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特開2022-148048車両用表示制御装置および車両用表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148048
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】車両用表示制御装置および車両用表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20220929BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20220929BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220929BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N7/18 U
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G5/00 530T
G09G5/00 510H
G09G5/36 510B
G09G5/00 510V
G01C21/26 B
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049573
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 宏樹
【テーマコード(参考)】
2F129
3D344
5C054
5C182
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD21
2F129EE02
2F129EE41
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF19
2F129GG17
2F129GG23
2F129GG24
2F129HH02
2F129HH12
3D344AA19
3D344AA30
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD13
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA05
5C054FC12
5C054FE26
5C054FE28
5C054FF03
5C054FF06
5C054HA30
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB01
5C182AB15
5C182AB26
5C182AC02
5C182AC35
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA56
5C182BA75
5C182BB01
5C182BC25
5C182BC26
5C182CB13
5C182CB56
5C182CC03
5C182CC21
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】車内に複数配置された表示部を適切に制御すること。
【解決手段】車両用表示制御装置30は、車両の運転者から視認可能な位置に配置されたメインモニタ21と、メインモニタ21とは異なる位置に配置されたサブモニタ22とに映像を表示させる表示制御部41と、運転者の視線を検出する視線検出部34と、を備え、表示制御部41は、視線検出部34の検出結果に基づいて、運転者がサブモニタ22を視認していないことを検出した場合、サブモニタ22に運転者以外の搭乗者向けのコンテンツ映像を表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者から視認可能な位置に配置された第一表示部と、前記第一表示部とは異なる位置に配置された第二表示部とに映像を表示させる表示制御部と、
前記運転者の視線を検出する視線検出部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記視線検出部の検出結果に基づいて、前記運転者が前記第二表示部を視認していないことを検出した場合、前記第二表示部に前記運転者以外の搭乗者向けのコンテンツ映像を表示させる、
車両用表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第二表示部の画面の一部に前記コンテンツ映像を表示させる、
請求項1に記載の車両用表示制御装置。
【請求項3】
前記第二表示部に配置された第二操作部を介した、前記コンテンツ映像に対する操作を受け付ける操作受付部、
を備える、請求項1または2に記載の車両用表示制御装置。
【請求項4】
前記第一表示部は、ナビゲーションシステムの経路案内の地図映像を表示するメインモニタであり、
前記第二表示部は、サイドモニタである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用表示制御装置。
【請求項5】
車両の運転者から視認可能な位置に配置された第一表示部と、前記第一表示部とは異なる位置に配置された第二表示部とに映像を表示させる表示制御ステップと、
