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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148185
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】鋼製支保工
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/18 20060101AFI20220929BHJP
   E21D 11/40 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
E21D11/18
E21D11/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049768
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】池田 奈央
(72)【発明者】
【氏名】村山 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】平野 勝識
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155BA06
2D155BB02
2D155CA01
2D155DB00
2D155FB01
2D155KB04
(57)【要約】
【課題】掘削表面の周囲に地盤からの圧力が作用した際、トンネルの内側に大きく突出することなく支保工にある程度の変形を許容させることができ、覆工工事を円滑に行なえる鋼製支保工を提供すること。
【解決手段】掘削表面12に吹き付けられた吹き付けコンクリート14と、吹き付けコンクリート14の表面から掘削表面12に打ち込まれた複数のロックボルト18と協働して掘削表面12を支える鋼製支保工16である。鋼製支保工16は、複数の鋼製支保部材22が連結されて構成された支保工20を含んで構成されている。支保工20の延在方向に間隔をおいた複数箇所に、鋼製支保部材22よりも変形し易い鋼製変形誘発部材26Aが配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削されたトンネルの掘削表面に吹き付けられた吹き付けコンクリートと協働して前記掘削表面を支える、前記掘削表面に沿わせて組み立てられた鋼製支保工であって、
前記鋼製支保工は、前記トンネルの掘削方向と直交する平面内で前記掘削表面に沿って延在する複数の鋼製支保部材が連結されて構成された支保工を含んで構成され、
前記支保工の延在方向に間隔をおいた複数箇所に、前記鋼製支保部材よりも変形し易い鋼製変形誘発部材が配置されている、
ことを特徴とする鋼製支保工。
【請求項2】
前記鋼製変形誘発部材の前記支保工の延在方向に沿った長さや断面形状あるいは断面係数あるいは前記鋼製変形誘発部材を構成する材料は、地山からの荷重が前記掘削表面から前記支保工に作用した際の前記鋼製変形誘発部材の変形量を考慮して設定されている、
ことを特徴とする請求項1記載の鋼製支保工。
【請求項3】
前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材は同一の形鋼で構成され、
前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材とは、前記トンネルの掘削方向に対して前記形鋼の断面形状の向きを変えて配置されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の鋼製支保工。
【請求項4】
前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材とは、共に一対のフランジとそれらフランジを連結するウェブとからなる同一のH形鋼で構成され、
前記鋼製支保部材を構成する前記H形鋼は前記ウェブを前記トンネルの掘削方向に対向させて配置され、
前記鋼製変形誘発部材を構成する前記H形鋼は前記ウェブを前記トンネル断面の中央に対向させて配置されている、
ことを特徴とする請求項3記載の鋼製支保工。
【請求項5】
前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材は、互いに形状が異なる形鋼で構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の鋼製支保工。
【請求項6】
前記鋼製支保部材は、一対のフランジとそれらフランジを連結するウェブとからなるH形鋼で構成され、
前記H形鋼は、前記ウェブを前記トンネルの掘削方向に対向させて配置され、
前記鋼製変形誘発部材は、ウェブと、前記ウェブの両端から起立する一対のフランジとからなる溝型鋼で構成され、
前記溝型鋼は、前記ウェブを前記トンネル断面の中央に対向させて配置されている、
ことを特徴とする請求項5記載の鋼製支保工。
【請求項7】
前記鋼製支保部材は形鋼で構成され、
前記鋼製変形誘発部材は鉄筋で構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の鋼製支保工。
【請求項8】
前記鋼製変形誘発部材の断面係数は、前記鋼製支保部材の断面係数よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項記載の鋼製支保工。
