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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147900
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/18 20200101AFI20220929BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20220929BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/125
H05B47/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049363
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】岩坪 幸喜
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA31
3K273QA39
3K273SA04
3K273SA21
3K273SA37
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA52
3K273TA62
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA19
3K273UA22
3K273UA28
(57)【要約】
【課題】POEによって給電可能であると共に、照明コントローラとの接続が簡易であり、かつ、異なる通信方式への対応が可能な照明制御システムを提供すること。
【解決手段】本開示の照明制御システムは、照明空間を照明する照明器具と、前記照明器具を制御する照明制御装置と、前記照明器具と前記照明制御装置との間に設けられるスイッチ機能付端末器と、を備える照明制御システムであって、前記スイッチ機能付端末器はPOEを介して1個以上の前記照明制御装置と接続されていることで、照明コントローラとの接続が簡易であり、かつ、異なる通信方式への対応が可能なことを特徴とするものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明空間を照明する照明器具と、
前記照明器具を制御する照明制御装置と、
前記照明器具と前記照明制御装置との間に設けられるスイッチ機能付端末器と、
を備える照明制御システムであって、
前記スイッチ機能付端末器は直流給電配線を介して1個以上の前記照明制御装置と接続されている照明制御システム。
【請求項2】
前記スイッチ機能付端末器と前記照明器具とは、信号線及び直流電源線を含む複数の配線を有する直流給電配線により接続されている請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記スイッチ機能付端末器は前記直流給電配線への給電をオン/オフ可能であるリレーを有している請求項2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記リレーは前記電源線からの給電をオン/オフ可能であると共に、前記信号線には前記リレーが設けられてない請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記照明制御装置は少なくとも1個の照明コントローラを含み、前記照明コントローラは、特定のプロトコルにより前記スイッチ機能付端末器と通信する請求項1~4のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記リレーは前記照明コントローラにより制御される請求項5に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記照明制御装置は上記照明コントローラとは異なるプロトコルにより前記スイッチ機能付端末器と通信する他の照明制御手段をさらに含んでいる請求項5又は6に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記スイッチ機能付端末器と前記照明器具とは、電源線及び信号線を含む複数の配線を有する直流給電配線により接続されており、
前記信号線には、前記照明コントローラからの信号、前記他の照明制御手段からの信号、または、無信号を少なくとも含む複数の信号の中から1つの信号が選択的に接続されている請求項7に記載の照明制御システム。
【請求項9】
スイッチ機能付端末器には直流給電配線を介してセンサを接続することができる請求項1~8のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項10】
スイッチ機能付端末器には直流給電配線を介して配線確認用テスターを接続することができる請求項1~9のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項11】
前記配線確認用テスターはスイッチ機能付端末器に給電することができる請求項10に記載の照明制御システム。
【請求項12】
