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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022147996
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】さらさら感増強剤及び洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20220929BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220929BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20220929BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/49
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049506
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】川出 茉実
(72)【発明者】
【氏名】渡部 真
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC242
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC841
4C083AC842
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD531
4C083AD532
4C083BB51
4C083CC22
4C083DD23
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】タオルドライ後の肌にさらさら感を付与することができる洗浄剤組成物において、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができ、かつ洗浄剤組成物のすすぎ時に清潔感を感じさせる香りを付与することができるさらさら感増強剤、及び前記さらさら感増強剤を含有する洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(a)γ-ターピネン、α-フェランドレン、及びp-サイメンからなる群より選択される少なくとも1種と、(b)カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、及びカプリン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種と、(c)γ-デカラクトン、δ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、及びδ-ウンデカラクトンからなる群より選択される少なくとも1種と、を含有し、前記(c)成分の含有量に対する、前記(a)成分及び前記(b)成分の合計含有量の質量比[((a)+(b))/(c)]が、1~10であるさらさら感増強剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)γ-ターピネン、α-フェランドレン、及びp-サイメンからなる群より選択される少なくとも1種と、
(b)カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、及びカプリン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種と、
(c)γ-デカラクトン、δ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、及びδ-ウンデカラクトンからなる群より選択される少なくとも1種と、
を含有し、
前記(c)成分の含有量に対する、前記(a)成分及び前記(b)成分の合計含有量の質量比[((a)+(b))/(c)]が、1~10であることを特徴とするさらさら感増強剤。
【請求項2】
前記(a)成分が、p-サイメンであり、
前記(b)成分が、エナント酸アリルであり
前記(c)成分が、γ-ウンデカラクトンである請求項1に記載のさらさら感増強剤。
【請求項3】
請求項1から2のいずれかに記載のさらさら感増強剤と、
(d)ジメチコン及びジメチコノールからなる群より選択される少なくとも1種と、
を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記(a)の含有量が、0.001質量%~0.01質量%あり、
前記(b)の含有量が、0.001質量%~0.01質量%であり、
前記(c)の含有量が、0.001質量%~0.01質量%である請求項3に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
液体皮膚洗浄剤組成物である請求項3から4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、さらさら感増強剤及び洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンドソープやボディソープ等の洗浄剤組成物には、タオルドライ後の肌にさらさらした感触を付与することが求められている。タオルドライ後の肌にさらさら感を付与することができる洗浄剤組成物として、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、糖アルコール、シリカなどを配合した洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
また、洗浄剤組成物は、洗浄部位を清潔な状態とすることを目的として使用されるものであるため、洗浄剤組成物を使用することによって、清潔感を感じることができることも求められている。洗浄剤組成物が有する種々の特性の中でも、洗浄剤組成物に付与された香りは清潔感を演出することに寄与しており、嗜好性の高い香りの良さも洗浄剤組成物の重要な品質となっている。そのため、様々な香料組成物を配合した洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献4~6参照)。
【0004】
したがって、タオルドライ後の肌にさらさら感を付与することができる洗浄剤組成物において、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができ、かつ清潔感を感じさせる香りを付与することができるさらさら感増強剤、及び前記さらさら感増強剤を含有する洗浄剤組成物の提供が強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-153627号公報
【特許文献2】国際公開第2011/043226号
【特許文献3】国際公開第2019/225238号
【特許文献4】特開2007-332355号公報
【特許文献5】特開2002-128658号公報
【特許文献6】特開2006-183039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、タオルドライ後の肌にさらさら感を付与することができる洗浄剤組成物において、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができ、かつ洗浄剤組成物のすすぎ時に清潔感を感じさせる香りを付与することができるさらさら感増強剤、及び前記さらさら感増強剤を含有する洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、(a)γ-ターピネン、α-フェランドレン、及びp-サイメンからなる群より選択される少なくとも1種と、(b)カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、及びカプリン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種と、(c)γ-デカラクトン、δ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、及びδ-ウンデカラクトンからなる群より選択される少なくとも1種と、を含有し、前記(c)成分の含有量に対する、前記(a)成分及び前記(b)成分の合計含有量の質量比[((a)+(b))/(c)]が、1~10であるさらさら感増強剤は、洗浄剤組成物に配合した際に、該洗浄剤組成物のすすぎ時に清潔感を感じさせる香りを付与することができるだけでなく、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができることを知見した。
【0008】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> (a)γ-ターピネン、α-フェランドレン、及びp-サイメンからなる群より選択される少なくとも1種と、
(b)カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、及びカプリン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種と、
