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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148028
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】センサ素子および測距システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
H01L27/146 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049543
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 睦
(72)【発明者】
【氏名】島田 翔平
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AB01
4M118AB03
4M118BA04
4M118CA02
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118GD04
4M118GD07
4M118HA22
(57)【要約】
【課題】より小型化かつ高機能化を図る。
【解決手段】センサ素子は、SPADが画素ごとに半導体基板に設けられたセンサ基板と、センサ基板に積層され、ロジック回路が設けられたロジック基板と、SPADのカソード電圧またはアノード電圧に従った信号を出力するために用いられる複数のトランジスタとを備える。そして、複数のトランジスタのうちの少なくとも一部のトランジスタが、センサ基板の半導体基板に形成されたウェル内に設けられる。本技術は、例えば、ToF法を用いて測距を行う測距システムに適用できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SPAD(Single Photon Avalanche Diode)が画素ごとに半導体基板に設けられたセンサ基板と、
前記センサ基板に積層され、ロジック回路が設けられたロジック基板と、
前記SPADのカソード電圧またはアノード電圧に従った信号を出力するために用いられる複数のトランジスタと
を備え、
複数の前記トランジスタのうちの少なくとも一部の前記トランジスタが、前記センサ基板の前記半導体基板に形成されたウェル内に設けられる
センサ素子。
【請求項2】
前記センサ基板に設けられるトランジスタはNMOS(Negative-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタであり、
前記ウェルとして、前記半導体基板の表面側にPウェルが設けられており、
前記Pウェルの側面および上面を囲うようにNウェルが設けられ、前記Nウェルに対して積層するように前記SPADを構成するN型増倍領域およびP型増倍領域が配置される
請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項3】
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記Nウェルとを分離する第1の分離部と、
前記Nウェルの前記半導体基板の表面近傍に設けられるカソード領域またはアノード領域の一方と前記画素の外周に沿って前記半導体基板の表面近傍に設けられるアノード領域またはカソード領域の他方とを分離する第2の分離部と
をさらに備える請求項2に記載のセンサ素子。
【請求項4】
前記センサ基板に設けられるトランジスタはPMOS(Positive-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタであり、
前記ウェルとして、前記半導体基板の表面側に第1のNウェルが設けられており、
前記第1のNウェルの側面および上面を囲うようにPウェルが設けられるとともに、前記Pウェルの側面および上面を囲うように第2のNウェルが設けられ、前記第2のNウェルに対して積層するように前記SPADを構成するN型増倍領域およびP型増倍領域が配置される
請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項5】
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第2のNウェルとを分離する第1の分離部と、
前記第2のNウェルの前記半導体基板の表面近傍に設けられるカソード領域またはアノード領域の一方と前記画素の外周に沿って前記半導体基板の表面近傍に設けられるアノード領域またはカソード領域の他方とを分離する第2の分離部と、
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第1のNウェルとを分離する第3の分離部と
をさらに備える請求項4に記載のセンサ素子。
【請求項6】
前記センサ基板に設けられるトランジスタは、前記SPADを非アクティブにするためのNMOSトランジスタ、および、クエンチまたはリチャージ用のPMOSトランジスタであり、
前記ウェルとして、前記PMOSトランジスタが配置される第1のNウェルが前記半導体基板の表面側に設けられるとともに、前記NMOSトランジスタが配置されるPウェルが前記第1のNウェルの側面および上面を囲うように設けられており、
前記Pウェルの側面および上面を囲うように第2のNウェルが設けられ、前記第2のNウェルに対して積層するように前記SPADを構成するN型増倍領域およびP型増倍領域が配置される
請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項7】
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第2のNウェルとを分離する第1の分離部と、
前記第2のNウェルの前記半導体基板の表面近傍に設けられるカソード領域またはアノード領域の一方と前記画素の外周に沿って前記半導体基板の表面近傍に設けられるアノード領域またはカソード領域の他方とを分離する第2の分離部と、
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第1のNウェルとを分離する第3の分離部と
をさらに備える請求項6に記載のセンサ素子。
【請求項8】
前記センサ基板に設けられるトランジスタは、前記SPADを非アクティブにするための第1のNMOSトランジスタ、クエンチまたはリチャージ用の第1のPMOSトランジスタ、並びに、インバータを構成する第2のNMOSトランジスタおよび第2のPMOSトランジスタであり、
前記ウェルとして、前記第1のPMOSトランジスタおよび前記第2のPMOSトランジスタが配置される第1のNウェルが前記半導体基板の表面側に設けられるとともに、前記第1のNMOSトランジスタおよび前記第2のNMOSトランジスタが配置されるPウェルが前記第1のNウェルの側面および上面を囲うように設けられており、
前記Pウェルの側面および上面を囲うように第2のNウェルが設けられ、前記第2のNウェルに対して積層するように前記SPADを構成するN型増倍領域およびP型増倍領域が配置される
請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項9】
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第2のNウェルとを分離する第1の分離部と、
前記第2のNウェルの前記半導体基板の表面近傍に設けられるカソード領域またはアノード領域の一方と前記画素の外周に沿って前記半導体基板の表面近傍に設けられるアノード領域またはカソード領域の他方とを分離する第2の分離部と、
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第1のNウェルとを分離する第3の分離部と
をさらに備える請求項8に記載のセンサ素子。
【請求項10】
前記第1のPMOSトランジスタおよび前記第2のPMOSトランジスタのドレイン領域にVDD電源を供給する配線と、前記第1のNウェルにVDD電源を供給する配線との間に、シールド用の配線が配置されている
請求項9に記載のセンサ素子。
【請求項11】
前記画素にアノード電圧を印加するためのアノード領域が前記半導体基板の裏面側に配置される
請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項12】
前記アノード領域に接続し、前記画素の側面を囲うように設けられるホール蓄積領域が、前記半導体基板の表面側から所定の深さよりも深い範囲に形成されている
