(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147869
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】装具判別システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049317
(22)【出願日】2021-03-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】514163169
【氏名又は名称】株式会社P.O.イノベーション
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】見木 太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】バンドが設けられた複数種類の装具を高精度で判別する装具判別システムを提供すること。
【解決手段】装具判別システム10は、バンドが設けられた装具50の画像データ11から装具50の種類を判別するであり、教師データ作成部20と、対象データ入力・結果表示部30と、解析部40と、を備えている。解析部40は、対象データ入力・結果表示部30から送信された画像データ11より判別対象装具50の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、ライブラリ41に保存されたあらかじめ登録された装具との類似度を算出、出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンドが設けられた装具の画像データから前記装具の種類を判別する装具判別システムであって、
教師データ作成部と、対象データ入力・結果表示部と、解析部と、を備え、
前記教師データ作成部は、所定の型番の前記装具を撮影して前記型番と撮影した写真の前記画像データから前記型番毎に教師データを作成し、この教師データを前記解析部に送信するものであり、
前記対象データ入力・結果表示部は、判別対象となる判別対象装具の写真の画像データを入力すると共に前記解析部に送信し、前記解析部で判別された前記判別対象装具の型番の判別結果を表示するものであり、
前記解析部は、前記教師データ作成部から送信された前記教師データの前記画像データより所定の型番の前記装具の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、前記特徴量から型番を推定する推定モデルを機械学習により生成し、前記型番の前記推定モデルをライブラリに保存し、
また、対象データ入力・結果表示部から送信された前記画像データより前記判別対象装具の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、前記ライブラリに保存されたあらかじめ登録された前記装具との類似度を算出、出力し、判別結果のデータとして前記対象データ入力・結果表示部に送信するものであることを特徴とする装具判別システム。
【請求項2】
請求項1記載の装具判別システムであって、
前記解析部は、前記教師データの前記画像データより所定の型番の前記装具の支柱の形状とこの支柱に対する前記バンドの位置及び角度を表現する特徴量を抽出し、
また、前記判別対象装具の支柱の形状とこの支柱に対する前記バンドの位置及び角度を表現する特徴量を抽出するものであることを特徴とする装具判別システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の装具判別システムであって、
前記解析部は、色調によらない前記特徴量を抽出するものであることを特徴とする装具判別システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載の装具判別システムであって、
前記解析部は、あらかじめ登録された装具に対する前記判別対象装具の前記特徴量の一致の度合いを演算して類似する前記登録された装具を出力することを特徴とする装具判別システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項記載の装具判別システムであって、
前記教師データ作成部、前記対象データ入力・結果表示部、及び前記解析部は、インターネットによるネットワークを介してそれぞれが接続されていることを特徴とする装具判別システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項記載の装具判別システムあって、
前記対象データ入力・結果表示部は、健康保険の保険者に使用されることを特徴とする装具判別システム。
【請求項7】
請求項6記載の装具判別システムあって、
前記対象データ入力・結果表示部は、カメラ付き携帯端末を備え、
