(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147861
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】型枠用治具及び型枠用治具装置
(51)【国際特許分類】
E04G 21/10 20060101AFI20220929BHJP
E04G 11/06 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
E04G21/10 A
E04G11/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049305
(22)【出願日】2021-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】597095131
【氏名又は名称】株式会社東海建商
(74)【代理人】
【識別番号】100110744
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 敬知
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】福田 哲也
【テーマコード(参考)】
2E150
2E172
【Fターム(参考)】
2E150AA40
2E150BA12
2E150BA32
2E150BA42
2E150LB02
2E150LB03
2E150MA01Z
2E172AA05
2E172GA02
2E172GA06
2E172HA03
(57)【要約】
【課題】住宅の基礎コンクリートにおける布基礎部に切り込み部を簡単且つ確実に形成できると共に周囲を汚すことなく繰り返し使用可能な型枠用治具及び型枠用治具装置を提供する。
【解決手段】短尺直線部用治具10は、住宅の基礎コンクリートにおいて布基礎部NKの側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部である玄関落しGOを形成するために基礎型枠Kに取り付けられる治具であって、長方形状の本体板11と、本体板11の下辺全体から前方へ所定奥行dに対応する長さに延設される底板12と、本体板11の前面にて底板12の上方に間隔を隔てた位置から前方へ所定奥行に対応する長さに延設される間隔保持片13と、本体板11に設けられて基礎型枠Kにおける内側型枠K1の上部に固定される取付部14と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の基礎コンクリートにおいて布基礎部の側面の上部に所定奥行に帯状に切り欠かれた切り込み部を形成するために基礎型枠に取り付けられる治具であって、
長方形状の本体板と、
前記本体板の下辺全体から前方へ前記所定奥行に対応する長さに延設される底板と、
前記本体板の前面にて前記底板の上方に間隔を隔てた位置から前方へ前記所定奥行に対応する長さに延設される間隔保持片と、
前記本体板に設けられて前記基礎型枠の上部に固定される取付部と、
を備える、型枠用治具。
【請求項2】
前記取付部は、前記基礎型枠に対する前記本体板の取付け高さを調整可能に構成される、請求項1に記載の型枠用治具。
【請求項3】
前記取付部は、前記本体板から上方へ板状に延設されると共に、高さ方向に長い長穴形状の調整穴が設けられ、前記調整穴に挿通された締結具によって任意の高さで位置決めされて前記基礎型枠に対して固定される、請求項2に記載の型枠用治具。
【請求項4】
前記取付部は、前記本体板の上端から前方へ板状に延設されて前記基礎型枠に対して固定される、請求項1に記載の型枠用治具。
【請求項5】
前記間隔保持片は、前記底板の上方に間隔を隔てて平行に配置される板状片である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の型枠用治具。
【請求項6】
前記型枠用治具は、一つの前記本体板が設けられて、前記基礎型枠の直線部に取り付けられる直線部用治具である、請求項1乃至5の何れか一項に記載の型枠用治具。
【請求項7】
前記型枠用治具は、二つの前記本体板が一体化して平面視L字形に設けられると共に、前記底板、前記間隔保持片、及び前記取付部は、前記各本体板にそれぞれ設けられて、前記基礎型枠のコーナー部に取り付けられるコーナー部用治具である、請求項1乃至5の何れか一項に記載の型枠用治具。
【請求項8】
前記本体板は前記平面視L字形の内側を前面として前記底板及び前記間隔保持片が延設される、請求項7に記載の型枠用治具。
【請求項9】
前記本体板は前記平面視L字形の外側を前面として前記底板及び前記間隔保持片が延設される、請求項7に記載の型枠用治具。
【請求項10】
