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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148363
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050014
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】近藤 芳充
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 將貴
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA27
2C088CA28
(57)【要約】
【課題】不当に休憩操作が行われる虞を低減し得るようにする。
【解決手段】情報表示装置3は、基準値分のアウトが検出されていることを条件として休憩操作を許容する。これにより、一定分の遊技を行うことを条件とした休憩処理が可能となり、ほとんど遊技することなく不当に休憩操作が行われる虞を低減し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機にて使用された遊技価値の大きさを示すアウトを特定する特定手段と、
遊技機に対応して設けられ、休憩操作に応じて遊技者が遊技を休憩するための休憩処理を開始し、終了操作に応じて当該休憩処理を終了する休憩手段と、
前記休憩手段に対応する遊技機を対象として、前記特定手段により基準のアウトが検出されていることを条件として、当該休憩手段に対する休憩操作を許容する許容手段と、
を備えた遊技場用システム。
【請求項2】
前記許容手段は、前記休憩手段に対する休憩操作後に所定の基準期間が経過することなく終了操作が行われた場合は、前記特定手段により新たに基準のアウトが検出されることなく前記休憩手段に対する休憩操作を許容する請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記特定手段は、遊技機が稼動中か否かを特定可能であり、
前記許容手段は、前記休憩手段に対応する遊技機を対象として、前記特定手段により基準のアウトが検出されていること、及び稼動中である旨が特定されていることを条件として、前記休憩手段に対する休憩操作である第1休憩操作を許容する請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記休憩手段は、前記休憩処理として、前記第1休憩操作に応じた第1休憩処理と、当該第1休憩操作とは異なる第2休憩操作に応じた第2休憩処理とを実行可能であり、
前記第2休憩操作は、前記休憩手段に対応する遊技機を対象として、前記特定手段により基準のアウトが検出されているかに関わらず稼動中である旨が特定されていることを条件として許容される請求項3に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記休憩手段は、前記休憩処理として所定の記録媒体を発行することなく休憩表示を実行する請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、例えば特許文献1のように遊技者が所用で休憩を取りたい場合に休憩操作を受付けて会員カードを発行し、その後、同一の会員カードを受付けるまで遊技に関する処理を抑制するようなシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-14521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような機能を採用した場合、例えばほとんど遊技することなく休憩操作を行って会員カードを発行することで遊技機を不当に休憩状態とし、稼動を低減させる遊技者が生ずることが想定されることが問題視され、このような休憩操作に伴う処理を行うことが見送られていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、不当に休憩操作が行われる虞を低減し得る遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、基準値分のアウトが検出されていることを条件として休憩操作を許容するので、不当に休憩操作が行われる虞を低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態における遊技場用システムの構成を示す概略図
図2】情報表示装置の正面図
図3】累計アウトと基準アウトと休憩操作との関係を示すタイムチャート
図4】情報表示装置による表示を示す図(その1)
図5】情報表示装置による表示を示す図(その2)
図6】情報表示装置による表示を示す図(その3)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び情報表示装置3(特定手段、休憩手段、許容手段)が設置されている。
