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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014790
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】手カバー
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/08 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
A41D13/08 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117341
(22)【出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】大久保 伸一
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA07
3B011AC24
(57)【要約】
【課題】手すりや吊り革等と手との接触をより確実に回避すると共に、容易に取り扱うことの可能な手カバーを提供する。
【解決手段】全体を平らにしたときには縦長のシート状となる基材2と、基材2の一方の面の長手方向両端それぞれに、基材2との間に空間を以て指カバー部3a、4aを取り付けることにより、基材2の全体を平らにしたときには開口部どうしが対向するように形成された第1指挿入部3、第2指挿入部4と、を備え、基材2の他方の面を内側にして二つ折りにした状態で、例えば第1指挿入部3の指カバー部3aをその内側が表となるようにひっくり返すことにより、指カバー部3aで他方の第2指挿入部4を覆う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体を平らにしたときには縦長のシート状となる基材と、
当該基材の一方の面の長手方向両端それぞれに、前記基材との間に空間を以て指カバー部を取り付けることにより、前記基材の全体を平らにしたときには開口部どうしが対向するように形成された一対の指挿入部と、を備え、
前記基材の他方の面を内側にして二つ折りにした状態で、一方の前記指挿入部の指カバー部をその内側が表となるようにひっくり返すことにより、当該指カバー部で他方の前記指挿入部を覆うようになっていることを特徴とする手カバー。
【請求項2】
前記基材及び前記指カバー部はシリコン樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の手カバー。
【請求項3】
前記シリコン樹脂は除菌剤又は抗菌剤の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項2に記載の手カバー。
【請求項4】
前記基材の他方の面及び前記指カバー部の外側の面は第一の色に着色されるか又は第一の図柄が描かれ、前記基材の一方の面及び前記指カバー部の内側の面は、前記第一の色とは異なる第二の色に着色されるか又は前記第一の図柄とは異なる第二の図柄が描かれていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の手カバー。
【請求項5】
前記基材の他方の面及び前記指カバー部の外側の面は赤色に着色され、前記基材の一方の面及び前記指カバー部の内側の面は緑色に着色されていることを特徴とする請求項4に記載の手カバー。
【請求項6】
前記指挿入部は、当該指挿入部の指カバー部をひっくり返して他方の前記指挿入部に被せる動き及び前記他方の前記指挿入部に被せた前記指カバー部をひっくり返して前記指挿入部から外す動きを補助する反転動作補助構造を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の手カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
電車、バス、船等の乗客輸送体の乗車空間には、多くの場合、乗客の体を支えるための吊り革や手すりが備えられている。これらは、不特定多数の乗客が素手で掴むため、必ずしも衛生的とはいえない。そのため、握る部分をウェットティッシュで拭いたり、手袋をしたりすることがあるが、使用したウェットティッシュの処分に困り、また、手袋の着用は季節によっては手が蒸れることがあり快適とはいえない。
これに対し、掌を覆うシート状のカバーを手に装着し、吊り革や手すり等と実際に接触する部分だけを覆うようにしたカバー等も提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-209411号公報
