(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147832
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】監視装置およびリモコン装置
(51)【国際特許分類】
H04H 20/12 20080101AFI20220929BHJP
H04H 20/02 20080101ALI20220929BHJP
【FI】
H04H20/12
H04H20/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049258
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 伸郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 淳
(72)【発明者】
【氏名】中村 武司
(72)【発明者】
【氏名】中村 良太
(72)【発明者】
【氏名】西村 亮祐
(57)【要約】
【課題】エンドユーザでも故障解析が容易に行えるようにする技術を提供することにある。
【解決手段】複数の放送送信装置を監視し、各装置の状態が表示される表示部を備え、アラーム発生時に当該アラームのアラーム状況を保存するログ機能を備えた監視装置は、各装置を構成する複数のユニットの接続状態に関連付けて当該装置毎のユニット番号が割り当てられ、アラーム状況を表示する場合に、保存されたアラームログの該当するユニットおよび当該ユニットに接続されたユニットのログを同時に表示する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の放送送信装置を監視し、各装置の状態が表示される表示部を備え、アラーム発生時に当該アラームのアラーム状況を保存するログ機能を備えた監視装置において、
前記各装置を構成する複数のユニットの接続状態に関連付けて当該装置毎のユニット番号が割り当てられ、
アラーム状況を表示する場合に、保存されたアラームログの該当するユニットおよび当該ユニットに接続されたユニットのログを同時に表示する、ことを特徴とする監視装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記装置毎に割り当てられたユニット番号は上位順、または下位順に番号が割り当てられ、
アラーム状況を表示する場合に、保存されたアラームログの該当するユニットおよびその上位接続または下位接続されたユニットのログを同時に表示する、ことを特徴とする監視装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
故障解析を行う操作に基づき、アラーム状況を表示する場合に、PA異常のアラームログを抽出して表示する、ことを特徴とする監視装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の監視装置を備えた地上デジタル放送のマイクロ波伝送装置および送信機のリモコン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置およびリモコン装置に関し、複数の放送送信装置や放送中継装置を監視する監視装置および地上デジタル放送のマイクロ波伝送装置および送信機のリモコン装置に適用して有効な技術である。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送のマイクロ波伝送装置および送信機において、それらを構成する複数の放送送信装置や放送中継装置の異常を監視する技術が提案されている。
【0003】
たとえば、特開2011-097503号公報は、音声信号のように、無音状態の良否判別が難しい本線信号を伝送する音声STL装置において、前段装置の異常の有無を後段の放送所で確認可能なデジタル伝送装置を開示する。特開2010-087948号公報は、デジタルFPU受信基地局を含む放送システムにおいて、アラーム発生時のシステム全体の状態を把握しやすくする技術を開示する。特開2003-333627号公報は、中継放送所のカバーエリア内での送信状態を把握できるようにする技術を開示する。特開2020-080483号公報は、中継放送装置が故障した時に、迅速にかつ精確に故障機器の特定、原因を突き止めることが容易にできる中継放送装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-097503号公報
【特許文献2】特開2010-087948号公報
【特許文献3】特開2003-333627号公報