【0009】
遊技機1及び遊技装置2並びに情報表示装置3は、中継装置4及びLAN5を介して管理装置6と接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から送信される遊技信号を受信することにより遊技機毎の遊技データを管理すると共に、会員登録された会員毎の個人データも管理する。
【0010】
遊技場には、島端計数機7(価値更新手段)、景品交換端末(以下、POS)8(価値更新手段)、精算機9(価値更新手段、残高更新手段)も設置されており、LAN5を介して管理装置6と接続されている。
島端計数機7は、投入された玉を計数し、その計数結果である計数玉数を記録した図示しないレシートを発行すると共に管理装置6へ発行情報を送信する。
【0011】
POS8は、遊技装置2や島端計数機7のような計数機から発行された会員カード(記録媒体)や一般カードであるICカード10(記録媒体)により特定される計数玉数に基づいて景品交換処理を実行する。POS8は、景品交換処理する場合は、遊技者が獲得した遊技価値を記録したICカード10から遊技価値を読取ったり、景品交換を希望する会員の遊技者を特定することで当該遊技者が所有している貯玉(貯メダル)を管理装置6からオンラインで取得することで景品交換可能な遊技価値を特定したりする。
【0012】
精算機9は、ICカード10がカード挿入口11に挿入されると、挿入されたICカード10を受付け当該ICカード10に記録されている入金残高をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口12から返却する。精算機9には、紙幣が投入される紙幣投入口13が設けられており、ICカード10に記録されている入金残高に投入金額を加算可能となっている。
POS8及び精算機9においてICカード10に記録されている入金残高を取扱うときは、管理装置6がICカード10に対応して予め記録している発行情報が示す入金残高と照合し、真であると判定したことを条件として入金残高を取扱う。
【0013】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード14、モニタ15、図示しないプリンタ等が接続されている。
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。管理装置6は、遊技場内に設置された遊技機1、遊技装置2、島端計数機7、POS8、精算機9等の稼動状況を管理する。
遊技機1は、盤面16に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル17、上部受皿18、下部受皿19を有すると共に、盤面16に、液晶表示部20、始動口21、大入賞口22を有する。
【0014】
遊技機1は以下に示す動作を行う。
(1)操作ハンドル17が操作されたことにより盤面16に発射された玉が始動口21に入賞(始動入賞)することに応じて大当り抽選を行い、抽選結果に基づいて所謂特別図柄(特図)による図柄変動を液晶表示部20にて実行し、その結果に応じて大当りを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつであり、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
【0015】
(2)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/300であり、大当りのうち大当り後に確変状態(確変)となる大当りの割合は66.6%(2/3)である。大当りが発生すると対応するラウンド数(R)に応じた分だけ大入賞口22を開放する。尚、1Rの上限入賞数(上限数)は8個、上限開放時間は30秒であり、上限数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
(3)大当りに対応するラウンド数は5Rと16Rとがあり、その振分割合は5Rが25%であり、16Rが75%である。
(4)確変中は大当り確率が1/30に向上する。確変は次回大当りまで継続するため、大当り後に通常状態(通常)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、通常大当りが発生した場合は通常状態へと戻る。
【0016】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや始動口21への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