判別対象となる前記判別対象装具の前記画像データは、申請者から紙で送られた申請書に添付された写真を前記カメラ付き携帯端末で撮影したもの、又は、申請者から電子データで送られた申請書に添付されたものであることを特徴とする装具判別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンドが設けられた装具の写真の画像データから装具の種類を判別する装具判別システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行に障害のある患者は、足に装具を装着し、歩行の補助やリハビリを行う。治療用の装具は比較的高価なものであり、装具を購入したいわゆる健康保険の被保険者が療養費の支給申請をすれば、保険者の判断により保険が適用され、後日療養費として還付が受けられる。保険者への療養費の支給申請にあたり、療養費申請されたものの見積りが被保険者(患者など)に渡したものと一致しているか保険者が審査を行うために、申請書に装具の写真の添付が義務付けられるようになってきている。
【0003】
保険者は、療養費支給申請の申請書に添付された装具の写真と、申請書とともに提出される領収書(装具等の名称、種類、およびその内訳別の費用額が記載されているもので明細書部分を含む)に記載の装具の型番が正しいか否か確かめる必要がある。しかし、装具には複数の種類があり、装具全体の輪郭、装具のバンドの数、位置などが異なり判別が難しい。そのうえ、保険者内で審査を行う担当者の多くが装具の知識がない事務職が大半であることから、厚生労働省等に登録された装具のカタログの写真と申請書の写真とを見比べて同一の装具か否か判別することは大変な労力を要し、人件費などのコスト負担が増加する。
【0004】
そこで、判別対象となるものが正しいものか、いかなるものかなどを判断するために、近年では人工知能(AI)を用いた画像による判別システムが様々な分野で使用されている。このような人工知能を用いた画像による判別システムの一例として特許文献1に示す技術が知られている。
【0005】
特許文献1の判別システムでは、調味料や調理用の具材などの食品が封入された対象ワークを判別して移載する対象ワークの判別システムであり、撮像部と、制御部と、アームロボットを備え、撮像部は、無造作に積まれた複数の対象ワークを撮像し、制御部は、撮像部で撮像された情報から捕捉対象ワークを検出する捕捉対象ワーク検出機能と、捕捉対象ワークを移載させるようにアームロボットを制御するアームロボット制御機能を有する。無造作に積まれた複数の対象ワークから、人工知能(AI)によって得られた情報を基に対象ワークを判別し、移載用のアームロボットからの距離を勘案して捕捉対象ワークとして検出し、捕捉対象ワークの向き、傾きに応じてアームロボットを制御して捕捉・移載するものである。
【0006】
しかし、特許文献1の判別システムは、調味料や調理用の具材などの食品が封入されたものが対象ワークであるところ、装具を構成する輪郭、支柱、バンド、このバンドの数、位置など装具特有の構成に対して、特許文献1の判別システムを適用することが難しい。特に、装具は、本体部分や支柱などの支持部と、身体への固定などのためのバンドとから構成されている。バンドの中には身体への固定以外に、身体の矯正などに用いられるものもあり、写真などの画像を見ただけでは、そのバンドが装具の機能や種類を左右するものなのか、それとも単なる固定に使われているものなのか、判別が難しい。
【0007】
このような理由から、単純に機械学習を行うニューラルネットワークの分析手法に装具の画像データを入力しても、実用に足る高精度の判別結果を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上の点に鑑み、バンドが設けられた複数種類の装具を高精度で判別する装具判別システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]バンドが設けられた装具の画像データから前記装具の種類を判別する装具判別システムであって、
教師データ作成部と、対象データ入力・結果表示部と、解析部と、を備え、
前記教師データ作成部は、所定の型番および仕様(以下型番とする)の前記装具を撮影して前記型番と撮影した写真の前記画像データから前記型番毎に教師データを作成し、この教師データを前記解析部に送信するものであり、
前記対象データ入力・結果表示部は、判別対象となる判別対象装具の写真の画像データを入力すると共に前記解析部に送信し、前記解析部で判別された前記判別対象装具の型番の判別結果を表示するものであり、
前記解析部は、前記教師データ作成部から送信された前記教師データの前記画像データより所定の型番の前記装具の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、前記特徴量から型番を推定する推定モデルを機械学習により生成し、前記型番の前記推定モデルをライブラリに保存し、
