(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148373
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/264 20210101AFI20220929BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20220929BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20220929BHJP
H01G 11/14 20130101ALI20220929BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20220929BHJP
H01G 11/12 20130101ALI20220929BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20220929BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20220929BHJP
【FI】
H01M50/264
H01M50/209
H01M50/342 101
H01G11/14
H01G11/78
H01G11/12
H01M50/262 S
H01M50/296
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050026
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】西村 洋介
【テーマコード(参考)】
5E078
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5E078AA10
5E078AA11
5E078AA15
5E078AB02
5E078AB06
5E078EA16
5E078HA24
5H012AA07
5H012BB02
5H040AA07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY03
5H040AY10
5H040CC14
5H040CC20
5H040CC34
5H040DD03
5H040DD13
5H040JJ03
5H040JJ06
5H040LL01
5H040NN03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】終端部材が変形し難い蓄電装置を提供する。
【解決手段】第一方向に並ぶ複数の蓄電素子10と、複数の蓄電素子を第一方向の外側から挟む一対の終端部材41と、複数の蓄電素子に沿って第一方向に延び且つ一対の終端部材を接続する少なくとも二つの第一接続部421、421Aと、複数の蓄電素子に沿って第一方向に延びる第二接続部422、422Aと、を備え、複数の蓄電素子のそれぞれは、第一方向と直交する第二方向における一方の端部に外部端子14を有し、少なくとも二つの第一接続部は、各終端部材における第一方向及び第二方向のそれぞれと直交する第三方向の端部同士、又は各終端部材の第二方向の端部における第三方向の端部同士を接続し、第二接続部は、各終端部材の第二方向の端部における第三方向の途中位置の部位同士を接続する、ことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子を前記第一方向の外側から挟む一対の終端部材と、
前記複数の蓄電素子に沿って前記第一方向に延び且つ前記一対の終端部材を接続する少なくとも二つの第一接続部と、
前記複数の蓄電素子に沿って前記第一方向に延びる第二接続部と、を備え、
前記複数の蓄電素子のそれぞれは、前記第一方向と直交する第二方向における一方の端部に外部端子を有し、
前記少なくとも二つの第一接続部は、各終端部材における前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれと直交する第三方向の端部同士、又は前記各終端部材の前記第二方向の端部における前記第三方向の端部同士を接続し、
前記第二接続部は、各終端部材の前記第二方向の端部における前記第三方向の途中位置の部位同士を接続する、蓄電装置。
【請求項2】
二つの前記第一接続部と、前記第二接続部と、前記第三方向に延びる一対の延伸部と、を有するフレームを備え、
該フレームにおいて、
前記二つの第一接続部は、前記各終端部材の前記第二方向の一方の端部における前記第三方向の各端部同士を接続し、
前記第二接続部は、前記各終端部材の前記第二方向の前記一方の端部における前記第三方向の途中位置の部位同士を接続し、
前記一対の延伸部は、前記各終端部材の前記第二方向の前記一方の端部において、前記第三方向に延びると共に前記二つの第一接続部と前記第二接続部との対応する前記第一方向の各端部をそれぞれ接続する、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記フレームを一対備え、
これら一対のフレームは、前記一対の終端部材に対して前記第二方向の各端部に配置されている、請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記複数の蓄電素子の各外部端子は、前記第二方向から見て、前記第一接続部と前記第二接続部と前記一対の延伸部とに囲まれた領域内にそれぞれ配置されている、請求項2又は3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記複数の蓄電素子のそれぞれは、前記第二方向の一方の端部にガス排出弁を有し、
