(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148095
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】コントローラ
(51)【国際特許分類】
H05K 7/14 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
H05K7/14 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049625
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】齋地 正義
【テーマコード(参考)】
5E348
【Fターム(参考)】
5E348AA03
5E348AA17
5E348AA32
5E348CC01
5E348CC08
5E348EH05
(57)【要約】
【課題】コントローラの小型化を図るとともに、外部接続用コネクタが配置される基板へのアクセスを容易にする。
【解決手段】コントローラ1は、外部接続用コネクタ11~17が設けられた通信基板3を収容する外装ケース2を有しており、外装ケース2は、外部接続用コネクタ11~17が配置される穴27が設けられたインターフェースパネル20と、インターフェースパネル20が着脱可能に固定されるケース本体21と、インターフェースパネル20に固定され、インターフェースパネル20と交差する第1方向Xに延びる基板固定パネル4を備える。通信基板3は、基板固定パネル4に固定される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部接続用コネクタが配置される基板と、
前記基板を収容するケースと、を有し、
前記ケースは、
前記外部接続用コネクタが配置される穴が設けられたインターフェースパネルと、
前記インターフェースパネルが着脱可能に固定されるケース本体と、
前記インターフェースパネルに固定され、前記インターフェースパネルと交差する第1方向に延びる基板固定パネルと、備え、
前記基板固定パネルに前記基板が固定されることを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
前記基板固定パネルは、前記基板と対向する開口部もしくは切欠き部を備えることを特徴とする請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記ケース本体は、
前記インターフェースパネルが固定されるケース開口部と、
前記ケース開口部の縁から前記第1方向に延びる外装パネルと、を備え、
前記外装パネルは、前記基板固定パネルを前記第1方向に案内する案内部を備えることを特徴とする請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記基板固定パネルは、前記第1方向に延びる被案内部を備え、
案内部は、前記被案内部に対して前記第1方向と交差する方向に接触することを特徴とする請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記基板固定パネルは、前記切欠き部を備え、
前記被案内部は、前記切欠き部の縁であり、
前記案内部は、前記切欠き部の内側に配置される凸部であることを特徴とする請求項4に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記基板は、前記インターフェースパネル側の端部とは異なる端部に配置される配線接続用コネクタを備えることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記基板固定パネルには、前記第1方向と交差し且つ前記インターフェースパネルに沿う方向にスペーサを介して積層される複数の前記基板が固定され、
前記複数の前記基板のそれぞれには、前記外部接続用コネクタが配置され、
