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特開2022-148093売上登録機を用いた万引防止システム
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  • 特開-売上登録機を用いた万引防止システム 図1
  • 特開-売上登録機を用いた万引防止システム 図2
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  • 特開-売上登録機を用いた万引防止システム 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148093
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】売上登録機を用いた万引防止システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/196 20060101AFI20220929BHJP
   G08B 15/00 20060101ALI20220929BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20220929BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220929BHJP
【FI】
G08B13/196
G08B15/00
G08B25/00 510M
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049623
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】500149016
【氏名又は名称】データシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】越野 利栄
【テーマコード(参考)】
5C084
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA09
5C084AA13
5C084BB21
5C084BB33
5C084CC33
5C084DD11
5C084EE01
5C084GG78
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD20
5C087EE07
5C087EE16
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】 デパート、スーパーマーケット、コンビニなどの小売店舗内で発生する万引を防止する万引防止システムの提供。
【解決手段】 店舗内には適当な場所にカメラ9が取付けられ、客に販売する商品を精算する為に売上登録機1を用い、該売上登録機1の売上登録画面7を切り替えて店内状況を映し出す画面8を表示可能とするカメラボタン10と元の売上登録画面7に戻るボタンを有し、店内に取付けた複数のカメラ10,10・・と売上登録機1を繋ぐネットワークを構成している。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デパート、スーパーマーケット、コンビニなどの小売店舗内で発生する万引を防止する万引防止システムにおいて、店舗内には適当な場所にカメラが取付けられ、客に販売する商品を精算する為に売上登録機を用い、該売上登録機の売上登録画面を切り替えて店内状況を映し出す画面を表示可能とするカメラボタンと元の売上登録画面に戻るボタンを有し、店内に取付けた複数のカメラと売上登録機を繋ぐネットワークを構成したことを特徴とする売上登録機を用いた万引防止システム。
【請求項2】
一定時間、売上登録画面に次の新たな入力がない場合、表示されている売上登録画面には店内に設置した監視カメラが映し出す店内の様子を表示するようにした請求項1記載の売上登録機を用いた万引防止システム。
【請求項3】
店内状況を映し出す画面には、1つのカメラにて映し出す大きな店内状況画面と複数のカメラにて映し出す小さな店内状況の画面を交互に映し出すことが出来るように、シングル/マルチボタンを有した請求項1、又は請求項2記載の売上登録機を用いた万引防止システム。
【請求項4】
上記店内状況を映し出す画面の側端部にはカメラ操作部を設け、該カメラ操作部には、カメラを視点位置より左右/上下に首を振るようにするボタンを設けた請求項1、請求項2,又は請求項3記載の売上登録機を用いた万引防止システム。
【請求項5】
上記店内状況を映し出す画面の側端部にはカメラ操作部を設け、該カメラ操作部には、カメラの視点位置を調整する調整ボタンを設けた請求項1、請求項2、請求項3,又は請求項4記載の売上登録機を用いた万引防止システム。
