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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014834
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ウイルスエアシールド装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117420
(22)【出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】513306741
【氏名又は名称】都市未来計画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090158
【弁理士】
【氏名又は名称】藤巻 正憲
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 民雄
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180BB15
4C180DD03
4C180HH05
4C180LL11
(57)【要約】
【課題】2019新型コロナウイルス等の病原性ウイルスの飛沫感染を防止することができると共に、テーブルを囲む複数の人の間のコミュニケーションも十分に図ることができるウイルスエアシールド装置を提供する。
【解決手段】机3上に、シールド装置5が設置されており、着席している人の間に、空気吹出部材10からのカーテン状のエアシールド101と、紫外線殺菌灯8からのカーテン状の紫外光100とを形成する。ウイルスを含む飛沫110は空気流にのって上方に弾き飛ばされ、相手方に届くことはない。この飛沫110は、上昇の過程で紫外光により滅菌され、空気111が清浄化される。更に、空気流の経路に配置された滅菌装置40,41により滅菌される。これにより、飛沫感染が防止される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の空間と他の空間との間を仕切るように、空気の上昇流からなるカーテン状のエアシールドを形成する空気吹出部材と、
前記空気吹出部材に高圧空気を供給する高圧空気供給源と、
前記空気吹出部材により形成される空気流の経路に設置され、前記空気流により運ばれてきた飛沫からウイルスを滅菌する滅菌装置と、
を有することを特徴とするウイルスエアシールド装置。
【請求項2】
前記エアシールドと接触するようにして、カーテン状の紫外光を上方に向けて照射する紫外光源を有することを特徴とする請求項1に記載のウイルスエアシールド装置。
【請求項3】
前記空気吹出部材と、前記紫外光源とは一つの保護ケース内に収納されていることを特徴とする請求項2に記載のウイルスエアシールド装置。
【請求項4】
一方向に延びる保護ケースと、
前記保護ケース内に設置され、前記一方向に延びて、空気の上昇流を形成する空気吹出部材と、
前記空気吹出部材に高圧空気を供給する高圧空気供給源と、
前記空気吹出部材により形成される空気流の経路に設置され、前記空気流により運ばれてきた飛沫からウイルスを滅菌する滅菌装置と、
を有することを特徴とするウイルスエアシールド装置。
【請求項5】
前記保護ケース内に設置され、前記一方向に延びて、上方に向けて紫外光を照射する棒状の光源を有することを特徴とする請求項4に記載のウイルスエアシールド装置。
【請求項6】
前記空気吹出部材は、医院における医者と患者との間の位置、飲食店における相対する客の間の位置、ステージとフロアとの間の位置、病院ベッドとその周囲とを仕切る位置又は大型施設における前席と後席との間を仕切る位置に設置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のウイルスエアシールド装置。
【請求項7】
一方向に延びる保護ケースと、
前記保護ケース内に設置され、前記一方向に適長間隔を置いて配置され、夫々上方に向けて紫外光を照射する複数個の光源と、
各前記光源の周囲を取り囲み、前記光源の周囲から上方に向けて空気の上昇流を形成する空気吹出部材と、
前記空気吹出部材に高圧空気を供給する高圧空気供給源と、
前記空気吹出部材により形成される空気流の経路に設置され、前記空気流により運ばれてきた飛沫からウイルスを滅菌する滅菌装置と、
を有することを特徴とするウイルスエアシールド装置。
【請求項8】
前記空気吹出部材には、斜め上方に空気を吐出する複数個の吐出孔が前記空気吹出部材の周方向に複数個配置されており、
前記吐出孔により前記光源を中心とする螺旋状の空気流が形成され、複数個の前記光源を中心とする空気流により、前記一方向に延びるカーテン状のエアシールドが形成されることを特徴とする請求項7に記載のウイルスエアシールド装置。
【請求項9】
複数個の空気吹出孔が設けられた床板と、
この床板の下方に高圧空気を供給して、前記空気吹出孔から上方に向けて空気流を形成する高圧空気供給源と、
前記空気吹出孔からの空気流の経路に設置され、前記空気流により運ばれてきた飛沫からウイルスを滅菌する滅菌装置と、