また、対象データ入力・結果表示部から送信された前記画像データより前記判別対象装具の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、前記ライブラリに保存されたあらかじめ登録された前記装具との類似度を算出、出力し、判別結果のデータとして前記対象データ入力・結果表示部に送信するものであることを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、装具判別システムは、教師データ作成部と、対象データ入力・結果表示部と、解析部と、を備えている。解析部は、教師データの画像データより所定の型番の装具の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、特徴量から型番を推定する推定モデルを機械学習により生成する。また、対象データ入力・結果表示部から送信された画像データより判別対象装具の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、ライブラリにあらかじめ登録された装具との類似度を算出、出力する。解析部は、教師データの所定の型番の装具及び判別対象装具の輪郭の特徴量に加え、バンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出して判別するので、バンドが設けられた複数種類の装具を高精度で判別することができる。
【0012】
[2]好ましくは、前記解析部は、前記教師データの前記画像データより所定の型番の前記装具の支柱の形状とこの支柱に対する前記バンドの位置及び角度を表現する特徴量を抽出し、
また、前記判別対象装具の支柱の形状とこの支柱に対する前記バンドの位置及び角度を表現する特徴量を抽出するものである。
【0013】
かかる構成によれば、解析部は、教師データの所定の型番の装具及び判別対象装具の支柱の形状とこの支柱に対するバンドの位置及び角度を表現する特徴量を抽出して判別するので、バンドが設けられた複数種類の装具をより高精度で判別することができる。
【0014】
[3]好ましくは、前記解析部は、色調によらない前記特徴量を抽出するものである。
【0015】
かかる構成によれば、解析部は、色調によらない特徴量を抽出して判別するので、模様が付された装具であっても形状のみから特徴量を抽出し、バンドが設けられた複数種類の装具をより高精度で判別することができる。
【0016】
[4]好ましくは、前記解析部は、あらかじめ登録された装具に対する前記判別対象装具の前記特徴量の一致の度合いを演算して類似する前記登録された装具を出力する。
【0017】
かかる構成によれば、解析部は、あらかじめ登録された装具に対する判別対象装具の特徴量の一致の度合いを演算して類似する前記登録された装具を出力するので、登録された装具の中から最も近い装具を判別することができる。
【0018】
[5]好ましくは、前記教師データ作成部、前記対象データ入力・結果表示部、及び前記解析部は、インターネットによるネットワークを介してそれぞれが接続されている。
【0019】
かかる構成によれば、教師データ作成部、対象データ入力・結果表示部、及び解析部は、インターネットによるネットワークを介してそれぞれが接続されているので、離れた場所であっても容易にバンドが設けられた複数種類の装具を高精度で判別することができる。
【0020】
[6]好ましくは、前記対象データ入力・結果表示部は、健康保険の保険者に使用される。
【0021】
かかる構成によれば、保険者内で審査を行う担当者の多くが装具の知識がない事務職が大半であるところ、装具の目利きではない者であっても、バンドが設けられた複数種類の装具をより高精度で判別することができる。
【0022】
[7]好ましくは、前記対象データ入力・結果表示部は、カメラ付き携帯端末を備え、
判別対象となる前記判別対象装具の前記画像データは、申請者から紙で送られた申請書に添付された写真を前記カメラ付き携帯端末で撮影したもの、又は、申請者から電子データで送られた申請書に添付されたものである。
【0023】
かかる構成によれば、判別対象装具の画像データは、申請者から紙で送られた申請書に添付された写真をカメラ付き携帯端末で撮影したもの、又は、申請者から電子データで送られた申請書に添付されたものであるので、申請書が紙であっても電子データであっても対応でき、装具をより高精度で判別することができる。
【発明の効果】
【0024】
バンドが設けられた複数種類の装具を高精度で判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係る装具判別システムの説明図である。
【
図2】教師データを用いて推定モデルを生成して保存するまでのフローである。
【
図3】申請書に添付された写真の画像データを用いて判別対象装具の型番を判別して結果を表示するまでのフローである。
【
図4】脚部に固定する様々な種類の装具を説明する図である。
【
図5】足部に固定する様々な種類の装具を説明する図である。
【
図6】太腿から足部にかけて固定する様々な種類の装具を説明する図である。
【
図7】装具形状による分類及び装具の代金を算出するフローである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、装具判別システムの説明図は任意の装具の判別の一例を概念的(模式的)に示すものとする。
【実施例0027】
図1、
図4、
図5に示されるように、装具判別システム10は、装具50(50a、50b、50c、50d、50e、50f)の種類を写真などの画像データ11から判別するシステムである。なお、装具50の種類は実施例に示した装具50a、50b、50c、50d、50e、50fに限定されず、さらに多くの種類がある。