前記インターフェースパネルには、前記複数の前記基板に配置される前記外部接続用コネクタのそれぞれに対応する位置に前記穴が設けられていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースの外面に外部接続用のコネクタが配置されるコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロボットを制御するコントローラが記載される。特許文献1のコントローラは、直方体状のケース本体の前面壁(インターフェースパネル)の内側に通信・制御系の基板が複数枚配置される。複数枚の基板は、取付ボスを介して一定間隔を保つように積層される。各基板の端部には外部接続用コネクタが配置される。外部接続用コネクタは、前面壁に形成された穴に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロボット制御用のコントローラの小型化を図る場合、外装ケースに収容される部品間の隙間が狭くなる。通信・制御系の基板の周囲のスペースが狭いと、基板に配置される電子素子やコネクタへのアクセスが困難になる。そのため、基板に配置されるコネクタと相手側コネクタとの接続作業が困難である。また、基板に配置される電子素子に対する検査やメンテナンスも困難である。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、コントローラの小型化を図るとともに、外部接続用コネクタが配置される基板へのアクセスを容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、外部接続用コネクタが配置される基板と、前記基板を収容するケースと、を有し、前記ケースは、前記外部接続用コネクタが配置される穴が設けられたインターフェースパネルと、前記インターフェースパネルが着脱可能に固定されるケース本体と、前記インターフェースパネルに固定され、前記インターフェースパネルと交差する第1方向に延びる基板固定パネルと、備え、前記基板固定パネルに前記基板が固定されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、外部接続用コネクタが配置される基板は、ケース本体とは別体の基板固定パネルに固定され、基板固定パネルはインターフェースパネルに固定される。これにより、外部接続用コネクタが配置される基板、基板固定パネル、およびインターフェースパネルをユニット化して、ケース本体に着脱可能な基板ユニットとして取り扱うことができる。従って、インターフェースパネルをケース本体から取り外すだけで、基板をケース本体の外側に向かって容易に移動させることができる。従って、基板上の電子素子や配線接続用コネクタへのアクセスが容易になる。よって、基板上の電子素子、コネクタ等に対する配線作業やメンテナンスが容易となることで、基板を外部へ取り出すことも容易である。また、基板をケース本体の内部に収納した状態では、基板の周囲に作業用のスペースを確保する必要がない。従って、コントローラを小型化できる。
【0008】
本発明において、前記基板固定パネルは、前記基板と対向する開口部もしくは切欠き部を備えることが好ましい。このようにすると、基板固定パネルに基板を固定した状態のままで、基板上の電子素子や配線パターンに対して開口部もしくは切欠き部を通してアクセ
スでき、製品検査やメンテナンスを行うことができる。
【0009】
本発明において、前記ケース本体は、前記インターフェースパネルが固定されるケース開口部と、前記ケース開口部の縁から前記第1方向に延びる外装パネルと、を備え、前記外装パネルは、前記基板固定パネルを前記第1方向に案内する案内部を備えることが好ましい。このようにすると、インターフェースパネルをケース本体に着脱するときに、基板固定パネルを案内部によってガイドすることができる。従って、インターフェースパネルおよび基板の着脱作業および位置決め作業が容易である。
【0010】
本発明において、前記基板固定パネルは、前記第1方向に延びる被案内部を備え、前記案内部は、前記被案内部に対して前記第1方向と交差する方向に接触することが好ましい。例えば、前記基板固定パネルが前記切欠き部を備える場合には、前記被案内部は、前記切欠き部の縁であり、前記案内部は、前記切欠き部の内側に配置される凸部であることが好ましい。このようにすると、インターフェースパネルおよび基板の着脱作業および位置決め作業が容易である。また、第1基板にアクセスするための切欠き部の縁を被案内部として利用することができる。従って、基板固定パネルを簡単な構造にすることができる。
【0011】
本発明において、前記基板は、前記インターフェースパネル側の端部とは異なる端部に配置される配線接続用コネクタを備えることが好ましい。このようにすると、インターフェースパネルをケース本体に取り付けた状態では、配線接続用コネクタの周囲に相手側コネクタとの着脱のための作業空間を確保する必要がない。従って、コントローラを小型化できる。
