IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社鷺宮製作所の特許一覧

特開2022-148042継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手
<>
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図1
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図2
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図3
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図4
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図5
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図6
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図7
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図8
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図9
  • 特開-継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148042
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 13/007 20060101AFI20220929BHJP
   F16L 9/02 20060101ALI20220929BHJP
   F16L 13/02 20060101ALI20220929BHJP
   F16L 21/00 20060101ALI20220929BHJP
   B21D 22/28 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
F16L13/007
F16L9/02
F16L13/02
F16L21/00 C
F16L21/00 D
F16L21/00 E
B21D22/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049563
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽我 拓巨
(72)【発明者】
【氏名】木村 宏光
【テーマコード(参考)】
3H013
3H111
4E137
【Fターム(参考)】
3H013BA03
3H013BA08
3H111AA01
3H111BA03
3H111BA04
3H111CA53
3H111CB03
3H111CB14
3H111DB27
3H111EA09
3H111EA14
4E137AA01
4E137AA06
4E137AA08
4E137BA02
4E137BA04
4E137BB01
4E137BC04
4E137CA09
4E137CA21
4E137CA26
4E137DA13
4E137EA02
4E137GA12
(57)【要約】
【課題】異種金属の配管を接合する場合において気密不良が生じない、高気密性の継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手を提供する。
【解決手段】一端部が異種金属による複層構造を備え、他端部が単層構造を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部が異種金属による複層構造を備え、他端部が単層構造を備えることを特徴とする継手用クラッド管。
【請求項2】
ステンレスを主要素材として形成され、
前記一端部は、ステンレス層の内側または外側に銅層を備え、
前記他端部は、ステンレス単層構造であることを特徴とする請求項1記載の継手用クラッド管。
【請求項3】
前記ステンレス層の外径に対する前記銅層の軸方向長さは、0.1以上1.2以下であり、
前記銅層の軸方向長さに対する前記ステンレス層の軸方向長さは、1.25以上5.0以下であることを特徴とする請求項2記載の継手用クラッド管。
【請求項4】
請求項2または3記載の前記継手用クラッド管の製造方法であって、
ステンレス板の片面に前記ステンレス板よりも面積の小さい銅板を接合してクラッド材を作成する接合工程と、
前記クラッド材に対して絞り加工を施して原クラッド管を作成する絞り工程と
を有することを特徴とする継手用クラッド管の製造方法。
【請求項5】
前記クラッド材を構成する前記銅板は中央に開口穴が形成されており、または前記クラッド材の中央に前記クラッド材を貫通する貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項4記載の継手用クラッド管の製造方法。
【請求項6】
請求項2または3記載の継手用クラッド管を用いたクラッド管継手であって、
前記継手用クラッド管のステンレス単層構造から成る前記他端部をステンレス配管に溶接して形成され、