前記直流給電配線は、POEである請求項1~11のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は照明制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は照明器具の電源として交流100Vが用いられており、照明器具を設置する場合には電気工事士に施工が必要であった。近年、LEDの普及により低電圧での給電が可能となった。特許文献1では、POE(Power over Ethernetの略称である)給電によるLED照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-511808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているLED照明装置では、POEによって給電することができるが、照明コントローラとの接続や、異なる通信方式への対応についての検討が行われていない。
【0005】
本開示の目的は、POEによって給電可能であると共に、照明コントローラとの接続が簡易であり、かつ、異なる通信方式への対応が可能な照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの態様の照明制御システムは、照明空間を照明する照明器具と、
前記照明器具を制御する照明制御装置と、
前記照明器具と前記照明制御装置との間に設けられるスイッチ機能付端末器と、
を備える照明制御システムであって、
前記スイッチ機能付端末器は直流給電配線を介して1個以上の前記照明器具と接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施態様によれば、POEによって給電可能であると共に、照明コントローラとの接続が簡易であり、かつ、異なる通信方式への対応が可能な照明制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における照明制御システムのブロック図である。
図2】実施の形態1における給電機能付端末器のブロック図である。
図3】実施の形態1における端末器及び照明器具のブロック図である。
図4】実施の形態1における端末器の機能ブロック図である。
図5】実施の形態1におけるLANケーブル(POE)の配線図である。
図6】実施形態2の通信回路のブロック図である。
図7】テスターを接続した場合の一例の配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施形態に係る照明制御システムについて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は本開示の技術思想を具体化するための照明制御システムを例示するものであって、本開示をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【0010】
[実施形態1]
本開示の実施形態1に係る照明制御システムについて、図1~4を参照して説明する。図1は、照明制御システムのブロック図である。照明制御システムは、パーソナルコンピュータ10(以下、「PC10」という。)、照明コントローラ11、リレー端末12、壁スイッチ13、HUB14、端末器A15、端末器B16、端末器C17、照明器具20、画像センサ21、照度センサ22等からなる。なお、本実施形態の照明制御システムは、図1の構成に限定されるものでは無く、例えば、照明コントローラ11、端末器15~17、リレー端末の数は任意であり、端末器15~17に接続される照明器具20、画像センサ21、照度センサ22の個数は任意であり、画像センサ21又は照度センサ22は省略することもでき、また、これらの代わりに、あるいは、これに加えて、人感センサ、照度・人感センサ等を設けることもできる。
【0011】
照明コントローラ11はLAN25を介してPC10に接続されており、PC10によって、照明コントローラ11の設定および制御を行うことができる。照明コントローラ11には、専用回線26を介して、リレー端末12、壁スイッチ13、端末15~17等が接続されている。リレー端末12、壁スイッチ13、端末15~17の数は適宜設定可能である。専用回線は、照明器具の製造するメーカー毎の仕様により構成された回線であり、メーカー同士の回線で互換性がないことが多い。専用回線は、三菱電機照明株式会社のFBUS等が挙げられる。端末器15~17は、HUB14を介してLAN25によりPC10に接続されている。ここでLANの種類は特に限定されるものではないが、例えばイーサネット等を用いることができる。
なお、照明コントローラを照明制御装置と呼んでも良い。また、照明コントローラおよびPCをあわせて照明制御装置と呼んでも良い。また、HUBをスイッチ機能付端末機と呼んでも良く、HUBと端末器を合わせてスイッチ機能付端末機と呼んでも良い。
【0012】
本実施形態では特定のプロトコルにより通信回線の一例として専用通信線26を、照明コントローラ11とは異なるプロトコルによる通信の一例としてイーサネットからなるLANを用いることを説明したが、特定のプロトコルによる通信、及び、異なるプロトコルによる通信はこれに限定されるものでは無く、どのような組み合わせであっても構わない。
【0013】