を有することを特徴とするウイルスエアシールド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医院及びレストラン等の対面の機会において、感染症等の原因となるウイルスの感染を防止することができるウイルスエアシールド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症は、2019新型コロナウイルスにより引き起こされる。この病原性ウイルスは、飛沫感染及び接触感染により感染拡大するため、ウイルスが空気中に浮遊した状態の環境に入ると、この新型コロナウイルスに感染する危険性が高まる。また、この新型コロナウイルスに感染した者は、必ずしも肺炎等の症状を示さない無症状の場合でも、他者に感染させる危険性がある。このため、社会において、普通の生活をしている場合にも、症状を示していない近くの者からのウイルス感染のおそれがある。
【0003】
このような社会生活上の感染防止のために、マスクを着用するとか、手洗いを励行するとか、またアルコール等による殺菌消毒する等の対策をとることが推奨されている。また、密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、密集場所(多くの人が密集している)、密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)という3つの条件がある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられており、所謂三密を回避することが推奨されている。
【0004】
しかし、このような対策は、自分の注意で感染を回避することができるものもあるが、できないものもある。その中で、マスクを外さざるを得ず、密接場面を回避できない代表的な事態として、レストラン等の飲食店における飲食がある。このため、従来、飲食店においては、向かい合うテーブル席の間、及び隣り合うテーブル席の間に、アクリル板又はビニルシート等の仕切りを設けて、客同士の間の飛沫感染を防止しようとしている。
【0005】
なお、特許文献1には、病原性ウイルス類等の有害物質を、紫外線殺菌灯内蔵の化学フィルタにより滅菌・除菌して、無害化する装置が開示されている。また、特許文献2には、光反応性化合物は、赤血球の構造又は機能に不利な影響を及ぼすことなく、全血又は赤血球濃縮物中のウイルスを不活性化することができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-249299号公報
【特許文献2】特開平4-226919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来のアクリル板又はビニルシート等の仕切りを設けて、テーブルに着席した複数人の間の飛沫感染を防止しようとする方法は、これらのアクリル板又はビニルシートが、着席した人の間のコミュニケーションをとる上で障害物となるという問題点がある。例えば、医師が患者に対する触診をすることができない。また、相互に飲み物をついだり、つがれたりすることができず、一つの皿の上の料理を、全員で自由に取り分けるということができない。よって、従来のアクリル板又はビニルシート等の仕切りでは、人の間のコミュニケーションを十分にとることができず、複数人が集まって会食するための主要な目的を達成することができない。また、多数の人が集まる施設等においては、人々の間にアクリル板等をおいて飛沫感染を防止するという対策をとることはできない。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、2019新型コロナウイルス等の病原性ウイルスの飛沫感染を防止することができると共に、医師による触診又はテーブルを囲む複数の人の間のコミュニケーションも十分に図ることができるウイルスエアシールド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るウイルスエアシールド装置は、
一の空間と他の空間との間を仕切るように、空気の上昇流からなるカーテン状のエアシールドを形成する空気吹出部材と、
前記空気吹出部材に高圧空気を供給する高圧空気供給源と、
前記空気吹出部材により形成される空気流の経路に設置され、前記空気流により運ばれてきた飛沫からウイルスを滅菌する滅菌装置と、
を有することを特徴とする。
【0010】
このウイルスエアシールド装置において、例えば、
前記エアシールドと接触するようにして、カーテン状の紫外光を上方に向けて照射する紫外光源を有する。この場合に、前記空気吹出部材と、前記紫外光源とは一つの保護ケース内に収納することができる。
【0011】
本発明に係る他のウイルスエアシールド装置は、
一方向に延びる保護ケースと、
前記保護ケース内に設置され、前記一方向に延びて、空気の上昇流を形成する空気吹出部材と、
前記空気吹出部材に高圧空気を供給する高圧空気供給源と、
前記空気吹出部材により形成される空気流の経路に設置され、前記空気流により運ばれてきた飛沫からウイルスを滅菌する滅菌装置と、
を有することを特徴とする。
【0012】
このウイルスエアシールド装置において、例えば、
前記保護ケース内に設置され、前記一方向に延びて、上方に向けて紫外光を照射する棒状の光源を有する。
【0013】
これらのウイルスエアシールド装置において、例えば、