【0012】
本発明において、前記基板固定パネルには、前記第1方向と交差し且つ前記インターフェースパネルに沿う方向にスペーサを介して積層される複数の前記基板が固定され、前記複数の前記基板のそれぞれには、前記外部接続用コネクタが配置され、前記インターフェースパネルには、前記複数の前記基板に配置される前記外部接続用コネクタのそれぞれに対応する位置に前記穴が設けられていることが好ましい。このようにすると、複数の基板を積層してユニット化できるので、インターフェースパネルに対する複数の基板の位置決めが容易である。また、基板を集約して配置できるので、スペース効率を高めることができる。また、それぞれの基板に配置される電子素子やコネクタに対するアクセスを容易にすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部接続用コネクタが配置される基板は、ケース本体とは別体の基板固定パネルに固定され、基板固定パネルはインターフェースパネルに固定される。これにより、外部接続用コネクタが配置される基板、基板固定パネル、およびインターフェースパネルをユニット化して、ケース本体に着脱可能な基板ユニットとして取り扱うことができる。従って、インターフェースパネルをケース本体から取り外すだけで、基板をケース本体の外側に向かって容易に移動させることができる。従って、基板上の電子素子や配線接続用コネクタへのアクセスが容易になる。よって、基板上の電子素子、コネクタ等に対する配線作業やメンテナンスが容易となることで、基板を外部へ取り出すことも容易である。また、基板をケース本体の内部に収納した状態では、基板の周囲に作業用のスペースを確保する必要がない。従って、コントローラを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明を適用したコントローラの一部を省略した斜視図である。
【
図2】インターフェースパネル、基板固定パネル、および基板を組み立てた通信基板ユニットをケース本体から取り外した状態を示す斜視図である。
【
図5】通信基板ユニットに対する配線接続方法の説明図である。
【
図6】
図1のコントローラの部分断面図(
図5(a)のA-A位置で切断した断面図)およびその部分拡大図である。
【
図7】ケース本体に設けられた案内部と基板固定パネルに設けられた被案内部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したコントローラ1の実施形態を説明する。コントローラ1は、例えば、モータなどのアクチュエータを備えるロボットに電力を供給する装置である。なお、コントローラ1は、他の用途に使用する装置でもよく、本発明は、コネクタを介して他装置との間で通信あるいは電力の供給を行う装置全般に適用することができる。
【0016】
図1は本発明を適用したコントローラ1の一部を省略した斜視図である。
図2はインターフェースパネル20、基板固定パネル4、および通信基板3を組み立てた通信基板ユニット5をケース本体から取り外した状態を示す斜視図である。本明細書において、XYZの3方向は互いに直交する方向である。本明細書では、便宜的に第3方向Zをコントローラ1の上下方向とする。Z1方向は上方であり、Z2方向は下方である。第1方向Xはコントローラ1の前後方向である。X1方向は前方であり、X2方向は後方である。第2方向Yはコントローラ1の幅方向である。Y1方向とY2方向は、第2方向Yの一方側と他方側である。なお、実際のコントローラ1の使用態様では、第3方向Zが上下方向(鉛直方向)と一致していなくてもよい。
【0017】
(全体構成)
図1に示すように、コントローラ1は、金属製の外装ケース2を備える。外装ケース2は直方体状である。外装ケース2は、X1方向の面に配置されるインターフェースパネル20と、インターフェースパネル20を着脱可能なケース本体21を備える。ケース本体21は、枠状のフレーム22と、フレーム22に固定される外装パネルを備える。ここで、
図1では、外装パネルの一部を取り外した状態を示しており、X2方向の面を構成する背面板23と、Y1方向の面を構成する側板24と、Z2方向の面を構成する底板25がフレーム22に取り付けられた状態を示す。
【0018】