前記継手用クラッド管の前記一端部は、前記ステンレス層の内側または外側に形成された前記銅層を、銅配管の外周面または内周面に差し込みかつ気密に接合させて前記銅配管に接続されることを特徴とするクラッド管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異種金属で形成された配管を接続するために用いられる継手用クラッド管およびその製造方法、並びに該クラッド管を接続したクラッド管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空調・冷凍システムの冷媒配管および弁装置等の機器には主に銅製の継手が用いられているが、近年の銅価格上昇に伴い、銅の使用量削減を目的に継手のステンレス化の需要が増大している。
【0003】
しかしながら、現時点では未だ銅配管が主流であるため、継手接続の相手方としては銅配管を想定せざるを得ない。この点、銅配管をステンレス継手に接続する場合、異種金属同士を接合することになる。異種金属同士を接合する際にはろう付けが多く行われるが、ろう付け接合を行う際にはフラックスが必要であり、空調・冷凍システムに接続された状態で、このフラックスを完全に除去することは困難だという問題がある。
【0004】
この対策として、例えば、図10に示すように、銅配管102と接合される側の内面に銅層104aが形成された継手用クラッド管104を用いる方法が考えられる。ここで、継手用クラッド管104はステンレス配管106と接続されてクラッド管継手108を形成している。
【0005】
これにより、フラックスを要せずに同種金属である銅層同士の接合が可能となるが、冷媒配管の用途としては、冷媒の外部漏れを避けるために、異種金属である銅層104aとステンレス層106aとを接続した接続部分107の気密性が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63-194824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したような継手用クラッド管104を製造する手法として、複数の金属板を重ねた材料を深絞りにより継手形状に成形する製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法によって継手用クラッド管104を製造する場合、材料を薄く引き延ばすため、成形品に皺や亀裂が生じる懸念がある。
【0008】
また、継手用クラッド管104をステンレス配管106に溶接して作成したクラッド管継手108を銅配管102と接合した場合においても(図10参照)、継手用クラッド管104とステンレス配管106の接合部109が銅層104aとステンレス層106aの溶接となり、溶接が不安定となる懸念がある。
【0009】
これらの懸念はともに、銅層104aとステンレス層104b、106aとの間の気密不良の原因となる為、気密品質の安定した継手用クラッド管104の製造に課題がある。
本発明の目的は、異種金属の配管を接合する場合において気密不良が生じない、高気密性の継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の継手用クラッド管は、
一端部が異種金属による複層構造を備え、他端部が単層構造を備えることを特徴とする。
【0011】
これにより、一端部と他端部を互いに異種の金属から成る配管に接合した場合においても、気密不良が生じない、高気密性の継手用クラッド管を提供することができる。
【0012】
また、本発明の継手用クラッド管は、
ステンレスを主要素材として形成され、
前記一端部は、ステンレス層の内側または外側に銅層を備え、
前記他端部は、ステンレス単層構造であることを特徴とする。
【0013】
これにより、一端部がステンレス層と銅層の異種金属による複層構造を備え、他端部がステンレス層のみから成る単層構造を備える構造を実現でき、一端部に銅配管を、他端部にステンレス配管を接合した場合において気密不良が生じない、高気密性の継手用クラッド管を提供することができる。
【0014】
また、本発明の継手用クラッド管は、
前記ステンレス層の外径に対する前記銅層の軸方向長さは、0.1以上1.2以下であり、
前記銅層の軸方向長さに対する前記ステンレス層の軸方向長さは、1.25以上5.0以下であることを特徴とする。
すなわち、このような寸法で継手用クラッド管を作成することが好ましい。
【0015】
本発明の継手用クラッド管の製造方法は、
ステンレス板の片面に前記ステンレス板よりも面積の小さい銅板を接合してクラッド材を作成する接合工程と、
前記クラッド材に対して絞り加工を施して原クラッド管を作成する絞り工程と
を有することを特徴とする。
【0016】
このように、クラッド材に用いる銅板を必要最低限の面積とすることで、クラッド材を深絞りした場合にも銅板が深絞りされず、原クラッド管に皺が発生することを抑制できるため、この点からも気密不良が防止される。
【0017】
また、本発明の継手用クラッド管の製造方法は、
前記クラッド材を構成する前記銅板は中央に開口穴が形成されており、または前記クラッド材の中央に前記クラッド材を貫通する貫通穴が形成されていることを特徴とする。
【0018】
このように、銅板に開口穴を形成することにより、原クラッド管の底部の切断の負担を軽減することができ、クラッド材に貫通穴を形成することにより、底部を切断することなく直接継手用クラッド管を作成することができる。
【0019】
本発明のクラッド管継手は、
前記継手用クラッド管のステンレス単層構造から成る前記他端部をステンレス配管に溶接して形成され、
前記継手用クラッド管の前記一端部は、前記ステンレス層の内側または外側に形成された前記銅層を、銅配管の外周面または内周面に差し込みかつ気密に接合させて前記銅配管に接続されることを特徴とする。
【0020】