前記空気吹出部材は、医院における医者と患者との間の位置、飲食店における相対する客の間の位置、ステージとフロアとの間の位置、病院ベッドとのその周囲とを仕切る位置又は大型施設における前席と後席との間を仕切る位置に設置されている。
【0014】
本発明に係る更に他のウイルスエアシールド装置は、
一方向に延びる保護ケースと、
前記保護ケース内に設置され、前記一方向に適長間隔を置いて配置され、夫々上方に向けて紫外光を照射する複数個の光源と、
各前記光源の周囲を取り囲み、前記光源の周囲から上方に向けて空気の上昇流を形成する空気吹出部材と、
前記空気吹出部材に高圧空気を供給する高圧空気供給源と、
前記空気吹出部材により形成される空気流の経路に設置され、前記空気流により運ばれてきた飛沫からウイルスを滅菌する滅菌装置と、
を有することを特徴とする。
【0015】
このウイルスエアシールド装置において、例えば、
前記空気吹出部材には、斜め上方に空気を吐出する複数個の吐出孔が前記空気吹出部材の周方向に複数個配置されており、
前記吐出孔により前記光源を中心とする螺旋状の空気流が形成され、複数個の前記光源を中心とする空気流により、前記一方向に延びるカーテン状のエアシールドが形成される。
【0016】
本発明に係る更に他のウイルスエアシールド装置は、
複数個の空気吹出孔が設けられた床板と、
この床板の下方に高圧空気を供給して、前記空気吹出孔から上方に向けて空気流を形成する高圧空気供給源と、
前記空気吹出孔からの空気流の経路に設置され、前記空気流により運ばれてきた飛沫からウイルスを滅菌する滅菌装置と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、エアシールド又は床板からの空気流により新型コロナウイルス等の病原体を含む飛沫の通過を防ぎ、病原体を遮蔽するので、飛沫感染を防止できると共に、エアシールドによる空気流により、この飛沫を含む空気流を滅菌装置に導いて、滅菌するから、室内にウイルスを含む飛沫が散乱することが防止される。これにより、本発明によれば、新型コロナウイルス等の飛沫感染を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態を示す図である。
図2】本第1実施形態のシールド装置5を示す図である。
図3】本発明の第2実施形態を示す図である。
図4】本発明の第3実施形態を示す図である。
図5】本発明の第4実施形態を示す図である。
図6】本第4実施形態のシールド装置55を示す図である。
図7】本発明の第5実施形態を示す図である。
図8】本第5実施形態のシールド装置50を示す図である。
図9】本発明の第6実施形態を示す図である。
図10】本第6実施形態のシールド装置60を示す図である。
図11】本発明の第7実施形態を示す図である。
図12】シールド装置5を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
図13】シールド装置5の変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
図14】シールド装置5の他の変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
図15】シールド装置5の更に他の変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
図16】シールド装置50を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
図17】シールド装置50の変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
図18】シールド装置50の他の変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
図19】シールド装置50の更に他の変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
図20】本発明の第8実施形態を示す縦断面図である。
図21】同じく、その平面図である。
図22】同じく、その空気吹出部材32を示す断面図である。
図23】本発明の第9実施形態を示す図である。
図24】同じく、そのシールド装置73を示す図である。
図25】本発明の第10実施形態を示す図である。
図26】同じく、そのフロア80を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るウイルスエアシールド装置を示す模式図である。本実施形態は、クリニック等において、医者と患者が対面しており、医者が患者に対して問診している場合のものである。床1上には、医者の執務机3が設置されており、その机3の上の医者と患者との間の略中央になる位置に、シールド装置5が設置されている。このシールド装置5により、机3に向かう二人の間をカーテン状に仕切るようにして、エアシールド101が形成されるようになっている。また、このシールド装置5の近傍の床1上には、コンプレッサ4が設置されており、圧縮空気をシールド装置5に供給するようになっている。
【0020】