図2に示すように、ケース本体21は、インターフェースパネル20を着脱可能なケース開口部26を備える。ケース開口部26は、X1方向に開口する。ケース開口部26は、Z2側を底板25によって囲まれ、Z1側、Y1側、およびY2側をフレーム22によって囲まれる矩形の開口部である。フレーム22は、底板25のX1側の端縁25aと第3方向Zに対向し第2方向Yに延びる第1フレーム22aと、第1フレーム22aのY2側の端部からZ2方向に延びて底板25に接続される第2フレーム22bと、第1フレーム22aの第2方向Yの略中央からZ2方向に延びて底板25に接続される第3フレーム22cを備える。インターフェースパネル20は、4隅が第1フレーム22a、第2フレーム22b、および第2フレーム22cにねじ止めされることにより、ケース本体21に固定される。
【0019】
図1に示すように、コントローラ1は、外装ケース2の底板25とインターフェースパネル20とが交差する角部に配置される通信基板3を備える。
図2に示すように、通信基板3は、基板固定パネル4を介してインターフェースパネル20に固定されており、インターフェースパネル20と一体になってケース本体21に着脱される。すなわち、本形態では、通信基板3、基板固定パネル4、およびインターフェースパネル20は、ケース本体21に対して着脱可能な通信基板ユニット5を構成している。インターフェースパネル
20には、複数の穴27が形成されており、各穴27には、通信基板3のX1側の縁に配置される外部接続用コネクタ11~17、および電子素子18、19のいずれかが配置される。
【0020】
(通信基板ユニット)
図3は、通信基板ユニット5の斜視図である。
図4は、通信基板ユニット5の分解斜視図である。通信基板ユニット5は、第3方向Zに積層される3枚の通信基板3を備える。3枚の通信基板3は、基板固定パネル4のZ1側に積層される。
図4に示すように、基板固定パネル4は、矩形の板部40と、板部40からZ1側に突出する孔付きピン41と、板部40のX1側の端縁の第2方向Yの両端からZ1方向へ屈曲した固定部42を備えており、インターフェースパネル20は、固定部42にねじ止めされる。
【0021】
3枚の通信基板3は、基板固定パネル4の孔付きピン41にZ1側から当接する第1基板31と、孔付きのスペーサ34を介して第1基板31にZ1側から当接する第2基板32と、孔付きのスペーサ34を介して第2基板32にZ1側から当接する第3基板33である。各基板に設けられた孔とスペーサ34の孔にねじ(図示省略)を通し、ねじの先端部を孔付きピン41にねじ止めすることにより、基板固定パネル4に3枚の通信基板3が固定される。
【0022】
通信基板3に配置される電子素子は、第1基板31のX1側の端縁に配置される外部接続用コネクタ11、12と、第2基板32のX1側の端縁に配置される外部接続用コネクタ13、14、15と、第3基板33のX1側の端縁に配置される外部接続用コネクタ16、17を含む。また、通信基板3に配置される電子素子は、第1基板31のX1側の端縁に配置される表示用の電子素子18、および、第3基板31のX1側の端縁に配置される表示用の電子素子19を含む。インターフェースパネル20は、これらの外部接続用コネクタ11~17、および、電子素子18、19のそれぞれに対応する位置に穴27が形成されている。
【0023】
図5は、通信基板ユニット5に対する配線接続方法の説明図であり、ケース本体21のX1側の端部と通信基板ユニット5をZ2側から見た側面図である。
図5(a)は、通信基板ユニット5をケース本体21に固定した状態を示し、
図5(b)は、配線接続用コネクタ10への着脱が可能な位置まで通信基板ユニット5を移動させた状態を示す。
図3に示すように、第1基板31のX2側の縁は、第2基板32および第3基板33のX2側の縁よりもX2側に延びている。
図4に示すように、第1基板31のX2側の縁には、複数の配線接続用コネクタ10が配置される。本形態では、配線接続用コネクタ10として、配線接続用コネクタ10a、10b、10c、10d、10eが配置される。
【0024】
図5(a)に示すように、第1基板31のX2側には、大型の電子部品6を搭載した基板が配置される。コントローラ1では、小型化のために第1基板31のX2側の端部に配置される配線接続用コネクタ10と電子部品6との隙間は狭く設定されている。従って、
図5(a)に示す配置状態では、相手側コネクタ7を配線接続用コネクタ10に着脱する作業が困難である。