請求項11に記載のセンサ素子。
【請求項13】
前記画素の側面を囲うように、前記半導体基板の表面側から所定の深さよりも浅い範囲に絶縁膜が設けられている
請求項12に記載のセンサ素子。
【請求項14】
前記センサ基板に設けられるトランジスタは、前記SPADを非アクティブにするための第1のNMOSトランジスタ、クエンチまたはリチャージ用の第1のPMOSトランジスタ、並びに、インバータを構成する第2のNMOSトランジスタおよび第2のPMOSトランジスタであり、
前記第1のNMOSトランジスタ、前記第1のPMOSトランジスタ、前記第2のNMOSトランジスタ、前記第2のPMOSトランジスタが個別に4つの前記画素に配置されている
請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項15】
照射光を照射する照明装置と、
前記照射光に対する反射光を検出するセンサ素子と
を備え、
前記センサ素子は、
SPAD(Single Photon Avalanche Diode)が画素ごとに半導体基板に設けられたセンサ基板と、
前記センサ基板に積層され、ロジック回路が設けられたロジック基板と、
前記SPADのカソード電圧またはアノード電圧に従った信号を出力するために用いられる複数のトランジスタと
を有し、
複数の前記トランジスタのうち、少なくとも一部の前記トランジスタが前記センサ基板の前記半導体基板に形成されたウェル内に設けられる
測距システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサ素子および測距システムに関し、特に、より小型化かつ高機能化を図ることができるようにしたセンサ素子および測距システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ToF(Time-of-Flight)法により距離計測を行う距離画像センサが注目されている。距離画像センサでは、例えば、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)を用いた画素を行列状に配置した画素アレイが採用される。SPADでは、降伏電圧よりも大きい電圧を印加した状態で、高電界のPN接合領域へ1個の光子が入ると、アバランシェ増幅が発生する。その際の瞬間的に電流が流れたタイミングを検出することで、高精度に距離を計測することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、高電界領域と、隣接する画素と分離するための分離領域と、分離領域の側壁に電子をトラップするホール蓄積領域とを備え、ホール蓄積領域がアノードと電気的に接続されている光検出器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/074530号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、SPADを利用した測距システムでは、SPADが設けられたセンサ基板とロジック回路が設けられたロジック基板とが貼り合された積層構造で、半導体基板の裏面側から光が照射される裏面照射型のセンサ素子が採用されている。このようなデバイス構造のセンサ素子では、将来的に、画素サイズを小さくするのに伴ってセンサ基板が小面積化された場合、ロジック基板も小面積とする必要がある。この場合、ロジック基板に形成可能なトランジスタの個数が制限されることになる結果、ロジック回路の機能が削減されることが懸念される。なお、画素とロジック回路とが同一の半導体基板に形成される平置き構造では、画素サイズを小さくしてもロジック回路の機能が削減されることがない一方で、フィルファクタが制限されることになる。
【0006】
そこで、積層構造のセンサ素子において、画素サイズを小さくしてもロジック回路の機能が削減されることを回避して、小型で高機能なセンサ素子を開発することが求められている。
【0007】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より小型化かつ高機能化を図ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面のセンサ素子は、SPADが画素ごとに半導体基板に設けられたセンサ基板と、前記センサ基板に積層され、ロジック回路が設けられたロジック基板と、前記SPADのカソード電圧またはアノード電圧に従った信号を出力するために用いられる複数のトランジスタとを備え、複数の前記トランジスタのうちの少なくとも一部の前記トランジスタが、前記センサ基板の前記半導体基板に形成されたウェル内に設けられる。
【0009】
本開示の一側面の測距システムは、照射光を照射する照明装置と、前記照射光に対する反射光を検出するセンサ素子とを備え、前記センサ素子は、SPADが画素ごとに半導体基板に設けられたセンサ基板と、前記センサ基板に積層され、ロジック回路が設けられたロジック基板と、前記SPADのカソード電圧またはアノード電圧に従った信号を出力するために用いられる複数のトランジスタとを有し、複数の前記トランジスタのうち、少なくとも一部の前記トランジスタが前記センサ基板の前記半導体基板に形成されたウェル内に設けられる。
【0010】
本開示の一側面においては、SPADが画素ごとに半導体基板に設けられたセンサ基板とロジック回路が設けられたロジック基板とが積層され、SPADのカソード電圧またはアノード電圧に従った信号を出力するために用いられる複数のトランジスタのうちの少なくとも一部のトランジスタが、センサ基板の半導体基板に形成されたウェル内に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本技術を適用したセンサ素子の第1の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図2図1のセンサ素子の平面レイアウトの一例を示す図である。
図3図1のセンサ素子の回路図の一例を示す図である。
図4】SPADの動作について説明する図である。
図5】本技術を適用したセンサ素子の第2の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図6図5のセンサ素子の平面レイアウトの一例を示す図である。
図7図5のセンサ素子の回路図の一例を示す図である。
図8】本技術を適用したセンサ素子の第3の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図9図8のセンサ素子の平面レイアウトの一例を示す図である。
図10図8のセンサ素子の回路図の一例を示す図である。
図11】本技術を適用したセンサ素子の第4の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図12図11のセンサ素子の平面レイアウトの一例を示す図である。
図13図11のセンサ素子の回路図の一例を示す図である。
図14】本技術を適用したセンサ素子の第5の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図15図14のセンサ素子の平面レイアウトの一例を示す図である。
図16】本技術を適用したセンサ素子の第6の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図17図16のセンサ素子の平面レイアウトの一例を示す図である。
図18】本技術を適用したセンサ素子の第7の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図19図18のセンサ素子の平面レイアウトの一例を示す図である。
図20】本技術を適用したセンサ素子の第8の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図21】本技術を適用したセンサ素子の第8の実施の形態の構成例を示す断面図である。
図22図20および図21のセンサ素子の平面レイアウトの一例を示す図である。
図23図20および図21のセンサ素子の回路図の一例を示す図である。
図24】本技術を適用した測距システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図25】イメージセンサを使用する使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
<センサ素子の第1の構成例>
