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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148240
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】什器システム
(51)【国際特許分類】
   A47F 7/24 20060101AFI20220929BHJP
   A47G 25/02 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A47F7/24 A
A47G25/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021049846
(22)【出願日】2021-03-24
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】592207832
【氏名又は名称】日本コパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 宗利
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA01
3K099BA23
3K099BA26
3K099CA06
3K099CB51
3K099DA05
3K099EA12
(57)【要約】
【課題】共通性のあるデザインを有しながら複数種類の什器を簡単に形成することが可能な什器システムを提供することを目的とする。
【解決手段】什器システム1は、棒状部材であり、長手方向が鉛直方向に対して平行に設置される支柱部11と、板状部材であり載置面に設置される円板部と、円板部に突出して設けられ支柱部11の一端部と接続可能な突出部と、を有し、支柱部11を立設させた状態で支持可能な脚部12と、棒状部材であり、長手方向が水平方向に対して平行に設置される横架部13と、柱状部材であり一端部において支柱部11の上記一端部とは反対側の他端部と接続可能である一つの本体部と、管状部材であり本体部の軸方向に対して垂直方向に突出して設けられ、横架部13と接続可能である一つ又は複数の突出部と、を有し、本体部と突出部が一体的に形成された接続部14とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状部材であり、長手方向が鉛直方向に対して平行に設置される支柱部と、
板状部材であり載置面に設置される板部と、前記板部に突出して設けられ前記支柱部の一端部と接続可能な第1突出部と、を有し、前記支柱部を立設させた状態で支持可能な脚部と、
棒状部材であり、長手方向が水平方向に対して平行に設置される横架部と、
柱状部材であり一端部において前記支柱部の前記一端部とは反対側の他端部と接続可能である一つの本体部と、管状部材であり前記本体部の軸方向に対して垂直方向に突出して設けられ、前記横架部と接続可能である一つ又は複数の第2突出部と、を有し、前記本体部と前記第2突出部が一体的に形成された接続部と、
を備える什器システム。
【請求項2】
前記脚部は、接続する前記支柱部を、同一径であり長さの異なる別の前記支柱部に交換して接続可能であり、
前記接続部は、接続する前記支柱部を、同一径であり長さの異なる別の前記支柱部に交換して接続可能であり、又は、接続する前記横架部を、同一径であり長さの異なる別の前記横架部に交換して接続可能である請求項1に記載の什器システム。
【請求項3】
前記支柱部の前記他端部は、別の前記支柱部の一端部と接続可能である請求項1に記載の什器システム。
【請求項4】
前記接続部の前記本体部は、前記一端部とは反対側の他端部において別の前記支柱部の一端部と接続可能である請求項1に記載の什器システム。
【請求項5】
板状部材であって上面が平坦面であり、下面において前記支柱部の前記他端部と接続可能な天板部を更に備える請求項1に記載の什器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
百貨店、ショッピングモール等の共有スペースや、展示場などの比較的広い空間において、店舗(例えば、ポップアップストア)や催事用ブース等を一時的に設営する場合、間仕切りや商品陳列のために複数の什器が用いられることが一般的である。
【0003】
また、従来、衣料品を扱う店舗において、衣料用ハンガーを吊り下げるためのハンガーラックなどの什器が設置されている。下記の特許文献1には、不使用時は折り畳んで空間を取らず、再使用時は新たに組み直す必要がなく、取外しや組立時間を節減することが可能なハンガーラックに関する技術が開示され、特許文献2には、陳列方式を容易に変更することが可能な衣料品陳列スタンドに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3006071号公報
