(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148115
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】犯罪防止装置及び犯罪防止方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20220929BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20220929BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20220929BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20220929BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20220929BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
G08B25/04 E
G08G1/123 A
G08B25/00 510M
G08B25/04 C
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049661
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】高見 真季
(72)【発明者】
【氏名】須山 明昇
(72)【発明者】
【氏名】加庭 輝明
(72)【発明者】
【氏名】榎本 良視
【テーマコード(参考)】
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C087AA03
5C087DD05
5C087DD14
5C087DD31
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG70
5C087GG83
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181LL09
5H181MA41
5H181MC19
(57)【要約】
【課題】移動体を利用してより効果的に防犯することができる犯罪防止装置及び犯罪防止方法を提供する。
【解決手段】歩行者検出部は、車両から送信された撮像画像を受信し、撮像画像から歩行者を検出する。歩行者属性推定部は、撮像画像から歩行者の属性を推定する。歩行者進行領域推定部は、撮像画像に基づき歩行者が歩行する歩行者進行領域を推定する。車両往来量算出部は、歩行者進行領域内の車両往来量を算出する。危険度算出部は、歩行者の属性と歩行者進行領域内の車両往来量に基づいて、歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出する。巡回指令部は、危険度が予め設定された閾値より高い場合に、歩行者進行領域の巡回を指令する巡回指令を移動体へ送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から送信された撮像画像を受信し、前記撮像画像から歩行者を検出する歩行者検出部と、
前記撮像画像から前記歩行者の属性を推定する歩行者属性推定部と、
前記撮像画像に基づき前記歩行者が歩行する歩行者進行領域を推定する歩行者進行領域推定部と、
前記歩行者進行領域内の車両往来量を算出する車両往来量算出部と、
前記歩行者の属性と前記歩行者進行領域内の車両往来量に基づいて、前記歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出する危険度算出部と、
前記危険度が予め設定された閾値より高い場合に、前記歩行者進行領域の巡回を指令する巡回指令を移動体へ送信する巡回指令部と、
を備える犯罪防止装置。
【請求項2】
前記車両往来量算出部は、前記歩行者進行領域を複数の領域に分割し、分割された前記歩行者進行領域の各々の領域内の車両往来量をさらに算出し、
前記巡回指令部は、前記危険度が予め設定された前記閾値より高い場合に、分割された前記歩行者進行領域の各々の領域内の車両往来量に応じて、前記移動体に、分割された前記歩行者進行領域の各々の巡回を指令する巡回指令を送信する
請求項1に記載の犯罪防止装置。
【請求項3】
前記巡回指令部は、前記歩行者の属性に対応して予め設定された犯罪の種類に基づき、前記巡回指令を送信する前記移動体の種類を決定する
請求項1又は2に記載の犯罪防止装置。
【請求項4】
前記巡回指令部は、前記歩行者の属性に対応して予め設定された犯罪の種類に基づき、前記巡回指令を送信する前記移動体の数を決定する
請求項1又は2に記載の犯罪防止装置。
【請求項5】
車両から送信された撮像画像を受信し、
前記撮像画像から歩行者を検出し、
前記撮像画像から前記歩行者の属性を推定し、
前記撮像画像に基づき前記歩行者が歩行する歩行者進行領域を推定し、
前記歩行者進行領域内の車両往来量を算出し、
前記歩行者の属性と前記歩行者進行領域内の車両往来量に基づいて、前記歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出し、
前記危険度が予め設定された閾値より高い場合に、前記歩行者進行領域の巡回を指令する巡回指令を移動体へ送信する
