(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147969
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】顧客管理方法及び顧客管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049463
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】517337220
【氏名又は名称】株式会社キーマンズドットコム
(74)【代理人】
【識別番号】100181490
【弁理士】
【氏名又は名称】金森 靖宏
(72)【発明者】
【氏名】大井 啓史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】見込み客と繋がりたいと希望するユーザと該見込み客とを効果的にマッチングさせることができる顧客管理方法、及び顧客管理装置を提供する。
【解決手段】管理サーバが、第2ユーザの顧客属性を取得するために予め用意されるベースリサーチを第2端末に配信し、ベースリサーチに対して第2ユーザが回答することによって得られる顧客属性を第2端末から受信し、第1ユーザにより提供される商品又はサービスに関するニーズワードに対応して予め用意されるニーズリサーチを第2端末に配信し、ニーズリサーチに対して第2ユーザが回答することによって得られるニーズワードを第2端末から受信し、予め用意されるニーズワード選択肢からニーズワードを予め選択している第1ユーザの前記第1端末に当該ニーズワードを回答している第2ユーザの顧客属性を送信する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザの使用する第1端末と、第2ユーザの使用する第2端末と、管理サーバとを含む顧客管理システムによる顧客管理方法であって、
前記管理サーバが、前記第2ユーザの顧客属性を取得するために予め用意されるベースリサーチを前記第2端末に配信する第1リサーチ配信ステップと、
前記管理サーバが、前記ベースリサーチに対して前記第2ユーザが回答することによって得られる顧客属性を、前記第2端末から受信する顧客属性受信ステップと、
前記管理サーバが、前記第1ユーザにより提供される商品又はサービスに関するニーズワードに対応して予め用意されるニーズリサーチを、前記第2端末に配信する第2リサーチ配信ステップと、
前記管理サーバが、前記ニーズリサーチに対して前記第2ユーザが回答することによって得られる前記ニーズワードを前記第2端末から受信するニーズワード受信ステップと、
前記管理サーバが、予め用意されるニーズワード選択肢から前記ニーズワードを予め選択している前記第1ユーザの前記第1端末に、当該ニーズワードを回答している前記第2ユーザの前記顧客属性を送信する顧客属性送信ステップと
を備える顧客管理方法。
【請求項2】
前記管理サーバが、前記第2ユーザによる前記ニーズワード及び前記顧客属性の各回答に応じて付与されるポイントを、前記顧客属性と関連づけて記憶するステップと、
前記管理サーバが、前記ポイントを使用して前記第1ユーザとのマッチングを求める前記第2ユーザの前記第2端末からマッチング要求を受信すると、前記ニーズワードに紐づけられる2以上のリード属性からなるリード属性選択肢を前記第2端末に送信するステップと、
前記管理サーバが、前記リード属性選択肢のうち前記第2ユーザにより選択される前記リード属性を前記第2端末から受信すると、前記リード属性に係る2以上の前記第1ユーザの各前記第1端末にアテンド要請を送信するステップと、
前記管理サーバが、前記アテンド要請を前記第1ユーザが承諾することにより前記第1端末から受信されるアテンド承諾回答を受信すると、該アテンド承諾回答に係る前記第1ユーザから提供されるウェブ会議用URLを前記第2端末に送信するステップと、
をさらに備える請求項1に記載の顧客管理方法。
【請求項3】
前記管理サーバが、前記ニーズワードを回答した前記第2ユーザの前記顧客属性のうち前記第1ユーザにより選択される前記顧客属性を前記第1端末から受信するステップと、
前記管理サーバが、前記第1端末から受信される前記顧客属性に紐づけられる前記第2ユーザの使用する前記第2端末に、前記第1ユーザの業務が含まれる業種に関するリサーチへの協力を依頼するリサーチ協力依頼情報を送信するステップと、
前記管理サーバが、前記リサーチ協力依頼情報に対する前記第2ユーザによる回答を前記第2端末から受信するステップと、
前記管理サーバが、前記第2ユーザによる前記回答が肯定的な回答であるとき、該肯定的な回答を前記第1端末に送信するステップと、
前記管理サーバが、前記肯定的な回答を受信した前記第1端末から、前記リサーチに前記第2ユーザが回答するためのウェブ会議用URLを受信するステップと、
前記管理サーバが、前記第2端末に前記ウェブ会議用URLを送信するステップと
をさらに備える請求項1に記載の顧客管理方法。
【請求項4】
前記管理サーバが、前記第1ユーザの業務に対する興味を前記第2ユーザに喚起させる興味喚起情報を前記第1端末から受信するステップと、
前記管理サーバが、前記第1端末から受信した前記興味喚起情報を前記第1ユーザの業務を紹介する第1のメディアにアップロードするステップと、
前記管理サーバが、前記第1ユーザにより提供されるイベント情報を前記第1端末から受信すると、前記第1ユーザの提供する商品又はサービスを紹介する第2のメディアに前記イベント情報をアップロードするステップと、
前記管理サーバが、前記興味喚起情報がアップロードされている前記第1のメディアに関する第1のリンクを前記第2端末に配信するステップと
をさらに備え、
前記興味喚起情報には前記第2のメディアにアップロードされている前記イベント情報に関する第2のリンクが掲載されている
請求項1に記載の顧客管理方法。
【請求項5】
前記顧客属性は、前記第2ユーザの非個人情報であり、かつ、前記第2ユーザが潜在的にもち得るニーズを想起させるニーズ想起情報である
請求項1から4のいずれかに記載の顧客管理方法。
【請求項6】
第1ユーザの属性情報を少なくとも含む第1ユーザ情報を管理する第1ユーザ情報管理部と、
第2ユーザの顧客属性を少なくとも含む第2ユーザ情報を管理する第2ユーザ情報管理部と、
前記第1ユーザの前記属性情報と前記第2ユーザの前記顧客属性とに基づいて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを互いにマッチングさせるマッチング部と
を備える顧客管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客管理方法及び顧客管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、適切なマーケティング活動のためのセグメントの分析を簡便に実施することができるツールとしてのマーケティング支援システムに関する発明が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載される発明によれば、セグメント分析を容易に行うことができるため、仮説作りを容易にし、効果的なマーケティング活動を支援することができる。