また、HUB14はLANによりPC10に接続されている例を説明したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、HUB14が他の制御装置に接続されている構成であってもよい。
【0014】
端末器A15、端末器B16および端末器C17のそれぞれには、照明器具20や画像センサ21等がLANケーブル27を介して接続されている。端末器A15、端末器B16および端末器C17のそれぞれに接続される照明器具20の種類や数は任意である。また、画像センサ21又は照度センサ22は例示であり、これらを省略することもでき、さらに、これらの代わりに、あるいは、これに加えて、人感センサ、照度・人感センサ等の他の種類のセンサを設けることもできる。
【0015】
図1には、端末器A15、端末器B16、端末器C17の3つを記載されているが、以下では、代表して端末器A15について説明する。なお、他の端末器の構成も端末器A15と同様である。また、端末器A15には照明器具20及び画像センサ21が接続されているものとして説明するが、これは単なる一例にすぎず、上述のとおり、例えば画像センサ21以外のセンサ等が接続されていてもよい。
【0016】
照明器具20及び画像センサ21は、LANケーブル27を介して端末器A15に接続されている。LANケーブルとしては、例えばPOE(Power over Ethernet、IEEE 802.3af / PoE+ / IEEE 802.3at、別名:PoE++IEEE 802.3bt)を用いることができる。POEはイーサネットの通信ケーブルを利用して接続先の機器に電力を供給する仕様である。各照明器具20及び画像センサ21は、LANケーブル27によって端末器A15から給電されている。
【0017】
LANケーブル27による給電電圧は、直流48Vである。交流100Vの配線工事は電気工事士による施工が必要であるが、LANケーブル27の抜き差しにより配線作業であれば、電気工事士でなくても、誰でも行うことができる。照明装置等はLED化により消費電力が低減されてきており、LANケーブルによる給電で十分なものが多い。このため、LANケーブルにより給電を行うことにより、照明システムの施工作業やレイアウト変更作業を簡素化することが可能となる。
【0018】
図2は、給電機能付端末器のブロック図である。給電機能付端末器15は、CPU28、通信回路30、給電回路31、リレー回路29及びRJ45コネクタ36等を備えている。通信回路30は、専用通信回路45、EtherNET HUB46及び切替回路44等を備えており、専用通信回路45は照明コントローラ11と専用通信線により接続されており、EtherNET HUB46はHUB43とLAN25により接続されている。電源回路31には、商用電源35が接続されている。RJ45コネクタコネクタ36は、複数の照明器具20、画像センサ21及び照度センサ22と接続されている。CPU28は、少なくとも後述の保護回路33、切替回路及びリレー回路等の制御を行う。なお、図3図4においては、CPU28が省略されているが、図4の保護回路33、リレー制御回路50及び通信切替回路53等は、CPU28により制御される。
【0019】
図3は、端末器15及び照明器具20のブロック図である。端末器15には、通信回路30、給電回路31、リレー34が設けられている。通信回路30は、照明回路20への通信線を専用回線26、LAN25又はDATA無しのいずれかに切り替えることができる。LANケーブル27は、電源線37及び信号線38を備えている。通信回路30で選択された通信線は、RJ45コネクタ36、LANケーブル27の信号線38、RJ45コネクタ42、通信回路41を介して、照明回路20ないし画像センサ21に接続される。照明器具20が通信機能を備える場合には、LANケーブル27を介して、端末器15との間で一方向ないしは双方向の通信が可能である。同様に、画像センサ21と端末15との間でもLANケーブル27を介して、一方向ないしは双方向の通信が可能である。
本実施例では、通信回路30の切替が1つのリレーで構成しているが、リレーの数量を照明器具20の台数分用意すれば、照明器具20毎に制御できる。
【0020】
給電回路31は、電源回路32及び保護回路33を有している。電源回路32は、電源35から給電される。電源35は例えば商用電源であり、特に限定されるものでは無いが例えば交流100Vとすることができる。電源回路32は、電源電圧、例えば交流100Vを、LANケーブル27に適合した電圧である直流48Vに変換し、保護回路33を介して出力する。保護回路33は、電源回路の出力電圧ないし電流を監視し、異常を検出した場合、例えば過電流ないし過電圧の場合には、例えばリレー34をオフすること等により、給電を停止する。
【0021】
給電回路31の出力側には、給電をオンオフ制御することができるリレー34が接続されている。給電回路31から出力された電力は、リレー34、RJ45コネクタ36、LANケーブル27の電源線37、RJ45コネクタ42、受電回路40を介して、照明回路20ないし画像センサ21に給電される。なお、RJ45コネクタ36及びRJ45コネクタ42は、POE規格に適合したものが採用される。