犯罪防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犯罪防止装置及び犯罪防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、運行指令に基づいて自動で巡回する複数の移動体の外部の情報を取得し、同じ地域を移動した移動体の各々により取得される情報に基づいて、地域毎の巡回指令を決定し、決定された地域の巡回方針に応じて運行指令を生成する自動運転システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている自動運転システムは、外部の情報として人の数を取得し、人の数が少ない地域は多い地域よりも巡回頻度が高くなるように巡回方針を決定する。しかしながら、巡回方針を決定する際に、人の属性や、車両の往来量(以下、車両往来量という)を考慮していない。このため、子供又は高齢者などのより犯罪に巻き込まれる可能性が高い人が、車両往来量が少ない場所を歩行しているような、歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度が高い状況を検出し、そのような状況を優先的に巡回することできない。
【0005】
本発明は、移動体を利用してより効果的に防犯することができる犯罪防止装置及び犯罪防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両から送信された撮像画像を受信し、撮像画像から歩行者を検出する歩行者検出部と、撮像画像から歩行者の属性を推定する歩行者属性推定部と、撮像画像に基づき歩行者が歩行する歩行者進行領域を推定する歩行者進行領域推定部と、歩行者進行領域内の車両往来量を算出する車両往来量算出部と、歩行者の属性と歩行者進行領域内の車両往来量に基づいて、歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出する危険度算出部と、危険度が予め設定された閾値より高い場合に、歩行者進行領域の巡回を指令する巡回指令を移動体へ送信する巡回指令部と、を備える犯罪防止装置を提供する。
【0007】
本発明は、車両から送信された撮像画像を受信し、撮像画像から歩行者を検出し、撮像画像から歩行者の属性を推定し、撮像画像に基づき歩行者が歩行する歩行者進行領域を推定し、歩行者進行領域内の車両往来量を算出し、歩行者の属性と歩行者進行領域内の車両往来量に基づいて、歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出し、危険度が予め設定された閾値より高い場合に、歩行者進行領域の巡回を指令する巡回指令を送信する犯罪防止方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る犯罪防止装置及び犯罪防止方法によれば、移動体を利用してより効果的に防犯することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る犯罪防止装置を含む犯罪防止システム1の概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した犯罪防止システム1の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、記憶装置22に備えられた位置情報データベース221の主な記憶内容を説明するための図である。
【
図4】
図4は、記憶装置22に備えられた属性情報データベース222の主な記憶内容を説明するための図である。
【
図5】記憶装置22に備えられたリスク値データベース223の主な記憶内容を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る犯罪防止装置の機能を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る犯罪防止装置の一動作例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0011】
[犯罪防止システムの概要]
本実施形態に係る犯罪防止装置を含む犯罪防止システム1の概要について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、犯罪防止システム1の概略構成を示す図である。本実施形態に係る犯罪防止システム1は、道路を走行する車両40と、与えられた巡回指令に基づいて自律走行を行う複数の自動運転車両50と、車両40及び自動運転車両50から送信される情報を収集して管理し、自動運転車両50に巡回指令を発行するサーバ20と、を含んでいる。本実施形態では、犯罪防止装置は、サーバ20のCPU(Central Prosessing Unit)23として実装される。
【0012】
サーバ20と車両40及びサーバ20と複数の自動運転車両50とは、ネットワーク30によって相互に接続される。本実施形態では、サーバ20、車両40、及び自動運転車両50は、無線通信方式によってネットワーク30と接続されている。なお、