前記運転者の視線を検出する視線検出ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップは、前記視線検出ステップの検出結果に基づいて、前記運転者が前記第二表示部を視認していないことを検出した場合、前記第二表示部に前記運転者以外の搭乗者向けのコンテンツ映像を表示させる、
車両用表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示制御装置および車両用表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インストルメントパネルの表示部が有する二つの画面に個別の画像を表示することが可能であるとともに、それぞれの表示内容を相互に切替えることが可能に設定された車両用モニタ装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-180080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両には、インストルメントパネルの表示部を含め、複数の表示部が配置されている。これらの表示部は、走行中は運転者の運転を支援するための映像、および、運転者以外の搭乗者が快適に過ごせるようにコンテンツ映像を表示可能である。そこで、複数の表示部を適切に制御することが望まれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車内に複数配置された表示部を適切に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車両用表示制御装置は、車両の運転者から視認可能な位置に配置された第一表示部と、前記第一表示部とは異なる位置に配置された第二表示部とに映像を表示させる表示制御部と、前記運転者の視線を検出する視線検出部と、を備え、前記表示制御部は、前記視線検出部の検出結果に基づいて、前記運転者が前記第二表示部を視認していないことを検出した場合、前記第二表示部に前記運転者以外の搭乗者向けのコンテンツ映像を表示させる。
【0007】
本発明に係る車両用表示制御方法は、車両の運転者から視認可能な位置に配置された第一表示部と、前記第一表示部とは異なる位置に配置された第二表示部とに映像を表示させる表示制御ステップと、前記運転者の視線を検出する視線検出ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記視線検出ステップの検出結果に基づいて、前記運転者が前記第二表示部を視認していないことを検出した場合、前記第二表示部に前記運転者以外の搭乗者向けのコンテンツ映像を表示させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車内に複数配置された表示部を適切に制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第一実施形態に係る車両用表示制御装置を含む車両用表示システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第一実施形態に係る車両用表示制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図3図3は、第一実施形態に係る車両用表示制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、第一実施形態に係る車両用表示制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る車両用表示制御装置および車両用表示制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[第一実施形態]
(車両用表示システム)
車両用表示システム1は、車両に搭載された複数の表示部に対する表示制御を行う。図1は、第一実施形態に係る車両用表示制御装置30を含む車両用表示システム1の構成例を示すブロック図である。本実施形態では、複数の表示部は、メインモニタ(第一表示部)21と、サブモニタ(第二表示部)22とを含む。
【0012】
図1に示すように、車両用表示システム1は、通信部11と、車内カメラ12と、右側後方カメラ13と、左側後方カメラ14と、CAN(Controller Area Network)インターフェース部15と、警告部16と、車両用表示制御装置30とを有する。
【0013】
通信部11は、通信ユニットである。通信部11は、車両に持ち込まれた携帯用電子機器とデータの送受信を可能にする。通信部11は、無線または有線によって通信する。通信部11は、例えば、5G回線等を含む携帯電話の回線を使用してもよい。通信部11は、例えば、Wi-Fi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)を含む無線通信規格を使用してもよい。通信部11は、有線による通信規格を使用してもよい。
【0014】
車内カメラ12は、車両の前方に配置され、車両の運転者を撮影する。車内カメラ12は、運転者の顔および手指を撮影する。車内カメラ12は、車両用表示システム1の起動中、常時撮影する。車内カメラ12は、撮影した映像データを車両用表示制御装置30の映像データ取得部32へ出力する。
【0015】
