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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148238
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】撮像装置、画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20220929BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20220929BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20220929BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20220929BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220929BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220929BHJP
   G03B 15/00 20210101ALN20220929BHJP
【FI】
H04N5/225 430
G03B17/56 E
G03B15/05
G03B15/03 P
H04N5/225 100
H04N5/225 400
H04N5/225 600
H04N5/232 290
G06T1/00 400B
G03B15/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049841
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】397038680
【氏名又は名称】日本ノーベル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祥夫
(72)【発明者】
【氏名】恩塚 誠
【テーマコード(参考)】
2H053
2H105
5B047
5C122
【Fターム(参考)】
2H053CA21
2H105CC25
2H105EE11
5B047AA17
5B047BA02
5B047BB06
5B047BC11
5B047BC20
5B047CA12
5B047CA19
5B047CB16
5B047CB22
5C122EA02
5C122FB02
5C122FB11
5C122FH14
5C122FL05
5C122GE11
5C122GG06
5C122GG17
5C122GG21
5C122HB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】画像を読み取る対象物の温度が極低温であっても結露を生じにくくすることが可能な撮像装置及び画像処理システムを提供する。
【解決手段】載置された対象物を撮影するための撮像装置100であって、対向する第1面及び第2面を有しており、少なくとも第1面が鉛直方向に対して斜交するように配置される透明板(ガラス板12)と、透明板と対象物との間に隙間を生じるようにして対象物を透明板の第1面側に位置決めして配置する筐体20と、透明板の第2面側から対象物を撮影するカメラ24と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置された対象物を撮影するための装置であって、
対向する第1面及び第2面を有しており、少なくとも前記第1面が鉛直方向に対して斜交するように配置される透明板と、
前記透明板と前記対象物との間に隙間を生じるようにして前記対象物を前記透明板の前記第1面側に位置決めして配置する筐体と、
前記透明板の前記第2面側から前記対象物を撮影するカメラと、
を備える、撮像装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記対象物の載置時の前記隙間とつながり前記透明板よりも下方において開口した溝部を有する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記透明板の前記第1面側に設けられる側壁を有しており、
前記溝部は、前記側壁と前記透明板の前記第1面によって画定される空間である前記隙間とつながるように設けられる、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記溝部は、前記透明板の前記第1面と連続的につながる面からなる底壁を有する、
請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記透明板の前記第2面側から前記対象物に光を照射する光源、を更に含む、
請求項1~4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記対象物の載置時に当該対象物と接触することで動作するスイッチを更に含み、