図1に示す犯罪防止システム1は、例示的に1台の車両40と2台の自動運転車両50を含んでいるが、車両40は2台以上であってもよいし、自動運転車両50は3台以上であってもよい。車両40及び自動運転車両50の数は、特に限定されない。複数の自動運転車両50は、例えば、防犯対策等のために所定の巡回経路に従って道路を巡回する車両であってもよいし、所定の待機場所に待機していて巡回指令を受けて巡回を開始する車両であってもよい。なお、複数の自動運転車両50の代わりに、ドローン等の遠隔操作又は自動運転が可能な移動体を用いてもよい。また、サーバ20は、車両40又は自動運転車両50に搭載されてもよく、車両40又は自動運転車両50と一体の構成であってもよい。
【0013】
車両40は、走行中に撮像画像を取得している。なお、車両40は、走行中に、夜間の照明の明るさに関する情報等の、防犯に関連する情報をさらに取得してもよい。車両40が取得した撮像画像及び各種の情報は、サーバ20に送信される。車両40は、運転者が運転する手動運転の車両であってもよく、自動運転車両であってもよい。
【0014】
サーバ20は、車両40から送信された撮像画像から歩行者を検出し、検出された歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出する。サーバ20は、危険度が予め設定された所定値より高い場合に、検出された歩行者の歩行者進行領域内を巡回するような巡回指令を生成し、自動運転車両50へ送信する。巡回指令を受信した自動運転車両50は、巡回指令にしたがって運行計画を生成し、この運行計画にしたがって走行する。
【0015】
[犯罪防止システムの構成]
次に、
図2を参照して、犯罪防止システム1の各構成要素について、詳細に説明する。
図2は、
図1に示す犯罪防止システム1の構成例を概略的に示したブロック図である。なお、
図2において車両40及び自動運転車両50は例示的に1台ずつ示しているが、実際には各々が複数台存在してもよい。本実施の形態に係る犯罪防止システム1は、予め登録された車両40および自動運転車両50の各々を個別に特定することができるように、車両40および自動運転車両50の各々を識別するための個別の車両IDを管理している。犯罪防止システム1は、各車両40に搭載されている情報送信装置400のIDを車両40の車両IDとして管理してもよく、各自動運転車両50に搭載されている自動運転車両制御装置500のIDを自動運転車両50の車両IDとして管理してもよい。
【0016】
サーバ20は、車両40及び複数の自動運転車両50の情報を管理し、自動運転車両50の各々に巡回指令を送信する装置である。サーバ20は、ネットワーク30を介して車両40及び複数の自動運転車両50と通信する。サーバ20は、通信装置21と、記憶装置22と、CPU23と、メモリ(図示せず)とを備え、これらの構成要素が図示しないバスなどを介して電気的に接続されている。サーバ20の設置場所は特に限定されないが、例えばサーバ20は、自動運転車両50を利用して地域の防犯サービスを提供する事業者の管理センタに設置される。
【0017】
本実施形態では、サーバ20、車両40、及び自動運転車両50は、無線通信方式によってネットワーク30と接続されている。
【0018】
通信装置21は、ネットワーク30を介して車両40及び自動運転車両50との間で互いに通信する。なお、通信装置21は、例えば、4G/LTEなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、無線LAN通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0019】
記憶装置22は、防犯サービスに必要な各種の情報やデータベースを格納する。記憶装置22は、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体である。記憶装置22は、例えば、位置情報データベース221と、属性情報データベース222と、リスク値データベース223とを備える。各種のデータベースの詳細については、
図3~
図5を参照して後述する。
【0020】
CPU23はサーバ20を制御する。CPU23は、記憶装置22などに記憶されている様々なプログラムをメモリに読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メモリは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。
【0021】
CPU23は、機能的な構成例として、位置情報管理部231と、歩行者検出部232と、歩行者属性推定部233と、歩行者進行領域推定部234と、車両往来量算出部235と、危険度算出部236と、巡回指令部237とを備える。CPU23の各機能の詳細については、
図6を参照して後述する。
【0022】
車両40は、通信装置41と、カメラ42と、記憶装置43と、GPS受信機44とを含む情報送信装置400を搭載している。
【0023】
通信装置41は、通信装置21と同様の構成を備えており、ネットワーク30を介してサーバ20との間で互いに通信する。
【0024】