前記型枠用治具は、住宅の玄関における基礎コンクリートの布基礎部に設けられる切り込み部である玄関落しを形成するために前記基礎型枠の内側型枠に取り付けられる玄関落し用治具である、請求項1乃至9の何れか一項に記載の型枠用治具。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の型枠用治具を複数組み合わせて構成される型枠用治具装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の玄関等において基礎コンクリートを形成する際に基礎型枠と共に用いられる型枠用治具及び型枠用治具装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅の基礎コンクリートを形成するために、地面上に多数の基礎型枠を配置し、これらの基礎型枠で囲まれる空間にコンクリートを打設し、コンクリートを固化させることにより行われている(例えば、特許文献1等参照。)。特に、住宅の玄関に形成される基礎コンクリートにおいては、立ち上がり部である布基礎部の玄関土間に面する側の上部に、タイル等の装飾材を高さ方向に数cm~10cm程度の幅で帯状に貼りつける意匠が好まれている。このタイル等を貼りつけるスペースを予め布基礎部に確保するため、布基礎部の玄関土間に面する側の上部が帯状に切り欠かれた切り込み部となるように基礎コンクリートの施工が行われる。この布基礎上部の帯状の切り込み部は、「玄関落し」と称されることがある。
【0003】
具体的には、布基礎部を形成するために設置される基礎型枠の外側型枠及び内側型枠のうち、内側型枠の上部に発泡スチロール板を取り付けた状態でコンクリートの打設を行う。そして、コンクリートが固化した後、基礎型枠を解体する際に、内側型枠から発泡スチロール板の取り外しが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、施工現場で所望の寸法や形状の発泡スチロール板を、施工の度に用意するのは手間がかかるという問題がある。さらに、施工後の基礎型枠を解体する際に発泡スチロール板を取り外す際に発泡スチロールの屑や破片が周囲に飛散するため、それらを除去するために清掃作業が必要になるという問題もある。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、住宅の基礎コンクリートにおける布基礎部に切り込み部を簡単且つ確実に形成できると共に周囲を汚すことなく繰り返し使用可能な型枠用治具及び型枠用治具装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る型枠用治具は、住宅の基礎コンクリートにおいて布基礎部の側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部を形成するために基礎型枠に取り付けられる治具であって、長方形状の本体板と、前記本体板の下辺全体から前方へ前記所定奥行に対応する長さに延設される底板と、前記本体板の前面にて前記底板の上方に間隔を隔てた位置から前方へ前記所定奥行に対応する長さに延設される間隔保持片と、前記本体板に設けられて前記基礎型枠の上部に固定される取付部と、を備える。
【0008】
この構成によれば、型枠用治具が取付部を介して基礎型枠の上部に固定されると、底板及び間隔保持片の前端が基礎型枠の側面に当接して基礎型枠の側面と本体板との間隔が所定奥行に保持され、底板と長方形状の本体板とに囲まれた所定奥行の空間が形成される。このため型枠用治具を基礎型枠に取り付けた状態で、所定高さまでコンクリートを打設することにより、布基礎部の側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部を形成することができる。また、基礎型枠を解体する際に、従来の発泡スチロール板のような屑や破片の発生が無く、当該基礎型枠での使用が終わった後、別の基礎型枠に取り付けて使用することもできる。よって、住宅の基礎コンクリートにおける布基礎部に切り込み部を簡単且つ確実に形成できると共に周囲を汚すことなく繰り返し使用可能であるという効果を奏する。
【0009】
また、前記取付部は、前記基礎型枠に対する前記本体板の取付け高さを調整可能に構成される。
【0010】
この構成によれば、取付部を介して型枠に対する本体板の取付け高さを調整することにより、布基礎部の様々な高さ位置に切り込み部を形成することができる。
【0011】
また、前記取付部は、前記本体板から上方へ板状に延設されると共に、高さ方向に長い長穴形状の調整穴が設けられ、前記調整穴に挿通された締結具によって任意の高さで位置決めされて前記基礎型枠に対して固定される。
【0012】
この構成によれば、調整穴における締結具の締結位置を変えることで、本体板の取付け高さを簡単且つ自在に調整することができる。
【0013】
また、前記取付部は、前記本体板の上端から前方へ板状に延設されて前記基礎型枠に対して固定される。
【0014】
この構成によれば、極めて簡単な構造の取付部を介して、型枠用治具を基礎型枠の上部に確実に固定することができる。
【0015】
また、前記間隔保持片は、前記底板の上方に間隔を隔てて平行に配置される板状片である。
【0016】
この構成によれば、底板の前端と間隔保持片の前端とが、上下に間隔を隔てて基礎型枠の側面に当接することで、本体板の全体を基礎型枠の側面に対して傾斜することなく所定奥行の間隔で平行に配置することができる。
【0017】
また、前記型枠用治具は、一つの前記本体板が設けられて、前記基礎型枠の直線部に取り付けられる直線部用治具である。
【0018】
