し、性別が「女性」該当する使用者を属性該当使用者として特定し、特定した属性該当使用者の排泄間隔を取得する。
【0241】
サーバ装置400は、排便情報データベース421に排便データが記憶された属性該当使用者について排泄間隔を決定し、集計する。そして、サーバ装置400は、集計した全属性該当使用者の排泄間隔の数を全属性該当使用者の数で除することにより、各排泄間隔に該当する使用者の割合を算出する。
【0242】
そして、サーバ装置400は、算出した各排泄間隔に該当する使用者の割合を用いて、図25に示すグラフGR22を生成する。グラフGR22の横軸は排泄間隔を示し、縦軸が使用者の割合(%)を示す。グラフGR22中の複数の棒グラフ(バー)は、各排泄間隔に該当する使用者の割合を示す。また、グラフGR22中の「あなた」と表示された矢印で指し示されたバーBR22は、あなたである使用者AAAが属する排泄間隔「2日毎」の使用者の割合を示す。サーバ装置400は、グラフGR22を、使用者AAAが利用するユーザ端末200に送信する。
【0243】
グラフGR22を受信した使用者AAAのユーザ端末200は、グラフGR22を表示する。これにより、使用者AAAは、使用者AAAと同じユーザ属性の使用者について、排泄間隔の使用者の割合を認識することができる。また、排泄情報管理システム1では、バーBR22を指す「あなた」と表示された矢印により、情報提供先である使用者AAAに自身がバーBR22で示す排泄間隔「2日毎」の使用者に属することを認識させることができる。
【0244】
なお、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0245】
使用者の属性は、居住地域や体重でもよい。例えば、居住地域が大きく異なると、食文化が異なるため、便の性状も異なる。そのため、居住地域ごとに排便データを表示してもよい。例えば、体重が大きく異なると、食べる量が異なる。また、肥満の人とやせている人では腸内細菌叢が異なるため、便の性状も異なる。そのため、体重ごとに排便データを表示してもよい。
【0246】
使用者の属性の情報は、排便情報データベース421に使用者識別情報であるユーザIDを登録するときに、使用者情報として、属性情報を併せて登録してもよい。
【0247】
排便情報データベース421に記憶された排便データを集計する所定の期間を測定した日時の直近の1週間や1カ月等としたが、この限りでなく、1度の排泄や、1日、1年でもよい。また、使用者がユーザ端末200を操作することで集計する所定の期間を切り替えて、表示期間を変更することも可能である。
【0248】
排便情報データベース421で集計する使用者の範囲は限定せず、排泄情報管理システム使用者全員を対象としてもよいし、範囲を設定してもよい。例えば、一企業の社員を対象としたデータベースとしてもよい。この場合、一企業内の社員の中で、使用者自身が自身の立ち位置を知ることができる。また、例えば、特定の居住地域の利用者を対象としたデータベースとしてもよい。
【0249】
上述してきた各実施形態及び変形例では、排便データを自動で入力する例で記したが、すべての排便記録の入力は、使用者自身が手動で行ってもよい。この場合、使用者が排泄した後に大便を目視や嗅覚で確認し、使用者自身がユーザ端末200を操作することで排便データを入力することができる。
【0250】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0251】
R トイレルーム
1 排泄情報管理システム
2 便座装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 取得部
232 時計部
233 要求部
3 本体部
30 本体カバー
31 開口
4 便蓋
5 便座
6 洗浄ノズル
60 ノズル用蓋
7 洋式大便器(便器)
71 電磁弁
8 ボウル部
9 リム部
10 操作装置
11 表示画面
200 ユーザ端末
301 着座センサ
302 カメラ
350 ガスセンサユニット
351 ファン
352 においセンサ
400 サーバ装置
410 通信部
420 記憶部
421 排便情報データベース
430 制御部
431 受付部
432 登録部
433 提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2022-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の排泄に関する情報を収集して管理する排泄情報管理システムであって、
個人の排便データとして、排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを記憶する記憶部と、
排便データを表示する表示部と
を有し
記表示部に、
複数人の排便データと、個人の排便データと、を表示する、
もしくは
複数人の排便データと個人の排便データとを比較する態様で示す情報、を表示する
ことを特徴とする排泄情報管理システム。
【請求項2】
前記複数人の排便データと個人の排便データとを比較する態様で示す情報について、個人の排便データに、個人の属性の情報を紐付けて前記記憶部に記憶し、収集したデータを、属性ごとに集計し、個人の属性に合致した複数人の排便データと、個人の排便データを比較する態様で、前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の排泄情報管理システム。
【請求項3】
所定の期間における個人の排便データを代表値に処理した情報を比較する態様で、前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排泄情報管理システム。
【請求項4】
個人の排便データを匿名化された状態で前記記憶部に保存する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の排泄情報管理システム。
【請求項5】
排便した時刻、大便の形、大便の色、大便の量、排泄に要する時間、排泄時のにおいに基づく所定のパラメータ、排泄行為の時間間隔のうち、少なくとも1つを検知する検知部、
を有し、
前記検知部で検知された前記排便データを自動で前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の排泄情報管理システム。