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特開2022-148387送電コイルユニット、送電装置およびワイヤレス電力伝送システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148387
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】送電コイルユニット、送電装置およびワイヤレス電力伝送システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/60 20160101AFI20220929BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20220929BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050048
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】米田 一己
(72)【発明者】
【氏名】山嶋 雅之
(57)【要約】
【課題】赤外線カメラを用いて異物の存在を検出する場合に、発熱する異物が光沢のある金属物質であるときにおいても、当該異物の存在を検出することができる送電コイルユニットを提供する。
【解決手段】受電コイルにワイヤレスで電力を送電する送電コイルと、前記送電コイルを前記受電コイルと対向する側から覆う基材と、前記基材よりも熱伝導率が高い材料部を含み、前記基材の前記受電コイルと対向する側の面に互いに離間して配置された複数の部位と、を備える送電コイルユニット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電コイルにワイヤレスで電力を送電する送電コイルと、
前記送電コイルを前記受電コイルと対向する側から覆う基材と、
前記基材よりも熱伝導率が高い材料部を含み、前記基材の前記受電コイルと対向する側の面に互いに離間して配置された複数の部位と、
を備える送電コイルユニット。
【請求項2】
前記部位は、前記基材の前記受電コイルと対向する側の面から前記受電コイルと対向する側に突出している、
請求項1に記載の送電コイルユニット。
【請求項3】
前記受電コイルが対向する側からの前記受電コイルと対向する方向での平面視において、前記複数の前記部位のそれぞれの形状が同一である、
請求項1または請求項2に記載の送電コイルユニット。
【請求項4】
前記部位は、前記受電コイルと対向する方向に積層された積層体であり、
前記積層体は、前記基材よりも熱伝導率が高い材料からなる層を含む、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の送電コイルユニット。
【請求項5】
前記積層体の最外層は、感熱材料からなる層である、
請求項4に記載の送電コイルユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の送電コイルユニットを備え、
前記受電コイルを備えた受電装置にワイヤレスで電力を伝送する、
送電装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の送電コイルユニットを備え、前記受電コイルを備えた受電装置にワイヤレスで電力を伝送する送電装置と、
前記受電装置と、
前記部位を撮像する赤外線カメラと、
を備えるワイヤレス電力伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送電コイルユニット、送電装置およびワイヤレス電力伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
送電装置の送電コイルから受電装置の受電コイルにワイヤレスで電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムが知られている。例えば、送電装置の送電コイルは地面に設置され、受電装置の受電コイルは移動体に設置される。
送電コイルの上に金属の異物が存在する場合に送電が行われると、送電コイルにより形成される磁界によって当該異物が発熱する。このため、ワイヤレス電力伝送システムでは、発熱する異物の存在を検出する異物検出装置を備える場合があった。
【0003】
特許文献1に記載された技術では、送電部と受電部との間に位置する異物の温度を検出する温度センサを備える(特許文献1参照。)。当該受電装置では、送電部側に位置し磁界の通過が可能な蓋部材に、複数個の温度センサを備えている。蓋部材は、当該蓋部材を2以上の領域に区分けする隔壁を有しており、温度センサは当該領域に配置され、温度センサの各々が隔壁により区分けされる。隔壁には、蓋部材よりも熱伝率の低い材料が用いられている。
特許文献1に記載された技術の具体例では、蓋部材の全面にサーミスタ素子を多数個埋め込み、それぞれのサーミスタ素子の領域が金属異物の温度上昇によって温められたときに、サーミスタ素子の抵抗値の変化に応じた電圧変化によって、磁束による金属異物の温度上昇を検出することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-158315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、複数個の温度センサおよび複数の隔壁などを備える蓋部材を設けることが必要であり、蓋部材の構造が複雑であり高コスト化する場合が考えられる。
例えば、発熱した金属物質の温度を非接触の温度測定器(例えば、サーマルイメージセンサ)で測定する手法が知られているが、異物が光沢のある金属物質であるときに、当該異物の発熱を十分に検出することができず、当該異物の存在を検出することが難しい場合があった。
【0006】
具体的には、発熱した金属物質の温度を非接触の温度測定器で測定する場合、当該金属物質が黒体などのように放射率が1.0に近い物質であれば、当該金属物質の温度を正確に測定することが可能である。しかし、光沢のある金属物質の見かけの温度は周辺の物質の赤外線放射の反射等により影響を受けて周囲温度に近くなるため、光沢のある金属物質の温度を非接触の温度測定器で正確に測定することは難しかった。光沢のある金属物質の温度を正確に測定するために、反射の少ない金属端の狭い部分からの放射を非常に解像度が高い非接触の温度測定器で測定することが考えられるが、高解像度だが高価な温度測定器を用意する必要があった。
【0007】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、赤外線カメラを用いて異物の存在を検出する場合に、発熱する異物が光沢のある金属物質であるときにおいても、当該異物の存在を検出することができる送電コイルユニット、送電装置およびワイヤレス電力伝送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、受電コイルにワイヤレスで電力を送電する送電コイルと、前記送電コイルを前記受電コイルと対向する側から覆う基材と、前記基材よりも熱伝導率が高い材料部を含み、前記基材の前記受電コイルと対向する側の面に互いに離間して配置された複数の部位と、を備える送電コイルユニットである。
【0009】
本開示の一態様は、送電コイルユニットを備え、前記受電コイルを備えた受電装置にワイヤレスで電力を伝送する、送電装置である。
【0010】
本開示の一態様は、送電コイルユニットを備え、前記受電コイルを備えた受電装置にワイヤレスで電力を伝送する送電装置と、前記受電装置と、前記部位を撮像する赤外線カメラと、を備えるワイヤレス電力伝送システムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、送電コイルユニット、送電装置およびワイヤレス電力伝送システムにおいて、赤外線カメラを用いて異物の存在を検出する場合に、発熱する異物が光沢のある金属物質であるときにおいても、当該異物の存在を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る異物検出装置の構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る送電コイルユニットおよび受電コイルの断面の一例および撮像装置および異物検出装置の配置の一例を示す図である。
図4】送電コイルカバー部におけるパッドの配置および異物の概略を示す図である。
図5】送電コイルカバー部におけるパッドの配置および異物の概略を示す図である。
図6】送電コイルカバー部におけるパッドの配置および異物の概略を示す図である。
図7】送電コイルカバー部におけるパッドの配置および異物の概略を示す図である。
図8】実施形態の第1構造例に係る送電コイルカバー部の断面の一例を示す図である。
図9】実施形態の第1構造例の変形例に係る送電コイルカバー部の断面の一例を示す図である。
図10】実施形態の第2構造例に係る送電コイルカバー部の断面の一例を示す図である。
図11】実施形態の第3構造例に係る送電コイルカバー部の断面の一例を示す図である。
図12】実施形態の第4構造例に係る送電コイルカバー部の断面の一例を示す図である。
図13】実施形態の第5構造例に係る送電コイルカバー部の断面の一例を示す図である。
図14】実施形態の第6構造例に係る送電コイルカバー部の断面の一例を示す図である。
図15】実施形態の第7構造例に係る送電コイルカバー部の断面の一例を示す図である。
図16】実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図17】実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図18】実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図19】実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図20】実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図21】実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図22】実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図23】実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