【請求項9】
前記鋼製変形誘発部材は、前記鋼製支保部材よりも変形し易い材料で形成されている、
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項記載の鋼製支保工。
【請求項10】
前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材とは連結部材を介して連結されている、
ことを特徴とする請求項1~9の何れか1項記載の鋼製支保工。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はNATMの支保に用いられる鋼製支保工に関する。
【背景技術】
【0002】
NATMで掘削されるトンネルでは、爆破や掘削装置で地山に掘削したトンネルの掘削表面に一次吹き付けとしてコンクリートを吹き付け、このコンクリートに沿わせて鋼製支保工を組み立て、コンクリートと鋼製支保工に二次吹き付けとしてコンクリートを吹き付け、さらに、コンクリートの上から複数のロックボルトを地山に打ち込む支保がなされる。
そして、鋼製支保工と、吹き付けコンクリートと、ロックボルトとにより掘削表面の崩落を防止しつつ掘削表面を支えるようにしている。
なお、地山の地質によっては、鋼製支保工とロックボルトのうち何れか一方が省略される場合もある。
その後、掘削表面の周囲の地山が安定したならば、鋼製支保工、吹き付けコンクリート、ロックボルトの上からスライドセントルを利用してコンクリートを打設する覆工がなされる。
このようにNATMでは、鋼製支保工と、吹き付けコンクリートと、ロックボルトとにより掘削表面の崩落を防止しつつ掘削表面を支え、掘削表面の周囲の地山を安定化させるため、覆工のコンクリートの厚さを小さくできるという利点を有している。
一方、NATMでは、掘削表面に周囲の地山からの圧力が作用した場合、掘削表面の周囲の地山を安定化させるため、鋼製支保工にはある程度の変形を許容し、地山の変形を吸収することが望ましい。
このような観点から、鋼製支保工を構成する鋼製支保部材に変形を許容させる技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6584738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、合成樹脂製の骨組み構造体にコンクリートを吹き付けたコンクリート体を用いるため、地山からの圧力が掘削表面の周囲に作用した際、コンクリートが圧縮されてトンネルの内側に大きく突出し、覆工工事を円滑に行なえず、覆工工事に支障をきたす不具合があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、掘削表面の周囲に地盤からの圧力が作用した際、トンネルの内側に大きく突出することなく支保工にある程度の変形を許容させることができ、上述の従来技術に比べて覆工工事を円滑に行なえ、トンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利な鋼製支保工を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、掘削されたトンネルの掘削表面に吹き付けられた吹き付けコンクリートと協働して前記掘削表面を支える、前記掘削表面に沿わせて組み立てられた鋼製支保工であって、前記鋼製支保工は、前記トンネルの掘削方向と直交する平面内で前記掘削表面に沿って延在する複数の鋼製支保部材が連結されて構成された支保工を含んで構成され、前記支保工の延在方向に間隔をおいた複数箇所に、前記鋼製支保部材よりも変形し易い鋼製変形誘発部材が配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製変形誘発部材の前記支保工の延在方向に沿った長さや断面形状あるいは断面係数あるいは前記鋼製変形誘発部材を構成する材料は、地山からの荷重が前記掘削表面から前記支保工に作用した際の前記鋼製変形誘発部材の変形量を考慮して設定されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材は同一の形鋼で構成され、前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材とは、前記トンネルの掘削方向に対して前記形鋼の断面形状の向きを変えて配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材とは、共に一対のフランジとそれらフランジを連結するウェブとからなる同一のH形鋼で構成され、前記鋼製支保部材を構成する前記H形鋼は前記ウェブを前記トンネルの掘削方向に対向させて配置され、前記鋼製変形誘発部材を構成する前記H形鋼は前記ウェブを前記トンネル断面の中央に対向させて配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材は、互いに形状が異なる形鋼で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製支保部材は、一対のフランジとそれらフランジを連結するウェブとからなるH形鋼で構成され、前記H形鋼は、前記ウェブを前記トンネルの掘削方向に対向させて配置され、前記鋼製変形誘発部材は、ウェブと、前記