【0022】
端末器A15から照明器具20に対してPOE給電された場合には、照明器具20は、LANケーブル27を接続させることで点灯することができる。または、端末器A15から照明器具20に対してPOE給電された場合には、照明器具20は、専用通信線26を接続させることでも点灯することができる。照明器具の施工ないしレイアウト変更において、容易に施工やレイアウトをすることができる。本実施形態においては、簡易な構成により、照明器具の配線を行うことが可能である。
【0023】
図4は、端末器A15の機能ブロック図である。端末器15は、給電回路31、通信回路30、リレー制御回路50、電源プラス側リレー51、電源マイナス側リレー52、及び、RJ45コネクタ34を備えている。
【0024】
通信回路30には、照明コントローラ11からの専用通信線26及びLAN25が接続されている。また、通信回路30は、通信線切替スイッチ39及び通信線切替回路53を備えており、通信線切替回路53によって、通信線切替スイッチ39を切替操作することにより、専用通信線26、LAN25又はDATA無しのいずれかの信号線を選択することができるように構成されている。通信線切替回路53は照明コントローラ11からの信号により切り替え制御される。なお、本実施形態では、通信線切替回路53が照明コントローラ11からの信号により切り替え制御される例を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、LANからの信号により通信線切替回路53が切り替え制御されるようにしてもよい。
【0025】
通信回路30において選択された信号線は、RJ45コネクタ34のDATA用端子を介してLANケーブル27の信号線38に接続されている。給電回路31は、電源回路32及び保護回路33を備えており、前述のとおり電源35の電圧をLANケーブル27に適合した電圧に変換し、保護回路33を介して電力を出力する。給電回路31から出力された電力はリレー34を介して、RJ45コネクタ34の電源プラス、電源マイナス端子に供給される。リレー34の形式は特に限定されるものではないが、例えば電源プラス側リレー51及び電源マイナス側リレー52からなる両切のものを用いることができる。電源プラス側リレー51及び電源マイナス側リレー52は、リレー制御回路50により同期してオンオフ制御される。
【0026】
リレー制御回路50には、保護回路33及び専用線通信線26からの信号が接続されている。保護回路33が電源回路32の出力に異常を検知した場合、例えば過電流ないし過電圧を検出した場合には、リレー制御回路50により電源プラス側リレー51及び電源マイナス側リレー52をオフに切り替えることにより、電源異常から回路を保護する。また、リレー制御回路50は専用通信線26を介して照明コントローラ11に接続されており、照明コントローラ11からの信号により、電源プラス側リレー51及び電源マイナス側リレー52のオンオフを制御することができる。
本実施形態ではリレー制御回路50によるリレー34のオンオフ制御を専用通信線26を介して照明コントローラ11から行う例を説明したが、リレー34の制御をLAN25を介して行うようにしてもよい。
【0027】
照明器具20が調光回路を備えている場合には、照明コントローラ11からの専用通信線の信号、又は、LAN25の信号によって、照明器具20を調光指令により0%~100%で調光制御することができる。
照明器具20は、電力が電源線37を介して受電回路40に送付され、調光指令が信号線38を介して通信回路41に送付される。
照明器具20は、調光0%の調光指令をうけたとき、点灯をしていない状態になるが待機の為の電力は発生している。
端末器A15は、電源線37の給電出力端部36の手前にリレー34が配設されていることで、リレー34がオンとなり電力を照明器具20に送付する状態と、リレー34がオフとなり照明器具20への電力が停止する状態を切り替えることができる。端末器A15は、照明器具20への調光0%の指令が送付されたときに、リレー34をオフにし、照明器具20の待機電力の発生を抑制することができる。また、端末器A15は、照明器具20への調光指令に関係なくリレー34をオフにし、照明器具20の待機電力の発生を抑制することもできる。
【0028】
図5はLANケーブルの配線図である。LANケーブル27は、電源プラス線55、電源マイナス線56、データ線A57、及び、データ線B58を有している。
電源プラス線55と電源マイナス線56は電源線37であり、データ線A57とデータ線B58は信号線38である。
LANケーブル27は、電源プラス線55、電源マイナス線56、データ線A57、及び、データ線B58が1つにまとめら被覆されたものであり、両端に図示しないコネクタが設けられている。この図示しない両端のコネクタは、それぞれ端末器A15側コネクタ36および照明器具20側コネクタ42に接続される。このLANケーブル27側のコネクタは、外郭の構成が樹脂部材で形成されており、端末器A15側コネクタ36および照明器具20側コネクタ42に接続する際に安全に取り付けすることができる。よって、専用の資格を備えていない作業者でも施工をすることができる。