この構成によれば、直線部用治具としての型枠用治具を基礎型枠の直線部に取り付けることで、布基礎部の直線部の側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部を形成することができる。
【0019】
また、前記型枠用治具は、二つの前記本体板が一体化して平面視L字形に設けられると共に、前記底板、前記間隔保持片、及び前記取付部は、前記各本体板にそれぞれ設けられて、前記基礎型枠のコーナー部に取り付けられるコーナー部用治具である。
【0020】
この構成によれば、型枠用治具を型枠のコーナー部に取り付けることで、布基礎部のコーナー部の側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部を形成することができる。
【0021】
また、前記本体板は前記平面視L字形の内側の面を前面として前記底板及び前記間隔保持片が延設される。
【0022】
この構成によれば、布基礎部において外側に凸をなすコーナー部の側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部を形成することができる。
【0023】
また、前記本体板は前記平面視L字形の外側の面を前面として前記底板及び前記間隔保持片が延設される。
【0024】
この構成によれば、布基礎部において内側に凸をなすコーナー部の側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部を形成することができる。
【0025】
また、前記型枠用治具は、住宅の玄関における基礎コンクリートの布基礎部に設けられる切り込み部である玄関落しを形成するために前記基礎型枠の内側型枠に取り付けられる玄関落し用治具である。
【0026】
この構成によれば、住宅の玄関における基礎コンクリートの布基礎部に設けられる玄関落しを確実に形成することができる。
【0027】
また、型枠用治具装置は、上記型枠用治具を複数組み合わせて構成される。
【0028】
この構成によれば、型枠用治具を複数組み合わせて構成された型枠用治具装置を、様々な形状や大きさの基礎型枠に取り付け可能であり、住宅の基礎コンクリートにおける様々な形状や大きさの布基礎部に切り込み部を簡単且つ確実に形成できると共に、周囲を汚すことなく繰り返し使用可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態に係る型枠用治具装置を取り付けた基礎型枠の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す基礎型枠を用いて施工が完了した住宅の玄関における基礎コンクリートの布基礎部を示す斜視図である。
【
図3】実施形態に係る短尺直線部用治具を示す斜視図である。
【
図4】実施形態に係る短尺直線部用治具を示す正面図である。
【
図5】実施形態に係る短尺直線部用治具を示す背面図である。
【
図6】実施形態に係る短尺直線部用治具を示す右側面図である。
【
図7】実施形態に係る短尺直線部用治具を示す平面図である。
【
図8】実施形態に係る短尺直線部用治具を示す底面図である。
【
図9】実施形態に係る短尺直線部用治具が基礎型枠に取り付けられた状態を示す正面側斜視図である。
【
図10】実施形態に係る短尺直線部用治具が基礎型枠に取り付けられた状態を示す背面側斜視図である。
【
図11】実施形態に係る長尺直線部用治具を示す斜視図である。
【
図12】実施形態に係るコーナー部用治具を示す斜視図である。
【
図13】実施形態に係るコーナー部用治具を示す正面図である。
【
図14】実施形態に係るコーナー部用治具を示す背面図である。
【
図15】実施形態に係るコーナー部用治具を示す右側面図である。
【
図16】実施形態に係るコーナー部用治具を示す左側面図である。
【
図17】実施形態に係るコーナー部用治具を示す平面図である。
【
図18】実施形態に係るコーナー部用治具を示す底面図である。
【
図19】実施形態に係る短尺直線部用治具を上限位置で基礎型枠に取り付けてコンクリートを打設した状態を示す断面図である。
【
図20】実施形態に係る短尺直線部用治具を下限位置で基礎型枠に取り付けてコンクリートを打設した状態を示す断面図である。
【
図21】第1変形例に係る型枠用治具装置を取り付けた基礎型枠の全体構成を模式的に示す平面図である。
【
図22】第1変形例に係るコーナー部用治具を示す斜視図である。
【
図23】第1変形例に係るコーナー部用治具を示す正面図である。
【
図24】第1変形例に係るコーナー部用治具を示す背面図である。
【
図25】第1変形例に係るコーナー部用治具を示す右側面図である。
【
図26】第1変形例に係るコーナー部用治具を示す左側面図である。
【
図27】第1変形例に係るコーナー部用治具を示す平面図である。
【
図28】第1変形例に係るコーナー部用治具を示す底面図である。
【
図29】第2変形例に係る短尺直線部用治具を示す斜視図である。
【
図30】第2変形例に係る短尺直線部用治具を示す正面図である。
【
図31】第2変形例に係る短尺直線部用治具を示す背面図である。
【
図32】第2変形例に係る短尺直線部用治具を示す右側面図である。