右側後方カメラ13は、車両の右側方に配置され、車両の右側方を撮影する。右側後方カメラ13は、右サイドモニタ221による確認範囲を撮影する。右側後方カメラ13は、水平方向の画角が例えば15~45°、上下方向の画角が例えば15~45°である。右側後方カメラ13は、車両用表示システム1の起動中、常時撮影する。右側後方カメラ13は、撮影した映像データを車両用表示制御装置30の映像データ取得部32へ出力する。
【0016】
左側後方カメラ14は、車両の左側方に配置され、車両の左側方を撮影する。左側後方カメラ14は、左サイドモニタ222による確認範囲を撮影する。左側後方カメラ14は、水平方向の画角が例えば15~45°、上下方向の画角が例えば15~45°である。左側後方カメラ14は、車両用表示システム1の起動中、常時撮影する。左側後方カメラ14は、撮影した映像データを車両用表示制御装置30の映像データ取得部32へ出力する。
【0017】
CANインターフェース部15は、CANを介して各種車両情報を取得するためのインターフェースである。車両情報には、例えば、エンジンの動作状況や、車両の走行状況などに関する情報が含まれている。
【0018】
警告部16は、運転者に対して警告を出力する。警告部16は、例えば、表示部、スピーカ、および、警告灯などの少なくともいずれかを含む。警告部16は、車両用表示制御装置30の警告制御部43からの制御信号に基づいて警告を行う。
【0019】
(メインモニタ)
メインモニタ21は、車両のメインの表示装置である。メインモニタ21は、車両の走行中、運転者に対する情報を表示する。本実施形態では、メインモニタ21は、車両の走行中、ナビゲーションシステムの経路案内の地図映像のみを表示し、運転者以外の搭乗者向けのテレビ放送の放送映像およびビデオ映像などを含むコンテンツ映像を表示しない。メインモニタ21は、車両の走行中以外は、運転者以外の搭乗者向けのテレビ放送の放送映像およびビデオ映像などを含むコンテンツ映像を表示可能である。メインモニタ21は、車両用表示システム1に専用のものであっても、例えば、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共同で使用するものであってもよい。メインモニタ21は、運転者から視認容易な位置に配置されている。本実施形態では、メインモニタ21は、ダッシュボードの車幅方向の中央部のセンターコンソールに配置されている。メインモニタ21は、例えば、インフォテインメントモニタである。メインモニタ21は、表示部21aと操作部21bとを有する。
【0020】
表示部21aは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイを含むディスプレイである。表示部21aは、車両用表示システム1の車両用表示制御装置30から出力された映像信号に基づいて、例えば、ナビゲーションシステムの経路案内の地図映像を表示する。操作部21bは、表示部21aに配置されたタッチパネルによって構成される。操作部21bは、ナビゲーションシステムに対する各種操作を受け付け可能である。例えば、操作部21bは、目的地を入力する操作を受付可能である。例えば、操作部21bは、現在位置から目的地までの経路案内を開始する操作を受付可能である。操作部21bは、操作情報をナビゲーション制御装置20の操作受付部42へ出力する。操作部21bは、表示部21aに表示されたコンテンツ映像に対する再生、停止および早送りなどの各種操作を受付可能である。
【0021】
(サブモニタ)
サブモニタ22は、メインモニタ21以外のモニタである。サブモニタ22は、車両用表示システム1に専用のものであっても、例えば、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共同で使用するものであってもよい。サブモニタ22は、メインモニタ21とは異なる位置に配置されている。本実施形態では、サブモニタ22は、右サイドモニタ221と、左サイドモニタ222と、後席モニタ223と、外部モニタ224とを含む。
【0022】
右サイドモニタ221は、表示装置である。右サイドモニタ221は、運転者および運転者以外の搭乗者から視認容易な位置に配置されている。本実施形態では、右サイドモニタ221は、ダッシュボードDの車幅方向の右側に配置されている。右サイドモニタ221は、表示部221aを有する。表示部221aは、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部221aは、車両用表示制御装置30の表示制御部41から出力された映像信号に基づき、車両の右側後方映像、地図映像、および、コンテンツ映像のすくなくともいずれかを表示可能である。
【0023】
左サイドモニタ222は、表示装置である。左サイドモニタ222は、運転者および運転者以外の搭乗者から視認容易な位置に配置されている。本実施形態では、左サイドモニタ222は、ダッシュボードDの車幅方向の左側に配置されている。左サイドモニタ222は、表示部222aを有する。表示部221aは、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイを含むディスプレイである。表示部222aは、車両用表示制御装置30の表示制御部41から出力された映像信号に基づき、車両の左側後方映像、地図映像、および、コンテンツ映像のすくなくともいずれかを表示可能である。
【0024】