以下の実施形態では、構造の説明において、垂直、水平、平面、同一(同じ、または、一定も同様)などの語を使用して代表的な構造例を示すが、実用上で支障のない程度で、垂直、水平、平面、同一(同じ、または、一定も同様)などは多少ずれてもよい。また、以下の実施形態では、製造誤差などにより、長さまたは大きさなどの物体の寸法、物体の特性、あるいは、2つの物体が為す角度などが多少ずれてもよい。
また、以下の実施形態の説明において使用される各部の名称としては、他の任意の名称が用いられてもよい。
【0014】
[ワイヤレス電力伝送システム]
図1は、実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1の構成の一例を示す図である。
図1には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ座標軸を示してある。
本実施形態では、Z軸の方向が高さ方向となっており、Z軸の負から正へ向かう方向が上方に相当し、Z軸の正から負へ向かう方向が下方(重力の方向)に相当する。
また、本実施形態では、地表が、XY平面に平行な面となっている。本実施形態では、説明を簡易化するために、地表が平面であるとみなして説明する。
【0015】
ワイヤレス電力伝送システム1は、ワイヤレス送電装置11と、ワイヤレス受電装置12が搭載された移動体であるAGV(Automatic Guided Vehicle)21と、交流電力源31と、を備える。
ワイヤレス送電装置11は、別体の異物検出装置13を備える。
異物検出装置13は、別体の撮像装置14を備える。
【0016】
AGV21は、車輪22、23(および、図1の視点では見えない2つの車輪)を備えており、車輪22、23が回転することで、移動することが可能である。
AGV21は、例えば、上位システム(図示せず)によって無線により制御されて、移動などの動作を行う。
なお、移動体としては、AGV以外の移動体が用いられてもよい。
【0017】
ワイヤレス送電装置11は、別体の異物検出装置13以外に、送電部112と、通信部113と、制御部114と、送電コイルユニット131と、を備える。送電コイルユニット131は、送電コイル111と、送電コイルカバー部115と、を備える。
ワイヤレス受電装置12は、受電コイル211と、平滑回路212と、バッテリー213と、コントローラー214と、モーター215と、を備える。
【0018】
本実施形態では、撮像装置14は、異物検出装置13とは別体で構成されている。他の構成例として、撮像装置14は、異物検出装置13と一体で構成されてもよい。
また、本実施形態では、異物検出装置13および撮像装置14は、ワイヤレス送電装置11とは別体で構成されている。他の構成例として、異物検出装置13および撮像装置14の一方または両方は、ワイヤレス送電装置11と一体で構成されてもよい。
【0019】
なお、本実施形態では、異物検出装置13が撮像装置14を備える構成例を示すが、他の構成例として、異物検出装置13が撮像装置14を備えずに、撮像装置14が異物検出装置13に対して独立している、と捉えられてもよい。
また、本実施形態では、ワイヤレス送電装置11が異物検出装置13および撮像装置14を備える構成例を示すが、他の構成例として、ワイヤレス送電装置11が異物検出装置13および撮像装置14を備えずに、異物検出装置13および撮像装置14がワイヤレス送電装置11に対して独立している、と捉えられてもよい。
【0020】
交流電力源31は、任意の交流電力源であってもよく、例えば、商用の交流電力源である。
なお、本実施形態では、ワイヤレス電力伝送システム1に交流電力源31が含まれる構成例を示すが、他の構成例として、ワイヤレス電力伝送システム1に交流電力源31が含まれない、と捉えられてもよい。
【0021】
図1には、ワイヤレス送電装置11の送電コイル111から送電される電力である送電電力Q1を模式的に示してある。
本実施形態では、磁界結合(電磁誘導)方式あるいは磁界共鳴方式により、送電コイル111から受電コイル211にワイヤレスで電力が伝送される。
【0022】
また、図1には、ワイヤレス送電装置11の送電コイル111の面上(本実施形態では、送電コイルカバー部115の上面)に存在する異物41を模式的に示してある。異物41は一例であり、異物の数、異物の大きさ、あるいは、異物が存在する箇所などは、任意であってもよい。
【0023】
本実施形態では、異物41は、光沢のある金属物質である。
異物41となり得る物体は、例えば、工場などに存在する物体、あるいは、作業員が持っている物体であり、具体例として、ネジ、ナット、ワッシャ、コイン、作業員が持っているクリップ、あるいは、作業員が持っている指輪などである。このような物体が落ちる等して、送電コイル111の面上(本実施形態では、送電コイルカバー部115の上面)に侵入して、異物41となり得る。
【0024】
ここで、本実施形態では、異物41が光沢のある金属物質である場合に異物41を検出する手法について説明するが、他の材質の異物が本実施形態と同様な手法または他の手法により検出されてもよい。当該他の材質の異物としては、可燃物、または、生体などであってもよい。
【0025】
本実施形態では、工場などにおいて、ワイヤレス送電装置11が所定の場所に設置されている。そして、ワイヤレス受電装置12が搭載されたAGV21は、移動することで各種の作業を行い、充電が必要なときに、ワイヤレス送電装置11が設置された場所に移動して、ワイヤレス送電装置11からワイヤレス受電装置12に送電される電力によって充電を行う。
図1では、ワイヤレス送電装置11の送電コイル111の上方に、ワイヤレス受電装置12の受電コイル211が位置している場合を示してある。
【0026】
<ワイヤレス送電装置>
ワイヤレス送電装置11について説明する。
送電コイル111は、例えば、導体線を巻き回したワイヤレス電力伝送用コイルである。本実施形態の送電コイル111は、送電コイル111の上方にAGV21が位置したときに、AGV21の筐体の下面と向かい合うように、床(例えば、地面)の上に設置または床に埋設されている。
【0027】
送電部112は、交流電力源31から供給される交流電力を用いて、送電コイル111に交流電力を供給する。これにより、送電コイル111から送電が行われる。
ここで、送電部112は、交流電力源31から供給される交流電力をAC(Alternating Current)/DC(Direct Current)コンバータによって直流電圧に変換した後に、当該直流電圧を交流電圧に変換して送電コイル111に供給してもよい。この場合、AC/DCコンバータの代わりに、交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流平滑回路と、力率改善を行うPFC(Power Factor Correction)回路とを組み合わせた変換回路などが用いられてもよい。
【0028】
通信部113は、異物検出装置13と通信する。
制御部114は、送電部112を制御することで、送電のオンオフを切り替える制御、送電レベルを切り替える制御、あるいは、送電周波数を切り替える制御などを行う。
制御部114は、例えば、通信部113により異物検出装置13から受信される信号に基づいて送電部112を制御してもよい。
【0029】
具体例として、ワイヤレス送電装置11が設置された場所にAGV21が到来し、送電コイル111と受電コイル211とが対向する状態とされて、送電コイル111から受電コイル211へのワイヤレス給電が開始された後に、ワイヤレス給電の開始前に検出されなかった異物41がワイヤレス給電により発熱する場合がある。本実施形態では、異物検出装置13は、このような発熱を検出することで異物41の存在を検出し、これに応じて、制御部114は、送電コイル111からの送電(ワイヤレス給電)を停止する。これにより、異物41の過度な発熱が防止される。
【0030】
<ワイヤレス受電装置>
ワイヤレス受電装置12について説明する。
受電コイル211は、ワイヤレス送電装置11が電力を送電する対象となる。
受電コイル211は、例えば、導体線を巻き回したワイヤレス電力伝送用コイルである。本実施形態では、受電コイル211は、AGV21の筐体の下面の近くに設置されている。
受電コイル211は、受電した場合に、交流電圧を平滑回路212に供給する。
【0031】
本実施形態では、送電コイル111の上方に受電コイル211が位置したときに、送電コイル111の面と受電コイル211の面とが平行(または、ほぼ平行)になるように配置されており、送電コイル111から送電される電力が受電コイル211により受電される。
なお、送電コイル111から受電コイル211に電力を伝送する構成としては、任意の構成が用いられてもよい。
【0032】
平滑回路212は、受電コイル211から供給される交流電圧を整流して直流電圧に変換し、当該直流電圧をバッテリー(二次電池)213に供給する。これにより、バッテリー213が充電される。
コントローラー214は、バッテリー213に充電された電力を用いて、モーター215を駆動する。
モーター215は、バッテリー213から供給される電力(図1の例では、コントローラー214を介して供給される電力)を用いて、AGV21を走行させる。モーター215は、例えば、車輪22~23を回転させるモーターである。
これにより、AGV21は、例えば、充電ケーブルとの接続を行わなくても、ワイヤレスで供給された電力を用いて移動することが可能である。
【0033】
<撮像装置を備える異物検出装置>
撮像装置14を備える異物検出装置13について説明する。
撮像装置14は、赤外線カメラを用いて構成されており、例えば、赤外線を検知するサーマルイメージセンサであってもよい。サーマルイメージセンサは、サーマルセンサ、あるいは、サーマルカメラなどと呼ばれてもよい。
【0034】
撮像装置14は、所定の領域を撮像範囲に含む。そして、撮像装置14は、当該撮像範囲の画像を撮像する。本実施形態では、当該画像は、赤外線が検知された画像であり、温度の分布が反映された画像である。
ここで、当該所定の領域は、異物41の検出領域であり、異物41の有無の判定が行われる対象となる領域である。当該検出領域は、例えば、あらかじめ設定される。
本実施形態では、当該検出領域は、ワイヤレス送電装置11の送電コイル111の表面側の領域を含む。本実施形態では、送電コイル111の表面側の領域には、送電コイルカバー部115が存在する。このため、本実施形態では、撮像装置14により撮像される画像には、送電コイルカバー部115の上面の一部分または全部分の画像が含まれる。
【0035】
また、本実施形態では、撮像装置14は、静止画像を撮像する。