図2はこのシールド装置5を示す模式的斜視図である。シールド装置5においては、断面U字形の保護ケース6が、机3の前に着座する医者と患者の対面方向に垂直の方向に延びるようにして固定されている。保護ケース6の縦壁の間の中央の位置には、台7が保護ケース6と平行に固定されており、この台7上には、棒状の紫外線殺菌灯8が保護ケース6と平行に固定されている。この紫外線殺菌灯8は、上方に向けて紫外線を照射する。これにより、紫外線殺菌灯8から上方に延びる帯状又はカーテン状の紫外光100が形成される。また、紫外線殺菌灯8の両側には、保護ケース6の長手方向に延びる仕切壁9がその上方が相互に若干接近するように傾斜して設置されている。この仕切壁9は、紫外光が、机前に着座した医者及び患者の眼に入らないように遮光する機能も有している。そして、各仕切壁9とその外側の保護ケース6との間には、夫々、保護ケース6の長手方向に延びる棒状の空気吹出部材10が設置されている。空気吹出部材10には、コンプレッサ4から圧縮空気が供給される。そして、この空気吹出部材10からは、コンプレッサ4からの圧縮空気が上方に向かって吹き出すようになっており、これにより、各空気吹出部材10の上方に、エアシールド101が形成される。従って、このシールド装置5から、エアシールド101、紫外光100、及びエアシールド101の3層構造のシールドが机3に垂直に形成される。
【0021】
患者及び医者から発生した飛沫110は、エアシールド101の上昇流102に乗って上方に移動する。そして、天井の近傍の壁面には、壁面設置型の滅菌装置40が設置されている。上昇流にのって天井近傍に到達した気泡111は、滅菌装置40により滅菌される。この滅菌後の空気は、滅菌装置40から下方に吹き出されて、清浄空気の下降流103が形成される。更に、床1上にも据置型の滅菌装置41が設置されており、下降流103はこの据置型滅菌装置41により滅菌処理を受ける。滅菌装置40,41は、種々のウイルス除去機能を有する装置、及びウイルス不活性化機能を有する装置を使用することができる。
【0022】
次に、上述のごとく構成されたウイルスエアシールド装置の動作について説明する。コンプレッサ4からの圧縮空気は、1対の空気吹出部材10から上方に向けて噴出され、1対のカーテン状のエアシールド101が形成される。このエアシールド101の間には、紫外線殺菌灯8からカーテン状の紫外光100が形成される。そして、医者と患者との間で会話が進むと、飛沫110が発生するが、本実施形態においては、上昇空気流のエアシールド101が形成されているので、飛沫110は、このエアシールド101に阻止されて、相手方には飛来しない。よって、患者又は医者に感染者がいた場合でも、それで飛沫感染が生じることはない。そして、飛沫110に感染者のウイルスが含まれていたとしても、この飛沫110は、エアシールド101の上昇流により吹き飛ばされて上昇する。そして、このエアシールド101の近傍には紫外光100が存在するので、飛沫110内のウイルスは紫外光により滅菌され、清浄化された空気の気泡111が空気上昇流102となって天井に送られる。この清浄化された空気の気泡111は、天井近傍に設けられた滅菌装置40により滅菌処理された後、下降流103となり、最後に床1上の滅菌装置41により滅菌処理される。このようにして、清浄化空気の循環流が形成される。
【0023】
紫外線による殺菌灯8と空気吹出部材10とを組み合わせて飛沫の遮断及びウイルスの滅菌をおこなう。不特定多数の患者の来院を避けられない病院及び診療所において、医者及び看護師と、患者との間に、上向きの空気流を噴出することによってエアシールド101を形成し、飛沫が対面の相手方に飛ぶことを防止する。更に、紫外線を照射することにより、空気が上昇する過程で滅菌され、清浄化された空気が循環していく。このシールド装置5は、小型化が可能であるので、診療室の机3の上のように、卓上に設置することができる。また、本実施形態においては、ビニルシート又はアクリル板とは異なり、医者又は看護師が対面する患者に対し、触診しようとした場合に、医者はエアシールドを透過して手を伸ばすことができ、触診に対し邪魔になることはない。更に、コンプレッサ4は小型化が可能であると共に、静音化も可能である。なお、コンプレッサ4は、シールド装置5毎に設置する必要はなく、1カ所にコンプレッサを設置し、複数の診療室に、導管で圧縮空気を供給することとしても良い。このように、装置全体の小型化が可能であり、装置の構造は簡素である。また、このシールド装置5は、既に稼働している医院又は病院等にも導入することができ、実用化が容易である。
【0024】
本実施形態においては、紫外線殺菌灯8からの紫外光100により飛沫中のウイルスの滅菌を行うと共に、滅菌装置40,41により、循環空気流に対し滅菌処理を行う。閉鎖空間においても、空調及び人の動き等により室内の空気は絶えず対流している。室内にいる人が咳などをした場合、そのエアロゾルは20分程度経過しても空気中に漂っており、その中に含まれるウイルスによる感染を防止するためには、室内の空気全域を滅菌することが有効である。しかし、室内空気全域を滅菌していたとしても、ウイルスの感染者が室内にいる場合、その人の体内から発生する飛沫による非感染者に対する直接的な感染を防止することはできない。そこで、本実施形態においては、対面する人同士の間にエアシールド101を設け、このエアシールド101により発生直後の飛沫を上方に吹き飛ばし、相手方に飛沫が届くことを完全に防止する。