前記第二接続部は、前記第二方向の前記一方の側から見て、各蓄電素子の前記ガス排出弁と重なる位置に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子が保持部材によって保持されている蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の電池セルがセパレータを介して積層されている電池ブロックが知られている(特許文献1参照)。この電池ブロックは、複数の電池セルを絶縁性のセパレータを介して積層し、積層方向の両側にエンドプレートが配置されたブロック体である。エンドプレートは、バインドバーによって連結されている。このバインドバーは、電池ブロックの両側面に配置されて、その両端部を内側に折曲して折曲部をエンドプレートに止ネジで固定されている。
【0003】
以上のように構成される蓄電装置では、エンドプレートの各側端部同士しかバインドバーによって連結されていないため、各電池セルが経年劣化等で膨らんだときに、各エンドプレートの幅方向の中央部、即ち、バインドバーが止ネジによって固定されている端部間の部位が積層方向の外側に膨らむように変形(湾曲)する。
【0004】
このように、エンドプレートが変形すると、バインドバーやエンドプレートとバインドバーとの接続部位等に高応力が発生し、この高応力によってバインドバーやエンドプレートが破損等する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本実施形態は、終端部材が変形し難い蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の蓄電装置は、
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子を前記第一方向の外側から挟む一対の終端部材と、
前記複数の蓄電素子に沿って前記第一方向に延び且つ前記一対の終端部材を接続する少なくとも二つの第一接続部と、
前記複数の蓄電素子に沿って前記第一方向に延びる第二接続部と、を備え、
前記複数の蓄電素子のそれぞれは、前記第一方向と直交する第二方向における一方の端部に外部端子を有し、
前記少なくとも二つの第一接続部は、各終端部材における前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれと直交する第三方向の端部同士、又は前記各終端部材の前記第二方向の端部における前記第三方向の端部同士を接続し、
前記第二接続部は、各終端部材の前記第二方向の端部における前記第三方向の途中位置の部位同士を接続する。
【0008】
かかる構成によれば、一対の終端部材が第二方向の端部同士等を少なくとも二つの第一接続部によって接続されているのに加え、第二接続部が各終端部材の第二方向の端部における第三方向の途中位置の部位同士を接続しているため、蓄電装置において各蓄電素子が膨らもうとしても、各終端部材の変形が抑えられる、即ち、終端部材が変形し難い。
【0009】
前記蓄電装置では、
二つの前記第一接続部と、前記第二接続部と、前記第三方向に延びる一対の延伸部と、を有するフレームを備え、
該フレームにおいて、
前記二つの第一接続部は、前記各終端部材の前記第二方向の一方の端部における前記第三方向の各端部同士を接続し、
前記第二接続部は、前記各終端部材の前記第二方向の前記一方の端部における前記第三方向の途中位置の部位同士を接続し、
前記一対の延伸部は、前記各終端部材の前記第二方向の前記一方の端部において、前記第三方向に延びると共に前記二つの第一接続部と前記第二接続部との対応する前記第一方向の各端部をそれぞれ接続してもよい。
【0010】
このようにフレームにおいて、二つの第一接続部と第二接続部との第一方向の各端部同士が一対の延伸部によって接続されていることで、蓄電装置の剛性が高くなる。
【0011】
この場合、前記蓄電装置が前記フレームを一対備え、
これら一対のフレームは、前記一対の終端部材に対して前記第二方向の各端部に配置されていてもよい。
【0012】
このように、蓄電装置において第二方向の各端部にフレームがそれぞれ配置されることで、該蓄電装置の剛性がより高くなる。
【0013】
また、前記蓄電装置では、
前記複数の蓄電素子の各外部端子は、前記第二方向から見て、前記第一接続部と前記第二接続部と前記一対の延伸部とに囲まれた領域内にそれぞれ配置されてもよい。
【0014】
このように各蓄電素子の外部端子が第一接続部と第二接続部と一対の延伸部とに囲まれた領域に配置されることで、外部端子へのバスバの取り付け等の外部端子に対する作業の際にフレームが邪魔にならない。
【0015】
また、前記蓄電装置では、
前記複数の蓄電素子のそれぞれは、前記第二方向の一方の端部にガス排出弁を有し、
前記第二接続部は、前記第二方向の前記一方の側から見て、各蓄電素子の前記ガス排出弁と重なる位置に配置されてもよい。
【0016】
このように第二接続部が配置されることで、ガス排出弁からガスが排出されたときの該ガスの第二方向への飛散を抑えたり、ガスを案内するダクト部材等の蓄電装置への取り付けに利用したりできる。
【発明の効果】
【0017】
以上より、本実施形態によれば、終端部材が変形し難い蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、前記蓄電装置の構成を一部省略した分解斜視図である。
【
図3】
図3は、前記蓄電装置が備える第一フレーム及び該第一フレームに対応するインシュレータを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、前記蓄電装置が備える第二フレーム及び該第二フレームに対応するインシュレータを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、前記蓄電装置が備える第二の隣接部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図5を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0020】
