(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147980
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】医用データ取得装置、医用データ取得システム、及び医用データ取得プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20220929BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049476
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】599020519
【氏名又は名称】株式会社イーエムシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120053
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 哲明
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】國光 宏昌
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サーバと通信ができない場合でも、医用データを取得することができる医用データ取得装置、医用データ取得システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】医用データ取得システム100において、クライアント3は、ネットワーク1を介してサーバ2と通信可能な医用データ取得装置であって、サーバに格納された第1の医用データを取得する第1のアプリケーションを制御する第1の制御部と、第1の時点における第1の医用データを第2の医用データとして格納する格納部と、格納部に格納された第2の医用データを取得する第2のアプリケーションを制御する第2の制御部と、を備える。第1の制御部は、第1の時点以降の第2の時点における第1の医用データと第1の時点における第1の医用データとの間に差分がある場合、第1のアプリケーションにより差分データをサーバから取得する。格納部は、差分データに基づいて第2の医用データを更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してサーバと通信可能な医用データ取得装置であって、
前記サーバに格納された第1の医用データを取得する第1のアプリケーションを制御する第1の制御部と、
第1の時点における前記第1の医用データを前記第2の医用データとして格納する格納部と、
前記格納部に格納された第2の医用データを取得する第2のアプリケーションを制御する第2の制御部と、
を備え、
前記第1の制御部は、前記第1の時点以降の第2の時点における前記第1の医用データと前記第1の時点における前記第1の医用データとの間に差分がある場合は、前記第1のアプリケーションにより前記差分を差分データとして前記サーバから取得し、
前記格納部は、前記差分データに基づいて前記第2の医用データを更新可能であることを特徴とする医用データ取得装置。
【請求項2】
前記第2の制御部は、前記ネットワークを介して前記サーバから前記第1の医用データを取得できない場合に、前記第2のアプリケーションを起動することを特徴とする請求項1に記載の医用データ取得装置。
【請求項3】
前記第2の医用データは、前記第1の医用データから選択された一部の医用データであり、医療機関の外来患者の属性情報、前記外来患者の受付業務に関する受付情報、及び前記外来患者のカルテ情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の医用データ取得装置。
【請求項4】
前記差分データは、前記第2の時点以降の所定の時間に前記サーバにより生成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の医用データ取得装置。
【請求項5】
前記第1の制御部は、前記第2の時点以降に前記第1のアプリケーションが終了するときに、前記差分データを取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の医用データ取得装置。
【請求項6】
前記第2の制御部は、前記第1のアプリケーションが前記差分データを取得したことを検出し、前記差分データの取得を検出した場合に、前記差分データに基づいて前記第2の医用データを更新するか否かを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の医用データ取得装置。
【請求項7】
前記第1の制御部は、前記第1の医用データに関する第1の情報を入力し、前記ネットワークを介して前記サーバから前記第1の医用データを取得できない場合に、前記第1の情報を前記第2のアプリケーションに反映させることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の医用データ取得装置。
【請求項8】
前記第2の制御部は、前記第2の医用データに関する第2の情報を入力し、前記第2の情報を前記第1のアプリケーションに反映させることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の医用データ取得装置。
【請求項9】
前記第2の制御部は、前記第2の医用データに関する第2の情報として、医療機関の外来患者の属性情報、前記外来患者の受付業務に関する受付情報、及び前記外来患者のカルテ情報の少なくとも1つを入力することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の医用データ取得装置。
【請求項10】
前記第2の制御部は、前記医療機関に新規で来院する新規患者の前記属性情報を入力する機能、前記外来患者の前記属性情報を前記第2の医用データから検索して取得する機能、前記外来患者の過去の前記カルテ情報を前記第2の医用データから検索して取得する機能、及び予め登録された前記カルテ情報のセットを前記第2の医用データから選択して取得する機能の少なくとも1つを実行可能であることを特徴とする請求項9に記載の医用データ取得装置。
【請求項11】
前記第1の制御部は、前記第1の情報を、前記ネットワークを介して前記サーバへ送信することを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載の医用データ取得装置。
【請求項12】
サーバと、ネットワークを介して前記サーバと通信可能なクライアントと、を備える医用データ取得システムであって、
前記クライアントは、
前記サーバに格納された第1の医用データを取得する第1のアプリケーションを制御する第1の制御部と、
第1の時点における前記第1の医用データを前記第2の医用データとして格納する格納部と、
前記格納部に格納された第2の医用データを取得する第2のアプリケーションを制御する第2の制御部と、
を備え、
前記第1の制御部は、前記第1の時点以降の第2の時点における前記第1の医用データと前記第1の時点における前記第1の医用データとの間に差分がある場合は、前記差分を差分データとして前記サーバから取得し、
前記格納部は、前記差分データに基づいて前記第2の医用データを更新可能であることを特徴とする医用データ取得システム。
【請求項13】
前記医用データ取得システムは、複数のクライアントを含み、
前記複数のクライアントのそれぞれの前記格納部は、前記第2の医用データを共有又は同期して格納することを特徴とする請求項12に記載の医用データ取得システム。
【請求項14】
前記医用データ取得システムは、複数の前記クライアントを含み、
前記複数のクライアントのそれぞれは、前記第2の医用データに関する情報を入力し、前記情報を他のクライアントと共有又は同期して格納することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の医用データ取得システム。
【請求項15】
ネットワークを介してサーバと通信する医用データ取得方法であって、
前記サーバに格納された第1の医用データを取得するステップと、
第1の時点における前記第1の医用データを前記第2の医用データとして格納するステップと、
前記格納部に格納された第2の医用データを取得するステップと、
前記第1の時点以降の第2の時点における前記第1の医用データと前記第1の時点における前記第1の医用データとの間に差分がある場合は、前記差分を差分データとして前記サーバから取得するステップと、
前記差分データに基づいて前記第2の医用データを更新するステップと、
を備えることを特徴とする医用データ取得方法。
【請求項16】
ネットワークを介してサーバと通信可能なコンピュータで実行される医用データ取得プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記サーバに格納された第1の医用データを取得する命令と、
第1の時点における前記第1の医用データを前記第2の医用データとして格納する命令と、