【0025】
しかしながら、本形態では、
図5(b)に示すように、インターフェースパネル20をケース本体21から取り外して、通信基板ユニット5をX1側へ移動させることができる。これにより、インターフェースパネル20と共に3枚の通信基板3がケース本体21の外側に向かって移動するので、配線接続用コネクタ10と電子部品6との隙間が広くなり、配線接続用コネクタ10へのアクセスが容易になる。従って、相手側コネクタ7と配線接続用コネクタ10との着脱作業を容易に行うことができる。また、相手側コネクタ7の着脱が容易になることで、通信基板3をケース本体21の外部へ取り出すことも容易にな
る。
【0026】
図4に示すように、基板固定パネル4は、板部40のX2方向の縁からX1方向へ切り欠いた矩形の切欠き部43を備える。
図2に示すように、切欠き部43は、第1基板31の基板面に対向する。従って、切欠き部43は、第1基板31の基板面に配置される電子素子や配線パターンと対向するので、基板固定パネル4に第1基板31を取り付けたままの状態で、切欠き部43から第1基板31上の電子素子や配線パターンにアクセスすることができる。
【0027】
図6は、
図1のコントローラ1の部分断面図(
図5(a)のA-A位置で切断した断面図)およびその部分拡大図である。
図7は、ケース本体21に設けられた案内部と基板固定パネル4に設けられた被案内部の説明図であり、底板25、基板固定パネル4、およびインターフェースパネル20をZ1方向から見た図である。通信基板ユニット5をケース本体21に着脱するとき、基板固定パネル4は、底板25のZ1側の表面に沿って第1方向Xにスライドする。ケース本体21に対するインターフェースパネル20の固定が完了した状態では、
図6に示すように、基板固定パネル4は、底板25のZ1側の表面に当接している。
【0028】
図7に示すように、基板固定パネル4に設けられた切欠き部43の内縁は、X方向に平行に延びる縁44、45を備えている。
図6に示すように、底板25は、Z1側へ突出する凸部46を備えている。凸部46は、第2方向Yに離間した2か所に配置される。通信基板ユニット5をケース本体21に着脱するときに、基板固定パネル4に設けられた切欠き部43の第2方向Yの縁44,45にそれぞれ凸部46が接触する。従って、基板固定パネル4は、凸部46によってガイドされながら第1方向Xに移動する。つまり、底板25に設けられた凸部46は、基板固定パネル4を案内する案内部であり、切欠き部43の第2方向Yの縁44、45は、凸部46に対して第1方向Xと交差する方向に接触する被案内部である。すなわち、凸部46と縁44,45は、通信基板ユニット5の着脱時に基板固定パネル4をガイドするガイド機構を構成している。
【0029】
(本形態の主な効果)
以上のように、本形態のコントローラ1は、外部接続用コネクタ11~17が設けられた通信基板3を収容する外装ケース2を有しており、外装ケース2は、外部接続用コネクタ11~17が配置される穴27が設けられたインターフェースパネル20と、インターフェースパネル20が着脱可能に固定されるケース本体21と、インターフェースパネル20に固定され、インターフェースパネル20と交差する第1方向Xに延びる基板固定パネル4を備える。通信基板3は、基板固定パネル4に固定される。
【0030】
本形態では、通信基板3、基板固定パネル4、およびインターフェースパネル20を、ケース本体21に着脱可能な通信基板ユニット5として取り扱う。これにより、インターフェースパネル20をケース本体21から取り外すだけで、通信基板3をケース本体21の外部へ容易に取り出すことができる。従って、通信基板3上の電子素子や配線接続用コネクタ10へのアクセスが容易である。よって、通信基板3上の電子素子、コネクタ等に対する配線作業やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0031】
このように、通信基板3をケース本体21の外部に容易に取り出せる構成にしたことで、ケース本体21の内部では、通信基板3の周囲に作業用のスペースを広く確保する必要がない。例えば、本形態では、通信基板3は、インターフェースパネル20側の端部(X1側の端部)とは異なる端部(X2側の端部)に配置される配線接続用コネクタ10を備えているが、
図5(b)に示すように、通信基板3をケース本体21の外側(X1側)に向かって移動させて、配線接続用コネクタ10へのアクセスを容易にした状態で、相手側