(c)γ-デカラクトン、δ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、及びδ-ウンデカラクトンからなる群より選択される少なくとも1種と、
を含有し、
前記(c)成分の含有量に対する、前記(a)成分及び前記(b)成分の合計含有量の質量比[((a)+(b))/(c)]が、1~10であることを特徴とするさらさら感増強剤である。
<2> 前記(a)成分が、p-サイメンであり、
前記(b)成分が、エナント酸アリルであり
前記(c)成分が、γ-ウンデカラクトンである前記<1>に記載のさらさら感増強剤である。
<3> 前記<1>から<2>のいずれかに記載のさらさら感増強剤と、
(d)ジメチコン及びジメチコノールからなる群より選択される少なくとも1種と、
を含有することを特徴とする洗浄剤組成物である。
<4> 前記(a)の含有量が、0.001質量%~0.01質量%あり、
前記(b)の含有量が、0.001質量%~0.01質量%であり、
前記(c)の含有量が、0.001質量%~0.01質量%である前記<3>に記載の洗浄剤組成物である。
<5> 液体皮膚洗浄剤組成物である前記<3>から<4>のいずれかに記載の洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、タオルドライ後の肌にさらさら感を付与することができる洗浄剤組成物において、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができ、かつ洗浄剤組成物のすすぎ時に清潔感を感じさせる香りを付与することができるさらさら感増強剤、及び前記さらさら感増強剤を含有する洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(さらさら感増強剤)
本発明のさらさら感増強剤は、(a)γ-ターピネン、α-フェランドレン、及びp-サイメンからなる群より選択される少なくとも1種と、(b)カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、及びカプリン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種と、(c)γ-デカラクトン、δ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、及びδ-ウンデカラクトンからなる群より選択される少なくとも1種と、を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0011】
五感は独立したものではなく、互いに作用し合っており、香りから感じられるイメージ(即ち、嗅覚情報に基づくイメージ)が触覚情報にも影響を与えることが知られている(ヒトの感性に訴える製品開発とその評価(No.1952) 第7章 6節 柔軟剤の香りの価値評価事例/技術情報協会参照)。
本発明者らは鋭意検討を行い、前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分を特定の含有量比で含有する前記さらさら感増強剤が、清潔感を感じさせる香りを付与することができだけでなく、その香りから、使用者に感覚的な肌のさらさら感を感じさせることができることを見出した。
洗浄剤組成物に用いられる香料又は香料組成物が、香りとしての嗜好性だけでなく、洗浄剤組成物の機能をバックアップするような機能的価値を有し、使用者に感覚的な肌のさらさら感を感じさせることができることは、従来知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
【0012】
<(a)γ-ターピネン、α-フェランドレン、及びp-サイメンからなる群より選択される少なくとも1種>
前記(a)成分としてのγ-ターピネン(「γ-テルピネン」とも称する)、α-フェランドレン、及びp-サイメンからなる群より選択される少なくとも1種は、主に、洗浄剤組成物に配合した際に、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせるために含有される。
これらの中でも、前記(a)成分は、p-サイメンが、洗浄剤組成物に配合した際に、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができる点で好ましい。
【0013】
前記(a)成分としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(a)成分の市販品としては、例えば、γ-Terpinene(γ-ターピネン)、(-)-α-Phellandrene(α-フェランドレン)、p-Cymene(p-サイメン)(以上、東京化成工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0014】
前記さらさら感増強剤における前記(a)成分の含有量としては、後述する質量比[((a)+(b))/(c)]が1~10となる含有量である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0015】
<(b)カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、及びカプリン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種>
前記(b)成分としてのカプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、及びカプリン酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種は、主に、洗浄剤組成物に配合した際に、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせるために含有される。
これらの中でも、前記(b)成分は、エナント酸アリルが、洗浄剤組成物に配合した際に、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができる点で好ましい。
【0016】
前記(b)成分としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(b)成分の市販品としては、例えば、ALLYL CAPROATE(カプロン酸アリル)、ETHYL HEPTOATE(エナント酸エチル)、ALLYL HEPTOATE(エナント酸アリル)、ETHYL CAPRYLATE(カプリン酸エチル)(以上、シムライズ株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0017】
前記さらさら感増強剤における前記(b)成分の含有量としては、後述する質量比[((a)+(b))/(c)]が1~10となる含有量である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0018】
<(c)γ-デカラクトン、δ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、及びδ-ウンデカラクトンからなる群より選択される少なくとも1種>
前記(c)成分としてのγ-デカラクトン、δ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、及びδ-ウンデカラクトンからなる群より選択される少なくとも1種は、主に、洗浄剤組成物に配合した際に、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせるために含有される。
これらの中でも、前記(c)成分は、γ-ウンデカラクトンが、洗浄剤組成物に配合した際に、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができる点で好ましい。
【0019】
前記(c)成分としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(c)成分の市販品としては、例えば、C-10 GAMMA DECALACTONE(γ-デカラクトン)、C-10 DELTA DECALACTONE(δ-デカラクトン)、C-11 GAMMA UNDECALACTONE(γ-ウンデカラクトン)、C-11 DELTA UNDECALACTONE(δ-ウンデカラクトン)(以上、曽田香料株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】
前記さらさら感増強剤における前記(c)成分の含有量としては、後述する質量比[((a)+(b))/(c)]が1~10となる含有量である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0021】
<質量比[((a)+(b))/(c)]>