・アウト信号:使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力される使用遊技価値(使用媒体数、アウト)を特定可能な信号である。回収玉(使用玉、打込玉)10玉に対して1パルスが出力されるので、アウト信号数×10をアウトとして特定する。尚、遊技機1から直接出力される信号であっても良い。アウト信号により特定されるアウトは、遊技に使用された遊技価値の量に相当する。
【0017】
・セーフ信号:遊技機1から払出される遊技価値(獲得価値)を特定可能な信号である。払出玉10玉に対して1パルスが出力されるので、セーフ信号数×10をセーフとして特定する。尚、補給装置(図示せす)から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。セーフ信号により特定されるセーフは、入賞により付与された遊技価値の量に相当する。
【0018】
・始動入賞信号:遊技機1から出力される始動口21への入賞(始動入賞)を特定可能な信号である。始動口21への入賞1回につき1パルスが出力されるので、始動入賞信号の受信に応じて始動入賞を特定する。
・図柄変動信号(スタート信号):遊技機1から出力され動口21への始動入賞により変動(作動)を開始する図柄変動(役物作動)を特定可能な信号である。図柄変動の確定時(終了時)に出力されるので、図柄変動信号の受信に応じて図柄変動(スタート)を特定する。尚、図柄変動の開始時に出力される信号であっても良い。
【0019】
・大当り信号:遊技機1から出力される大当り状態である期間を特定可能な信号である。大当り状態中にレベル出力されるので、大当り信号受信中を大当り状態中として特定する。
・特別状態信号:遊技機1から出力される始動口21のような入賞口の入賞率が高い時短状態中である期間を特定可能な信号である。時短状態中であれば大当りの当選確率が高い確変状態中であるかに関わらずレベル出力されるので、特別状態信号受信中を特別状態中として特定する。尚、大当り信号や特別状態信号といった状態信号を受信していない場合には通常状態中として特定する。
【0020】
遊技装置2は、紙幣が投入される紙幣投入口23、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、玉を払出すために操作される払出釦25、払出された玉が通過する払出ノズル26、ICカード10が挿入されるカード挿入口27、遊技機1の下部受皿19の下方に位置する着脱可能な計数受皿28等を備えている。
遊技装置2は以下のように動作する。
【0021】
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦が押下されると(貸出操作、対価付与操作)、貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払出し(付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0022】
(2)計数玉を受付けた場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦25の押下に応じて払戻す払戻処理(持玉の再プレイ処理)を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。
【0023】
(4)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の図示しない返却釦が押下されると(発行操作を受付けると)、遊技装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能な一般カード10を発行する。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。一般カード10を受付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。
【0024】
(5)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カード10の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、貸出処理上の通信については中継装置4を介さず、遊技機1と遊技装置2とで直接通信を行っても良い。
【0025】
情報表示装置3は、遊技機1から送信された遊技信号を中継装置4を経由して受信して各種の遊技情報を作成し、その作成した遊技情報を各表示領域に表示したり、管理装置6から送信された各種情報を受信し、その受信した各種情報を各表示領域に表示したりする。
【0026】
管理装置6は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービスを実行可能となっている。このようなサービスを実行するために、遊技機1や遊技装置2等から入出力部に入力される遊技信号に基づいて、遊技機1の稼動状態を特定して遊技機毎に遊技データを管理するようになっている。
【0027】