【特許文献2】特開2018-150662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
掌を覆うシート状のカバーの場合、カバーの、掌とは逆側の面に設けた輪状部材でカバーを手に装着するか、或いは輪状部材と甲の部分に設けたバンドとでカバーを手に装着するようにしている。輪状部材をはめた指の部分或いはバンドで固定した部分は、カバーが指や掌に接するものの、カバーの長手方向両端部分等、輪状部材やバンド部分から離れた位置にある部分は、カバーが指や掌から離れやすい。そのため、発車時や急ブレーキ時等に慌てて手すりや吊り革等に掴まった場合に、カバーの先端(指側)や末端(手首側)が指や掌に添わず、その結果、指や掌が手すり等と直接接触してしまう可能性がある。また、親指と、他の指とで、吊り革等を掴む場合、親指とカバーとは固定されていないため、カバーと親指との位置関係がずれ、親指が吊り革等と直接接触してしまう可能性がある。
【0005】
さらに、手及び掌を覆うカバーにおいて、手すり等と接触する側の面を内側にして半分に折り、留め具で止めて携帯する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、カバーを衛生的に携帯することができるものの、半分に折り曲げた状態で携帯するため、カバーに癖がついてしまい、シート状のカバーを平面状に維持することが困難となる可能性がある。そのため、カバーを、輪状部材で指の部分に固定しバンドで甲の部分に固定したとしても、バンド部分より末端側(手首側)は手に固定されていないため、末端側が折れ曲がり、手すり等に掴まる際に、カバーを装着していない側の手で、カバーの末端側を掌に添う様に押さえつつ手すり等に掴まる必要があり、使い勝手が悪いという問題がある。
【0006】
そこで、この発明は、従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、手すりや吊り革等と手とが直接触れることをより確実に回避すると共に、容易に取り扱うことの可能な手カバーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、全体を平らにしたときには縦長のシート状となる基材と、基材の一方の面の長手方向両端それぞれに、基材との間に空間を以て指カバー部を取り付けることにより、基材の全体を平らにしたときには開口部どうしが対向するように形成された一対の指挿入部と、を備え、基材の他方の面を内側にして二つ折りにした状態で、一方の指挿入部の指カバー部をその内側が表となるようにひっくり返すことにより、指カバー部で他方の指挿入部を覆うようになっている手カバーが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手すり等に直接手が触れることをより確実に回避することができると共に、容易に取り扱うことができる手カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る手カバーの一例を示す構成図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図2】装着状態の一例を示す説明図である。
図3】携帯時の手カバーの一例を示す斜視図である。
図4】手カバーの変形例である。
図5】手カバーの変形例である。
図6】手カバーの変形例である。
図7】手カバーの変形例である。
図8】手カバーの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
〔手カバーの構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る手カバー1の概略構成を示したものであって、(a)は斜視図、(b)は手カバー1を広げた状態の平面図である。
手カバー1は、基材2と、第1指挿入部3と、第2指挿入部4と、を備える。手カバー1は、除菌剤或いは抗菌剤を練り込んだシリコン樹脂等で形成される。除菌剤、抗菌剤としては、例えば銀、銅、チタン等の金属元素またはこれらのイオンを含む無機材料等公知のものを適用することができる。
【0012】
基材2は、略長円形のシート状に形成される。
基材2の一方の面の、長手方向の一端に第1指挿入部3が形成され、他端に第2指挿入部4が形成されている。
