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  • 特開-入力装置およびプログラム 図1
  • 特開-入力装置およびプログラム 図2
  • 特開-入力装置およびプログラム 図3
  • 特開-入力装置およびプログラム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148102
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】入力装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/027 20060101AFI20220929BHJP
   B62D 1/08 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B60R16/027 T
B62D1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049639
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】新家 多佳朗
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 正根
(72)【発明者】
【氏名】妻鹿 晋
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DB13
3D030DB16
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性をより向上させることが可能な、新規かつ改良された入力装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】移動体に搭載される入力装置であって、操作表示装置に表示され得る複数の機能のうち、ユーザにより選択された1の機能に対応する動作の変更に関する操作を受け付ける入力部、を備える、入力装置が提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される入力装置であって、
操作表示装置に表示され得る複数の機能のうち、ユーザにより選択された1の機能に対応する動作の変更に関する操作を受け付ける入力部、
を備える、入力装置。
【請求項2】
前記入力部は、
前記機能に対応する動作の変更に関する操作として、前記機能に対応するモードまたは度合いの変更に関する操作を受け付ける、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記入力部は、
ユーザの操作に応じて操作表示装置により表示された1の機能の変更に関する操作を受け付ける、
請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記入力部は、
前記機能に対応する動作の変更に関する操作として、前記移動体の所定の動作に対応する出力装置に対する制御量の変更に関する操作を受け付ける、
請求項1から請求項3までのうちいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記移動体の運転席から所定の範囲に搭載される、
請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記移動体のステアリングに付随して搭載される、
請求項5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記機能に対応する動作の変更は、前記移動体の運転操作に対する反応モードの変更、照明装置における点灯方式の変更または電動機の動作方式の変更のうち少なくともいずれか一つを含む、
請求項4から請求項6までのうちいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項8】
前記操作表示装置は、
前記移動体のステアリングに付随し、前記入力装置と異なる位置に搭載される、
請求項6または請求項7に記載の入力装置。
【請求項9】
コンピュータに、
操作表示装置に表示され得る複数の機能のうち、ユーザにより選択された1の機能に対応する動作の変更に関する操作を入力装置に受け付けさせる制御機能、
を実現させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば車両などの移動体が有する複数の機能に関し、当該移動体に搭載されるスイッチを用いて各機能の動作の変更に関する操作を受け付ける技術が開発されている。例えば、特許文献1では、ステアリング上に配置されるステアリングスイッチを用いて移動体が有する機能の動作を変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-67194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、移動体が有する機能の多機能化に伴い、各機能に対応するスイッチの数量が増加された場合、ユーザは、ユーザが利用したい機能に対応するスイッチを選択することが困難になり得る。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの利便性をより向上させることが可能な、新規かつ改良された入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、移動体に搭載される入力装置であって、操作表示装置に表示され得る複数の機能のうち、ユーザにより選択された1の機能に対応する動作の変更に関する操作を受け付ける入力部、を備える、入力装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、操作表示装置に表示され得る複数の機能のうち、ユーザにより選択された1の機能に対応する動作の変更に関する操作を入力装置に受け付けさせる制御機能、を実現させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの利便性をより向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る車両Vの構成例を示すブロック図である。
図2】ステアリングSの概要を説明するための説明図である。
図3】本実施形態に係るディスプレイ10の具体例を説明するための説明図である。