【
図33】第2変形例に係る短尺直線部用治具を示す平面図である。
【
図34】第2変形例に係る短尺直線部用治具を示す底面図である。
【
図35】第2変形例に係る短尺直線部用治具を基礎型枠に取り付けてコンクリートを打設した状態を示す断面図である。
【
図36】第2変形例に係る長尺直線部用治具を示す斜視図である。
【
図37】第2変形例に係るコーナー部用治具を示す斜視図である。
【
図38】第2変形例に係るコーナー部用治具を示す正面図である。
【
図39】第2変形例に係るコーナー部用治具を示す背面図である。
【
図40】第2変形例に係るコーナー部用治具を示す右側面図である。
【
図41】第2変形例に係るコーナー部用治具を示す左側面図である。
【
図42】第2変形例に係るコーナー部用治具を示す平面図である。
【
図43】第2変形例に係るコーナー部用治具を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る型枠用治具及び型枠用治具装置を具体化した玄関落し治具及び玄関落し治具装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0031】
最初に、本発明の実施形態に係る玄関落し治具装置1の全体構成について、
図1を参照しつつ説明する。
図1は玄関落し治具装置1を取り付けた基礎型枠Kの全体構成を示す斜視図である。
図2は
図1に示す基礎型枠Kを用いて施工が完了した住宅の玄関における基礎コンクリートの布基礎部NKを示す斜視図である。背景技術でも述べたように、住宅の玄関に形成される基礎コンクリートにおいては、立ち上がり部である布基礎部NKの玄関土間に面する側の上部に、タイル等の装飾材を高さ方向に数cm~10cm程度の幅で帯状に貼りつける意匠が好まれている。このタイル等を貼りつけるスペースを予め布基礎部NKに確保するため、布基礎部NKの玄関土間に面する側の上部が帯状に切り欠かれた形状(切り込み部)となるように基礎コンクリートの施工が行われる。本明細書では、この布基礎部NKの上部に20mm前後の所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部を玄関落しと称する。
【0032】
玄関落し治具装置1は、住宅の玄関における基礎コンクリートにおいて、
図2に示すように、布基礎部NKの側面の上部に所定奥行dで帯状に切り欠かれた切り込み部としての玄関落しGOを形成するために用いられる型枠用治具装置である。玄関落し治具装置1は、
図1に示すように、布基礎部NKを形成するための基礎型枠Kに取り付けられる。基礎型枠Kは、複数の型枠パネルKPを平面視長方形状に配置し連結してなる内側型枠K1と、内側型枠K1の外側に布基礎部NKの幅だけ離間させて複数の型枠パネルKPを平面視長方形状に配置し連結してなる外側型枠K2とを備えて構成される。尚、
図1では、内側型枠K1を見易くするために手前側の外側型枠K2の図示が省略されている。
【0033】
玄関落し治具装置1は、内側型枠K1において、対向する2つの短辺の直線部に取り付けられる2個の短尺直線部用治具10と、対向する2つの長辺の直線部に取り付けられる2個の長尺直線部用治具20と、四隅のコーナー部CAに取り付けられる4個のコーナー部用治具30と、を備えて構成される。
【0034】
次に、短尺直線部用治具10の構成について、
図3乃至
図10を参照しつつ説明する。
図3は短尺直線部用治具10を示す斜視図、
図4は正面図、
図5は背面図、
図6は右側面図、
図7は平面図、
図8は底面図である。
図9は短尺直線部用治具10が内側型枠K1に取り付けられた状態を示す正面側斜視図、
図10は背面側斜視図である。尚、左側面図は、
図6の右側面図と対称に表れるため、省略する。
【0035】
短尺直線部用治具10は、内側型枠K1の短辺の直線部に取り付けられる玄関落し治具である。短尺直線部用治具10を構成する各部の材質は金属であり、例えば、防錆性能に優れたSECC(電気亜鉛メッキ鋼板)が好適に用いられる。
【0036】
より具体的には、短尺直線部用治具10は、本体板11と、底板12と、間隔保持片13と、取付部14とを備えて構成される。
【0037】
本体板11は、横に長い長方形状の薄い金属板であり、例えば縦200mm×横500mm×厚み2mmに設定される。
【0038】
底板12は、本体板11の下辺全体から前方へ玄関落しGOの所定奥行dに対応する長さ(例えば20mm)に延設される。底板12は、本体板11の母材である金属板の下部を前方側へ直角に折り曲げ加工することによって形成される。
【0039】
間隔保持片13は、本体板11の前面にて底板12の上方に間隔を隔てた位置から前方へ玄関落しGOの所定奥行dに対応する長さに延設され、間隔保持片13前端の前後方向位置は底板12の前端と同一となっている。具体的には、間隔保持片13は、左右に細長い(例えば、本体板11よりも短い300mmの)長方形状の金属板を折り曲げ加工したL字形の板状片を本体板11の前面に溶接により固定したものである。
【0040】