コネクタ7との接続作業を行うことができる。従って、
図5(a)に示すように、隣り合う電子部品6との隙間を狭くすることができ、隣り合う電子部品6との間に作業空間を広く確保する必要がない。よって、コントローラ1を小型化できる。
【0032】
本形態の基板固定パネル4は、通信基板3と対向する切欠き部43を備える。このようにすると、基板固定パネル4に通信基板3を固定したままで、通信基板3上の電子素子や配線パターンに対して切欠き部43を通してアクセスできる。従って、通信基板ユニット5を分解する必要がなく、基板固定パネル4に通信基板3を固定した状態のままで、製品検査やメンテナンスを行うことができる。なお、切欠き部43でなく、通信基板3と対向する開口部を基板固定パネル4に設けてもよい。この場合も、通信基板3上の素子に対して開口部を通してアクセスできるため、同様の作用効果が得られる。
【0033】
本形態では、ケース本体21は、インターフェースパネル20が固定されるケース開口部26と、ケース開口部26のZ2側の縁から第1方向Xに延びる外装パネルである底板25を備えており、底板25は、基板固定パネル4を第1方向Xに案内する案内部である凸部46を備えている。底板25に凸部46(案内部)を形成することにより、インターフェースパネル20をケース本体21に着脱するときに、基板固定パネル4の挿入を凸部46(案内部)によってガイドすることができる。よって、インターフェースパネル20および通信基板3の着脱作業および位置決め作業が容易である。
【0034】
本形態では、基板固定パネル4が切欠き部43を備えており、切欠き部43は、第1方向Xに延びる被案内部である縁44、45を備えている。底板25に設けられた凸部46(案内部)は、切欠き部43の内側に配置され、縁44、45のそれぞれに対して第2方向Y(第1方向Xと交差する方向)に接触する位置に配置される。従って、インターフェースパネル20をケース本体21に着脱するときには、縁44、45に沿って凸部46をスライドさせて、基板固定パネル4の挿入をガイドすることができる。従って、インターフェースパネル20の着脱作業および位置決め作業が容易である。このように、第1基板31の基板面へのアクセスを容易にするための切欠き部43の縁44、45をガイド機構の被案内部として利用することにより、基板固定パネル4を簡単な構造にすることができる。
【0035】
なお、基板固定パネル4をガイドするガイド機構は、底板25に設けられた凸部46と、基板固定パネル4に設けられた切欠き部43の縁44、45以外の構成であってもよい。例えば、基板固定パネル4に形成する被案内部は、第1方向Xに延びるリブ、溝、スリット等であってもよい。また、基板固定パネル4に凸部を形成し、底板25に第1方向Xに延びるリブ、溝、スリット等を設けてもよい。
【0036】
本形態では、基板固定パネル4には、第1方向Xと交差し且つインターフェースパネル20に沿う第2方向にスペーサ34を介して積層される複数の通信基板3が固定されている。複数の通信基板3のそれぞれには、外部接続用コネクタ11~17のうちのいずれかが配置され、インターフェースパネル20には、外部接続用コネクタ11~17のそれぞれに対応する位置に穴27が設けられている。このように、複数の通信基板3を積層して配置すると、スペース効率を高めることができるため、コントローラ1を小型化できる。また、複数の通信基板3をユニット化してケース本体21に対して着脱可能にすることにより、それぞれの通信基板3に配置される電子素子やコネクタに対するアクセスを容易にすることができる。
【符号の説明】
【0037】
1…コントローラ、2…外装ケース、3…通信基板、4…基板固定パネル、5…通信基板ユニット、6…電子部品、7…相手側コネクタ、10、10a、10b、10c、10d
、10e…配線接続用コネクタ、11、12、13、14、15、16、17…外部接続用コネクタ、18、19…電子素子、20…インターフェースパネル、21…ケース本体、22…フレーム、22a…第1フレーム、22b…第2フレーム、22c…第3フレーム、23…背面板、24…側板、25…底板、25a…端縁、26…ケース開口部、27…穴、31…第1基板、32…第2基板、33…第3基板、34…スペーサ、40…板部、41…孔付きピン、42…固定部、43…切欠き部、44、45…切欠き部の縁、46…凸部