他の例として、撮像装置14は動画像を撮像してもよく、この場合、撮像装置14から異物検出装置13に当該動画像を構成する静止画像を送信することが行われてもよく、あるいは、撮像装置14から異物検出装置13に当該動画像を送信して、異物検出装置13が撮像装置14から受信された当該動画像を構成する静止画像を抽出することが行われてもよい。
【0036】
撮像装置14は、発光する発光部61を備える。
撮像装置14は、撮像時に、発光部61によって、異物の検出領域などに対して発光することが可能である。
ここで、発光部61は、撮像装置14と一体であってもよく、あるいは、撮像装置14とは別体であってもよく、この場合、発光部61は撮像装置14から離隔した位置に配置されてもよい。
なお、撮像装置14に発光部61が備えられない構成が用いられてもよい。
【0037】
図2は、実施形態に係る異物検出装置13の構成の一例を示す図である。なお、図2では、撮像装置14の図示を省略している。
異物検出装置13は、撮像画像取得部311と、通信部312と、記憶部313と、制御部314と、を備える。
制御部314は、異物有無判定部331と、通知部332と、を備える。
【0038】
通信部312は、外部の装置と通信する。本実施形態では、通信部312は、撮像装置14と通信することが可能であり、また、ワイヤレス送電装置11の通信部113と通信することが可能である。
これらの通信は、それぞれ、例えば、有線の通信であってもよく、あるいは、無線の通信であってもよい。
【0039】
撮像画像取得部311は、撮像装置14によって撮像された画像(撮像画像)を取得する。本実施形態では、撮像画像取得部311は、通信部312により撮像装置14と通信して撮像画像を受信することで、当該撮像画像を取得する。
記憶部313は、記憶装置を用いて構成されており、各種の情報を記憶する。
【0040】
制御部314は、各種の処理および制御を行う。
制御部314は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーを備え、当該プロセッサーにより、記憶部313に記憶されたプログラム(制御プログラム)を実行することで、各種の処理および制御を行う。
【0041】
異物有無判定部331は、撮像装置14が撮像した撮像画像に基づいて、異物の有無を判定する。
図1の例では、異物検出装置13は、異物有無判定部331によって異物41があると判定することで、当該異物41を検出する。
【0042】
通知部332は、各種の通知を行う。
当該通知の態様は、任意の態様であってもよく、例えば、外部に所定の信号を発信する態様であってもよく、あるいは、画像表示または音出力などの態様であってもよい。
通知部332は、異物有無判定部331によって異物があると判定されたこと、あるいは、異物有無判定部331によって異物がないと判定されたこと、の一方または両方の通知を行ってもよい。
【0043】
[送電コイルユニットおよび撮像装置などの詳細]
図3は、実施形態に係る送電コイルユニット131および受電コイルの断面の一例および撮像装置14の配置の一例を示す図である。
図3には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図3は、床面451に対して平行な視線で見た様子を示してあり、例えば、床面451は重力方向に対して垂直な面となっている。なお、床面451は、重力方向に対して任意の角度を有していてもよい。本実施形態では、床面451は地表(地面)であってもよい。
【0044】
<送電コイルユニットおよび受電コイルユニットの断面の概略>
図3には、ワイヤレス送電装置11の概略を示してある。ワイヤレス送電装置11は固定的に設置されている。
送電コイル111の上に送電コイルカバー部115が配置されている。
送電コイルカバー部115は、基材471と、基材471の上に配置された複数のパッドと、を備える。
図1の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの3個のパッド481~483に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。また、図1の例では、X軸に平行な方向に並ぶ複数のパッドを示してあるが、Y軸に平行な方向にも複数のパッドが配置されている。つまり、複数のパッドは、XY平面に平行な平面に、面的に配置されている。
【0045】
ここで、基材471と複数のパッドとは、一体として構成されてもよく、あるいは、別体として構成されてもよい。
例えば、複数のパッドは、基材471とは別体で製造されて、基材471に貼り付けられてもよい。複数のパッドが基材471に貼り付けられた状態では、基材471と複数のパッドとは一体であると捉えられてもよく、あるいは、別体であると捉えられてもよい。
【0046】
一例として、基材471と複数のパッドを含む部分がアンテナカバーであると捉えられてもよい。
他の例として、基材471がアンテナカバーであり、複数のパッドは当該アンテナカバーの外部にあると捉えられてもよい。
【0047】
図3の例では、基材471の上面と床面451とが一致しているが、これに限定されない。
基材471の下に、送電コイル部411aおよび送電コイル部411bからなる送電コイル111が配置されている。
ここで、送電コイル部411aおよび送電コイル部411bは、それぞれ、一体の送電コイル111の一部を表しており、図3では、床面451に平行な面に導体線が複数回巻き回されて構成された送電コイル111の断面を示してある。
また、図3には、送電部112と、通信部113と、制御部114を示してある。
また、図3には、異物41を示してある。
【0048】
図3には、AGV21のワイヤレス受電装置12の概略を示してある。
AGV21は、送電コイル111の上方に位置している。
送電コイル111の上に、受電コイル部431aおよび受電コイル部431bからなる受電コイル211が配置されている。
ここで、受電コイル部431aおよび受電コイル部431bは、それぞれ、一体の受電コイル211の一部を表しており、図3では、床面451に平行な面に導体線が複数回巻き回されて構成された受電コイル211の断面を示してある。
【0049】
本実施形態では、送電コイル111から見て受電コイル211と対向する側は、上側(Z軸の正側)となる。送電コイル111は、受電コイル211と対向する側から送電コイルカバー部115の基材471によって覆われている。
本実施形態では、基材471は、上側の面(Z軸の正側の面)と、下側の面(Z軸の負側の面)を有している。基材471の上側の面(上面)は、基材471が受電コイル211と対向する側の面である。基材471の下側の面(下面)は、基材471が送電コイル111と対向する側の面である。
なお、本実施形態では、基材471と受電コイル211とが対向する場合、基材471と受電コイル211との間に、送電コイルカバー部115の他の構成部が存在してもよく、あるいは、他の構成部が存在しなくてもよい。
同様に、本実施形態では、基材471と送電コイル111とが対向する場合、基材471と送電コイル111との間に、送電コイルカバー部115の他の構成部が存在してもよく、あるいは、他の構成部が存在しなくてもよい。
【0050】
なお、本実施形態では、送電コイル111と受電コイル211とが対向する方向は、上下方向(Z軸に平行な方向)となっている。
また、本実施形態では、送電コイル111と受電コイル211とが対向する方向に垂直な方向は、XY平面に平行な方向となっている。
【0051】
<撮像装置および異物検出装置の配置の例>
図3には、撮像装置14および異物検出装置13の配置の一例を示してある。
図3の例では、撮像装置14および異物検出装置13がAGV21に備えられている場合を示してある。
図3には、異物検出装置13の概略を示してある。
撮像装置14は、異物検出装置13の通信部312を介してワイヤレス送電装置11の通信部113と通信接続される。
【0052】
図3の例では、撮像装置14は、送電コイルカバー部115の斜め上方に配置されている。そして、撮像装置14の撮像範囲R1は、送電コイルカバー部115のパッドの全体を含む。
なお、撮像装置14および異物検出装置13は、AGV21の他の箇所に備えられてもよい。
また、撮像装置14および異物検出装置13は、AGV21に備えられずに、ワイヤレス送電装置11の近くに固定的に設置されてもよい。この場合、撮像装置14は、例えば、支柱などの構造物に取り付けられてもよい。
【0053】
また、撮像装置14によって送電コイルカバー部115のパッドを撮像する撮像方向は、図3の例のように斜め上方からの撮像方向に限定されず、例えば、垂直上方(真上)からの撮像方向であってもよい。
【0054】
また、本実施形態では、送電コイルカバー部115のパッドを撮像するために、1個の撮像装置14が用いられる場合を示すが、他の構成例として、2個以上の撮像装置が用いられてもよい。
2個以上の撮像装置が用いられる場合、それぞれの撮像装置の撮像領域は送電コイルカバー部115の一部のパッドを含んでもよく、これら2個以上の撮像装置の撮像領域の全体により送電コイルカバー部115のパッドの全体を含んでもよい。
また、2個以上の撮像装置が用いられる場合、それぞれの撮像装置は、任意の箇所に備えられてもよい。
【0055】
<基材およびパッド>
基材471および複数のパッドの概略を説明する。
本実施形態では、複数のパッドとして、個体差以外は同じパッドが用いられる場合を示す。このため、複数のパッドの形状および材質は同じである。
パッドの形状は、特に限定は無く、例えば、XY平面に平行な面において、任意の形状の面を有してもよい。
【0056】
XY平面に平行な面において、パッドの面の大きさは、特に限定は無いが、本実施形態では、パッドの面の所定の長さが所定値よりも小さい構成とされる。
ここで、パッドの面の所定の長さは、例えば、パッドの面の内接円の直径、パッドの面の外接円の直径、パッドの面において最も長い線分の長さ、あるいは、パッドの面において最も短い線分の長さのうちのいずれかが用いられてもよく、あるいは、他の箇所の長さが用いられてもよい。
また、当該所定値としては、例えば、異物検出装置13により検出されることが希望される光沢のある金属物質(異物)のうちで、想定される最小の金属物質の所定の長さが用いられてもよい。ここで、金属物質の所定の長さとしては、金属物質の任意の箇所の長さであってもよく、例えば、平面状の形状を有する金属物質については、パッドの面の所定の長さを求めた手法と同じ手法で求められる長さであってもよく、また、平面状でない形状を有する金属物質については、最も長い線分の長さなどであってもよい。具体例として、光沢のある金属物質がネジである場合、当該金属物質の所定の長さとして、当該ネジの長径の長さが用いられてもよい。