図1乃至図4を参照して、本技術を適用したセンサ素子の第1の実施の形態について説明する。
【0014】
図1には、第1の実施の形態であるセンサ素子11が有する画素12の断面的な構成例の一例が示されている。図1に示す画素12の断面構成は、図2の平面レイアウトに図示されている矢印A-Aに沿った断面に対応する。
【0015】
図1に示すように、センサ素子11は、画素12ごとにSPAD39が設けられたセンサ基板13とロジック回路が設けられたロジック基板14とが、破線で図示する接合面において接合されることで積層された2層構造となっている。センサ基板13は、半導体基板21の上面(裏面)に対してオンチップレンズ層22が積層されるとともに、半導体基板21の下面(表面)に対して配線層23が積層されて構成される。ロジック基板14は、半導体基板24の上面に対して配線層25が積層されて構成される。オンチップレンズ層22には、画素12ごとにマイクロレンズ26が設けられる。
【0016】
画素12は、半導体基板21のウェル層31が画素分離部32によって隣接する他の画素12のウェル層31と電気的に分離され、ウェル層31の側面および上面を囲うようにホール蓄積領域33が設けられて構成される。ホール蓄積領域33は、ホールを蓄積するためのp型の半導体領域であり、ホール蓄積領域33が形成される領域に対応する半導体基板21の下面側には、ホール蓄積領域33よりもp型の不純物濃度が高いP型領域であるアノード領域34が設けられている。
【0017】
画素12は、半導体基板21の下面側に、p型の半導体領域であるPウェル35が設けられるとともに、Pウェル35の側面および上面を囲うように、n型の半導体領域であるNウェル36が設けられて構成される。そして、画素12では、Nウェル36の上面に対して積層するように設けられるN型増倍領域37およびP型増倍領域38のpn接合領域にSPAD39が構成される。SPAD39は、画素12に光が入射したのに応じて発生する電子がアバランシェ増幅されることで流れる電流によってカソード電位が降下するフォトダイオード(単一光子アバランシェフォトダイオード)である。
【0018】
画素12は、Pウェル35が形成される領域内の半導体基板21の下面に、SPAD39のカソード電圧に従った信号を出力するために用いられるNMOSトランジスタ40が設けられて構成される。NMOSトランジスタ40は、Pウェル35に対して設けられるN型領域であるソース領域41およびドレイン領域42の間に、半導体基板21に対して絶縁膜を介して積層するようにゲート電極43が設けられて構成される。
【0019】
画素12は、Nウェル36が形成される領域に対応する半導体基板21の下面側に、Nウェル36よりもn型の不純物濃度が高いカソード領域44が設けられて構成される。また、Pウェル35およびNウェル36の境界に分離部45が設けられるとともに、ウェル層31およびNウェル36の境界に分離部46が設けられている。分離部45および46は、例えば、半導体基板21の下面を浅く彫り込んで形成されるトレンチに、酸化膜などの絶縁物が埋め込まれて構成される。
【0020】
分離部45は、半導体基板21の表面近傍においてPウェル35とNウェル36とを分離する。分離部46は、Nウェル36の半導体基板21の表面近傍に設けられるカソード領域44と、画素12の外周に沿って半導体基板21の表面近傍に設けられるアノード領域34とを分離する。なお、分離部46は、アノード領域34とカソード領域44とを分離することができれば任意の位置に設けてもよく、図示するようなウェル層31およびNウェル36の境界の位置に限定されることはない。
【0021】
配線層23には、複数のメタル配線47が配置されているとともに、配線層23および配線層25の接続面において、複数のCu-Cu接続部48によって電気的および機械的な接続が行われる。
【0022】
例えば、メタル配線47aは、隣接する画素12のアノード領域34どうしを接続するように設けられ、Cu-Cu接続部48aを介してロジック基板14側のブレークダウン電源(VBD)に接続されている。ブレークダウン電源は、アバランシェ増倍が始まるブレークダウン電圧を供給する電源である。メタル配線47bは、NMOSトランジスタ40のゲート電極43とCu-Cu接続部48bとの間に設けられ、NMOSトランジスタ40を駆動するための駆動信号がロジック基板14から供給される。メタル配線47cは、NMOSトランジスタ40のドレイン領域42に接続されており、後述する図2に示すように、Cu-Cu接続部48cを介してロジック基板14に接続される。メタル配線47dは、NMOSトランジスタ40のソース領域41に接続されており、後述する図2に示すように、VSS電源に接続されている。
【0023】
図2には、第1の実施の形態であるセンサ素子11が有する4つの画素12-1乃至12-4の平面レイアウトの一例が示されている。なお、図2に示すように、画素12-1乃至12-4は、それぞれ同様に構成されており、それらを区別する必要がない場合には、単に画素12と称する。
【0024】
例えば、センサ素子11は、画素12ごとにPウェル35を形成し、Pウェル35内にNMOSトランジスタ40が設けられるように構成される。また、Pウェル35と、Pウェル35の外周を囲うように設けられるカソード領域44との間が分離部45により分離され、カソード領域44と、ウェル層31の外周を囲うように設けられるアノード領域34との間が分離部46により分離される。
【0025】
図3には、画素12の回路図の一例が示されている。
【0026】
画素12は、SPAD39、NMOSトランジスタ40、クエンチまたはリチャージ(Quench/Recharge)用のPMOSトランジスタ51、SPAD39を非アクティブにするためのNMOSトランジスタ52、およびインバータ53が接続されて構成される。
【0027】
図1および図2を参照して説明したように、SPAD39およびNMOSトランジスタ40はセンサ基板13に形成される。一方、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、およびインバータ53はロジック基板14に形成され、ブレークダウン電源やエクセスバイアス電源(VEX)などもロジック基板14からセンサ基板13へ供給される。エクセスバイアス電源は、ブレークダウン電圧を超えるエクセスバイアス電圧を供給する電源である。従って、センサ基板13およびロジック基板14の間は、Cu-Cu接続部48a乃至48cを介して接続されることになる。
【0028】
Cu-Cu接続部48aは、SPAD39のアノードとブレークダウン電源とを接続する。Cu-Cu接続部48bは、NMOSトランジスタ40のゲートをロジック基板14側に接続する。Cu-Cu接続部48cは、SPAD39のカソードおよびNMOSトランジスタ40のドレインと、インバータ53の入力端子とを接続する。
【0029】
図4を参照して、SPAD39の動作について説明する。図4において、縦軸はSPAD39のカソード電位を示し、横軸は時間の経過を示している。
【0030】
例えば、SPAD39のアノードは、SPAD39の降伏電圧よりも大きな逆電圧を印加するためのブレークダウン電源に接続されており、SPAD39のカソードには、PMOSトランジスタ51を介してエクセスバイアス電圧電源が供給されている。そして、SPAD39に光子が入射するとアバランシェ増幅が発生し、そのタイミングでSPAD39に電流が流れることにより電圧降下が発生する。このようにSPAD39がアバランシェ反応したときの電位変動をモニタすることにより、センサ素子11は、画素12ごとの光子の入射を検出することができる。
【0031】
以上のようにセンサ素子11は構成されており、センサ基板13側にNMOSトランジスタ40を設ける構成とすることによって、より小型化かつ高機能化を図ることができる。例えば、センサ素子11は、画素サイズをシュリンクしてチップサイズを小型化しても、センサ基板13側にNMOSトランジスタ40を設けた分だけ、ロジック基板14におけるトランジスタの占有面積を減らすことができる。これにより、ロジック基板14に設けられるロジック回路の機能が削減されることを回避することができる結果、小型で高機能なセンサ素子11を実現することができる。
【0032】
また、センサ素子11は、分離部45によって半導体基板21の表面近傍におけるPウェル35とNウェル36とを分離し、分離部46によってアノード領域34とカソード領域44とを分離する構成とすることにより、より耐圧性の向上を図ることができる。これにより、センサ素子11の高性能化を図ることができる。