前記(c)成分の含有量に対する、前記(a)成分及び前記(b)成分の合計含有量の質量比[((a)+(b))/(c)]は、洗浄剤組成物に配合した際に、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせる点及び洗浄剤組成物のすすぎ時に清潔感を感じさせる香りを付与する点から、1~10であるが、2~5が好ましい。前記質量比[((a)+(b))/(c)]が、1未満であると、洗浄剤組成物に配合した際に、清潔感を感じさせる香りを付与することができず、10を超えるとタオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができない。
【0022】
本明細書において、「清潔感を感じさせる香り」とは、シトラスの香料要素を感じられる香りを意味する。シトラス系の香りは、爽やかであり、清潔感を感じさせる香りとして生活者に好まれている。
【0023】
<その他の成分>
前記さらさら感増強剤には、前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、更にその他の成分を配合することができる。
【0024】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分以外の香料成分、香料組成物などが挙げられる。
前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分以外の香料成分としては、特に制限はなく、公知の香料成分の中から適宜選択することができ、例えば、α-ターピネオール、シトロネロール、α-ダマセノン、酢酸ゲラニルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記その他の成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記さらさら感増強剤全量に対する含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0026】
-製造方法-
前記さらさら感増強剤の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分、更に必要に応じて、前記その他の成分を混合して製造することができる。
前記さらさら感増強剤は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
【0027】
-用途-
前記さらさら感増強剤は、タオルドライ後の肌にさらさら感を付与することができる洗浄剤組成物において、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができ、かつ洗浄剤組成物のすすぎ時に清潔感を感じさせる香りを付与することができるため、公知の洗浄剤組成物に好適に用いることができ、後述する本発明の洗浄剤組成物に特に好適に用いることができる。
【0028】
(洗浄剤組成物)
本発明の洗浄剤組成物は、本発明のさらさら感増強剤と、(d)ジメチコン及びジメチコノールからなる群より選択される少なくとも1種と、を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0029】
前記洗浄剤組成物は、前記(d)成分に起因する組成に基づくタオルドライ後の肌のさらさら感だけでなく、前記さらさら感増強剤により、使用者に感覚的な肌のさらさら感を感じさせることができるため、タオルドライ後の肌のさらさら感がより優れたものである。
したがって、前記洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物の組成によってさらさら感を付与する従来の製品とは全く異なるものである。
【0030】
<さらさら感増強剤>
前記洗浄剤組成物が含有するさらさら感増強剤は、本発明のさらさら感増強剤であり、前記した通りである。
【0031】
前記洗浄剤組成物における前記さらさら感増強剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記さらさら感増強剤に含有される前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分が、それぞれ以下の含有量となるように含有されることが好ましい。
【0032】
-(a)成分-
前記洗浄剤組成物における前記(a)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせる点で、0.001質量%~0.01質量%が好ましく、0.003質量%~0.01質量%がより好ましい。前記洗浄剤組成物における前記(a)成分の含有量が、0.001質量%以上又は0.01質量%以下であると、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができる。
【0033】
-(b)成分-
前記洗浄剤組成物における前記(b)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせる点で、0.001質量%~0.01質量%が好ましく、0.001質量%~0.005質量%がより好ましい。前記洗浄剤組成物における前記(b)成分の含有量が、0.001質量%以上又は0.01質量%以下であると、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができる。
【0034】
-(c)成分-
前記洗浄剤組成物における前記(c)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせる点で、0.001質量%~0.01質量%が好ましく、0.001質量%~0.005質量%がより好ましい。前記洗浄剤組成物における前記(c)成分の含有量が、0.001質量%以上又は0.01質量%以下であると、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができる。
【0035】
<(d)ジメチコン及びジメチコノールからなる群より選択される少なくとも1種>
前記(d)成分としてのジメチコン及びジメチコノールからなる群より選択される少なくとも1種は、主に、タオルドライ後の肌にさらさら感を付与するために含有される。
【0036】
前記(d)成分の中のジメチコンは、例えば、下記一般式(D1)で表されるものなどが挙げられる。
【化1】
ただし、前記一般式(D1)中、aは構造単位のモル比率(モル%)を示し、3~20,000である。
【0037】
前記(d)成分のジメチコン及びジメチコノールからなる群より選択される少なくとも1種の25℃における動粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のさらさら感の点から、1.5cSt~100,000cStが好ましく、2cSt~1,000cStがより好ましい。
【0038】
前記動粘度は、例えば、下記に示す方法により測定することができる。なお、以下の測定方法では、ジメチコンの動粘度について説明するが、ジメチコノールの動粘度についても同様にして測定することができる。
1g/100mL濃度のジメチコンのトルエン溶液を調製し、下記式(1)により、比粘度ηsp(25℃)を求める。次に、下記式(2)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。Huggins定数K’は、中牟田,日化,77,588,1956に記載のものを用いる。次に、〔η〕を下記式(3)に示すA.Kolorlov等の式(Doklady Akad. Nauk. U.S.S.R. 89 65. 1953参照)に代入し、分子量Mを求める。最後に、Mを下記式(4)に示すA.J.Barryの式(J.Appl.physics. 17. 1020. 1946参照)に代入し、ジメチコンの動粘度ηを求めることができる。
ηsp=(η/η)-1 ・・・ 式(1)
ηsp=〔η〕+K’〔η〕2 ・・・ 式(2)
〔η〕=2.15×10-40.65 ・・・ 式(3)
logη=1.00+0.0123M0.5 ・・・ 式(4)
前記式(1)中、「η」は、トルエンの粘度を示し、「η」は、溶液の粘度を示す。前記「η」及び前記「η」は、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定したものである。
【0039】
前記(d)成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(d)成分の市販品としては、例えば、商品名で、KF-96Lシリーズ、KF-96Aシリーズ、KF-6011、KF-615A、KF-945A(以上、信越化学工業株式会社製)、TSF451シリーズ、SILSOFTシリーズ、SF3802A(以上、モメンティブ社製)、DOWSIL SH200シリーズ、DOWSIL BY11-007、DOWSIL BY11-026、DOWSIL BY25-320、XIAMETER 1503Fluid、DOWSIL SS-2804、DOWSIL FZ-2222、DOWSIL FZ-2250(以上、東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
【0040】