第1指挿入部3は、指カバー部3aを、基材2との間に空間を残し、基材2の長手方向中央部寄りが開口部、基材2の端部側が底部となるようにポケット状に基材2に取り付けることにより形成される。
同様に、第2指挿入部4は、指カバー部4aを、基材2との間に空間を残し、基材2の長手方向中央部寄りが開口部、基材2の端部側が底部となるようにポケット状に基材2に取り付けることにより形成される。
【0013】
手カバー1は、長手方向中央を通る幅方向の直線を軸Zとして線対称に形成される。また、基材2の、指カバー部3a及び4aが固定された面とは逆側の面、つまり、手すり等を掴む面と、図1に示す使用状態において、第1指挿入部3及び第2指挿入部4の外側となる指カバー部3a、4aの面は、全面が赤色(第一の色)に着色される。基材2の、指カバー部3a及び4aが取り付けられた面と、図1に示す使用状態において、第1指挿入部3及び第2指挿入部4の内側となる指カバー部3a、4aの面は、全面が緑色(第二の色)に着色されている。
【0014】
基材2の長手方向の長さは、第1指挿入部3及び第2指挿入部4のうちの一方に親指を挿入し、他方に残りの四本の指を挿入した状態で、手すりや吊り革等を掴んだときに、手すりや吊り革等に手が直接触れることなく、十分に掴むことのできる長さに設定される。
第1指挿入部3及び第2指挿入部4は、親指を除く四本の指を挿入することのできる幅を有し、且つ、親指と他の四本の指とで手カバー1を保持することの可能な深さに形成され、例えば、指の長さより多少短い程度の深さに設定される。また、第1指挿入部3及び第2指挿入部4は、手カバー1を二つ折りにして基材2の両端を揃えた状態で、一方の指挿入部の指カバー部を、内側が表となるようにひっくり返して他方の指挿入部に被せることが可能な程度の厚みに形成され、手カバー1を二つ折りにした状態で維持できるようになっている。
【0015】
なお、第1指挿入部3と第2指挿入部4とは、必ずしも同一形状でなくともよく、一方の指挿入部の指カバー部を、内側が表となるようにひっくり返して他方の指挿入部に被せることで、手カバー1を二つ折りにした状態を維持することができればよい。例えば、第1指挿入部3と第2指挿入部4のうちいずれか一方の深さを他方よりも浅くしてもよい。この場合、浅くした方の指挿入部例えば3を親指用とし、他方の指挿入部例えば4を他の四本の指用として用いるようにしてもよい。
【0016】
〔手カバーの使用方法〕
手カバー1を使用するときには、図2に示すように、第1指挿入部3及び第2指挿入部4の一方に親指、他方に残りの四本の指を入れ、手カバー1を装着した状態で、ドアノブ10や、手すり、吊り革等を、手カバー1を介して掴む。図2では、第2指挿入部4に親指を入れ、第1指挿入部3に四本の指を入れている。
手カバー1の両端を親指と残りの指とにはめているため、手カバー1は、指及び掌に添って装着される。そのため、手が直接ドアノブ10等に触れることはない。
【0017】
そして、手カバー1を外すときには、手カバー1を手に装着した状態で、手カバー1の先端同士を揃え、例えば、第1指挿入部3の指カバー部3aを、その内側が表となるようにひっくり返して第2指挿入部4に被せる(図3)。指カバー部3aをひっくり返すときには、基材2のドアノブ10等と接触した面は、二つ折りにした内側に位置する。そのため、手カバー1を使用した後、携帯するために、手カバー1を二つ折りにした状態に維持するため指カバー部3aをひっくり返すときには、ドアノブ10等と接触した面、つまり、手カバー1の二つ折りにした内側の面に触れることなく、ひっくり返すことができる。
【0018】
これにより、手カバー1は、二つ折りにした状態を維持する。つまり、ドアノブ10等と接触した面を内側にしたままの状態が維持される。そして、この状態で手カバー1を携帯する。このとき、手カバー1は、ドアノブ10等と接触した面を内側にした状態に維持されるため、手カバー1を衛生的に持ち運ぶことができる。
なお、ここでは、指カバー部3aを、第2指挿入部4に被せる場合について説明したが、指カバー部4aを第1指挿入部3に被せるようにしてもよい。図1に示すように、手カバー1が線対称に形成されている場合には、第1指挿入部3及び第2指挿入部4のいずれに親指を挿入したとしても同様に使用することができ、第1指挿入部3及び第2指挿入部4のどちらに親指を入れるかを識別する必要がなく、使い勝手を向上させることができる。
【0019】
そして、次に、手カバー1を使うときには、手カバー1を二つ折りにした状態で、例えば第2指挿入部4を親指にはめ、手カバー1の輪の部分が親指と人指し指との間にくるようにして手カバー1を掴む。そして、第2指挿入部4に被さっている指カバー部3aをひっくり返し、他の四本の指を指カバー部3aで覆うことで、第1指挿入部3に四本の指を挿入した状態となる。