【特許文献2】特開平7-327794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗やブース等が一時的に設営される場所は、内装、空間の広さや形状などが様々であり、陳列される商品に合わせるだけでなく、設置場所に合ったデザインやサイズの什器が選定される。また、店舗やブース等では、間仕切りやハンガーラックなど用途の異なる様々な什器が設置される。
【0006】
店舗やブース等を設営する前に、同一デザインを有する什器を様々なサイズや形状で予め用意しておけば、什器の設置場所の広さや形状に関わらず、当該デザインを有する什器を選定できる。また、用途の異なる什器を共通性のあるデザインにしておけば、統一感を有する店舗やブースを提供することができる。
【0007】
しかし、間仕切りやハンガーラックなどあらゆる什器について、共通性のあるデザインを有しながら、様々なサイズや形状のものを予め用意しておくことは利用頻度や費用面の観点等から困難である。そのため、商品や設置場所に対応したデザインやサイズの什器を選定できない。また、デザインがばらばらな什器が配置されることによって、統一感を有する店舗やブースを提供できないという問題が生じる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、共通性のあるデザインを有しながら複数種類の什器を簡単に形成することが可能な什器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の什器システムは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る什器システムは、棒状部材であり、長手方向が鉛直方向に対して平行に設置される支柱部と、板状部材であり載置面に設置される板部と、前記板部に突出して設けられ前記支柱部の一端部と接続可能な第1突出部と、を有し、前記支柱部を立設させた状態で支持可能な脚部と、棒状部材であり、長手方向が水平方向に対して平行に設置される横架部と、柱状部材であり一端部において前記支柱部の前記一端部とは反対側の他端部と接続可能である一つの本体部と、管状部材であり前記本体部の軸方向に対して垂直方向に突出して設けられ、前記横架部と接続可能である一つ又は複数の第2突出部と、を有し、前記本体部と前記第2突出部が一体的に形成された接続部とを備える。
【0010】
この構成によれば、棒状部材である支柱部は、長手方向が鉛直方向に対して平行に設置され、板部を有する脚部は、支柱部を立設させた状態で支持可能であり、棒状部材である横架部は、長手方向が水平方向に対して平行に設置される。脚部の板部は、板状部材であり載置面に設置される。脚部は、板部に突出して設けられた第1突出部を有し、第1突出部は支柱部の一端部(支柱部が立設されたときの下端部)と接続可能である。接続部は、柱状部材である一つの本体部と、管状部材である一つ又は複数の第2突出部を有し、本体部と第2突出部が一体的に形成されている。接続部の本体部は、一端部(支柱部と接続されたときの下端部)において支柱部の他端部(支柱部が立設されたときの上端部)と接続可能である。第2突出部は、本体部の軸方向に対して垂直方向に突出して設けられ、横架部と接続可能である。
【0011】
支柱部と横架部は、接続部によって互いに接続される。例えば、2個の脚部と、2本の支柱部と、2個の接続部と、1本の横架部を組み合わせることによって、門型の什器を形成できる。支柱部と接続部と横架部の組合せに応じて、形成される什器の形状を変更できる。什器システムによって形成される什器は、例えば、衣料用ハンガーを吊り下げるハンガーラック、看板や広告のためのバナー(垂れ幕)を吊り下げるラック、間仕切り、保護柵などである。
【0012】
上記什器システムにおいて、前記脚部は、接続する前記支柱部を、同一径であり長さの異なる別の前記支柱部に交換して接続可能であり、前記接続部は、接続する前記支柱部を、同一径であり長さの異なる別の前記支柱部に交換して接続可能であり、又は、接続する前記横架部を、同一径であり長さの異なる別の前記横架部に交換して接続可能でもよい。
【0013】
この構成によれば、脚部は、接続する支柱部を、同一径であり長さの異なる支柱部に交換して接続可能であり、また、接続部は、接続する支柱部又は横架部を、同一径であり長さの異なる別の支柱部、又は、同一径であり長さの異なる別の横架部に交換して接続可能である。これにより、支柱部や横架部を変更することによって、高さや幅の異なる什器を形成できる。
【0014】
上記什器システムにおいて、前記支柱部の前記他端部は、別の前記支柱部の一端部と接続可能でもよい。
【0015】