図4】本実施形態に係る入力装置20の具体例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
<1.車両構成例>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る車両Vの概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る車両Vの構成例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る車両Vは、ステアリングSと、ディスプレイ10と、入力装置20と、被制御装置Oとを備える。
【0013】
車両Vは、移動体の一例であり、例えば、ユーザが乗車を許諾された車両(例えば、ユーザが所有する車両や、ユーザに一時的に貸与された車両)である。なお、本実施形態に係る移動体は、車両Vだけでなく、航空機または船舶等も含まれる。
【0014】
(ステアリングS)
ステアリングSは、車両Vの進行方向をユーザの操作に応じて変更する操舵装置である。
【0015】
(ディスプレイ10)
ディスプレイ10は、操作表示装置の一例であり、車両Vの動作に関する複数の機能を表示する。図1に示すように、本実施形態に係るディスプレイ10は、操作表示部110と、制御部120と、通信部130とを備える。
【0016】
ディスプレイ10は、例えば、車両Vの運転席から所定の範囲に配置されてもよい。例えば、ディスプレイ10は、運転席に座るユーザの手の届く範囲に搭載されてもよい。より具体的には、ディスプレイ10は、車両VのステアリングSに付随し、後述する入力装置20と異なる位置に配置されてもよい。ディスプレイ10と入力装置20の配置に係る具体例は後述する。
【0017】
操作表示部110は、制御部120の制御に従い、複数の機能を表示する表示部としての機能を有する。例えば、操作表示部110は、制御部120の制御に従い、複数の機能のうち一の機能を表示する。
【0018】
また、操作表示部110は、ユーザの操作に応じて表示を切り替える操作部としての機能を有する。
【0019】
操作表示部110の機能は、例えば有機EL(Electro Luminescence)またはLCD(Liquid Crystal Display)装置などのディスプレイにより実現される。
【0020】
なお、本明細書では、操作表示部110を、表示部および操作部としての機能を一体化した構成である一例を説明するが、操作表示部110は、表示部および操作部としての機能を分離して構成されてもよい。
【0021】
また、操作表示部110の操作部としての機能は、音声認識により実現されてもよい。
【0022】
制御部120は、ディスプレイ10の動作全般に係る制御を行う。例えば、制御部120は、操作表示部110による機能の表示を制御する。また、制御部120は、通信部130による通信を制御する。
【0023】
通信部130は、制御部120の制御に従い、入力装置20が備える通信部210との間で各種通信を行う。例えば、通信部130は、ユーザの操作に応じて選択された機能の情報を入力装置20が備える通信部210に送信する。
【0024】
なお、通信部130および通信部210の通信方式は、例えば、LIN(Local Interconnect Network)やCAN(controller Area Network)等の通信方式であってもよいが、本実施形態に係る通信方式は係る例に限定されない。例えば、通信部130および通信部210の通信方式は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。
【0025】
(入力装置20)
入力装置20は、ディスプレイ10においてユーザにより選択された1の機能に対応する動作の変更に関する操作を受け付ける。図1に示すように、入力装置20は、通信部210と、制御部220と、操作部230とを備える。
【0026】
入力装置20は、車両Vの運転席から所定の範囲に搭載される。例えば、入力装置20は、運転席に座るユーザの手の届く範囲に搭載されてもよい。より具体的には、入力装置20は、車両Vのステアリングに付随して搭載される。
【0027】
通信部210は、制御部220の制御に従い、ディスプレイ10が備える通信部130との間で各種通信を行う。例えば、通信部210は、ユーザの操作に応じて選択された1の機能に関する情報をディスプレイ10が備える通信部130から受信する。
【0028】
また、通信部210は、制御部220の制御に従い、操作部230により選択された動作の変更に関する情報を被制御装置Oに送信する。
【0029】
また、通信部210は、制御部220の制御に従い、操作部230により選択された動作の変更に関する情報を車両Vの動作全般を制御する制御装置に送信してもよい。この場合、当該制御装置が各被制御装置に動作の変更に関する制御を実行する。
【0030】
制御部220は、入力装置20の動作全般に係る制御を行う。例えば、制御部220は、操作部230により選択された動作の変更に関する情報を通信部210に送信させる。
【0031】
操作部230は、入力部の一例であり、ディスプレイ10においてユーザにより選択された1の機能に対応する動作の変更に関する操作を受け付ける。本実施形態に係る動作の変更に関する操作の詳細は後述する。
【0032】
なお、入力装置20は、操作部230に代えて操作表示部を備えてもよい。これにより、入力装置20に含まれる各種機能および操作方法に対し、より多種多様な設定を実現し得る。
(被制御装置O)
被制御装置Oは、出力装置の一例であり、車両Vに搭載される各種装置である。例えば、被制御装置Oは、車両Vに搭載される空調装置や、スピーカなどを含む。
【0033】
以上、本実施形態に係る車両Vの構成例について説明した。続いて、図2図4を参照し、本実施形態に係る詳細を説明する。
【0034】
<2.詳細>
図2は、ステアリングSの概要を説明するための説明図である。図2に示すように、ディスプレイ10および入力装置20は、それぞれステアリングS上に配置されてもよい。これにより、車両Vの運転席に座るユーザの操作性を向上し得る。
【0035】
例えば、図2に示すように、車両Vが直進するステアリングの回転位置を基準とした場合、ディスプレイ10は、ステアリングS上でユーザの左手側に配置され、入力装置20はステアリングS上でユーザの右手側に配置されてもよい。もちろん、ディスプレイ10および入力装置20の配置は逆であってもよい。
【0036】