【0003】
また、商品の性質、商品同士の関係、過去における顧客の購入履歴等に基づき、新たな商品の購入提案をすべき見込顧客を抽出する技術が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6704163号公報
【特許文献2】特開2002-334201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているマーケティング支援システムは、顧客のニーズを把握することができるものの、顧客レベルの階層分けを行うものに過ぎず、そのうちのどの顧客が見込客であるかを判定することや、その見込客を直接的にユーザに紹介することなどは考慮されていない。このため、特許文献1に開示されるようなシステムによっては、効果的なマッチングをすることが困難であるという問題点がある。
【0006】
また、特許文献2に開示されている上記の技術によって見込顧客を抽出することは可能であるとしても、抽出される見込顧客に対して行われる新商品の購入提案は、結局のところ商品を売り込む行為に他ならない。一般的に、商品やサービスを売り込む行為は、売り込まれる側に敬遠されることがほとんどである。この場合、いくら過去の購入履歴等に基づいて見込顧客を抽出することができたとしても、その見込顧客が新商品を欲しいと思わない限り、その新商品を購入してもらうことは困難である。
【0007】
このような実情のもとに本発明は創案されたものであって、その目的は、見込み客と繋がりたいと希望するユーザと該見込み客とを効果的にマッチングさせることができる顧客管理方法、及び顧客管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の顧客管理方法は、第1ユーザの使用する第1端末と、第2ユーザの使用する第2端末と、管理サーバとを含む顧客管理システムによる顧客管理方法であって、管理サーバが、第2ユーザの顧客属性を取得するために予め用意されるベースリサーチを第2端末に配信する第1リサーチ配信ステップと、管理サーバが、ベースリサーチに対して第2ユーザが回答することによって得られる顧客属性を、第2端末から受信する顧客属性受信ステップと、管理サーバが、第1ユーザにより提供される商品又はサービスに関するニーズワードに対応して予め用意されるニーズリサーチを、第2端末に配信する第2リサーチ配信ステップと、管理サーバが、ニーズリサーチに対して第2ユーザが回答することによって得られるニーズワードを第2端末から受信するニーズワード受信ステップと、管理サーバが、予め用意されるニーズワード選択肢からニーズワードを予め選択している第1ユーザの第1端末に、当該ニーズワードを回答している第2ユーザの顧客属性を送信する顧客属性送信ステップとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、見込み客と繋がりたいと希望するユーザと該見込み客とを効果的にマッチングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態における顧客管理装置(管理サーバ)を含む顧客管理システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態における顧客管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態における顧客管理装置の機能ブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の実施形態における初回登録フォームの一例を示す概略図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の実施形態における追加登録フォームの一例を示す概略図である。
【
図4C】
図4Cは、本開示の実施形態における顧客データベースの一例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態における所定の興味カテゴリーに関するリサーチフォームの一例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態におけるリサーチ協力依頼フォームの一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態における各メディアのウェブサイト画面の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態における顧客管理方法による顧客属性の送信に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態における顧客管理方法によるマッチングに関する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態における顧客管理方法によるリサーチに関する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態における顧客管理方法によるマッチングに関する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する形態に限定されることはなく、技術思想を逸脱しない範囲において種々変形を行なって実施することが可能である。
【0012】
本実施形態においては、ビジネスにおける会員同士のマッチングを目的とした会員ネットワークにおいて利用される、各会員と見込客とを自動的につなぐシステム(アプリケーション)を例として説明する。本実施形態における以下の説明においては「第1ユーザ」及び「第2ユーザ」のそれぞれが登場するが、「第1ユーザ」を上記ネットワークのメンバー会員として、「第2ユーザ」を上記システム(アプリケーション)の利用者(アプリ会員)として、便宜上設定したうえで説明する。なお、メンバー会員としての「第1ユーザ」は、上記アプリ会員としての「第2ユーザ」にもなり得る。
【0013】
本発明は、効果的なマッチングを行うために、少なくとも2段階のリサーチを行うことを特徴とする。本実施形態における2段階のリサーチは、第2ユーザの基本情報や第2ユーザの属性情報を取得するためのベース(基本)リサーチ(第1段階)、及び、第2ユーザのニーズ(顕在的なニーズ、潜在的なニーズ)を取得するためのニーズリサーチ(第2段階)が含まれる。
【0014】