遊技機毎に管理する遊技データはが次の通りである。
・アウト
・セーフ
・差玉=セーフ-アウト
・出玉率=セーフ÷アウト
・大当り確率=大当り回数÷スタート回数
【0028】
図2に示すように情報表示装置3は、液晶表示部28、ランプ部29、呼出釦30、食事休憩用の休憩釦31、メニュー釦32、その他の煙草休憩用の休憩釦35等を含む操作釦群33、リモコン受光部34等を有する。呼出釦30は遊技者が遊技場の従業員を呼び出すための釦、休憩釦31は休憩操作を受付けるための釦、メニュー釦32は所定のメニューをポップアップ表示するための釦、リセット釦は個人の遊技情報を初期化するための釦である。リモコン受光部34は、遊技場の従業員が携帯する操作リモコンから送信されるリモコン信号を受光する。休憩釦31は休憩操作に加えて終了操作を受付けるための釦を兼用しているが、休憩操作と終了操作とを別の釦により受付けるようにしても良い。
【0029】
さて、情報表示装置3には、遊技者が休憩のために離席した場合に備えて休憩機能(離席機能)が設けられている。休憩機能は、休憩操作(離席操作)が行われた場合に、休憩中である旨を表示する機能である。休憩操作は、遊技者による遊技者操作及び従業員による従業員操作のうち何れかにより実行される。遊技者操作により行われる休憩がセルフ休憩、従業員操作により行われる休憩がセミセルフ休憩で、いずれかの休憩を処理するかを予め選択可能となっている。
【0030】
このような休憩機能を遊技装置2に設けることも考えられ、その場合には、休憩中は遊技情報を記録するためのICカードを排出し、当該ICカードを受付けるまでは新たなICカードの受付や入金、或いは付与処理等を許容することになる。
しかしながら、本実施形態では、情報表示装置3の付加価値を高めるためにICカードの受付機能が設けられていない情報表示装置3に休憩機能を設けたことから、情報表示装置3が休憩操作を受付けた場合は、ICカードを排出することなく休憩状態である旨を示す休憩表示(休憩処理)を行うようにしている。尚、遊技装置2に情報を送信することや休憩操作を受付けることで遊技装置側でも休憩表示したり、ICカードを排出したりすることで休憩処理を実行するようにしても良く、更には情報表示装置3に休憩処理を実行させることなく遊技装置だけで休憩操作を受付けた上で休憩処理を行っても良い。
【0031】
休憩操作としては、休憩可能時間が比較的短い煙草休憩(第2休憩処理)に応じた休憩操作(第2休憩操作、例えば休憩釦31の押下)と比較的長い食事休憩(第1休憩処理)に応じた休憩操作(第1休憩操作、例えば休憩釦35の押下)との少なくとも一方に適用可能であり、対応する釦操作に応じていずれを実行するかを予め選択するようになっている。本実施形態では以下に示す対象アウトに応じた制限を食事休憩操作に適用し、煙草休憩については対象アウトに応じた制限を適用しないようにしたが、煙草休憩操作に対象アウトに応じた制限を適用するようにしても良い。煙草休憩操作も食事休憩操作も基本的には稼動中であることを許容条件とするが、稼動中であることを必ずしも許容条件とせず、対象アウトに応じた制限のみを適用しても良い。休憩可能時間は機種毎に設定可能(例えば90分)であり、休憩可能時間が経過した場合は、注意を促す旨と、超過した経過時間とを示す休憩超過画面を表示する。なお、本実施形態ではセルフ休憩とセミセルフ休憩のいずれにも対象アウトや稼動状況に応じた制限を適用することを例示しているが、例えばセルフ休憩だけとするといったようにいずれか一方だけに適用しても勿論良い。
【0032】
ところで、例えばほとんど遊技することなく情報表示装置3に対して休憩操作を行うことで不当に休憩状態であることを表示し、稼動を低減させる遊技者が存在することが想定される。特に食事休憩は休憩可能時間が長く、それだけ非稼動時間が長くなることから、その影響は煙草休憩よりも大きい。
このような事情から、本実施形態では、食事休憩操作は稼動中であることに加えて、稼動が所定アウト(所定時間)以上であることも許容条件とした。
【0033】
以下、遊技者が情報表示装置3に対して休憩操作することにより任意に食事休憩を取得するセルフ食事休憩について説明する。上述のように稼動が所定アウト以上であることを判定するために、遊技場における営業開始及び遊技再開からの累計アウトを求め、累計アウトが後述する必要アウト以上であることを判定するようにした。即ち、営業開始時または終了操作時の遊技再開から設定した必要アウト(基準のアウト)が発生するまで食事休憩操作を不可として休憩釦31を非活性とする。
【0034】
具体的には、情報表示装置3は、電源投入(営業開始)からの累計アウトと基準アウト(電源投入(営業開始)時は0)との差分を示す対象アウト(電源投入(営業開始)或いは遊技再開からの累計アウト)が必要アウト(例えば1000)に達しておらず、更に最終アウトからの経過時間が非稼動休憩操作不可の設定期間(基準値)に達していない非稼動を判定した場合に休憩操作を不可とする。尚、情報表示装置3が再起動した場合は基準アウトが0に戻るので、累計アウトが対象アウトになる。