【請求項6】
上記店内状況を映し出す画面の側端部にはカメラ操作部を設け、該カメラ操作部には画像更新間隔ボタンを設け、動画/静止画像を所定の間隔で動作するようにした請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、又は請求項5記載の売上登録機を用いた万引防止システム。
【請求項7】
上記店内状況を映し出す画面の側端部にはカメラ操作部を設け、該カメラ操作部には解像度ボタンを設け、解像度が大画面用と解像度が小画面用に選択可能とした請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、又は請求項6記載の売上登録機を用いた万引防止システム。





















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は売上登録機を用いて、店内に展示している商品が万引されないように防止するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
国内には色々な商品を販売する店舗、例えばデパート、スーパーマーケット、コンビニなど、その数は無数に近いほど存在している。
販売する商品の種類は無数にあり、日用品などの小物類や本や雑誌などの書籍類、車や自動2輪車、トラクターやコンバインなどの農機具類など、小さい商品から大きな商品まで色々存在し、これら各商品は該商品に適合した店舗で適した売り方で販売されている。
【0003】
ところで、これらの商品の中で、車などの大きな商品が盗難されるケースはまれであるが、日用品などの小物類は常に盗難(万引)の対象と成っている。
したがって、デパートやスーパーマーケットなどでは、特別に監視員を配置して商品が万引に遭わないように監視している。
また、適当な箇所にカメラを設置し、カメラを介して万引行為を監視している。
【0004】
特開2015-32230号に係る「RFIDと監視カメラを用いた万引き防止システム」は、陳列棚上で商品からRFIDタグを切り離し商品を持ち出したことを検知するRFIDと監視カメラを用いた万引き防止システムである。
RFIDと監視カメラを用いた万引き防止システムは、商品にRFIDタグを付け、商品の陳列棚にRFIDアンテナを配置し、さらに陳列棚からの商品の持ち出しを監視する監視カメラを配置し、監視カメラの監視画像から、現在の画像と数秒前の画像を比較することにより、陳列棚に置かれた商品が持ち出されたことを検知し、また、陳列棚上に設置されたRFIDアンテナにより、商品に付けられたRFIDタグの移動を検知し、商品及びRFIDタグ双方の移動情報を比較し、商品の移動が検知されRFIDタグの移動が検知されない場合、RFIDタグが商品から切り離されたと認識することが出来る。
【0005】
特開2017-76171号に係る「万引き検出システム、万引き検出方法及び万引き検出プログラム」は、小売店等の店舗サイトと、店舗サイトの映像カメラで撮影された映像データを受信して分析し、解析結果に基づき万引き疑い行為を検出・防止するクラウドサイトとを備える。店舗サイトと通信可能なクラウドサイトに、万引き疑い行為の発生を検出・防止するための特徴値抽出分析装置及び万引防止装置を備えている。
【0006】
特開2017-27568号に係る「万引防止牽制システム」は、特に監視カメラによる監視データに基づき、不審者を特定し、該不審者自身が監視されていることを認識するような心理的牽制手段を不審者に与え、万引きを未然に防止するように構成している。
監視センターで不審者を特定できても、不審者に対する精神的な牽制手段として、該不審者に従業員等が店舗内で、不審者と目線を合わせたり、不審者の近くで品出し整理整頓をしたり、不審者の近くを数回通り過ぎたり、他の従業員も同じ行動を実施することにより、不審者自身が監視されていることを自覚することができる万引防止牽制システムである。
【0007】
【特許文献1】特開2015-32230号に係る「RFIDと監視カメラを用いた万引き防止システム」
【特許文献2】特開2017-76171号に係る「万引き検出システム、万引き検出方法及び万引き検出プログラム」
【特許文献3】特開2017-27568号に係る「万引防止牽制システム」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
多くの店では陳列棚に商品を陳列し販売しているが、万引き行為が行われることは珍しくなく、該万引きを防止する為に色々な対策が講じられている。主な防止対策としては監視カメラを店内の所々に設置し常時店内映像を撮影し、その映像を売り場近くに位置する別室に設置した表示装置に送信して表示している店が多い。