また、前記(d)成分は、シリコーンエマルジョンとなっているものを使用してもよい。前記シリコーンエマルジョンとしては、例えば、商品名で、DOWSIL BY22-068、DOWSIL BY22-080、DOWSIL BY22-034、DOWSIL BY22-050、DOWSIL BY22-060(以上、東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。
【0041】
前記(d)成分のジメチコン及びジメチコノールからなる群より選択される少なくとも1種の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のさらさら感の点から、前記洗浄剤組成物全量に対して、0.01質量%~0.5質量%が好ましく、0.02質量%~0.4質量%がより好ましい。
【0042】
<その他の成分>
前記洗浄剤組成物には、前記さらさら感増強剤及び前記(d)成分の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、洗浄剤組成物などに通常用いられる成分をその他の成分として配合することができる。
【0043】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性高分子、両性界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤又は散乱剤、ビタミン類等の薬剤、アミノ酸類、水不溶性高分子化合物粉体、水溶性高分子、粘度調整剤、前記(d)成分以外のシリコーン類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、アクリル樹脂分散液、殺菌剤、金属封鎖剤、動植物抽出物又はその誘導体、色素、前記さらさら感増強剤以外の香料、顔料、無機粉体、粘土鉱物、精製水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記洗浄剤組成物は、その他の成分としてアニオン性界面活性剤、カチオン性高分子、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
【0044】
<<ノニオン性界面活性剤>>
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンオキサイド(E.O.)の平均付加モル数が40~120であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(以下、「POEアルキルエーテル」とも称する)、脂肪酸モノエタノールアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
-POEアルキルエーテル-
前記POEアルキルエーテルのエチレンオキサイドの平均付加モル数(平均EO付加モル数)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40~120が好ましく、50~100がより好ましく、70~100が特に好ましい。
前記POEアルキルエーテルは、アルキル基の炭素数が10~22が好ましく、12~18がより好ましい。
【0046】
前記POEアルキルエーテルとしては適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、エマレックス550(POE(50)オレイルエーテル)、エマレックス750(POE(50)ラウリルエーテル)(以上、日本エマルジョン株式会社製)、ノニオンK-2100W(POE(100)ラウリルエーテル、日油株式会社製)、ブラウノンSR-750(POE(50)ステアリルエーテル、青木油脂工業株式会社製)などが挙げられる。
なお、POEの後の( )内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を表す。
【0047】
-脂肪酸モノエタノールアミド-
前記脂肪酸モノエタノールアミドにおける脂肪酸の炭素数としては、8~18が好ましい。
【0048】
前記脂肪酸モノエタノールアミドとしては適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、アミゾールCME(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド)、アミゾールSME(ステアリン酸モノエタノールアミド)(以上、川研ファインケミカル株式会社製)などが挙げられる。
【0049】
<<アニオン性界面活性剤>>
前記アニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミノ酸系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0050】
-高級脂肪酸塩-
前記高級脂肪酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0051】
前記高級脂肪酸塩の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩、アミノ酸塩などが挙げられる。
前記アルカリ金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
前記アミン塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
前記アミノ酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リジン塩、アルギニン塩などが挙げられる。
【0052】
前記高級脂肪酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、NIKKOL ラウリン酸カリLK-120(ラウリン酸カリウム、日光ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL ミリスチン酸カリMK-140(ミリスチン酸カリウム、日光ケミカルズ株式会社製)、タイソープ MNK-40(ヤシ油脂肪酸カリウム・ミリスチン酸カリウム配合液体、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0053】
前記高級脂肪酸塩は、高級脂肪酸塩として配合することも可能であるが、高級脂肪酸と、水酸化カリウム等の前記対イオンとなる塩とを別々に、配合槽中に添加して中和反応させて高級脂肪酸塩としてもよい。
【0054】
前記高級脂肪酸塩の調製に使用する前記高級脂肪酸は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、NAA(登録商標)-122(ラウリン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-142(ミリスチン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-160(パルミチン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-180(ステアリン酸、日油株式会社製)などが挙げられる。
【0055】
前記ラウリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗浄剤組成物全量に対して、3質量%~12質量%が好ましく、7質量%~10質量%がより好ましい。
【0056】
前記ミリスチン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗浄剤組成物全量に対して、4質量%~14質量%が好ましく、8質量%~14質量%がより好ましい。
【0057】
前記パルミチン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗浄剤組成物全量に対して、1質量%~9質量%が好ましく、3質量%~9質量%がより好ましい。
【0058】
前記ステアリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%~3質量%が好ましく、0.2質量%~1質量%がより好ましい。
【0059】
-ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩-
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A1)で表される化合物などが挙げられる。前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化2】
【0060】
前記一般式(A1)中、Rはアルキル基を示し、前記アルキル基部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
【0061】
前記一般式(A1)中、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、前記エチレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
【0062】
前記一般式(A1)中、Xは、アルカリ金属、又はアンモニウムを示す。
前記アルカリ金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