【0028】
装具50には複数の種類があり、一例として
図4の(A)に示されるように、膝用の装具50aは、脚70の上下方向に沿って配置され本体部分となる左右の支柱51と、この支柱51に設けられ脚70を覆う布状のストラップ52と、膝71の上方で支柱51に設けられ装具50aを脚70に固定する幅が広い固定バンド53と、膝71の下方で支柱51に設けられ脚70の前側をクロスして掛け渡された機能バンド54と、膝71の下方で支柱51に設けられ脚70の前側を左右方向に掛け渡された機能バンド55と、を備えている。
【0029】
固定バンド53は、単に装具50aを脚70に固定するためのものであり、支柱51に対して所定の位置(例えば、帯幅の中央が支柱51の上端から下方へ9cmの位置)から脚70の前側の途中まで左右方向(例えば、90度)に延びている。これに対し、機能バンド54は膝71の下部を抑える機能を有するものであり左右の支柱51に掛け渡されている。また、機能バンド54は、支柱51に対して所定の位置(例えば、帯幅の中央が支柱51の下端から上方へ3cmの位置と15cmの位置)及び所定の角度(例えば、60度)で配置されている。機能バンド55は、支柱51に対して所定の位置(例えば、帯幅の中央が支柱51の下端から上方へ9cmの位置)及び所定の角度(例えば、90度)で配置されている。
【0030】
図1に示されるように、装具判別システム10は、バンド54(
図4参照)等が設けられた装具50の画像データ11から装具50の種類を判別するものであり、申請書作成部12と、教師データ作成部20と、対象データ入力・結果表示部30と、解析部40と、を備えている。
【0031】
申請書作成部12、教師データ作成部20、対象データ入力・結果表示部30、及び解析部40は、インターネットによるネットワーク15を介してそれぞれが接続されている。
【0032】
申請書作成部12について説明する。
申請書作成部12は、例えば、装具50を購入したいわゆる健康保険の被保険者(申請者)が療養費の支給申請をするための申請書13を作成するものであり、申請用端末14を備えている。現時点では、保険者によっては正式な電子申請に対応しているわけではなく、電子的に画像データを提出する場合には電子メールなどが主な方法である。将来的にはWEB上のストレージにアップロードし、所定の者の所有するプラットフォーム上で、申請者と保険者と画像データを共有する方法も考えられる。ここではそういった画像の電子的な提出方法を包括して申請書作成部と表現する。申請者は、申請用端末14により装具50の写真の画像データ11を添付した申請書13を作成する。この申請書13は、紙に出力して保険者のいる対象データ入力・結果表示部30に送るか(ルート1)、または電子データとしてネットワーク15を介して保険者のいる対象データ入力・結果表示部30に送る(ルート2)。なお、申請書13を紙で送る場合(ルート1)、申請用端末14を用意せずに、元から紙で用意された申請書に装具50の写真を添付する形でもよい。
【0033】
次に教師データ作成部20について説明する。
教師データ作成部20は、ネットワーク15に接続可能な登録用端末21を備えている。正式な元データとして、例えば厚生労働省等で認められている所定の型番の装具50を登録用端末21で撮影して、型番(登録済製品名、登録装具名)と撮影した写真の画像データ22から型番毎に教師データ23を複数(大量に)作成する。さらに、教師データ作成部20は、作成した教師データ23を、ネットワーク15を介して解析部40に送信する。装具20の撮影は、多方向から複数の写真を、条件を変える等して撮影し、複数の画像データ21を用意して教師データ23とすることが好ましい。
【0034】
また、教師データ作成部20では、
図4、
図5に示すような複数種類の所定の型番(登録済製品名)の装具50a、50b、50c、50d、50e、50fなどを基にして、複数種類の教師データ23を作成する。なお、教師データ23の作成は、申請書に使われた画像データ11を新たに教師データ23に加え、未来に向かってさらに教師データ23の精度を高めてもよい。これにより、仮に当初は後述する推定モデルの精度が不十分であることで類似度の精度が低い場合であっても、申請書に使われた画像データ11を新たに教師データ23に加えることで再学習させて推定モデルの精度を高め、類似度の精度を高めることができる。
【0035】
次に対象データ入力・結果表示部30について説明する。
対象データ入力・結果表示部30は、例えば、健康保険の保険者に使用されるものである。また、対象データ入力・結果表示部30は、判別対象となる判別対象装具50の写真の画像データ11を入力すると共に解析部40に送信し、解析部40で判別された判別対象装具50の型番(登録製品名)の判別結果を表示するものである。
【0036】
対象データ入力・結果表示部30は、申請書作成部12から送信された申請書の13の電子データを、ネットワーク15を介して受信するとともに保存するサーバ31と、このサーバ31に有線又は無線で接続可能な審査用端末32(デスクトップPCやカメラ付携帯端末)と、を備えている。なお、審査用端末32は、サーバ31を介さずにネットワーク15に接続可能である。