なお、本明細書では、ディスプレイ10および入力装置20は、ステアリングS上にそれぞれ配置される一例を説明するが、ディスプレイ10および入力装置20の配置は係る例に限定されない。例えば、ディスプレイ10および入力装置20は、ステアリングに付随する各種位置に配置されてもよい。
【0037】
以上、本実施形態に係るステアリングSの概要を説明した。続いて、図3を参照し、本実施形態に係るディスプレイ10の具体例を説明する。
【0038】
図3は、本実施形態に係るディスプレイ10の具体例を説明するための説明図である。ディスプレイ10は、図3に示すように、機能タブFと、表示変更左ボタンLと、表示変更右ボタンRと、ホームボタンHとを含んでいてもよい。
【0039】
機能タブFは、複数の機能のうち、一の機能を表示するタブである。表示変更左ボタンLおよび表示変更右ボタンRは、機能タブFに表示する機能を変更するボタンである。
【0040】
例えば、ユーザが表示変更右ボタンRを選択することにより、機能タブFに表示される機能が次(または前)の機能に切り替わる。また、ユーザが表示変更左ボタンLを選択することにより、機能タブFに表示される機能を前(または次)の機能に変更する。
【0041】
また、ユーザがホームボタンHを選択することにより、機能タブFに表示される機能がある基準となる機能に切り替わる。ただし、ユーザがホームボタンHを選択した際の動作の一例であり、本実施形態に係るホームボタンHは係る例に限定されない。例えば、ユーザがホームボタンHを選択することにより、ユーザの選択した機能が選択解除されてもよい。
【0042】
なお、図3に示すディスプレイ10の表示は一例であり、本実施形態に係るディスプレイ10の表示は係る例に限定されない。例えば、ディスプレイ10は、機能タブFが複数あってもよいし、ホームボタンHを含んでいなくてもよい。
【0043】
また、本実施形態に係るディスプレイ10の表示は、機能タブFのみを表示してもよい。この場合、例えば操作表示部110は、ユーザによる音声操作またはフリップ操作により機能タブFに含まれる機能の表示を切り替えてもよい。
【0044】
また、通信部130は、例えばOTA(Over the air)を用いて、機能タブFに含まれる複数の機能の種類やディスプレイ上の配置を変更してもよい。これにより、ディスプレイ10は、ソフトウェアの更新により、追加の機能を機能タブFに追加できる。また、ディスプレイ10は、ユーザが使用する頻度がより高い機能を表示することができ、よりユーザの利便性を向上し得る。
【0045】
また、ディスプレイ10は、アニメーションなどを表示してもよい。これによりエンタテイメント性や認知性を向上し得る。
【0046】
以上、本実施形態に係るディスプレイ10の具体例を説明した。続いて、図4を参照し、ユーザにより1の機能が選択された際における入力装置20の各種操作について説明する。
【0047】
図4は、本実施形態に係る入力装置20の具体例を説明するための説明図である。図4に示すように入力装置20は、上ボタンUと、下ボタンDと、決定ボタンEとを含んでいてもよい。
【0048】
上ボタンUおよび下ボタンDは、ディスプレイ10上でユーザにより選択された1の機能のモードまたは度合の変更に関する操作を行うためのボタンである。より具体的には、上ボタンUおよび下ボタンDは、車両Vの所定の動作に対応する被制御装置Oに対する制御量の変更に関する操作を行うためのボタンである。
【0049】
例えば、ディスプレイ10上でユーザにより車載スピーカの音量変更に関する機能が選択された場合、ユーザは上ボタンUおよび下ボタンDを用いて、車載スピーカの音量を変更する。例えば、ユーザが上ボタンUを押した際に、車載スピーカの音量が上がり、ユーザが下ボタンDを選択した際に、車載スピーカの音量が下がってもよい。
【0050】
また、ディスプレイ10上でユーザにより車両Vの運転操作に対する反応モードの変更が選択された場合、ユーザは上ボタンUおよび下ボタンDを用いて、複数ある反応モードを切り替えることが可能である。
【0051】
また、ディスプレイ10上でユーザにより車両Vの運転操作に対する反応モードの変更が選択された場合、ユーザは上ボタンUおよび下ボタンDを用いて、複数ある反応モードを切り替えることが可能である。
【0052】
また、ディスプレイ10上でユーザにより車両Vの照明装置(例えば、前照灯)における点灯方式の変更が選択された場合、ユーザは上ボタンUおよび下ボタンDを用いて、当該照明装置における点灯方式を切り替えることが可能である。
【0053】
また、ディスプレイ10上でユーザにより車両Vの電動機(例えば、ワイパー)の動作方式(例えば、スピードや間隔など)の変更が選択された場合、ユーザは上ボタンUおよび下ボタンDを用いて、当該電動機における動作方式を切り替えることが可能である。
【0054】
決定ボタンEは、ディスプレイ10上に表示されている機能を選択するためのボタンである。
【0055】
図4に示す入力装置20に含まれる各種ボタンは本実施形態に係る一例であり、本実施形態に係るボタンは係る例に限定されない。例えば入力装置20は、決定ボタンEを含んでいなくてもよい。例えば、ディスプレイ10上で機能タブFを選択することにより、決定ボタンEが選択された際の機能が実現されてもよい。
【0056】
以上説明した本実施形態に係るディスプレイ10および入力装置20による操作によれば、直感的な操作が可能になり、よりユーザの利便性を向上し得る。
【0057】
また、ディスプレイ10と入力装置20とをそれぞれ分けて配置することにより、ユーザによる誤操作の可能性を低減し得る。
【0058】
また、本実施形態に係るディスプレイ10および入力装置20による操作によれば、複数の機能の各々に対応するボタンをそれぞれ車両Vに配置する必要がなくなり、ユーザによる視認性を向上し得る。
【0059】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
例えば、本発明書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、およびソフトウェアとハードウェアとの組み合わせのいずれかを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部または外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0061】
V:車両、S:ステアリング、10:ディスプレイ、110:操作表示部、120:制御部、130:通信部、20:入力装置、210:通信部、220:制御部、230:操作部、O:被制御装置
図1
図2
図3
図4