【0063】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(2)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(3)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C12,13)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数(n)を表す。
【0064】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、Texapon(テキサポン)(登録商標) N70(BASF社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、シノリンSPE-1250(新日本理化株式会社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)などが挙げられる。
【0065】
-エーテルカルボン酸塩-
前記エーテルカルボン酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A2)又は(A3)で表される化合物などが挙げられる。前記エーテルカルボン酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化3】
【0066】
前記一般式(A2)及び(A3)中、Rは炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示し、前記R部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
【0067】
前記一般式(A2)中、Rは炭素数2~4のアルキレン基を示し、前記R部分の炭素数としては、2が好ましい。前記Rは、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0068】
前記一般式(A2)中、oは1~20のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、前記アルキレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
【0069】
前記一般式(A2)及び(A3)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
【0070】
前記一般式(A2)又は(A3)で表されるエーテルカルボン酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸カリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0071】
前記エーテルカルボン酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記エーテルカルボン酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、エナジコールEC-30(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-25F(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-30D(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-H(ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸)、ビューライト LCA-25NH(ラウレス-4カルボン酸)、ビューライト SHAA(ラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム)、ビューライト LCA(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、三洋化成工業株式会社製)、カオーアキポRLM-45NV(ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、カオーアキポRLM-100NV(ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、花王株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0072】
-アミノ酸系界面活性剤-
前記アミノ酸系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A4)で表される化合物などが挙げられる。前記アミノ酸系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化4】
【0073】
前記一般式(A4)中、Rは炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示し、前記R部分の炭素数としては、8~18が好ましい。
【0074】
前記一般式(A4)中、Rは、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を示す。
【0075】
前記一般式(A4)中、R及びRは、水素原子又は-(CH-COOMを示す。前記R及び前記Rは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0076】
前記一般式(A4)中、m及びnは0~20の数を示す。前記m及び前記nは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0077】
前記一般式(A4)中、M及びMは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。前記M及び前記Mは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0078】
前記アミノ酸系界面活性剤の親水部のアミノ酸構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、グリシン、グルタミン酸、メチルアラニンが好ましい。
【0079】
前記一般式(A4)で表されるアミノ酸系界面活性剤の具体例としては、N-ココイル-グリシンカリウム(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)等のN-アシル-グリシン及びその塩;N-ミリストイル-N-カルボキシエチル-グリシンナトリウム等のN-アシル-N-カルボキシエチル-グリシン及びその塩;N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム、N-パーム脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム等のN-アシルグルタミン酸及びその塩;N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンカリウムなどが挙げられる。
【0080】
前記アミノ酸系界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記アミノ酸系界面活性剤の市販品としては、例えば、商品名で、アミライト(登録商標)GCK-11(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)、アミライト(登録商標)GCK-12K(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)、アミライト(登録商標)GCS-12K(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミライト(登録商標)GCS-11(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS-11(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS-22(N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)LS-11(N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)MS-11(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS-11P(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS-11P(F)(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS21(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ジナトリウム)、アミライト(登録商標)ACS-12(ココイルアラニンナトリウム)(以上、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)、アミノサーファクト(登録商標)AMMS-P1(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)(旭化成ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL サルコシネート MN(ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム)、NIKKOL アラニネート LN-30(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、アラノンACE(ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム)、アラノンAME(ミリストイルメチル-β-アラニンナトリウム)、アラノンALE(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(以上、川研ファインケミカル株式会社製)、エナジコール L-30AN(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ソフティルトAT-L(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(日油株式会社製)などが挙げられる。