カメラ42は、車両40の外部を撮像する撮像機器である。カメラ42は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて被写体を撮像する。撮像により得られる画像は、静止画又は動画の何れであってもよい。カメラ42は、例えば、車両のフロントガラスの裏側に設けられ、車両40の少なくとも進行方向(前方)を撮像するが、カメラ42が撮像する方向は特定の方向に限定されず、車両40の全方位を撮像してもよい。カメラ42によって撮像された撮像画像は、記憶装置43に記憶され、任意のタイミングでサーバ20に送信される。記憶装置43は各種の情報を記憶する。記憶装置43は、RAM、磁気ディスク、フラッシュメモリなどの任意の記憶媒体である。
【0025】
GPS受信機44によって取得された車両40の位置情報は、任意のタイミングでサーバ20に送信される。GPS受信機44は、複数の人工衛星からの信号を受信し、受信した信号をGPS受信機に搭載されるCPU(図示せず)に供給して、地上における車両40の位置情報を算出する。なお、「GPS」は「Global Positioning System:グローバル・ポジショニング・システム」の略称である。
【0026】
自動運転車両50は、サーバ20から受信した巡回指令に基づいて自律走行する車両である。自動運転車両50は、通信装置51と、カメラ52と、記憶装置53と、GPS受信機54と、車両ECU(Electronic Control Unit)55とを含む自動運転車両制御装置500を搭載している。通信装置51、カメラ52、記憶装置53及びGPS受信機54の構成は、車両40の情報送信装置400の通信装置41、カメラ42、記憶装置43及びGPS受信機44の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0027】
車両ECU53は、自動運転車両50の走行を制御するためのコンピュータである。車両ECU53は、ネットワーク30を介してサーバ20から巡回指令を受信し、受信した巡回指令に基づいて、適切な方法で自動運転車両50を走行させるよう制御する。車両ECU53は、巡回指令に基づいて、各種のアクチュエータ(ブレーキアクチュエータ、アクセルアクチュエータ、ステアリングアクチュエータなど)を制御する。
【0028】
次に、
図3~
図5を参照しながら、記憶装置22の各種のデータベースについて説明する。なお図示は省略するが、記憶装置22は、車両IDと、車両IDが付与された車両の車両情報とを対応付けて管理するデータベースをさらに備えていてもよく、サーバ20は、各車両IDにより、車両40と、自動運転車両50とを識別できる。
【0029】
位置情報データベース221は、車両40及び自動運転車両50の各々の位置情報を管理するデータベースである。位置情報データベース221は、一例として
図3に示されるように、車両40及び自動運転車両50の各々の車両IDと、車両40及び自動運転車両50の各々から受信した、各々の位置座標の情報がリアルタイムで記憶されるように構成されている。
【0030】
属性情報データベース222には、車両40が撮像した撮像画像から検出された歩行者に関する情報が記憶される。属性情報データベース222は、一例として
図4に示されるように、撮像画像から検出された歩行者毎に、歩行者ID、性別、年齢、同伴者の有無及び各歩行者が検出された位置座標の情報が記憶されるように構成される。以下の説明では、歩行者の性別と年齢を、歩行者の属性ということがある。歩行者の検出方法及び歩行者の属性と同伴者の有無の推定方法については後述する。なお、
図4の例では、歩行者の年齢は子供、大人(若い)、大人(若くない)、高齢者の4分類で記憶されるが、歩行者の年齢の分類はこれに限るものではない。
【0031】
リスク値データベース223は、一例として
図5に示されるように、性別、年齢及び同伴者の有無の組み合わせの条件毎に、予め設定された各条件での犯罪リスクの高さを示すリスク値が記憶されるように構成されている。リスク値は、例えば、大人よりも子供や高齢者の方が高くなるように設定され、男性よりも女性の方が高くなるように設定される。また、同伴者有りよりも同伴者無しの方が高くなるように設定される。リスク値は、例えば、女性かつ子供で、同伴者無しの場合に最も高くなるように設定される。リスク値データベース223は、例えば子供には4点、女性には3点、高齢者には2点、同伴者無しには2点のように、歩行者の性別、年齢や同伴者の有無などの要素毎に予め設定されたリスク値を記憶するように構成されてもよい。リスク値の設定方法は、特に限定するものではなく、過去の犯罪のデータなどから歩行者の属性に応じた危険度を設定してもよい。
【0032】
次に、
図6を参照しながら、サーバ20のCPU23の各機能の詳細について説明する。
図6の例では、自動運転車両50a~50cがある地域を巡回しており、車両40が道路を走行しており、車両40の付近に歩行者60が存在する。車両40が撮像した撮像画像には歩行者60が映っているものとする。
図6において、車両40は
図2に示す車両40の構成を有し、車両40の各々の位置情報及び車両40が撮像した撮像画像を、ネットワーク30を介してサーバ20に送信する。自動運転車両50a~50cは
図2に示す自動運転車両50の構成を有し、自動運転車両50a~50cの各々の位置情報を、ネットワーク30を介してサーバ20に送信する。
【0033】