この構成によれば、支柱部の他端部(支柱部が立設されたときの上端部)において、別の支柱部の一端部(支柱部が立設されたときの下端部)が接続可能であり、2本の支柱部が互いに接続されることによって、支柱部が1本の場合と比べて高さの高い什器を形成できる。
【0016】
上記什器システムにおいて、前記接続部の前記本体部は、前記一端部とは反対側の他端部において別の前記支柱部の一端部と接続可能でもよい。
【0017】
この構成によれば、接続部における本体部の他端部(支柱部と接続されたときの上端部)において、別の支柱部の一端部(支柱部が立設されたときの下端部)と接続可能であり、接続部に接続された横架材よりも高い位置に支柱部を更に設けることができる。これにより、上段側の支柱部の上端部に別の接続部と別の横架部を設ければ、横架部が上下2段以上に設けられた什器を形成できる。
【0018】
上記什器システムにおいて、板状部材であって上面が平坦面であり、下面において前記支柱部の前記他端部と接続可能な天板部を更に備えてもよい。
【0019】
この構成によれば、板状部材であって上面が平坦面である天板部は、下面において支柱部の他端部(支柱部と接続されたときの上端部)と接続可能である。1個の脚部と、1本の支柱部と、1個の天板部を組み合わせることによって、サイドテーブルとしての什器を形成できる。天板部は、接続する支柱部の上端において、上述した接続部と代替的に接続可能である。これにより、接続部を天板部に変更することによって、門型の什器をサイドテーブルに変更できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、共通性のあるデザインを有しながら複数種類の什器を簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る什器システムによって形成された什器を示す平面図(a)及び正面図(b)である。
図2】本発明の一実施形態に係る什器システムによって形成された什器の変形例を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る什器システムによって形成された什器の変形例を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る什器システムの支柱部を示す縦断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る什器システムの脚部を示す縦断面図(a)及び平面図(b)である。
図6】本発明の一実施形態に係る什器システムの横架部を示す正面図(a)及び部分拡大斜視図(b)である。
図7】本発明の一実施形態に係る什器システムの接続部を示す正面図(a)、縦断面図(b)及び斜視図(c)である。
図8】本発明の一実施形態に係る什器システムの接続部の変形例を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る什器システムの接続部を示す正面図(a)、縦断面図(b)及び斜視図(c)である。
図10】本発明の一実施形態に係る什器システムの接続部の変形例を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施形態に係る什器システムによって形成される什器を示す分解正面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る什器システムによって形成された什器を示す正面図(a)及び斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態に係る什器システム1は、比較的形状や構造がシンプルな複数の部品を組み合わせるだけで、統一感を維持しながら、用途の異なる様々な什器を形成できる。什器システム1によって形成される什器は、例えば、店舗(例えば、ポップアップストア)や催事用ブース等に用いられる。什器システム1によって形成される什器は、例えば、衣料用ハンガーを吊り下げるハンガーラック、看板や広告のためのバナー(垂れ幕)を吊り下げるラック、間仕切り、保護柵などである。
【0023】
什器システム1を構成する部品は、例えば、図1から図3に示すように、支柱部11、脚部12、横架部13、接続部14などである。
【0024】
支柱部11は、棒状部材であり、例えば鋼製の円管である。支柱部11は、什器を自立させると共に、横架部13に吊下げられる衣料用ハンガーに掛けられた衣類などの商品、バナーなどを支持可能である。支柱部11の外径は、例えば25.4mmである。支柱部11は、同一径であり長さの異なるものが予め用意されることが望ましい。支柱部11の長さは、例えば、1300mm、715mmなどである。
【0025】