ウェブの両端から起立する一対のフランジとからなる溝型鋼で構成され、前記溝型鋼は、前記ウェブを前記トンネル断面の中央に対向させて配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製支保部材は形鋼で構成され、前記鋼製変形誘発部材は鉄筋で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製変形誘発部材の断面係数は、前記鋼製支保部材の断面係数よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製変形誘発部材は、前記鋼製支保部材よりも変形し易い材料で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記鋼製支保部材と前記鋼製変形誘発部材とは連結部材を介して連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、掘削表面にトンネルの周囲の地山からの荷重が作用した際、鋼製支保部材よりも率先して鋼製変形誘発部材が変形することで地山の変形を吸収し、トンネルの周囲の地山を安定化することができる。
この場合、鋼製変形誘発部材は鋼製の部材であり変形量を調整できることから、従来のように、トンネルの内側に大きく突出することもない。
したがって、掘削表面に周囲の地山からの荷重が作用した場合、鋼製支保工にある程度の変形を許容させて地山を安定させることができ、上述の従来技術のようにトンネルの内側に大きく突出することもないので、上述の従来技術に比べて覆工工事を円滑に行なえ、トンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
鋼製変形誘発部材の変形量は、その長さや断面形状、断面係数、材料を適宜設定することで調整可能である。
また、鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とに同一の形鋼を用いても、トンネルの掘削方向に対して形鋼の断面形状の向きを変えて使用できるため、コストダウンを図る上で有利となる。
また、鋼製変形誘発部材として、鋼製支保部材を構成するH形鋼を使用すると、鋼製支保部材の製作時に、鋼製変形誘発部材を一緒に製作でき、上述の従来技術に比べてトンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
また、鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とを互いに形状が異なる形鋼で構成すると、市販品を使用できることから簡単に入手できて鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とを簡単に製作でき、上述の従来技術に比べてトンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
また、鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とを互いに形状が異なる形鋼で構成する場合、鋼製支保部材としてH形鋼を用い、鋼製変形誘発部材として溝型鋼を用いると、それらは簡単に入手できることから、鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とを簡単に製作する上で有利となる。
また、鋼製支保部材として形鋼を用い、鋼製変形誘発部材として鉄筋を用いると、それらは簡単に入手できることから、鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とを簡単に製作する上で有利となる。
また、鋼製変形誘発部材は、鋼製支保部材の断面係数よりも小さい鋼製の部材を用いることで、あるいは、鋼製支保部材よりも変形し易い材料を用いることで簡単に製作する上で有利となる。
また、鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とは連結部材を用いて連結でき、連結部材としては、プレートやブラケットなど簡単な構成のものを使用して確実に連結できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】掘削表面を支える鋼製支保工と、吹き付けコンクリートと、ロックボルトの説明図である。
図2】鋼製支保工の正面図である。
図3】(A)は、掘削表面と、一次吹き付けのコンクリートと、第1の実施の形態の鋼製支保部材を構成するH形鋼の説明図、(B)は掘削表面と、一次吹き付けのコンクリートと、第1の実施の形態の鋼製変形誘発部材を構成するH形鋼の説明図である。
図4】第1の実施の形態の鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材の位置関係の説明図である。
図5】(A)はトンネルの掘削方向から第1の実施の形態の鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とがプレートで連結された状態を見た図、(B)は(A)のBB断面図である。