本実施形態では、パッドの面の所定の長さが所定値よりも小さい構成において、当該所定値は、例えば、10mmであるが、これに限定されない。
【0057】
なお、複数のパッドのそれぞれの面の大きさは、必ずしも同じ大きさでなくてもよく、例えば、複数のパッドに、異なる大きさの面を有するパッドが含まれてもよい。例えば、複数のパッドは、異なる大きさの相似形状の面を有するパッドから構成されてもよい。
また、複数のパッドの形状(それぞれのパッドの全体的な形状)は、必ずしも同じ形状でなくてもよく、例えば、複数のパッドに、異なる形状を有するパッドが含まれてもよい。
【0058】
それぞれのパッドの一部分または全部分は、吸熱性を有している。
それぞれのパッドの一部分または全部分は、熱伝導率が高い材料を用いて構成される。例えば、当該材料の熱伝導率は、0.2W/mK以上であるが、これに限定されない。
このように、パッドは、熱伝導率が高い材料から構成された箇所(熱伝導率が高い材料部)を含む。本実施形態では、当該材料部は、基材471よりも熱伝導率が高い。
【0059】
それぞれのパッドの一部分または全部分は、放射率が高い材料を用いて構成される。例えば、当該材料の放射率は、温度が60度以上で60%以上であるが、これに限定されない。放射率が高い材料を用いて構成される部分は、例えば、それぞれのパッドの表面の一部分または全部分である。このように、パッドは、放射率が高い材料から構成された箇所(放射率が高い材料部)を含む。放射率が高い材料部の材料として、例えば、感熱インクのような感熱材料が用いられてもよい。
なお、色で例示すると、撮像装置14により撮像される側のパッドの表面(本実施形態では、上面)の色は、艶消し黒色、黒色(艶消しでない黒色)、あるいは、灰色などであってもよい。艶消し黒色は、赤外線の放射率が高い。
【0060】
ここで、それぞれのパッドは、吸熱性を有し、熱伝導率が高く、放射率が高い部位を含んでもよい。このように、熱伝導率が高い材料部と、放射率が高い材料部とは、共通の箇所であってもよい。
なお、本実施形態では、パッドは、熱伝導パッドである。
【0061】
複数のパッドは、基材471の上側の面に、互いに離間して配置されている。隣接する2個のパッド同士の間に設けられる間隙(間隔)は、断熱のための間隙である。
隣接する2個のパッド同士の間に設けられる間隙に、断熱の樹脂が充填されてもよい。
【0062】
それぞれのパッドは、例えば、基材471の上側の面から、受電コイル211と対向する側に(上側に)、突出している。それぞれのパッドは、例えば、この突出方向で複数の層が積層された積層体として構成されてもよい。当該積層体は、複数の層のうちで、熱伝導率等の材質が異なる層を含んでもよい。
本実施形態では、複数のパッドは、受電コイル211と対向する方向での平面視(上側から下側を見たときのXY平面に平行な面の平面視)において、同一の形状を有している。
【0063】
基材471は、熱伝導率が低い材料を用いて構成され、例えば、断熱材を用いて構成される。このため、基材471は、他の発熱体の影響を受けにくい。断熱材としては、例えば、中質繊維板(MDF)、硬質ウレタン、あるいは、フェノールなどが用いられてもよい。
本実施形態では、基材471の熱伝導率は、パッドのうちで熱伝導率が高い部位の熱伝導率よりも低く、例えば、パッドのいずれの箇所の熱伝導率よりも低くてもよい。
【0064】
このような基材471および複数のパッドにより、1個以上のパッドの上に光沢のある金属(異物)が接触している状態で発熱すると、当該金属の熱が伝達と輻射により直下のパッドにより吸収される。パッドの下の基材471の熱伝導率が低いため、発熱した当該金属の熱は、当該金属の周辺の範囲のパッドに蓄えられる。
この場合、撮像装置14の撮像結果に、このようなパッドの温度上昇が反映される。これにより、異物検出装置13は発熱した光沢のある金属(異物)の存在を検出することができる。
このように、本実施形態では、パッドは、当該パッドに発熱する異物41が接触した場合に、異物41の熱を吸収して、その熱により赤外線を、撮像装置14により撮像可能な範囲に、放射する構造となっている。
【0065】
<送電コイルカバー部の概略および異物検出の具体例>
図4図7を参照して、送電コイルカバー部115の概略および異物検出の具体例を説明する。
図4は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物521の概略を示す図である。
図4には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図4の例に限定されない。
【0066】
図4の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図4には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物521を示してある。
図4の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド511~512に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図4に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図4に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0067】
図4の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図4の例では、当該形状は正六角形の両面を有する板状であり、基材471の面に正六角形の一方の面が配置され、基材471の上方から正六角形の他方の面が見える。
図4の例では、X軸に平行な方向に沿って並べられている複数のパッドについて、X軸に平行な方向で隣接する2個のパッドの間隙は同じ距離(一定の距離)になっている。
【0068】
異物521は、図3に示される異物41の一例である。異物521は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
図4の例では、XY平面に平行な面において、異物521は、複数のパッドが配置された状態で7個のパッドのまとまり程度の大きさを有している。
【0069】
異物521が発熱した場合、パッド511のように異物521の発熱の影響を受けない位置にあるパッドの温度は上昇せず、パッド512のように異物521の発熱の影響を受けるパッドの温度は上昇する。
図4の例では、異物521と接しているパッドを合わせて11個程度のパッドの温度が上昇している。なお、図4では、それぞれのパッドの温度の高低を図上の色の濃淡(濃い方が温度が高い)で模式的に表しているが、厳密なものではない。
撮像装置14の撮像結果に、このようなパッドの温度上昇が反映される。これにより、異物検出装置13は異物521の存在を検出することができる。
【0070】
ここで、異物521とパッドとの相対位置などによって、発熱の影響を受けるパッドごとに温度の上昇度合いが異なり得る。
概略的な傾向としては、異物521に近いパッドの方が、異物521から遠いパッドよりも、温度の上昇度合いが大きいと考えられるが、これに限定されない。
【0071】
図4の例では、パッド511には異物521からの熱は伝導しておらず、パッド512には異物521からの熱が伝導している。
異物検出装置13の異物有無判定部331は、異物521から各パッドへの熱の伝わりの違いに基づいて、異物521が存在することを検出(判定)するばかりでなく、異物521の位置を検出してもよい。この検出は、推定(推定的な検出)であってもよい。
【0072】
一例として、異物検出装置13は、最も温度が高いパッドの位置を、異物521が存在する位置として検出してもよい。
ここで、それぞれのパッドの位置としては、例えば、あらかじめ設定されており、それぞれのパッドの中心位置などのように基準となる位置が用いられてもよい。
【0073】
他の例として、異物検出装置13は、周囲のパッドよりも温度が高くなっている複数のパッドの位置の平均等をとり、その結果の位置を、異物521が存在する位置として検出してもよい。
ここで、周囲のパッドよりも温度が高くなっている複数のパッドを選択する手法としては、任意の手法が用いられてもよく、例えば、検出された温度が所定の閾値を超えるパッドを選択する手法が用いられてもよく、あるいは、温度の上昇が検出された所定個数までのパッドを選択する手法が用いられてもよい。
なお、パッドの温度としては、例えば、パッドにおける所定位置の温度が用いられてもよく、あるいは、パッドの全体の温度の平均値等が用いられてもよい。
【0074】
図5は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物541の概略を示す図である。
図5には、図4に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図5には、図4の例と同じ複数のパッドを示してある。
図5の例では、図4の例と比べて、XY平面に平行な面において、異物541の大きさが図4に示される異物521の大きさよりも小さい。
図5の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド511~512に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
【0075】
異物541は、図3に示される異物41の一例である。異物541は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
図5の例では、XY平面に平行な面において、異物541は、複数のパッドが配置された状態で4個のパッドのまとまり程度の大きさを有している。
【0076】
異物541が発熱した場合、パッド511のように異物541の発熱の影響を受けない位置にあるパッドの温度は上昇せず、パッド512のように異物541の発熱の影響を受けるパッドの温度は上昇する。
図5の例では、異物541と接しているパッドを合わせて8個程度のパッドの温度が上昇している。なお、図5では、それぞれのパッドの温度の高低を図上の色の濃淡(濃い方が温度が高い)で模式的に表しているが、厳密なものではない。
撮像装置14の撮像結果に、このようなパッドの温度上昇が反映される。これにより、異物検出装置13は異物541の存在を検出することができる。
【0077】
図6は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物561の概略を示す図である。