蓄電装置は、
図1~
図4に示すように、所定方向(第一方向)に並ぶ複数の蓄電素子10と、複数の蓄電素子10を保持する保持部材4と、を備える。また、蓄電装置1は、所定方向において蓄電素子10と隣接する複数の隣接部材2を備え、蓄電素子10と隣接部材2とは、所定方向に交互に配置されている。また、蓄電装置1は、複数の蓄電素子10と保持部材4との間に配置される少なくとも一つのインシュレータ6と、異なる蓄電素子10同士を導通可能に接続する複数のバスバ8と、を備える。
【0021】
複数の蓄電素子10のそれぞれは、一次電池、二次電池、キャパシタ等である。本実施形態の蓄電素子10は、充放電可能な非水電解質二次電池である。より具体的には、蓄電素子10は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。これら複数の蓄電素子10のそれぞれは、所定方向と直交する方向(第二方向)における一方の端部に外部端子14を有する。
【0022】
具体的に、各蓄電素子10は、電極体と、電極体を電解液と共に収容するケース13と、少なくとも一部がケース13の外側に露出する外部端子14又はケース13の一部によって構成される外部端子と、電極体と外部端子14とを接続する集電体と、を備える。本実施形態の蓄電素子10は、少なくとも一部がケース13の外側に露出する二つの外部端子14を備える。
【0023】
電極体では、正極と負極とがセパレータを介して交互に積層されている。この電極体においてリチウムイオンが正極と負極との間を移動することにより、蓄電素子10が充放電する。
【0024】
ケース13は、開口を有するケース本体131と、ケース本体131の開口を塞ぐ(閉じる)板状の蓋板132と、を有する。
【0025】
ケース本体131は、板状の閉塞部1311と、閉塞部1311の周縁に接続される筒状の胴部(周壁)1312と、を備える。
【0026】
閉塞部1311は、ケース本体131が開口を上に向けた姿勢で配置されたときにケース本体131の下端に位置する(即ち、前記開口が上を向いたときのケース本体131の底壁となる)部位である。閉塞部1311は、該閉塞部1311の法線方向から見て、矩形状である。
【0027】
胴部1312は、角筒形状、より詳しくは、偏平な角筒形状である。胴部1312は、閉塞部1311の周縁における長辺から延びる一対の長壁部1313と、閉塞部1311の周縁における短辺から延びる一対の短壁部1314とを有する。即ち、一対の長壁部1313は、Y軸方向に間隔(詳しくは、閉塞部1311の周縁における短辺に相当する間隔)を空けて対向し、一対の短壁部1314は、X軸方向に間隔(詳しくは、閉塞部1311の周縁における長辺に相当する間隔)を空けて対向する。短壁部1314が一対の長壁部1313の対応(詳しくは、Y軸方向に対向)する端部同士をそれぞれ接続することによって、角筒状の胴部1312が形成される。
【0028】
以上のように、ケース本体131は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。
【0029】
蓋板132は、ケース本体131の開口を塞ぐ板状の部材である。本実施形態の蓋板132は、Z軸方向から見て、X軸方向に長い矩形状の板材である。この蓋板132は、ケース本体131の開口を塞ぐように、蓋板132の周縁部がケース本体131の開口周縁部に重ねられる。この蓋板132は、ケース13内のガスを外部に排出可能なガス排出弁132aを有する。
【0030】
ガス排出弁132aは、ケース13の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース13内から外部にガスを排出する。本実施形態のガス排出弁132aは、蓋板132の長手方向の中央部に設けられる。具体的に、ガス排出弁132aは、破断溝が形成された薄肉部を有する。このガス排出弁132aは、ケース13の内部圧力(ガス圧)が所定の値よりも大きくなったときに薄肉部が破断溝から裂けることによって、ケース13の内部(内部空間)と外部(外部空間)とを連通させる。これにより、ガス排出弁132aは、ケース13の内部のガスを外部へ排出し、上昇したケース13の内部圧力を下げる。
【0031】
二つの外部端子14は、蓋板132の長手方向の両端部に配置されている。即ち、二つの外部端子14は、間にガス排出弁132aが位置するように蓋板132に配置されている。これら二つの外部端子14のそれぞれは、他の蓄電素子10の外部端子14又は外部機器等と電気的に接続される部位であり、導電性を有する部材によって形成されている。例えば、外部端子14は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
【0032】
各蓄電素子10は以上のように構成されており、複数の蓄電素子10は、ケース13(ケース本体131)の長壁部1313を対向させた状態で、前記所定方向に並んでいる。
【0033】
以下の説明では、複数の蓄電素子10が並ぶ方向(第一方向)を直交座標系のX軸方向、ケース13の幅狭な一対の面(壁部)が対向する方向(第三方向)を直交座標系のY軸方向、蓋板132の法線方向(第二方向)を直交座標系のZ軸方向とする。
【0034】
隣接部材2は、絶縁性を有し、X軸方向に並ぶ蓄電素子10間、又は蓄電素子10と該蓄電素子10に対してX軸方向に並ぶ部材(本実施形態の例では、保持部材4の一部)との間に配置される。本実施形態の隣接部材2は、絶縁性を有する樹脂製である。この隣接部材2は、上述のように、隣接する蓄電素子10との間に空気等の温度調整用流体が流通可能な流路Rを形成する。
【0035】