図6】第1の実施の形態のプレートに代えてブラケットを用いて連結される鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材の説明図で、(A)はトンネル断面の中央から鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材を見た図、(B)はトンネルの掘削方向から鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材を見た図である。
図7】(A)はトンネル断面の中央から鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とがブラケットで連結された状態を見た断面図、(B)はトンネルの掘削方向から鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とがブラケットで連結された状態を見た図である。
図8】(A)はブラケットの断面側面図、(B)は同ブラケットの正面図である。
図9】鋼製変形誘発部材と一次吹き付けのコンクリートとの間の隙間を閉塞する説明図である。
図10】第2の実施の形態の鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材の位置関係の説明図である。
図11】(A)はトンネル断面の中央から第2の実施の形態の鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とがブラケットで連結された状態を見た断面図、(B)はトンネルの掘削方向から第2の実施の形態の鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とがブラケットで連結された状態を見た図である。
図12】(A)は第2の実施の形態のブラケットの側面図、(B)は同ブラケットの正面図、(C)は底面図である。
図13】第3の実施の形態の鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材の位置関係の説明図である。
図14】(A)はトンネル断面の中央から第3の実施の形態の鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とがブラケットで連結された状態を見た断面図、(B)はトンネルの掘削方向から第3の実施の形態の鋼製支保部材と鋼製変形誘発部材とがブラケットで連結された状態を見た図である。
図15】(A)は第3の実施の形態のブラケットの平面図、(B)は同ブラケットの一部断面正面図、(C)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について図1図5を参照して説明する。
図1に示すように、切羽の近傍のトンネル10の箇所では、爆破や掘削装置でトンネル10が掘削され、このトンネル10の掘削表面12に一次吹き付けとしてコンクリート14Aが吹き付けられ、この一次吹き付けのコンクリート14Aの表面に沿わせて鋼製支保工16がアーチ状に組み立てられる。
そして、一次吹き付けのコンクリート14Aに、鋼製支保工16の表面付近まで二次吹き付けとしてコンクリート14Bが吹き付けられ、さらに、二次吹き付けのコンクリート14Bの上から複数のロックボルト18がトンネル10の周辺の地山に打ち込まれる。
NATMでは、このような鋼製支保工16と、吹き付けコンクリート14と、ロックボルト18とにより掘削表面12の崩落を防止しつつ掘削表面12を支え、掘削表面12の周囲の地山を安定化させるようにしている。
なお、地山の地質によっては、ロックボルト18が省略される場合もあり、その場合にも本発明は無論適用される。
そして、掘削表面12の周囲の地山が安定したならば、鋼製支保工16、吹き付けコンクリート14、ロックボルト18の上からスライドセントルを利用してコンクリートを打設する覆工がなされる。
【0009】
鋼製支保工16は、トンネル10の掘削方向X(図3図4参照)に間隔をおいて設けられた図2に示す複数の支保工20を含んで構成されている。
支保工20は、トンネル10の掘削方向Xと直交する平面でトンネル10を切断したトンネル断面の周方向に沿ってアーチ状に延在し、不図示のつなぎ材が、トンネル10の掘削方向Xに延在し隣り合う支保工20の複数箇所を連結している。
【0010】
図2に示すように、支保工20は、複数の鋼製支保部材22と、複数の鋼製変形誘発部材26Aとを含んで構成されている。
鋼製支保部材22は形鋼で構成され、本実施の形態では、鋼製支保部材22は、図3(A)に示すように、一対のフランジ2402とそれらフランジ2402を接続するウェブ2404とからなるH形鋼で構成されている。
本実施の形態では、一対のフランジ2402の外面間の寸法と、フランジ2402の幅とが同一の値で設けられている。
鋼製支保部材22を構成するH形鋼は、一対のフランジ2402を、トンネル10の掘削方向Xと直交する平面でトンネル10を切断したトンネル断面のほぼ中央に対向させ、ウェブ2404をトンネル10の掘削方向Xに対向させて配置されている。
【0011】
鋼製変形誘発部材26Aは、図2に示すように、支保工20の延在方向に間隔をおいた複数箇所に設けられている。
鋼製変形誘発部材26Aは、掘削表面12からの地山の荷重が支保工20に作用した際に、鋼製支保部材22よりも率先して変形する鋼製の部材である。
支保工20に設けられる複数の鋼製変形誘発部材26Aの長さの総和は、支保工20の全長の1割程度であり、一つの鋼製変形誘発部材26Aの長さは、支保工20の全長の数パーセント程度である。