取付部14は、本体板11に設けられて内側型枠K1の上部に固定される部位であって、内側型枠K1に対する本体板11の取付け高さを調整可能に構成される。具体的には、取付部14は、やや縦長の長方形状の金属板を本体板11の前面上部に溶接したもので、本体板11から上方へ板状に延設されると共に、高さ方向に長い長穴形状の調整穴14aが設けられている。
【0041】
一方、内側型枠K1の上枠K1aには、固定具5が取り付けられている。固定具5は、コ字金具6と、蝶ネジ7と、L字金具8と、蝶ネジ9とを備えて構成される。コ字金具6は、断面コ字状の金具であって、内側型枠K1の上枠K1aをコ字の上辺と下辺とで挟む姿勢でコンクリート打設空間とは反対側に配置される。L字金具8は、断面L字状の金具であって、L字の横辺がコ字金具6の上辺と内側型枠K1の上枠K1a上面との間に挟まれると共に、縦辺がコンクリート打設空間の上方に立設する姿勢で配置される。さらに、L字金具8は、蝶ネジ7をコ字金具6下辺の雌ネジ穴に下側から螺合させて上枠K1aに対して横辺を押圧することで固定される。
【0042】
このように固定具5が内側型枠K1の上枠K1aに取り付けられた状態で、取付部14は、締結具としての蝶ネジ9を調整穴14aへ挿通して任意の高さに位置決めし、L字金具8縦辺の雌ネジ穴8aに螺合させて締結することで、短尺直線部用治具10の内側型枠K1に対する固定が図られる。
【0043】
次に、長尺直線部用治具20の構成について、
図11を参照しつつ説明する。
図11は長尺直線部用治具20を示す斜視図である。長尺直線部用治具20は、内側型枠K1の長辺の直線部に取り付けられる玄関落し治具である。長尺直線部用治具20を構成する各部の材質は、短尺直線部用治具10と同様の金属によって構成される。
【0044】
より具体的には、長尺直線部用治具20は、本体板21と、底板22と、間隔保持片23と、取付部24とを備えて構成される。
【0045】
本体板21は、短尺直線部用治具10の本体板11よりもさらに横長の長方形状の薄い金属板であり、例えば縦200mm×横1000mm×厚み2mmに設定される。底板22及び間隔保持片23は、本体板21の長さに合わせてサイズや配置が設定されている点を除き、それぞれ短尺直線部用治具10の底板12及び間隔保持片13と同様の構成を有するものである。
【0046】
取付部24は、短尺直線部用治具10の取付部14と同様のものである。但し、短尺直線部用治具10では本体板11上部における長手方向中央の1箇所のみ取付部14が設けられるが、長尺直線部用治具20では本体板21上部における長手方向の左右2箇所に取付部24が設けられる点が異なっている。
【0047】
長尺直線部用治具20は、固定具5が内側型枠K1の上枠K1aの2箇所に取り付けられた状態で、2つの取付部24を介して内側型枠K1に対する固定が図られる。
【0048】
次に、コーナー部用治具30の構成について、
図12乃至
図18を参照しつつ説明する。
図12はコーナー部用治具30を示す斜視図、
図13は正面図、
図14は背面図、
図15は右側面図、
図16は左側面図、
図17は平面図、
図18は底面図である。コーナー部用治具30は、内側型枠K1の四隅のコーナー部CAに取り付けられる玄関落し治具である。コーナー部用治具30を構成する各部の材質は、短尺直線部用治具10や長尺直線部用治具20と同様の金属によって構成される。
【0049】
より具体的には、コーナー部用治具30は、二つの本体板31が一体化して平面視L字形に設けられると共に、各本体板31には、平面視L字形の内側を前面として、底板32、間隔保持片33、及び取付部34がそれぞれ設けられて構成される。
【0050】
本体板31は、正方形状の薄い金属板であり、例えば縦200mm×横200mm×厚み2mmに設定される。底板32、間隔保持片33及び取付部34は、本体板31の長さに合わせてサイズや配置が設定されている点を除き、それぞれ短尺直線部用治具10の底板12、間隔保持片13及び取付部14と同様の構成を有するものである。
【0051】
コーナー部用治具30は、
図1に示すように、固定具5が内側型枠K1のコーナー部CAにおける上枠K1aの2箇所に取り付けられた状態で、2つの取付部34を介して内側型枠K1に対する固定が図られる。
【0052】
次に、短尺直線部用治具10の取付け高さの調整方法について
図19及び
図20を参照しつつ説明する。
図19は短尺直線部用治具10を上限寄りの位置で内側型枠K1に取り付けてコンクリートCを打設した状態を示す断面図、
図20は短尺直線部用治具10を下限寄りの位置で内側型枠K1に取り付けてコンクリートCを打設した状態を示す断面図である。
【0053】
図19及び
図20に示すように、基礎コンクリートの施工現場には、内側型枠K1と外側型枠K2とが間隔を隔てて対向配置され、布基礎部NKを形成するためのコンクリート打設空間が区画されて空間内の中央に鉄筋Tが立設される。
【0054】
ここで、コンクリートCの天端高さが相対的に高い位置に設定される場合、
図19に示すように、取付部14を上方にスライドさせて蝶ネジ9をL字金具8に対して締め付け、短尺直線部用治具10を上限寄りの位置で内側型枠K1に対して固定する。これにより、コンクリートCの天端高さが相対的に高い位置に設定される場合にも、本体板11の取り付け高さを適切に調整して、布基礎部NKに所望の玄関落しGOを形成することができる。