CPU23の位置情報管理部231は、予め登録された車両40及び自動運転車両50a~50cの位置情報を収集して管理する。位置情報管理部231は、例えば、所定の周期で車両40及び自動運転車両50a~50cから位置情報を受信し、車両40及び自動運転車両50a~50cの車両IDと関連付けて、位置情報データベース221に記憶させる。
【0034】
歩行者検出部232は、車両40から送信された車両40が撮像した撮像画像を受信し、撮像画像から歩行者60を検出する。本実施形態では、歩行者検出部232は、車両40が撮像した撮像画像を解析することにより、歩行者60を検出する。この画像解析には公知の方法を採用することができる。歩行者検出部232は、歩行者60を検出した撮像画像を取得した時点での車両40の位置情報に基づいて、歩行者60の位置情報を検出する。
【0035】
歩行者属性推定部233は、歩行者検出部232により歩行者60が検出された場合に、撮像画像から歩行者60の属性を推定する。歩行者属性推定部233は、歩行者60の同伴者の有無、すなわち歩行者60が単数か複数かを推定する。本実施形態では、歩行者属性推定部233は、歩行者60が検出された撮像画像をさらに解析することにより、歩行者60の属性を推定する。この画像解析には公知の方法を採用することができる。
【0036】
歩行者属性推定部233は、例えば、検出された歩行者60の顔を検出し、歩行者60の性別、年齢を推定する。歩行者属性推定部233は、例えば、歩行者の年齢が、子供、大人(若い)、大人(若くない)、高齢者のいずれかを推定する。撮像画像に歩行者60の顔が明確に映っていない場合のように、撮像画像から歩行者60の顔を検出できない場合には、歩行者属性推定部233は、歩行者60の身長、姿勢、髪の色、杖などの持ち物、服装などを検出し、これらの要素から歩行者60の性別と年齢を推定してもよい。また、撮像画像が動画である場合には、歩行者60の歩行速度をさらに性別と年齢を推定する要素に追加してもよい。
【0037】
歩行者属性推定部233は、推定した歩行者60の属性及び同伴者の有無の情報と、歩行者60の位置情報を、属性情報データベース222に記憶する。
【0038】
歩行者進行領域推定部234は、撮像画像に基づき歩行者60が歩行する歩行者進行領域Aを推定する。歩行者進行領域推定部234は、例えば、撮像画像から歩行者60の体の向きを推定し、歩行者60の体の向きを歩行者の進行方向と推定する。また、撮像画像が動画である場合には、歩行者進行領域推定部234は、歩行者60が移動する方向を歩行者60の進行方向と推定してもよい。本実施形態では、歩行者進行領域推定部234は、歩行者60が検出された撮像画像をさらに解析することにより、歩行者60の進行方向を推定する。この画像解析には公知の方法を採用することができる。
【0039】
歩行者進行領域推定部234は、歩行者60が検出された地点を基準として、推定した歩行者60の進行方向側の半径Xkmの領域を、歩行者60が歩行すると想定される歩行者進行領域Aと推定する。歩行者進行領域推定部234は、例えば、歩行者60が検出された地点を基準として、推定した歩行者60の進行方向側の半径2kmの領域を、歩行者60が歩行すると想定される歩行者進行領域Aと推定する。なお、歩行者進行領域Aの推定方法は特に限定されず、例えば、歩行者60が10~15分間に歩行すると想定される領域を含むような領域を推定できればよい。
【0040】
車両往来量算出部235は、歩行者進行領域A内の車両往来量を算出する。車両往来量算出部235は、位置情報データベース221を参照し、歩行者進行領域A内に存在する車両40及び自動運転車両50の数を車両往来量として算出する。また、車両往来量算出部235は、歩行者進行領域A内に存在する車両40及び自動運転車両50の数から、単位面積当たりの車両40及び自動運転車両50の数を、車両往来量として算出してもよい。車両往来量の算出方法は特に限定されない。例えば、車両往来量算出部235は、サーバ20により管理されている複数の車両40及び複数の自動運転車両50の各々から送信された撮像画像から車両を検出し、検出した車両の位置情報を記憶することにより、歩行者進行領域A内に存在する車両往来量を算出してもよい。
【0041】
危険度算出部236は、歩行者60の属性と歩行者進行領域A内の車両往来量に基づいて、歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出する。危険度算出部236は、リスク値データベース223を参照して、歩行者60の属性及び同伴者の有無から、歩行者60のリスク値を取得する。危険度算出部236は、例えば歩行者の性別が「女性」であり、年齢が「高齢者」であり、「同伴者無し」の場合、
図5のリスク値データベース223を参照して、歩行者60のリスク値「3」を取得する。
【0042】
また、危険度算出部236は、
図5で説明した、歩行者の性別、年齢や同伴者の有無などの要素毎に予め設定されたリスク値を参照して、歩行者60の要素毎の得点を加算することにより、歩行者60のリスク値を算出してもよい。
【0043】