【0037】
判別対象となる判別対象装具50の画像データ11は、申請者から紙で送られた申請書13に添付された写真を審査用端末32で撮影したものである。審査用端末32は、紙で送られてきた画像のデジタル化の役割、そして画像データ11の送信と判別結果の表示の役割をおこなう。画像のデジタル化では、審査用端末は、紙で送られてきた画像を、携帯端末のカメラ機能やデジタルカメラ、もしくはスキャナー等の機器を活用しデジタル化をおこなう。判別対象となる判別対象装具50の画像データ11は、申請者から電子データで送られた申請書13に添付されたものである。この場合は審査用端末32でデジタル化を行う必要はない。また、審査用端末32の画像データ11の送信と判別結果の表示は、スマートフォン等の携帯情報端末やデスクトップPC等でもおこなうことができる。
【0038】
判別対象装具50の画像データ11が電子データで送られた申請書13に添付されている場合は、審査用端末のうち、カメラ付き携帯やデスクトップPCを利用してもよい。カメラ付き携帯端末を使用してもよいが、代わりにデスクトップ型PCなどのカメラのない端末を使用してもよい。
【0039】
このように、保険者は、紙で申請書が送られてきた場合は、スマートフォンなどのカメラ付き携帯端末を審査用端末32として使用して申請書の判別対象装具50の写真を撮影して画像データ11を解析部40に送り、解析部40から返信された判別結果や類似度などを見ることができる。また、保険者は、電子データで申請書が送られてきた場合は、ネットワーク15を介してWeb上のサーバ31にアップロードされた申請書の判別対象装具50の画像データ11を、デスクトップ型PCを審査用端末32として使用し、いわゆるコピー&ペーストして判別画面に貼り付ける方法や選択する方法で、画像データ11を解析部に送り、解析部40から返信された判別結果や類似度などを見ることができる。
【0040】
判別対象装具50の種類又は型番を判別するには、保険者が、審査用端末32から判別対象装具50の画像データ11を解析部40に送信する。そして、解析部40からの判別結果を審査用端末32に表示する。
【0041】
判別結果の表示例として、表示欄33には、申請写真の画像データ11、申請された型番と同じ登録装具の画像データ22(メーカーのカタログ画像等でいつも固定)、型番(登録済製品名)、類似度(判別精度)「%」などが表示される。なお、表示欄33はこれに限定されず、前述の他、申請者名や必要な情報a’判別された装具の金額、なども表示してよい。
【0042】
次に解析部40について説明する。
解析部40は、人工知能(AI:Artificial Intelligence )を備え、機械学習を用いて画像データ11を判別する。一般的には、機械学習とは、データから規則性や判断基準を学習し、学習した規則性や判断基準に基づき未知のものを予測、判断する技術と、人工知能に関わる分析技術をいう。機械学習に包含される関係にあるディープラーニングを用いてもよく、ディープラーニングはより基礎的で広範な機械学習の手法であるニューラルネットワークの分析手法を拡張したものであり、高精度の分析や活用を可能する手法である。本発明の一実施例では、いわゆる教師あり学習といわれる正解にあたる教師データが与えられる機械学習を用いている。なお、教師あり学習の分析手法として、回帰分析や決定木などある。
【0043】
また、ニューラルネットワークは、画像認識の分野にも応用されており、中間層(隠れ層)を2層以上に多層化したニューラルネットワークがディープラーニングと言われている。ディープラーニングは、与えられたデータのどこに着目すればよいか、具体的な特徴量を人間が指示せずとも自らそのデータの特徴づける特徴量を抽出し、データに含まれるルールや規則性を学習する手法である。
【0044】
解析部40は、教師データ作成部20から送信された教師データ23の画像データ22より所定の型番の装具50の輪郭とバンド53、54、55(
図4参照)の形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、この特徴量から型番を推定する推定モデルを機械学習により生成し、型番の推定モデルをライブラリ41に保存する。
【0045】
また、解析部40は、対象データ入力・結果表示部30から送信された画像データ11より判別対象装具50の輪郭とバンド53、54、55の形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、あらかじめライブラリ41登録された装具との類似度を算出、出力し、判別結果のデータとして対象データ入力・結果表示部30に送信するものである。なお、あらかじめライブラリ41に保存された推定モデルのうち特徴量が判別対象装具50の特徴量と最も近い推定モデルの画像データ22を型番と共に出力し、判別結果のデータとしてもよい。
【0046】
また、解析部40は、教師データ23の画像データ11より所定の型番の装具50の支柱51(