【0055】
一方、コンクリートCの天端高さが相対的に低い位置に設定される場合、
図20に示すように、取付部14を下方にスライドさせて蝶ネジ9をL字金具8に対して締め付け、短尺直線部用治具10を下限寄りの位置で内側型枠K1に対して固定する。これにより、コンクリートCの天端高さが相対的に低い位置に設定される場合にも、本体板11の取り付け高さを適切に調整して、布基礎部NKに所望の玄関落しGOを形成することができる。
【0056】
尚、長尺直線部用治具20やコーナー部用治具30の取り付け高さの調整方法は、上述した短尺直線部用治具10の取り付け高さの調整方法と同様であるので、それらについての説明を省略する。
【0057】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態に係る型枠用治具としての短尺直線部用治具10(長尺直線部用治具20,コーナー部用治具30)は、住宅の基礎コンクリートにおいて布基礎部NKの側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部である玄関落しGOを形成するために基礎型枠Kに取り付けられる治具であって、長方形状の本体板11(21,31)と、本体板11(21,31)の下辺全体から前方へ所定奥行dに対応する長さに延設される底板12(22,32)と、本体板11(21,31)の前面にて底板12(22,32)の上方に間隔を隔てた位置から前方へ所定奥行に対応する長さに延設される間隔保持片13(23,33)と、本体板11(21,31)に設けられて基礎型枠Kにおける内側型枠K1の上部に固定される取付部14(24,34)と、を備える。
【0058】
この構成によれば、短尺直線部用治具10(長尺直線部用治具20,コーナー部用治具30)が取付部14(24,34)を介して内側型枠K1の上部に固定されると、底板12(22,32)及び間隔保持片13(23,33)の前端が内側型枠K1の側面に当接して内側型枠K1の側面と本体板11(21,31)との間隔が所定奥行dに保持され、底板12(22,32)と長方形状の本体板11(21,31)とに囲まれた所定奥行の空間が形成される。このため短尺直線部用治具10,長尺直線部用治具20及びコーナー部用治具30を組み合わせて構成された玄関落し治具装置1を基礎型枠Kに取り付けた状態で、所定高さまでコンクリートを打設することにより、布基礎部NKの側面の上部に所定奥行で帯状に切り欠かれた切り込み部としての玄関落しGOを形成することができる。また、基礎型枠Kを解体する際に、従来の発泡スチロール板のような屑や破片の発生が無く、当該基礎型枠Kでの使用が終わった後、別の基礎型枠Kに取り付けて使用することもできる。よって、住宅の基礎コンクリートにおける布基礎部に切り込み部を簡単且つ確実に形成できると共に周囲を汚すことなく繰り返し使用可能であるという効果を奏する。
【0059】
また、取付部14(24,34)は、基礎型枠Kに対する本体板11(21,31)の取付け高さを調整可能に構成される。
【0060】
この構成によれば、取付部14(24,34)を介して内側型枠K1に対する本体板11(21,31)の取付け高さを調整することにより、布基礎部NKの様々な高さ位置に玄関落しGOを形成することができる。
【0061】
特に、取付部14(24,34)は、本体板11(21,31)から上方へ板状に延設されると共に、高さ方向に長い長穴形状の調整穴14a(24a,34a)が設けられ、調整穴14a(24a,34a)に挿通された締結具としての蝶ネジ9によって任意の高さで位置決めされて内側型枠K1に対して固定される。
【0062】
この構成によれば、調整穴14a(24a,34a)における締結具としての蝶ネジ9の締結位置を変えることで、本体板11(21,31)の取付け高さを簡単且つ自在に調整することができる。
【0063】
また、間隔保持片13(23,33)は、底板12(22,32)の上方に間隔を隔てて平行に配置される板状片である。
【0064】
この構成によれば、底板12(22,32)の前端と間隔保持片13(23,33)の前端とが、上下に間隔を隔てて内側型枠K1の側面に当接することで、本体板11(21,31)の全体を内側型枠K1の側面に対して傾斜することなく所定奥行dに対応した間隔で平行に配置することができる。
【0065】
また、短尺直線部用治具10(長尺直線部用治具20)は、一つの本体板11(21)が設けられて、内側型枠K1の直線部に取り付けられる直線部用の玄関落し治具である。
【0066】
この構成によれば、短尺直線部用治具10(長尺直線部用治具20)を内側型枠K1の直線部に取り付けることで、布基礎部NKの直線部の側面の上部に所定奥行dで帯状に切り欠かれた玄関落しGOを形成することができる。
【0067】
また、コーナー部用治具30は、二つの本体板31が一体化して平面視L字形に設けられると共に、底板32、間隔保持片33、及び取付部34は、各本体板31にそれぞれ設けられて、内側型枠K1のコーナー部CAに取り付けられるコーナー部用の玄関落し治具である。
【0068】