【特許文献4】特開2020-080483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らも、複数の放送送信装置や放送中継装置を監視する監視装置およびその監視装置を有する遠隔制御装置(以下、リモコン装置という)の開発を行っている。このリモコン装置はアラーム発生項目、アラーム発生時刻、アラーム復帰項目、アラーム復帰時刻を記憶するログ機能を備えたロギング機能を有し、リモコン装置の表示画面には、ログを表示するログ表示部を有している。
【0006】
しかしながら、実際にアラームが発生した時、非常にたくさんのアラームが発生し、実際にリモコン装置を使用するエンドユーザではログを見ても何が起きているのかを解析することが難しく、アラームに係る故障解析が容易に行えないことが分かった。その結果、エンドユーザは複数の放送送信装置の製造元へアラームの解析依頼を行う状況となっていることも分かった。
【0007】
本発明の課題は、エンドユーザでも故障解析が容易に行えるようにする技術を提供することにある。
【0008】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0010】
一実施の形態によれば、複数の放送送信装置を監視し、各装置の状態が表示される表示部を備え、アラーム発生時に当該アラームのアラーム状況を保存するログ機能を備えた監視装置は、各装置を構成する複数のユニットの接続状態に関連付けて当該装置毎のユニット番号が割り当てられ、アラーム状況を表示する場合に、保存されたアラームログの該当するユニットおよび当該ユニットに接続されたユニットのログを同時に表示する。
【発明の効果】
【0011】
上記一実施の形態に係る監視装置によれば、エンドユーザは故障解析を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施例に係る複数の放送送信装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1のSTL送信装置の構成例を説明する図である。
【
図3】
図3は、
図1のSTL受信装置の構成例を説明する図である。
【
図5】
図5は、64QAM変調器、送信変換器、SHF切替器のアラーム項目と割り当てられたアラーム番号を示す図である。
【
図6】
図6は、受信変換器、64QAM復調器、TS切替器のアラーム項目と割り当てられたアラーム番号を示す図である。
【
図7】
図7は、変調励振器、電力増幅器、切替器のアラーム項目と割り当てられたアラーム番号を示す図である。
【
図8】
図8は、比較例に係るアラームログの表示状態を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明に係るアラームログの表示状態を示す図である。
【
図10】
図10は、実施例に係る監視装置の表示画面の表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、PA異常とIM異常が点灯している状態を示す図である。
【
図13】
図13は、PA異常のみ点灯している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態、および、実施例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【実施例0014】
図1は、実施例に係る複数の放送送信装置の構成例を示す図である。
図2は、
図1のSTL送信装置STLTXの構成例を説明する図である。
図3は、
図1のSTL受信装置STLRXの構成例を説明する図である。
図4は、
図1の送信機TXの構成例を説明する図である。
【0015】
図1に示される複数の放送送信装置100は、地上デジタル放送のマイクロ波伝送装置(STLTX,STLRX)および送信機(TX)を構成している。マイクロ波伝送装置(STLTX,STLRX)は、放送内容を演奏所(スタジオ)から送信機TXの設置された送信所へ送るためのSTL(Studio to Transmitter Link)回線において、STL側送信装置STLTXとSTL側受信装置STLRXとを備える。STL側送信装置STLTXはマイクロ波を発生し、STL側受信装置STLRXはSTL側送信装置STLTXの発生したマイクロ波を受信する。STL側送信装置STLTXは、マイクロ波に基づく放送信号を送信機TXへ送信する。そして、送信機TXは、受信した放送信号基づく地上デジタル放送波をアンテナANTから出力するように構成されている。地上デジタル放送のマイクロ波伝送装置(STLTX,STLRX)および送信機(TX)には、地上デジタル放送のマイクロ波伝送装置(STLTX,STLRX)および送信機(TX)の動作を監視する監視装置110が接続されている。監視装置110は、複数の放送送信装置100の各装置の状態が表示される表示部111と、アラーム発生時にそのアラームのアラーム状況を記憶部112に保存するログ機能と、を有する。監視装置110は、遠隔制御装置(以下、リモコン装置という)と言い換えることも可能である。