本実施の形態では、鋼製変形誘発部材26Aは、鋼製支保部材22を構成するH形鋼と同一のH形鋼で構成され、詳細には、その断面形状が鋼製支保部材22を構成するH形鋼と同一形状、同一の大きさのH形鋼で構成されている。
鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼は、図3(B)に示すように、ウェブ2404をトンネル10断面のほぼ中央に対向させ、一対のフランジ2402をトンネル10の掘削方向Xに対向させて配置されている。
【0012】
したがって、図4に示すように、鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼は、鋼製支保部材22を構成するH形鋼に対して90度向きを変えて配置されている。
また、鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼は、重量バランスを考慮してその図心を、鋼製支保部材22を構成するH形鋼の図心に合致させて配置されている。
すなわち、鋼製変形誘発部材26Aは鋼製支保部材22と断面積が同一であることから軸力に対しては鋼製支保部材22と同様に機能し、曲げモーメントに対して鋼製支保部材22よりも変形し易い部材となっている。
したがって、H形鋼の向きを変えて配置することにより、鋼製変形誘発部材26Aは、掘削表面12からの地山の荷重が支保工20に作用した際に、鋼製支保部材22よりも率先して変形する鋼製の部材となっている。
具体的には、地山からの荷重が掘削表面12から支保工20に作用した際、支保工20に生じる曲げモーメントに対しての鋼製変形誘発部材26Aの断面係数は、鋼製支保部材22の断面係数よりも小さく形成されている。
この場合、鋼製変形誘発部材26Aの長さや断面係数は、地山からの荷重が掘削表面12から支保工20に作用した際の変形量を考慮して適宜設定され、H形鋼の断面係数は、図3(A)に示すように、ウェブ2404の厚さT1、幅W1、一対のフランジ2402の厚さT2、幅W2により適宜決定される。
【0013】
また、図3(A)に示すように、鋼製支保部材22を構成するH形鋼のフランジ2402は、一次吹き付けのコンクリート14Aの表面に対して一定の間隔をおいて配置できるものの、鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼では、図3(B)に示すように一対のフランジ2402がトンネル10の掘削方向Xに対向して配置されるため、一対のフランジ2402の端部が一次吹き付けのコンクリート14Aの表面に対して近接し、二次吹き付けコンクリート14B(図1参照)が鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼と一次吹き付けのコンクリート14Aの表面との間に吹き付けられないことも考えられる。
このような場合には、図9に示すように、モルタル2802を充填した布などからなる細長の袋体28を用意し、鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼の一対のフランジ2402とウェブ2404と一次吹き付けのコンクリート14Aの表面との間に袋体28を配置するようにしてもよい。
【0014】
また、図5(A)、(B)に示すように、鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aとは、鋼製の連結部材を構成するプレート29と、ボルトB1、ナットN1を介して連結されている。
すなわち、図5(A)に示すように、鋼製変形誘発部材26Aの長手方向の両端にプレート29が溶接により固定され、隣り合う鋼製支保部材22の長手方向の端部にプレート29が溶接により固定されている。
プレート29は、図5(B)に示すように、鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼がその内側に入る正方形や円形で形成され、プレート29には2つのボルト挿通孔H1が形成されている。
そして、鋼製変形誘発部材26Aの両端のプレート29に、鋼製支保部材22の端部のプレート29を突き合わせ、ボルト挿通孔H1に挿通したボルトB1にナットN1を螺合し、鋼製変形誘発部材26Aの両端のプレート29と、鋼製支保部材22の端部のプレート29とを締結することで鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aとを連結している。
【0015】
本実施の形態によれば、掘削表面12にトンネル10の周囲の地山からの荷重が作用し、トンネル断面を縮小する方向の曲げモーメントが支保工20に作用した際、鋼製支保部材22よりも率先して鋼製変形誘発部材26Aが変形することで地山の変形を吸収し、トンネル10の周囲の地山を安定化することができる。
この場合、鋼製変形誘発部材26Aは鋼製の部材であり変形量を調整できることから、従来のように、トンネル10の内側に大きく突出することもない。
したがって、本実施の形態によれば、掘削表面12に周囲の地山からの荷重が作用した場合、鋼製支保工16にある程度の変形を許容させることで地山の変形を吸収し、地山を安定させることができ、上述の従来技術のようにトンネル10の内側に大きく突出することもないので、上述の従来技術に比べて覆工工事を円滑に行なえ、トンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