第1段階のベースリサーチについては従来も行われていた顧客情報を得るためのリサーチに類似するリサーチ手法であるところ、本発明においては、当該第1段階のベースリサーチに加え、第2段階としてのニーズリサーチを行い、このニーズリサーチの結果に応じて真の見込客を技術的に抽出するところに特徴がある。また、本発明においては、第1段階のベースリサーチによるリサーチ結果の利用方法にも従来と異なる技術的な特徴がある。
【0015】
具体的には、第1段階のベースリサーチは、主に第2ユーザの基本情報や属性情報を抽出する目的で行われるリサーチである。一方で、第2段階のニーズリサーチは、第2ユーザの直接的かつ顕在的なニーズを抽出する目的で行われるリサーチである。さらに、第1段階のベースリサーチにおいて抽出されるリサーチ結果である属性情報に基づいて、第2ユーザの潜在的なニーズが抽出され得る。
【0016】
すなわち、本実施形態における顧客管理方法や顧客管理装置においては、上記アプリ会員(第2ユーザ)の顕在的あるいは潜在的なニーズを上記の2段階リサーチを通して取得する。取得される顕在的あるいは潜在的なニーズは、第2ユーザから直接的あるいは間接的に得られるニーズである。このため、得られるニーズに合致する商品やサービスを提供したい第1ユーザに第2ユーザを紹介する行為は、第1ユーザが第2ユーザに商品やサービスを購入して欲しいという意図のために、実際に対面(ウェブ)でヒアリングリサーチを行うことであって、説得や説明を介在する売り込み行為にはなり得ないと考えられる。
【0017】
本発明の発明者は、上記知見に基づき、商品やサービスを売り込む行為を排除しつつ、第1ユーザ(メンバー会員)と、第1ユーザの見込み客となり得る第2ユーザとを効果的にマッチングさせるため、上記2段階リサーチの概念が技術的に実現され得る顧客管理システム(顧客管理装置)及び顧客管理方法を創案した。
【0018】
[顧客管理システムについて]
本実施形態における顧客管理システムの概略構成について以下に説明する。
図1は、本開示の実施形態における顧客管理装置を含む顧客管理システム1の概略構成図である。本実施形態にかかる顧客管理システムは、管理サーバ10(顧客管理装置100)と、第1端末20と、第2端末30とを備えており、これらがネットワーク50を介して相互に接続されている(
図1参照)。
【0019】
管理サーバ10は、後述する顧客管理装置100に相当するハードウェア装置であり、例えばパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)やサーバ等により実現され得る。第1端末20は第1ユーザに使用されるデバイスであり、例えばスマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末やPCにより実現され得る。第2端末30は第2ユーザに使用されるデバイスであり、第1端末20同様に携帯情報端末やPCにより実現され得る。ネットワーク50は、例えばWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)などにより実現され得るものであればよく、有線ネットワークでも無線ネットワークでもどちらでもよい。
【0020】
なお、第1ユーザや第2ユーザが、携帯情報端末等を所持している必要はなく、例えば勤務先や公共施設等に常設してあるPCなど、第1端末20や第2端末30としての機能を果たし得る装置であって、ユーザIDやパスワード等を入力することにより任意に使用可能な装置を利用してもよい。
【0021】
また、管理サーバ10は、物理的なハードウェア装置としてのPCやサーバ等に限定されるものではなく、例えばクラウドサーバなど仮想的なハードウェアであってもよい。
【0022】
[ハードウェア構成]
図2は、管理サーバ10(顧客管理装置100)の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。本実施形態に係る管理サーバ10は、例えば、
図2に示すような構成のコンピュータによって実現される。
図2は、管理サーバ10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。管理サーバ10に係るコンピュータは、CPU11、RAM12、ROM13、HDD14、通信インターフェイス15、入出力インターフェイス16、およびメディアインターフェイス17を有する(
図2参照)。
【0023】
CPU11は、ROM13またはHDD14に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM13は、管理サーバ10に係るコンピュータの起動時にCPU11によって実行されるブートプログラムや、管理サーバ10に係るコンピュータのハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0024】
HDD14は、CPU11によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス15は、ネットワークを介して他の機器からデータを受信してCPU11へ送り、CPU11が生成したデータを、ネットワークを介して他の機器へ送信する。
【0025】
CPU11は、入出力インターフェイス16を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU11は、入出力インターフェイス16を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU11は、生成したデータを、入出力インターフェイス16を介して出力装置へ出力する。
【0026】
メディアインターフェイス17は、記録メディア70に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM12を介してCPU11に提供する。CPU11は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス17を介して記録メディア70からRAM12上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録メディア70は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0027】
例えば、管理サーバ10に係るコンピュータが後述の実施形態に係る顧客管理装置100として機能する場合、当該コンピュータのCPU11は、RAM12上にロードされたプログラムを実行することにより、顧客管理装置100が有する各部(
図3参照)の機能を実現する。また、HDD14には、各管理部(
図3参照)により取り扱われる各種データが格納される。上記コンピュータのCPU11は、これらのプログラムを記録メディア70から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0028】
[顧客管理装置の機能ブロック図について]