前記カメラは、前記スイッチの動作に応じて前記対象物を撮影し、
前記光源は、前記スイッチの動作に応じて前記光を照射する、
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記対象物の側面からの光を前記カメラの方向へ反射させる反射部材、を更に含む、
請求項1~6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の撮像装置と、
前記撮像装置の動作を制御し、前記カメラにより前記対象物を撮影して得られた画像データに画像処理を行う情報処理装置と、
を含む、画像処理システム。
【請求項9】
前記対象物は、当該対象物の内容に関連する情報を含む光学的読み取り可能な印刷パターンが付されており、
前記情報処理装置は、前記画像データに基づいて前記印刷パターンに含まれる前記情報を読み取る、
請求項8に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に極低温の対象物の撮影に適した撮像装置と画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開平7-135540号公報(特許文献1)には、筐体等により形成される密閉空間内の湿気を吸湿材によって吸収することで、密閉空間内での結露を防止するように構成された画像読取装置が記載されている。
【0003】
ところで、画像を読み取る対象物の温度が極低温である場合には、この対象物と接するガラス板等の載置台が急速に冷やされ、載置台の表面や裏面に結露を生じる場合がある。このような場面の一例としては、極低温での保存が必要となる生体由来の検体(例えば血液等)を収容した検体チューブの入出庫処理時に、検体チューブあるいはそれを収容するボックスに付されたバーコード等の管理情報を読み取る場面が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-135540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る具体的態様は、画像を読み取る対象物の温度が極低温であっても結露を生じにくくすることを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係る一態様の撮像装置は、(a)載置された対象物を撮影するための装置であって、(b)対向する第1面及び第2面を有しており、少なくとも前記第1面が鉛直方向に対して斜交するように配置される透明板と、(c)前記透明板と前記対象物との間に隙間を生じるようにして前記対象物を前記透明板の前記第1面側に位置決めして配置する筐体と、(d)前記透明板の前記第2面側から前記対象物を撮影するカメラと、を備える、撮像装置である。
[2]本発明に係る一態様の撮像装置は、上記1の撮像装置と、この撮像装置の動作を制御し、前記カメラにより前記対象物を撮影して得られた画像データに画像処理を行う情報処理装置と、を含む、画像処理システムである。
【0007】
上記構成によれば、画像を読み取る対象物の温度が極低温であっても結露を生じにくくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の撮像装置の構成を示す斜視図である。
図2図2は、この撮像装置の使用方法を説明するための斜視図である。
図3図3は、撮像装置の構成を示す側面図である。
図4図4は、撮像装置の構成を示す上面図である。
図5図5は、撮像装置の一部構成を分解して示した斜視図である。
図6図6は、撮像装置における冷気による結露等の不具合を防止する原理について説明するための図である。
図7図7は、撮像装置を用いて構成される画像処理システムの構成例を示すブロック図である。
図8図8は、検体ボックスの構成例を示す図である。
図9図9(A)は、検体ボックスに付された各バーコードを1つの画像として読み取る原理について説明するための図である。図9(B)は、各バーコードの画像を含んだ1つの画像の例を示す図である。
図10図10は、画像処理システムの動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、一実施形態の撮像装置の構成を示す斜視図である。図2は、この撮像装置の使用方法を説明するための斜視図である。図3は、撮像装置の構成を示す側面図である。図4は、撮像装置の構成を示す上面図である。図5は、撮像装置の一部構成を分解して示した斜視図である。なお、図1図3図5では撮像装置の内部構造を示すために筐体の外側パネルを一部省略して示している。
【0010】
図1などに示すように、撮像装置100は、位置決め部材10、ガラス板(透明板)12、ミラー(反射部材)14、スイッチ16、2つの溝部18、筐体20、LED光源22、カメラ24を含んで構成されている。この撮像装置100は、図2に示すように、生体由来の検体(例えば血液など)を収容する複数の検体チューブ202を配列して格納する検体ボックス(対象物)200を鉛直方向に対して斜めに載置し、この検体ボックス200を下側から撮影し、その画像に基づいて各検体チューブ202に付されたバーコードや検体ボックス200自体に付されたバーコードを読み取るために用いられる。