【0081】
<<カチオン性高分子>>
前記カチオン性高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体などが挙げられる。
【0082】
前記塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(B1)で表されるものなどが挙げられる。前記塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化5】
ただし、前記一般式(B1)中、n、及びmは、各構造単位のモル比率(モル%)を示し、n+m=100である。
【0083】
前記一般式(B1)中のmで示される、前記塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40モル%以上が好ましく、65モル%以上がより好ましく、90モル%以上が特に好ましい。
【0084】
前記塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における各構造単位のモル比率は、核磁気共鳴(NMR)により下記測定条件で測定することで決定することができる。
[測定条件]
溶媒:重水(DO)
測定器:JNM-LA300(300MHz、日本電子株式会社製)
【0085】
前記カチオン性高分子の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10,000~1,000,000が好ましく、15,000~450,000がより好ましい。
前記カチオン性高分子の重量平均分子量は、例えば、SEC-MALLS-RIシステム(測定条件:カラム:東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α-Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M水溶液)で測定することができる。
【0086】
前記カチオン性高分子の固形分30質量%~44質量%の溶液の25℃での粘度は、10mPa・s~15,000mPa・sが好ましく、20mPa・s~12,000mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
【0087】
前記カチオン性高分子は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記カチオン性高分子の市販品としては、例えば、商品名で、以下のものなどが挙げられる。
マーコート(MERQUAT)100(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%~44質量%の25℃での粘度:8,000mPa・s~12,000mPa・s、重量平均分子量:150,000)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.3のローターを使用し、6回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート106(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分30質量%~36質量%の25℃での粘度:20mPa・s~65mPa・s、重量平均分子量15,000)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.1のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート280(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%~43質量%の25℃での粘度:3,000mPa・s~6,000mPa・s、重量平均分子量450,000、前記一般式(1)におけるn:m=35:65(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が65モル%)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート295(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分35質量%~40質量%の25℃での粘度:3,500mPa・s~9,000mPa・s、重量平均分子量190,000、前記一般式(1)におけるn:m=5:95(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が95モル%)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、30回転/分間の条件において測定することができる。
【0088】
<<両性界面活性剤>>
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0089】
前記長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩における長鎖アルキル基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、6~24が好ましい。
【0090】
前記長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩における長鎖アルキル基の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1つ又は2つが好ましく、1つがより好ましい。
【0091】
前記長鎖アルキル基の数が1つの長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の具体例としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩、ベヘニルジメチルベンジルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記長鎖アルキル基の数が2つの長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の具体例としては、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジベヘニルジメチルアンモニウム塩、ジセチルメチルベンジルアンモニウム塩、ジステアリルメチルベンジルアンモニウム塩、ジベヘニルメチルベンジルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記長鎖アルキル基の数が3つの長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の具体例としては、トリセチルメチルアンモニウム塩、トリステアリルメチルアンモニウム塩、トリベヘニルメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0092】