指カバー部3aによって一つに固定されていた両端が開放されるため、手カバー1が指及び掌に添った状態のまま、指の動きに応じて手カバー1を動かすことができ、手カバー1を介してドアノブ10等を掴むことが可能となる。
【0020】
ここで、携帯時の状態の手カバー1を手に装着したときには、手カバー1の表面は全体が緑色である。そして、手カバー1の各部のうち、緑色に着色されているのは、基材2の、指カバー部3a、4aが取り付けられた面と、指カバー部3a、4aの内側の面である。この緑色に着色されている面は、使用時にドアノブ10等に接触する可能性が低い面であり、触れてもウィルス等が付着する可能性が低い面である。使用者は、手カバー1の表面全体が緑色であることから、触れてもウィルス等が付着することのない面であることを認識することができ、手カバー1を安心して取り扱うことができる。
【0021】
逆に、図1に示す、使用状態では、手カバー1は、指カバー部3a及び4aと、基材2の掌と接する面とは逆の面とが、赤色に着色された状態であって、ウィルスが付着している可能性の高い面である。使用者は、手カバー1をはめた状態では、手カバー1の表面が赤色に着色されていることから、手カバー1をはめたまま頭等に触れてはいけないことを容易に認識することができる。
【0022】
〔効果〕
本発明の一実施形態に係る手カバー1は、基材2の両端それぞれに設けられた第1指挿入部3及び第2指挿入部4に指を挿入することで、基材2の両端まで含めて基材2全体が指及び掌に添うように手カバー1を装着することができる。そのため、手すりやドアノブ等を、慌てて掴むような場合等であっても、指や掌が手カバー1に覆われた状態を維持することができ、手が手すりやドアノブ等と直接接触することをより確実に回避することができる。
【0023】
また、第1指挿入部3及び第2指挿入部4の一方に指を挿入し、手カバー1の輪の部分が親指と人指し指との間にくるように掴んだ状態で、露出している指を覆うように指挿入部を覆っている別の指挿入部の指カバー部をひっくり返すことで、装着が完了し、逆に、指カバー部を、別の指カバー部を含む指挿入部に被せることで、携帯可能な状態にすることができる。そのため、片手で容易に装着することができると共に、容易に携帯可能な状態にすることができる。
また、装着時や携帯可能な状態にする際には、手すりやドアノブ等に接触した部分を内側にして二つ折りにした状態で行うことができる。つまり、装着時や携帯可能な状態にする際には、ウィルス等が付着している可能性のある部分を触ることなく、取り扱うことができ、衛生的にも安心して取り扱うことができる。
【0024】
また、ドアノブ10等と接触する、基材2の、指カバー部3a、4aが設けられた側とは逆側の面及び、ドアノブ10等と接触する可能性のある、使用時に外側となる指カバー部3a、4aの面は赤色に着色し、ウィルス等が付着する可能性が少ない基材2の指カバー部3a、4aが設けられた面及び、使用時に内側となる指カバー部3a、4aの面は緑色に着色している。そのため、使用者は、手カバー1の各部の色を見ることで、ウィルス等が付着している可能性があるか否かを容易に認識することができる。そのため、手カバー1の緑色に着色された面であれば安心して触ることができ、逆に赤色に着色された面であれば用心して取り扱うため、手カバー1を介してウィルスが手や顔等に付着することを容易に抑制することができる。
【0025】
また、携帯時に、手カバー1を二つ折りにした状態に維持する方法として、先端部分を留め具等で止める方法等も考えられる。しかしながら、先端部のみ止めた場合には先端部と折り曲げた部分との間の部分に隙間ができる可能性があり、手カバー1をカバン等に入れた場合、この隙間にペン等が入ったりし、ウィルス等が付着している可能性のある部分に接触する可能性がある。つまり、使用者はウィルスが付着した部分を直接は触らないものの、ウィルスが付着したペン等を使用者が触ることによって、間接的にウィルスに接触する可能性がある。仮に、二つ折りにした間に物が入り込まないように留め具を複数設けた場合には、留め具を介して手すり等を掴むことになり、十分に掴むことができない可能性がある。
【0026】
これに対し、本実施形態に係る手カバー1は、指カバー部3a、4aを利用して手カバー1の先端部どうしを固定しており、第1指挿入部3及び第2指挿入部4は指の長さ程度の深さを有し、つまり指カバー部3a、4aは指の長さ程度を有する。そのため、指カバー部3a又は4aを第1指挿入部3又は第2指挿入部4に被せることによって、比較的折り曲げた輪の部分に近い位置まで指カバー部により覆われる。その結果、二つ折りにした手カバー1の間に物が入りにくい状態とすることができ、衛生的である。