【0033】
<センサ素子の第2の構成例>
図5乃至図7を参照して、本技術を適用したセンサ素子の第2の実施の形態について説明する。なお、図5乃至図7に示すセンサ素子11Aおよび画素12Aにおいて、図1乃至図3のセンサ素子11および画素12とそれぞれ共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0034】
図5には、第2の実施の形態であるセンサ素子11Aが有する画素12Aの断面的な構成例の一例が示されている。図5に示す画素12Aの断面構成は、図6の平面レイアウトに図示されている矢印A-Aに沿った断面に対応する。
【0035】
画素12Aは、半導体基板21の下面に対してPMOSトランジスタ61が設けられた構成となっている点で、図1の画素12と異なる構成となっている。画素12Aでは、PMOSトランジスタ61を設けるために、半導体基板21の下面側に、n型の半導体領域であるNウェル62が設けられている。Nウェル62は、側面および上面がPウェル35により囲われており、Pウェル35およびNウェル62の境界に分離部63が設けられる。分離部63は、半導体基板21の表面近傍においてPウェル35とNウェル62とを分離する。また、図1の画素12と同様に、分離部45および46も設けられている。
【0036】
PMOSトランジスタ61は、Nウェル62に対して設けられるP型領域であるソース領域65およびドレイン領域64の間に、半導体基板21に対して絶縁膜を介して積層するようにゲート電極66が設けられて構成される。
【0037】
PMOSトランジスタ61のソース領域65にはメタル配線47cが接続されており、後述する図6に示すように、Cu-Cu接続部48cを介してロジック基板14に接続される。PMOSトランジスタ61のドレイン領域64にはメタル配線47dが接続されており、後述する図6に示すように、VDD電源に接続される。メタル配線47eは、後述する図6に示すように、VSS電源に接続される。
【0038】
図6には、第2の実施の形態であるセンサ素子11Aが有する4つの画素12A-1乃至12A-4の平面レイアウトの一例が示されている。なお、図6に示すように、画素12A-1乃至12A-4は、それぞれ同様に構成されており、それらを区別する必要がない場合には、単に画素12Aと称する。
【0039】
例えば、センサ素子11Aは、画素12AごとにNウェル62を形成し、Nウェル62内にPMOSトランジスタ61が設けられるように構成される。また、Nウェル62と、Nウェル62を囲うように設けられるPウェル35との間が分離部63により分離される。
【0040】
図7には、画素12Aの回路図の一例が示されている。
【0041】
画素12Aは、SPAD39、PMOSトランジスタ61、クエンチまたはリチャージ用のPMOSトランジスタ51、SPAD39を非アクティブにするためのNMOSトランジスタ52、およびインバータ53が接続されて構成される。
【0042】
図5および図6を参照して説明したように、SPAD39およびPMOSトランジスタ61はセンサ基板13に形成される。一方、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、およびインバータ53はロジック基板14に形成され、ブレークダウン電源やエクセスバイアス電源などもロジック基板14からセンサ基板13へ供給される。従って、センサ基板13およびロジック基板14の間は、Cu-Cu接続部48a乃至48cを介して接続されることになる。
【0043】
Cu-Cu接続部48aは、SPAD39のアノードとブレークダウン電源とを接続する。Cu-Cu接続部48bは、PMOSトランジスタ61のゲートをロジック基板14側に接続する。Cu-Cu接続部48cは、SPAD39のカソードおよびPMOSトランジスタ61のソースと、インバータ53の入力端子とを接続する。
【0044】
以上のようにセンサ素子11Aは構成されており、画素12Aのセンサ基板13側にPMOSトランジスタ61を設ける構成とすることにより、上述したセンサ素子11と同様に、より小型化かつ高機能化を図ることができる。
【0045】
<センサ素子の第3の構成例>
図8乃至図10を参照して、本技術を適用したセンサ素子の第3の実施の形態について説明する。なお、図8乃至図10に示すセンサ素子11Bおよび画素12Bにおいて、図1乃至図3のセンサ素子11および画素12とそれぞれ共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0046】
図8には、第3の実施の形態であるセンサ素子11Bが有する画素12Bの断面的な構成例の一例が示されている。図8に示す画素12Bの断面構成は、図9の平面レイアウトに図示されている矢印A-Aに沿った断面に対応する。
【0047】
画素12Bは、クエンチまたはリチャージ用のPMOSトランジスタ51、および、SPAD39を非アクティブにするためのNMOSトランジスタ52が半導体基板21に設けられた構成となっている点で、図1の画素12と異なる構成となっている。
【0048】
画素12Bでは、NMOSトランジスタ52がPウェル35内に設けられるとともに、PMOSトランジスタ51を設けるために、Pウェル35の略半分の領域にNウェル62が設けられている。Nウェル62は、側面および上面がPウェル35により囲われており、Pウェル35およびNウェル62の境界に分離部63が設けられる。分離部63は、半導体基板21の表面近傍においてPウェル35とNウェル62とを分離する。また、図1の画素12と同様に、分離部45および46も設けられている。
【0049】
PMOSトランジスタ51は、Nウェル62に対して設けられるP型領域であるソース領域65およびドレイン領域64の間に、半導体基板21に対して絶縁膜を介して積層するようにゲート電極66が設けられて構成される。NMOSトランジスタ52は、Pウェル35に対して設けられるN型領域であるソース領域41およびドレイン領域42の間に、半導体基板21に対して絶縁膜を介して積層するようにゲート電極43が設けられて構成される。
【0050】
図9には、第3の実施の形態であるセンサ素子11Bが有する4つの画素12B-1乃至12B-4の平面レイアウトの一例が示されている。なお、図9に示すように、画素12B-1乃至12B-4は、それぞれ同様に構成されており、それらを区別する必要がない場合には、単に画素12Bと称する。
【0051】
例えば、センサ素子11Bでは、画素12BごとにPウェル35が形成され、Pウェル35内の略半分の領域にNウェル62が形成される。そして、センサ素子11Bは、Nウェル62内にPMOSトランジスタ51が設けられるとともに、Pウェル35内にNMOSトランジスタ52が設けられるように構成される。また、Nウェル62と、Nウェル62を囲うように設けられるPウェル35との間が分離部63により分離される。
【0052】
PMOSトランジスタ51のドレイン領域64にはメタル配線47cが接続されており、VDD電源に接続される。NMOSトランジスタ52のソース領域41にはメタル配線47eが接続されており、VSS電源に接続される。Nウェル62にはメタル配線47dが接続されており、VDD電源に接続される。
【0053】
図10には、画素12Bの回路図の一例が示されている。
【0054】
画素12Bは、SPAD39、クエンチまたはリチャージ用のPMOSトランジスタ51、SPAD39を非アクティブにするためのNMOSトランジスタ52、およびインバータ53が接続されて構成される。
【0055】
図8および図9を参照して説明したように、SPAD39、PMOSトランジスタ51、およびNMOSトランジスタ52はセンサ基板13に形成される。一方、インバータ53はロジック基板14に形成され、ブレークダウン電源やエクセスバイアス電源などもロジック基板14からセンサ基板13へ供給される。従って、センサ基板13およびロジック基板14の間は、Cu-Cu接続部48a乃至48dを介して接続されることになる。
【0056】
Cu-Cu接続部48aは、SPAD39のアノードとブレークダウン電源とを接続する。Cu-Cu接続部48bは、NMOSトランジスタ52のゲートをロジック基板14側に接続する。Cu-Cu接続部48cは、SPAD39のカソードと、インバータ53の入力端子とを接続する。Cu-Cu接続部48dは、PMOSトランジスタ51のゲートをロジック基板14側に接続する。
【0057】