【0016】
図2に示すように、STL送信装置STLTXには、演奏所から送信されたTS信号(TS:トランスポートストリーム)、所定周波数のクロック(CLK)、TS信号を成す多重フレームの周期を示すフレーム同期信号(FSYNC)を受信する64QAM変調器1-3および光ユニットO1を有する。64QAM変調器1-3の出力のそれぞれは、送信変換器1を含む第1送信装置STLTX1、送信変換器2を第2送信装置STLTX2、電気光変換装置EOの入力に接続されている。第1送信装置STLTX1と第2送信装置STLTX2の出力は、SHF(super high frequency)切替器SW1の入力に接続され、SHF切替器SW1の出力はバンドパスフィルタBPF1の入力に接続され、バンドパスフィルタBPF1の出力信号はSTL側受信装置STLRX側にマイクロ波として発信される。また、電気光変換装置EOおよび光ユニットO1の出力信号は、STL側受信装置STLRXへ送信される。
【0017】
この例では、64QAM変調器1-3および光ユニットO1のおのおのにはユニット番号1が割り当てられている。送信変換器1、送信変換器2および電気光変換装置EOのおのおのにはユニット番号2が割り当てられている。SHF切替器SW1には、ユニット番号3が割り当てられている。
【0018】
図3に示すように、STL送信装置STLTXから送信されたマイクロ波はバンドパスフィルタBPF2に入力され、バンドパスフィルタBPF2の出力は分配器DVの入力に接続される。また、電気光変換装置EOからの出力信号は光電気変換装置OEに入力され、光ユニットO1からの出力信号は光ユニットO2に入力される。分配器DVの2つ出力は、受信変換器1を含む第1受信装置STLRX1の入力と受信変換器2を第2受信装置STLRX2の入力とに接続される。受信変換器1、受信変換器2および光ユニットO2のそれぞれの出力は64QAM復調器1-3の入力に接続される。64QAM復調器1-3および光ユニットO2のそれぞれの出力はTS切替器SW2の入力に接続される。TS切替器SW2の出力は送信機TXへ送信される。
【0019】
この例では、受信変換器1、受信変換器2および光電気変換装置OEのおのおのにはユニット番号4が割り当てられている。64QAM復調器1-3および光ユニットO2のおのおのには、ユニット番号5が割り当てられている。TS切替器SW2には、ユニット番号6が割り当てられている。
【0020】
図4に示すように、変調励振器1および変調励振器2のそれぞれの入力は、TS切替器SW2の出力に接続される。変調励振器1の出力は電力増幅器(PA)1を含む第1送信機TX1の入力(電力増幅器(PA)1の入力に対応する)に接続され、電力増幅器(PA)1の出力はバンドパスフィルタBPF11の入力に接続される。バンドパスフィルタBPF11の出力は、切替器SW3の入力に接続される。変調励振器2の出力は電力増幅器(PA)2を含む第2送信機TX2の入力(電力増幅器(PA)2の入力に対応する)に接続され、電力増幅器(PA)2の出力はバンドパスフィルタBPF12の入力に接続される。バンドパスフィルタBPF12の出力は、切替器SW3の入力に接続される。切替器SW3の出力は、アンテナANTに接続される。
【0021】
この例では、変調励振器1および変調励振器2のおのおのにはユニット番号7が割り当てられている。電力増幅器1および電力増幅器2のおのおのにはユニット番号8が割り当てられている。切替器SW3にはユニット番号9が割り当てられている。
【0022】
本発明では、課題を解決するため、アラーム項目について、上流(演奏所側の64QAM変調器1-3および光ユニットO1)から下流(アンテナANT側の切替器SW3)へと関連付けをする。
図2-
図4に示すように、監視するユニット毎にユニット番号をつけ、ユニット番号の小さいユニットを上位のユニットとする。つまり、
図2-
図4の例では、ユニット番号1が割り当てられた64QAM変調器1-3および光ユニットO1が最上位のユニットであり、ユニット番号9が割り当てられた切替器SW3にはが最下位のユニットである。なお、逆に、ユニット番号の大きいユニットを上位のユニットとしてもよい。
【0023】