後席モニタ223は、タッチパネル付きの表示装置である。後席モニタ223は、後部座席に着座している搭乗者から視認容易な位置に配置されている。本実施形態では、後席モニタ223は、車室の中央上部に配置されている。後席モニタ223は、表示部223aと、操作部223bとを有する。
【0025】
表示部223aは、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部223aは、車両用表示制御装置30の表示制御部41から出力された映像信号に基づき、地図映像、および、コンテンツ映像のすくなくともいずれかを表示可能である。操作部223bは、表示部223aに配置されたタッチパネルによって構成される。操作部223bは、表示部223aに表示されたコンテンツ映像に対する各種操作を受付可能である。操作部223bは、ナビゲーションシステムに対する各種操作を受け付け可能である。
【0026】
外部モニタ224は、タッチパネル付きの表示装置である。外部モニタ224は、車両に持ち込まれた電子機器である。外部モニタ224は、表示部224aと、操作部224bとを有する。
【0027】
表示部224aは、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部224aは、車両用表示制御装置30から出力された映像信号に基づき、地図映像、および、コンテンツ映像のすくなくともいずれかを表示可能である。操作部224bは、表示部224aに配置されたタッチパネルによって構成される。操作部224bは、表示部224aに表示されたコンテンツ映像に対する各種操作を受付可能である。操作部224bは、ナビゲーションシステムに対する各種操作を受け付け可能である。
【0028】
(車両用表示制御装置)
車両用表示制御装置30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。車両用表示制御装置30は、通信制御部31と、映像データ取得部32と、車両情報取得部33と、視線検出部34と、動作認識部35と、判定部36と、表示制御部41と、操作受付部42と、警告制御部43とを含む。車両用表示制御装置30は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。
【0029】
通信制御部31は、通信部11による通信を制御する。
【0030】
映像データ取得部32は、運転者を撮影する車内カメラ12からの映像データを取得する。映像データ取得部32は、取得した映像データを視線検出部34と動作認識部35とに出力する。
【0031】
映像データ取得部32は、車両の左右側後方を撮影する右側後方カメラ13および左側後方カメラ14からの映像データを取得する。映像データ取得部32は、取得したこれらの映像データを表示制御部41に出力する。
【0032】
車両情報取得部33は、車両の走行状態を示す車両情報を、CAN(Controller Area Network)や車両の状態をセンシングする各種センサなどから取得する。車両情報取得部33は、車速を示す車速情報を取得してもよい。車両情報取得部33は、車両情報を判定部36に出力する。
【0033】
視線検出部34は、車内映像データから、車両の運転者の視線の向きを検出する。より詳しくは、視線検出部34は、車内映像データから人物を認識する。車内映像データから人物を認識する方法は、公知の方法を使用可能であり、限定されない。検出される人物は、車両の運転者である。視線検出部34は、車内映像データに画像処理を行って、運転者の顔部を認識して、視線の向きを検出する。より詳しくは、視線検出部34は、例えば、車内映像データから運転者の眼を認識して、視線の向きを示す情報を取得する。運転者の目の映像に基づく視線検出は、目の映像から検出した目頭と光彩の位置関係に基づく視線検出や、角膜反射と瞳孔の位置関係に基づく視線検出など任意の手法が適用可能である。
【0034】
動作認識部35は、車内映像データから、車両の運転者の手指の動作を認識する。より詳しくは、動作認識部35は、車内映像データから人物を認識する。車内映像データから人物を認識する方法は、公知の方法を使用可能であり、限定されない。検出される人物は、車両の運転者である。動作認識部35は、車内映像データに画像処理を行って、運転者の手指部を認識して、手指の動作を認識する。
【0035】
判定部36は、車両情報取得部33が取得した車両情報と、視線検出部34の検出結果および動作認識部35の認識結果の少なくともどちらかに基づいて、車両の走行中の運転者の視線または動作を判定する。
【0036】
車両が走行中であるとは、例えば、車速がゼロより大きい状態が、所定時間以上継続していることをいう。
【0037】
判定部36は、例えば、車両情報取得部33が取得した車両情報と動作認識部35の認識結果とに基づいて、車両の走行中に運転者がいずれかの操作部を操作しようとしているか否かを判定する。
【0038】
判定部36は、例えば、車両情報取得部33が取得した車両情報と視線検出部34の検出結果とに基づいて、車両の走行中に運転者が運転席から視認可能なサブモニタ22を視認しているか否かを判定する。本実施形態では、判定部36は、例えば、車両情報取得部33が取得した車両情報と視線検出部34の検出結果とに基づいて、車両の走行中に運転者が右サイドモニタ221または左サイドモニタ222を視認しているか否かを判定する。