この構成によれば、コーナー部用治具30を内側型枠K1のコーナー部CAに取り付けることで、布基礎部NKのコーナー部の側面の上部に所定奥行dで帯状に切り欠かれた玄関落しGOを形成することができる。
【0069】
特に、本体板31は平面視L字形の内側の面を前面として底板32及び間隔保持片33が延設される。
【0070】
この構成によれば、布基礎部NKにおいて外側に凸をなすコーナー部の側面の上部に所定奥行dで帯状に切り欠かれた玄関落しGOを形成することができる。
【0071】
また、型枠用治具装置としての玄関落し治具装置1は、短尺直線部用治具10、長尺直線部用治具20及びコーナー部用治具30を複数組み合わせて構成される。
【0072】
この構成によれば、型枠用治具としての短尺直線部用治具10、長尺直線部用治具20及びコーナー部用治具30を複数組み合わせて構成された玄関落し治具装置1を、様々な形状や大きさの基礎型枠Kの内側型枠K1に取り付け可能であり、住宅の基礎コンクリートにおける様々な形状や大きさの布基礎部NKに玄関落しGOを簡単且つ確実に形成できると共に、周囲を汚すことなく繰り返し使用可能であるという効果を奏する。
【0073】
<第1変形例>
次に、第1変形例に係る玄関落し治具装置101及びコーナー部用治具130の構成について、
図21乃至
図28を参照しつつ説明する。
図21は本変形例に係る玄関落し治具装置101を取り付けた基礎型枠Kの全体構成を模式的に示す平面図である。
図22は本変形例に係るコーナー部用治具130を示す斜視図、
図23は正面図、
図24は背面図、
図25は右側面図、
図26は左側面図、
図27は平面図、
図28は底面図である。
【0074】
本変形例に係る基礎型枠Kは、平面視L字形に形成され、内側型枠K1には外側に凸をなす5箇所のコーナー部CAと、内側に凸をなす1箇所のコーナー部CBとが設けられている。内側型枠K1における各直線部には、上記実施形態と同様に、短尺直線部用治具10や長尺直線部用治具20が取り付けられる。また、コーナー部CAには、上記実施形態と同様に、本体板31が平面視L字形の内側を前面として底板32及び間隔保持片33が延設されるコーナー部用治具30が取り付けられる。
【0075】
一方、内側型枠K1のコーナー部CBには、変形例に係るコーナー部CB用のコーナー部用治具130が取り付けられる。コーナー部用治具130は、
図22乃至
図28に示すように、本体板31が平面視L字形の外側を前面として底板32及び間隔保持片33が延設される構成を有している。
【0076】
この構成によれば、布基礎部NKにおいて内側に凸をなすコーナー部の側面の上部に所定奥行dで帯状に切り欠かれた玄関落しGOを形成することができる。
【0077】
<第2変形例>
次に、第2変形例に係る短尺直線部用治具210、長尺直線部用治具220及びコーナー部用治具230の構成について、図面を参照しつつ説明する。上記実施形態では、短尺直線部用治具10、長尺直線部用治具20及びコーナー部用治具30について、それぞれ型枠に対する本体板11,21,31の取り付け高さを調整可能な構成としたが、本変形例は取り付け高さを固定とした簡単な構造を有するものである。
【0078】
まず、短尺直線部用治具210の構成について、
図29乃至
図35を参照しつつ説明する。
図29は短尺直線部用治具210を示す斜視図、
図30は正面図、
図31は背面図、
図32は右側面図、
図33は平面図、
図34は底面図である。
図35は短尺直線部用治具210を内側型枠K1に取り付けてコンクリートCを打設した状態を示す断面図である。尚、左側面図は、
図32の右側面図と対称に表れるため、省略する。
【0079】
短尺直線部用治具210は、上記実施形態に係る短尺直線部用治具10と同様、SECC等の金属からなり、本体板11と、底板12と、間隔保持片13と、取付部14とを備えて構成される。本体板11、底板12及び間隔保持片13は、上記実施形態と同様であるので、それらについての説明を省略する。
【0080】
取付部14は、本体板11の上端から前方へ板状に延設されて内側型枠K1に対して固定される部分である。具体的には、取付部14は、L字形に折り曲げ加工が施された縦長の長方形状の金属板であって、本体板11の上端近傍の前面に溶接により固定されている。
【0081】
一方、内側型枠K1の上枠K1aには、
図35に示すように、固定具5が取り付けられている。固定具5は、コ字金具6と、蝶ネジ7とを備えて構成される。コ字金具6は、断面コ字状の金具であって、内側型枠K1の上枠K1aをコ字の上辺と下辺とで挟む姿勢でコンクリート打設空間とは反対側に配置される。そして、取付部14の水平な延設部分がコ字金具6の上辺と内側型枠K1の上枠K1a上面とで挟着されることで、短尺直線部用治具210の内側型枠K1に対する固定が図られる。
【0082】
次に、長尺直線部用治具20の構成について、
図36を参照しつつ説明する。
図36は長尺直線部用治具220を示す斜視図である。長尺直線部用治具220は、上記実施形態に係る長尺直線部用治具20と同様、SECC等の金属からなり、本体板21と、底板22と、間隔保持片23と、取付部24とを備えて構成される。本体板21、底板22及び間隔保持片23は、上記実施形態と同様であるので、それらについての説明を省略する。