前記格納部に格納された第2の医用データを取得する命令と、
前記第1の時点以降の第2の時点における前記第1の医用データと前記第1の時点における前記第1の医用データとの間に差分がある場合は、前記差分を差分データとして前記サーバから取得する命令と、
前記差分データに基づいて前記第2の医用データを更新する命令と、
を実行させることを特徴とする医用データ取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用データ取得装置、医用データ取得システム、及び医用データ取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドベースの電子カルテが普及している。また、病歴データベースから検索した病歴データ内の患者情報及び日付情報に基づいて、カルテデータベースから当該病歴データに関連したカルテデータを検索できる電子カルテシステムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、クラウドベースの電子カルテでは、クライアントとサーバがネットワークを介して通信を行うため、通信状態が悪い場合やネットワーク障害が生じた場合やサーバに不具合が生じた場合等は、クライアントはサーバと通信を行うことができず、サーバに格納されているデータにアクセスできない。この場合、患者の受付業務及び診察業務が滞ることになる。
【0005】
また、クライアントが、サーバと通信ができない事態に備え、サーバに格納されているデータをクライアントに格納する場合、格納するデータ量が多くなると、クライアントやサーバの負荷が過大となる。また、サーバに格納されているデータをクライアントにすべて格納する場合は、クライアントの記憶装置のメモリ容量が不足する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の医用データ取得装置は、ネットワークを介してサーバと通信可能な医用データ取得装置であって、前記サーバに格納された第1の医用データを取得する第1のアプリケーションを制御する第1の制御部と、第1の時点における前記第1の医用データを前記第2の医用データとして格納する格納部と、前記格納部に格納された第2の医用データを取得する第2のアプリケーションを制御する第2の制御部と、を備え、前記第1の制御部は、前記第1の時点以降の第2の時点における前記第1の医用データと前記第1の時点における前記第1の医用データとの間に差分がある場合は、前記第1のアプリケーションにより前記差分を差分データとして前記サーバから取得し、前記格納部は、前記差分データに基づいて前記第2の医用データを更新可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サーバと通信ができない場合でも、医用データを取得することができる医用データ取得装置を提供することができる。また、差分データを取得することにより医用データを更新することで、医用データ取得装置やサーバの負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の医用データ取得システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態の第1の医用データのデータ構成の例を示す図である。
【
図3】本実施形態の第2の医用データのデータ構成の例を示す図である。
【
図4】第1の医用データを第2の医用データとして格納する工程の例を示すフローチャートである。
【
図5】取得された差分データに基づいて第2の医用データを更新する工程の例を示すフローチャートである。
【
図6】第2の医用データの取得及び格納の工程におけるサーバ及びクライアント(医用データ取得装置)の動作の例を示すシーケンス図である。
【
図7】第1のアプリケーションを起動した直後に、サーバから第1の医用データを取得できなくなった場合における、第2のアプリケーションが第2の医用データを取得し、外来患者の情報を入力する工程の例を示すフローチャートである。
【
図8】第1のアプリケーションを起動した直後に、サーバから第1の医用データを取得できなくなった場合における、サーバ及びクライアント(医用データ取得装置)の動作の例を示すシーケンス図である。
【
図9】受付業務において起動された第2のアプリケーションの一例(属性情報及び受付情報の表示)を示す図である。
【
図10】受付業務において起動された第2のアプリケーションの一例(新患の属性情報の入力)を示す図である。
【
図11】受付業務において起動された第2のアプリケーションの一例(受付情報の入力)を示す図である。
【
図12】受付業務において起動された第2のアプリケーションの一例(保険情報の入力)を示す図である。
【
図13】診療業務において起動された第2のアプリケーションの一例(カルテ情報の入力)を示す図である。
【
図14】第2の情報を第1のアプリケーションに反映させる工程の例を示すフローチャートである。
【
図15】第2の情報を第1のアプリケーションに反映させる工程におけるサーバ及びクライアント(医用データ取得装置)の動作の例を示すシーケンス図である。
【
図16】第2の情報が第1のアプリケーション24の画面の対応する箇所に反映されたことを示す図である。
【
図17】第1の情報を第2のアプリケーションに反映させる工程の例を示すフローチャートである。
【
図18】第1の情報を第2のアプリケーションに反映させる工程におけるサーバ及びクライアント(医用データ取得装置)の動作の例を示すシーケンス図である。
【
図19】第1の情報が第2のアプリケーション25の画面の対応する箇所に反映されたことを示す図である。
【
図20】第2の制御部が、第2のアプリケーションにより、第2の医用データを更新するか否かを決定する工程の例を示すフローチャートである。
【
図21】第2の制御部が、第2のアプリケーションにより、第2の医用データを更新するか否かを決定する工程におけるサーバ及びクライアント(医用データ取得装置)の動作の例を示すシーケンス図である。
【
図22】複数のクライアント(医用データ取得装置)を含む医用データ取得システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態の医用データ取得システムについて、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の医用データ取得システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
【0010】
図1に示すように、医用データ取得システム100は、インターネット等のネットワーク1を介して通信可能に接続されるサーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3を含む。本実施形態では、医用データ取得システム100は、クラウドベースの電子カルテシステムを想定しており、医療機関に来院する外来患者の属性情報、受付情報、及びカルテ情報の入出力を、サーバ2及びクライアント(医用データ取得装置)3の間で実行するシステムを想定する。なお、本発明は、外来患者に限定されず、外来以外の患者(入院患者等)も含む。
【0011】
サーバ2は、格納部4、制御部5、及び送受信部7を含む。格納部4、制御部5、及び送受信部7は、バス(図示せず)により電気的に接続され、相互に通信可能である。格納部4は、第1の医用データ8、及び時間データ9を格納する。第1の医用データ8は、差分データ10を含む。格納部4は、メインメモリやストレージ等の記憶装置である。制御部6は、差分データ生成部6を含む。制御部5は、CPUやMPUやGPU等のプロセッサであり、ハードウェア資源を制御し、各種のアプリケーションを実行する。
【0012】
クライアント(医用データ取得装置)3は、制御部11、格納部12、入力情報格納部13、入出力部15、表示部17、及び送受信部18を含む。制御部11、格納部12、入力情報格納部13、入出力部15、表示部17、及び送受信部18は、バス(図示せず)により電気的に接続され、相互に通信可能である。制御部11は、第1の制御部11-1、第2の制御部11-2、差分データ取得部14、及び医用データ選択部16を含む。格納部12は、第1のアプリケーション24、第2のアプリケーション25、第2の医用データ19、時間データ20、及び差分データ21を格納する。入力情報格納部13は、第1の情報格納部22及び第2の情報格納部23を含む。
【0013】
制御部11は、CPUやMPUやGPU等のプロセッサであり、ハードウェア資源を制御し、第1のアプリケーション(クラウドアプリケーション)24、第2のアプリケーション(ローカルアプリケーション)25、及び各種のアプリケーションを実行する。第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24を制御する。第2の制御部11-2は、第2のアプリケーション25を制御する。格納部12及び入力情報格納部13は、メインメモリやストレージ等の記憶装置である。
【0014】