アラーム発生時、上位のユニットと下位のユニットでアラームが発生するが、この場合、上位のユニットに原因あると判断する。たとえば、ユニット番号1の64QAM変調器1の異常とユニット番号5の64QAM復調器1の異常が同時に発生した場合、上位ユニットのユニット番号1の64QAM変調器1の異常が原因となり、ユニット番号5の64QAM復調器1の異常が発生したと判断する。
【0024】
同様に、同一のユニット内でもアラーム項目毎にアラーム番号を割り当てるのが良い。
図5、
図6、
図7には、アラーム項目毎に割り当てたアラーム番号が示されている。
図5は、64QAM変調器、送信変換器、SHF切替器のアラーム項目と割り当てられたアラーム番号を示す図である。
図6は、受信変換器、64QAM復調器、TS切替器のアラーム項目と割り当てられたアラーム番号を示す図である。
図7は、変調励振器、電力増幅器、切替器のアラーム項目と割り当てられたアラーム番号を示す図である。
図5、
図6、
図7において、監視するユニット名欄、監視項目欄、ユニット番号欄、アラーム番号欄、および原因アラーム欄が設けられている。アラーム項目毎に割り当てたアラーム番号については、
図5、
図6、
図7に示されているので、個々の詳細な説明については省略する。
【0025】
例えば、
図5中のユニット番号1の64QAM変調器の「局発異常」と「IF出力レベル異常」の両方が発生したとする。この場合、アラーム番号の上位である1の局発異常が原因でアラーム番号2の「IF出力レベル異常」が発生したと判断する。
【0026】
さらに、まれに、下流のユニット番号が原因で上流のユニットにアラームが生じるケースもある。例えば、
図7中のユニット番号7の変調励振器の「IM異常」がこれに該当する。この場合、原因アラームとして、ユニット番号8の電力増幅器(PA)のアラーム番号2「出力異常」を関連付けさせる。
【0027】
このように、それぞれユニット毎、アラーム毎にユニット番号、アラーム番号を割り付け関連付けすることで、監視装置110によって故障解析を可能とすることができる。つまり、監視装置110は、地上デジタル放送のマイクロ波伝送装置(STLTX,STLRX)および送信機(TX)を構成する複数の放送送信装置の動作状態および異常状態を、ユニット番号およびアラーム番号に基づいて解析するように構成され、異常状態は発生した場合には、ユニット番号およびアラーム番号に基づいて故障解析を行うことができるように構成されている。
【0028】
つぎに、監視装置110の具体的なログの表示方法を、
図8、
図9を用いて説明する。
図8は、比較例に係るアラームログの表示状態を示す図である。
図9は、本発明に係るアラームログの表示状態を示す図である。
【0029】
監視装置110は、複数の放送送信装置100を監視し、各装置の状態が表示される表示部111を備え、アラーム発生項目、アラーム発生時刻、アラーム復帰項目、アラーム復帰時刻を記憶部112して保存するログ機能を備えたロギング機能を有している。アラーム発生時、表示部111には、アラーム発生項目、アラーム発生時刻、アラーム復帰項目、アラーム復帰時刻などが表示される。
【0030】
図8に示すように、実際にアラームが発生時、監視装置110の表示部111には、非常にたくさんのアラームが表示される場合が多い。このため、複数の放送送信装置100を使用するエンドユーザは、
図8に示すような非常にたくさんのアラームを見ても、複数の放送送信装置100に何がおきているのかを解析することが難しい。その結果、エンドユーザは、監視装置110を含む複数の放送送信装置100の製造元へ解析依頼を行う状況となっている。
【0031】
図9に示すアラームログの表示状態では、アラームログの右横に故障解析の結果を「故障原因」として表示する。この例では、電力増幅器の「出力異常」の右側部分、および、64QAM変調器の「局発異常」の右側部分に、「故障原因」のマークが追加表示されている。
【0032】
つまり、
図5で説明したように、ユニット番号1の64QAM変調器の「局発異常」と「IF出力レベル異常」の両方が発生した場合、アラーム番号の上位であるアラーム番号1の局発異常が原因でアラーム番号2の「IF出力レベル異常」が発生したと判断するので、64QAM変調器の「局発異常」の右側に「故障原因」のマークを追記する。また、
図7で説明したように、下流のユニット番号8の電力増幅器のアラーム番号2の「出力異常」が原因で上流のユニット番号7の変調励振器の「IM異常」のアラームが生じているので、電力増幅器の「出力異常」の右側に「故障原因」のマークを追記する。これにより、発生したアラームログにおいて、故障原因となるアラームを識別可能に表示することで、エンドユーザでも故障解析が容易に行えるようにした。