【0083】
取付部24は、本体板21の上端から前方へ板状に延設されて内側型枠K1に対して固定される部分である。具体的には、取付部24は、L字形に折り曲げ加工が施された縦長の長方形状の金属板であって、本体板21の上端近傍の前面に溶接により固定されている。短尺直線部用治具210の取付部14と同様に、取付部24の水平な延設部分がコ字金具6の上辺と内側型枠K1の上枠K1a上面とで挟着されることで、長尺直線部用治具220の内側型枠K1に対する固定が図られる。
【0084】
次に、コーナー部用治具230の構成について、
図37乃至
図43を参照しつつ説明する。
図37はコーナー部用治具230を示す斜視図、
図38は正面図、
図39は背面図、
図40は右側面図、
図41は左側面図、
図42は平面図、
図43は底面図である。コーナー部用治具230は、上記実施形態に係るコーナー部用治具30と同様、SECC等の金属からなり、二つの本体板31が一体化して平面視L字形に設けられると共に、各本体板31には、平面視L字形の内側を前面として、底板32、間隔保持片33、及び取付部34がそれぞれ設けられて構成される。本体板31、底板32及び間隔保持片33は、上記実施形態に係るコーナー部用治具30と同様であるので、それらについての説明を省略する。
【0085】
取付部34は、本体板31の上端から前方へ板状に延設されて内側型枠K1に対して固定される部分である。具体的には、取付部34は、L字形に折り曲げ加工が施された縦長の長方形状の金属板であって、本体板31の上端近傍の前面に溶接により固定されている。短尺直線部用治具210の取付部14と同様に、取付部34の水平な延設部分がコ字金具6の上辺と内側型枠K1の上枠K1a上面とで挟着されることで、コーナー部用治具230の内側型枠K1に対する固定が図られる。
【0086】
以上詳述したことから明らかなように、本変形例に係る短尺直線部用治具210(長尺直線部用治具220及びコーナー部用治具230)において、取付部14(24,34)は、本体板11(21,31)の上端から前方へ板状に延設されて内側型枠K1に対して固定される。
【0087】
この構成によれば、極めて簡単な構造の取付部14(24,34)を介して、短尺直線部用治具210(長尺直線部用治具220及びコーナー部用治具230)を内側型枠K1の上部に確実に固定することができる。
【0088】
<その他の変形例>
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変更を施すことが可能である。例えば、固定具5の構成は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、取付部14等を内側型枠K1の上部に固定可能であれば如何なる構成であってもよい。また、間隔保持片13(23,33)は、底板12(22,32)の上方に間隔を隔てて平行に配置される板状片により構成したが、これには限られず、本体板11(21,31)の前面にて底板12(22,32)の上方に間隔を隔てた位置から前方へ所定奥行dに対応する長さに延設されていれば、配置や形状を変更して実施可能である。また、取付部14(24,34)の構成は、上記実施形態や各変形例に示すものに限られず、本体板11(21,31)に設けられて内側型枠K1の上部に固定されるものであればよい。さらに、短尺直線部用治具10,210、長尺直線部用治具20,220、コーナー部用治具30,130,230の寸法や形状は、上記実施形態や各変形例に示したものに限られず、適宜変更して実施可能である。さらに、上述した各実施形態や変形例に係る型枠用治具(短尺直線部用治具10,210、長尺直線部用治具20,220、コーナー部用治具30,130,230)は、住宅の玄関以外に、住宅の勝手口に形成される基礎コンクリートの布基礎部の上部に帯状の切り込み部を形成する場合にも使用可能である。
【0089】
<付記>
本願の図面に表された各実施形態は、意匠登録出願の対象となり得る意匠が含まれている。具体的には、短尺直線部用治具10,210、長尺直線部用治具20,220、コーナー部用治具30,130,230の外形形状は、それぞれ物品名「型枠用治具」又は「玄関落し治具」の全体意匠として把握することができ、各型枠用治具の各部の外形形状は、物品名「型枠用治具」又は「玄関落し治具」の部分意匠として把握することもできる。
【符号の説明】
【0090】
1 玄関落し治具装置(型枠用治具装置)
9 蝶ネジ(締結具)
10 短尺直線部用治具(実施形態、型枠用治具)
11 本体板
12 底板
13 間隔保持片
14 取付部
14a 調整穴
20 長尺直線部用治具(実施形態、型枠用治具)
21 本体板
22 底板
23 間隔保持片
24 取付部
24a 調整穴
30 コーナー部用治具(実施形態、型枠用治具)
31 本体板
32 底板
33 間隔保持片
34 取付部
34a 調整穴
130 コーナー部用治具(第1変形例、型枠用治具)
210 短尺直線部用治具(第2変形例、型枠用治具)
220 長尺直線部用治具(第2変形例、型枠用治具)
230 コーナー部用治具(第2変形例、型枠用治具)