図2は、本実施形態の第1の医用データのデータ構成の例を示す図である。
図2に示すように、第1の医用データ8は、患医療機関の外来患者の属性情報30、外来患者の受付業務に関する受付情報31、外来患者のカルテ情報32、外来患者の医用画像33(単純X線画像、CT、MRI、超音波断層画像、血管造影等の画像)、及び差分データ10を含む。
【0015】
属性情報30は、外来患者の氏名情報34、ID情報35、保険情報36、年齢情報37、性別情報38、生年月日情報39、及びその他の属性情報40を含む。受付情報31は、予約日時情報41、来院日時情報42、来院回数情報43、時間区分情報44、診療科情報45、医師情報46、受診状況情報47、及びその他の受付情報48を含む。カルテ情報32は、主訴情報49、所見情報50、傷病名情報51、検査情報52、処置情報53、処方情報54、指示情報56、及びその他のカルテ情報55を含む。
【0016】
図3は、本実施形態の第2の医用データのデータ構成の例を示す図である。
図3に示すように、第2の医用データ19は、患医療機関の外来患者の属性情報60、外来患者の受付業務に関する受付情報61、及び外来患者のカルテ情報62を含むが、外来患者の医用画像(単純X線画像、CT、MRI、超音波断層画像、血管造影等の画像)を含まない。
【0017】
属性情報60は、外来患者の氏名情報64、ID情報65、保険情報66、年齢情報67、性別情報68、及び生年月日情報69を含む。属性情報60は、その他の属性情報を含んでもよい。受付情報61は、予約日時情報71、来院日時情報72、来院回数情報73、時間区分情報74、診療科情報75、医師情報76、及び受診状況情報77を含む。受付情報61は、その他の受付情報を含んでもよい。カルテ情報62は、主訴情報79、所見情報80、傷病名情報81、検査情報82、処置情報83、処方情報84、及び指示情報78を含む。カルテ情報62は、その他のカルテ情報を含んでもよい。
【0018】
このように、第2の医用データ19は、医用データ選択部16により第1の医用データ8から選択された一部の医用データであり、医療機関の外来患者の属性情報、外来患者の受付業務に関する受付情報、及び外来患者のカルテ情報の少なくとも1つである。第1の医用データ8の一部をクライアント(医用データ取得装置)3に格納するため、クライアントの記憶装置のメモリ容量が不足する可能性を回避することができる。
【0019】
次に、クライアント(医用データ取得装置)3が、サーバ2に格納された第1の医用データ8を取得し、第2の医用データ19として格納する工程について説明する。また、クライアント(医用データ取得装置)3が、差分データ10をサーバ2から取得し、差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新する工程について説明する。
【0020】
図4は、第1の医用データ8を第2の医用データ19として格納する工程の例を示すフローチャートである。
図5は、取得された差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新する工程の例を示すフローチャートである。
図6は、これらの工程におけるサーバ2及びクライアント(医用データ取得装置)3の動作の例を示すシーケンス図である。
【0021】
ステップS1において、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション(クラウドアプリケーション)24を起動(例えば、ログイン)する。受付担当者又は医師が入力装置(図示せず)を用いて入力することで、入出力部15が入力した起動命令に基づいて、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24の起動命令を実行する(CL1)。ここで、第1のアプリケーション24は、医療機関の受付担当者や医師が電子カルテシステム上で第1の医用データ8に関する情報を第1の情報として入出力したり閲覧したりするためのアプリケーションである。これらの情報は、入出力部15により入出力され、表示部17によりモニター等の表示装置(図示せず)に表示され、第1の情報格納部22に格納される。
【0022】
ステップS2において、送受信部18は、ネットワーク1を介してサーバ2と通信可能になるように、送受信部7に接続する。例えば、第1のアプリケーション24の操作画面において、サーバ2に接続するアイコン等をクリックすると、入出力部15が接続命令を入力し、送受信部18が接続命令を実行する。
【0023】
ステップS3において、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、送受信部7,18を介して、サーバ2の格納部8に格納されている第1の医用データ8を取得する。なお、第1のアプリケーション24により取得される医用データは、医用データ選択部16により第1の医用データ8から選択された一部の医用データである。また、クライアント(医用データ取得装置)3が過去の第1の医用データ8を既に取得し、格納している場合は、第1のアプリケーション24により取得される医用データは、過去の第1の医用データ8との差分である差分データ10であってもよい。
【0024】
第1のアプリケーション24の操作画面において、第1の医用データ8を取得するアイコン等をクリックすると、第1のアプリケーション24は、第1の医用データ8の取得命令を実行し、送信要求情報をサーバ2へ送信する。送信要求情報を受信したサーバ2は、要求された第1の医用データ8をクライアント(医用データ取得装置)3へ送信する(SV1)。第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、第1の医用データ8を取得する(CL2)。
【0025】
ステップS4において、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、取得された第1の医用データ8を第2の医用データ19として格納するか否かを決定する。格納すると決定された場合、ステップS5において、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、取得された第1の医用データ8を第2の医用データ19として格納する格納命令を実行し、第2の医用データ19を格納部12に格納する(CL3)。例えば、第1のアプリケーション24の操作画面において、第2の医用データ19を格納するアイコン等をクリックすると、格納部12が第2の医用データ19を格納する。
【0026】
第1の医用データ8は、時間データ9と関連付けられており、第1の医用データ8のアクセス時間や送信時間や更新時間が記録されている。第1のアプリケーション24による第1の医用データ8のアクセス時間や取得時間及びサーバ2による第1の医用データ8の送信時間が時間データ9として記録される。また、第2の医用データ19は、時間データ20と関連付けられており、第1のアプリケーション24による第1の医用データ8のアクセス時間や取得時間及び第2の医用データ19の格納時間や更新時間が記録されている。例えば、ステップS3における第1の医用データ8の取得時間が時間データ9,20に記録され、ステップS5における第2の医用データ19の格納時間が時間データ20に記録される。なお、ステップS3における第1の医用データ8の取得時間を第1の時点とする。また、ステップS5における第2の医用データ19の格納時間を第1の時点としてもよい。また、第1のアプリケーション24の起動時間(例えば、ログイン時間)又は終了時間(例えば、ログアウト時間等)を第1の時点としてもよい。また、予め設定された所定の時間(例えば、午前0時)を第1の時点としてもよい。第1の時点は、時間データ9及び/又は時間データ20に記録される。
【0027】
医療機関の受付担当者や医師が第1の医用データ8に関する第1の情報を入力することで、入出力部15により、第1のアプリケーション24は第1の情報を入力し、送受信部18により、第1のアプリケーション24は第1の情報を、ネットワーク1を介してサーバ2に送信する(CL4)。例えば、第1のアプリケーション24は、第1の医用データ8に関する第1の情報として、医療機関の外来患者の属性情報、外来患者の受付業務に関する受付情報、外来患者のカルテ情報、及び外来患者の医用画像を入力する。また、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、医療機関に新規で来院する新規患者(新患)の属性情報を入力する機能、外来患者の属性情報を第1の医用データ8から検索して取得する機能、外来患者の過去のカルテ情報を第1の医用データ8から検索して取得する機能、及び予め登録されたカルテ情報のセットを第1の医用データ8から選択して取得する機能を有する。
【0028】
サーバ2に送信された第1の情報は、送受信部7により受信される。第1の医用データ8は、受信された第1の情報に基づいて更新される(SV2)。この更新時間が時間データ9に記録される。
【0029】