【0039】
判定部36は、例えば、車両情報取得部33が取得した車両情報と視線検出部34の検出結果とに基づいて、車両の走行中に運転者が運転席から視認不可能なサブモニタ22を視認しているか否かを判定する。本実施形態では、判定部36は、例えば、車両情報取得部33が取得した車両情報と視線検出部34の検出結果とに基づいて、車両の走行中に運転者が後席モニタ223または外部モニタ224を視認しているか否かを判定する。
【0040】
上記のいずれにも該当しない場合、メインモニタ21およびサブモニタ22の各種映像表示または各種操作を規制する。上記のいずれにも該当しない場合、メインモニタ21およびサブモニタ22の各種映像表示および各種操作を許可する。
【0041】
表示制御部41は、各種映像をメインモニタ21及びサブモニタ22に表示させる。表示制御部41は、ナビゲーションシステムから取得した地図映像をメインモニタ21、右サイドモニタ221、左サイドモニタ222、後席モニタ223、および、外部モニタ224に表示させる。表示制御部41は、映像データ取得部32で取得した右側後方カメラ13で撮影した映像を右サイドモニタ221に表示させる。表示制御部41は、映像データ取得部32で取得した左側後方カメラ14で撮影した映像を左サイドモニタ222に表示させる。表示制御部41は、カーオーディオシステムから取得したコンテンツ映像を右サイドモニタ221、左サイドモニタ222、後席モニタ223、および、外部モニタ224に表示させる。
【0042】
表示制御部41は、判定部36によって、車両の走行中に運転者がサブモニタ22を視認していないことを検出したと判定された場合、サブモニタ22にコンテンツ映像を表示させる。本実施形態では、表示制御部41は、判定部36によって、車両の走行中に運転者が右サイドモニタ221または左サイドモニタ222を視認していないことを検出したと判定した場合、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222にコンテンツ映像を表示させる。
【0043】
表示制御部41は、判定部36によって、車両の走行中に運転者がサブモニタ22を視認していることを検出したと判定された場合、サブモニタ22に運転者が視認することが好ましい映像を表示させる。本実施形態では、表示制御部41は、判定部36によって、車両の走行中に運転者が右サイドモニタ221または左サイドモニタ222を視認していると判定した場合、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222に、右側後方カメラ13で撮影した映像または左側後方カメラ14で撮影した映像を表示させる。このとき、表示制御部41は、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222の一部に、メインモニタ21の映像を小さく重ねて表示してもよい。これにより、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222に、助手席同乗者が見ていた映像が継続して表示される。
【0044】
運転者が視認することが好ましい映像とは、車両の走行中に運転者の運転を支援する映像である。運転者が視認することが好ましい映像とは、例えば、右側後方カメラ13で撮影した映像または左側後方カメラ14で撮影した映像である。運転者が視認することが好ましい映像とは、例えば、ナビゲーションシステムからの映像である。運転者が視認することが好ましい映像とは、車両の走行に関する映像である。運転者が視認することが好ましい映像は、コンテンツ映像を含まない。
【0045】
表示制御部41は、サブモニタ22の画面の一部にコンテンツ映像を小さく重ねて表示させてもよい。表示制御部41は、サブモニタ22の画面にコンテンツ映像を重ねて表示させる際には、運転者が視認することが好ましい映像がコンテンツ映像より優先され大きく表示される。本実施形態では、表示制御部41は、助手席側に配置されている右サイドモニタ221または左サイドモニタ222の画面の一部にコンテンツ映像を重ねて表示させる。
【0046】
表示制御部41は、警告制御部43による脇見運転に関する警告の出力から所定時間経過後、後席モニタ223または外部モニタ224への映像の表示を中止する。
【0047】
操作受付部42は、各操作部を介した各種操作を受け付ける。操作受付部42は、各操作部が受け付けた操作の操作情報を取得する。例えば、操作受付部42は、車両用表示システム1に関する各種操作を示す操作情報を取得して制御信号を出力する。操作受付部42は、コンテンツ映像に関する各種操作を示す操作情報を取得して制御信号を出力する。
【0048】
操作受付部42は、サブモニタ22に配置された第二操作部を介した、搭乗者向けのコンテンツ映像に対する操作を受け付ける。操作受付部42は、車両の走行中に判定部36によって運転者がいずれかの操作部を操作しようとしていると判定した場合、各種操作を規制するために、各操作部の機能を制限する。各操作部の機能を制限するとは、例えば、各種操作を入力不可とすることである。
【0049】
警告制御部43は、各種警告を警告部16から出力する。例えば、警告制御部43は、操作受付部42によって各種操作が規制された場合、「操作はできません」と表示または音声などによる警告を警告部16から出力する。例えば、警告制御部43は、判定部36によって車両の走行中に運転者が後席モニタ223または外部モニタ224を視認していると判定した場合、脇見運転になっていることを表示または音声などによる警告を警告部16から出力する。