この隣接部材2は、複数種の隣接部材を含み、本実施形態の隣接部材2は、蓄電素子10間に配置される第一の隣接部材21と、蓄電素子10間に配置され且つ保持部材4に固定される第二の隣接部材22と、X軸方向において最も端にある蓄電素子10の外側で該蓄電素子10と隣接する第三の隣接部材23と、を含む。即ち、蓄電装置1は、隣接部材2として、第一の隣接部材21と、第二の隣接部材22と、第三の隣接部材23と、を備える。本実施形態の蓄電装置1は、複数の第一の隣接部材21と、一つの第二の隣接部材22と、二つ(一対)の第三の隣接部材23と、を備える。これら複数の第一の隣接部材21のそれぞれは、第二の隣接部材22が配置されている蓄電素子10間を除いた各蓄電素子10間に配置されている。
【0036】
複数の第一の隣接部材21のそれぞれは、X軸方向に隣り合う蓄電素子10間においてX軸方向と直交する方向に広がる第一本体部211と、第一本体部211と隣り合う蓄電素子10の該第一本体部211に対する移動を規制する少なくとも一つの第一規制部215と、を有する。また、複数の第一の隣接部材21のそれぞれは、隣り合う蓄電素子10との間に温度調整用流体が流通可能な少なくとも一つの流路Rを形成する。
【0037】
第一本体部211は、蓄電素子10のケース13の幅広な面と一部を当接させた状態で対向する部位である。この第一本体部211は、隣接する蓄電素子10と共同して該蓄電素子10との間に温度調整用の流体が流通可能な流路Rを形成する。本実施形態の第一本体部211は、X軸方向から見て蓄電素子10と対応する大きさの矩形板状であり、X-Z面(X軸方向とZ軸方向とを含む面)に沿った断面形状が矩形波形である。
【0038】
第一規制部215は、矩形状の第一本体部211の少なくとも角部からX軸方向に延び、第一本体部211と隣接する蓄電素子10(詳しくはケース13)とY-Z面(Y軸方向とZ軸方向とを含む面)方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第一本体部211に対するY-Z面方向への相対移動を規制する。本実施形態の第一規制部215は、第一本体部211からX軸方向の両側に向けてそれぞれ延びている。
【0039】
第二の隣接部材(隣接部材)22は、X軸方向に隣り合う蓄電素子10間においてX軸方向と直交する方向に広がる第二本体部221と、第二本体部221と隣り合う蓄電素子10の該第二本体部221に対する移動を規制する少なくとも一つの第二規制部225と、を有する。また、第二の隣接部材22は、隣り合う蓄電素子10との間に温度調整用流体が流通可能な少なくとも一つの流路Rを形成する。本実施形態の第二の隣接部材22は、蓄電装置1において、X軸方向の中央位置に配置されている。
【0040】
第二本体部221は、蓄電素子10のケース13の幅広な面と一部を当接させた状態で対向する部位である。この第二本体部221も、第一の隣接部材21の第一本体部211と同様に、隣接する蓄電素子10と共同して該蓄電素子10との間に温度調整用流体が流通可能な流路Rを形成する。本実施形態の第二本体部221は、隣接する蓄電素子10との間に複数の流路Rを形成する。詳しくは、第二本体部221は、X軸方向の一方側に隣接する蓄電素子10との間に複数の流路Rを形成すると共に、X軸方向の他方側に隣接する蓄電素子10との間に複数の流路Rを形成する。
【0041】
具体的に、第二本体部221は、
図5にも示すように、X軸方向から見て隣接する蓄電素子10と対応する大きさの矩形状であり、X軸方向の寸法(厚さ寸法)が第一本体部211より大きな厚板状である。
【0042】
より具体的に、第二本体部221は、X軸方向の一方側の端部と他方側の端部とのそれぞれにおいてX軸方向と直交する方向に広がり且つ隣り合う蓄電素子10(ケース13の幅広の面)と対向する二つの対向面2211と、各対向面2211から突出する複数の凸条2212と、を有する。この第二本体部221は、Z軸方向の各端面2213に、第二本体部221を保持部材4に固定するための固定部224をそれぞれ有する。本実施形態の第二本体部221は、Z軸方向の各端面2213に複数の固定部224をそれぞれ有する。
【0043】
各対向面2211において、複数の凸条2212のそれぞれは、Y軸方向に延び、Z軸方向に間隔をあけて配置されている。これら複数の凸条2212のそれぞれは、突出方向(X軸方向)の先端を、第二本体部221と隣り合う蓄電素子10に当接させている。これにより、隣り合う蓄電素子10との間に複数の流路Rが形成される。
【0044】
複数の固定部224は、第二本体部221のZ軸方向の端面2213においてY軸方向に間隔をあけて並んでいる。本実施形態の第二本体部221のZ軸方向の各端面2213には、二つの固定部224がY軸方向に間隔をあけて配置されている。より詳しくは、二つの固定部224は、端面2213におけるY方向の各端部に配置されている。本実施形態の各固定部224は、インサートナットであり、保持部材4を貫通した状態のネジ等の連結部材Nが該インサートナットに係合する(螺合する)ことで第二本体部221が保持部材4に固定される。
【0045】
第二規制部225は、矩形状の第二本体部221の少なくとも角部(X軸方向から見たときの角部)からX軸方向に延び、第二本体部221と隣接する蓄電素子10(詳しくはケース13)とY-Z面方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第二本体部221に対するY-Z面方向への相対移動を規制する。本実施形態の第二規制部225は、第二本体部221からX軸方向の両側に向けてそれぞれ延びている。
【0046】
二つの第三の隣接部材23のそれぞれは、X軸方向に隣り合う蓄電素子10と保持部材4(詳しくは、終端部材41)との間においてX軸方向と直交する方向に広がる第三本体部231と、第三本体部231と隣り合う蓄電素子10の該第三本体部231に対する移動を規制する少なくとも一つの第三規制部235と、を有する。また、二つの第三の隣接部材23のそれぞれは、隣り合う蓄電素子10との間に温度調整用流体が流通可能な少なくとも一つの流路Rを形成する。
【0047】