制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24を終了(例えば、ログアウト)する。受付担当者又は医師が入力装置(図示せず)を用いて入力することで、入出力部15が入力した終了命令に基づいて、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24の終了命令を実行する(CL5)。
【0030】
サーバ2が第2の時点における第1の医用データ8を検出する(SV3)。第2の時点は、第1の時点以降である。また、第2の時点は、第1の時点以降であって、第1の情報に基づいて医用データ8が更新された時間であってもよく、第1のアプリケーション24の起動時間(例えば、ログイン時間)又は終了時間(例えば、ログアウト時間等)であってもよい。また、予め設定された所定の時間(例えば、第1の時点の翌日の午前0時)を第2の時点としてもよい。第2の時点は、時間データ9及び/又は時間データ20に記録される。
【0031】
サーバ2は、第2の時点における第1の医用データ8と第1の時点における第1の医用データ8との間に差分がある場合は、差分データ生成部6により差分を差分データ10として生成する(SV4)。生成された差分データ10は、生成時間と関連付けられて格納部4に格納される。生成時間は、時間データ9に記録される。差分データ10は、第2の時点以降の所定の時間にサーバ2により生成される。例えば、サーバ2の負荷が少ない時間帯(夜間等)に、差分データ10が生成される。
【0032】
次に、ステップS6において、第2の時点以降に、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24を起動する(CL6)。ステップS7において、送受信部18は、ネットワーク1を介してサーバ2と通信可能になるように、送受信部7に接続する。ステップS8において、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24を終了する(CL7)。
【0033】
第1のアプリケーション24の操作画面において、差分データ10を取得するアイコン等をクリックすると、第1のアプリケーション24は、差分データ取得部14により差分データ10の取得命令を実行し、送信要求情報をサーバ2へ送信する。送信要求情報を受信したサーバ2は、要求された差分データ10をクライアント(医用データ取得装置)3へ送信する(SV5)。第1のアプリケーション24は、差分データ10を取得する(CL8)。例えば、第1の制御部11-1は、第2の時点以降に第1のアプリケーション24が終了(例えば、ログアウト)するときに、差分データ10を取得する。
【0034】
このように、ステップS9において、第1の時点以降の第2の時点における第1の医用データ8と第1の時点における第1の医用データ8との間に差分がある場合は、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、差分を差分データ10としてサーバ2から取得する。そして、取得された差分データ10は、差分データ21に記憶される。例えば、第1の時点から第2の時点までに、第1のアプリケーション24が外来患者の主訴情報49、所見情報50、検査情報52、処置情報53、処方情報54、及び指示情報56を入力し、第1の医用データ8に追加している場合、この追加された主訴情報、所見情報、検査情報、及び処置情報が差分データとなる。第1の時点から第2の時点までに削除された第1の医用データ8も差分データとなる。なお、差分データ10は、属性情報30、受付情報31、及びカルテ情報32ごとに生成及び/又は取得されてもよい。
【0035】
ステップS10において、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により取得された差分データ10を第2の医用データ19として格納するか否かを決定する。例えば、第1のアプリケーション24の操作画面において、第2の医用データ19を更新するアイコン等をクリックすると、格納部12が差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新する。なお、制御部11(第2の制御部11-2)が第2のアプリケーション25を起動し、第2のアプリケーション25が、取得された差分データ10を第2の医用データ19として格納するか否かを決定してもよい。また、取得された差分データ10から選択された差分データ10の一部に基づいて、格納部12が第2の医用データ19を更新してもよい。この場合、第1のアプリケーション24又は第2のアプリケーション25により、差分データ10の一部が選択される。
【0036】
格納すると決定された場合、ステップS11において、格納部12は、更新命令を実行し、差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新する(CL9)。このように、第1の医用データ8よりデータ量が少ない差分データ10を取得し、差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新することにより、サーバ2やクライアント(医用データ取得装置)3の負荷を過大にすることなく、第2の医用データ19をクライアント(医用データ取得装置)3に格納することができる。
【0037】
次に、通信状態が悪い場合やネットワーク障害が生じた場合やサーバに不具合が生じた場合等、ネットワーク1を介してサーバ2から第1の医用データ8を取得できない場合に、第2のアプリケーションが第2の医用データ19を取得し、外来患者の情報を入力する工程について説明する。
【0038】
図7は、第1のアプリケーション24を起動した直後に、サーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなり、第2のアプリケーションが第2の医用データ19を取得し、外来患者の情報を入力する工程の例を示すフローチャートである。
図8は、この工程におけるサーバ2及びクライアント(医用データ取得装置)3の動作の例を示すシーケンス図である。
【0039】
上記のように、第2の医用データ19が格納部12に格納されている(CL10)。差分データ10がある場合は、差分データに基づいて第2の医用データ19が更新されている。
【0040】
ステップS12において、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24を起動(例えば、ログイン)する。受付担当者又は医師が入力装置(図示せず)を用いて入力することで、入出力部15が入力した起動命令に基づいて、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24の起動命令を実行する(CL11)。
【0041】
ステップS16において、サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が不可能となり、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなる。
【0042】
ステップS17において、制御部11(第2の制御部11-2)が第2のアプリケーション(ローカルアプリケーション)25を起動(例えば、ログイン)する。ここで、第2のアプリケーション25は、格納部12に格納された第2の医用データ19を取得するアプリケーションである。また、第2のアプリケーション25は、医療機関の受付担当者や医師がクライアント(医用データ取得装置)3上で第2の医用データ19に関する情報を第2の情報として入出力したり閲覧したりするためのアプリケーションである。これらの情報は、入出力部15により入出力され、表示部17によりモニター等の表示装置(図示せず)に表示され、第2の情報格納部23に格納される。また、第2の情報格納部23に格納される第2の情報は、時間データ20と関連付けられており、第2のアプリケーション25による第2の情報のアクセス時間や取得時間や格納時間や更新時間が記録されている。
【0043】
受付担当者又は医師が入力装置(図示せず)を用いて入力することで、入出力部15が入力した起動命令に基づいて、制御部11(第2の制御部11-2)が第2のアプリケーション25の起動命令を実行する(CL15)。例えば、第1のアプリケーション24の操作画面において、第2のアプリケーション25を起動するアイコン等をクリックすると、入出力部15が接続命令を入力し、制御部11(第2の制御部11-2)が起動命令を実行する。このように、第2の制御部11-2は、ネットワーク1を介してサーバ2から第1の医用データ8を取得できない場合に、第2のアプリケーション25を起動する。
【0044】
ステップS18において、制御部11(第2の制御部11-2)が格納部12に格納されている第2の医用データ19を取得するか否かを選択する。第2の医用データ19の取得が選択された場合は、第2の制御部11-2により、第2のアプリケーション25は、格納部12に格納された第2の医用データ19を取得する(CL17)。第2のアプリケーション25の操作画面において、第2の医用データ19を取得するアイコン等をクリックすると、第2のアプリケーション25は、第2の医用データ19の取得命令を実行し、第2のアプリケーション25は、第2の医用データ19を取得する(CL17)。