そして、エアシールド101による上昇流に載った飛沫は、紫外光100により滅菌すると共に、それでも除去されなかった飛沫中のウイルスは、エアシールド101により引き起こされる空気上昇流102及び空気下降流103により、滅菌装置40,41を経由する循環気流に運ばれて、この滅菌装置40,41に到達し、除去される。このようにして、人から発生した飛沫は、その中にウイルスが存在したとしても、エアシールド101により相手方に届くことはなく、直接的な感染である飛沫感染が防止されると共に、紫外光100により滅菌処理されるのに加え、エアシールド101により生起される気流102,103にのって滅菌装置40,41に集められ、この滅菌装置40,41により完全に滅菌される。従って、対流する空気を滅菌する全域的な対策と、飛沫感染を防止する局所的な対策とを組み合わせて、効果的に感染リスクを抑制することができる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は本発明の第2実施形態に係るウイルスエアシールド装置を示す模式図である。床1上に支柱2を介してテーブル3xが設置されている。そして、このテーブル3xに二人の人が着席し、会食している。このようなレストラン等のテーブル3xにおいて、その中央の位置に、シールド装置5が設置されており、このシールド装置5により、テーブル3xに向かう二人の間をカーテン状に仕切るようにして、エアシールド101が形成されるようになっている。また、この1対のエアシールド101の間に、紫外光100のカーテンが形成されている。本実施形態においても、天井近傍に滅菌装置40が設置されており、床上に滅菌装置41が設置されている。
【0026】
次に、上述のごとく構成されたウイルスエアシールド装置の動作について説明する。コンプレッサ4からの圧縮空気は、1対の空気吹出部材10から上方に向けて噴出され、1対のカーテン状のエアシールド101が形成される。このエアシールド101の間には、紫外線殺菌灯8からカーテン状の紫外光100が形成される。そして、二人の間で、食事中に会話が弾むと、必然的に飛沫110が発生する。会食者の一方が例えば新型コロナに感染している場合、その飛沫110の中に、ウイルスが存在する。しかし、本実施形態においては、上昇空気流のエアシールド101が形成されているので、飛沫110は、このエアシールド101に阻止されて、相手方には飛来しない。よって、会食者に感染者がいた場合でも、それで飛沫感染が生じることはない。そして、感染者のウイルスを含む飛沫110は、エアシールド101の上昇流により吹き飛ばされて上昇するが、このエアシールド101の近傍には紫外光100が存在するので、飛沫110内のウイルスは紫外光100により滅菌され、紫外光100による清浄化後の空気流に乗って気泡111が天井に送られる。この気泡111は、更に、気流102,103に乗って、天井から室内下部に至り、その過程で、滅菌装置40,41により滅菌処理される。このようにして、清浄化空気の循環流が形成される。
【0027】
そして、本実施形態も、アクリル板又はビニルシートとは異なり、対面する相手に酌をしようとする場合、空気流のエアシールド101を突き抜けて手を差し出すことができ、対面する者同士のコミュニケーションを阻害することはない。また、装置全体の小型化が可能であり、装置の構造は簡素であるので、このシールド装置5は、既に営業している店舗又は事務所等にも導入することができる。
【0028】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図4は本発明の第4実施形態を示す模式図である。第2実施形態は卓上タイプのウイルスエアシールド装置であったが、本実施形態は、床埋め込みタイプのウイルスエアシールド装置である。本実施形態では、床1の面に、凹部が形成されており、この凹部内にシールド装置5が配置されている。床1の面上には、コンプレッサ4が設置されており、圧縮空気がシールド装置5に供給される。そして、床上に、支柱2a及び支柱2bを介してテーブル3a及びテーブル3bが設置されている。
【0029】
このように構成された床埋め込み式のウイルスエアシールド装置においては、床1に埋め込まれたシールド装置5から、カーテン状の紫外光100が垂直上向きに照射され、この紫外光カーテンを挟んで、1対のカーテン状のエアシールド101が垂直上向きに形成されている。このため、テーブル3a又はテーブル3bに着座した人から、ウイルスを含む飛沫110が発生しても、この飛沫110はエアシールド101に阻止されて、隣席の人には届かない。そして、飛沫110は、エアシールド101の空気流にのって上方に移動し、この移動の過程で、紫外光100により飛沫110内のウイルスが滅菌処理される。また、気流102,103に乗った飛沫は、滅菌装置40,41により滅菌処理される。
【0030】
このように構成された床埋め込み式のウイルスエアシールド装置は、飲食店及びオフィスの座席の間は勿論のこと、第1実施形態と同様に、診療所の医者と患者との間等の飛沫の遮蔽に利用することができる。また、本実施形態においても、エアシールド101により隔離された両者の間で、物の受け渡しは可能である。よって、従来のアクリル板等と異なり、本実施形態は、物体が間に介在する不便を回避することができる。