図6には、図4に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図6には、図4の例と同じ複数のパッドを示してある。
図6の例では、図5の例と比べて、XY平面に平行な面において、異物561の大きさが図5に示される異物541の大きさよりも小さい。
図6の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの3個のパッド511~513に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
【0078】
異物561は、図3に示される異物41の一例である。異物561は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
図6の例では、XY平面に平行な面において、異物561は、複数のパッドが配置された状態で3個のパッドのまとまり程度の大きさを有している。
【0079】
異物561が発熱した場合、パッド511およびパッド512のように異物561の発熱の影響を受けない位置にあるパッドの温度は上昇せず、パッド513のように異物561の発熱の影響を受けるパッドの温度は上昇する。
図6の例では、異物561と接しているパッドを合わせて4個程度のパッドの温度が上昇している。なお、図6では、それぞれのパッドの温度の高低を図上の色の濃淡(濃い方が温度が高い)で模式的に表しているが、厳密なものではない。
撮像装置14の撮像結果に、このようなパッドの温度上昇が反映される。これにより、異物検出装置13は異物561の存在を検出することができる。
【0080】
図7は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物581の概略を示す図である。
図7には、図4に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図7には、図4の例と同じ複数のパッドを示してある。
図7の例では、図6の例と比べて、XY平面に平行な面において、異物581の大きさが図6に示される異物561の大きさよりも小さい。
図7の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの3個のパッド511~513に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
【0081】
異物581は、図3に示される異物41の一例である。異物581は、複数のパッドのうちの1個のパッド513の上に存在する。
図7の例では、XY平面に平行な面において、異物581は、複数のパッドが配置された状態で1個のパッド程度の大きさを有している。
【0082】
異物581が発熱した場合、パッド511およびパッド512のように異物581の発熱の影響を受けない位置にあるパッドの温度は上昇せず、パッド513のように異物581の発熱の影響を受けるパッドの温度は上昇する。
図7の例では、異物581と接している1個のパッド513の温度が上昇している。なお、図7では、それぞれのパッドの温度の高低を図上の色の濃淡(濃い方が温度が高い)で模式的に表しているが、厳密なものではない。
【0083】
しかしながら、撮像装置14の撮像結果には、このようなパッド513の温度上昇が反映されない場合がある。つまり、XY平面に平行な面において、発熱する異物581の大きさが1個のパッドの大きさと同程度であり、異物581が1個のパッドに重なった状態では、撮像装置14の撮像方向から見て、当該パッドが異物581の下に隠れてしまい、当該パッドの温度上昇を検出することができない場合がある。
【0084】
なお、図7の例では、異物581が1個のパッド513の上に存在する場合を示したが、異物581が2個以上のパッドの上にまたがって存在する場合には、これらのパッドの温度上昇を検出し得る可能性がある。
また、図4図7の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子に基づいて説明したが、図3に示されるように撮像装置14の撮像方向が送電コイルカバー部115の面に対して斜め方向になる構成では、図7の例においても、異物581の下に存在するパッド513の温度上昇を検出し得る可能性がある。
【0085】
このような事情から、パッドの面(本実施形態では、XY平面に平行な面)の大きさは、想定される異物の大きさに基づいて、適度に設定されるが、実用上で有効であれば、パッドの面の大きさは任意に設定されてもよい。
【0086】
ここで、図4図7の例では、異物521、541、561、581の発熱が、異物521、541、561、581に接触しているパッドに伝達する場合を示したが、異物521、541、561、581が、輻射により、異物521、541、561、581に接触していないパッドに伝達する場合があってもよい。
【0087】
[送電コイルカバーの構造例]
図8図15を参照して、送電コイルカバー部の構造例を示す。
図8図15では、説明の便宜上、送電コイルカバー部115に含まれる複数のパッドは、上側から見た場合に、同じ形状のパッドが同じ向きで、X軸に平行な方向に沿って並べられているとする。図8図15では、当該形状は、正六角形であるとする。
また、説明の便宜上、図8図15に示される複数のパッドの断面は、上側から見た場合に、それぞれのパッドの面が2等分された断面(本例では、正六角形が有する対向する一対の2個の辺の中点で2等分された断面)になっているとする。
【0088】
<送電コイルカバー部の第1構造例>
図8は、実施形態の第1構造例に係る送電コイルカバー部601の断面の一例を示す図である。
送電コイルカバー部601は、図1に示される送電コイルカバー部115の一例である。
図8には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
【0089】
図8の例では、Y軸の正から負に向かう方向で、送電コイルカバー部601の断面を見た様子の一例を示してある。
送電コイルカバー部601は、基材611と、基材611の上に配置された複数のパッドと、を備える。図8の例では、基材611の上に配置された複数のパッドのうちの一部のパッド621~623を示してある。
図8には、異物631を示してある。異物631は、図1に示される異物41の一例である。
【0090】
平板状の基材611は、断熱材を用いて構成されている。
基材611の上にパッド621~623が配置されている。
パッド621~623は、黒色の高い熱伝導率を有する材料(黒色高熱伝導率材)を用いて構成されている。黒色高熱伝導率材は、例えば、グラファイトであってもよい。
【0091】
隣接するパッド同士は、断熱のために所定の間隙をあけて配置されている。例えば、X軸に平行な方向に関し、パッド621とパッド622とは、最も近い距離について断熱のための間隙D1をあけて、配置されている。
図8の例では、X軸に平行な方向に配置されたパッド621~623を示してあるが、Y軸に平行な方向についても、所定の間隙をあけて、複数のパッドが配置されている。
なお、隣接するパッド同士の間隙の距離は、すべてのパッドについて同じ(一定)であってもよく、あるいは、隣接するパッドの組ごとに異なる場合があってもよい。
【0092】
パッドにおいて、撮像装置14により撮像される側の面(本実施形態では、上側の面)の大きさは、当該面とは反対側の面(本実施形態では、下側の面)の大きさよりも小さい。
図8の例では、パッドの上側の面と下側の面とは相似形状であり、上側の面の中心を高さ方向に貫く軸と、下側の面の中心を高さ方向で貫く軸とは一致する。つまり、上方から見た場合、上側の面は下側の面の中央部に含まれる。
この場合、XY平面に平行な視線では、パッドの側面は、90度以下の角度を持つ端面を有する。
パッドがこのような形状を有することで、撮像装置14の撮像方向が基材611の面に対して斜め上方からの方向である場合に、撮像画像に含まれるパッドの部分の面積を多くしてパッドを捉え易くなる。
【0093】
なお、他の構成例として、パッドにおいて、撮像装置14により撮像される側の面(本実施形態では、上側の面)の大きさと、当該面とは反対側の面(本実施形態では、下側の面)の大きさとが同じであってもよい。そして、XY平面に平行な視線で、パッドの側面は、90度の角度を持つ端面を有していてもよい。
【0094】
ここで、図8の例では、XZ平面に平行な断面を用いて説明したが、YZ平面に平行な断面の構造についても同様である。
また、図8の例では、発熱体となる異物631がパッド621~622の上に存在する様子を示してあるが、異物631が存在しない場合もあり得る。
【0095】
図9は、実施形態の第1構造例の変形例に係る送電コイルカバー部602の断面の一例を示す図である。
送電コイルカバー部602は、図1に示される送電コイルカバー部115の一例である。
図9には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図9の例では、図8の例と同様な構成部については同じ符号を付してあり、詳しい説明を省略する。
【0096】
送電コイルカバー部602では、図8に示される送電コイルカバー部601と同様な構成部を有しており、さらに、基材611の上面においてパッドが存在しないところに、断熱樹脂651a~651dが充填されている。なお、断熱樹脂651a、断熱樹脂651b、断熱樹脂651c、断熱樹脂651dは、上方から見た場合、つながっている。
図9の例では、断熱樹脂651a~651dの上面は、XY平面と平行な面となっている。また、図9の例では、断熱樹脂651a~651dの上面は、パッドの上面よりも低い位置にあり、パッドの高さの半分程度の位置にある。
なお、断熱樹脂651a~651dの代わりに、断熱材ではないがパッドよりも熱伝導率が低い材料が用いられてもよい。
【0097】
図9に示される構造では、例えば、基材611の側の面(本実施形態では、下側の面)は固く、パッド側の面(本実施形態では、上側の面における断熱樹脂651a~651dの面)は柔らかくすることができる。
【0098】
<送電コイルカバー部の第2構造例>
図10は、実施形態の第2構造例に係る送電コイルカバー部603の断面の一例を示す図である。
送電コイルカバー部603は、図1に示される送電コイルカバー部115の一例である。
図10には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図10の例では、図8の例と同様な構成部については同じ符号を付してあり、詳しい説明を省略する。
【0099】
送電コイルカバー部603では、図8に示される送電コイルカバー部601と比べて、基材671の構造が異なっている。