第三本体部231は、蓄電素子10のケース13の幅広な面と一部を当接させた状態で対向する部位である。この第三本体部231も、第一の隣接部材21の第一本体部211及び第二の隣接部材22の第二本体部221と同様に、隣接する蓄電素子10と共同して該蓄電素子10との間に温度調整用の流体が流通可能な流路Rを形成する。本実施形態の第三本体部231は、隣接する蓄電素子10との間に複数の流路Rを形成する。
【0048】
具体的に、第三本体部231は、X軸方向から見て隣接する蓄電素子10と対応する大きさの矩形板状である。より具体的に、第三本体部231は、X軸方向の一方側の端部と他方側の端部とのそれぞれにおいてX軸方向と直交する方向に広がり、且つ隣り合う蓄電素子10(ケース13の幅広の面)又は終端部材41と対向する二つの対向面2311と、蓄電素子10側の対向面2311から突出する複数の凸条2312と、を有する。
【0049】
蓄電素子10側の対向面2311において、複数の凸条2312のそれぞれは、Y軸方向に延び、Z軸方向に間隔をあけて配置されている。これら複数の凸条2312のそれぞれは、突出方向(X軸方向)の先端を、第三本体部231と隣り合う蓄電素子10に当接させている。これにより、蓄電素子10側の対向面2311と、該対向面2311においてZ軸方向に間隔をあけて隣り合う二つの凸条2312と、該対向面2311と対向する蓄電素子10(ケース13)とによって、第三本体部231の蓄電素子10側に流路Rが形成される。
【0050】
第三規制部235は、矩形状の第三本体部231の少なくとも角部からX軸方向に延び、第三本体部231と隣接する蓄電素子10(詳しくはケース13)とY-Z面方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第三本体部231に対するY-Z面方向への相対移動を規制する。本実施形態の第三規制部235は、第三本体部231からX軸方向の一方側(蓄電素子10側)に向けて延びている。
【0051】
保持部材4は、複数の蓄電素子10と複数の隣接部材2との周囲を囲むことで、これら複数の蓄電素子10及び複数の隣接部材2をひとまとめに保持する。この保持部材4は、金属によって構成されている。具体的に、保持部材4は、複数の蓄電素子10をX軸方向の外側から挟む一対の終端部材41と、一対の終端部材41を接続する一対のフレーム42と、終端部材41とフレーム42と連結する複数の連結部材43と、を有する。
【0052】
一対の終端部材41のそれぞれは、X軸方向の端(最も外側)に配置された蓄電素子10との間に第三の隣接部材23を挟み込むように配置される。一対の終端部材41のそれぞれは、X軸方向から見て蓄電素子10と対応する大きさの矩形板状であり、各終端部材41の剛性は、第三の隣接部材23より高い。各終端部材41は、Y軸方向に間隔をあけて配置される複数の貫通孔411をZ軸方向の両端部にそれぞれ有する。本実施形態の各終端部材41は、Z軸方向の一方の端部に三つの貫通孔411を有し、他方の端部に三つの貫通孔411を有する。
【0053】
Z軸方向の一方側の三つの貫通孔411は、Z軸方向の位置が異なる貫通孔(第一貫通孔)411aを含む。この第一貫通孔411aは、Y軸方向の中央に配置された貫通孔であり、残りの二つの貫通孔(第二貫通孔)411bよりZ軸方向の一方側に位置する。これら二つの第二貫通孔411bは、Y軸方向の両端部に配置されている。
【0054】
また、Z軸方向の他方側の三つの貫通孔411は、Z軸方向の位置が同じそれぞれ同じであり、Y軸方向に等間隔で並んでいる。即ち、三つの貫通孔411は、Y軸方向の両端部と、Y軸方向の中央とに配置されている。
【0055】
一対のフレーム42のそれぞれは、二つの側部接続部(第一接続部)421と、一つの中間接続部(第二接続部)422と、一対の延伸部423と、を有する。これら一対のフレーム42は、一対の終端部材41に対してZ軸方向の各端部に配置されている。以下では、Z軸方向の一方側のフレーム42を第一フレーム42Aと称し、Z軸方向の他方側のフレーム42を第二フレーム42Bとも称することもある。
【0056】
第一フレーム42Aは、それぞれX軸方向に延び且つY軸方向に間隔をあけて配置される二つの第一側部接続部421Aと、X軸方向に延び且つY軸方向における二つの第一側部接続部421Aの間に配置される第一中間接続部422Aと、Y軸方向に延び且つ二つの第一側部接続部421Aと第一中間接続部422Aとを接続する一対の第一延伸部423Aと、を有する。
【0057】
二つの第一側部接続部421Aは、各終端部材41のZ軸方向の一方の端部におけるY軸方向の各端部同士を接続する部位である。これら二つの第一側部接続部421Aのそれぞれは、Y軸方向の端部において複数の蓄電素子10に沿ってX軸方向に延びている。
【0058】
具体的に、各第一側部接続部421Aは、蓄電素子10の蓋板132と短壁部1314とによって構成される角部(ケース13の角部)に沿って折れ曲がった横断面形状を有する長尺な部位である。詳しくは、各蓄電素子10の蓋板132に沿ってX軸方向に延びる板状の第一部位4211Aと、各蓄電素子10の短壁部1314に沿ってX軸方向に延びる板状の第二部位4212Aと、を有する。
【0059】
本実施形態の第一側部接続部421Aにおいて、第一部位4211AのX軸方向の各位置での幅は一定であり、第二部位4212AのX軸方向の各位置での幅は一定である。
【0060】
また、各第一側部接続部421Aは、第二の隣接部材を固定するための固定片4214を有する。この固定片4214は、第一部位4211AのX軸方向の中央部からY軸方向の内側に向けて延びる板状の部位であり、Z軸方向に貫通する貫通孔4214aを有する。本実施形態の固定片4214は、第二の隣接部材22のZ軸方向の端面2213に沿って延び、貫通孔4214aは、Z軸方向から見て第二の隣接部材22の固定部(本実施形態の例ではインサートナット)224と重なる位置に配置されている。