【0031】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、音楽イベント、ライブ、コンサート、芝居等のイベントで利用されるステージ(舞台)を備えた施設に組み込まれる。図5は本実施形態を示す模式図、図6は本実施形態のシールド装置55を示す図である。施設における演奏者が位置するステージ1aと、観客が位置するフロア1bとが、ステージ1aが高い段差構造で配置されている。そして、このステージ1aの縁に沿って、シールド装置55が配置されている。このシールド装置55は、紫外線殺菌灯8の一方の側及び他方の側の双方に仕切壁9を介して、2本の空気吹出部材10が設置されている。これにより、比較的大量の風量のエアシールド101を形成することができる。
【0032】
本実施形態においては、ステージ1a上の演奏者と、フロア1b上の観客との間に、紫外光100と、エアシールド101との三層のシールドが形成される。そして、ウイルスを含む飛沫110が発生した場合には、エアシールド101により上方に運ばれ、ステージ1aからフロア1bへ、又はフロア1bからステージ1aへ移動することはない。このウイルスを含む飛沫110は、上昇する過程で、紫外光100によりウイルスが滅菌され、滅菌後の清浄な空気は天井で滅菌装置40により更に滅菌された後、床で滅菌装置41により滅菌されて、設備内に返戻され、循環する。このようにして、本実施形態においても、ウイルスを含む飛沫による感染を防止することができると共に、演奏者と客との間の障壁は小さく、この障壁がない場合と同様の演奏活動等をおこなうことができる。
【0033】
次に、本発明の第5実施形態について図7を参照して説明する。本実施形態は、テーブル据置型ではあるが簡略化された小型のシールド装置50を使用したものである。図7において、図3と同一物には同一符号を付して詳細な説明は省略する。本実施形態で使用するシールド装置50は、図8(a)に示すように、2本の空気吹出部材52のみを具備しており、紫外線殺菌灯8は具備していない。また、各シールド装置50には、コンプレッサ51が一体的に設けられている。このシールド装置50においては、コンプレッサ51から供給される圧縮空気が空気吹出部材52に導入され、その吹出口から上方に吹き出される。よって、本実施形態においては、コンプレッサは別途設けることなく、シールド装置50のみをテーブル3x上に設置すればよい。このようなシールド装置50としては、図8(a)に示すように、コンプレッサ51を棒状の空気吹出部材52の長手方向の端部に固定しても良いし、図8(b)に示すように、コンプレッサ51を空気吹出部材52の下方に固定して導管で両者を連結しても良いし、図8(c)に示すように、コンプレッサ51を空気吹出部材52の長手方向端部の横に固定しても良いし、図8(d)に示すように、設置スペースに応じて、コンプレッサ51の長手方向を適宜選択することもできる。
【0034】
このように構成されたウイルスエアシールド装置においては、テーブル3xの中央に配置されたシールド装置50から2層のエアシールド101が上方に向けて吹き出される。よって、会食中の人から発生した飛沫110は、紫外光による滅菌処理を受けることなくエアシールド101の上昇流により上方に向かう。しかし、エアシールド101の気流により、天井に到着した気流102は滅菌装置40により滅菌され、飛沫気泡の中に含まれていたウイルスは、滅菌処理を受ける。この清浄化処理を受けた空気は、更に下降気流103となって、滅菌装置41に至り、この滅菌装置41により更に滅菌処理を受ける。よって、本実施形態においても、室内の人から発生した飛沫は、気流により集められて、滅菌装置40,41により滅菌処理を受けて清浄化される。
【0035】
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図9は本発明の第6実施形態を示す図である。この図9は病院の病室を示す。ベッドの4側縁に、棒状のシールド装置60が設置されている。このシールド装置60は、図10に示すように、夫々2本の空気吹出部材10を具備する。よって、各シールド装置60からは、2層のエアシールド101が形成される。
【0036】
このように構成されたウイルスエアシールド装置においては、図9に示すように、ベッドの4側縁から上方に向けてエアシールド101が形成される。即ち、このベッドを取り囲むようにしてベッドの4側縁から立ち上がる4面としてエアシールド101が形成される。よって、ベッド上に横たわる患者から発生したウイルスを含む飛沫は、この4方を取り囲むエアシールド101により上方に吹き飛ばされ、この上昇気流102に乗って、滅菌装置40に至り、滅菌処理を受ける。更に、下降気流103にのって、飛沫を含む空気は、滅菌装置41に至り、滅菌処理を受ける。本実施形態においても、ベッド上の患者とその周辺とはエアシールド101により隔離され、患者から発生する飛沫中のウイルスにより、ベッド周囲で治療に当たる医師及び患者等に皮膜感染が生じることはない。
【0037】