危険度算出部236は、例えば、歩行者進行領域A内の車両往来量が予め設定された車両往来量の閾値より多いか否かを判定する。そして、歩行者進行領域A内の車両往来量が閾値より多い場合には、歩行者60のリスク値に、0.5を乗ずることにより、危険度を算出する。一方、歩行者進行領域A内の車両往来量が閾値以下の場合には、歩行者60のリスク値に1.2を乗ずることにより、危険度を算出する。また、危険度算出部236は、例えば、歩行者60のリスク値に、歩行者進行領域A内の単位面積当たりの車両往来量の逆数を乗ずることにより、危険度を算出してもよい。危険度の算出方法は特に限定されず、危険度算出部236は、歩行者60のリスク値が高く、かつ、歩行者進行領域A内の車両往来量が少ない場合により危険度が高くなるように算出されればよい。危険度の算出には、歩行者の属性、同伴者の有無及び車両往来量以外に、歩行者60を検出した場所、時間帯、照度等の他の要素を用いてもよい。また、危険度の算出には、過去の犯罪の発生データを利用してもよい。
【0044】
巡回指令部237は、危険度が予め設定された閾値より高い場合に、歩行者進行領域Aの巡回を指令する巡回指令を自動運転車両50へ送信する。巡回指令部237は、危険度算出部236により算出された危険度が、予め設定された危険度の閾値より高いか否かを判定する。そして、危険度が閾値より高い場合に、位置情報データベース221を参照し、自動運転車両50a~50cのなかから歩行者進行領域Aに最も近い位置を巡回している自動運転車両50aを特定する。巡回指令部237は、自動運転車両50aに対して歩行者進行領域Aの巡回を指令する巡回指令を生成する。巡回指令には、特定された自動運転車両50aの現在位置から歩行者進行領域Aまでの走行経路と、歩行者進行領域A内を巡回するような巡回経路の情報が含まれる。巡回指令部237は、自動運転車両50aに、生成した巡回指令を送信して、歩行者進行領域Aの巡回を指令する。
【0045】
[犯罪防止装置の処理の流れ]
次に、
図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係るCPU23の処理の流れの例を説明する。
図7において、車両40は、車両40の位置情報及び車両40が撮像した撮像画像を、ネットワーク30を介してサーバ20に送信している。複数の自動運転車両50a~50cは、自動運転車両50a~50cの各々の位置情報を、ネットワーク30を介してサーバ20に送信している。サーバ20は、車両40及び自動運転車両50a~50cの位置情報を収集して管理している。
【0046】
図7のステップS10において、歩行者検出部232は、車両40から送信された車両40が撮像した撮像画像を受信する。
【0047】
処理はステップS11に進み、歩行者検出部232は、車両40が撮像した撮像画像を解析することにより、歩行者60を検出する。
【0048】
歩行者検出部232により歩行者60が検出された場合に、処理はステップS12に進み、歩行者検出部232は、歩行者60を検出した撮像画像を取得した時点での車両40の位置情報に基づいて、歩行者60の位置情報を検出する。
【0049】
処理はステップS13に進み、歩行者属性推定部233は、撮像画像から歩行者60の属性を推定する。歩行者属性推定部233は、歩行者60の同伴者の有無を推定する。歩行者属性推定部233は、推定した歩行者60の属性及び同伴者の有無の情報と、歩行者60の位置情報を、属性情報データベース222に記憶する。
【0050】
処理はステップS14に進み、歩行者進行領域推定部234は、撮像画像から歩行者60の体の向きを推定し、歩行者60の体の向きを歩行者の進行方向と推定する。撮像画像が動画である場合には、歩行者進行領域推定部234は、歩行者60が移動する方向を歩行者60の進行方向と推定してもよい。
【0051】
処理はステップS15に進み、歩行者進行領域推定部234は、歩行者60が検出された地点を基準として、推定した歩行者60の進行方向側の半径Xkmの領域を、歩行者60が歩行すると想定される歩行者進行領域Aと推定する。
【0052】
処理はステップS16に進み、車両往来量算出部235は、歩行者進行領域A内の車両往来量を算出する。車両往来量算出部235は、例えば、位置情報データベース221を参照し、歩行者進行領域A内に存在する車両40及び自動運転車両50の数を車両往来量として算出する。また、車両往来量算出部235は、歩行者進行領域A内に存在する車両40及び自動運転車両50の数から、単位面積当たりの車両40及び自動運転車両50の数を車両往来量として算出してもよい。
【0053】
処理はステップS17に進み、危険度算出部236は、歩行者60の属性と歩行者進行領域A内の車両往来量に基づいて、歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出する。危険度算出部236は、例えば、リスク値データベース223を参照して、歩行者60の属性及び同伴者の有無から、歩行者60のリスク値を取得する。危険度算出部236は、例えば、歩行者進行領域A内の車両往来量が予め設定された車両往来量の閾値より多いか否かを判定する。そして、歩行者進行領域A内の車両往来量が閾値より多い場合には、歩行者60のリスク値に、0.5を乗ずることにより、危険度を算出する。一方、歩行者進行領域A内の車両往来量が閾値以下の場合には、歩行者60のリスク値に1.2を乗ずることにより、危険度を算出する。
【0054】