【0045】
ステップS25において、医療機関の受付担当者や医師が第2の医用データ25に関する第2の情報を入出力することで、入出力部15が、第2のアプリケーション25により、第2の情報を入出力する(CL18)。例えば、第2のアプリケーション25は、第2の医用データ19に関する第2の情報として、医療機関の外来患者の属性情報、外来患者の受付業務に関する受付情報、外来患者のカルテ情報、及び外来患者の医用画像を入力する。また、第2の制御部11-2は、第2のアプリケーション25により、医療機関に新規で来院する新規患者(新患)の属性情報を入力する機能(新患情報入力機能)、外来患者の属性情報を第2の医用データ19から検索して取得する機能(検索機能)、外来患者の過去のカルテ情報を第2の医用データ19から検索して取得する機能(過去カルテ情報取得機能)、及び予め登録されたカルテ情報のセットを第2の医用データ19から選択して取得する機能(セット取得機能)を有する。
入力された第2の情報は、第2の情報格納部23に格納される(CL19)。この格納時間が時間データ20に記録される。
【0046】
このように、サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が不可能となり、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなった場合でも、第2のアプリケーション25が第1の医用データ8と同等の第2の医用データ19を取得することができ、外来患者の受付業務及び診察業務を滞りなく進めることができる電子カルテシステムを提供することができる。
次に、ステップS18,S19,S25及び動作CL17,CL18,CL19について、具体例を示しながら説明する。
【0047】
図9は、受付業務において起動された第2のアプリケーションの一例(属性情報及び受付情報の表示)を示す図である。第2のアプリケーションを用いて、医療機関の受付担当者や医師がクライアント(医用データ取得装置)3上で第2の医用データ19(属性情報60及び受付情報61)に関する情報を第2の情報として入出力したり閲覧したりすることができる。
【0048】
図9に示すように、第2のアプリケーション25の受付画面25-1が開く。第2のアプリケーション25の受付画面25-1には、外来患者の属性情報及び受付情報が表示される。表示された情報(第2の情報)は、第2の情報格納部23に格納されている。
【0049】
図9では、受付一覧のタブ85において、外来患者の属性情報として、ID情報88及び氏名情報89が表示され、外来患者の受付情報として、来院順序情報86、来院日時情報(受付時刻情報)87、診療科情報90、医師情報91、新患情報92、受診状況情報93、及び過去の来院日時情報94が表示される。ここで、診療科情報90は、外来患者が受診する診療科に関する情報であり、医師情報91は、外来患者の診察を担当する医師名であり、新患情報92は、外来患者が新規患者であるか否かを示す情報であり、受診状況情報93は、外来患者が「診察待ち」か「検査中」か「診察中」か「会計待ち」か「会計終了」かの何れかの状況を示す情報である。
【0050】
「患者で調べる」のタブ95では、第2のアプリケーション25が、外来患者の属性情報及び受診情報に基づいて、受付一覧に表示されている外来患者の属性情報や受付情報等を検索したりソートしたりする機能を有する。
【0051】
「患者検索」のアイコン96が指定(例えば、クリック)されると(S18)、氏名情報やID情報を検索キーとして入力する検索画面が開き、第2の制御部11-2により、第2のアプリケーション25は、入力された外来患者の属性情報等に基づいて、格納部12に格納された第2の医用データ19を検索し、該当する属性情報60(外来患者の氏名情報64、ID情報65、保険情報66、年齢情報67、性別情報68、及び生年月日情報69)を取得し(S19,CL17)、その全部又は一部を受付画面25-1に表示する。これは、第2のアプリケーション25が外来患者の属性情報を第2の医用データ19から検索して取得する機能である。第2のアプリケーション25が検索結果から外来患者を選択すると、検索画面から来院設定画面25-3に遷移する。
【0052】
「新患来院追加」のアイコン97が指定(例えば、クリック)されると(S18)、医療機関に新規で来院する新規患者(新患)の属性情報及び受付情報を第2の情報として入力することができる新患入力画面25-2が開く。
図10は、受付業務において起動された第2のアプリケーションの一例(新患の属性情報の入力)を示す図である。
図10に示すように、第2のアプリケーション25の新患入力画面(属性情報入力画面)25-2が開く。第2のアプリケーション25の新患入力画面25-2には、ID情報である仮患者番号、新患の氏名情報、性別情報、及び生年月日情報が入力される(S25,CL18)。仮患者番号は、自動的に付与される。
【0053】
「登録して来院設定する」のアイコン101が指定(例えば、クリック)されると(S18)、新患入力画面25-2で取得及び/又は入力された新患の属性情報(第2の情報)が第2の情報格納部23に格納され(ステップS25,動作CL19)、新患入力画面25-2から来院設定画面25-3に遷移する。また、第2の制御部11-2により、第2のアプリケーション25は、新患入力画面25-2で入力された新患の属性情報(第2の情報)の全部又は一部を受付画面25-1に表示する。
【0054】
図11は、受付業務において起動された第2のアプリケーションの一例(受付情報の入力)を示す図である。
図12は、受付情報の入力画面における新規の保険情報欄の一例(受付情報の入力)を示す図である。
【0055】
図11に示すように、第2のアプリケーション25の来院設定画面(受付情報入力画面)25-3が開く。属性情報欄102には、第2のアプリケーション25の検索結果から選択された外来患者の属性情報又は新患入力画面25-2で入力された新患の属性情報が表示される。また、既存保険タブ103及び新規保険タブ113が表示される。既存保険タブ103が指定(例えば、クリック)されると、第2のアプリケーション25により取得された保険情報66が保険情報欄104に表示される。
図12に示すように、新規保険タブ113が指定(例えば、クリック)されると(S18)、保険分類欄114に保険情報が入力される(S25,CL18)。
【0056】
また、来院設定画面(受付情報入力画面)25-3に遷移すると(S18)、第2の制御部11-2が、第2のアプリケーション25により、入力された外来患者の属性情報等に基づいて、格納部12に格納された第2の医用データ19から受付情報61(予約日時情報71、来院日時情報72、来院回数情報73、時間区分情報74、診療科情報75、医師情報76、及び受診状況情報77)を取得し(S19,CL17)、その全部又は一部を来院設定画面25-3に表示する。
【0057】
取得された受付情報を変更する場合や新規に受付情報を入力する場合、来院回数欄106に来院回数情報が入力され、時間区分欄107に時間区分情報が入力され、診療科欄108に診療科情報が入力され、医師欄109に医師情報が入力され、受付コメント欄110に受付コメント情報が入力され、受診状況欄111に受診状況情報が入力される(S25,CL18)。
【0058】
「来院登録」のアイコン112が指定(例えば、クリック)されると(S18)、来院設定画面25-3で取得及び/又は入力された受付情報(第2の情報)が第2の情報格納部23に格納される(ステップS25,動作CL19)。また、第2の制御部11-2により、第2のアプリケーション25は、来院設定画面25-3で取得された受付情報61や入力された受付情報(第2の情報)の全部又は一部を受付画面25-1に表示する。このように、第2のアプリケーション25は、医療機関に新規で来院する新規患者(新患)の属性情報を入力する機能を有する。
【0059】
第2のアプリケーション25が第2の医用データ19及び第2の情報格納部23から取得した属性情報及び受付情報は、
図9に示すように、受付画面25-1に表示される。
【0060】
これにより、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなった場合でも、新規患者の属性情報等を入力及び管理することができ、外来患者(新患を含む)の受付業務を滞りなく進めることができる電子カルテシステムを提供することができる。
【0061】
受付画面25-1に表示された外来患者の属性情報及び受付情報の一部を指定(例えば、カーソル99でクリック)すると、当該外来患者の情報画面105が開く。情報画面105には、「ローカルカルテ入力」、「処方箋印刷」、「指示箋印刷」、「来院設定」、及び「来院削除」の項目が表示される。
【0062】