この場合、万引きを防止するためには刻々変化する店内映像を常に注視して万引き行為を防止をする必要があり、常時映像を注視するための専門員が必要となる。このため、多くの店では万引きを防止するために店内映像を常時監視する専門員が必要となってしまう。
【0009】
専門員を配置することができない場合、表示されている店内映像が見える場所で他の作業をやりながら必要に応じ該映像を垣間見る状態となっており、万引き防止効果を得ることができないことが多い。
本発明が解決しようとしている課題はこの問題点であり、代金精算を行う売上登録機の売上登録画面に監視カメラの映像を表示することにより万引等の行為を監視することが出来る万引防止システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る万引防止システムは売上登録機を用い、店内の所々に設置しているカメラに映される映像を、売上登録機に設けた画面に映し出すことが出来るようにしている。
売上登録機は客が購入する商品を精算する装置であり、正面には商品名と価格を表示する売上登録画面を有し、キーボード、商品に貼っているバーコードを読み取るバーコードリーダ、購入する商品の明細を記録するレシートプリンターが設けられている。
ここで、売上登録機の具体的な型式並びに構造は限定せず、精算は客自ら行うことが出来るように、売上登録機とは別の場所に設置する場合もある。
【0011】
ところで、上記売上登録画面は客が購入する商品名と価格が表示され、合計金額も表示されるが、一定時間内に次の新たな入力がないときには、該表示画面には店内に設置した監視カメラが映し出す店内の様子を表示することが出来る。
また、売上登録中であっても、店内の映像を見る必要がある場合、売上登録画面における売上登録ゾーンの外部に設けてある切り替えボタン(カメラボタン)を押すことで売上登録画面から店内状況画面に切り替わる。
【0012】
そして、画面に映し出される映像は、複数のカメラ映像を同時に映し出すことが出来、特定のカメラ映像とすることも可能としている。すなわち、1台のカメラからのシングル映像と複数のカメラからのマルチ映像を映し出す事が出来るように、店内状況画面にはシングル/マルチボタンを有している。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る万引防止システムは、店内に取付けた複数のカメラと売上登録機との連携によって機能している。売上登録機にはレジの係員が常に配置され、客が購入する商品を打ち込んだり、又はバーコードリーダによって読み込んで売上登録画面に表示している。
そこで、レジの係員が時々売上登録画面を切り替え、店内に取付けているカメラの映像画像を表示する店内状況画面とすることが出来る。係員はこの店内状況画面を見て客が万引した場合には、即座に対応することが出来る。
【0014】
したがって、店内を歩き回って監視する監視員は不要となり、店内のカメラ画像を別室にて監視する監視員(専門員)も要らなくなる。売上登録機を操作する係員が万引の監視を同時に行うことが出来る。
そして、売上登録機の画面には、複数のカメラで映し出す画像を同時に表示することが出来る為に、1人のレジ係員は複数のカメラ画像を見ることが出来、万引らしき行為が目に入った際には、画像を拡大して確認することが可能となる。
ここで、万引した人の対応に関して本発明は限定せず、個々の店で最適な方法が採用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】売上登録機の外観を示す実施例。
図2】売上登録機の表示画面に表示される売上登録画面と店内状況画面。
図3】店内に取付けた複数のカメラと売上登録機を繋いで構築したネットワーク。
図4】1つの大きな店内状況画面と4つのカメラで映し出した小さい店内状況画像。
図5】(a)は売上登録画面から切り替わった店内状況画面、(b)はシングル/マルチボタン、(c)はシングルボタンを押した際の店内状況画像、(d)はマルチボタンを押した際の店内状況画像。
図6】店内状況画像の側端部に設けているカメラ操作部。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は一般的な売上登録機1を表している具体例であり、スーパーマーケットやコンビニなどの小売店では色々な売上登録機1が使われているが、型式や具体的な構造に関しては限定しない。
同図に示す売上登録機1は、表示画面2、キーボード3、レシートプリンター4、バーコードリーダ5を有している。そして、該売上登録機1には、その背面側にも補助表示画面6が、正面側表示画面2と対を成して設けている。
【0017】
