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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148088
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】歯車装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/12 20060101AFI20220929BHJP
   F16H 57/038 20120101ALI20220929BHJP
【FI】
F16H1/12
F16H57/038
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049617
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】岡田 誠
【テーマコード(参考)】
3J009
3J063
【Fターム(参考)】
3J009DA16
3J009DA17
3J009DA20
3J009EA05
3J009EA06
3J009EA15
3J009EA16
3J009EA18
3J009EA25
3J009EA44
3J009EB17
3J009EB23
3J009EC05
3J009EC06
3J063AB04
3J063AC01
3J063BA04
3J063BB41
3J063BB44
3J063BB50
3J063CB01
3J063CB17
3J063CD02
3J063CD42
3J063CD70
(57)【要約】
【課題】設計上の制約を減らすことができる歯車装置を提供することを目的の一つとする。
【解決手段】歯車装置100は、第1歯車12と、第1歯車12を支持するピニオン軸14と、第1歯車12と噛み合う第2歯車22と、ピニオン軸14の回転軸線Laに対して直交またはねじれの位置にある回転軸線Lb周りに回転し第2歯車22を支持する歯車軸24を有する歯車装置であって、ピニオン軸14の第2歯車22側を支持する支持部30を有し、支持部30は、歯車軸24に支持される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1歯車と、前記第1歯車を支持するピニオン軸と、前記第1歯車と噛み合う第2歯車と、前記ピニオン軸の回転軸線に対して直交またはねじれの位置にある回転軸線周りに回転し前記第2歯車を支持する歯車軸を有する歯車装置であって、
前記ピニオン軸の前記第2歯車側を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記歯車軸に支持される
歯車装置。
【請求項2】
前記ピニオン軸は、前記支持部に支持される第2歯車側軸部と、前記第1歯車を挟んで第2歯車側軸部とは反対側に位置する反第2歯車側軸部と、を有し、
前記反第2歯車側軸部を支持する軸受は、両方向のスラスト力を受ける軸受である
請求項1に記載の歯車装置。
【請求項3】
前記第2歯車側軸部は、前記反第2歯車側軸部よりも小径である
請求項2に記載の歯車装置。
【請求項4】
前記第2歯車側軸部を支持する第2歯車側軸受は、ラジアル方向の力のみを受ける軸受である
請求項2または3に記載の歯車装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記歯車軸に歯車軸軸受を介して支持され、
前記歯車軸軸受は、前記ピニオン軸の回転軸線の延長線を挟んで前記第2歯車とは反対側に配置される
請求項1から4のいずれか1項に記載の歯車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
傘歯車を用いて構成された機械装置が知られている。例えば、特許文献1には、ケーシング、駆動軸、被駆動軸および複数の減速段を有する多段式斜交継ぎ手が記載されている。この装置は、ベベルピニオンとベベル環状歯車とによって規定された一対の歯車により規定された減速段を有し、駆動軸の軸線と被駆動軸の軸線との相互の位置が変更されずに維持するための機構を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-329200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、ピニオン軸を両端支持するもので、ピニオン軸の先端側に、第2歯車を支持する軸が配置されている。この装置では、ピニオン軸を両端支持するため、軸受は、第2歯車を支持する軸と干渉しないように配置されてケーシングで支持されている。このため、この装置は、軸受容量が制限されるなど設計上の制約が大きい。
【0005】
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、設計上の制約を減らすことができる歯車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の歯車装置は、第1歯車と、第1歯車を支持するピニオン軸と、第1歯車と噛み合う第2歯車と、ピニオン軸の回転軸線に対して直交またはねじれの位置にある回転軸線周りに回転し第2歯車を支持する歯車軸を有する歯車装置であって、ピニオン軸の第2歯車側を支持する支持部を有する。支持部は、歯車軸に支持される。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設計上の制約を減らすことができる歯車装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の歯車装置の側面図である。