以上のようにセンサ素子11Bは構成されており、画素12Bのセンサ基板13側にPMOSトランジスタ51およびNMOSトランジスタ52を設ける構成とすることにより、上述したセンサ素子11と同様に、より小型化かつ高機能化を図ることができる。
【0058】
なお、PMOSトランジスタ51およびNMOSトランジスタ52の配置やメタル配線47のレイアウトなどは、図9に示すような配置やレイアウトに限定されることなく、図10に示す回路図の配線を実現するような配置やレイアウトであればよい。
【0059】
<センサ素子の第4の構成例>
図11乃至図13を参照して、本技術を適用したセンサ素子の第4の実施の形態について説明する。なお、図11乃至図13に示すセンサ素子11Cおよび画素12Cにおいて、図1乃至図3のセンサ素子11および画素12とそれぞれ共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0060】
図11には、第4の実施の形態であるセンサ素子11Cが有する画素12Cの断面的な構成例の一例が示されている。図11に示す画素12Cの断面構成は、図12の平面レイアウトに図示されている矢印A-Aに沿った断面に対応する。
【0061】
画素12Cは、クエンチまたはリチャージ用のPMOSトランジスタ51、および、SPAD39を非アクティブにするためのNMOSトランジスタ52が半導体基板21に設けられた構成となっている点で、図1の画素12と異なる構成となっている。さらに、画素12Cでは、後述する図12に示すように、インバータ53を構成するPMOSトランジスタ54およびNMOSトランジスタ55が半導体基板21に設けられた構成となっている点でも、図1の画素12と異なる構成となっている。
【0062】
画素12Cでは、NMOSトランジスタ52およびNMOSトランジスタ55がPウェル35内に設けられる。画素12Cでは、PMOSトランジスタ51およびPMOSトランジスタ54を設けるために、Pウェル35の略半分の領域にNウェル62が設けられている。Nウェル62は、側面および上面がPウェル35により囲われており、Pウェル35およびNウェル62の境界に分離部63が設けられる。分離部63は、半導体基板21の表面近傍においてPウェル35とNウェル62とを分離する。また、図1の画素12と同様に、分離部45および46も設けられている。
【0063】
PMOSトランジスタ51は、Nウェル62に対して設けられるP型領域であるソース領域65およびドレイン領域64の間に、半導体基板21に対して絶縁膜を介して積層するようにゲート電極66が設けられて構成される。なお、図示しないが、PMOSトランジスタ54も、PMOSトランジスタ51と同様に構成される。
【0064】
NMOSトランジスタ52は、Pウェル35に対して設けられるN型領域であるソース領域41およびドレイン領域42の間に、半導体基板21に対して絶縁膜を介して積層するようにゲート電極43が設けられて構成される。なお、図示しないが、NMOSトランジスタ55は、NMOSトランジスタ52と同様に構成される。
【0065】
図12には、第4の実施の形態であるセンサ素子11Cが有する4つの画素12C-1乃至12C-4の平面レイアウトの一例が示されている。なお、図12に示すように、画素12C-1乃至12C-4は、それぞれ同様に構成されており、それらを区別する必要がない場合には、単に画素12Cと称する。
【0066】
例えば、センサ素子11Cは、画素12CごとにPウェル35を形成し、Pウェル35に対してNMOSトランジスタ52およびNMOSトランジスタ55が設けられるように構成される。さらに、センサ素子11Cは、Pウェル35の略半分の領域にNウェル62を形成し、Nウェル62に対してPMOSトランジスタ51およびPMOSトランジスタ54が設けられるように構成される。また、Nウェル62と、Nウェル62を囲うように設けられるPウェル35との間が分離部63により分離される。
【0067】
センサ素子11Cでは、PMOSトランジスタ51のドレイン領域64およびPMOSトランジスタ54のドレイン領域にVDD電源を供給するメタル配線47fと、Nウェル62にVDD電源を供給するメタル配線47hとの間に、VSS電源に接続されたメタル配線47gが配置されるレイアウトとなっている。このようにメタル配線47gを配置することで、隣り合うメタル配線47fおよびメタル配線47hとの間をシールドすることができる。即ち、メタル配線47gは、シールド用の配線である。
【0068】
図13には、画素12Cの回路図の一例が示されている。
【0069】
画素12Cは、SPAD39、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、並びに、インバータ53を構成するPMOSトランジスタ54およびNMOSトランジスタ55が接続されて構成される。
【0070】
図11および図12を参照して説明したように、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、PMOSトランジスタ54、およびNMOSトランジスタ55はセンサ基板13に形成される。従って、センサ基板13およびロジック基板14の間は、Cu-Cu接続部48a乃至48dを介して接続される。
【0071】
Cu-Cu接続部48aは、SPAD39のアノードとブレークダウン電源とを接続する。Cu-Cu接続部48bは、NMOSトランジスタ52のゲートをロジック基板14側に接続する。Cu-Cu接続部48cは、インバータ53の出力端子をロジック基板14側に接続する。Cu-Cu接続部48dは、PMOSトランジスタ51のゲートをロジック基板14側に接続する。
【0072】
以上のようにセンサ素子11Cは構成されており、画素12Cのセンサ基板13側にPMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、PMOSトランジスタ54、およびNMOSトランジスタ55を設ける構成とすることにより、上述したセンサ素子11と同様に、より小型化かつ高機能化を図ることができる。
【0073】
なお、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、PMOSトランジスタ54、およびNMOSトランジスタ55の配置やメタル配線47のレイアウトなどは、図12に示すような配置やレイアウトに限定されることなく、図13に示す回路図の配線を実現するような配置やレイアウトであればよい。
【0074】
<センサ素子の第5の構成例>
図14および図15を参照して、本技術を適用したセンサ素子の第5の実施の形態について説明する。なお、図14および図15に示すセンサ素子11Dおよび画素12Dにおいて、図1および図2のセンサ素子11および画素12とそれぞれ共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、画素12Dの回路図は、図3に示した画素12の回路図と同様である。
【0075】
図14には、第5の実施の形態であるセンサ素子11Dが有する画素12Dの断面的な構成例の一例が示されている。図14に示す画素12Dの断面構成は、図15の平面レイアウトに図示されている矢印A-Aに沿った断面に対応する。図15には、4つの画素12D-1乃至12D-4の平面レイアウトの一例が示されている。なお、図15に示すように、画素12D-1乃至12D-4は、それぞれ同様に構成されており、それらを区別する必要がない場合には、単に画素12Dと称する。
【0076】
画素12Dは、半導体基板21の裏面側からアノード電圧を印加することができるような形状に画素分離部32Dが形成されるとともに、アノード領域34Dが半導体基板21の裏面側に配置されている点で、図1の画素12と異なる構成となっている。
【0077】
このように構成されるセンサ素子11Dは、半導体基板21の表面側からアノード電圧を印加するような構成(例えば、図1のセンサ素子11)よりも、エッジ耐圧の向上を図ることができる。また、センサ素子11Dは、半導体基板21の表面側からアノード電圧を印加するのに用いられていたCu-Cu接続部48aを設けることのない構成とすることができる。
【0078】
以上のようにセンサ素子11Dは構成されており、センサ基板13側にNMOSトランジスタ40を設ける構成とすることにより、上述したセンサ素子11と同様に、より小型化かつ高機能化を図ることができる。
【0079】
<センサ素子の第6の構成例>