【0011】
位置決め部材10は、検体ボックス200を載置する際にその位置決めするための部材であり、左位置決め部10a、右位置決め部10b、下位置決め部10c、開口部10d、枠状部10eを含んで構成されている。本実施形態の位置決め部材10は、筐体20の一部を構成するものであり、筐体20の本体(位置決め部材10を除く部分)に対して着脱可能に構成されている(図5参照)。この位置決め部材10に載置された検体ボックス200の下部とガラス板12との間には隙間が生じる。
【0012】
左位置決め部10aと右位置決め部10bは、検体ボックス200が載置された際にその左側および右側とそれぞれと当接する。それにより、検体ボックス200の左右方向の位置決めがなされる。同様に、下位置決め部10cは、検体ボックス200が載置された際にその下側と当接する。それにより、検体ボックス200の上下方向の位置決めがなされる。本実施形態では、図4に示すように、左位置決め部10a、右位置決め部10bおよび下位置決め部10cは、凹の字状に一体に形成されている。
【0013】
開口部10dは、位置決め部材10の略中央に設けられている(図5参照)。この開口部10dは、位置決め部材10の下側に配置されるガラス板12を露出させるためのものである。開口部10dの周囲には、検体ボックス200の外縁部の下側を支持する枠状部10eが設けられている。
【0014】
ガラス板12は、筐体20の位置決め部材10に載置された検体ボックス200とカメラ24との間に位置するように設けられている。このガラス板12は、透明な平板状の部材であり、対向する第1面及び第2面を有している。本実施形態では、検体ボックス200と対抗する面が第1面に対応し、カメラ24と対向する面が第2面に対応する。
【0015】
ガラス板12は、撮像装置100の使用時(設置時)において、少なくとも第1面が鉛直方向(重力の方向)に対して斜交するように配置される。図示の例ではz方向が鉛直方向に対応するものとする。ガラス板12の第1面とz方向とのなす角度は、検体ボックス200の載置のしやすさ等を考慮して適宜設定すればよく、例えば60°±15°程度の範囲で設定することが好ましい。x方向との関係で別言すれば、ガラス板12の第1面とx方向とのなす角度は、30°±15°程度の範囲で設定することが好ましい。
【0016】
ミラー14は、検体ボックス200の側面を写してカメラ24の方向へ反射させるものである。本実施形態のミラー14は、位置決め部材10の左位置決め部10aの近くに設けられており、検体ボックス200の左側面からの光を反射し、ガラス板12を介してカメラ24へ導けるように構成されている。
【0017】
スイッチ16は、検体ボックス200の載置時に、この検体ボックス200の下側面に接触し、この下側面から押圧されて動作する。詳細を後述するように、このスイッチ16が動作することを契機として、LED光源22の発光動作およびカメラ24の撮影動作が実行される。
【0018】
本実施形態では、スイッチ16は、位置決め部材10の下側に一体に設けられており、検体ボックス200と当接すべき部位が下位置決め部10cの一部を貫通して露出している(図4参照)。それにより、使用者が検体ボックス200を載置した際にスイッチ16が押圧されて動作し、それを契機にLED光源22の発行動作およびカメラ24の撮影動作が実行されるので、撮影のために操作者が別途の操作を行う必要がなくなり作業効率が向上する。また、検体ボックス200の下位置決め部10cへの当接に伴ってスイッチ16を動作させるようにしているので、検体ボックス200が所期の位置にきちんと配置された状態で撮影させることが可能となり、撮影時の位置ズレなどのミスも防止することができる。
【0019】
2つの溝部18は、それぞれ筐体20においてガラス板12の下端側に設けられており、下方において開口している。これらの溝部18は、検体ボックス200の載置時に検体ボックス200とガラス板12との間に生じる隙間とつながるように構成されている。図5に示すように、各溝部20は、向かうあう一対の側壁18aと、これら側壁18aの間に配置される底壁18bとを有している。
【0020】
本実施形態では、各側壁18aのうち1つは、筐体20においてガラス板12の第1面側に設けられる側壁20aと連通して設けられている。また、本実施形態では、各底壁18bは、ガラス板12の第1面と連続的につながる面を有する。また、各溝部18は、筐体20の各側壁20aとガラス板12の第1面によって画定される空間である隙間とつながるように設けられている。本実施形態では、各溝部18の各側壁18aおよび各底壁18bと、位置決め部材10の各溝部18と対抗する部位(下面)によって画定される空間が貫通孔となり、それら貫通孔の一方の開口部がガラス板12側に位置し、他方の開口部が撮像装置100の前面側に位置するように構成されている。