図3は、本開示の実施形態における顧客管理装置100の機能ブロック図である。顧客管理装置100は、第1ユーザ情報管理部101と、第2ユーザ情報管理部102と、マッチング部103と、リサーチ管理部104と、メディアリンク制御部105とを備える(
図3参照)。
【0029】
第1ユーザ情報管理部101は、第1ユーザの属性情報を少なくとも含む第1ユーザ情報を管理する。「第1ユーザ情報」とは、例えば、第1ユーザの名前、住所、会社名、役職、業種、顧客ターゲット層、第1ユーザが販売する商品または提供するサービスのカテゴリーなどの各種情報をいう。このうち、例えば役職や業種や顧客ターゲット層など、第1ユーザの個人情報(名前、住所、会社名、電話番号、メールアドレスなど)以外の情報であって、第1ユーザの特徴や性質に関する情報を「第1ユーザの属性情報」という。第1ユーザ情報管理部101により、「属性情報」を含む「第1ユーザ情報」を記憶・保存する処理が実行され得る。
【0030】
また、第1ユーザ情報管理部101により、第1ユーザにより提供される商品又はサービスに関するニーズワードを第1ユーザに選択させるためのニーズワード選択肢を第1端末20に配信する処理が実行され得る。
【0031】
「ニーズワード」とは、例えば第1ユーザが美容に関するサービスを提供する者であれば、当該美容に関する顧客ニーズを想起させるキーワードをいう。具体的には、ニーズワードとして、例えば顔の各パーツ(口、耳、鼻、目)など、各種美容サービスの対象となる人の身体(ここでは顔)の部位を特定するキーワード(
図5参照)などが挙げられる。
【0032】
第1ユーザ情報管理部101は、上記ニーズワード選択肢から第1ユーザにより選択される所望のニーズワードを、第1端末20を介して受信し、第1ユーザの属性情報として管理・記憶する。
【0033】
また、第1ユーザ情報管理部101は、興味喚起情報(
図7参照)を第1端末20から受信し、これを第1ユーザの属性情報として管理・記憶する。「興味喚起情報」とは、第1ユーザの業務に対する興味を第2ユーザに喚起させる情報のことをいい、例えば第1ユーザの事業内容に関する業界の豆知識情報などをいう。なお、「豆知識」とは「ほんのちょっとした知識。本筋からは外れているが、知っていると役に立つ話」が本来の意味であるところ、本実施形態では、この本来の意味に加え、第1ユーザが携わる業界に関する知識であって、第2ユーザの興味を引く実践的なお役立ち情報の意味が含まれる。
【0034】
第2ユーザ情報管理部102は、第2ユーザの顧客属性を少なくとも含む第2ユーザ情報を管理する。「第2ユーザ情報」とは、例えば、第2ユーザの名前、住所、会社名、役職、業種、ニーズなどの各種情報をいう。このうち、例えば役職や業種やニーズなど、第2ユーザの個人情報(名前、住所、会社名、電話番号、メールアドレスなど)以外の情報(非個人情報)であって、第2ユーザの特徴や性質や行動特性などに関する情報を「第2ユーザの顧客属性」という。
【0035】
第2ユーザ情報管理部102により、「顧客属性」を含む「第2ユーザ情報」を記憶・保存する処理が実行され得る。「顧客属性」には、第2ユーザが潜在的にもち得るニーズを想起させるニーズ想起情報が含まれ得る。具体的には、上記の「役職」「業種」「ニーズ」に加え「家族構成」「趣味」「性格」などがニーズ想起情報に含まれ得る。
【0036】
また、第2ユーザ情報管理部102は、ベースリサーチとニーズリサーチとを、第2端末30に配信する。「ベースリサーチ」とは、上記の第2ユーザ情報を得るために第2ユーザに回答させるためのリサーチ(上記第1段階のベースリサーチ)である(
図4A及び
図4B参照)。
【0037】
「ニーズリサーチ」とは、上述のニーズワードに対応して予め用意されるリサーチ(上記第2段階のリサーチ)であり、上述の例で説明すると、ニーズワードとしての顔の各パーツ(口、耳、鼻、目)に対応するリサーチとして「お顔の中で気になっているところはどこですか?」などの質問が挙げられる(
図5参照)。すなわち、「ニーズリサーチ」とは、上記の例で言えば、回答者である第2ユーザが当該各パーツ(ニーズワード)のいずれかを回答せざるを得ないリサーチのことをいう。
【0038】
また、第2ユーザ情報管理部102は、ニーズリサーチに対して第2ユーザが回答することによって得られるニーズワードと、ベースリサーチに対して第2ユーザが回答することによって得られる顧客属性と、を第2端末30から受信し、これらを第2ユーザ情報として管理・記憶する。これにより、第2ユーザの顧客属性とニーズとが関連づけられたデータベースが顧客管理装置100の記憶部(例えばHDD14等)に記憶され得る(
図4C参照)。
【0039】
さらに、第2ユーザ情報管理部102は、第2ユーザによるニーズワード及び顧客属性の各回答に応じて付与されるポイントを、当該第2ユーザの顧客属性と関連づけて記憶する。所望の景品と交換可能なポイントを第2ユーザに付与することにより、各リサーチに積極的に回答するインセンティブ(誘因)が第2ユーザに働き得る。なお、ここでの「ポイント」とは、商品やサービスの購買額に応じて点数を付与し、その累積点数によって景品と交換したり、値引きしたりするポイント・サービスにおいて用いられるポイントの意味(「広辞苑第7版」参照)に準ずるものである。とりわけ、本実施形態においては、第2ユーザがニーズリサーチに対して所望のニーズワードを回答したり、顧客属性リサーチに対して顧客属性を回答したりするときに所定のポイントが付与される。第2ユーザは、付与されるポイントの一部又は全部を使用して、所望の特典(例えば、景品や商品・サービスの割引サービスに加え、ビジネスマッチングサービスなど)と交換することができる。
【0040】
マッチング部103は、第1ユーザの上記属性情報と第2ユーザの上記顧客属性とに基づいて、第1ユーザと第2ユーザとを互いにマッチングさせる。本実施形態における「マッチング」とは、需要側と供給側との調整を行い、供給側(販売側)のリサーチ行為の仲介のためのマッチングを行う、あるいは、「商品を購入したい・サービスを利用したい人(法人を含む)」と「商品を販売したい・サービスを提供したい人(法人を含む)」とを繋ぐというビジネス上のマッチングの通常の意味のもと、第1ユーザと第2ユーザとをつなぐための技術的手段をいう。かかる技術的手段としてのマッチングが後述するマッチング部103の機能により実現され得る。
【0041】
マッチング部103は、上述のニーズワードを選択した第1ユーザの第1端末20に、当該ニーズワードを回答した第2ユーザの顧客属性を送信する。これにより、第1ユーザは、第1ユーザにより提供される商品やサービスに興味のある第2ユーザの存在について認識することができることから、第1ユーザと第2ユーザとが効果的にマッチングされ得る。
【0042】
マッチング部103は、上述のポイントを使用して第1ユーザとのマッチングを要求する第2ユーザの第2端末30に、第2ユーザが興味のある商品やサービスを提供可能な複数の第1ユーザのリード属性からなるリード属性選択肢を配信する。「リード属性」とは、第1ユーザにより提供される商品やサービスの「興味カテゴリー」(