また、LANケーブル27は、LANケーブル27側のコネクタを端末器A15側コネクタ36および照明器具20側コネクタ42に嵌合させることで端末器A15と照明器具20を電気的に接続させることができ、工具などにより結線しなくとも接続させることができる。
また、LANケーブル27により端末器A15と照明器具20を接続させることで、電源を伝達する電線の接続作業と、信号を伝達する電線の接続作業を同時にすることができ、施工の作業を容易にすることができる。
【0029】
LANケーブル27の各配線と端末器A15側のRJ45コネクタ36および照明器具20側のRJ45コネクタ42との接続の詳細を説明する。電源プラス線55はRJ45コネクタ36、42の4番及び5番端子にLANケーブル27のコネクタを介して接続されている。電源マイナス線56はRJ45コネクタ36、42の7番及び8番端子にLANケーブル27のコネクタを介して接続されている。データ線A57はRJ45コネクタ36、42の1番及び2番端子にLANケーブル27のコネクタを介して接続されている。データ線B58はRJ45コネクタ36、42の3番及び6番端子にLANケーブル27のコネクタを介して接続されている。LANケーブル27の各配線はRJ45コネクタ36、42の2つのポートを用いている。
【0030】
そして、各配線に対応するように、端末15の給電回路の電源プラス側は、電源プラス線55に対応するようにRJ45コネクタ36の4番及び5番端子に接続されており、給電回路31の電源マイナス側は、電源マイナス線56に対応するようにRJ45コネクタ36の7番及び8番端子に接続されており、通信回路30の一方の端子は、データ線TX57に対応するようにRJ45コネクタ36の1番及び2番端子に接続されており、通信回路30の他方の端子はデータ線RX58に対応するようにRJ45コネクタ36の3番及び6番端子に接続されている。通信回路30、41は2本のデータ線、データ線TX57及びデータ線RX58を用いて接続される。
【0031】
照明器具20側も、各配線に対応するように、受電回路40の電源プラス側は、電源プラス線55に対応するようにRJ45コネクタ42の4番及び5番端子に接続されており、受電回路40の電源マイナス側は、電源マイナス線56に対応するようにRJ45コネクタ42の7番及び8番端子に接続されており、通信回路41の一方の端子は、データ線TX57に対応するようにRJ45コネクタ42の1番及び2番端子に接続されており、通信回路41の他方の端子はデータ線RX58に対応するようにRJ45コネクタ42の3番及び6番端子に接続されている。
【0032】
このように配線されることにより、端末器15の給電回路31から照明器具20の受電回路41へは、電源プラス線55及び電源マイナス線56を介して給電される。また、端末器15の通信回路30と照明器具の通信回路41との間は、データ線TX57及びデータ線RX58により接続され、通信回路30から、専用通信線26、LAN25又はDATA無しのいずれかの信号線が接続されている。
【0033】
図5では、照明器具20の1個分のRJ45コネクタ36について説明したが、端末器15は複数のコネクタ36を備えており、この個数は特に限定されるものではないが、例えば4個、あるいは、4×n個(nは自然数、例えばn=1,2,3,4,・・・)とすることができる。
【0034】
[実施形態2]
本開示の実施形態2に係る照明制御システムについて図6を参照して説明する。図6は実施形態2の通信回路のブロック図である。図6において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。図6では切替回路44及び専用通信用リレー4の構成が実施形態1とは異なる。
【0035】
通信線切替スイッチ39の一方の接点、及び、給電切替スイッチ47の一方の接点は、専用通信用リレー48を介して、専用通信回路45に接続されている。通信線切替スイッチ39の他方の接点は、HUB46に接続されている。また、給電切替スイッチ47の他方の接点は、給電回路31に接続され、POE給電されている。専用通信用リレー48、給電切替スイッチ47、通信線切替スイッチ39は、CPU28により制御される。CPU28は、照明コントローラ11から専用通信線26により通信される専用通信信号、又は、HUB43からLAN25により通信されるLAN信号による指令に基づいて、専用通信用リレー48、給電切替スイッチ47及び通信線切替スイッチ39のオンとオフのスイッチ切替を制御する。
【0036】
RJ45コネクタ36は、給電用コネクタ65と通信用コネクタ66を備えている。給電切替スイッチ47の出力は給電用コネクタ65に接続され、通信線切替スイッチ39の出力は通信用コネクタ66に接続される。給電用コネクタ65には、48VのPOE給電31、専用通信用リレーON状態のときに専用通信回路45、又は、専用通信線OFF状態のときに信号無しのいずれかが、CPU28による専用通信用リレー48及び給電切替スイッチ47の制御に基づき選択的に接続される。一方、通信用コネクタ66には、HUB46、専用通信用リレーON状態のときに専用通信回路45、又は、専用通信線OFF状態のときに信号無しのいずれかが、CPU28による専用通信用リレー48及び通信線切替スイッチ39の制御に基づき選択的に接続される。給電用コネクタ65及び通信用コネクタ66には、それぞれ給電切替スイッチ47及び通信線切替スイッチを介して、独立して給電及び通信線が切り替えられるため、通信線を接続したまま、給電だけをオンとオフの切替することが可能である。また、LAN配線は、専用通信用リレー48のオンとオフに関係なく、常時、照明器具、画像センサ、又は、照度センサに接続可能となっている。