支柱部11は、長手方向(すなわち、支柱部11の軸方向)が鉛直方向に対して平行に設置される。支柱部11は、脚部12、接続部14又は別の支柱部11と接続可能である。図4に示すように、支柱部11の一端部には、支柱部11の中心軸上にボルトによって雄ねじ部15が形成される。支柱部11の他端部には、支柱部11の中心軸上にナットによって雌ねじ部16が形成される。雌ねじ部16は、例えば打ち込みナットであり、円管状の支柱部11の中空部分に嵌め込まれて設置される。
【0026】
支柱部11は、別の支柱部11と接続されることによって、支柱部11が1本のみ立設される場合と比べて高さの高い什器を形成できる。
【0027】
脚部12は、支柱部11を立設させた状態で支持可能である。脚部12は、図5に示すように、円板部17と、突出部18を有する。円板部17と突出部18は、一体的に形成される。
【0028】
円板部17は、鋼製の円板状部材であり、建築物の床などの載置面に設置される。円板部17は、板部の一例である。円板部17の外径は、例えば、300mmである。突出部18は、第1突出部の一例であり、円板部17の一面側、すなわち、什器として組み立てられるときの上面側に突出して設けられる。突出部18は、支柱部11の一端部(支柱部11が立設されたときの下端部)と接続可能である。突出部18は、例えば鋼製の円管状部材である。突出部18の外径は、支柱部11の外径と同一であり、例えば、25.4mmである。突出部18には、支柱部11の中心軸上にナットによって雌ねじ部19が形成される。雌ねじ部19は、例えば打ち込みナットであり、円管状の突出部18の中空部分に嵌め込まれて設置される。
【0029】
突出部18は、円板部17の中心に一つのみ設けられて、脚部12は、1本の支柱部11を立設させる。なお、突出部18は、円板部17において複数、例えば二つ設けられて、脚部12が複数本の支柱部11を立設させるようにしてもよい。
【0030】
脚部12の上面には、鋼製のウエイト(錘)(図示せず。)が積層されてもよい。これにより、什器が倒れたり位置ずれしたりしにくくなる。ウエイトは、什器システム1を構成する部品の一つとすることができる。ウエイトは、円板状部材であり、見た目を良くするため、脚部12の円板部17と同一の外径を有し、突出部18が貫通するように、突出部18の外径と同一の内径を有する貫通孔が形成される。
【0031】
横架部13は、棒状部材であり、例えば鋼製の円管状部材である。横架部13には、衣料用ハンガー、バナーなどが吊り下げられる。横架部13の外径は、例えば10.1mmである。横架部13の長さは、例えば、1500mmなどである。横架部13は、同一径であり長さの異なるものが予め用意されてもよい。横架部13は、長手方向(すなわち、支柱部11の軸方向)が水平方向に対して平行に設置される。
【0032】
横架部13は、接続部14と接続可能である。図6に示すように、横架部13の両端部には、それぞれ差込み部20が設けられる。差込み部20は、例えば横架部13の外径よりも細い鋼製の棒状部材であり、差込み部20の外径は、例えば15mmである。差込み部20の軸方向の長さは、例えば40mmである。差込み部20の軸方向の中間には、外周面の周方向に沿って溝21が形成される。溝21には、接続部14に設けられる雄ねじ25の先端部が挿入される。
【0033】
接続部14は、支柱部11と横架部13を接続する。接続部14は、図7から図10に示すように、一つの本体部22と、一つ又は複数の突出部23を有する。本体部22と突出部23は一体的に形成される。
【0034】
本体部22は、横断面が円形の柱状部材であり、鋼製である。本体部22は、中実部材でもよいし、中空の円管状部材でもよい。本体部22の外径は、支柱部11の外径よりも大きく、例えば28.6mmである。本体部22が円管状部材である場合、支柱部11が内部に挿入可能とされる。本体部22の内径は、支柱部11の外径よりも大きく、例えば26.2mmである。
【0035】
本体部22は、一端部(支柱部11と接続されたときの下端部)において支柱部11の他端部(支柱部11が立設されたときの上端部)と接続可能である。また、本体部22は、一端部とは反対側の他端部(支柱部11と接続されたときの上端部)において、別の支柱部11の一端部(支柱部11が立設されたときの下端部)と接続可能としてもよい。これにより、接続部14に接続された横架部13よりも高い位置に支柱部11を更に設けることができる。
【0036】
突出部23は、管状部材であり、例えば鋼製の円管状部材である。突出部23は、第2突出部の一例である。突出部23は、本体部22の軸方向に対して垂直方向に突出して設けられ、横架部13と接続可能である。突出部23の内部には、横架部13の差込み部20が挿入可能とされる。突出部23の端部は、横架部13の差込み部20の端部が突出部23の内部に挿入されるように開口24が形成されている。突出部23の内径は、差込み部20の外径よりも大きく、例えば15.9mmである。突出部23の外径は、例えば19.1mmであり、突出部23の肉厚は、例えば1.6mmである。