図4A参照)に関するキーワード(文字)である。「リード属性選択肢」としては、例えば5つのキーワードが第2ユーザに提供され得る。
【0043】
また、マッチング部103は、上記リード属性選択肢の中から第2ユーザにより選択されるリード属性を第2端末から受信する。さらに、マッチング部103は、第2端末30から受信されるリード属性に係る第1ユーザの第1端末20に、アテンド要請を送信する。「アテンド要請」とは、例えば「見込客となり得る第2ユーザからマッチング要求がきています。〇〇月××日△△時~□□時は空いていますか?」等のメッセージである。第1ユーザは、上記アテンド要請により、自身とのマッチングを希望する第2ユーザ(見込客)の存在を知ることができることから、特に営業活動をすることなく見込客の情報(存在)を知ることができる。
【0044】
マッチング部103は、アテンド要請にあわせて、第2ユーザの属性情報を後述する顧客コード(
図4C参照)と共に第1端末20に送信する。これにより第1ユーザは、マッチングを希望する第2ユーザ(見込客)の属性について認識することができる。
【0045】
また、マッチング部103は、上記アテンド要請を承諾する第1ユーザの使用する第1端末20から、アテンド承諾を受信する。さらに、マッチング部103は、アテンド承諾に係る第2ユーザの使用する第2端末30に、第1ユーザから提供されるウェブ会議用URLを送信する。これにより、第1ユーザと第2ユーザとが効果的にマッチングされ得る。
【0046】
マッチング部103は、ニーズワードを回答した第2ユーザの顧客属性のうち第1ユーザにより選択される顧客属性を第1端末20から受信する。これにより、第1ユーザが繋がりたいと考えている第2ユーザを把握することができることから、第1ユーザと第2ユーザとが効果的にマッチングされ得る。なお、本実施形態において、第2ユーザは第1ユーザのようなリサーチ行為を実施しない。よって、マッチング部103は、第2ユーザ同士のビジネスマッチングを行わないものとする。
【0047】
リサーチ管理部104は、第1端末20から受信される顧客属性に紐づけられる第2ユーザの使用する第2端末30にリサーチ協力依頼情報を送信する。「リサーチ協力依頼情報」とは、第1ユーザの業務が含まれる業種に関するリサーチへの協力を依頼する情報をいい、例えば「リサーチにご協力いただけますか?」などのメッセージ情報が挙げられる(
図6参照)。
【0048】
リサーチ管理部104は、リサーチ協力依頼情報に対する第2ユーザによる回答を第2端末30から受信する。リサーチ管理部104は、第2ユーザによる回答が肯定的な回答(例えば「YES」または「NO」のうちの「YES」等)であるとき、該肯定的な回答を第1端末20に送信する。これにより、第1ユーザは、第1ユーザが行いたいリサーチに回答可能な第2ユーザの存在を認識することができる。
【0049】
リサーチ管理部104は、肯定的な回答を受信した第1端末20からウェブ会議用URL(Universal Resource Locator)を受信する。「ウェブ会議用URL」とは、例えばZOOM(登録商標)、Teams(登録商標)、Skype(登録商標)などのウェブ会議用アプリケーションを用いて行われるウェブ会議の場所を指定するために用いられるURLである。
【0050】
リサーチ管理部104は、ウェブ会議用URLを第2ユーザに送信する前に、第2ユーザにウェブ会議の候補日時を伝える目的で、第2端末30に複数の候補日時を送信する。リサーチ管理部104は、候補日時の中から第2ユーザによる選択される日時を、肯定的な回答を受信した第1端末20を介して第1ユーザに送信する。その際、第1ユーザが複数いる場合は、先着順により第2ユーザにウェブ会議用URLを送信可能な第1ユーザが決定され得る。また、第2ユーザは、上記ポイントの蓄積数に応じて、複数の第1ユーザとの日程調整を行うことができる。
【0051】
ウェブ会議用URLを、第2端末30を介して受信した第2ユーザがこのURLにより特定されるウェブ会議にアクセスし、そこでの第1ユーザの口頭によるリサーチや映像を利用して行われるリサーチなどに対して第2ユーザが直接的に回答することにより、第1ユーザは第2ユーザの詳細なニーズを認識することができる。
【0052】
なお、ウェブ会議用URLの送受信において、既存の日程調整用アプリケーションと組み合わせることにより、第1ユーザと第2ユーザとの間におけるウェブ会議の日程調整を自動的に行い、調整された日程に合わせてウェブ会議用URLを送信することも可能である。これにより、第1ユーザも第2ユーザも日程調整の煩わしさを感じることなく、また、ウェブ会議の日程を見落としてしまうようなリスクも軽減され得る。
【0053】
メディアリンク制御部105は、第1端末20から受信した興味喚起情報を第1のメディアにアップロードする。「第1のメディア」とは、上記の興味喚起情報(商品やサービスの販売を行わない)がまとめられた記事サイトであり、新たなニーズリサーチの内容を精査するために用意されるメディアである(
図7参照)。「第1のメディア」に掲載される興味喚起情報としては、例えば、各第1ユーザの商品やサービスに関する豆知識などが挙げられる。
【0054】
メディアリンク制御部105は、第1ユーザにより提供されるイベント情報を第1端末20から受信すると、第2のメディアにイベント情報をアップロードする。「第2のメディア」は、第1ユーザが提供する商品やサービスの購入履歴を辿ることにより、販売につながるマーケティングリサーチを行うために用意されるメディアとなる。「第2のメディア」としては、第1ユーザの提供する商品又はサービスを販売する例えばECサイト等が挙げられる。
【0055】
メディアリンク制御部105は、第1のメディアに関する第1のリンクを第2端末30に配信する。「第1のリンク」とは、例えば、第1のメディアとしての上記オウンドメディアのリンク先URL等をいい、当該オウンドメディアに上記の興味喚起情報がアップロードされている。
【0056】
また、興味喚起情報には第2のリンクが掲載されている。「第2のリンク」とは、第2のメディアとしての上記ECサイトにアップロードされているイベント情報のリンク先URLをいう。メディアリンク制御部105による処理の詳細については後述する。
【0057】
[初回登録フォームについて]
図4Aは、本開示の実施形態における基本情報に関する初回登録フォームの一例を示す概略図である。
図4Aに示される初回登録フォーム300は、第2ユーザの基本情報を取得するためのリサーチフォーム(上記第1段階のリサーチに関するリサーチフォーム)である。この初回登録フォーム300のリサーチ項目として、「名前」「生年月日」「性別」「興味カテゴリー」「紹介者」「メールアドレス」「パスワード」が用意されている。
【0058】