図4参照)の形状とこの支柱51に対するバンド53、54、55の位置及び角度を表現する特徴量を抽出する。また、解析部40は、判別対象装具50の支柱51の形状とこの支柱51に対するバンド53、54、55の位置及び角度を表現する特徴量を抽出するものである。
【0047】
また、解析部40は、あらかじめ登録された装具(製品)の画像データ11の特徴量に対する判別対象装具50の特徴量の一致の度合いを演算して出力する。さらに、解析部40は、色調によらない特徴量を抽出するものとしてもよい。なお、解析部40は、最も近い推定モデルの特徴量に対する判別対象装具50の特徴量の一致の度合いを演算して出力するものとしてもよい。
【0048】
次に教師データを用いて推定モデルを生成して保存するまでのフローについて説明する。
【0049】
図2に示されるように、装具判別システム10は、教師データ作成部20において、STEP1(図ではSTEPをSと表記する)で登録者が装具50の型番毎の多方向の写真を複数撮影する。STEP2で装具50の型番と画像データ22を教師データ23として解析部40(AI端末)に送信する。
【0050】
解析部40において、STEP3ではAI端末(人工知能)で教師データ23である画像データ22から装具50の輪郭と支柱51の形状を表現する特徴量を抽出する。STEP4でバンド53、54、55の形状、本数、位置、角度を表現する特徴量を抽出する。STEP5で教師データ23の特徴量から型番を推定する推定モデルを機械学習により生成する。STEP6で登録装具名(登録された装具、型番)の教師データ23と紐づけて生成した推定モデルをライブラリ41に保存する。
【0051】
図3に示されるように、申請書作成部12において、STEP7で申請者が判別対象装具50の写真付申請書13を紙又はデータで提出する(送る)。対象データ入力・結果表示部30において、STEP8で申請書13が紙による提出か否か判別する。STEP8で判別がNOの場合(申請書が電子データで送られてきた場合)、STEP9で申請書に記載された登録装具の名称から、審査用端末32ではその名称をもとに登録装具の教師データ23を自動的に選択(準備)する。
【0052】
STEP8で判別がYESの場合(申請書が紙の場合)、STEP10で保険者が申請書13の装具50の写真を撮影して画像データ11にし、または、保険者が申請書13の装具50の写真をスキャンして画像データ11にする。STEP11で保険者は申請書に記入された登録装具の名称を、審査用端末32上で登録装具名(型番)の中から選択し、登録装具の教師データ23を選択(準備)する。STEP12で申請された判別対象装具50の画像データ11と共に選択(準備)した登録装具名の情報を解析部40(AI端末)に送信する。
【0053】
解析部40において、STEP13で判別対象装具50の画像データ11と共に選択(準備)した登録装具名の情報を受信する。STEP14ではAI端末(人工知能)で申請者の画像データ11から判別対象装具50の輪郭と支柱51の形状を表現する特徴量を抽出する。STEP15で申請者の画像データ11からバンド53、54、55の形状、本数、位置、角度を表現する特徴量を抽出する。
【0054】
STEP16で選択(準備)した登録装具名に紐づいた登録装具の教師データ23(の画像データ22)と、申請された判別対象装具50の画像データ11との比較を開始する。申請者の判別対象装具50の画像データ11の特徴量から、類似する登録製装具を算出してもよい。
【0055】
STEP17で登録装具名(登録された装具)の画像データ22と判別対象装具50の画像データ11の類似度(%)を算出する。STEP18で登録装具名(登録された装具)とその画像データ22と類似度を出力し、対象データ入力・結果表示部30(保険者)に返信する。
【0056】
対象データ入力・結果表示部30において、STEP19で保険者の審査用端末32で判別結果を表示する。
【0057】
次に装具50の種類についていくつか説明する。
図4の(A)に示す装具50aは前述の通りであり、ここでは説明を省略する。
【0058】
図4の(B)に示されるように、膝用の装具50bは、脚70の上下方向に沿って配置され本体部分となる左右の支柱51と、この支柱51に設けられ脚70を覆う布状のストラップ52と、膝71の下方で支柱51に設けられ装具50bを脚70に固定する幅が広い固定バンド53と、膝71の上方で支柱51に設けられ脚70の前側をクロスして掛け渡された機能バンド54と、膝71の上方で支柱51に設けられ脚70の前側を左右方向に掛け渡された機能バンド55と、を備えている。
【0059】
固定バンド53は、単に装具50bを脚70に固定するためのものであり、支柱51に対して所定の位置(例えば、帯幅の中央が支柱51の下端から上方へ9cmの位置)から脚70の前側の途中まで左右方向(例えば、90度)に延びている。これに対し、機能バンド54は膝71の上部を抑える機能を有するものであり左右の支柱51に掛け渡されている。また、機能バンド54は、支柱51に対して所定の位置(例えば、帯幅の中央が支柱51の上端から下方へ3cmの位置と15cmの位置)及び所定の角度(例えば、45度)で配置されている。機能バンド55は、支柱51に対して所定の位置(例えば、帯幅の中央が支柱51の上端から下方へ9cmの位置)及び所定の角度(例えば、90度)で配置されている。