前記長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の市販品としては、例えば、商品名で、コータミン 60W(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、コータミン 24P(塩化ラウリルトリメチルアンモニウム)、コータミン 86Pコンク(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム)、コータミン 86W(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム)(以上、花王株式会社製)、VARISOFT BT85 PELLETS(ベヘントリモニウムクロリドイソプロパノール、Evonik社製)、NIKKOL CA-2450(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム溶液)、NIKKOL CA-2330(塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液)、NIKKOL CA-2580(塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム溶液)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、カチナール STC-25W(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、東邦化学工業株式会社製)、カチオンAB-250AQ(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、日油株式会社製)、リポカードC-50(塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム)、リポカードT-28(塩化アルキル(C16-18)トリメチルアンモニウム)、リポカードT-30(塩化アルキル(C14-18)トリメチルアンモニウム)、リポカードT-50(塩化アルキル(C14-18)トリメチルアンモニウム)、リポカードT-800(塩化アルキル(C16-18)トリメチルアンモニウム)、リポカード16-29(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、リポカード16-50E(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、リポカード18-63(塩化アルキル(C16-18)トリメチルアンモニウム)、リポカード22-80(塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム)、リポカードCB-50(塩化アルキル(C8-18)ジメチルベンジルアンモニウム)(以上、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0093】
前記油分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、硬化パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類及びそれらのエステル化合物;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類;グリセロールトリ-2-エチルヘキサン酸エステル、2-エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0094】
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、低級アルコールであっても、高級アルコールであってもよい。
前記アルコール類の具体例としては、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0095】
前記保湿剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0096】
前記増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体等の合成高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0097】
前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(商品名:ケーソンCG、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール、エタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0098】
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0099】
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0100】
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸、グリコール酸、塩酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0101】
前記紫外線吸収剤又は散乱剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルクなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0102】
前記ビタミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、α-リポ酸、オロット酸及びその誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0103】
前記アミノ酸類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0104】
前記水不溶性高分子化合物粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機粉体、粘土鉱物、ナイロン、ポリエチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0105】
前記その他の成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記洗浄剤組成物全量に対する含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0106】
-pH-
前記洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、9.5~11.0が好ましく、9.8~10.6がより好ましい。
前記pHは、例えば、ガラス電極色水素イオン濃度指示計 HM-30R(TOA DKK社製 電極タイプGST-5721)を使用して測定することができる。
【0107】
-粘度-
前記洗浄剤組成物の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液状が好ましい。
前記液状の洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、使用する容器などに応じて適宜選択することができるが、4mPa・s~40mPa・sが好ましく、8mPa・s~30mPa・sがより好ましい。
例えば、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器と、305メッシュ及び200メッシュの多孔質膜体を各1枚使用する際において、使用する温度条件下で、前記洗浄剤組成物の粘度は、30mPa・s以下が好ましく、25mPa・s以下がより好ましい。
前記粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、回転数60rpm、No.1のローターにて1分間後の粘度を測定することにより測定できる。
【0108】
-容器-
前記洗浄剤組成物は、特に制限はなく、通常の容器に充填して使用される。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポンプディスペンサー容器、チューブ、フォーマー容器、袋状容器などが挙げられる。これらの中でも、フォーマー容器が好ましい。
【0109】
前記フォーマー容器としては、特に制限はなく、公知のフォーマー容器の中から適宜選択することができ、例えば、ノンガス型の泡吐出容器、噴射剤と耐圧容器を使用したエアゾール容器などが挙げられる。これらの中でも、ノンガス型の泡吐出容器が好ましい。
【0110】
前記ノンガス型の泡吐出容器としては、前記洗浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器などが挙げられる。このようなフォーマー容器は、大和製罐株式会社製、株式会社吉野工業所製等のものを使用することができる。より具体的には、フォーマー容器としては、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、及び特開2005-193972号公報に記載されたフォーマー容器などを使用することができる。
【0111】
前記ノンガス型の泡吐出容器は、泡形成部材を有し、具体的には、泡を形成するための多孔質膜体(材質は、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい)を有し、前記洗浄剤組成物が該多孔質膜体を通過することにより泡が形成されるものである。
【0112】
前記多孔質膜体のメッシュとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100メッシュ以上が好ましく、100メッシュ~400メッシュがより好ましく、200メッシュ~305メッシュが特に好ましい。