図2図1の歯車装置の平面図である。
図3】第2実施形態の歯車装置の側面図である。
図4図3の歯車装置の平面図である。
【0010】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0012】
先ず本発明の概要を説明する。互いに噛み合う2つのベベルギアを有する歯車装置では、負荷が加わった際、ベベルギア同士の噛み合い力によってベベルギアが偏位し、ミスアライメントが発生する。ミスアライメントが発生すると、ベベルギア同士の歯当たり位置が変動し、特にV軸変位量が大きくなる。このような歯当たり位置の変動は、片当たり等の歯当たり異常を生じる原因となりうる。特に、片持ち構造のピニオン軸は、軸受によって両持ち構造とされる歯車軸よりも、ミスアライメント発生時の影響が大きいため、V軸変位量が大きくなる。この問題は、ベベルギアに限らず、入出力の2軸がねじれの位置にあるハイポイドギア等の別構造の歯車装置にも生じうる。
【0013】
これらから、本発明者は、ピニオン軸のミスアライメント、特に歯当たり位置変動に影響度の大きいV軸変位量(この例では、図面のZ軸偏位量)を低減するために、ピニオン軸に延長軸を設け、この延長軸を、歯車軸に支持されたクロスジョイント部に内包された軸受によって支持する構成を案出した。ピニオン軸の延長軸が、軸受を介して歯車軸に支持されることによって、ピニオン軸が両持ち構造となり、ピニオン軸の剛性が高まる。ピニオン軸の剛性が高まることによって、ピニオン軸のV軸変位が低減され、歯当たり位置変動が抑制され、片当たりを低減できる。以下、実施形態を参照して詳述する。
【0014】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態の歯車装置100を説明する。図1は、歯車装置100の側面図である。図2は、歯車装置100の平面図である。一例として、歯車装置100は、ベルトコンベアやエレベータなどで、交差する2軸またはねじれの位置にある2軸の間で動力を伝達する機構に好適に使用されうる。
【0015】
説明の便宜上、図示のように、水平なある方向をX軸方向、X軸方向に直交する水平な方向をY軸方向、両者に直交する鉛直方向をZ軸方向とするXYZ直交座標系を定める。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの正の方向は、各図における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。このような方向の表記は歯車装置100の使用姿勢を制限するものではなく、歯車装置100は、用途に応じて任意の姿勢で使用されうる。
【0016】
図1図2に示すように、歯車装置100は、第1歯車部10と、第1段軸部20と、支持部30とを備える。第1歯車部10は、第1歯車12と、第1歯車12を支持するピニオン軸14とを有する。第1段軸部20は、第1歯車12と噛み合う第2歯車22と、第2歯車22を支持する歯車軸24とを有する。支持部30は、ピニオン軸14の第2歯車22側を支持する。支持部30は、歯車軸24に支持される。歯車軸24の回転軸線Lbは、ピニオン軸14の回転軸線Laに対して直交またはねじれの位置にある。
【0017】
本実施形態では、第1歯車12および第2歯車22は、ベベルギアである。ピニオン軸14の回転軸線Laは、X軸に沿っており、歯車軸24の回転軸線Lbは、Y軸に沿っている。したがって、この例では、回転軸線Laと回転軸線Lbとは直交している。
【0018】
ピニオン軸14は、第1歯車12よりも第2歯車22側(X軸正方向側)の第2歯車側軸部141と、第1歯車12よりも反第2歯車22側(X軸負方向側)の反第2歯車側軸部142とを有する。第2歯車側軸部141は、支持部30に支持される部分で、反第2歯車側軸部142は、第1歯車12を挟んで第2歯車側軸部141とは反対側に位置する部分である。本実施形態では、第2歯車側軸部141は、反第2歯車側軸部142よりも小径である。
【0019】
ピニオン軸14は、反第2歯車側軸部142を支持するピニオン軸軸受15、16、18によってピニオン軸ハウジング17に回転可能に支持される。第1、第2ピニオン軸軸受15、16は、ピニオン軸ハウジング17の第2収容凹部172に収容され、第3ピニオン軸軸受18は、ピニオン軸ハウジング17の第1収容凹部173に収容される。第1収容凹部173は、第1歯車12の近傍に配置され、第2収容凹部172は、第1収容凹部173の第1歯車12とは反対側に離れて配置される。ピニオン軸14には、第3ピニオン軸軸受18の軸方向移動を規制する止め輪13が固定されている。ピニオン軸ハウジング17の第1歯車12から遠い側の端部には、第1、第2ピニオン軸軸受15、16の軸方向移動を規制するハウジング蓋19が設けられている。ピニオン軸14はハウジング蓋19の中央を貫通する。