【0061】
第一中間接続部422Aは、各終端部材41のZ軸方向の一方の端部におけるY軸方向の途中位置の部位同士を接続する部位である。この第一中間接続部422Aは、Z軸方向の一方側から見て、各蓄電素子10のガス排出弁132aと重なる位置に配置されている。具体的に、第一中間接続部422Aは、X軸方向の各位置においてY軸方向の幅寸法が一定の帯板状の部位である。本実施形態の第一中間接続部422Aは、蓄電装置1のY軸方向の中央位置においてX軸方向の一端から他端まで延び、幅寸法(Y軸方向の寸法)は、ガス排出弁132aより大きい。本実施形態の蓄電装置1では、蓄電素子10のガス排出弁132aからガスが排出されたときは、第一中間接続部422Aと各蓄電素子10との間を通じてX軸方向の端部から排出される。
【0062】
一対の第一延伸部423Aは、各終端部材41のZ軸方向の一方の端部において、Y軸方向に延びると共に二つの第一側部接続部421Aと第一中間接続部422Aとの対応するX軸方向の各端部をそれぞれ接続する。
【0063】
具体的に、各第一延伸部423Aは、終端部材41のZ軸方向の一方の端縁と対向した状態で該端縁に沿って一方の第一側部接続部421Aから他方の第一側部接続部421AまでY軸方向に延びる延伸部第一部位4231Aと、延伸部第一部位4231AのX軸方向の外側の端部から終端部材41の外側の面に沿ってZ軸方向の他方側(第二フレーム42B側)に延びる延伸部第二部位4232Aと、を有する。
【0064】
延伸部第一部位4231AのY軸方向の各位置でのX軸方向の幅は、一定である。また、延伸部第二部位4232Aは、延伸部第一部位4231AのY軸方向の全域からZ軸方向の他方側に延びている。即ち、延伸部第二部位4232Aは、一方の第一側部接続部421Aの第二部位4212Aから他方の第一側部接続部421Aの第二部位4212Aまで延びている。
【0065】
この延伸部第二部位4232Aは、終端部材41のZ軸方向の一方側の各貫通孔411と対応する位置に貫通孔4233Aを有する。即ち、延伸部第二部位4232Aは、複数(本実施形態の例では、三つ)の貫通孔4233Aを有する。本実施形態の延伸部第二部位4232Aは、終端部材41の第一貫通孔411aと対応する位置に第一貫通孔4233A1を有し、終端部材41の二つの第二貫通孔411bと対応する位置に二つの第二貫通孔4233A2を有する。そして、延伸部第二部位4232Aでは、終端部材41の各貫通孔411a、411bと同様に、第一貫通孔4233A1が、Y軸方向の中央に配置された貫通孔であり、残りの二つの第二貫通孔4233A2よりZ軸方向の一方側に位置している。これにより、延伸部第二部位4232Aでは、Y軸方向の両端の第二貫通孔4233A2が形成された部位は、Y軸方向の中央の第一貫通孔4233A1が形成された部位より、Z軸方向の寸法が大きい、即ち、Z軸方向の他方側に延びている。
【0066】
第二フレーム42Bは、それぞれX軸方向に延び且つY軸方向に間隔をあけて配置される二つの第二側部接続部421Bと、X軸方向に延び且つY軸方向における二つの第二側部接続部421Bの間に配置される第二中間接続部422Bと、Y軸方向に延び且つ二つの第二側部接続部421Bと第二中間接続部422Bとを接続する一対の第二延伸部423Bと、を有する。また、第二フレーム42Bは、X軸方向の途中位置でY軸方向に延びる複数の中間延伸部424Bを有する。
【0067】
二つの第二側部接続部421Bは、各終端部材41のZ軸方向の他方の端部におけるY軸方向の各端部同士を接続する部位である。これら二つの第二側部接続部421Bのそれぞれは、Y軸方向の端部において複数の蓄電素子10に沿ってX軸方向に延びている。
【0068】
具体的に、各第二側部接続部421Bは、蓄電素子10の短壁部1314と閉塞部1311とによって構成される角部(ケース13の角部)に沿って折れ曲がった横断面形状を有する長尺な部位である。詳しくは、各蓄電素子10の閉塞部1311に沿ってX軸方向に延びる板状の第一部位4211Bと、各蓄電素子10の短壁部1314に沿ってX軸方向に延びる板状の第二部位4212Bと、を有する。
【0069】
本実施形態の第二側部接続部421Bにおいて、第一部位4211BのX軸方向の各位置での幅は一定であり、第二部位4212BのX軸方向の各位置での幅は一定である。
【0070】
第二中間接続部422Bは、各終端部材41のZ軸方向の他方の端部におけるY軸方向の途中位置の部位同士を接続する部位である。この第二中間接続部422Bは、X軸方向の各位置においてY軸方向の幅寸法が一定の帯板状の部位である。本実施形態の第二中間接続部422Bは、蓄電装置1のY軸方向の中央位置においてX軸方向の一端から他端まで延びる。
【0071】
一対の第二延伸部423Bは、各終端部材41のZ軸方向の他方の端部において、Y軸方向に延びると共に二つの第二側部接続部421Bと第二中間接続部422Bとの対応するX軸方向の各端部をそれぞれ接続する。
【0072】
具体的に、各第二延伸部423Bは、終端部材41のZ軸方向の他方の端縁と対向した状態で該端縁に沿って一方の第二側部接続部421Bから他方の第二側部接続部421BまでY軸方向に延びる延伸部第一部位4231Bと、延伸部第一部位4231BのX軸方向の外側の端部から終端部材41の外側の面に沿ってZ軸方向の一方側(第一フレーム42A側)に延びる延伸部第二部位4232Bと、を有する。
【0073】
延伸部第一部位4231BのY軸方向の各位置でのX軸方向の幅は、一定である。また、延伸部第二部位4232Bは、延伸部第一部位4231BのY軸方向の全域からZ軸方向の一方側に延びている。即ち、延伸部第二部位4232Bは、一方の第二側部接続部421Bの第二部位4212Bから他方の第二側部接続部421Bの第二部位4212Bまで延びている。
【0074】