図4Bは、本開示の実施形態における追加登録フォームの一例を示す概略図である。
図4Bに示される追加登録フォーム310は、第2ユーザの顧客属性を取得するためのリサーチフォーム(上記第1段階のリサーチに関するリサーチフォーム)である。この追加登録フォーム310のリサーチ項目として、「会社名」「会社連絡先」「電話番号」「業種」「性格(ポジティブ)」「性格(ネガティブ)」「趣味」「出生地」「夢・志」「顧客ターゲット」「九星術」が用意されている。
【0059】
これらのリサーチ項目に第2ユーザが回答することにより、第2ユーザの個人情報及び顧客属性を含む第2ユーザ情報を取得することができる。なお、
図4Aに示される初回登録フォーム300のリサーチ項目および
図4Bに示される追加登録フォーム310のリサーチ項目は一例でありこれに限定されるものではなく、さらに詳細な情報を第2ユーザから取得するための項目が含まれ得る。例えば「興味カテゴリー」として複数種類の回答選択肢や、「顧客ターゲット」として「強み(バリュー)」「理念(ミッション)」「理念像(ビジョン)」の回答選択肢がリサーチ項目に含まれ得る。
【0060】
[顧客データベースについて]
図4Cは、本開示の実施形態における顧客データベースの一例を示す概略図である。この顧客データベース500には、上記第1段階のリサーチフォームに設定されているリサーチ項目に第2ユーザが回答した結果得られたデータ(基本情報や属性情報等)が記憶され得る。
図4Cに示される顧客データベース500は、上から、顧客コード「A001」、パーソナル項目としての「名前」「生年月日」「夢・志」「連絡先」の各欄、ビジネス項目としての「会社名」「会社連絡先」「業種」「顧客ターゲット」の各欄で構成されている(
図4C参照)。顧客データベース500のうち、下線が引かれている各欄の記載は、第2ユーザの個人情報に該当する。
【0061】
顧客データベース500の上記の各項目に対応する情報については、上述の初回登録フォーム300に第2ユーザが回答することによって取得される第2ユーザ情報に基づいて記憶され得る。顧客コード「A001」は、第1ユーザに第2ユーザの個人情報を除く顧客属性を教示する際に用いられ得る。これにより、第2ユーザの個人情報が第1ユーザに直接的に開示されるおそれがない。
【0062】
パーソナル項目の詳細について説明する。「名前」欄の下層には「性別」「血液型」「性格(ポジティブ・ネガティブ)」「趣味」「出生地」が設定されている(
図4C参照)。「生年月日」欄の下層には「実年齢」「九星術」「兄弟構成」が設定されている(
図4C参照)。「夢・志」欄の下層には「個人購入願望事物」「個人購入願望予算」「個人購入願望期日」が設定されている(
図4C参照)。「連絡先」欄の下層には「携帯電話番号」「メールアドレス」「紹介者コード」が設定されている(
図4C参照)。
【0063】
ビジネス項目の詳細について説明する。「会社名」欄の下層には「役職」「勤続年数」「従業員数」「拠点数」が設定されている(
図4C参照)。「会社連絡先」欄の下層には「会社住所」「会社電話番号」「会社FAX番号」「メールアドレス」「HPアドレス」が設定されている(
図4C参照)。「業種」欄の下層には「商材」「売れ筋商材単価」「平均顧客単価」「代理店制度」が設定されている(
図4C参照)。「顧客ターゲット」欄の下層には「強み(バリュー)」「理念(ミッション)」「理想像(ビジョン)」が設定されている(
図4C参照)。なお、パーソナル項目及びビジネス項目における各設定項目は上述の項目に限定されることはなく、所望の項目が適宜設定され得る。
【0064】
さらに、最下層には、上記の基本情報リサーチに対する第2ユーザによる回答に応じて付与されるポイント欄が設定されている(
図4C参照)。該ポイント数に応じて第2ユーザへの所望の特典が付与され得る。本実施形態においては、第2ユーザがポイントを使用することにより、第2ユーザが所望の特典(例えば景品や、商品・サービスの割引サービスに加え、ビジネスマッチングサービス)を得ることができる例が挙げられているが、特典としてはこれらに限定されるものではない。
【0065】
[ニーズリサーチフォームについて]
図5は、本開示の実施形態における所定の興味カテゴリーに関するニーズリサーチフォーム(上記第2段階のリサーチに関するリサーチフォーム)の一例を示す概略図である。ニーズ調査リサーチフォーム700は「美容・健康に関するリサーチ」に関するものである(
図5参照)。
【0066】
当該フォームの上から「お顔の中で気になっているところはどこですか?」との質問に対する「目」「鼻」「口」「耳」の回答選択肢が設定され、「現在行っている美容サービスはありますか(複数選択可)?」との質問に対する「ネイルサロン」「脱毛」「エステ」「スパ・温浴施設」の回答選択肢が設定されている(
図5参照)。
【0067】
また、当該フォームの下欄には、「現在行っている健康法はありますか?」との質問に対する回答欄(空欄)が設けられている(
図5参照)。当該回答欄の上部には「※以下に入力してください。」というリサーチ回答者である第2ユーザに入力を促すメッセージが記載されている(
図5参照)。
【0068】
ニーズリサーチに第2ユーザが回答することにより、第2ユーザのニーズ等を把握することができる。また、上述の「お顔の中で気になっているところはどこですか?」との質問は上述のニーズリサーチに相当し、「目」「鼻」「口」「耳」の回答選択肢は、上述した「ニーズワード」に相当する。ニーズリサーチの興味カテゴリーとしては、「美容・健康」の他に、「お金・投資」「育成・発想」「起業・副業」「趣味・充実」が設定され得る。
【0069】
上述の初回登録フォームを基にこれら5つの興味カテゴリーを第2ユーザに予め選択させることにより、第2ユーザの興味カテゴリー(直接的なニーズ)を前もって特定することができる。また、上記「ニーズワード」(「目」「鼻」「口」「耳」などの回答選択肢)を第2ユーザに回答させるためのニーズリサーチ用の質問で互いに角度が異なる質問を複数設定しておく。これにより、第2ユーザの直接的または顕在的なニーズだけではなく、第2ユーザの間接的または潜在的なニーズを把握することができる。例えば、第2ユーザの趣味や生活スタイルをリサーチするための質問で、上記「ニーズワード」が回答になるような質問、具体的には「朝起きて鏡で顔のどの部分をチェックしますか?」などが挙げられる。
【0070】
[リサーチ協力依頼フォームについて]
図6は、本開示の実施形態におけるリサーチ協力依頼フォーム800の一例を示す模式図である(
図6参照)。リサーチ協力依頼フォーム800は、第2ユーザに対して行われるニーズリサーチへの協力を依頼するために用意されるフォームである。
【0071】
フォーム800Aには、「リサーチにご協力頂けますか?」というリサーチへの協力を促すメッセージが表示され、その下欄に「YES」「NO」の回答選択肢が表示されている(