【0037】
[実施形態3]
本開示の実施形態3に係る照明制御システムについて説明する。端末器15に専用通信線26やLAN25等の通信線が接続されていない場合には、通信回路30の通信線切替スイッチ39はDATA無しに切り替えられ、データTXとデータRXには何の通信線も接続されない。
【0038】
また、変形例として、端末器15には、専用通信線26とLAN25のいずれか一方が接続されていてもよい。この場合には、通信回路30の通信線切替スイッチ39は専用通信線26とLAN25のいずれか一方か、DATA無しか、のいずれかに切り替えることができる。
【0039】
[実施形態4]
本開示の実施形態4に係る照明制御システムについて説明する。端末器15には、RJ45コネクタ36を介して、照明器具20だけでなく、画像センサ21、輝度センサ等のセンサ類等も接続することができ、この場合、実施形態1で説明したものと同様に、照明器具20から画像センサ21等への給電は、LANケーブルにより行われる。なお、画像センサ21は、人検知、明るさ検知等が可能であり、輝度から照度を演算で求めること等も可能である。輝度センサは、照明に向かって設けられ、照明周辺の明るさを検出することができる。
【0040】
[実施形態5]
本開示の実施形態5に係る照明制御システムについて説明する。本実施形態の照明制御システムは仮配線時に端末器15に対して給電可能なテスターを接続するものである。施工途中の仮配線時には端末器15に電源35が接続されていない。この場合には、コネクタ42に給電可能なテスターを接続することにより、端末器15に対して給電することが可能である。
【0041】
給電回路31の保護回路33又は電源回路32のすくなくともいずれか一方がテスターの接続を検知可能に構成され、また、電源回路32にテスターから電力を受電できる機能を設けておくことにより、端末器15はテスターからの給電が可能となる。これにより、端末器15が電源35に接続されていなくとも、端末器15がテスターからの給電を受けることにより、仮配線時において照明制御システムの配線チェックや動作チェックを行うことが可能である。
【0042】
[実施形態6]
31本開示の実施形態6に係る照明制御システムについて図7を参照して説明する。図7は、テスターを接続した場合の一例の配線図であり、図1~6と同様の構成については同一の符号を用い、その説明は省略する。
【0043】
図7には、天井6Aリレー端末器である、端末器A15及び端末器B16が示されている。端末器A及び端末器Bには、それぞれ照明器具20、画像センサ21及び輝度センサ22が接続されている。端末器A15及び端末器B16には、通信線を介して照明コントローラ25に接続されると共に、LANを介してHUB又はPOE-HUB14に接続されている。
【0044】
配線の施工時において、配線の接続状態を確認するために、HUB14に配線チェック用のテスター60を接続し、配線チェック用のテスター60の給電回路から電力を端末器のLAN端子に給電することができる。POE-HUB14にテスター60を接続すると、POE給電が可能となるため、まだ各部に商用電源を接続する前の施工途中の状態でも配線の状態を確認することが可能となる。
【0045】
以上、本開示の実施形態に照明制御システムについて説明したが、上記の実施形態は本開示の技術思想を具体化するための照明制御システムを例示するものであって、本開示をこれらに特定するものではなく、各実施形態の変形例や各実施形態を組み合わせたもの等、その他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【符号の説明】
【0046】
10 PC、11 照明コントローラ、12 リレー端末、13 スイッチ、14 HUB、15 端末器A、16 端末器B、17 端末器C、20 照明器具、21 画像センサ、22 輝度センサ、25 LAN、26 専用通信線、27 LANケーブル、28 CPU、29 リレー回路、30 通信回路、31 給電回路、32 電源回路、33 保護電源、34 リレー、35 電源、36 コネクタ、37 電源線、38 通信線、39 通信線切替スイッチ、40 受電回路、41 通信回路、42 コネクタ、43 HUB(POE-HUB)、44 切替回路、45 専用通信回線、46 EtherNet HUB、47 給電用リレー、48 専用通信用リレー、50 リレー制御回路、51 電源プラス側リレー、52 電源マイナス側リレー、53 通信線切替回路、54 通信線切替スイッチ、55 電源プラス線、56 電源マイナス線、57 データ線TX、58 データ線RX、60 テスター、65 給電用コネクタ、66 通信用コネクタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7