また、前記多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から、2枚~4枚が好ましい。
【0113】
-製造方法-
前記洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記さらさら感増強剤及び前記(d)成分、更に必要に応じて、前記その他の成分を混合して得ることができる。
前記さらさら感増強剤は、前記洗浄剤組成物の製造の際に、前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分、更に必要に応じてその他の成分が混合された状態で配合されてもよく、それぞれを別々に(前記洗浄剤組成物の組成中に混合するタイミングを変えて)配合してもよい。
前記洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
【0114】
-用途-
前記洗浄剤組成物の使用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全身、顔、手等の皮膚洗浄用として使用することができる。
前記洗浄剤組成物の使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フォーマー容器に充填し、泡状に吐出して使用することが好ましい。
【0115】
前記洗浄剤組成物は、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができ、かつすすぎ時の香りが清潔感を感じさせる香りであるため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープ、クレンジングフォーム、メイク落とし等の液体皮膚洗浄剤組成物として好適に用いることができ、特にボディソープに好適に用いることができる。
【実施例0116】
以下に製造例、比較製造例、実施例、及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの製造例及び実施例に何ら限定されるものではない。
【0117】
製造例、比較製造例、実施例、及び比較例に記載の各成分の含有量は「質量%」で示し、全量は100質量%であり、全て純分換算した値である。また、(c)成分の含有量(質量%)に対する、(a)成分及び(b)成分の合計含有量(質量%)の質量比[((a)+(b))/(c)]は、小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで求め、記載した。
【0118】
(製造例1~13及び比較製造例1~5)
下記表1~表3に示す組成及び含有量で、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を混合し、製造例1~13及び比較製造例1~5の各さらさら感増強剤を得た。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
(実施例1~15及び比較例1~5)
下記表4~表7に示す組成及び含有量で、液体皮膚洗浄剤組成物を常法に基づき調製し、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、実施例1~15及び比較例1~5の各液体皮膚洗浄剤組成物を得た。
なお、前記各液体皮膚洗浄剤組成物を調製する際、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。また、pHメーター(HM-30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定したところ、実施例1~15及び比較例1~5の各液体皮膚洗浄剤組成物のpHはいずれも10.0であった。
得られた実施例1~15及び比較例1~5の各液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマーポンプディスペンサー付き容器(吐出量3mL、株式会社吉野工業所製)に充填し、以下の評価に用いた。
【0123】
(対照液体皮膚洗浄剤組成物)
実施例1の液体皮膚洗浄剤組成物の調製方法において、さらさら感増強剤(即ち、製造例1で調製した組成物)を配合しなかったこと以外は、実施例1の液体皮膚洗浄剤組成物の調製方法と同様の方法で、対照液体皮膚洗浄剤組成物を調製した。対照液体皮膚洗浄剤組成物のpHは、10.0であった。
得られた対照液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマーポンプディスペンサー付き容器(吐出量3mL、株式会社吉野工業所製)に充填し、以下の評価に用いた。
【0124】
実施例1~15及び比較例1~5の各液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、「タオルドライ後の肌のさらさら感が強くなった感じ」及び「すすぎ時の清潔感」を評価及び判定した。結果を下記表4~表7に示した。
【0125】
<タオルドライ後の肌のさらさら感が強くなった感じ>
専門評価者3名が、実施例1~15及び比較例1~5の各液体皮膚洗浄剤組成物又は対照液体皮膚洗浄剤組成物を、1プッシュ分(約3g)手に取り、前腕内側部を4回擦った後、前記液体皮膚洗浄剤組成物を40℃の温水ですすぎ、タオルドライした。
実施例1~15及び比較例1~5の各液体皮膚洗浄剤組成物を使用した場合のタオルドライ後の肌のさらさら感と、対照液体皮膚洗浄剤組成物を使用した場合のタオルドライ後の肌のさらさら感とを比較し、「タオルドライ後の肌のさらさら感が強くなった感じ」について、下記評価基準に基づいて評価した。結果は、専門評価者3名の平均評価点を求め、下記判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のさらさら感が強くなった感じ」の評価基準-
4点 : 対照液体皮膚洗浄剤組成物よりも、タオルドライ後の肌のさらさら感を非常に強く感じる
3点 : 対照液体皮膚洗浄剤組成物よりも、タオルドライ後の肌のさらさら感を強く感じる
2点 : 対照液体皮膚洗浄剤組成物よりも、タオルドライ後の肌のさらさら感をやや強く感じる
1点 : 対照液体皮膚洗浄剤組成物よりも、タオルドライ後の肌のさらさら感をあまり強く感じない
0点 : 対照液体皮膚洗浄剤組成物よりも、タオルドライ後の肌のさらさら感を強く感じない
-「タオルドライ後の肌のさらさら感が強くなった感じ」の判定基準-
◎ : 平均評価点が3点以上
〇 : 平均評価点が2点以上、3点未満
△ : 平均評価点が1点以上、2点未満
× : 平均評価点が1点未満
【0126】
<すすぎ時の香りの清潔感>
専門評価者3名が、実施例1~15及び比較例1~5の各液体皮膚洗浄剤組成物を、1プッシュ分(約3g)手に取り、前腕内側部を4回擦った後、前記液体皮膚洗浄剤組成物を40℃の温水ですすいだ。すすぎ時の香りから「すすぎ時の香りの清潔感」について、下記評価基準に基づいて評価した。結果は、専門評価者3名の平均評価点を求め、下記判定基準に基づき判定した。
-「すすぎ時の香りの清潔感」の評価基準-
4点 : 強く清潔感を感じさせる香りである
3点 : 清潔感を感じさせる香りである
2点 : 清潔感をわずかに感じさせる香りである
1点 : あまり清潔感を感じさせる香りではない
0点 : 清潔感を感じさせる香りではない
-「すすぎ時の香りの清潔感」の判定基準-
◎ : 平均評価点が3点以上
〇 : 平均評価点が2点以上、3点未満
△ : 平均評価点が1点以上、2点未満
× : 平均評価点が1点未満
【0127】
【表4】
【0128】
【表5】
【0129】
【表6】
【0130】
【表7】
【0131】
製造例1~13、比較製造例1~5、実施例1~15、及び比較例1~5で使用した各成分の詳細について、下記表8に示す。
【0132】
【表8】
※1:ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA-122、日油株式会社製)を水酸化カリウム(旭硝子株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※2:ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA-142、日油株式会社製)を水酸化カリウム(旭硝子株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明のさらさら感増強剤は、タオルドライ後の肌にさらさら感を付与することができる洗浄剤組成物において、タオルドライ後の肌にさらさらした感触をより強く感じさせることができ、かつ洗浄剤組成物のすすぎ時に清潔感を感じさせる香りを付与することができるため、洗浄剤組成物に好適に用いることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物は、タオルドライ後の肌により強くさらさらした感触を感じさせることができ、かつすすぎ時の香りが清潔感を感じさせる香りであるため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いることができ、特にボディソープに好適に用いることができる。