基材671は、それぞれのパッド621~623を収容する複数の凹部681~683を有している。
XY平面に平行な面において、それぞれの凹部681~683は、それぞれのパッド621~623の下側の面と同程度またはより大きい面を有している。
図10の例では、それぞれの凹部681~683の深さ(高さ方向の長さ)は、それぞれのパッド621~623の高さ方向の長さよりも小さく、それぞれのパッド621~623の高さ方向の長さの半分程度である。
【0100】
隣接する凹部同士は、断熱のために所定の間隙をあけて配置されている。例えば、X軸に平行な方向に関し、凹部681と凹部682とは、最も近い距離について断熱のための間隙D2をあけて、配置されている。
図10の例では、X軸に平行な方向に配置された凹部681~683を示してあるが、Y軸に平行な方向についても、所定の間隙をあけて、複数の凹部が配置されている。
なお、隣接する凹部同士の間隙の距離は、すべての凹部について同じ(一定)であってもよく、あるいは、隣接する凹部の組ごとに異なる場合があってもよい。
【0101】
図10の例では、凹部681の内部にパッド621が収容されており、凹部682の内部にパッド622が収容されており、凹部683の内部にパッド623が収容されている。これにより、パッド621~623の位置ずれの抑制(あるいは、防止)、および、パッド621~623の剥がれの抑制(あるいは、防止)が図られる。
ここで、図10の例では、XZ平面に平行な断面を用いて説明したが、YZ平面に平行な断面の構造についても同様である。
【0102】
<送電コイルカバー部の第3構造例>
図11は、実施形態の第3構造例に係る送電コイルカバー部701の断面の一例を示す図である。
送電コイルカバー部701は、図1に示される送電コイルカバー部115の一例である。
図11には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
【0103】
図11の例では、Y軸の正から負に向かう方向で、送電コイルカバー部701の断面を見た様子の一例を示してある。
送電コイルカバー部701は、基材711と、基材711の上に配置された複数のパッドと、を備える。図11の例では、基材711の上に配置された複数のパッドのうちの一部のパッドP1~P3を示してある。
【0104】
それぞれのパッドは、パッド基部と、当該パッド基部の上に配置されたフィルムから構成されている。
図11の例では、パッドP1は、パッド基部721と、当該パッド基部721の上に配置されたフィルム731から構成されている。パッドP2は、パッド基部722と、当該パッド基部722の上に配置されたフィルム732から構成されている。パッドP3は、パッド基部723と、当該パッド基部723の上に配置されたフィルム733から構成されている。
図11には、異物741を示してある。異物741は、図1に示される異物41の一例である。
【0105】
平板状の基材711は、断熱材を用いて構成されている。
基材711の上にパッド基部721~723が配置されている。
パッド基部721~723の材料は、熱伝導性を有するシリコンである。このようなシリコンは、安価である。
フィルム731~733は、黒色高熱伝導率材を用いて構成されている。黒色高熱伝導率材は、例えば、グラファイトであってもよい。それぞれのフィルム731~733は、それぞれのパッド基部721~723の上側の面と同じ形状の面を有している。そして、それぞれのフィルム731~733の面と、それぞれのパッド基部721~723の上側の面とが、接着されている。フィルム731~733の厚さは、特に限定は無く、例えば、0.02mm程度である。このようなフィルム731~733は、高価である。
このように、パッド基部721~723の材料を安価な材料とし、高価な材料の部分をフィルム731~733とすることで、全体としてコスト低減を図ることができる。
【0106】
隣接するパッド同士は、断熱のために所定の間隙をあけて配置されている。例えば、X軸に平行な方向に関し、パッドP1のパッド基部721とパッドP2のパッド基部722とは、最も近い距離について断熱のための間隙D11をあけて、配置されている。
図11の例では、X軸に平行な方向に配置されたパッドP1~P3を示してあるが、Y軸に平行な方向についても、所定の間隙をあけて、複数のパッドが配置されている。
なお、隣接するパッド同士の間隙の距離は、すべてのパッドについて同じ(一定)であってもよく、あるいは、隣接するパッドの組ごとに異なる場合があってもよい。
【0107】
パッドにおいて、撮像装置14により撮像される側の面(本実施形態では、上側の面)の大きさは、当該面とは反対側の面(本実施形態では、下側の面)の大きさよりも小さい。
図11の例では、パッドの上側の面と下側の面とは相似形状であり、上側の面の中心を高さ方向に貫く軸と、下側の面の中心を高さ方向で貫く軸とは一致する。つまり、上方から見た場合、上側の面は下側の面の中央部に含まれる。
この場合、XY平面に平行な視線では、パッドの側面は、90度以下の角度を持つ端面を有する。
パッドがこのような形状を有することで、撮像装置14の撮像方向が基材711の面に対して斜め上方からの方向である場合に、撮像画像に含まれるパッドの部分の面積を多くしてパッドを捉え易くなる。
【0108】
なお、他の構成例として、パッドにおいて、撮像装置14により撮像される側の面(本実施形態では、上側の面)の大きさと、当該面とは反対側の面(本実施形態では、下側の面)の大きさとが同じであってもよい。そして、XY平面に平行な視線で、パッドの側面は、90度の角度を持つ端面を有していてもよい。
【0109】
ここで、図11の例では、XZ平面に平行な断面を用いて説明したが、YZ平面に平行な断面の構造についても同様である。
また、図11の例では、発熱体となる異物741がパッドP1~P2のフィルム731~732の上に存在する様子を示してあるが、異物741が存在しない場合もあり得る。
【0110】
<送電コイルカバー部の第4構造例>
図12は、実施形態の第4構造例に係る送電コイルカバー部702の断面の一例を示す図である。
送電コイルカバー部702は、図1に示される送電コイルカバー部115の一例である。
図12には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図12の例では、図11の例と同様な構成部については同じ符号を付してあり、詳しい説明を省略する。
【0111】
送電コイルカバー部702では、図11に示される送電コイルカバー部701と比べて、基材771の構造が異なっている。
基材771は、それぞれのパッドP1~P3を収容する複数の凹部781~783を有している。
XY平面に平行な面において、それぞれの凹部781~783は、それぞれのパッド基部721~723の下側の面と同程度またはより大きい面を有している。
図12の例では、それぞれの凹部781~783の深さ(高さ方向の長さ)は、それぞれのパッド基部721~723の高さ方向の長さよりも小さく、それぞれのパッド基部721~723の高さ方向の長さの半分程度である。
【0112】
隣接する凹部同士は、断熱のために所定の間隙をあけて配置されている。例えば、X軸に平行な方向に関し、凹部781と凹部782とは、最も近い距離について断熱のための間隙D12をあけて、配置されている。
図12の例では、X軸に平行な方向に配置された凹部781~783を示してあるが、Y軸に平行な方向についても、所定の間隙をあけて、複数の凹部が配置されている。
なお、隣接する凹部同士の間隙の距離は、すべての凹部について同じ(一定)であってもよく、あるいは、隣接する凹部の組ごとに異なる場合があってもよい。
【0113】
図12の例では、凹部781の内部にパッドP1のパッド基部721が収容されており、凹部782の内部にパッドP2のパッド基部722が収容されており、凹部783の内部にパッドP3のパッド基部723が収容されている。これにより、パッドP1~P3の位置ずれの抑制(あるいは、防止)、および、パッドP1~P3の剥がれの抑制(あるいは、防止)が図られる。
ここで、図12の例では、XZ平面に平行な断面を用いて説明したが、YZ平面に平行な断面の構造についても同様である。
【0114】
<送電コイルカバー部の第5構造例>
図13は、実施形態の第5構造例に係る送電コイルカバー部801の断面の一例を示す図である。
送電コイルカバー部801は、図1に示される送電コイルカバー部115の一例である。
図13には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
【0115】
図13の例では、Y軸の正から負に向かう方向で、送電コイルカバー部801の断面を見た様子の一例を示してある。
送電コイルカバー部801は、基材811と、基材811の上に配置された複数のパッドと、基材811の上の面においてパッドが存在しない領域に設けられた層である表面層821a~821dと、を備える。図13の例では、基材811の上に配置された複数のパッドのうちの一部のパッドP11~P13を示してある。なお、表面層821a、表面層821b、表面層821c、表面層821dは、上方から見た場合、つながっている。
【0116】
それぞれのパッドは、積層基板と、当該積層基板の上に配置された層である表面層から構成されている。図13の例では、積層基板として、3層構造の積層基板が用いられている。
図13の例では、パッドP11は、積層基板を構成する第1層831と、第1層831の上に存在する第2層841と、第2層841の上に存在する第3層851と、第3層851の上に設けられた表面層861から構成されている。パッドP12は、積層基板を構成する第1層832と、第1層832の上に存在する第2層842と、第2層842の上に存在する第3層852と、第3層852の上に設けられた表面層862から構成されている。パッドP13は、積層基板を構成する第1層833と、第1層833の上に存在する第2層843と、第2層843の上に存在する第3層853と、第3層853の上に設けられた表面層863から構成されている。
図13には、異物871を示してある。異物871は、図1に示される異物41の一例である。
【0117】
平板状の基材811は、断熱材を用いて構成されている。
基材811の上に積層基板の第1層831~833が配置されている。
積層基板としては、例えば、高熱伝導プリプレグ材を使用した高熱伝導ガラスエポキシ積層基板が用いられている。図13の例では、積層基板の第2層841~843の材料が、高熱伝導プリプレグ材となっている。