【0035】
図3は、累計アウトと基準アウトと休憩操作との関係を示すタイムチャートであり、電源投入時を遊技開始(営業開始)とみなしている。図3に示すように電源が投入された状態では、累計アウト及び基準アウトは0である。遊技開始によるアウトの検知に応じて累計アウトを更新する。これにより、アウトの増加に伴って累計アウトが増加する。
【0036】
累計アウトと基準アウトの差である対象アウトが必要アウトである1000となるまでは休憩操作不可であり、図3に示すように遊技者が休憩操作するにしても当該休憩操作が受付けられることはない(許容されない)。休憩操作が行われた場合は、図4に示す操作不可画面を所定時間表示する。操作不可画面では、非稼動のために休憩操作が不可である旨と、食事休憩したい場合は従業員を呼ぶ旨を表示する。尚、遊技開始からの遊技時間が不足しているために休憩操作が不可である旨を表示するようにしても良い。
【0037】
累計アウトが1000、つまり対象アウトが1000となると休憩操作許容となるが、最終アウトから所定時間アウトがない非稼動状態では休憩操作不可となり、図3に示すように遊技者が休憩操作するにしても当該休憩操作が受付けられることはない。休憩操作が行われた場合は、図4の操作不可画面を所定時間表示する。
以上のように、操作不可画面が表示される条件は、累計アウトが1000未満、又は累計アウトが1000以上であっても非稼動の場合に休憩操作されたときである。
【0038】
図3に示すように累計アウトが1000以上の操作許容で休憩操作が行われた場合は、図5の休憩中画面を表示する。休憩中画面では、食事休憩中である旨と、休憩可能な残り時間を表示する。食事休憩中でも遊技装置2による貸出処理や遊技自体は可能であるが、連続してアウトが発生した場合は最終アウトから図6に示す警告画面を60秒間表示する。警告画面では、休憩中操作を解除する旨の警告と、終了操作するための釦位置を表示し、終了操作で警告画面の表示を終了する。
【0039】
ところで、本実施形態では休憩釦31で休憩処理の開始操作(休憩操作)と終了操作とを兼用しているため、遊技者が休憩釦31を連打して休憩操作後の次の操作で終了操作を誤って行う場合があることが想定される。このような場合、本来であれば終了操作からの累計アウトが1000となるまで休憩操作不可となるので、遊技者は休憩操作許容となるまで遊技を継続する必要があり不便である。
【0040】
そこで、休憩操作後に意図せぬ終了操作を行ってしまった場合に休憩操作が制限されてしまうことを回避するために、休憩操作後に所定の基準期間(例えば60秒)が経過することなく終了操作が行われた場合は、新たにアウトが検出されることなく休憩操作を許容するようにした。
【0041】
具体的には、本来なら休憩操作が行われた場合は遊技再開として基準アウトを休憩操作時の累計アウトに更新するが、休憩操作から基準期間が経過することなく終了操作された場合は基準アウトを累計アウトに更新することなく保持し、基準期間の経過後に終了操作された場合に基準アウトを累計アウトに更新する。つまり、休憩釦31を連打して休憩操作後に終了操作を行うにしても、休憩する権利を遊技者に残すようにしている。
【0042】
例えば図3に示すように休憩操作されてから例えば10秒後に終了操作が行われ、更に例えば10秒後に休憩操作が再度行われた場合は、最初の休憩操作から60秒以内であることから、休憩操作が受付けられる。この場合、休憩操作が再度行われてから60秒後に休憩操作不可となり、その後は対象アウトと稼動との双方の条件を再度満たすまで休憩操作が受付けられることはない。
【0043】
休憩中にアウトが発生した場合は、休憩操作中である旨のメッセージを例えば60秒間表示する。アウトが連続するような場合は、図6に示す警告画面を所定時間表示する。警告画面では、休憩中操作を解除する旨の警告メッセージと、終了操作するための釦位置を表示する。
遊技者が休憩から戻って終了操作すると、表示している警告画面を消去して通常画面を表示し、累計アウトと基準アウトとの差である対象アウトが1000となったところで休憩操作を許容するようになる。
【0044】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
情報表示装置3は、基準値分のアウトが検出されていることを条件として休憩操作を許容するので、一定分の遊技を行うことを条件とした休憩処理が可能となり、ほとんど遊技することなく不当に休憩操作が行われる虞を低減し得る。
【0045】
基準期間に満たずに休憩期間が終了した場合、再度基準値分のアウトが検出されなくとも休憩操作を許容するので、休憩処理の開始操作後に誤って直ぐ終了操作を行っても不当に休憩操作が抑制される虞を低減できる。
【0046】