また、鋼製支保部材22および鋼製変形誘発部材26AとしてH形鋼を用いるので、市販品から鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aとを簡単に製作でき、上述の従来技術に比べてトンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
特に、本実施の形態では、鋼製変形誘発部材26Aとして、鋼製支保部材22を構成するH形鋼を使用できるため、鋼製支保部材22の製作時に、鋼製変形誘発部材26Aを一緒に製作でき、上述の従来技術に比べてトンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
【0016】
次に、図6から図8を参照してプレート29に代えて連結部材を構成するブラケット30、ボルトB1、B2、ナットN1を介して鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aとを連結した第1の実施の形態の変形例について説明する。
図7(A)に示すように、ブラケット30は、金属製で2つ設けられている。
詳細には、図6(A)、(B)に示すように、鋼製支保部材22を構成するH形鋼の長手方向の端部でウェブ2404の幅方向の中央に、鋼製支保部材22の長手方向に間隔をおいて2つのボルト挿通孔H1が形成されている。
また、鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼の一対のフランジ2402の幅方向の中央に、鋼製変形誘発部材26Aの長手方向に間隔をおいて2つの雌ねじF1が形成されている。
2つのブラケット30は同一形状で、図8(A)、(B)に示すように、細長の中央板部3002と、中央板部3002の長手方向の両端に屈曲部を介して接続された一対の端部板部3004とを備えている。
中央板部3002と一対の端部板部3004には、それぞれ2つのボルト挿通孔H2がそれらの長手方向に間隔をおいて2つずつ形成されている。
図7(A)、(B)に示すように、2つのブラケット30の中央板部3002は、鋼製変形誘発部材26Aを構成するH形鋼の一対のフランジ2402に、ボルト挿通孔H2に挿通され雌ねじF1に螺合するボルトB1で取り付けられている。
また、2つのブラケット30の一対の端部板部3004は、鋼製変形誘発部材26Aを挟んで隣り合う鋼製支保部材22を構成するH形鋼のウェブ2404に当接され、ボルト挿通孔H1、H2に挿通されたボルトB2と、ボルトB2に螺合するナットN1によりH形鋼のウェブ2404に共締めされ、締結されることで取り付けられている。
このような変形例によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
なお、鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aとを連結する連結部材の構成には、従来公知の様々な構造が採用可能であるが、第1の実施の形態のようなプレート29や、変形例のようなブラケット30を用いると、簡単な構成で鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aとを簡単に確実に連結する上で有利となる。
なお、この第1の実施の形態とその変形例では、鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aとが同一の形鋼であるH形鋼で構成され、トンネルの掘削方向Xに対してH形鋼の断面形状の向きを90度変えて配置した場合について説明した。本発明では、鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Aとに用いる同一の断面形状の形鋼は、H形鋼に限定されず溝型鋼やI形鋼などその他の形鋼でもよく、その場合には、断面係数が大きくなる向きにして形鋼を鋼製支保部材22として用い、断面係数が小さくなる向きにして形鋼を鋼製変形誘発部材26Aとして用いればよく、トンネルの掘削方向Xに対して形鋼の断面形状の向きを変える角度は90度に限定されず、例えば、30度、45度、60度などであってもよい。
さらに、鋼製支保部材22を構成する形鋼と同一の断面形状であっても、鋼製支保部材22を構成する形鋼の材料よりも、例えば強度や剛性が低い材料すなわち変形し易い材料で形成された形鋼からなるあるいは鋼材製の鋼製変形誘発部材26Aを用いれば、その断面形状を鋼製支保部材22の形鋼と同じ向きで使用することが可能となる。その場合でも、トンネルの掘削方向Xに対して鋼製変形誘発部材26Aの断面形状の向きを変えて使用してもよい。無論、本発明では、鋼製支保部材22や鋼製変形誘発部材26Aに用いる部材は形鋼に限定されず、鋼製支保部材22の断面形状と鋼製変形誘発部材26Aの断面形状が異なった形鋼を含む鋼製の部材を用いるなど任意であり、その場合でも、鋼製支保部材22を構成する材料よりも変形し易い材料を用いれば、鋼製変形誘発部材26Aを簡単に製作する上で有利となる。
また、鋼製支保部材22の断面係数よりも断面係数が小さい鋼製変形誘発部材26Aを用いることで、鋼製変形誘発部材26Aを簡単に製作することができる。