処理はステップS18に進み、巡回指令部237は、ステップS17で算出された危険度が、予め設定された危険度の閾値より高いか否かを判定する。危険度が閾値より高い場合(ステップS18でYES)には、処理はステップS19に進む。一方、危険度が閾値以下の場合(ステップS18でNO)には、CPU23は
図7の処理を終了する。
【0055】
ステップS19において、巡回指令部237は、位置情報データベース221を参照し、自動運転車両50a~50cのなかから歩行者進行領域Aに最も近い位置を巡回している自動運転車両50aを特定する。
【0056】
処理はステップS20に進み、巡回指令部237は、自動運転車両50aに対して歩行者進行領域Aの巡回を指令する巡回指令を生成する。巡回指令には、自動運転車両50aの現在位置から歩行者進行領域Aまでの走行経路と、歩行者進行領域A内を巡回するような巡回経路の情報が含まれる。
【0057】
処理はステップS21に進み、巡回指令部237は、生成した巡回指令を自動運転車両50へ送信し、CPU23は
図7の処理を終了する。自動運転車両50aは、巡回指令を受信し、受信した巡回指令にしたがって運行計画を生成し、この運行計画にしたがって走行する。
【0058】
(変形例1)
以上の説明では、車両往来量算出部235は、歩行者進行領域A内の車両往来量を算出し、巡回指令部237は、危険度が予め設定された閾値より高い場合に、歩行者進行領域Aの巡回を指令する巡回指令を自動運転車両50aへ送信した。しかし、車両往来量算出部235は、歩行者進行領域Aを複数の領域に分割し、分割された歩行者進行領域Aの各々の領域内の車両往来量をさらに算出してもよい。巡回指令部237は、危険度が予め設定された閾値より高い場合に、分割された歩行者進行領域Aの各々の領域内の車両往来量に応じて、自動運転車両50aに、分割された歩行者進行領域の各々の巡回を指令する巡回指令を送信してもよい。
【0059】
巡回指令部237は、例えば、分割された歩行者進行領域Aの各々の領域内の車両往来量に基づいて、分割された歩行者進行領域Aの各々を巡回させる車両の数を調整してもよい。例えば、巡回指令部237は、分割された歩行者進行領域Aのある領域内の車両往来量が予め設定された閾値よりも多く、他の領域内の車両往来量が予め設定された閾値よりも少ないような場合には、車両往来量の多い領域内の巡回を不要としてもよい。そして、車両往来量の少ない領域内のみの巡回を指令する巡回指令を、2台の自動運転車両50a、50bに対して送信してもよい。これにより、歩行者進行領域Aの範囲を広く設定した場合に、車両往来量が特に少ない領域に、巡回させる移動体の数を増やすように巡回指令を生成でき、より効率よく防犯することができる。
【0060】
巡回指令部237は、例えば、分割された歩行者進行領域Aの各々の領域内の車両往来量に基づいて、分割された歩行者進行領域Aのうち、巡回させる領域を限定してもよい。例えば、巡回指令部237は、分割された歩行者進行領域Aのある1つの領域内の車両往来量が予め設定された閾値よりも多く、他の領域内の車両往来量が予め設定された閾値よりも少ないような場合には、車両往来量の多い領域の巡回を不要としてもよい。そして、自動運転車両50aに対し、他の2つの領域内のみの巡回を指令する巡回指令を生成してもよい。これにより、歩行者進行領域Aの範囲を広く設定した場合に、車両往来量が特に少ない領域のみを巡回させるように巡回指令を生成でき、より効率よく防犯することができる。
【0061】
(変形例2)
また、以上の説明では、本実施形態に係る犯罪防止装置について、巡回指令を送信する移動体に自動運転車両50を用いる場合を例に説明した。しかし、歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の種類によっては、他の種類の移動体を用いた方がよい場合がある。例えば、声かけ、連れまわし、痴漢等の犯罪の防止には、カメラを搭載した自動運転車両50のような、監視性能を持つ移動体が適している。一方、ひったくりなどの犯罪の防止には、ドローンのような追跡性能を持つ移動体が適している。
【0062】
また、歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の種類は、歩行者の属性からおよそ推定できる。例えば、子供は声かけ、連れまわしに合う可能性が高く、若い女性は痴漢に合う可能性が高く、高齢者や荷物を持った女性はひったくりなどに合う可能性が高い、といったように、歩行者の属性から歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の種類を推定することができる。
【0063】
このため、犯罪防止システム1が巡回指令を送信する移動体を複数種類備えるような場合には、巡回指令部237は、歩行者の属性に対応して予め設定された犯罪の種類に基づき、巡回指令を送信する移動体の種類を決定し、その移動体へ巡回指令を送信してもよい。なお、撮像画像が動画である場合には、歩行者検出部232は、動画から恐喝、暴行、障害等の事件が発生していることを検出してもよい。恐喝、暴行、障害等の事件が発生している場合には、巡回指令部237は、犯人を検挙できる人が乗車している有人車両に、事件が発生していることを検出した地点に向かうよう指令する巡回指令を送信してもよい。このように、歩行者の属性から推定される、歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の種類に適した移動体に巡回指令を送信することにより、移動体を利用してさらに効果的に防犯することができる。