「ローカルカルテ入力」が指定(例えば、クリック)されると(S18)、第2の制御部11-2が、第2のアプリケーション25により、外来患者の属性情報等に基づいて、格納部12に格納された第2の医用データ19から該当するカルテ情報62(主訴情報79、所見情報80、傷病名情報81、検査情報82、処置情報83、処方情報84、及び指示情報78)を取得し(S19,CL17)、その全部又は一部をローカルカルテ画面に表示する。
【0063】
「処方箋印刷」が指定(例えば、クリック)されると(S18)、取得された処方情報84が印刷される(S25,CL18)。「指示箋印刷」が指定(例えば、クリック)されると(S18)、取得された指示情報78が印刷される(S25,CL18)。「来院設定」が指定(例えば、クリック)されると、
図11及び
図12に示す来院設定画面(受付情報入力画面)25-3が開く。「来院削除」が指定(例えば、クリック)されると(S18)、受付画面25-1から当該外来患者の属性情報及び受付情報が削除される(S25,CL18)。
【0064】
図13は、診療業務において起動された第2のアプリケーションの一例(カルテ情報の入力)を示す図である。
図9の「ローカルカルテ入力」が指定(例えば、クリック)されると(S18)、
図13に示す診療画面25-4が開き、第2の制御部11-2により、第2のアプリケーション25は、入力された外来患者の属性情報等に基づいて、格納部12に格納された第2の医用データ19からカルテ情報62(主訴情報79、所見情報80、傷病名情報81、検査情報82、処置情報83、処方情報84、及び指示情報78)を取得し(S19,CL17)、その全部又は一部を診療画面(ローカルカルテ画面)25-4に表示する。但し、新規患者の場合は、カルテ情報62は取得されない。
【0065】
このように、第2のアプリケーションを用いて、医療機関の医師がクライアント(医用データ取得装置)3上で第2の医用データ19(カルテ情報62)に関する情報を第2の情報として入出力したり閲覧したりすることができる。
【0066】
属性情報欄102には、第2のアプリケーション25の検索機能により第2の医用データ19から取得された外来患者の属性情報又は第2のアプリケーション25の新患情報入力機能により入力された新患の属性情報が表示される。また、受付情報欄115には、来院設定画面25-3で取得された受付情報61や入力された受付情報(第2の情報)の全部又は一部が表示される。
【0067】
主訴所見欄116には、属性情報欄102に表示される外来患者のカルテ情報62(主訴情報79、所見情報80、及び傷病名情報81)が第2の医用データ19から第2のアプリケーション25により取得され、取得されたカルテ情報62が表示される。新規患者の場合は、主訴所見欄116は空欄となる。
【0068】
診療行為欄117には、属性情報欄102に表示される外来患者のカルテ情報62(検査情報82、処置情報83、処方情報84、及び指示情報78)が第2の医用データ19から第2のアプリケーション25により取得され、取得されたカルテ情報62が表示される。新規患者の場合は、診療行為欄117は空欄となる。
【0069】
取得されたカルテ情報62を変更する場合や新規にカルテ情報を入力する場合、第2のアプリケーションを用いて、医療機関の医師が第2の医用データ19(カルテ情報62)に関する情報を第2の情報として主訴所見欄116又は診療行為欄117に入力する(S25,CL18)。これらの情報は、入出力部15(例えば、キーボード等)により入出力され、表示部17によりモニター等の表示装置(図示せず)に表示される。
【0070】
「処置セット」のアイコン123が指定(例えば、クリック)されると(S18)、予め作成された処置項目の組み合わせ(処置セット)を処置情報83から取得し(S19,CL17)、処置セット画面(図示せず)から処置セットが選択される。選択された処置セットは、診療行為欄117に入力される(S25,CL18)。「処方入力」のアイコン124が指定(例えば、クリック)されると(S18)、予め設定された処方項目を処方情報84から取得し(S19,CL17)、処方画面(図示せず)から処方項目が入力される(S25,CL18)。選択された処方項目は、診療行為欄117に反映される。このように、第2のアプリケーション25は、予め登録されたカルテ情報のセットを第2の医用データ19から選択して取得する機能(セット取得機能)を有する。なお、カルテ情報のセットとしては、この他にも、予め作成された検査項目の組み合わせ(検査セット)等がある。
【0071】
「全削除」のアイコン118が指定(例えば、クリック)されると(S18)、診療行為欄117の項目がすべて削除される(S25,CL18)。「行削除」のアイコン119が指定(例えば、クリック)されると(S18)、指定された診療行為欄117の項目が削除される(S25,CL18)。「上挿入」のアイコン120が指定(例えば、クリック)されると(S18)、指定された診療行為欄117の項目の上に新たな項目を入力することができる(S25,CL18)。「下挿入」のアイコン121が指定(例えば、クリック)されると(S18)、指定された診療行為欄117の項目の下に新たな項目を入力することができる(S25,CL18)。
【0072】
「ローカル保存」のアイコン122が指定(例えば、クリック)されると(S18)、診療画面25-4で取得及び/又は入力されたカルテ情報(第2の情報)が第2の情報格納部23に格納される(ステップS25,動作CL19)。また、第2の情報格納部23に格納される第2の情報は、時間データ20と関連付けられており、第2のアプリケーション25による第2の情報のアクセス時間や取得時間や格納時間や更新時間が記録されている。
【0073】
このように、サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が不可能となり、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなった場合でも、第2のアリケーション25が第2の情報を入力して入力情報格納部13(第2の情報格納部23)に格納することができ、外来患者の受付業務及び診察業務を滞りなく進めることができる電子カルテシステムを提供することができる。
【0074】
次に、第2の制御部11-2が入力した第2の情報を第1のアプリケーション24に反映させる工程について説明する。
図14は、第1の制御部11-1が、第1のアプリケーション24を起動した直後に、サーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなり、第2の制御部11-2が、第2のアプリケーション25を起動し、第2の医用データ19を取得し、第2の情報を入力した後、第1の制御部11-1又は第2の制御部11-2が、第2の情報を第1のアプリケーション24に反映させる工程の例を示すフローチャートである。
図15は、この工程におけるサーバ2及びクライアント(医用データ取得装置)3の動作の例を示すシーケンス図である。
図14のステップS12からステップS25までは
図7と同様であるので、説明を省略する。また、
図15の動作CL11から動作CL19までは
図8と同様であるので、説明を省略する。
【0075】
ステップS26において、制御部11(第1の制御部11-1又は第2の制御部11-2)が、第2のアプリケーション25により第2の情報格納部23に格納された第2の情報を、第1のアプリケーション24の画面に反映させるか否かを決定する。反映すると決定した場合は、ステップS27において、第1の制御部11-1は、第2の情報格納部23から第2の情報を取得し、第1のアプリケーション24の画面の対応する箇所に第2の情報を反映(表示)し(CL20)、当該第2の情報を第1の情報として第1の情報格納部22に格納する(CL21)。例えば、第1のアプリケーション24又は第2のアプリケーション25の画面に表示された「第2の情報反映」のアイコン(図示せず)が指定(例えば、クリック)されると(ステップS26)、第1の制御部11-1は、第2の情報格納部23に格納された第2の情報を取得し、第1の情報として第1のアプリケーション24に反映する(CL20)。
【0076】
図16は、第2の情報が第1のアプリケーション24の画面の対応する箇所に反映されたことを示す図である。
図16に示すように、第2のアプリケーション25の診療画面(ローカルカルテ入力画面)25-4に表示され、第2の情報格納部23に格納されているカルテ情報が、第1のアプリケーション24の診療画面(クラウドカルテ入力画面)24-4に第1の情報として反映される。
図16では、第2のアプリケーション25の診療画面25-4の主訴所見欄116のカルテ情報が、第1のアプリケーション24の診療画面24-4の主訴所見欄216のカルテ情報として反映される。また、第2のアプリケーション25の診療画面25-4の診療行為欄117のカルテ情報が、第1のアプリケーション24の診療画面24-4の診療行為欄217のカルテ情報として反映される。
【0077】