また、本実施の形態では、鋼製変形誘発部材26Aの断面形状が長手方向に沿って均一である場合について説明したが、鋼製変形誘発部材26Aの断面形状は長手方向の沿って次第に大きくなる、あるいは、次第に小さくなる、あるいは長手方向の中間部が両端に比べて小さいなどのものを用いて鋼製支保部材22よりも変形し易くするなど任意である。
【0017】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図10図12を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な箇所、部材には同一の符号を付してその説明を省略あるいは簡略し、第1の実施の形態と異なった箇所を重点的に説明する。
第2の実施の形態では、図10に示すように、鋼製変形誘発部材26Bが、ウェブ2414と、前記ウェブ2414の両端から起立する一対のフランジ2412とからなる溝型鋼で構成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
鋼製支保部材22は、第1の実施の形態と同様に、一対のフランジ2402を、トンネル断面のほぼ中央に対向させ、ウェブ2404をトンネル10の掘削方向Xに対向させて配置したH形鋼で構成されている。
すなわち、第2の実施の形態では、鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Bとは、互いに形状の異なる形鋼で構成されている。
図10に示すように、溝型鋼は、平面視した場合、溝型鋼の図心をH形鋼の図心に合致させて配置されている。
溝型鋼は、ウェブ2414をトンネル断面の中央に対向させて配置されている。
第1の実施の形態と同様に、鋼製変形誘発部材26Bの長さや断面係数は、地山からの荷重が掘削表面12から支保工20に作用した際の変形量を考慮して適宜設定され、地山からの荷重が掘削表面12から支保工20に作用した際、支保工20に生じる曲げモーメントに対しての鋼製変形誘発部材26Bの断面係数は、鋼製支保部材22の断面係数よりも小さく形成され、鋼製変形誘発部材26Bは鋼製支保部材22よりも変形し易い部材となっている。
【0018】
鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Bとは、図11図12に示すように、ブラケット32とボルトB3、B4を介して連結されている。
詳細には、図11(B)に示すように、鋼製支保部材22を構成するH形鋼の長手方向の端部で一対のフランジ2402の幅方向両側に2つの雌ねじF2が形成されている。
また、図11A)、(B)に示すように、鋼製変形誘発部材26Bを構成する溝型鋼の2つのフランジ2412には、それぞれ雌ねじF3が形成されている。
【0019】
ブラケット32は、2つ設けられている。
2つのブラケット32は同一形状で、図12(A)、(B)、(C)に示すように、中央板部3202と、中央板部3202の両端から屈曲された一対の端部板部3204とを備えている。
一対の端部板部3204は、それらの間にH形鋼の一対のフランジ2402が挿入される寸法で形成されている。
中央板部3202には2つのボルト挿通孔H3が形成され、一対の端部板部3204には、それぞれ2つのボルト挿通孔H4が形成されている。
図11(A)、(B)に示すように、2つのブラケット32の中央板部3202は、鋼製変形誘発部材26Bを構成する溝型鋼の端部に突き当てられると共に、鋼製支保部材22の端部に突き当てられ、また、一対の端部板部3204はH形鋼の一対のフランジ2402に合わされ、一対の端部板部3204のボルト挿通孔H4に挿通され一対のフランジ2402の雌ねじF2に螺合するボルトB3で2つのブラケット32はH形鋼の端部に取り付けられている。
また、中央板部3202のボルト挿通孔H3に挿通され溝型鋼のフランジ2412の雌ねじF3に螺合するボルトB4により、ブラケット32は溝型鋼に取り付けられている。
【0020】
このような第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、鋼製変形誘発部材26Bは鋼製支保部材22よりも変形し易く、掘削表面12にトンネル10の周囲の地山からの荷重が作用し、トンネル断面を縮小する方向の曲げモーメントが支保工20に作用した際、鋼製支保部材22よりも率先して鋼製変形誘発部材26Bが変形することで地山の変形を吸収し、トンネル10の周囲の地山を安定化することができる。
この場合、鋼製変形誘発部材26Bは鋼製の部材であり変形量を調整できることから、従来のように、トンネル10の内側に大きく突出することもない。
したがって、掘削表面12に周囲の地山からの荷重が作用した場合、鋼製支保工16にある程度の変形を許容させることで地山の変形を吸収し、地山を安定させることができ、上述の従来技術のようにトンネル10の内側に大きく突出することもないので、上述の従来技術に比べて覆工工事を円滑に行なえ、トンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
また、鋼製支保部材22としてH形鋼を用い、鋼製変形誘発部材26Bとして溝型鋼を用いるので、市販品から鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Bとを簡単に製作でき、上述の従来技術に比べてトンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