図6参照)。「YES」「NO」の回答選択肢のそれぞれ左側にはラジオボタンが配置されている(
図6参照)。第2ユーザにより「YES」の左側に配置されているラジオボタンが選択されることにより、フォーム800Bに画面遷移する(
図6参照)。
【0072】
フォーム800Bには、「ご都合のよい日時を選択してください。」というウェブ会議の候補日の選択を促すメッセージが表示され、その下欄に候補日(ここでは5つ)が表示されている(
図6参照)。
【0073】
フォーム800Cには、「ウェブ会議用URLはこちら。」というウェブ会議用URLが下記に表示されていることを第2ユーザに気づかせるメッセージが表示され、その下欄にウェブ会議用URLである「https://www.○○○.com」が表示されている(
図6参照)。
【0074】
リサーチ管理部104は、リサーチ協力依頼フォーム800に基づいて第2ユーザに対する上述のリサーチ処理を実行する。「ニーズリサーチ」に協力してもらうという形式で第2ユーザにアプローチし、第2ユーザがウェブ会議用URLにアクセスし、そこで第1ユーザからのリサーチに直接的に回答することにより、商品やサービスを売り込むという行為とは第2ユーザに認識されることなく、第2ユーザのニーズを把握することができる。
【0075】
[メディア情報について]
図7は、本開示の実施形態における各メディアのウェブサイト画面の一例を示す模式図である(
図7参照)。上から、第1のメディアとしての記事サイト画面900A、「今日の豆知識」という表題の各記事サイトの詳細表示画面900B、第2のメディアとしての「ECサイト」のウェブサイト画面900Cとなっている(
図7参照)。
【0076】
ウェブサイト画面900Aは、各第1ユーザにより提供される記事サイトを集めた(まとめた)ウェブサイト画面である。この画面900Aには記事サイトとして「記事1」に関するウィンドウ900A
1、「記事2」に関するウィンドウ900A
2、「記事3」に関するウィンドウ900A
3が表示されている(
図7参照)。
【0077】
ウィンドウ900A1には「記事1」のタイトル900AT1、「記事1」の省略文900AC1が表示され、ウィンドウ900A2には「記事2」のタイトル900AT2、「記事2」の省略文900AC2が表示され、ウィンドウ900A3には「記事3」のタイトル900AT3、「記事2」の省略文900AC3が表示されている。また、各記事を選択するための記事選択用アイコン900A4が表示されている。
【0078】
第2ユーザがアイコン900A
4をウィンドウ900A
1上に移動させた状態でマウス等の入力デバイスから選択操作を行うことにより、詳細表示画面900Bに画面遷移する(
図7参照)。詳細表示画面900Bには、「今日の豆知識」というタイトル表示とともに、当該豆知識の内容の詳細が表示され、その下欄に、第1ユーザにより提供されるイベント情報へのリンク先URL900B
1が表示されている(
図7参照)。
【0079】
第2ユーザによりリンク先URL900B
1がクリックされると、「ECサイト」のホームページ画面900Cに画面遷移する。画面900Cには第1ユーザにより提供されるイベント情報「2020.12.23 ○○イベント開催!!by○○○○サロン」と表示されたウィンドウ900C
1が表示されている(
図7参照)。ウィンドウ900C
1が第2ユーザにより選択されると、第1ユーザにより提供されるイベント情報の詳細画面(不図示)に遷移する。メディアリンク制御部105により、
図7に示される各メディアに上述の各リンク先URLを設定する処理などが行われ得る。
【0080】
[顧客属性の送信処理について]
図8は、顧客管理システム1(
図1参照)による顧客管理方法における、顧客属性の送信に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0081】
[第1リサーチ配信ステップ]
管理サーバ10は、第2ユーザの顧客属性を取得するために予め用意される顧客属性リサーチ(上記第1段階のリサーチ)を第2端末30に配信する(ステップS1)。なお、顧客属性リサーチについて、予め第2ユーザに対して実施されるものであってもよく、本実施形態のように作業工程の始まりの段階において適宜実施されるものであってもよい。
【0082】
[顧客属性受信ステップ]
管理サーバ10は、顧客属性リサーチに対して第2ユーザが回答することによって得られる顧客属性を第2端末30から受信する(ステップS2、YES)。なお、管理サーバ10は、顧客属性を受信しない場合(ステップS2、NO)、顧客属性を受信するまで待機する(ステップS2)。
【0083】
[第2リサーチ配信ステップ]
次に、管理サーバ10は、第1ユーザにより提供される商品又はサービスに関するニーズワードに対応して予め用意されるニーズリサーチ(上記第2段階のリサーチ)を第2端末30に配信する(ステップS3)。
【0084】
[ニーズワード受信ステップ⇒顧客属性送信ステップ]
次に、管理サーバ10は、ニーズリサーチに対して第2ユーザが回答することによって得られるニーズワードを第2端末30から受信すると(ステップS4、YES)、予め用意されるニーズワード選択肢からニーズワードを選択している第1ユーザの第1端末20に、当該ニーズワードを回答している第2ユーザの顧客属性を自動送信する(ステップS5)。
【0085】
これらの処理により、第1ユーザは、第1ユーザの提供する商品またはサービスに興味のある第2ユーザの存在を認識することができ、第1ユーザと第2ユーザとの効果的なマッチングがなされ得る。なお、管理サーバ10は、上記ニーズワードを受信しないとき(ステップS4、NO)、引き続き、ニーズワードの受信処理を待機する(ステップS4)。
【0086】
また、従来、上記第1段階のリサーチのリサーチ結果のみに基づいて、見込客となり得る者を推定により抽出していたところ、これにより抽出される推定見込客へのアプローチは、見込客の真意を確認することなく行われるため、結局のところ売り込み行為にすぎない。一方で、本実施形態における上述の顧客管理方法によれば、上記第1段階のリサーチに加え、第2ユーザの真意を確認するための第2段階のリサーチであるニーズリサーチ処理が行われるため、その結果抽出される第2ユーザは、当該第2ユーザの真意が事前に確認された上で抽出され得る者であるため、かかる第2ユーザに対するアプローチはもはや売り込み行為にはなり得ず、第1ユーザと第2ユーザとの効果的なマッチングに繋がり得る。
【0087】
[マッチング処理について]
図9は、顧客管理システム1(
図1参照)による顧客管理方法におけるマッチングに関する処理の流れを示すフローチャートである。管理サーバ10は、第2ユーザからニーズワード及び顧客属性を受信すると(ステップS11)、ニーズワード及び顧客属性の各回答に応じて付与されるポイントを、第2ユーザの顧客属性と関連づけて記憶する(ステップS12)。
【0088】