次に、ステップS28において、送受信部18は、ネットワーク1を介してサーバ2と通信可能になるように、送受信部7に接続する。サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が不可能となり、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できない場合は、ステップS17において、制御部11(第2の制御部11-2)が第2のアプリケーション(ローカルアプリケーション)25を起動(例えば、ログイン)するか、起動している第2のアプリケーション25の起動(例えば、ログイン)を維持する。
【0078】
サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が不可能となり、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できる場合は、ステップS29において、第1の制御部11-1が、第1のアプリケーション25により、第1の情報格納部22に格納された第1の情報をサーバ2へ送信する。第1の制御部11-1が、送信命令を実行し、第1のアプリケーション25により、第1の情報格納部22から第1の情報をネットワーク1を介してサーバ2へ送信する。
送信された第1の情報は、送受信部7により受信され、制御部5は、更新命令を実行し、第1の情報に基づいて第1の医用データ8を更新する(SV6)。
【0079】
このように、第2のアプリケーション25により入力しされた第2の情報を、第1のアプリケーション24に第1の情報として反映し、サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が復旧したときに、第1のアプリケーション24により第1の医用データ8を更新することができ、外来患者の受付業務及び診察業務を滞りなく進めることができる電子カルテシステムを提供することができる。
【0080】
以上、本発明にかかる実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
【0081】
上記では、第2のアプリケーション25により入力しされた第2の情報を、第1のアプリケーション24に第1の情報として反映したが、第1のアプリケーション24により入力しされた第1の情報を、第2のアプリケーション25に第2の情報として反映してもよい。
【0082】
第1の制御部11-1が入力した第1の情報を第2のアプリケーション25に反映させる工程について説明する。
図17は、第1の制御部11-1が、第1のアプリケーション24を起動し、第1の情報を入力している途中又は入力後に、サーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなり、第2の制御部11-2が、第2のアプリケーション25が起動した際に、第1の情報を取得し、第1の情報を第2のアプリケーション25に反映させる工程の例を示すフローチャートである。
図18は、この工程におけるサーバ2及びクライアント(医用データ取得装置)3の動作の例を示すシーケンス図である。
【0083】
第1の制御部11-1は、第1の医用データ8に関する第1の情報を入力し、ネットワーク1を介してサーバ2から第1の医用データ8を取得できない場合に、第1の情報を第2のアプリケーション25に反映させる。
【0084】
ステップS12において、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24を起動(例えば、ログイン)する。受付担当者又は医師が入力装置(図示せず)を用いて入力することで、入出力部15が入力した起動命令に基づいて、制御部11(第1の制御部11-1)が第1のアプリケーション24の起動命令を実行する(CL11)。
【0085】
ステップS13において、送受信部18は、ネットワーク1を介してサーバ2と通信可能になるように、送受信部7に接続する。ステップS14において、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、送受信部7,18を介して、サーバ2の格納部8に格納されている第1の医用データ8を取得する。第1のアプリケーション24の操作画面において、第1の医用データ8を取得するアイコン等をクリックすると、第1のアプリケーション24は、第1の医用データ8の取得命令を実行し、送信要求情報をサーバ2へ送信する。送信要求情報を受信したサーバ2は、要求された第1の医用データ8をクライアント(医用データ取得装置)3へ送信する(SV7)。第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、第1の医用データ8を取得する(CL12)。
【0086】
例えば、第1のアプリケーション24の「患者検索」のアイコンが指定(例えば、クリック)されると、氏名情報やID情報を検索キーとして入力する検索画面が開き、第1の制御部11-1により、第1のアプリケーション24は、入力された外来患者の属性情報等に基づいて、格納部4に格納された第1の医用データ8を検索し、該当する属性情報30(外来患者の氏名情報34、ID情報35、保険情報36、年齢情報37、性別情報38、生年月日情報39、及びその他の属性情報40)を取得し、その全部又は一部を表示部17に表示する。これは、第1のアプリケーション24が外来患者の属性情報を第1の医用データ8から検索して取得する機能である。
【0087】
また、第1の制御部11-1が、第1のアプリケーション24により、入力された外来患者の属性情報等に基づいて、格納部4に格納された第1の医用データ8から受付情報31(予約日時情報41、来院日時情報42、来院回数情報43、時間区分情報44、診療科情報45、医師情報46、受診状況情報47、及びその他の受付情報48)を取得し、その全部又は一部を表示部17に表示する。
【0088】
また、第1の制御部11-1が、第1のアプリケーション24により、外来患者の属性情報等に基づいて、格納部4に格納された第1の医用データ8から該当するカルテ情報32(主訴情報49、所見情報50、傷病名情報51、検査情報52、処置情報53、処方情報54、指示情報56、及びその他のカルテ情報55)及び医用画像33を取得し、その全部又は一部を表示部17に表示する。
【0089】
また、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、予め登録されたカルテ情報のセットを第1の医用データ8から選択して取得する機能を有する。
【0090】
ステップS15において、医療機関の受付担当者や医師が第1の医用データ8に関する第1の情報を入力することで、入出力部15により、第1のアプリケーション24は第1の情報を入力し、送受信部18により、第1のアプリケーション24は第1の情報を、ネットワーク1を介してサーバ2に送信する(CL13)。例えば、第1のアプリケーション24は、第1の医用データ8に関する第1の情報として、医療機関の外来患者の属性情報、外来患者の受付業務に関する受付情報、外来患者のカルテ情報、及び外来患者の医用画像を入力する。また、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、医療機関に新規で来院する新規患者(新患)の属性情報を入力する機能を有する。
【0091】
サーバ2に送信された第1の情報は、送受信部7により受信される。第1の医用データ8は、受信された第1の情報に基づいて更新される(SV8)。この更新時間が時間データ9に記録される。
【0092】
第1の情報は、入出力部15により入出力され、表示部17によりモニター等の表示装置(図示せず)に表示され、第1の情報格納部22に格納される(CL14)。また、第1の情報格納部22に格納される第1の情報は、時間データ20と関連付けられており、第1のアプリケーション24による第1の情報のアクセス時間や取得時間や格納時間や更新時間が記録されている。
【0093】
次に、ステップS16において、サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が不可能となり、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなる。ステップS17において、制御部11(第2の制御部11-2)が第2のアプリケーション(ローカルアプリケーション)25を起動(例えば、ログイン)する(CL15)。
【0094】
次に、ステップS20において、制御部11(第1の制御部11-1又は第2の制御部11-2)が、第1のアプリケーション24により第1の情報格納部22に格納された第1の情報を、第2のアプリケーション25の画面に反映させるか否かを決定する。反映すると決定した場合は、ステップS21において、第2の制御部11-2は、第1の情報格納部22から第1の情報を取得し、第2のアプリケーション25の画面の対応する箇所に第1の情報を反映(表示)し(CL16)、当該第1の情報を第2の情報として第2の情報格納部23に格納する(CL22)。例えば、第1のアプリケーション24又は第2のアプリケーション25の画面に表示された「第1の情報反映」のアイコン(図示せず)が指定(例えば、クリック)されると(ステップS20)、第2の制御部11-2は、第1の情報格納部22に格納された第1の情報を取得し、第2の情報として第2のアプリケーション25に反映する(CL22)。