パッドP11~P13の表面層861~863の材料、および、基材811の上の表面層821a~821dの材料としては、例えば、レジストインク、または、感熱インクが用いられている。これらのインクは、例えば、塗膜、または、印刷膜として構成されてもよい。例えば、パッドP11~P13の表面層861~863、および、基材811の上の表面層821a~821dは、インクを用いて塗装あるいは印刷などの表面処理が行われることで形成されてもよい。
パッドP11~P13の表面層861~863の色、および、基材811の上の表面層821a~821dの色としては、例えば、放射率の高い艶消し黒色が用いられている。感熱インクとしては、熱によって所定の色に変色する(例えば、無色から艶消し黒色などに変色する)感熱インクが用いられてもよい。
【0118】
隣接するパッド同士は、断熱のために所定の間隙をあけて配置されている。例えば、X軸に平行な方向に関し、パッドP11とパッドP12とは、最も近い距離について断熱のための間隙D21をあけて、配置されている。
図13の例では、X軸に平行な方向に配置されたパッドP11~P13を示してあるが、Y軸に平行な方向についても、所定の間隙をあけて、複数のパッドが配置されている。
なお、隣接するパッド同士の間隙の距離は、すべてのパッドについて同じ(一定)であってもよく、あるいは、隣接するパッドの組ごとに異なる場合があってもよい。
【0119】
ここで、図13の例では、XZ平面に平行な断面を用いて説明したが、YZ平面に平行な断面の構造についても同様である。
また、図13の例では、発熱体となる異物871がパッドP11~P12の表面層861~862の上に存在する様子を示してあるが、異物871が存在しない場合もあり得る。
【0120】
図13に示される構成では、高熱伝導部に高熱伝導基板を適用することで、構造を単純化して、コストを低減することができる。
また、図13に示される構成では、基板生成時に断熱材料(基材811の材料)も組み込める一体成型が可能である。
図13に示される構成は、大量生産に向いている。
【0121】
なお、図13の例では、積層基板の第1層831~833および第3層851~853が高熱伝導材であり、第2層841~843がプリプレグ材である構成を示したが、高熱伝導材の層は1層以上あればよく、高熱伝導材の層は任意の段数の層にあってもよい。
図13の例では、それぞれのパッドP11~P13は、複数の層(第1層831~833、第2層841~843、第3層851~853、第4層となる表面層861~863)からなる積層体である。そして、表面層861~863が最外層となっている。
【0122】
<送電コイルカバー部の第6構造例>
図14は、実施形態の第6構造例に係る送電コイルカバー部802の断面の一例を示す図である。
送電コイルカバー部802は、図1に示される送電コイルカバー部115の一例である。
図14には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図14の例では、図13の例と同様な構成部については同じ符号を付してあり、詳しい説明を省略する。
【0123】
送電コイルカバー部802では、図13に示される送電コイルカバー部801と比べて、基材881の構造が異なっている。
基材881は、それぞれのパッドP11~P13を収容する複数の凹部891~893を有している。
XY平面に平行な面において、それぞれの凹部891~893は、それぞれのパッドP11~P13の下側の面と同程度またはより大きい面を有している。
図14の例では、それぞれの凹部891~893の深さ(高さ方向の長さ)は、それぞれのパッドP11~P13の高さ方向の長さよりも小さく、それぞれのパッドP11~P13を構成する第1層831~833の高さ方向の長さ程度である。
【0124】
隣接する凹部同士は、断熱のために所定の間隙をあけて配置されている。例えば、X軸に平行な方向に関し、凹部891と凹部892とは、最も近い距離について断熱のための間隙D22をあけて、配置されている。
図14の例では、X軸に平行な方向に配置された凹部891~893を示してあるが、Y軸に平行な方向についても、所定の間隙をあけて、複数の凹部が配置されている。
なお、隣接する凹部同士の間隙の距離は、すべての凹部について同じ(一定)であってもよく、あるいは、隣接する凹部の組ごとに異なる場合があってもよい。
【0125】
図14の例では、凹部891の内部にパッドP11の第1層831が収容されており、凹部892の内部にパッドP12の第1層832が収容されており、凹部893の内部にパッドP13の第1層833が収容されている。これにより、パッドP11~P13の位置ずれの抑制(あるいは、防止)、および、パッドP11~P13の剥がれの抑制(あるいは、防止)が図られる。
ここで、図14の例では、XZ平面に平行な断面を用いて説明したが、YZ平面に平行な断面の構造についても同様である。
図14に示される構成は、自動化ラインで製造し易い。
【0126】
<送電コイルカバー部の第7構造例>
図15は、実施形態の第7構造例に係る送電コイルカバー部901の断面の一例を示す図である。
送電コイルカバー部901は、図1に示される送電コイルカバー部115の一例である。
図15には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
【0127】
図15の例では、Y軸の正から負に向かう方向で、送電コイルカバー部901の断面を見た様子の一例を示してある。
送電コイルカバー部901は、基材911と、基材911の上に配置された複数のパッドと、基材911の上の面においてパッドが存在する領域を含めてすべての領域に設けられた層である表面層951と、を備える。図15の例では、基材911の上に配置された複数のパッドのうちの一部のパッドP21~P23を示してある。表面層951は、基材911の上の面と、パッドの上の面と、パッドの側面とのすべてに存在し、これらすべてがつながっている。
【0128】
それぞれのパッドは、積層基板と、表面層951のうちで当該積層基板の表面に配置された部分から構成されている。図15の例では、積層基板として、3層構造の積層基板が用いられている。
図15の例では、パッドP21は、積層基板を構成する第1層921と、第1層921の上に存在する第2層931と、第2層931の上に存在する第3層941と、表面層951のうちで第1層921、第2層931および第3層941の周囲(図15の例では、パッドP21の上の面と側面)の部分から構成されている。パッドP22は、積層基板を構成する第1層922と、第1層922の上に存在する第2層932と、第2層932の上に存在する第3層942と、表面層951のうちで第1層922、第2層932および第3層942の周囲(図15の例では、パッドP22の上の面と側面)の部分から構成されている。パッドP23は、積層基板を構成する第1層923と、第1層923の上に存在する第2層933と、第2層933の上に存在する第3層943と、表面層951のうちで第1層923、第2層933および第3層943の周囲(図15の例では、パッドP23の上の面と側面)の部分から構成されている。
図13には、異物971を示してある。異物971は、図1に示される異物41の一例である。
【0129】
平板状の基材911は、ガラスエポキシ基板である。当該ガラスエポキシ基板は、例えば、厚さが1mm~2mm程度の厚板であってもよい。
基材911の上に積層基板の第1層921~923が配置されている。
積層基板としては、例えば、高熱伝導プリプレグ材を使用した高熱伝導ガラスエポキシ積層基板が用いられている。図15の例では、積層基板の第2層931~933の材料が、高熱伝導プリプレグ材となっている。
表面層951の材料としては、例えば、レジストインク、または、感熱インクが用いられている。これらのインクは、例えば、塗膜、または、印刷膜として構成されてもよい。例えば、パッドP21~P23の表面層951は、インクを用いて塗装あるいは印刷などの表面処理が行われることで形成されてもよい。
表面層951の色としては、例えば、放射率の高い艶消し黒色が用いられている。感熱インクとしては、熱によって所定の色に変色する(例えば、無色から艶消し黒色などに変色する)感熱インクが用いられてもよい。
【0130】
隣接するパッド同士は、断熱のために所定の間隙をあけて配置されている。例えば、X軸に平行な方向に関し、パッドP21とパッドP22とは、最も近い距離について断熱のための間隙D31をあけて、配置されている。
図15の例では、X軸に平行な方向に配置されたパッドP21~P23を示してあるが、Y軸に平行な方向についても、所定の間隙をあけて、複数のパッドが配置されている。
なお、隣接するパッド同士の間隙の距離は、すべてのパッドについて同じ(一定)であってもよく、あるいは、隣接するパッドの組ごとに異なる場合があってもよい。
【0131】
ここで、図15の例では、XZ平面に平行な断面を用いて説明したが、YZ平面に平行な断面の構造についても同様である。
また、図15の例では、発熱体となる異物971がパッドP21~P22の表面層951の上に存在する様子を示してあるが、異物971が存在しない場合もあり得る。
【0132】
図15に示される構成では、高熱伝導部に高熱伝導基板を適用することで、構造を単純化して、コストを低減することができる。
図15に示される構成では、ガラスエポキシ基板(基材911)の上に高熱伝導プリプレグ材入り積層基板(パッドの構成部)を積層する一体成型基板とすることが可能である。そして、基材911の上側の面に存在する表面の全体に、レジストインクあるいは感熱インクの膜が形成されて設けられる。
図15に示される構成は、大量生産に向いている。
【0133】
なお、図15の例では、積層基板の第1層921~923および第3層941~943が高熱伝導材であり、第2層931~933がプリプレグ材である構成を示したが、高熱伝導材の層は1層以上あればよく、高熱伝導材の層は任意の段数の層にあってもよい。
図15の例では、それぞれのパッドP21~P23は、複数の層(第1層921~923、第2層931~933、第3層941~943、第4層となる表面層951)からなる積層体である。そして、表面層951が最外層となっている。
【0134】
<パッドの面および配置の具体例>
図16図23を参照して、パッドの面の形状の具体例、および、パッドの配置の例を示す。
なお、パッドの面の形状としては、様々な形状が用いられてもよい。
また、パッドの配置としては、様々な配置が用いられてもよい。
【0135】
図16は、実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図16は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物1021の概略を示す図である。