【0060】
図4の(C)に示されるように、膝用の装具50cは、脚70の上下方向に沿って配置され本体部分となる左右の支柱51と、この支柱51に設けられ脚70を覆う布状のストラップ52と、膝71の上方及び下方で支柱51に設けられ脚70の前側を斜めに掛け渡された機能バンド54と、膝71の下方で支柱51に設けられ脚70の前側を左右方向に掛け渡された機能バンド55と、を備えている。
【0061】
機能バンド54は膝71の上部及び下部を抑える機能を有するものであり左右の支柱51に斜めに掛け渡されている。また、機能バンド54は、支柱51に対して所定の位置(例えば、帯幅の中央が支柱51の上下方向中間の位置)及び所定の角度(例えば、45度)で配置されている。機能バンド55は、支柱51に対して所定の位置(例えば、帯幅の中央が支柱51の下端から上方へ9cmの位置)及び所定の角度(例えば、90度)で配置されている。
【0062】
図5の(A)に示されるように、短下肢用の装具50dは、足72を入れる靴部56と、足首73の外側を覆い内側に斜めに延びるストラップ57と、このストラップ57を留めるための固定バンド57aと、靴部56に設けられた鐙58と、この鐙58に足継手59を介して脚70に沿って延びている支柱61と、これらの支柱61の上端部に設けられ脚70を固定するカフバンド62と、を備えている。
【0063】
図5の(B)に示されるように、短下肢用の装具50eは、足72に巻かれ足72の先端側から足首73に向かって斜めに覆う覆い部63と、足首73の前側でクロスするように巻き付けられた覆い部63を固定するとともに斜めに延びる固定バンド63aと、を備えている。
【0064】
図6に示されるように、長下肢用の装具50fは、脚70全体に装着するものであり、足72から脚70(短下肢)に位置するプラスチック製のシューホンブレース64と、このシューホンブレース64の上端部から脚70に沿って延びている下部支柱65と、この下部支柱65に膝継手66を介して上方に延びている上部支柱67と、この上部支柱67及び下部支柱65に設けられ膝71を抑える膝当て68と、上部支柱67装具50fを脚70に固定するカフバンド69と、を備えている。
【0065】
次にニューラルネットワークに基づく装具形状による分類のフローについて説明する。
図7の(A)に示されるように、STEP20で装具の形状による分類を行う。バンドは固定のみの場合(STEP21)、そのまま分類を採用する(STEP22)。また、バンドは機能や製品名に影響する場合(STEP23)、こちらの採用した名前を出力する(STEP24)。
【0066】
背景として、近年の既製品の装具(サポーター類)でも保険適用が拡大され始めたことで、既製品の膝サポーターが多く出回るようになっており、既製品の膝サポーターはメーカーごとに、工夫を凝らしオリジナリティを出すべく、それぞれに本体の形やデザインをデザインしている。商品ラインナップが増えたことで、保険の申請に装具の写真が添付され、その画像をもとにカタログ写真と実物の同一性を審査する保険者の負担が増えることが懸念される。
【0067】
そこで、本発明ではあらかじめ厚生労働省等に登録された装具の画像を教師データとして、既製品の商品カタログ画像や実物画像を読み込んでいく。それをもとに、保険に申請する人間が装着している画像が登録されたものかを判別していくシステムを作ることにより、保険者がより効率的な審査ができることをサポートする仕組みを提供することを目的とする。
【0068】
装具は、本体部分となる支持部と身体に固定するためのバンドによって構成されている。しかし、バンドの中には身体への固定以外の用途、つまり身体の矯正などに用いるものもあり、写真を見ただけでは、そのバンドが装具の機能や種類を左右するのか、それとも(目的の機能が本体部分によって得られているので)単なる固定のために使われているのかわからない。このような理由から、単純に機械学習をおこなうニューラルネットワークに入力しても、実用に足る結果は得られない。
【0069】
そこで本発明の実施例に係る装具判別システムでは、従来の装具の形からみた分類をおこなうのではなく、装具本体とバンドの関係に着目して、本体の情報(支持部の形状)とバンドを分けて考え、その組み合わせにより装具の種類を導き出すニューラルネットワークを構築するものとした。前述のように、構築されたニューラルネットワークは、画像から商品を識別できるようになる。
【0070】
さらに、その後は、オーダーメイド製品も実物写真をもとに教師データとして読み込んでいく。既製品に関しては、保険者は厚生労働省等に登録されている商品かどうかを判別し、登録された商品に定められた商品の分を支払えばよい。しかし、それに対し、オーダーメイドの装具では、保険適用となる基準の「形」が定められておらず、保険者は主に保険の還付請求をおこなってくる患者さんが使用している実際の装具の画像と保険請求されてきた金額の見積もりの詳細の整合性を確認することとなる。
【0071】