【0020】
ピニオン軸軸受15、16、18の構成に限定はないが、本実施形態のピニオン軸軸受15、16、18は、ラジアル方向の力およびスラスト方向の力を支持可能なアンギュラころ軸受である。この例では、第1ピニオン軸軸受15と、第1ピニオン軸軸受15の第1歯車12側の第2ピニオン軸軸受16とが正面あわせで配置されている。この構成によって、ピニオン軸軸受15、16、18は、X軸の正負両方向のスラスト方向の力を受けることができる。
【0021】
支持部30は、先端側軸受31と、歯車軸軸受32と、軸受支持部33と、支持部ハウジング34と、スリーブ36とを有する。支持部ハウジング34は、支持部30の外殻を構成する。この例の支持部ハウジング34は、平面視および側面視で矩形を呈する外形輪郭を有する。軸受支持部33は、支持部ハウジング34のX軸負方向側を塞いでいる。
【0022】
先端側軸受31は、軸受支持部33の収容凹部332に収容され、ピニオン軸14の第2歯車側軸部141を環囲して第2歯車側軸部141を回転可能に支持する。先端側軸受31の構成に限定はないが、この例の先端側軸受31は、ラジアル方向の力のみを受ける円筒ころ軸受である。ラジアル方向の力のみを受ける軸受としては、円筒ころ軸受に限らず、例えばつばのない玉軸受などの別の軸受を用いてもよい。また、先端側軸受31は、深溝玉軸受や円錐ころ軸受などのラジアル方向の力のみを受ける軸受とは別の種類の軸受であってもよい。
【0023】
歯車軸軸受32は、支持部ハウジング34の収容凹部342に収容されており、支持部30のY軸正方向の端位置で歯車軸24を環囲する。歯車軸軸受32は、歯車軸24に対して支持部30を回転可能に支持する。歯車軸軸受32は、ピニオン軸14の回転軸線Laの延長線を挟んで第2歯車22とは反対側に配置される。歯車軸軸受32の構成に限定はないが、この例の歯車軸軸受32は、玉軸受である。歯車軸軸受32は、円筒ころ軸受など玉軸受とは別の種類の軸受であってもよい。歯車軸軸受32の内径は、先端側軸受31の内径よりも大きい。
【0024】
スリーブ36は、歯車軸24を環囲する中空円筒状の部材であり、支持部ハウジング34に固定される。支持部30は、歯車軸軸受32とスリーブ36とによって、歯車軸24に相対回転可能に支持される。
【0025】
歯車軸24は、第2歯車22よりもY軸正方向側の第1部分241と、第2歯車22よりもY軸負方向側の第2部分242とを含む円筒形状を有する。第1部分241は、支持部30のスリーブ36および歯車軸軸受32に環囲される。
【0026】
歯車軸24は、第1部分241と、第2部分242とが図示しない軸受により支持されており、第2歯車22は、両持ち構造で支持される。
【0027】
以上のように構成された本実施形態の歯車装置100の動作の一例を説明する。例えば、外部動力源(不図示)の回転がピニオン軸14に入力されると、ピニオン軸14と一体的に第1歯車12が回転する。第1歯車12が回転すると、第1歯車12に噛み合う第2歯車22および歯車軸24が一体的に回転する。つまり、ピニオン軸14に入力された回転が、第1歯車12および第2歯車22を介して伝達されて歯車軸24から出力される。
【0028】
歯車軸24が回転するとき、支持部30は第2歯車側軸部141を支持する位置で動かない。このことにより、ピニオン軸14は、ピニオン軸軸受15、16、18と先端側軸受31によって両端支持される。歯車軸24に負荷が加わると、ベベルギアである第1歯車12および第2歯車22の噛み合い力によって、第2歯車側軸部141に偏位方向(この例では、Z軸方向)の力が加わる。このとき、支持部30は、第2歯車側軸部141を支持して第2歯車側軸部141の偏位量を抑制する。
【0029】
以上のように構成された本実施形態の歯車装置100の特徴を説明する。歯車装置100は、第1歯車12と、第1歯車12を支持するピニオン軸14と、第1歯車12と噛み合う第2歯車22と、ピニオン軸14の回転軸線Laに対して直交またはねじれの位置にある回転軸線Lb周りに回転し第2歯車22を支持する歯車軸24を有する歯車装置であって、ピニオン軸14の第2歯車22側を支持する支持部30を有し、支持部30は、歯車軸24に支持される。
【0030】
この構成によれば、支持部30が第2歯車側軸部141を支持するため、第2歯車側軸部141の偏位量を低減できる。これにより、偏位に起因するミスアライメントおよび歯車同士の歯当たり位置の変動を低減できる。この結果、片当たり等の歯当たり異常の発生を抑制できる。また、ピニオン軸14を両持ちするための構成がシンプルであり、支持部30の設計上の制約が小さくなる。
【0031】
本実施形態では、支持部30に支持される第2歯車側軸部141と、第1歯車12を挟んで第2歯車側軸部とは反対側に位置する反第2歯車側軸部142と、を有し、反第2歯車側軸部142を支持するピニオン軸軸受15、16、18は、両方向のスラスト方向の力を受ける軸受である。この場合、第1歯車12および第2歯車22の噛み合い力によってピニオン軸14に作用するスラスト方向の力の影響を小さくできる。
【0032】