休憩操作を許容する条件として所定期間内でアウトが検出されていること(稼動)を条件とするので、休憩処理を休憩の意図で利用せず、遊技機の確保や芳しくない遊技結果の腹いせとして休憩中とし、他の遊技者に遊技を敬遠させるような虞を低減でき、より不当に休憩操作が行われる虞を低減できる。
【0047】
基準値分のアウトが検出されていることを条件及び所定期間内でアウトが検出されていることを条件とした食事休憩操作(第1休憩操作)と、基準値分のアウトが検出されていることを条件とせず所定期間内でアウトが検出されていることを条件とした煙草休憩操作(第2休憩操作)とを可能とするので、例えば食事休憩のような比較的長い休憩期間とする休憩処理は基準値分のアウトが検出されていることを条件のように一定分の遊技を条件とし、且ついたずら防止のために所定期間内でアウトが検出されていることとする条件を採用しつつも、煙草やトイレ用の休憩のような比較的短い休憩期間とする休憩処理は基準値分のアウトが検出されていることのような条件を設けずに所定期間内でアウトが検出されていることとする条件を採用するといった使い分けが可能となる。
【0048】
休憩操作に応じて記録媒体を発行することなく休憩表示を行うので、例えば遊技装置のような記録媒体を発行可能な端末にて休憩処理に対応できない場合であっても、記録媒体を発行不能な端末にて休憩処理に対応可能であり、好適に不当に休憩操作が行われる虞を低減し得る。
【0049】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張するようにしても良い。
遊技装置2に休憩操作機能を持たせるようにしても良い。この場合、遊技装置が発行機能を有している場合は休憩操作を許容するには発行条件の成立かつ稼動中であることが条件となる。休憩機能を有していない場合は稼動中であることが条件となるが、勿論、対象アウトの条件を適用しても良い。
【0050】
対象アウトを累計アウトと基準アウトの差分で特定したが、対象アウトと累計アウトとを同時に更新し、基準アウトを更新するタイミングで対象アウトを初期化するように構成する等、どのように対象アウトを特定しても良い。
遊技機1の上方の情報表示装置3にて表示する構成を例示したが、島端に設けられる集合情報表示装置に採用しても良く、この場合、遊技機単位で表示すれば良い。
休憩釦31や休憩釦35について休憩操作と終了操作とに兼用することを例示したが、兼用せず異なる操作としても良く、この場合も誤操作は想定できるので適宜対象アウトの制限を適用すれば良い。
【0051】
記録媒体に対応付ける態様として記録媒体に記録させる構成を例示したが、対応付ければ例えばカードに記録されるカードIDに対応付けて管理装置6にて情報管理するような態様等、必ずしも記録媒体に記録させることで対応付ける構成を採用しなくとも良い。
関連する設定情報は予め設定されていれば遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)の管理サーバからダウンロードして設定しても良い。
【0052】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機の種類を示せばどの様な区分としても良い。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、演算式については単なる例示であり例示した演算式と同様の値を示す、または同様の意義を持つ演算値演算するのであれば、どの様な演算式を採用しても良い。
【0053】
以下と未満についてはどちらを採用しても良く、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合のいずれにも対応する表現となる。以上と超過についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。
液晶表示を例示したが、有機EL等の他の表示方法を採用しても良い。
対象となる遊技機としては、スロットマシンやパチンコ遊技機等が例示出来、パチンコ遊技機の場合、単位遊技は所謂図柄変動とすれば良いが、その他に遊技媒体を排出せずデータ上のポイントを遊技に応じて更新する所謂封入式の遊技機等も想定できるため、玉やメダル等の遊技媒体や上記ポイントを包含する遊技価値という表現を適宜使用している。
【0054】
情報表示装置3が行う処理の一部を管理装置6、遊技装置2、或いは中継装置4等にて行っても良い。また、例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更しても良いし、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても良いし、適宜構成を除外しても良い。
【符号の説明】
【0055】
図面中、1は遊技機、2は遊技装置、3は情報表示装置(特定手段、休憩手段、許容手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6