図16および図17を参照して、本技術を適用したセンサ素子の第6の実施の形態について説明する。なお、図16および図17に示すセンサ素子11Eおよび画素12Eにおいて、図1および図2のセンサ素子11および画素12とそれぞれ共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、画素12Eの回路図は、図3に示した画素12の回路図と同様である。
【0080】
図16には、第6の実施の形態であるセンサ素子11Eが有する画素12Eの断面的な構成例の一例が示されている。図16に示す画素12Eの断面構成は、図17の平面レイアウトに図示されている矢印A-Aに沿った断面に対応する。図17には、4つの画素12E-1乃至12E-4の平面レイアウトの一例が示されている。なお、図17に示すように、画素12E-1乃至12E-4は、それぞれ同様に構成されており、それらを区別する必要がない場合には、単に画素12Eと称する。
【0081】
画素12Eは、半導体基板21の裏面側からアノード電圧を印加することができるような形状に画素分離部32Eが形成されるとともに、アノード領域34Eが半導体基板21の裏面側に配置されている点で、図1の画素12と異なる構成となっている。
【0082】
さらに、画素12Eは、ホール蓄積領域33Eが、半導体基板21の表面側から所定の深さよりも深い範囲に形成されている構成される点で、図1の画素12と異なる構成となっている。例えば、ホール蓄積領域33Eは、SPAD39が設けられている位置よりも深い範囲に形成され、SPAD39の側方には設けられないような構成とすることができる。
【0083】
このように構成されるセンサ素子11Eは、半導体基板21の表面側からアノード電圧を印加するとともに、SPAD39の側方にホール蓄積領域33が設けられている構成(例えば、図1のセンサ素子11)よりも、ガードリングをより確保することができる。これにより、センサ素子11Eは、例えば、よりエッジ耐圧の向上を図ることができる。また、センサ素子11Eは、半導体基板21の表面側からアノード電圧を印加するのに用いられていたCu-Cu接続部48aを設けることのない構成とすることができる。
【0084】
<センサ素子の第7の構成例>
図18および図19を参照して、本技術を適用したセンサ素子の第7の実施の形態について説明する。なお、図18および図19に示すセンサ素子11Fおよび画素12Fにおいて、図1および図2のセンサ素子11および画素12とそれぞれ共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、画素12Fの回路図は、図3に示した画素12の回路図と同様である。
【0085】
図18には、第7の実施の形態であるセンサ素子11Fが有する画素12Fの断面的な構成例の一例が示されている。図18に示す画素12Fの断面構成は、図19の平面レイアウトに図示されている矢印A-Aに沿った断面に対応する。図19には、4つの画素12F-1乃至12F-4の平面レイアウトの一例が示されている。なお、図19に示すように、画素12F-1乃至12F-4は、それぞれ同様に構成されており、それらを区別する必要がない場合には、単に画素12Fと称する。
【0086】
画素12Fは、半導体基板21の裏面側からアノード電圧を印加することができるような形状に画素分離部32Fが形成されるとともに、アノード領域34Fが半導体基板21の裏面側に配置されている点で、図1の画素12と異なる構成となっている。
【0087】
さらに、画素12Fは、ホール蓄積領域33Fが、半導体基板21の表面側から所定の深さよりも深い範囲に形成されるとともに、その所定の深さよりも浅い範囲に絶縁性を備えた酸化膜71が設けられている構成される点で、図1の画素12と異なる構成となっている。例えば、ホール蓄積領域33Fは、SPAD39が設けられている位置よりも深い範囲に形成され、SPAD39の側方には設けられないようにし、SPAD39の側方においてホール蓄積領域33Fが設けられていない範囲に酸化膜71が形成されるような構成とすることができる。
【0088】
このように構成されるセンサ素子11Fは、半導体基板21の表面側からアノード電圧を印加するとともに、SPAD39の側方にホール蓄積領域33が設けられている構成(例えば、図1のセンサ素子11)よりも、ガードリングをより確保することができる。これにより、センサ素子11Fは、例えば、さらなるエッジ耐圧の向上を図ることができる。また、センサ素子11Fは、半導体基板21の表面側からアノード電圧を印加するのに用いられていたCu-Cu接続部48aを設けることのない構成とすることができる。
【0089】
<センサ素子の第8の構成例>
図20乃至図23を参照して、本技術を適用したセンサ素子の第8の実施の形態について説明する。なお、図20乃至図23に示すセンサ素子11Gおよび画素12Gにおいて、図1乃至図3のセンサ素子11および画素12とそれぞれ共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0090】
図20および図21には、第8の実施の形態であるセンサ素子11Gが有する画素12Gの断面的な構成例の一例が示されている。図20に示す画素12Gの断面構成は、図22の平面レイアウトに図示されている矢印A-Aに沿った断面に対応し、図21に示す画素12の断面構成は、図22に図示されている矢印B-Bに沿った断面に対応する。図22には、センサ素子11Gが有する4つの画素12G-1乃至12G-4の平面レイアウトの一例が示されている。図23には、画素12Gの回路図の一例が示されている。
【0091】
図20に示すように、画素12G-1は、クエンチまたはリチャージ用のPMOSトランジスタ51が半導体基板21に設けられた構成となっており、画素12G-2は、SPAD39を非アクティブにするためのNMOSトランジスタ52が半導体基板21に設けられた構成となっている。
【0092】
また、図23に示すように、インバータ53はPMOSトランジスタ54およびNMOSトランジスタ55により構成されている。図21に示すように、画素12G-3は、インバータ53を構成するPMOSトランジスタ54が半導体基板21に設けられた構成となっており、画素12G-4は、インバータ53を構成するNMOSトランジスタ55が半導体基板21に設けられた構成となっている。
【0093】
このように、センサ素子11Gは、4つの画素12G-1乃至12G-4それぞれに対して、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、PMOSトランジスタ54、およびNMOSトランジスタ55が配置された構成となっている。
【0094】
画素12G-1では、PMOSトランジスタ51を設けるために、半導体基板21の下面側に、n型の半導体領域であるNウェル62-1が設けられている。Nウェル62-1は、側面および上面がPウェル35-1により囲われており、Pウェル35-1およびNウェル62-1の境界に分離部63-1が設けられる。分離部63-1は、半導体基板21の表面近傍においてPウェル35-1とNウェル62-1とを分離する。また、図1の画素12と同様に、分離部45-1および46-1も設けられている。
【0095】
画素12G-2では、NMOSトランジスタ52を設けるために、半導体基板21の下面側に、p型の半導体領域であるPウェル35-2が設けられるとともに、Pウェル35-2の側面および上面を囲うように、n型の半導体領域であるNウェル36-2が設けられて構成される。また、図1の画素12と同様に、分離部45-2および46-2も設けられている。
【0096】
画素12G-3では、PMOSトランジスタ54を設けるために、半導体基板21の下面側に、n型の半導体領域であるNウェル62-3が設けられている。Nウェル62-3は、側面および上面がPウェル35-3により囲われており、Pウェル35-3およびNウェル62-3の境界に分離部63-3が設けられる。分離部63-3は、半導体基板21の表面近傍においてPウェル35-3とNウェル62-3とを分離する。また、図1の画素12と同様に、分離部45-3および46-3も設けられている。
【0097】
画素12G-4では、NMOSトランジスタ55を設けるために、半導体基板21の下面側に、p型の半導体領域であるPウェル35-4が設けられるとともに、Pウェル35-4の側面および上面を囲うように、n型の半導体領域であるNウェル36-4が設けられて構成される。また、図1の画素12と同様に、分離部45-4および46-4も設けられている。
【0098】