この延伸部第二部位4232Bは、終端部材41のZ軸方向の他方側の各貫通孔411と対応する位置に貫通孔4233Bを有する。即ち、延伸部第二部位4232Bは、複数(本実施形態の例では、三つ)の貫通孔4233Bを有する。各貫通孔4233BのZ軸方向の位置は、同じである。
【0075】
複数の中間延伸部424Bのそれぞれは、一方の第二側部接続部421Bから他方の第二側部接続部421BまでY軸方向に延びている。本実施形態の複数の中間延伸部424Bは、第二の隣接部材22が固定される第一中間延伸部4241Bと、複数の第二中間延伸部4242Bと、を含む。
【0076】
第一中間延伸部4241Bは、各第二側部接続部421BのX軸方向の中央部同士を接続するようにY軸方向に延び、Z軸方向に少なくとも一つの貫通孔4241bを有する。本実施形態の第一中間延伸部4241Bは、第二の隣接部材22のZ軸方向の端面2213に沿って延び、貫通孔4241bは、Z軸方向から見て第二の隣接部材22の固定部(本実施形態の例ではインサートナット)224と重なる位置に配置されている。即ち、第一中間延伸部4241Bは、二つの貫通孔4241bを有する。
【0077】
複数の第二中間延伸部4242Bのそれぞれは、X軸方向における第二延伸部423Bと第一中間延伸部4241Bとの間でY軸方向に延びている。本実施形態の第二フレーム42Bでは、一方の第二延伸部423Bと第一中間延伸部4241Bとの間に一つの第二中間延伸部4242Bが配置され、他方の第二延伸部423Bと第一中間延伸部4241Bとの間に一つの第二中間延伸部4242Bが配置されている。
【0078】
複数の連結部材43のそれぞれは、終端部材41の貫通孔411及びフレーム42の貫通孔4233A、4233Bを挿通した状態で終端部材41とフレーム42とを連結する。本実施形態の各連結部材43は、ボルト431とナット432によって構成されている。
【0079】
インシュレータ6は、絶縁性を有する。このインシュレータ6は、フレーム42と、複数の蓄電素子10との間に配置される。具体的に、蓄電装置1は、一対のインシュレータ6を備え、各インシュレータ6は、フレーム42における少なくとも複数の蓄電素子10と対向する領域をそれぞれ覆う。
【0080】
一対のインシュレータ6のうちの第一フレーム42A側のインシュレータ6Aにおける各固定片4214と対応する部位61は、固定片4214の貫通孔4214aと対応する位置に貫通孔610をそれぞれ有する。また、一対のインシュレータ6のうちの第二フレーム42B側のインシュレータ6Bにおける第一中間延伸部4241Bと対応する部位62は、第一中間延伸部4241Bの各貫通孔4241bと対応する位置に貫通孔620を有する。
【0081】
複数のバスバ8のそれぞれは、金属等の導電性を有する板状の部材である。各バスバ8は、蓄電素子10の外部端子14同士を導通させる。本実施形態の複数のバスバ8は、蓄電装置1に含まれる複数の蓄電素子10を直列に接続する(導通させる)。
【0082】
以上の蓄電装置1によれば、一対の終端部材41がZ軸方向の端部同士等を側部接続部(第一接続部)421A、421Bによって接続されているのに加え、中間接続部(第二接続部)422A、422Bが各終端部材41のZ軸方向の端部におけるY軸方向の途中位置の部位同士を接続している。このため、蓄電装置1において各蓄電素子10が膨らもうとしても、各終端部材41の変形が効果的に抑えられる、即ち、終端部材41が変形し難い。
【0083】
本実施形態の蓄電装置1では、二つの側部接続部421と、中間接続部422と、一対の延伸部423と、を有するフレーム42を備えている。このフレーム42において、二つの側部接続部421と中間接続部422とのX軸方向の各端部同士が一対の延伸部423によって接続されていることで、蓄電装置1の剛性が高くなる。
【0084】
また、本実施形態の蓄電装置1が一対のフレーム42A、42Bを備え、これら一対のフレーム42A、42Bが、一対の終端部材41に対してZ軸方向の各端部に配置されている。このように、蓄電装置1においてZ軸方向の各端部にフレーム42A、42Bがそれぞれ配置されていることで、該蓄電装置1の剛性がより高くなる。
【0085】
また、本実施形態の蓄電装置1では、複数の蓄電素子の各外部端子14が、Z軸方向から見て、第一側部接続部421Aと第一中間接続部422Aと一対の第一延伸部423Aとに囲まれた領域内にそれぞれ配置されている。このように各蓄電素子10の外部端子14が第一側部接続部421Aと第一中間接続部422Aと一対の第一延伸部423Aとに囲まれた領域A(
図3参照)に配置されることで、外部端子14へのバスバ8の取り付け等の外部端子に対する作業の際にフレームが邪魔にならない。
【0086】
また、本実施形態の蓄電装置1では、第一中間接続部422Aが、Z軸方向の一方側から見て、各蓄電素子10のガス排出弁132aと重なる位置に配置されている。このように第一中間接続部422Aが配置されることで、ガス排出弁132aからガスが排出されたときの該ガスのZ軸方向への飛散を抑えたり、ガスを案内するダクト部材等の蓄電装置1への取り付けに利用したりできる。
【0087】
尚、本発明の蓄電装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0088】
上記実施形態の蓄電装置1では、側部接続部421と中間接続部422と延伸部423とが一体となってフレーム42を構成しているが、この構成に限定されない。側部接続部421と中間接続部422とが別体(別部材)であってもよい。
【0089】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、側部接続部421が、各終端部材41のZ軸方向の端縁(端部)におけるY軸方向の端部同士を接続しているが、この構成に限定されない。側部接続部421は、各終端部材41のY軸方向の端部同士を接続する構成でもよい。この場合、例えば、第一側部接続部421Aと第二側部接続部421Bとが一体に構成され、各中間接続部422A、422Bが独立の部材によって構成されていてもよい。