【0095】
図19は、第1の情報が第2のアプリケーション25の画面の対応する箇所に反映されたことを示す図である。
図19に示すように、第1のアプリケーション24の受付画面24-1に表示され、第1の情報格納部22に格納されている受付情報が、第2のアプリケーション25の受付画面25-1に第1の情報として反映される。
図19では、第1のアプリケーション24の受付画面24-1の来院順序情報286、来院日時情報(受付時刻情報)287、診療科情報290、医師情報291、新患情報292、受診状況情報293、及び過去の来院日時情報294の受付情報が、第2のアプリケーション25の診療画面25-1の来院順序情報86、来院日時情報(受付時刻情報)87、診療科情報90、医師情報91、新患情報92、受診状況情報93、及び過去の来院日時情報94の受付情報として反映される。
【0096】
図17のステップS18,S19,S25は
図14と同様であるので、説明を省略する。また、
図18の動作CL17から動作CL19までは
図15と同様であるので、説明を省略する。
【0097】
このように、サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が不可能となり、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなった場合でも、第1のアプリケーション24により入力しされた第1の情報を、第2のアプリケーション25に第2の情報として反映し、反映された第2の情報に、第2のアリケーション25が第2の情報を追加及び/又は削除して入力情報格納部13(第2の情報格納部23)に格納することができ、外来患者の受付業務及び診察業務を滞りなく進めることができる電子カルテシステムを提供することができる。
【0098】
また、上記の実施の形態では、第2のアプリケーション25が起動されたか否かにかかわらず、第1の制御部11-1は、第1のアプリケーション24により、差分を差分データ10としてサーバ2から取得し、第2の医用データ19を更新するが、第2の制御部11-2が、第2のアプリケーション25により、第2の医用データ19を更新するか否かを決定してもよい。
【0099】
図20は、第2の制御部11-2が、第2のアプリケーション25により、第2の医用データ19を更新するか否かを決定する工程の例を示すフローチャートである。
図21は、これらの工程におけるサーバ2及びクライアント(医用データ取得装置)3の動作の例を示すシーケンス図である。
図21の動作SV1から動作SV4までの動作及び動作CL1から動作CL4までの動作は
図6と同様であるので、説明を省略する。また、
図21の動作SV1から動作SV4までの動作及び動作CL1から動作CL4までの動作に対応する工程は、
図3及び
図4と同様であるので、図面を省略する。
【0100】
図20に示すように、ステップS99において、第1のアプリケーション24が差分データ10の送信要求情報をサーバ2へ送信することなく、差分データ取得部14は、差分データ10を取得する(CL88)。
【0101】
図20のステップS12,S16,S17は
図7と同様であるので、説明を省略する。
図21の動作SV11,SV15は
図8と同様であるので、説明を省略する。
【0102】
ステップS30において、第2の制御部11-2は、第1のアプリケーション24が差分データ10を取得したことを検出する(CL24)。差分データ10の取得を検出した場合は、ステップS31において、第2の制御部11-2は、差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新するか否かを選択する。第2の医用データ19の更新が選択された場合は、ステップS32において、格納部12が差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新する(CL25)。
【0103】
例えば、第2のアプリケーション25の操作画面において、差分データ10の取得が検出されると、第2の医用データ19を更新するアイコン等が点滅し、第2の医用データ19を更新するアイコン等をクリックすると、第2の医用データ19の更新が選択され、格納部12が差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新する。なお、取得された差分データ10から選択された差分データ10の一部に基づいて、格納部12が第2の医用データ19を更新してもよい。この場合、第1のアプリケーション24又は第2のアプリケーション25により、差分データ10の一部が選択される。
【0104】
また、上記のようなサーバ2と、ネットワーク1を介してサーバ2と通信可能なクライアント(医用データ取得装置)3と、を備える医用データ取得システム100も本発明に含まれる。医用データ取得システム100は、クライアント(医用データ取得装置)3は、サーバ2に格納された第1の医用データ8を取得する第1のアプリケーション25を制御する第1の制御部11-1と、第1の時点における第1の医用データ8を第2の医用データ19として格納する格納部12と、格納部12に格納された第2の医用データ19を取得する第2のアプリケーション25を制御する第2の制御部11-2と、を備え、第1の制御部11-1は、第1の時点以降の第2の時点における第1の医用データ8と第1の時点における第1の医用データ8との間に差分がある場合は、差分を差分データ10としてサーバ2から取得し、格納部12は、差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新可能であることを特徴とする医用データ取得システムも本発明に含まれる。
【0105】
また、医用データ取得システム100は、複数のクライアント(医用データ取得装置)3を含んでもよい。
図22は、複数のクライアント(医用データ取得装置)3―1,3-2を含む医用データ取得システムのシステム構成の例を示すブロック図である。
【0106】
この場合、複数のクライアント(医用データ取得装置)3-1,3-2のそれぞれの格納部12は、第2の医用データ19を共有又は同期して格納する。また、複数のクライアント(医用データ取得装置)3-1,3-2のそれぞれは、第2の医用データ19に関する情報(第2の情報)を入力し、当該情報(第2の情報)を他のクライアント(医用データ取得装置)3と共有又は同期して第2の情報格納部23に格納する。
【0107】
このように、サーバ2とクライアント(医用データ取得装置)3との通信が不可能となり、クライアント(医用データ取得装置)3がサーバ2から第1の医用データ8を取得できなくなった場合でも、複数のクライアント(医用データ取得装置)3の間で、第2の医用データ19、第1の情報、及び第2の情報を共有することができ、外来患者の受付業務及び診察業務を滞りなく進めることができる電子カルテシステムを提供することができる。
【0108】
また、上記のようなネットワーク1を介してサーバ2と通信する医用データ取得方法も本発明に含まれる。この医用データ取得方法は、サーバ2に格納された第1の医用データ8を取得するステップと、第1の時点における第1の医用データ8を第2の医用データ19として格納するステップと、格納部12に格納された第2の医用データ19を取得するステップと、第1の時点以降の第2の時点における第1の医用データ8と第1の時点における第1の医用データ8との間に差分がある場合は、差分を差分データ10としてサーバ2から取得するステップと、差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新するステップと、を備える。
【0109】
また、上記のようなネットワーク1を介してサーバ2と通信可能なコンピュータで実行される医用データ取得プログラムも本発明に含まれる。この医用データ取得プログラムは、コンピュータに、サーバ2に格納された第1の医用データ8を取得する命令と、第1の時点における第1の医用データ8を第2の医用データ19として格納する命令と、格納部12に格納された第2の医用データ19を取得する命令と、第1の時点以降の第2の時点における第1の医用データ8と第1の時点における第1の医用データ8との間に差分がある場合は、差分を差分データ10としてサーバ2から取得する命令と、差分データ10に基づいて第2の医用データ19を更新する命令と、を実行させる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、サーバと通信ができない場合でも、医用データを取得することができる医用データ取得システムとして有用である。
【符号の説明】
【0111】
1…ネットワーク
2…サーバ
3…クライアント(医用データ取得装置)
6…差分データ生成部
8…第1の医用データ
10…差分データ
14…差分データ取得部
19…第2の医用データ
24…第2のアプリケーション
25…第1のアリケーション
30,60…属性情報
31,61…受付情報
32,62…カルテ情報
100…医用データ取得システム