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図11は本発明の第7実施形態を示す図である。本実施形態は、図4に示す実施形態のシールド装置5の代わりに、床1の面に埋め込まれるシールド装置として、図8に示すシールド装置50を使用したものである。本実施形態のように、シールド装置として、紫外線殺菌灯8による紫外光のカーテンを有しない場合でも、エアシールド101による上昇気流によりウイルスを含む飛沫は遮蔽され、飛沫感染が生じることはない。エアシールド101により上方に送られた飛沫は、滅菌装置40,41により滅菌されるので、室内にウイルスを含む飛沫が漂うことはない。
【0038】
図12はシールド装置5における空気吹出部材10を詳細に示す図である。この図12に示すように、空気吹出部材10には、その上部に、複数個の吐出孔21が設けられている。この吐出孔21の位置は、1対の空気吹出部材10について相互に整合する位置に設けられている。
【0039】
一方、図13はこの空気吹出部材10の変形例を示す。この空気吹出部材10においては、吐出孔22は、1対の空気吹出部材10について、互い違いに所謂千鳥の位置に設けられている。
【0040】
また、図14は更に空気吹出部材10の変形例を示す。この変形例においては、空気吹出部材10の上部には、多数のノズル23が長手方向に並んでいる。このノズル23は、1対の空気吹出部材10について、相互に整合する位置に設けられている。
【0041】
更に、図15は空気吹出部材10の更に他の変形例を示す。この変形例においては、空気吹出部材10の上部に多数のノズル24が並んでいるが、このノズル24は、1対の空気吹出部材10について、互い違いに千鳥になるように設けられている。
【0042】
図16はシールド装置50における空気吹出部材10を詳細に示す図である。この図16に示すように、空気吹出部材10には、その上部に、複数個の吐出孔21が設けられている。この吐出孔21の位置は、1対の空気吹出部材10について相互に整合する位置に設けられている。
【0043】
一方、図17はこの空気吹出部材10の変形例を示す。この空気吹出部材10においては、吐出孔22は、1対の空気吹出部材10について、互い違いに所謂千鳥の位置に設けられている。
【0044】
また、図18は更に空気吹出部材10の変形例を示す。この変形例においては、空気吹出部材10の上部には、多数のノズル23が長手方向に並んでいる。このノズル23は、1対の空気吹出部材10について、相互に整合する位置に設けられている。
【0045】
更に、図19は空気吹出部材10の更に他の変形例を示す。この変形例においては、空気吹出部材10の上部に多数のノズル24が並んでいるが、このノズル24は、1対の空気吹出部材10について、互い違いに千鳥になるように設けられている。
【0046】
次に、図20図22を参照して、本発明の第8実施形態のシールド装置65について説明する。本実施形態は、らせん状のエアシールドを得るためのものである。図20はシールド装置65の長手方向に垂直な断面図、図21は平面図、図22は空気吹出部材32の周方向に沿う断面図である。本実施形態においては、複数個の紫外線殺菌灯30が適長間隔をおいて保護ケース6の長手方向に配置されている。各紫外線殺菌灯30を取り囲むようにして、チューブ状の空気吹出部材32が円輪状に湾曲して設けられている。この空気吹出部材32は隣接する紫外線殺菌灯30を取り囲む空気吹出部材32と連結されている。また、紫外線殺菌灯30は保護ケース6の長手方向に延びる台31上に設置されており、この台31に設置された電気配線により給電される。
【0047】
空気吹出部材32は、図22に示すように、その上部に、複数個の吐出孔33が、空気吹出部材32内の圧縮空気を斜め上方に吐出するように設けられている。従って、図21に示すように、複数個の吐出孔33が各紫外線殺菌灯30の周囲を取り囲むようにして配置されており、これらの吐出孔33から図示の時計回りに斜め上方に向けて圧縮空気が吐出される。また、各吐出孔33の背後には、エルロン34が配置されている。このエルロン34は、気流制御のための補助翼となる。
【0048】
このように構成されたウイルスエアシールド装置においては、紫外線殺菌灯30から垂直上方に向けて棒状に紫外線が照射され、この垂直の紫外線束が保護ケース6の長手方向に適長感覚をおいて、形成される。そして、円輪状に配置された空気吹出部材32の吐出孔33から斜め上方に圧縮空気が吐出され、紫外線殺菌灯30を中心とする円筒状の螺旋状に進行する上昇気流が形成される。これにより、各空気吹出部材32により形成される螺旋状上昇気流が相互に連結されて、保護ケース6の長手方向にカーテン状にエアシールドが形成される。よって、ウイルスを含む飛沫は、このエアシールドにより遮断されて、このエアシールドを超えて移動することはない。また、螺旋状上昇気流の中心には紫外線の光束が存在するため、ウイルスを含む飛沫は螺旋状上昇気流にのって上昇する過程で、紫外光により滅菌される。よって本実施形態においても、無菌化された清浄な空気が循環供給される。また、エアシールドを超える物の受け渡しが可能であるので、コミュニケーションを阻害することも少ない。
【0049】