管理サーバ10は、ポイントを使用して第1ユーザとのマッチングを求める第2ユーザの第2端末30からマッチング要求を受信すると(ステップS13、YES)、ニーズワードに紐づけられる2以上のリード属性からなるリード属性選択肢を第2端末30に送信する(ステップS14)。管理サーバ10は、第2端末30からマッチング要求を受信しないとき(ステップS13、NO)、第2端末30からマッチング要求が受信されるまで待機する(ステップS13)。
【0089】
次に、管理サーバ10は、上記リード属性選択肢のうち第2ユーザにより選択されるリード属性を第2端末30から受信すると(ステップS15、YES)、上記リード属性に係る2以上の第1ユーザの各第1端末20にアテンド要請を送信する(ステップS16)。これにより第1ユーザは、自身とのマッチングを希望する第2ユーザ(見込客)の存在を知ることができる。よって、第1ユーザは、特に営業活動をすることなく見込客の情報(存在)を知ることができる。一方、管理サーバ10は、第2端末30から上記リード属性を受信しないとき(ステップS15、NO)、第2端末30からリード属性が受信されるまで待機する(ステップS15)。
【0090】
次に、管理サーバ10は、上記アテンド要請を第1ユーザが承諾することにより第1端末20から受信されるアテンド承諾回答を受信すると(ステップS17、YES)、該アテンド承諾回答に係る第1ユーザから提供されるウェブ会議用URLを第2端末30に送信する(ステップS18)。これにより、第1ユーザと第2ユーザとが効果的にマッチングされ得る。
【0091】
管理サーバ10は、アテンド要請(ステップS16)の際に、第2ユーザの属性情報を上述の顧客コード(
図4C参照)と共に第1ユーザに送信する。これにより第1ユーザは、マッチングを希望する第2ユーザ(見込客)の属性について認識することができる。
【0092】
[リサーチ処理について]
図10は、顧客管理システム1(
図1参照)による顧客管理方法におけるリサーチに関する処理の流れを示すフローチャートである。管理サーバ10は、ニーズワードを回答した第2ユーザの顧客属性のうち第1ユーザにより選択される顧客属性を第1端末20から受信する(ステップS21)。
【0093】
次に、管理サーバ10は、第1端末20から受信される顧客属性に紐づけられる第2ユーザの使用する第2端末30に、第1ユーザの業務が含まれる業種に関するリサーチへの協力を依頼するリサーチ協力依頼情報を送信する(ステップS22)。
【0094】
次に、管理サーバ10は、リサーチ協力依頼情報に対する第2ユーザによる回答を第2端末30から受信する(ステップS23)。管理サーバ10は、第2ユーザによる回答が肯定的な回答であるとき(ステップS23、YES)、該肯定的な回答を第1端末20に送信する(ステップS24)。他方、管理サーバ10は、第2ユーザによる回答が否定的な回答であるとき(ステップS23、NO)、引き続き第2ユーザの回答が受信されるまで待機する(ステップS23)。
【0095】
次に、管理サーバ10は、肯定的な回答を受信した第1端末20から、第1ユーザのリサーチに第2ユーザが直接的に回答するためのウェブ会議用URLを受信する(ステップS25)。その後、管理サーバ10は、第2端末30にウェブ会議用URLを送信する(ステップS26)。このウェブ会議用URLに基づいて第2ユーザが第1ユーザのリサーチに直接的に回答することにより、第1ユーザは第2ユーザの詳細なニーズを認識することができる。
【0096】
[リンク配信処理について]
図11は、顧客管理システム1(
図1参照)による顧客管理方法におけるリンク配信に関する処理の流れを示すフローチャートである。管理サーバ10は、第1ユーザの業務に対する興味を第2ユーザに喚起させる詳細情報900B(
図7参照)を第1端末20から受信する(ステップS31)。
【0097】
次に、管理サーバ10は、第1端末20から受信した詳細情報900Bを、各記事がまとめられた記事サイト(第1のメディア)900A(
図7参照)にアップロードする(ステップS32)。
【0098】
次に、管理サーバ10は、第1ユーザにより提供されるイベント情報900C1を第1端末20から受信すると、第1ユーザの提供する商品又はサービスを紹介する第2のメディア900Cにイベント情報900C1をアップロードする(ステップS33)。
【0099】
その後、管理サーバ10は、詳細情報900Bがアップロードされている第1のメディア900Aに関する第1のリンクを第2端末30に配信する(ステップS34)。詳細情報900Bには第2のリンク900B
1が掲載されている(
図7参照)。詳細情報を閲覧した第2ユーザが、第2のリンク900B
1からイベント情報900C
1にアクセスすることで、第1ユーザは第2ユーザ(見込客)を自動的に集客することができる。
【0100】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0101】
上述した本実施形態においては、第2ユーザの顧客属性をデータベース化し、該データベース化された第2ユーザ情報と第2ユーザの顕在的なニーズとに基づいて第1ユーザの見込み客となり得る第2ユーザを特定することを主として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第2ユーザ情報が収集されてなる上述の顧客データベース500における興味カテゴリーにより、第2ユーザの直接的なニーズを把握することができることに加え、その他の顧客属性、例えば趣味などの情報により第2ユーザの潜在的なニーズについても把握することができる。これにより、複数の第1ユーザにおいて、一方の第1ユーザの直接的なターゲットである第2ユーザの潜在的なニーズにより、当該第2ユーザが、他方の第1ユーザの直接的なターゲットにもなり得る。
【0102】
具体的には、一方の第1ユーザの提供するサービスが美容サービスであるとして、一の第2ユーザが美容サービスを所望している場合において、当該一の第2ユーザがペットを飼っているという情報(顧客属性)を取得するとする。この場合、ペットを飼っているという情報は、上記一方の第1ユーザにとっては一の第2ユーザの単なる趣味情報にすぎない。しかしながら、他方の第1ユーザの提供するサービスがペットのトリミングサービスである場合、上記一の第2ユーザがペットを飼っているという情報は上記他方の第1ユーザにとっては上記一の第2ユーザの潜在的なニーズとなり得る。かかる知見は、従来、顧客から得られる情報を一面でしか捉えていなかったことから、見逃していた潜在的なニーズを把握することができ、ひいては、異なる業者間での顧客属性情報の共用化を図ることに繋がり得る。
【符号の説明】
【0103】
1…顧客管理システム
10…管理サーバ(顧客管理装置100)
20…第1端末
30…第2端末
101…第1ユーザ情報管理部
102…第2ユーザ情報管理部
103…マッチング部
104…リサーチ管理部
105…メディアリンク制御部