なお、形鋼としてH形鋼、溝型鋼の他に,I形鋼や山形鋼、丸鋼などがあり、本発明において鋼製支保部材22や鋼製変形誘発部材26Bを構成する形鋼として、それらを任意に組み合わせて使用するなどしてもよい。
【0021】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図13図15を参照して説明する。
第3の実施の形態では、図13に示すように、鋼製変形誘発部材26Cが鉄筋で構成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
鋼製支保部材22は、第1の実施の形態と同様に、一対のフランジ2402を、トンネル断面のほぼ中央に対向させ、ウェブ2404をトンネル10の掘削方向Xに対向させて配置したH形鋼で構成されている。
鋼製変形誘発部材26Cを構成する鉄筋は、鉄筋の図心をH形鋼の図心に合致させて配置されている。
第1の実施の形態と同様に、鋼製変形誘発部材26Cの長さや断面係数は、地山からの荷重が掘削表面12から支保工20に作用した際の変形量を考慮して適宜設定され、地山からの荷重が掘削表面12から支保工20に作用した際、支保工20に生じる曲げモーメントに対しての鋼製変形誘発部材26Cの断面係数は、鋼製支保部材22の断面係数よりも小さく形成され、鋼製変形誘発部材26Cは鋼製支保部材22よりも変形し易い部材となっている。
【0022】
鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Cとは、図14に示すように、ブラケット34とボルトB5を介して連結されている。
詳細には、図14(A)、(B)に示すように、鋼製支保部材22を構成するH形鋼の長手方向の端部で一対のフランジ2402の幅方向両側に2つの雌ねじF4が形成されている。
【0023】
ブラケット34は、金属製で2つ設けられている。
2つのブラケット34は同一形状で、図15(A)、(B)、(C)に示すように、ブラケット本体3402と、筒状部材3404とを備えている。
ブラケット本体3402は、中央板部3412と、中央板部3412の両端から屈曲された一対の端部板部3414とを備えている。
一対の端部板部3414は、それらの間に鋼製支保部材22を構成するH形鋼の一対のフランジ2402が挿入される寸法で形成されている。
一対の端部板部3414には、それぞれ2つのボルト挿通孔H5が形成されている。
筒状部材3404の内径は、鋼製変形誘発部材26Cを構成する鉄筋の端部が嵌合される寸法で形成され、中央板部3412の中央に溶接で取り付けられている。
図14(A)、(B)に示すように、鋼製変形誘発部材26Cを構成する鉄筋の両端に筒状部材3404が嵌合され、一対の端部板部3414が一対のフランジ2402に合わされ、一対の端部板部3414のボルト挿通孔H5に挿通され一対のフランジ2402の雌ねじF4に螺合するボルトB5で2つのブラケット34はH形鋼の端部に取り付けられている。
【0024】
このような第3の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、掘削表面12にトンネル10の周囲の地山からの荷重が作用し、トンネル断面を縮小する方向の曲げモーメントが支保工20に作用した際、鋼製変形誘発部材26Cは鋼製支保部材22よりも変形し易く、鋼製支保部材22よりも率先して鋼製変形誘発部材26Cが変形することで地山の変形を吸収し、トンネル10の周囲の地山を安定化することができる。
この場合、鋼製変形誘発部材26Cは鋼製の部材であり変形量を調整できることから、従来のように、トンネル10の内側に大きく突出することもない。
したがって、掘削表面12に周囲の地山からの荷重が作用した場合、鋼製支保工16にある程度の変形を許容させ荷重を逃がすことで地山を安定させることができ、上述の従来技術のようにトンネル10の内側に大きく突出することもないので、上述の従来技術に比べて覆工工事を円滑に行なえ、トンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
また、鋼製支保部材22としてH形鋼を用い、鋼製変形誘発部材26Cとして鉄筋を用いるので、市販品から鋼製支保部材22と鋼製変形誘発部材26Cとを簡単に製作でき、上述の従来技術に比べてトンネル工事の施工期間を短縮し、コストダウンを図る上で有利となる。
【符号の説明】
【0025】
10 トンネル
12 掘削表面
14 吹き付けコンクリート
14A 一次吹き付けのコンクリート
14B 二次吹き付けのコンクリート
16 鋼製支保工
18 ロックボルト
20 支保工
22 鋼製支保部材
2402,2412 フランジ
2404、2414 ウェブ
26A、26B、26C 鋼製変形誘発部材
28 袋体
2802 モルタル
29 プレート
30、32、34 ブラケット
3002,3202,3412 中央板部
3004,3204,3414 端部板部
3402 ブラケット本体
3404 筒状部材
B1、B2、B3、B4、B5 ボルト
F1,F2、F3、F4 雌ねじ
H1、H2、H3、H4、H5 ボルト挿通孔
N1 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15