【0064】
また、歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の種類によっては、複数の移動体を用いた方がよい場合も想定される。そのため、巡回指令部237は、歩行者の属性に対応して予め設定された犯罪の種類に基づき、巡回指令を送信する前記移動体の数を決定し、複数の移動体へ巡回指令を送信してもよい。歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の種類に対応した数の移動体に、巡回指令を送信することにより、移動体を利用してさらに効果的に防犯することができる。
【0065】
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
【0066】
本実施形態に係る犯罪防止装置は、歩行者検出部と、歩行者属性推定部と、歩行者進行領域推定部と、車両往来量算出部と、危険度算出部と、巡回指令部と、を備える。歩行者検出部は、車両から送信された撮像画像を受信し、撮像画像から歩行者を検出する。歩行者属性推定部は、撮像画像から歩行者の属性を推定する。歩行者進行領域推定部は、撮像画像に基づき歩行者が歩行する歩行者進行領域を推定する。車両往来量算出部は、歩行者進行領域内の車両往来量を算出する。危険度算出部は、歩行者の属性と歩行者進行領域内の車両往来量に基づいて、歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出する。巡回指令部は、危険度が予め設定された閾値より高い場合に、歩行者進行領域の巡回を指令する巡回指令を移動体へ送信する。
【0067】
これにより、歩行者の属性と歩行者進行領域内の車両往来量に基づいて、歩行者が犯罪に巻き込まれる危険度を算出できる。歩行者が犯罪に巻き込まれる可能性が高い属性かつ、車両往来量が少ない領域を歩行する場合に、より危険度を高くできる。危険度が閾値より高い場合に、歩行者進行領域の巡回を指令する巡回指令を移動体へ送信することができる。これにより、移動体を利用してより効果的に防犯することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る犯罪防止装置の車両往来量算出部は、歩行者進行領域を複数の領域に分割し、分割された歩行者進行領域の各々の領域内の車両往来量をさらに算出する。巡回指令部は、危険度が予め設定された閾値より高い場合に、分割された歩行者進行領域の各々の領域内の車両往来量に応じて、移動体に、分割された歩行者進行領域の各々の巡回を指令する巡回指令を送信する。
【0069】
これにより、分割された歩行者進行領域の各々の領域内の車両往来量に基づいて、巡回させる移動体の数を調整するような巡回指令を生成できる。歩行者進行領域の範囲を広く設定した場合に、車両往来量が特に少ない領域に、巡回させる移動体の数を増やすように巡回指令を生成できる。また、分割された歩行者進行領域の各々の領域内の車両往来量に基づいて、移動体を巡回させる領域を限定するように巡回指令を生成できる。歩行者進行領域の範囲を広く設定した場合に、車両往来量が特に少ない領域のみを巡回させるように巡回指令を生成できる。移動体を利用して、より効率よく防犯することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る犯罪防止装置の巡回指令部は、歩行者の属性に対応して予め設定された犯罪の種類に基づき、巡回指令を送信する移動体の種類を決定する。
【0071】
これにより、歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の種類に対応した種類の移動体に、巡回指令を送信することができる。歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の防止に適した移動体に、歩行者進行領域を巡回するよう指令できる。これにより、移動体を利用してさらに効果的に防犯することができる。
【0072】
また、本実施形態に係る犯罪防止装置の巡回指令部は、歩行者の属性に対応して予め設定された犯罪の種類に基づき、巡回指令を送信する移動体の数を決定する。
【0073】
これにより、歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の種類に対応した数の移動体に、巡回指令を送信することができる。歩行者が巻き込まれる可能性が高い犯罪の防止に適した数の移動体に、歩行者進行領域を巡回するよう指令できる。これにより、移動体を利用してさらに効果的に防犯することができる。
【0074】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0075】
23 犯罪防止装置(CPU)
232 歩行者検出部
233 歩行者属性推定部
234 歩行者進行領域推定部
235 車両往来量算出部
236 危険度算出部
237 巡回指令部
40 車両
50 移動体(自動運転車両)
60 歩行者
A 歩行者進行領域