【0037】
突出部23には、接続部14が支柱部11と接続されたときの下面において、雄ねじ25が螺合されるねじ穴26が形成されている。雄ねじ25は、例えばねじ頭が合成樹脂製のユリアねじであり、雄ねじ25が締め付けられることによって、突出部23の内部において雄ねじ25の先端が横架部13の溝21に挿入されて、横架部13が接続部14に固定される。なお、雄ねじ25は、ねじ頭において六角レンチが嵌合可能な穴が形成された六角穴付きボルトでもよい。雄ねじ25による締め付けが解除されることによって、横架部13が突出部23から引き抜き可能となり、横架部13が接続部14から取り外される。
【0038】
接続部14は、例えば、図7及び図8に示すように、支柱部11の最上端に設けられる部品である接続部14-1と、図9及び図10に示すように、2本の支柱部11の間に設けられる部品である接続部14-2の2種類が用意される。
【0039】
支柱部11の最上端に設けられる接続部14-1の場合、接続部14-1における本体部22の端部(支柱部11と接続されたときの下端部)において、本体部22の中心軸上にボルトによって雄ねじ部27が形成される。接続部14-1の雄ねじ部27は、支柱部11の端部に形成された雌ねじ部16に締め付け可能である。これにより、支柱部11が立設されたとき、接続部14-1が支柱部11の上端に固定される。
【0040】
2本の支柱部11の間に設けられる接続部14-2の場合、接続部14-2における本体部22の上端と下端には、それぞれ支柱部11の端部が本体部22の内部に挿入されるように開口28,29が形成されている。また、接続部14-2が、本体部22の下部側に挿入された支柱部11に支持されるように、本体部22の内部には、軸方向に対して垂直な面を有する支持板30が設置されている。接続部14-2は、支持板30を介して支柱部11の上端に載置される。
【0041】
支持板30の中心には、貫通穴31が形成される。貫通穴31には、支柱部11の端部に形成された雄ねじ部15を挿入することでき、下部側に設置された支柱部11の上端の雌ねじ部16に、上部側に設置された支柱部11の下端の雄ねじ部15が締め付けられて固定される。本体部22の内径は、支柱部11の外径よりも大きく、例えば26.2mmである。本体部22の外径は、例えば28.6mmであり、突出部23の肉厚は、例えば1.2mmである。
【0042】
接続部14に設けられる突出部23が例えば二つである場合、二つの突出部23のなす角は、図8(a)及び図10(a)に示すように、180°であって、一直線上に配置される。また、二つの突出部23のなす角は、図8(b)及び図10(b)に示すように、90°であって、互いに直角方向に配置される。
【0043】
接続部14に設けられる突出部23が例えば三つである場合、図8(c)及び図10(c)に示すように、一直線上に配置された二つの突出部23の間に、一つの突出部23が、直角方向に配置される。さらに、接続部14に設けられる突出部23が例えば四つである場合、図8(d)及び図10(d)に示すように、隣り合う突出部23同士のなす角が90°となるように配置される。なお、複数の突出部23が設けられる場合において、それぞれの突出部23の設置方向は、上述した例に限定されない。
【0044】
次に、什器システム1によって形成される什器の例について説明する。
【0045】
例えば、図2に示すように、2本又は4本の支柱部11と、2個の脚部12と、1本の横架部13と、2個の接続部14を組み合わせることによって、門型の什器を形成できる。適切な長さの支柱部11を選択することによって、図2(a)に示すように、例えば、人の腰ぐらいの高さの門型に形成し、保護柵として使用できる。図2(b)に示すように、人の頭ぐらいの高さの門型に形成し、横架部13に衣料用ハンガーが吊り下げられるハンガーラックとして使用できる。また、図2(c)に示すように、支柱部11を軸方向に2本接続し、支柱部11の高さを高くすることによって、バナーを吊り下げられる什器や間仕切りとして使用できる。
【0046】
さらに、例えば、図2(d)に示すように、4本の支柱部11と、2個の脚部12と、2本の横架部13と、4個の接続部14を組み合わせることによって、最上部と中間部のそれぞれに横架部13が設置された門型の什器を形成できる。
【0047】