【0027】
なお、上記実施形態では、ウィルス等が付着している可能性が低い部分を緑色、他の部分を赤色としているが、これに限るものではない。ウィルス等が付着している可能性が低い部分と、そうではない部分とを視覚的に認識させることができればどのような色であってもよく、また図柄や文字等で認識させるようにしてもよい。
【0028】
〔変形例〕
(変形例1)
上記実施形態において、図4に示すように、少なくとも一方の指カバー部例えば4aのポケット状の開口部となる部分に、指カバー部をひっくり返す動作を補助する反転動作補助構造として、指カバー部4aを掴みやすくするための凸部4aaを形成してもよい。このようにすることによって、指カバー部4aをひっくり返すときに凸部4aaを引っ張ることによって、より容易に指カバー部4aを他方の指カバー部3aを含む第1指挿入部3に被せることができる。なお、凸部4aaは、指カバー部3aに設けてもよく、指カバー部3a及び4aの両方それぞれに設けてもよい。また、第1指挿入部3及び第2指挿入部4のいずれに親指を挿入してもよい。
【0029】
(変形例2)
上記実施形態において、図5に示すように、一方の指カバー部例えば4aを、ポケット状に基材2に固定せずに、指カバー部4aのポケットをなす向かい合う二辺のうちの一方の辺を、開口端から辺の途中までは基材2に固定せずに、辺に沿った切欠き4abを設けてもよい。このように、反転動作補助構造として、切欠き4abを設けることにより、指カバー部4aを他方の指カバー部3aを含む第1指挿入部3に被せる際、或いは取り外す際のひっくり返す作業をより容易に行うことができる。切欠き4abは、指カバー部3aに設けてもよく、指カバー部3a及び4aの両方それぞれに設けてもよい。また、第1指挿入部3及び第2指挿入部4のいずれに親指を挿入してもよい。
【0030】
(変形例3)
上記実施形態において、図6に示すように、反転動作補助構造として、いずれか一方の指挿入部例えば第2指挿入部4に比較して、第1指挿入部3をより大きくする。そして、より大きい第1指挿入部3に四本の指を挿入し、より小さい第2指挿入部4に親指を挿入し、携帯時にはより大きい指カバー部3aをひっくり返してより小さい第2指挿入部4に被せるようにしてもよい。なお第1指挿入部3に比較して第2指挿入部4をより大きくするようにしてもよい。
【0031】
(変形例4)
上記実施形態において、図7に示すように、反転動作補助構造として、いずれか一方の指カバー部例えば4aの開口部に比較して、他方の指カバー部3aの開口部をより大きくする。そして、より開口部の大きい指カバー部4aを、第1指挿入部3に被せるようにする。これによって、指カバー部4aを、第1指挿入部3に被せやすくすることができると共に、取り外しやすくすることができる。なお、指カバー部3aの開口部に比較して、指カバー部4aの開口部をより大きくするようにしてもよい。また、第1指挿入部3及び第2指挿入部4のいずれに親指を挿入してもよい。
【0032】
(変形例5)
上記実施形態において、図8に示すように、反転動作補助構造として、一方の指カバー部例えば3aの内側、つまり、第1指挿入部3の底部部分に第1指挿入部3の先端を内側から引っ張る引っ張り紐3bを設ける。そして、手カバー1を二つ折りにした状態で、指カバー部3a側をひっくり返して第2指挿入部4に被せる際に、第1指挿入部3の内側から引っ張り紐3bを引っ張りつつ、指カバー部3aをひっくり返す。これによって、指カバー部3aをひっくり返しやすくすることができる。なお、引っ張り紐3bを、指カバー部4aの内側に設けてもよく、指カバー部3a及び4aそれぞれに設けてもよい。また、この場合、第1指挿入部3及び第2指挿入部4のいずれに親指を挿入してもよい。
【0033】
(変形例6)
また、手カバー1において、変形例1から変形例5のいずれか複数の反転動作補助構造を備えるように構成してもよい。
【0034】
なお、上述した実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 手カバー
2 基材
3 第1指挿入部
3a 指カバー部
3b 引っ張り紐
4 第2指挿入部
4a 指カバー部
4aa 凸部
4ab 切欠き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8