装具の価格は積算方式で決まるため、支持部や部品についてどのように装具を構成しているか確認する必要があるが装具に関して知識のない保険者の審査係が正確な審査をおこなうことは大変難しいと考えられる。また、さらに前述の通り、装具に設置されたバンドの問題が見積もりを難しくしている。これは、装具は、本体部分となる支持部と身体に固定するためのバンドによって構成されており、オーダーメイド装具には価格を構成する部品として、積算できるバンドと積算できないバンドがあることによる。このような理由から、従来のように画像の全体像から単純に機械学習をおこなうニューラルネットワークに入力しても、実用に足る結果は得られない。
【0072】
そこで本システムでは、従来の装具の形からみた分類をおこなうのではなく、装具本体とバンドの関係に着目して、本体の情報(支持部の形状)とバンドを分けて考え、またさらに装具価格に加算される付属部品の検出もおこない、画像の内容と提出された装具の明細書との整合性を確認できる人工知能の実現を目指したものとした。
【0073】
次に装具の代金を算出するフローについて説明する。
図7の(B)に示されるように、装具画像において、STEP25で価格となるバンドの分類を行い、バンド代を加算する場合(STEP26)と、バンド代なしの場合(ATEP27)とに分類する。加えて、STEP28で他の付属部品の分類を行い、付属品代を加算する場合(STEP29)と、付属品第なしの場合(STEP30)とに分類し、最終的に検出された加算要素となる部と装具の明細書を照合する(STEP31)。
【0074】
次に以上に述べた装具判別システム10の作用、効果を説明する。
本発明の実施例では、装具判別システム10は、教師データ作成部20と、対象データ入力・結果表示部30と、解析部40と、を備えている。解析部40は、教師データ23の画像データ22より所定の型番の装具50の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、特徴量から型番を推定する推定モデルを機械学習により生成する。また、対象データ入力・結果表示部30から送信された画像データ11より判別対象装具50の輪郭とバンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出し、あらかじめ登録された装具との類似度を算出、出力する。解析部40は、教師データ23の所定の型番の装具及び判別対象装具50の輪郭の特徴量に加え、バンドの形状及び本数を表現する特徴量を抽出して判別するので、バンドが設けられた複数種類の装具50を高精度で判別することができる。さらに、解析部40は、最も近い推定モデルの特徴量に対する判別対象装具50の特徴量の一致の度合いを演算して出力するので、例えば一致の度合いを%表示することで、判別の目安を得ることでより高精度で判別することができる。
【0075】
さらに、本発明の実施例では、解析部40は、教師データ23の所定の型番の装具50及び判別対象装具50の支柱の形状とこの支柱に対するバンドの位置及び角度を表現する特徴量を抽出して判別するので、バンドが設けられた複数種類の装具50をより高精度で判別することができる。
【0076】
さらに、本発明の実施例では、解析部40は、色調によらない特徴量を抽出して判別するので、模様が付された装具であっても形状のみから特徴量を抽出し、バンドが設けられた複数種類の装具50をより高精度で判別することができる。
【0077】
さらに、本発明の実施例では、解析部40は、あらかじめ登録された装具50に対する判別対象装具50の特徴量の一致の度合いを演算して類似する登録製装具50を出力するので、登録された装具50の中から最も近い装具50を判別することができる。
【0078】
さらに、本発明の実施例では、教師データ作成部20、対象データ入力・結果表示部30、及び解析部40は、インターネットによるネットワーク15を介してそれぞれが接続されているので、離れた場所であっても容易にバンドが設けられた複数種類の装具50を高精度で判別することができる。
【0079】
さらに、本発明の実施例では、保険者内で審査を行う担当者の多くが装具の知識がない事務職が大半であるところ、装具50の目利きではない者であっても、バンドが設けられた複数種類の装具50をより高精度で判別することができる。
【0080】
さらに、本発明の実施例では、判別対象装具50の画像データ11は、申請者から紙で送られた申請書に添付された写真を審査用端末32のうちカメラ付き携帯端末等で撮影したもの、又は、申請者から電子データで送られた申請書に添付されたものであるので、申請書が紙であっても電子データであっても対応でき、装具50をより高精度で判別することができる。
【0081】
尚、実施例では、脚用の装具について判別するものとしたが、これに限定されず、バンドが設けられていれば、上肢用、下肢用の装具いずれでもよく、さらには義肢であっても差し支えない。さらには、バンドだけではなく、膝当て等の付属部品も判別の要素に含めてもよい。
【0082】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
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