センサ素子11Gでは、PMOSトランジスタ51のドレイン領域64-1およびPMOSトランジスタ54のドレイン領域64-3にVDD電源を供給するメタル配線47dと、Nウェル62-1および62-3にVDD電源を供給するメタル配線47eとの間に、VSS電源に接続されたメタル配線47fが配置されるレイアウトとなっている。このようにメタル配線47fを配置することで、隣り合うメタル配線47dおよびメタル配線47eとの間をシールドすることができる。
【0099】
以上のようにセンサ素子11Gは構成されており、画素12Gのセンサ基板13側にPMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、PMOSトランジスタ54、およびNMOSトランジスタ55を設ける構成とすることにより、上述したセンサ素子11と同様に、より小型化かつ高機能化を図ることができる。
【0100】
図23には、画素12G-1乃至12G-4の回路図の一例が示されている。
【0101】
画素12G-1乃至12G-4は、SPAD39-1乃至39-4、クエンチまたはリチャージ(Quench/Recharge)用のPMOSトランジスタ51、ゲーティング(Gating)用のSPAD39を非アクティブにするためのNMOSトランジスタ52、並びに、インバータ53を構成するPMOSトランジスタ54およびNMOSトランジスタ55が接続されて構成される。図示するように、画素12G-1乃至12G-4は、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、およびインバータ53を共有する共有構造となっている。
【0102】
図20乃至図22を参照して説明したように、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、PMOSトランジスタ54、およびNMOSトランジスタ55はセンサ基板13に形成される。従って、センサ基板13およびロジック基板14の間は、Cu-Cu接続部48a乃至48dを介して接続される。
【0103】
Cu-Cu接続部48a-1乃至48a-4は、SPAD39-1乃至39-4のアノードそれぞれとブレークダウンVRLD電源とを接続する。Cu-Cu接続部48bは、NMOSトランジスタ52のゲートをロジック基板14側に接続する。Cu-Cu接続部48cは、インバータ53の出力端子をロジック基板14側に接続する。Cu-Cu接続部48dは、PMOSトランジスタ51のゲートをロジック基板14側に接続する。
【0104】
なお、PMOSトランジスタ51、NMOSトランジスタ52、PMOSトランジスタ54、およびNMOSトランジスタ55の配置(画素12G-1乃至12G-4への割り当て)やメタル配線47のレイアウトなどは、図22に示すような配置やレイアウトに限定されることなく、図23に示す回路図の配線を実現するような配置やレイアウトであればよい。
【0105】
ところで、本実施の形態では、SPAD39のカソード電圧に従って信号が出力される構成について説明したが、SPAD39のアノード電圧に従って信号が出力される構成(正電圧印加)に本技術を適用してもよい。この場合、上述した各構成例のセンサ素子11では、アノード領域とカソード領域とが反転した構成となる。
【0106】
<測距システムの構成例>
上述したような各実施の形態のセンサ素子11は、ToF法を用いて、被写体までの奥行き方向の距離を画素毎に検出し、検出した距離に基づく距離画素信号からなる画像である距離画像の撮像を行う測距システムに適用することができる。
【0107】
図24は、本技術を適用した測距システム111の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0108】
図24に示すように、測距システム111は、照明装置121および撮像装置122を備える。
【0109】
照明装置121は、照明制御部131および光源132を備える。
【0110】
照明制御部131は、撮像装置122の制御部142の制御の下に、光源132が光を照射するパターンを制御する。具体的には、照明制御部131は、制御部142から供給される照射信号に含まれる照射コードに従って、光源132が光を照射するパターンを制御する。例えば、照射コードは、1(High)と0(Low)の2値からなり、照明制御部131は、照射コードの値が1のとき光源132を点灯させ、照射コードの値が0のとき光源132を消灯させる。
【0111】
光源132は、照明制御部131の制御の下に、所定の波長域の光を発する。光源132は、例えば、赤外線レーザダイオードからなる。なお、光源132の種類、及び、照射光の波長域は、測距システム111の用途等に応じて任意に設定することが可能である。
【0112】
撮像装置122は、照明装置121から照射された光(照射光)が被写体112及び被写体113等により反射された反射光を受光する装置である。撮像装置122は、撮像部141、制御部142、表示部143、及び、記憶部144を備える。
【0113】
撮像部141は、レンズ151、受光素子152、及び、信号処理回路153を備える。
【0114】
レンズ151は、入射光を受光素子152の受光面に結像させる。なお、レンズ151の構成は任意であり、例えば、複数のレンズ群によりレンズ151を構成することも可能である。
【0115】
受光素子152には、本技術を適用したセンサ素子11が適用される。受光素子152は、制御部142の制御の下に、被写体112及び被写体113等からの反射光を受光し、その結果得られた画素信号を信号処理回路153に供給する。この画素信号は、照明装置121が照射光を照射してから、受光素子152が受光するまでの時間をカウントしたデジタルのカウント値を表す。光源132が発光するタイミングを示す発光タイミング信号は、制御部142から受光素子152にも供給される。
【0116】
信号処理回路153は、制御部142の制御の下に、受光素子152から供給される画素信号の処理を行う。例えば、信号処理回路153は、受光素子152から供給される画素信号に基づいて、画素毎に被写体までの距離を検出し、画素毎の被写体までの距離を示す距離画像を生成する。具体的には、信号処理回路153は、光源132が光を発光してから受光素子152の各画素が光を受光するまでの時間(カウント値)を画素毎に複数回(例えば、数千乃至数万回)取得する。信号処理回路153は、取得した時間に対応するヒストグラムを作成する。そして、信号処理回路153は、ヒストグラムのピークを検出することで、光源132から照射された光が被写体112または被写体113で反射して戻ってくるまでの時間を判定する。さらに、信号処理回路153は、判定した時間と光速に基づいて、物体までの距離を求める演算を行う。信号処理回路153は、生成した距離画像を制御部142に供給する。
【0117】
制御部142は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)等の制御回路やプロセッサ等により構成される。制御部142は、照明制御部131、及び、受光素子152の制御を行う。具体的には、制御部142は、照明制御部131に照射信号を供給するとともに、発光タイミング信号を受光素子152に供給する。光源132は、照射信号に応じて照射光を発光する。発光タイミング信号は、照明制御部131に供給される照射信号でもよい。また、制御部142は、撮像部141から取得した距離画像を表示部143に供給し、表示部143に表示させる。さらに、制御部142は、撮像部141から取得した距離画像を記憶部144に記憶させる。また、制御部142は、撮像部141から取得した距離画像を外部に出力する。
【0118】
表示部143は、例えば、液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のパネル型表示装置からなる。
【0119】
記憶部144は、任意の記憶装置や記憶媒体等により構成することができ、距離画像等を記憶する。
【0120】
このように構成されている測距システム111では、本技術を適用したセンサ素子11を適用することで、例えば、より小型化かつ高機能化を図ることができる。
【0121】
<イメージセンサの使用例>
図25は、上述のイメージセンサ(センサ素子11)を使用する使用例を示す図である。
【0122】
上述したイメージセンサは、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0123】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0124】
<構成の組み合わせ例>
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