例えば、図3に示すように、複数の門型部分が形成されて組み合わされた什器を形成することもできる。図3(a)に示すように、8本の支柱部11と、4個の脚部12と、4本の横架部13と、4個の接続部14を組み合わせ、4本の横架部13を四角形に配置することによって、4面の門型部分が形成される。図3(b)に示すように、8本の支柱部11と、4個の脚部12と、3本の横架部13と、4個の接続部14を組み合わせ、3本の横架部13をコ字状に配置することによって、3面の門型部分が形成される。図3(c)に示すように、10本の支柱部11と、5個の脚部12と、4本の横架部13と、5個の接続部14を組み合わせ、4本の横架部13を十字状に配置することによって、4面の門型部分が形成される。図3(d)に示すように、6本の支柱部11と、3個の脚部12と、2本の横架部13と、3個の接続部14を組み合わせ、2本の横架部13をL字状に配置することによって、2面の門型部分が形成される。
【0048】
次に、図11などを参照して、本実施形態に係る什器システム1によって門型の什器を形成する方法について説明する。
門型の什器を形成する場合、まず、支柱部11と脚部12を組み合わせる。具体的には、支柱部11の下端の雄ねじ部15が脚部12の雌ねじ部19に締め付けられる。
【0049】
図2(c)及び図3に示すように、長さ方向に2本の支柱部11を連結する場合は、2本の支柱部11同士を組み合わせる。具体的には、支柱部11の一端の雄ねじ部15が別の支柱部11の他端の雌ねじ部16に締め付けられる。また、図2(d)に示すように、2本の支柱部11の間に接続部14-2を設置する場合は、接続部14-2を間に挟んだ状態で2本の支柱部11を組み合わせる。この場合も、支柱部11の一端の雄ねじ部15が別の支柱部11の他端の雌ねじ部16に締め付けられる。
【0050】
また、支柱部11を立設したとき、最上部となる支柱部11の端部において接続部14-1を設置する。具体的には、接続部14-1における本体部22の一端の雄ねじ部27が支柱部11の端部の雌ねじ部16に締め付けられる。そして、支柱部11と脚部12と接続部14の組み合わせを、形成しようとする什器において必要とされる数だけ形成する。
【0051】
その後、横架部13が接続部14の突出部23に差し込まれる。横架部13の両端が、それぞれ異なる支柱部11と組み合わされた接続部14に差し込まれることによって、門型の什器が形成される。
【0052】
横架部13が接続部14の突出部23に差し込まれた後、接続部14において、雄ねじ25が締め付けられる。これにより、雄ねじ25の先端が横架部13の溝21に挿入されて、横架部13が接続部14に固定される。全ての横架部13が接続部14に挿入されて固定されることによって、什器が完成する。
【0053】
什器システム1は、支柱部11、脚部12、横架部13、接続部14以外の部品を有してもよい。例えば、図12に示すように、天板部32が什器システム1を構成する部品として用意される。
【0054】
天板部32は、板状部材であって上面が平坦面である。天板部32は、下面において支柱部11の端部(支柱部11と接続されたときの上端部)と接続可能である。1本の支柱部11と、1個の脚部12と、1個の天板部32を組み合わせることによって、サイドテーブルとしての什器を形成できる。天板部32は、支柱部11の上端において、上述した接続部14と代替的に接続可能である。これにより、接続部14を天板部32に変更することによって、サイドテーブルを形成できる。
【0055】
天板部32の下面には、天板部32の中心軸上にボルトによって雄ねじ部33が形成される。天板部32の雄ねじ部33は、支柱部11の端部に形成された雌ねじ部16に締め付け可能である。これにより、支柱部11が立設されたとき、接続部14が支柱部11の上端に固定される。
【0056】
以上、本実施形態に係る什器システム1によれば、間仕切りやハンガーラック、保護柵、サイドテーブルなどを形成できる。形成される什器は、いずれも支柱部11、脚部12、横架部13、接続部14などの什器システム1を構成する部品を用いて形成できることから、形成される様々な什器が共通性のあるデザインを有する。また、支柱部11、脚部12、横架部13、接続部14の組み合わせを変更することによって、様々なサイズや形状の什器を簡単に形成できる。その結果、店舗(例えば、ポップアップストア)や催事用ブース等を一時的に設営する場合、陳列される商品や設置場所に対応したデザインやサイズの什器を形成できる。また、共通性のあるデザインを有する複数種類の什器が配置されることによって、統一感を有する店舗やブースを提供できる。
【符号の説明】
【0057】
1 :什器システム
11 :支柱部
12 :脚部
13 :横架部
14,14-1,14-2 :接続部
15 :雄ねじ部
16 :雌ねじ部
17 :円板部(板部)
18 :突出部(第1突出部)
19 :雌ねじ部
20 :差込み部
21 :溝
22 :本体部
23 :突出部(第2突出部)
24 :開口
25 :雄ねじ
26 :ねじ穴
27 :雄ねじ部
28 :開口
29 :開口
30 :支持板
31 :貫通穴
32 :天板部
33 :雄ねじ部
図1
図2
図3
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図12