本実施形態では、第2歯車側軸部141は、反第2歯車側軸部142よりも小径である。この場合、反第2歯車側軸部142を支持するピニオン軸軸受15、16、18として軸受容量が大きい大型の軸受を採用でき、第2歯車側軸部141を支持する先端側軸受31として省スペースに有利な小型の軸受を採用できる。これにより、支持部30の設計上の制約が小さくなる。
【0033】
本実施形態では、第2歯車側軸部141を支持する先端側軸受31は、ラジアル方向の力のみを受ける軸受である。この場合、スラスト方向の力を受けないため、先端側軸受31として省スペースに有利な小型の軸受を採用でき、支持部30の設計上の制約が小さくなる。
【0034】
本実施形態では、支持部30は、歯車軸24に歯車軸軸受32を介して支持され、歯車軸軸受32は、ピニオン軸14の回転軸線Laの延長線を挟んで第2歯車22とは反対側に配置される。この場合、歯車軸軸受32を第2歯車22に近い側に配置する構成よりも、先端側軸受31の配置スペースに余裕ができ、支持部30の設計上の制約が小さくなる。
【0035】
[第2実施形態]
図3図4を参照して、第2実施形態に係る歯車装置100の構成を説明する。図3は、歯車装置100の側面図である。この図は、駆動歯車28、従動歯車48および第2ベースプレート42などの記載を省いている。図4は、歯車装置100の平面図である。本実施形態の歯車装置100は、第2段軸部40を備える点で第1実施形態と相違し他の構成は同様である。したがって、重複する説明を省き、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0036】
第2段軸部40は、第1段軸部20の歯車軸24から、駆動歯車28および従動歯車48を介して回転が伝達される従動軸44を有する。つまり、歯車軸24は1段目軸であり、従動軸44は2段目軸である。従動軸44の回転軸線Lcは、歯車軸24の回転軸線Lbと平行に延びる。
【0037】
本実施形態の歯車装置100は、第1ベースプレート41と、第2ベースプレート42と、歯車軸軸受26、27と、従動軸軸受46、47とを備える。第1ベースプレート41および第2ベースプレート42は、X-Z方向に延在する厚板部材で、支持部30を挟んでY軸方向に対向する。第1ベースプレート41および第2ベースプレート42は、歯車軸軸受26、27および従動軸軸受46、47を介して、歯車軸24および従動軸44を両端支持するベースとして機能する。
【0038】
歯車軸軸受26、27は、歯車軸24の軸方向両側で歯車軸24を支持する。歯車軸軸受26、27は、第1ベースプレート41の収容凹部412、第2ベースプレート42の収容凹部422に収容される。
【0039】
従動軸軸受46、47は、従動軸44の軸方向両側で従動軸44を支持する。従動軸軸受46、47は、第1ベースプレート41の収容凹部413、第2ベースプレート42の収容凹部423に収容される。
【0040】
歯車軸軸受26、27および従動軸軸受46、47の構成に限定はないが、この例では、円すいころ軸受である。この場合、ラジアル方向およびスラスト方向の剛性を確保できるため、噛み合い力に起因するミスアライメントを低減できる。
【0041】
駆動歯車28および従動歯車48の構成に限定はないが、この例では、互いに噛み合うヘリカル歯車である。
【0042】
以上のように構成された本実施形態の歯車装置100の動作の一例を説明する。ピニオン軸14に入力された回転が、第1歯車12および第2歯車22を介して歯車軸24から出力される動作は第1実施形態と同様である。歯車軸24に伝達された回転は、駆動歯車28および従動歯車48を介して伝達され、従動軸44から出力される。つまり、ピニオン軸14に入力された回転が2段変速を受けて従動軸44から出力される。
【0043】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用および効果を奏する。
【0044】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0045】
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0046】
実施形態の説明では、第1歯車12と第2歯車22とがベベルギアである例を示したが、これに限定されない。第1歯車と第2歯車とで構成される歯車機構は、互いに直交または互いにねじれの位置にある回転軸線周りに回転する歯車軸とピニオン軸とに支持される歯車機構であればなんでもよい。このような歯車機構としては、例えば、一方の軸が、他方の軸の軸方向に対して鉛直な方向に直交の位置からオフセットした位置に配置されるハイポイドギア等が挙げられる。
【0047】
第2実施形態の説明では、1段目軸と2段目軸の2段の変速軸を備える例を示したが、変速軸の段数は3以上であってもよい。
【0048】
上述の各変形例は実施形態と同様の作用と効果を奏する。
【0049】
上述した実施形態の構成要素と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0050】
12 第1歯車、 14 ピニオン軸、 22 第2歯車、 24 歯車軸、 26 歯車軸軸受、 30 支持部、 31 先端側軸受、 32 歯車軸軸受、 33 軸受支持部、 100 歯車装置、 141 第2歯車側軸部、 142 反第2歯車側軸部。
図1
図2
図3
図4