SPAD(Single Photon Avalanche Diode)が画素ごとに半導体基板に設けられたセンサ基板と、
前記センサ基板に積層され、ロジック回路が設けられたロジック基板と、
前記SPADのカソード電圧またはアノード電圧に従った信号を出力するために用いられる複数のトランジスタと
を備え、
複数の前記トランジスタのうちの少なくとも一部の前記トランジスタが、前記センサ基板の前記半導体基板に形成されたウェル内に設けられる
センサ素子。
(2)
前記センサ基板に設けられるトランジスタはNMOS(Negative-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタであり、
前記ウェルとして、前記半導体基板の表面側にPウェルが設けられており、
前記Pウェルの側面および上面を囲うようにNウェルが設けられ、前記Nウェルに対して積層するように前記SPADを構成するN型増倍領域およびP型増倍領域が配置される
上記(1)に記載のセンサ素子。
(3)
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記Nウェルとを分離する第1の分離部と、
前記Nウェルの前記半導体基板の表面近傍に設けられるカソード領域またはアノード領域の一方と前記画素の外周に沿って前記半導体基板の表面近傍に設けられるアノード領域またはカソード領域の他方とを分離する第2の分離部と
をさらに備える上記(2)に記載のセンサ素子。
(4)
前記センサ基板に設けられるトランジスタはPMOS(Positive-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタであり、
前記ウェルとして、前記半導体基板の表面側に第1のNウェルが設けられており、
前記第1のNウェルの側面および上面を囲うようにPウェルが設けられるとともに、前記Pウェルの側面および上面を囲うように第2のNウェルが設けられ、前記第2のNウェルに対して積層するように前記SPADを構成するN型増倍領域およびP型増倍領域が配置される
上記(1)に記載のセンサ素子。
(5)
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第2のNウェルとを分離する第1の分離部と、
前記第2のNウェルの前記半導体基板の表面近傍に設けられるカソード領域またはアノード領域の一方と前記画素の外周に沿って前記半導体基板の表面近傍に設けられるアノード領域またはカソード領域の他方とを分離する第2の分離部と、
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第1のNウェルとを分離する第3の分離部と
をさらに備える上記(4)に記載のセンサ素子。
(6)
前記センサ基板に設けられるトランジスタは、前記SPADを非アクティブにするためのNMOSトランジスタ、および、クエンチまたはリチャージ用のPMOSトランジスタであり、
前記ウェルとして、前記PMOSトランジスタが配置される第1のNウェルが前記半導体基板の表面側に設けられるとともに、前記NMOSトランジスタが配置されるPウェルが前記第1のNウェルの側面および上面を囲うように設けられており、
前記Pウェルの側面および上面を囲うように第2のNウェルが設けられ、前記第2のNウェルに対して積層するように前記SPADを構成するN型増倍領域およびP型増倍領域が配置される
上記(1)に記載のセンサ素子。
(7)
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第2のNウェルとを分離する第1の分離部と、
前記第2のNウェルの前記半導体基板の表面近傍に設けられるカソード領域またはアノード領域の一方と前記画素の外周に沿って前記半導体基板の表面近傍に設けられるアノード領域またはカソード領域の他方とを分離する第2の分離部と、
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第1のNウェルとを分離する第3の分離部と
をさらに備える上記(6)に記載のセンサ素子。
(8)
前記センサ基板に設けられるトランジスタは、前記SPADを非アクティブにするための第1のNMOSトランジスタ、クエンチまたはリチャージ用の第1のPMOSトランジスタ、並びに、インバータを構成する第2のNMOSトランジスタおよび第2のPMOSトランジスタであり、
前記ウェルとして、前記第1のPMOSトランジスタおよび前記第2のPMOSトランジスタが配置される第1のNウェルが前記半導体基板の表面側に設けられるとともに、前記第1のNMOSトランジスタおよび前記第2のNMOSトランジスタが配置されるPウェルが前記第1のNウェルの側面および上面を囲うように設けられており、
前記Pウェルの側面および上面を囲うように第2のNウェルが設けられ、前記第2のNウェルに対して積層するように前記SPADを構成するN型増倍領域およびP型増倍領域が配置される
上記(1)に記載のセンサ素子。
(9)
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第2のNウェルとを分離する第1の分離部と、
前記第2のNウェルの前記半導体基板の表面近傍に設けられるカソード領域またはアノード領域の一方と前記画素の外周に沿って前記半導体基板の表面近傍に設けられるアノード領域またはカソード領域の他方とを分離する第2の分離部と、
前記半導体基板の表面近傍において前記Pウェルと前記第1のNウェルとを分離する第3の分離部と
をさらに備える上記(8)に記載のセンサ素子。
(10)
前記第1のPMOSトランジスタおよび前記第2のPMOSトランジスタのドレイン領域にVDD電源を供給する配線と、前記第1のNウェルにVDD電源を供給する配線との間に、シールド用の配線が配置されている
上記(9)に記載のセンサ素子。
(11)
前記画素にアノード電圧を印加するためのアノード領域が前記半導体基板の裏面側に配置される
上記(1)から(10)までのいずれかに記載のセンサ素子。
(12)
前記アノード領域に接続し、前記画素の側面を囲うように設けられるホール蓄積領域が、前記半導体基板の表面側から所定の深さよりも深い範囲に形成されている
上記(11)に記載のセンサ素子。
(13)
前記画素の側面を囲うように、前記半導体基板の表面側から所定の深さよりも浅い範囲に絶縁膜が設けられている
上記(12)に記載のセンサ素子。
(14)
前記センサ基板に設けられるトランジスタは、前記SPADを非アクティブにするための第1のNMOSトランジスタ、クエンチまたはリチャージ用の第1のPMOSトランジスタ、並びに、インバータを構成する第2のNMOSトランジスタおよび第2のPMOSトランジスタであり、
前記第1のNMOSトランジスタ、前記第1のPMOSトランジスタ、前記第2のNMOSトランジスタ、前記第2のPMOSトランジスタが個別に4つの前記画素に配置されている
上記(1)に記載のセンサ素子。
(15)
照射光を照射する照明装置と、
前記照射光に対する反射光を検出するセンサ素子と
を備え、
前記センサ素子は、
SPAD(Single Photon Avalanche Diode)が画素ごとに半導体基板に設けられたセンサ基板と、
前記センサ基板に積層され、ロジック回路が設けられたロジック基板と、
前記SPADのカソード電圧またはアノード電圧に従った信号を出力するために用いられる複数のトランジスタと
を有し、
複数の前記トランジスタのうち、少なくとも一部の前記トランジスタが前記センサ基板の前記半導体基板に形成されたウェル内に設けられる
測距システム。
【0125】
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0126】
11 センサ素子, 12 画素, 13 センサ基板, 14 ロジック基板, 31 ウェル層, 32 画素分離部, 33 ホール蓄積領域, 34 アノード領域, 35 Pウェル, 36 Nウェル, 37 N型増倍領域, 38 P型増倍領域, 39 SPAD, 40 NMOSトランジスタ, 44 カソード領域, 45および46 分離部, 47 メタル配線, 48 Cu-Cu接続部, 51 PMOSトランジスタ, 52 NMOSトランジスタ, 53 インバータ
図1
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図3
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