【0090】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、中間接続部422が終端部材41のZ軸方向の各端部に配置されているが、この構成に限定されない。中間接続部422は、終端部材41のZ軸方向の一方の端部のみに配置されていてもよい。
【0091】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、一つの中間接続部422が、終端部材41のZ軸方向の端部に配置されているが、この構成に限定されない。複数の中間接続部422が終端部材41のZ軸方向の端部に配置されていてもよい。
【0092】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、中間接続部422がY軸方向の中央位置に配置されているが、この構成に限定されない。中間接続部422は、Y軸方向の中央位置から一方側又は他方側にずれた位置に配置されてもよい。
【0093】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、第一中間接続部422Aが、Z軸方向の一方側から見て各蓄電素子10のガス排出弁132aと重なる位置に配置されているが、この構成に限定されない。第一中間接続部422Aは、Z軸方向の一方側から見て、ガス排出弁132aと重ならない位置に配置されていてもよい。
【0094】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、第一中間接続部422Aは、X軸方向に延びる帯板状の部位であるが、この構成に限定されない。例えば、第一中間接続部422Aは、各蓄電素子10のガス排出弁132aと対応する位置(Z軸方向から見て重なる位置)のそれぞれに貫通孔を有してもよい。かかる構成によれば、ガス排出弁132aから排出されたガスが、該ガス排出弁132aと対応する貫通孔を通じて第一中間接続部422AをZ軸方向に通過できるため、第一中間接続部422AのZ軸方向の一方側(蓄電素子10の側と反対側)において該ガスを案内する部材(ダクト部材等)を配置することが可能となる。
【0095】
また、中間接続部422は、帯板状に限定されず、横断面が円形や正方形等の部位(又は部材)であってもよい。即ち、中間接続部422は、X軸方向に延びると共に、各終端部材41のZ軸方向の端部におけるY軸方向の途中位置の部位同士を接続する構成であればよい。
【0096】
また、本実施形態の蓄電装置1において、側部接続部421又は中間接続部422と終端部材41と連結する連結部材43は、ボルト431及びナット432であるが、この構成に限定されない。連結部材43は、リベット等でもよい。また、側部接続部421又は中間接続部422と終端部材41とは、溶接等によって連結されていてもよい。
【0097】
また、側部接続部421又は中間接続部422と終端部材41とにおいてX軸方向に重なる部位を、連結部材43がX軸方向に貫通した状態で連結しているが、この構成に限定されない。例えば、側部接続部421又は中間接続部422と終端部材41とにおいてZ軸方向に重なる部位を、連結部材43がZ軸方向に貫通した状態で連結してもよい。
【0098】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、第一フレーム42Aと第二フレーム42Bとが異なる構成を有しているが、この構成に限定されない。第一フレーム42Aと第二フレーム42Bとが同じ構成でもよい。
【0099】
また、上記実施形態の蓄電装置1は、第二の隣接部材22を備えているが、この構成に限定されない。
【0100】
また、上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1…蓄電装置、2…隣接部材、21…第一の隣接部材(隣接部材)、211…第一本体部、215…第一規制部、22…第二の隣接部材(隣接部材)、221…第二本体部、2211…対向面、2212…凸条、2213…端面、224…固定部、225…第二規制部、23…第三の隣接部材(隣接部材)、231…第三本体部、2311…対向面、2312…凸条、235…第三規制部、4…保持部材、41…終端部材、411…貫通孔、411a…第一貫通孔、411b…第二貫通孔、42…フレーム、421…側部接続部(第一接続部)、422…中間接続部(第二接続部)、423…延伸部、42A…第一フレーム(フレーム)、421A…第一側部接続部(第一接続部)、4211A…第一部位、4212A…第二部位、4213A…第三部位、4214…固定片、4214a…貫通孔、422A…第一中間接続部(第二接続部)、423A…第一延伸部(延伸部)、4231A…延伸部第一部位、4232A…延伸部第二部位、4233A…貫通孔、4233A1…第一貫通孔、4233A2…第二貫通孔、42B…第二フレーム(フレーム)、421B…第二側部接続部(第一接続部)、4211B…第一部位、4212B…第二部位、4213B…第三部位、422B…第二中間接続部(第二接続部)、423B…第二延伸部(延伸部)、4231B…延伸部第一部位、4232B…延伸部第二部位、4233B…貫通孔、424B…中間延伸部、4241B…第一中間延伸部、4241b…貫通孔、4242B…第二中間延伸部、43…連結部材、431…ボルト、432…ナット、6、6A、6B…インシュレータ、61…固定片と対応する部位、610…貫通孔、62…第一中間延伸部と対応する部位、620…貫通孔、8…バスバ、10…蓄電素子、13…ケース、131…ケース本体、1311…閉塞部、1312…胴部、1313…長壁部、1314…短壁部、132…蓋板、132a…ガス排出弁、14…外部端子、A…領域、N…連結部材、R…流路