次に、本発明の第9実施形態について説明する。図23は本発明の第9実施形態を示す図である。本実施形態は、映画館又はホールのように、大きな空間に多数の観客を収容する施設に、ウイルスエアシールド装置を適用したものである。床70は例えば階段形式になっており、観客用の複数列にわたる座席の椅子72が各階段状の床70に設置されている。そして、この椅子72の背の部分の裏側に、シールド装置73が設置されている。このシールド装置73の空気吹出部材76は、図24に示すように、下面が半円形に成形された角筒の棒状をなし、その上面が平面で、この上面に複数個の空気吐出孔78が形成されている。そして、シールド装置73には、コンプレッサ74から圧縮空気が供給され、この圧縮空気は空気吐出口78から上方に向けて吹き出される。これにより、上方に向かうエアシールド101が形成される。また、施設内の通路の例えば前方の位置の床には、螺旋状のエアシールドを形成するシールド装置79が設置されている。このシールド装置79は、図20図22に示すシールド装置65と同様の構造を有する。
【0050】
このようにして、施設における前後の座席の間に、シールド装置73を設けることにより、この前後の座席の間にエアシールド101が形成される。これにより、座席に座る人からウイルスを含む飛沫110が発生しても、飛沫110はエアシールド101により上方に吹き飛ばされる。この飛沫110は上昇流102にのって、天井に設置された滅菌装置75に至り、この滅菌装置75により飛沫中のウイルスは滅菌される。滅菌後の清浄な空気は下降流103にのって下方に送られ、施設内に返戻される。また、シールド装置79から、螺旋状のエアシールドが発生し、通路を歩く歩行者よりも高い位置まで上昇気流が発生する。これにより、通路を歩く歩行者及び通路際に着席した観客から飛沫が発生した場合には、螺旋状のエアシールドにより発生する強力な上昇流によって、飛沫を上方に吹き飛ばすことができる。このようにして、大規模な映画館及びホール等の施設においても、飛沫感染を防止することができる。なお、本実施形態は、屋内施設に限らず、屋外施設に適用することもできる。この場合は、滅菌装置75は不要であり、飛沫は大気中に放散される。
【0051】
次に、本発明の第10実施形態について説明する。図25は本発明の第10実施形態を示す図である。本実施形態も、大規模なホールのような大規模空間における空気清浄化に関するものである。フロア80は、上げ床であり、施設の床との間に、適長間隔の空間が形成されるようにして、構築されている。図25に示すように、このフロア80の床板82は、施設の床との間に配置された複数個の床上げ部材83の上に支持されており、この床板82を貫通する複数個の空気吹出孔84が設けられている。そして、床板82の上にコンプレッサ74が設置されており、このコンプレッサ74から床板82と施設の床との間に、高圧空気が導入されるようになっている。この高圧空気は、床板82に設けられた空気吹出孔84から上方に向けて吹き出される。
【0052】
このように構成されたウイルスエアシールド装置においては、フロア80の床板82の実質的に全域から、空気が上方に向けて噴出され、フロア80の空間の全域において、床板82から空気の均一な上昇流104が形成される。このため、飛沫110が発生した場合、その飛沫は、近くの人に到達する前に上方に吹き飛ばされ、ウイルスを含む飛沫による感染を防止することができる。この飛沫110は、上昇流102にのって上方に送られ、天井に設置された大型の滅菌装置75により滅菌される。清浄化された空気は下降流103により施設内に返戻される。本実施形態においても、飛沫による感染が防止されると共に、飛沫中のウイルスは滅菌されて空気が清浄化される。より大きな施設の場合は、滅菌装置75の容量を大きくして、処理量を大きくすれば、適用することができるので、施設の大きさによらず、任意の大きさの施設に本装置を適用することができる。
【0053】
なお、エアシールドに加えて、微粒子イオンを添加することも可能であり、これにより、イオンに吸着する微細な物質を除去することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明により、エアシールド又はエアシールドと紫外光との複合体によるカーテンを形成し、新型コロナウイルス等の病原体を含む飛沫の通過を防いで、病原体を遮蔽するので、飛沫感染を防止できると共に、エアシールドを超えて物体を出し入れすることが自由であるので、人のコミュニケーションを阻害することもない。同様の効果は、床から吐出する上昇気流によっても得られる。よって、本発明は、新型コロナウイルスの感染の危険が存在する社会において、人々の社会活動の継続に有効である。
【符号の説明】
【0055】
1:床
1a:ステージ
1b:フロア
3:机
3x、3a、3b:テーブル
4,74:コンプレッサ
5、50、55,60、65,73,79:シールド装置
6:保護ケース
8、30:紫外線殺菌灯
10、32、76:空気吹出部材
21,22、33:吐出孔
23,24:ノズル
34:エルロン
40,41,75:滅菌装置
70:床
72:椅子
80:フロア
82:床板
84:空気吹出孔
100:紫外光
101:エアシールド
102,104:上昇流
103:下降流
110:飛沫
111:気泡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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