【0021】
筐体20は、上部に位置決め部材10およびガラス板12が取り付けられ、内部にLED光源22、カメラ24が取り付けられている。筐体20の構成(形状、素材等)については特段に限定がなく、検体ボックス200の撮影に適した形状等を適宜採用することができる。
【0022】
LED光源22は、筐体20内部に取り付けられており、ガラス板12の第2面側から検体ボックス200の下側へ光を照射する。なお、ここではLEDを用いる光源を例示したが撮影に適した光を照射し得る限りこれに限定されない。また、光の波長も可視光域に限定されず、例えばカメラ24が赤外光に対応し得るものであれば赤外光域の光を発する光源を用いてもよい。
【0023】
カメラ24は、筐体20内部にガラス板12から離間して取り付けられており、ガラス板12の第2面側から検体ボックス200の下側を撮影する。詳細には、カメラ24は、LED光源22から発せられた光が検体ボックス200の下側に照射された際にその反射光による像を撮影する。
【0024】
図6は、撮像装置における冷気による結露等の不具合を防止する原理について説明するための図である。本実施形態で撮影対象となる検体ボックス200は、生体由来の検体を収容するものであり、通常、例えば-200℃前後の極低温で保管されており、極力、温度上昇を避けるために極低温のままで速やかに撮像装置100による撮影を行い、元の保存庫へ速やかに戻すことが望まれる。この際、仮にこの極低温の検体ボックス200をガラス板12と直接に接する状態で載置すると、ガラス板12が急速に冷却され、その周囲の空気も冷却されることでガラス板12の表面に結露を生じたり、ガラス板12の周囲に冷気による霧を生じたりする可能性がある。この場合、カメラ24によって撮影される画像は、結露や冷気による霧の影響によって不鮮明なものとなる。
【0025】
これに対して、図6に示すように本実施形態の撮像装置100では、検体ボックス200とガラス板12が直接的に接触せずに両者間に隙間102が生じるように検体ボックス200が載置されるので、ガラス板12の急速な冷却による結露の発生を回避できる。また、本実施形態の撮像装置100では、ガラス板12の第1面(検体ボックス200と対向する面)が鉛直方向に対して斜交するように構成されているので、検体ボックス200の周囲の空気が急速に冷却されて生じた冷気104やそれに伴う霧は、重力によりガラス板12の第1面に沿って下方へ流れ、溝部18を通って撮像装置100の外部へ排出される(図5において溝部18に示した矢印も参照)。このため、冷気104によってガラス板12が冷却されにくくして結露を防止することができるとともに、冷気104やそれに伴う霧がガラス板12の近傍に留まるのを防止することができる。従って、カメラ24により撮影される画像はより鮮明なものとなる。特に本実施形態では、溝部18の底壁18bとガラス板12の第1面との接続する位置において両者に段差が生じずに連続的な面を形成するように構成しているので、冷気104やそれに伴う霧の排出がよりスムーズになる。隙間102における検体ボックス200の下面とガラス板12の第1面との相互間距離Dは、例えば5mm~20mm程度にすることが好ましい。
【0026】
図7は、上記した撮像装置を用いて構成される画像処理システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態の画像処理システムは、上記した実施形態に係る撮像装置100と、撮像装置100のLED光源22に電力を供給する電源110と、電源110の動作を制御するコントローラ112と、情報処理装置114を含んで構成されている。
【0027】
情報処理装置114は、スイッチ16およびカメラ24と接続されており、カメラ24により得られた画像に対して所定の画像認識処理を行い、検体ボックス200に付されたバーコードに含まれた情報を読み取る。また、情報処理装置114は、コントローラ112と接続されており、コントローラ112に対して動作指示を行う。この情報処理装置114は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータにおいて所定の動作プログラムを実行させることにより実現可能である。
【0028】
図8は、検体ボックスの構成例を示す図である。詳細には、図8(A)は検体ボックス200の1つの側面を見た様子を示し、図8(B)は検体ボックス200の下側から見た様子を示している。図8(A)に示すように、検体ボックス200は、その1つの側面にバーコード204が付されている。ここではバーコード204の一例として一次元バーコードが示されている。バーコード204には、この検体ボックス200に関する情報が含まれている。また、図8(B)に示すように、検体ボックス200に格納された各検体チューブ202は、その底部にバーコード206が付されている。ここではバーコード206の一例として二次元バーコードが示されている。各バーコード206には、各検体チューブ202に収容された検体に関する情報などが含まれている。本実施形態の画像処理システムは、これらのバーコード204、206に含まれる情報を読み取るものである。