【0050】
(車両用表示制御装置における処理)
次に、図2ないし図4を用いて、車両用表示制御装置30による処理の流れについて説明する。図2は、第一実施形態に係る車両用表示制御装置30における処理の流れを示すフローチャートである。図3は、第一実施形態に係る車両用表示制御装置30における処理の流れを示すフローチャートである。図4は、第一実施形態に係る車両用表示制御装置30における処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
車両が起動されている間、車両用表示システム1が起動され、図2ないし図4に示す処理が実行される。図2ないし図4に示す処理の前提としては、映像データ取得部32は、車内カメラ12、右側後方カメラ13、および、左側後方カメラ14からの映像データを取得している。車両情報取得部33は、車両情報を取得している。メインモニタ21に地図映像が表示され、右サイドモニタ221の全面に右側後方カメラ13で撮影された映像が表示され、左サイドモニタ222の全面に左側後方カメラ14で撮影された映像が表示されている。
【0052】
まず、図2を用いて、各操作部に対する機能を制限する処理について説明する。車両用表示制御装置30は、運転者が操作しようとしているか否かを判定する(ステップS11)。より詳しくは、車両用表示制御装置30は、動作認識部35によって、運転者の手指の動作を認識する。車両用表示制御装置30は、判定部36によって、車両情報取得部33が取得した車両情報と動作認識部35の認識結果とに基づいて、車両の走行中に運転者がいずれかの操作部を操作しようとしているか否かを判定する。車両用表示制御装置30は、判定部36によって、運転者が操作しようとしていると判定する場合(ステップS11でYes)、ステップS12へ進む。車両用表示制御装置30は、判定部36によって、運転者が操作しようとしていると判定しない場合(ステップS11でNo)、ステップS11の処理を再度実行する。
【0053】
車両用表示制御装置30は、メインモニタ21およびサブモニタ22の操作を規制する(ステップS12)。より詳しくは、車両用表示制御装置30は、操作受付部42によって、各モニタの各操作部の機能を制限する。
【0054】
次に、図3を用いて、右サイドモニタ221および左サイドモニタ222の表示制御処理について説明する。車両用表示制御装置30は、運転者がサイドモニタを視認していないか否かを判定する(ステップS21)。より詳しくは、車両用表示制御装置30は、視線検出部34によって、車内映像データから、車両の運転者の視線の向きを検出する。車両用表示制御装置30は、判定部36によって、車両情報取得部33が取得した車両情報と視線検出部34の検出結果とに基づいて、車両の走行中に運転者が右サイドモニタ221または左サイドモニタ222を視認していないか否かを判定する。車両用表示制御装置30は、運転者がサイドモニタを視認していないと判定する場合(ステップS21でYes)、ステップS22へ進む。車両用表示制御装置30は、運転者がサイドモニタを視認していないと判定しない場合(ステップS21でNo)、ステップS23へ進む。
【0055】
運転者がサイドモニタを視認していないと判定する場合(ステップS21でYes)、車両用表示制御装置30は、サイドモニタにコンテンツ映像を表示させる(ステップS22)。より詳しくは、車両用表示制御装置30は、表示制御部41によって、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222にコンテンツ映像を表示させる。
【0056】
運転者がサイドモニタを視認していないと判定しない場合(ステップS21でNo)、車両用表示制御装置30は、サイドモニタに側後方カメラ映像を表示させる(ステップS23)。より詳しくは、車両用表示制御装置30は、表示制御部41によって、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222に、右側後方カメラ13で撮影した映像または左側後方カメラ14で撮影した映像を表示させる。車両用表示制御装置30は、表示制御部41によって、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222に、メインモニタ21の映像を小さく重ねて表示してもよい。
【0057】
次に、図4を用いて、後席モニタ223および外部モニタ224の表示制御処理について説明する。車両用表示制御装置30は、運転者がサイドモニタ以外のサブモニタ22を視認しているか否かを判定する(ステップS31)。より詳しくは、車両用表示制御装置30は、視線検出部34によって、車内映像データから、車両の運転者の視線の向きを検出する。車両用表示制御装置30は、判定部36によって、車両情報取得部33が取得した車両情報と視線検出部34の検出結果とに基づいて、車両の走行中に運転者が外部モニタ224を視認しているか否かを判定する。車両用表示制御装置30は、運転者がサイドモニタ以外のサブモニタ22を視認していると判定する場合(ステップS31でYes)、ステップS32へ進む。車両用表示制御装置30は、運転者がサイドモニタ以外のサブモニタ22を視認していると判定しない場合(ステップS31でNo)、ステップS31の処理を再度実行する。