これによれば、クラッド管継手の大部分がステンレスで形成されることになるため製品の低コスト化が実現できる。また、一端部が銅同士の同種金属により銅配管に接続されるため、ろう付けとすることが可能となる一方、フラックスが不要となり、クラッド管継手を接続する際の工程を簡略化することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、異種金属の配管を接合する場合において気密不良が生じない、高気密性の継手用クラッド管およびその製造方法、並びにクラッド管継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施の形態に係るクラッド管継手を示す図である。
図2】実施の形態に係る継手用クラッド管を示す図である。
図3】実施の形態に係る継手用クラッド管を製作するためのクラッド材、および原クラッド管を示す図である。
図4】実施の形態に係るクラッド管を作成するための加工装置を示す図である。
図5】実施の形態に係るクラッド管継手の具体的な寸法例を示す図である。
図6】他の実施の形態に係る継手用クラッド管を製作するためのクラッド材、および原クラッド管を示す図である。
図7】他の実施の形態に係る継手用クラッド管を製作するためのクラッド材、および原クラッド管を示す図である。
図8】他の実施の形態に係る継手用クラッド管を示す図である。
図9】他の実施の形態に係るクラッド管継手を示す図である。
図10】従来のクラッド管継手を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る発明ついて説明する。図1は、実施の形態に係るクラッド管継手2を示す図である。このクラッド管継手2は、空調・冷凍システムの冷媒配管および弁装置等の機器(以下、機器と略す。)の継手として用いられるものである。また、図2は、実施の形態に係る継手用クラッド管4を示す図である。
【0024】
図1に示すように、クラッド管継手2は、継手用クラッド管4をステンレス配管6に溶接して形成されており、相手方の銅配管8に接続される。また、図2に示すように、継手用クラッド管4は、ステンレスを主要素材とし、軸方向において一端部4aから中間部までステンレス層4cの内径側に銅層4dを積層させて形成されている。このため、一端部4aがステンレス層4cと銅層4dの異種金属による複層構造を備え、他端部4bがステンレス層4cのみから成る単層構造を備えている。
【0025】
ここで、継手用クラッド管4のステンレス層4cの外径(Ds)は6mm以上35mm以下であり、ステンレス層4cの層厚(Ts)は0.3mm以上2.5mm以下である。また、ステンレス層4cの外径(Ds)に対する銅層4dの軸方向長さ(Lc)、すなわちLc/Dsは、0.1以上1.2以下である。また、銅層4dの軸方向長さ(Lc)に対するステンレス層4cの軸方向長さ(Ls)、すなわちLs/Lcは、1.25以上5.0以下である。また、ステンレス層4cの層厚(Ts)に対する銅層4dの層厚(Tc)、すなわちTc/Tsは、0.1以上1.0以下である。
【0026】
次に、継手用クラッド管4の製造方法について説明する。図3(a)は、後述するクラッド材10を上方から視た図であり、図3(b)は、これを側方から視た図である。まず、ステンレス製の円板であるステンレス板10a、およびステンレス板10aよりも面積(直径)の小さい銅製の円板である銅板10bを用意し、図3(a)、(b)に示すように、両者の中心を揃えた上で、ステンレス板10aの片面に銅板10bを接合し、クラッド材10を作成する。ここで、ステンレス板10aと銅板10bの接合は、たとえば、拡散接合や圧接などによって行う。
【0027】
次に、図4に示すような加工装置12を用いて、クラッド材10に対して絞り加工を施し、図3(c)に示すような、内径側の底部側にのみ銅層4dが形成された試験管状の原クラッド管14を作成する(絞り工程)。次に、原クラッド管14の底部側を切断し、図2に示す継手用クラッド管4を作成する(切断工程)。
【0028】
次に、図1に示すように、機器のステンレス配管6を継手用クラッド管4の他端部4bに接続し、溶接を行うことにより、クラッド管継手2が完成する。ここで、他端部4bには銅層4dが積層されておらず、ステンレス配管6と接合する際に同種金属同士を溶接することになるため、銅とステンレスなど異種金属を溶接することによる溶接不安定化を回避でき、他端部4bの接合部における気密不良を防止できる。
【0029】
機器は、ステンレス配管6の先端にクラッド管継手2が形成された状態で出荷された後、納品先にて銅配管8に接続される。納品先において、継手用クラッド管4の一端部4aは、図1に示すように、銅層4dの内周面に銅配管8の外周面が重なるようにして差し込まれ、銅同士の同種金属を全周ろう付けすることにより銅配管8に気密に接合される。このため、一端部4aの接合部においては、異種金属を接続した場合に生じやすい気密不良を防止することが可能となる。
【0030】
なお、図5は、上述のようにして作成されたクラッド管継手2の具体的な寸法例について、一般的な層厚(Tcu)0.8mmで外径(Dcu)9.52mmの冷媒用3/8インチの銅配管8を、実施の形態に係る継手用クラッド管4の内周面に接続してクラッド管継手2を作成する場合を実施例として例示したものである。
【0031】