【0029】
図9(A)は、検体ボックスに付された各バーコードを1つの画像として読み取る原理について説明するための図である。上記のように撮像装置100には検体ボックス200の側面を写すためのミラー14が設けられている。このため、LED光源22によって光が照射された際に、検体ボックス200の側面に付されたバーコード204の像については、ミラー14によって反射されてカメラ24に入射する。他方、LED光源22によって光が照射された際に、各検体チューブ202の底部に付されたバーコード206の像についてはガラス板12を介して直接的にカメラ24に入射する。このような構成により、図9(B)に例示するように、カメラ24による一度の撮影でバーコード204の画像106a、各バーコード206の画像106bを含んだ1つの画像106が得られる。それにより、画像処理の効率を向上させることができる。
【0030】
図10は、画像処理システムの動作手順を示すフローチャートである。なお、ここで示す情報処理の流れは一例であり、情報処理の結果に矛盾や不整合を生じない限りにおいてその順序を変更してもよく、またここで言及しない他の処理を追加してもよく、それらの実施態様も排除されない。
【0031】
スイッチ16がオンになるまでの間(ステップS11;NO)、情報処理装置114は待機状態となる。使用者により撮像装置100の位置決め部材10に検体ボックス200が載置され、検体ボックス200との接触によってスイッチ16がオンになると(ステップS11;YES)、これを契機として情報処理装置114は、コントローラ112に指示を送ってLED光源22を点灯させるとともに(ステップS12)、カメラ24を制御して検体ボックス200の下側を撮像させる(ステップS13)。カメラ24による撮像後、情報処理装置114は、LED光源22を消灯させる(ステップS14)。
【0032】
なお、ステップS11においてスイッチ16がオンになるというのは、スイッチ16が導通状態になることであってもよいし、逆に非導通状態になることであってもよい。すなわち、スイッチ16の状態の変化を情報処理装置114において検知できたことを意味する。
【0033】
次に、情報処理装置114は、カメラ24から得られた画像106に対して所定の前処理を行う(ステップS15)。ここでいう前処理とは、例えば画像のコントラスト調整、歪み補正、傾き補正などである。特に本実施形態では、ミラー14によって得られたバーコード204の画像106a、各バーコード206の画像106bに対する傾き補正、方向補正などが実行される。
【0034】
次に、情報処理装置114は、画像106に含まれる各画像106a、106bに対して画像認識処理を行い、各バーコード204、206に含まれる情報の読み取りを行う(ステップS16)。読み取られた情報は適宜、情報処理装置114のディスプレイに表示されるとともに、一時記憶される。
【0035】
次に、情報処理装置114は、読み取られた情報と、適宜使用者によってキーボード等の入力手段を用いて入力される情報を含んだ入庫データないし出庫データを記憶装置(図示せず)に記録する(ステップS17)。その後、ステップS11に戻る。
【0036】
以上説明した通り、本実施形態の撮像装置並びにこれを用いた画像処理システムによれば、画像を読み取る対象物である検体ボックスが極低温であっても結露や霧などの阻害要因を生じにくくして鮮明な画像を得ることができる。
【0037】
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では、生体由来の検体を扱う場合を例示したが用途はこれに限定されない。例えば、食品等の冷凍物を管理する場合、冷温保存が必要な試薬を管理する場合など、種々の場合に本発明を適用可能である。
【0038】
また、上記した実施形態の撮像装置では、筐体に設けた溝部と位置決め部材の下面で貫通孔を形成していたが、筐体のみで貫通孔を形成してもよい。また、必ずしも貫通孔が形成されなくてもよい。また、上記した実施形態では2つの溝部とこれらの間に突起部が設けられる例を示していたが、突起部を省略して1つの溝部としてもよい。また、スイッチは、検体ボックスの載置時にこれと接して動作し得る限り、どのような位置に設けられてもよい。また、上記した実施形態では光学的読み取り可能な印刷パターンの一例としてバーコードを説明していたがこれに限定されず、光学的に読み取り可能なものであればよい。
【符号の説明】
【0039】
10:位置決め部材
12:ガラス板
14:ミラー
16:スイッチ
18:溝部
20:筐体
22:LED光源
24:カメラ
100:撮像装置
102:隙間
104:冷気
106:画像
200:検体ボックス
202:検体チューブ
204:(一次元)バーコード
206:(二次元)バーコード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10