【0033】
ここで、アラーム状況を表示する場合、保存されたアラームログの該当するユニット(電力増幅器)および当該ユニットに接続されたユニット(変調励振器)のログを同時に表示することが行われる。言い換えると、装置毎に割り当てられたユニット番号は上位順または下位順に番号が割り当てられた場合において、アラーム状況を表示する場合、保存されたアラームログの該当するユニットおよびその上位接続または下位接続されたユニットのログを同時に表示することが行われる。
【0034】
図10は、実施例に係る監視装置の表示画面の表示例を示す図である。
図11は、
図10の表示画面の構成を説明する図である。
【0035】
図10に示すように、監視装置110の表示部111の表示画面20は、複数の制御ボタン、複数の放送送信装置100を構成する各装置を表示する複数の装置ボタン、複数の放送送信装置100の信号の流れを左から右に模擬し、伝送する順番に各装置を左から右に配置して信号処理系統図を表示させたり、各装置を矢印でつないで、どの装置に流れるのかを信号駆動図として明示したりする。また、ログの表示部も設けられている。
【0036】
図11に示すように、表示画面20は、機能制御ボタンが配置される表示部21、表示部分選択ボタンが配置される表示部22、ログ表示制御ボタンが配置される表示部23、ログデータが表示される表示部24、および、表示部25、を有している。表示部25に表示される表示内容は、表示部21に配置された機能制御ボタンの選択(押下)状態、および、表示部22に配置された表示部分選択ボタンの選択(押下)状態により、その表示が切り替わるように構成することができる。
【0037】
表示部21に配置された機能制御ボタンは、
図10の例では、「監視制御」、「テレメータ」、「ログデータ」、「故障解析」、「設定」の機能制御ボタンを含む。表示部22に配置された表示部分選択ボタンは、
図10の例では、「全体」、「STL TX」、「STL RX」、「入力架」、「TX1」、「TX2」、「出力切替架」、「局舎設備」、「モニタ切替器」、「監視データ一覧」の表示部分選択ボタンを含む。表示部23に配置されたログ表示制御ボタンは、
図10の例では、ログ表示装置の所在選択ボタンと装置選択ボタン、非表示条件を指定する各ボタン(「注意」、「警報」、「制御」)を有する。
【0038】
図10の表示画面20の表示例は、「監視制御」と「全体」とが選択された状態あり、表示部25の上側部分には、「STL TX」、「STL RX」、「入力架」、「TX1」、「TX2」、「出力切替架」、「局舎設備」毎の各監視対象ユニットの動作状態(アラーム状況)が表示される。また、表示部25の各監視対象ユニットの状態が表示され部分の下側部分には、信号処理系統図が表示される。
【0039】
図11には、表示部21に配置された「故障解析」ボタン211を拡大して示している。なお、「故障解析」ボタンは、この例では、表示部21に設けているが、「故障解析」ボタンの配置場所は表示画面20の画面内のどこの部分に設けてもよい。
【0040】
次に、
図12、
図13を用いて、「故障解析」ボタン211の動作について説明する。
図12は、PA異常とIM異常が点灯している状態を示す図である。
図13は、PA異常のみ点灯している状態を示す図である。
図12、
図13には、第1送信機TX1の動作状態(アラーム状況)が表示されている。
【0041】
図9に示すアラームログの表示状態を視覚的に見たい場合には、表示部21に配置された「故障解析」ボタン211を選択または押下する。つまり、故障解析を行う操作(「故障解析」ボタン211を選択)に基づき、アラーム状況を表示する場合に、PA異常のアラームログを抽出して表示することができる。
【0042】
図13は「故障解析」ボタン211を押下した状態である。
図12はPA異常とIM異常が点灯しているが、このIM異常はPAの出力異常が原因で発生したIM異常である。そのため、「故障解析」ボタン211を押下すると、
図13に示すように、PA異常のみ点灯するように画面が変更される。もう一度「故障解析」ボタン211を押下すると解除され、
図12の状態に偏移する。
【0043】
実施例よれば、障害発生時、非常にたくさんのアラームがログ上に表示され、エンドユーザでは原因の特定が困難であったが、実施例の機能を設けることで、エンドユーザでも故障の原因特定が容易となり、障害発生時の対応が容易になる。
【0044】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。