ここで、銅配管8に接続される継手用クラッド管4は、外径(Ds)12.02mm、内径(Dsi)10.42mm、軸方向長さ(Ls)14mm、層厚(Ts)0.8mmのステンレス層4c、および外径(Dc)9.62mm、軸方向長さ(Lc)7mm、層厚(Tc)0.4mmの銅層4dを備えている。ここで、ステンレス層4cの外径(Ds)に対する銅層4dの軸方向長さ(Lc)、すなわちLc/Dsは、0.582である。また、銅層4dの軸方向長さ(Lc)に対するステンレス層4cの軸方向長さ(Ls)、すなわちLs/Lcは、2.0である。また、ステンレス層4cの層厚(Ts)に対する銅層4dの層厚(Tc)、すなわちTc/Tsは、0.5である。なお、銅配管8と継手用クラッド管4をろう付けで接続する場合、一般的な隙間は、0.1mm程度である。
【0032】
この実施の形態に係る発明によれば、一端部4aがステンレス層4cと銅層4dの異種金属による複層構造を備え、他端部4bがステンレス層4cのみから成る単層構造を備える構造を有するため、一端部4aに銅配管8を、他端部4bにステンレス配管6を接合する場合において気密不良が生じない、高気密性の継手用クラッド管を提供することができる。
【0033】
また、クラッド材10に用いる銅板10bを必要最低限の面積とすることで、クラッド材10を深絞りした場合にも銅板10bが深絞りされず、原クラッド管14(図3参照)に皺が発生することを抑制できるため、この点からも気密不良が防止される。
【0034】
また、クラッド管継手2は、大部分がステンレスであるため、製品の低コスト化を実現できる。
また、従来、ろう付けによりステンレスなど異種金属の継手を銅配管8に接合する場合には、フラックスを要し工程が複雑化するほか、フラックス・ろう材がコストアップの要因となるという問題があった。これに対し、実施の形態に係る発明においては、クラッド管継手2が銅同士の同種金属により銅配管8に気密に接合されるため、ろう付けを行う際にフラックスが不要となり、クラッド管継手2を接続する際の工程を簡略化することができる。
【0035】
なお、上述の実施の形態において、図6(a)、(b)に示すように、中央に開口穴10b1が形成された銅板10b’をステンレス板10aに重ねたクラッド材10’を用いて原クラッド管14’を作成してもよい。この場合、銅板10b’に開口穴10b1が形成されているため、図6(c)に示すように、クラッド材10’に対して絞り加工を施した後、銅層4dに底部が形成されず、切断工程における負担を低減することができる。
【0036】
この他、図7(a)、(b)に示すように、さらに中央に開口穴10a1が形成されたステンレス板10a’を上述の銅板10b’に重ね、中央に貫通穴10eが形成されたクラッド材10’’を作成することもできる。このクラッド材10’’を用いて継手用クラッド管4を作成してもよい。この場合、銅板10b’とステンレス板10a’の双方が開口されているため、図7(c)に示すように、クラッド材10’’に対して絞り加工を施した後、底部が形成されないため、切断工程そのものを省略することができ、直接継手用クラッド管4を作成することができる。
【0037】
また、上述の実施の形態において、図8に示すように、ステンレス層4cの外径側に銅層4dを積層させた継手用クラッド管4’を作成してもよい。この場合もまた、一端部4aがステンレス層4cと銅層4dの異種金属による複層構造を備え、他端部4bがステンレス層4cのみから成る単層構造を備えることになる。
【0038】
ここで、継手用クラッド管4’も銅層4dをステンレス層4cの内径側に積層させた継手用クラッド管4と同様に、ステンレス層4cの外径(Ds)は6mm以上35mm以下であり、ステンレス層4cの層厚(Ts)は0.3mm以上2.5mm以下である。また、ステンレス層4cの外径(Ds)に対する銅層4dの軸方向長さ(Lc)、すなわちLc/Dsは、0.1以上1.2以下である。また、銅層4dの軸方向長さ(Lc)に対するステンレス層4cの軸方向長さ(Ls)、すなわちLs/Lcは、1.25以上5.0以下である。また、ステンレス層4cの層厚(Ts)に対する銅層4dの層厚(Tc)、すなわちTc/Tsは、0.1以上1.0以下である。
【0039】
ここで、図9に示すように、機器のステンレス配管6を継手用クラッド管4’の他端部4bに接続し、溶接を行うことで、クラッド管継手2’が完成する。この場合においても、ステンレス配管6と接合する際に同種金属同士を溶接することになるため、他端部4bの接合部における気密不良を防止できる。
【0040】
また、継手用クラッド管4’の一端部4aは、銅層4dの外周面に銅配管8の内周面が重なるように差し込まれ、銅同士の同種金属を全周ろう付けすることにより銅配管8に気密に接合され、異種金属を接続した場合に生じやすい気密不良が防止される。
【0041】
また、継手用クラッド管4、4’の一端部4aは、異種金属による複層構造を備えていれば、必ずしもステンレス層4cと銅層4dでなくともよく、たとえば、ステンレス層4cの内径側に銅層4dに代えてアルミニウム層を備えてもよい。この場合、一端部4aを図示しないアルミニウム配管に接合した場合において、気密不良を防止することができる。
【符号の説明】
【0042】
2、2’ クラッド管継手
4、4’ 継手用クラッド管
4a 一端部
4b 他端部
4c ステンレス層
4d 銅層
6 ステンレス配管
8 銅配管
10、10’、10’’ クラッド材
10a、10a’ ステンレス板
10a1 開口穴
10b、10b’ 銅板
10b1 開口穴
10e 貫通穴
12 加工装置
14、14’ 原クラッド管
102 銅配管
104 継手用クラッド管
104a 銅層
104b ステンレス層
106 ステンレス配管
106a ステンレス層
107 接続部分
108 クラッド管継手
109 接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10