図2は表示画面2に表示される2種類の画面を表し、(a)に示す画面は売上登録画面7を表し、(b)は店内状況画面8を表している。すなわち、売上登録画面7のコーナーに設けているカメラボタン10を操作することで、店内状況画面8を表示することが出来る。そして、店内状況画面8に設けた戻るボタンを押すならば、売上登録画面7に戻される。
【0018】
普通は、上記カメラボタン10を操作することで、店内状況画面8を表示するが、係員が一定時間内に次の新たな入力をしない場合には、該表示画面には店内に設置した監視カメラが映し出す店内の様子を自動的に表示することが出来るようにすることが出来る。
売上登録画面7には客が購入する商品を列記し、商品名、単価、数量、及び金額を表示し、合計金額を表示することが出来る。
【0019】
上記売上登録画面7に購入される商品を入力するには、バーコードリーダ5を用いて商品の包装紙に表示されているバーコードを読み取ることで、商品名、単価、数量、及び金額を表示することが出来る。バーコードを表示してない商品はキーボード3を操作して打ち込むことで、商品名、単価、数量、及び金額を表示する。
背面側に設けている補助表示画面6にも、購入商品の商品名、単価、数量、及び金額が表示され、客は該補助表示画面6を注視することが出来る。
【0020】
ところで、売上登録機1の係員は上記図2(a)に示す売上登録画面7を表示し、客が購入する各商品のバーコードをバーコードリーダ5を用いて読み取り、商品名と共に金額が表示される。
売上登録機1の表示画面2は売上登録画面7を表示しているが、客が途切れて売上登録機操作に余裕が出来た場合、係員は切り替えボタン(カメラボタン)を操作して(b)に示す店内状況画面8を表示することが出来る。
一方、係員が一定時間内に次の新たな入力をしない場合には、売り上げ登録画面7には監視カメラが映し出す店内の様子を自動的に表示することが出来るようにしている。
【0021】
店内状況画面8は、店内の主な場所を映し出しているが、店内の複数箇所にカメラが取付けられ、各カメラによって映し出す様子が該店内状況画面8から見ることが出来る。
図3はカメラ9,9・・・と売上登録機1とのネットワークを表している。個々のカメラ9,9・・・は店内の主な場所を映し出し、全てのカメラで店内全体が余すことなく映し出すことが出来るようにネットワークが構築されている。
同図には売上登録画面7とコーナー部に設けているカメラボタン10を表しており、普通は、カメラボタン10を操作することで店内状況画面8に切り替わる。
【0022】
図4は店内状況画面8を表していて、(a)は大きな店内状況画面8を表し、(b)は4台のカメラ9,9・・・にて映し出した4か所の店内状況画面8,8・・・を縮小した場合である。
(a)と(b)の画面はシングル/マルチボタンを操作することで切り替えることが出来る。店内状況画面8の上端部にはシングル/マルチボタンが設けられ、(a)に示すシングル画面と(b)に示すマルチ画面に切り換えられる。
【0023】
図5は店内状況画面8を表し、(a)は売上登録画面7からカメラボタン10を操作して店内状況画面8に変更した場合、(b)は画面の上端部に設けているシングル/マルチボタン11を表し、(c)はシングルボタンを押した場合の店内状況画面8、(d)はマルチボタンを押した際の4か所の店内状況画面8、8・・・を表している。
売上登録機1の係員は4か所の店内状況画面8、8・・・を同時に見ることが出来、この際、万引きらしき行為を目にした際には、大きなシングル画面に切り替えて万引の有無を確認することが出来る。
【0024】
図6は店内状況画面8の左側部に設けているカメラ操作部12である。該カメラ操作部12にはパン・チルトボタン13を有し、パン・チルトボタン13を操作するならばカメラを視点位置より左右/上下に首振りをすることが出来るように動作する。カメラ位置調整ボタン14はカメラの視点位置を調整することが出来る。
プリセットボタン15は、カメラの視点位置を予め設定しておき、該ボタンを押すならば即座にカメラの視点位置が切替る。例えば、売上登録機の横、売上登録機の後、ショーケースなどが即座に映るように切替る。
【0025】
画像更新間隔ボタン16は、動画/静止画の切り替えを行うことが出来、例えば、3秒、5秒、10秒、30秒、60秒間隔で切り替えることが出来る。
そして、解像度ボタン17が設けられ、解像度が大画面用と解像度が小画面用に切り替えることが出来る。
【符号の説明】
【0026】
1 売上登録機
2 表示画面
3 キーボード
4 レシートプリンター
5 バーコードリーダ
6 補助表示画面
7 売上登録画面
8 店内状況画面
9 カメラ
10 カメラボタン
11 シングル/マルチボタン
12 カメラ操作部
13 パン/チルトボタン
14 カメラ位置調整ボタン
15 プリセットボタン
16 画面更新間隔ボタン
17 解像度ボタン
























図1
図2
図3
図4
図5
図6