【0058】
運転者がサイドモニタ以外のサブモニタ22を視認していると判定する場合(ステップS31でYes)、警告を出力する(ステップS32)。より詳しくは、車両用表示制御装置30は、警告制御部43によって、脇見運転になっていることを表示または音声などによる警告を出力する。
【0059】
(効果)
上述したように、本実施形態は、運転者がサブモニタ22を視認していないことを検出した場合、サブモニタ22に運転者以外の搭乗者向けのコンテンツ映像を表示させることができる。本実施形態は、車両の走行中に運転者が右サイドモニタ221または左サイドモニタ222を視認していないことを検出した場合、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222に運転者以外の搭乗者向けのコンテンツ映像を表示させることができる。このように、本実施形態によれば、運転者の視線に応じて、本実施形態は、車内に複数配置されたサブモニタ22を適切に制御することができる。
【0060】
本実施形態では、車両の走行中に運転者がサブモニタ22を視認していることを検出したと判定された場合、サブモニタ22に運転者が視認することが好ましい映像を表示させることができる。本実施形態では、車両の走行中に運転者が右サイドモニタ221または左サイドモニタ222を視認していると判定した場合、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222に、右側後方カメラ13で撮影した映像または左側後方カメラ14で撮影した映像を表示させることができる。
【0061】
本実施形態では、サブモニタ22の画面の一部にコンテンツ映像を重ねて表示させることができる。本実施形態では、表示制御部41は、助手席側に配置されている右サイドモニタ221または左サイドモニタ222の画面の一部にコンテンツ映像を重ねて表示させることができる。本実施形態によれば、右サイドモニタ221または左サイドモニタ222に、助手席同乗者が見ていた映像を継続して表示することができる。
【0062】
本実施形態は、サブモニタ22の各操作部から、コンテンツ映像に対する各種操作の他に、ナビゲーションシステムに対する各種操作を受け付けることができる。
【0063】
図示した車両用表示システムの各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0064】
車両用表示システムの構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0065】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0066】
(変形例)
判定部36は、例えば、車両の走行中に、外部モニタ224が運転席で使用されているか否かを判定してもよい。より詳しくは、作認識部35は、運転者の動作として、運転者が運転席で外部モニタ224を使用していることを認識する。動作認識部35は、車内映像データに画像処理を行って、運転者の手指を認識する。動作認識部35は、車内映像データにパターンマッチングなどの画像処理を行って、外部モニタ224を認識する。判定部36は、車両情報取得部33が取得した車両情報と動作認識部35の認識結果とに基づいて、車両の走行中に外部モニタ224が運転席で使用されているか否かを判定してもよい。判定部36は、例えば、認識された外部モニタ224の映像データにおける位置から、運転席で使用されていると判定してもよい。判定部36は、例えば、認識された外部モニタ224の映像データにおける大きさから、運転席で使用されていると判定してもよい。車両の走行中に外部モニタ224が運転席で使用されていると判定された場合、警告制御部43によって警告を出力した後、操作受付部42によって外部モニタ224における各種操作を規制してもよい。
【0067】
視線検出部34は、助手席に着座している搭乗者の視線を検出してもよい。この場合、車内カメラ12は、助手席に着座している搭乗者の顔も撮影する。表示制御部41は、判定部36によって、車両の走行中に助手席に着座している搭乗者がサブモニタ22を視認していないことを検出したと判定された場合、サブモニタ22にコンテンツ映像を非表示にする。コンテンツ映像が重ねて表示されている場合、コンテンツ映像を非表示にして、右側後方カメラ13で撮影した映像または左側後方カメラ14で撮影した映像のみを表示させる。
【符号の説明】
【0068】
1 車両用表示システム
11 通信部
12 車内カメラ
13 右側後方カメラ
14 左側後方カメラ
15 CAN I/F部
16 警告部
21 メインモニタ(第一表示部)
21a 表示部
21b 操作部
22 サブモニタ(第二表示部)
221 右サイドモニタ
221a 表示部
222 左サイドモニタ
222a 表示部
223 後席モニタ
223a 表示部
223b 操作部
224 外部モニタ
224a 表示部
224b 操作部
30 車両用表示制御装置
31 通信制御部
32 映像データ取得部
33 車両情報取得部
34 視線検出部
35 動作認識部
36 判定部
41 表示制御部
42 操作受付部
43 警告制御部
図1
図2
図3
図4