図16には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図16の例に限定されない。
【0136】
図16の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図16には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物1021を示してある。
図16の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド1011~1012に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図16に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図16に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0137】
図16の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図16の例では、当該形状は正三角形の両面を有する板状であり、基材471の面に正三角形の一方の面が配置され、基材471の上方から正三角形の他方の面が見える。
図16の例では、パッドの形状である正三角形の辺に着目すると、あるパッドの1個の辺と他のパッドの1個の辺とが隣接して対向している箇所では、これらの辺の間の間隙が同じ距離(一定の距離)になっている。
【0138】
ここで、X軸に平行な方向における複数のパッドの並びを行と呼び、Y軸に平行な方向における複数のパッドの並びを列と呼んで説明する。
図16の例では、複数のパッドが行方向および列方向に並べられている。複数のパッドは、正三角形の辺を合わせていくように配置されている。
行方向で隣接する2個のパッドでは、一方のパッドの正三角形の1個の頂点がY軸の正方向を向き、他方のパッドの正三角形の1個の頂点がY軸の負方向を向いている。
また、列方向で隣接する2個のパッドでも、一方のパッドの正三角形の1個の頂点がY軸の正方向を向き、他方のパッドの正三角形の1個の頂点がY軸の負方向を向いている。
具体例として、パッド1012は正三角形の1個の頂点がY軸の正方向を向いているパッドに相当し、パッド1011は正三角形の1個の頂点がY軸の負方向を向いているパッドに相当する。
【0139】
異物1021は、図3に示される異物41の一例である。異物1021は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
発熱する異物1021からパッドへの熱の伝わりについては、図4図7を用いて説明したのと同様である。図16の例では、パッド1011には異物1021からの熱は伝導しておらず、パッド1012には異物1021からの熱が伝導している。
【0140】
図17は、実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図17は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物1121の概略を示す図である。
図17には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図17の例に限定されない。
【0141】
図17の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図17には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物1121を示してある。
図17の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド1111~1112に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図17に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図17に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0142】
図17の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図17の例では、当該形状は正方形の両面を有する板状であり、基材471の面に正方形の一方の面が配置され、基材471の上方から正方形の他方の面が見える。
図17の例では、パッドの形状である正四角形の辺に着目すると、あるパッドの1個の辺と他のパッドの1個の辺とが隣接して対向している箇所では、これらの辺の間の間隙が同じ距離(一定の距離)になっている。
【0143】
ここで、X軸に平行な方向における複数のパッドの並びを行と呼び、Y軸に平行な方向における複数のパッドの並びを列と呼んで説明する。
図17の例では、複数のパッドが行方向および列方向に並べられている。
すべてのパッドについて、正方形が有する2個の辺はX軸に平行に配置されており、当該正方形が有する他の2個の辺はY軸に平行に配置されている。
行方向には、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。列方向にも、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。これらにより、複数のパッドが格子状に並べられている。
【0144】
異物1121は、図3に示される異物41の一例である。異物1121は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
発熱する異物1121からパッドへの熱の伝わりについては、図4図7を用いて説明したのと同様である。図17の例では、パッド1111には異物1121からの熱は伝導しておらず、パッド1112には異物1121からの熱が伝導している。
【0145】
図18は、実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図18は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物1221の概略を示す図である。
図18には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図18の例に限定されない。
【0146】
図18の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図18には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物1221を示してある。
図18の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド1211~1212に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図18に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図18に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0147】
図18の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図18の例では、当該形状は正方形の両面を有する板状であり、基材471の面に正方形の一方の面が配置され、基材471の上方から正方形の他方の面が見える。
図18の例では、パッドの形状である正四角形の辺に着目すると、あるパッドの1個の辺と他のパッドの1個の辺とが隣接して対向している箇所では、これらの辺の間の間隙が同じ距離(一定の距離)になっている。
【0148】
ここで、X軸に平行な方向における複数のパッドの並びを行と呼び、Y軸に平行な方向における複数のパッドの並びを列と呼んで説明する。
図18の例では、複数のパッドが行方向および列方向に並べられている。
すべてのパッドについて、正方形が有する2個の辺はX軸に平行に配置されており、当該正方形が有する他の2個の辺はY軸に平行に配置されている。
行方向には、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。
そして、隣接する2つの行では、一方の行の複数のパッドのまとまりと、他方の行の複数のパッドのまとまりとで、X軸に平行な方向でずらされて配置されている。これにより、列方向では、1つおきごとの複数のパッドが直線状に並べられた配置となっている。
【0149】
異物1221は、図3に示される異物41の一例である。異物1221は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
発熱する異物1221からパッドへの熱の伝わりについては、図4図7を用いて説明したのと同様である。図18の例では、パッド1211には異物1221からの熱は伝導しておらず、パッド1212には異物1221からの熱が伝導している。
【0150】
図19は、実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図19は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物1321の概略を示す図である。
図19には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図19の例に限定されない。
【0151】
図19の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図19には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物1221を示してある。
図19の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド1311~1312に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図19に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図19に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0152】
図19の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図19の例では、当該形状は正六角形の両面を有する板状であり、基材471の面に正六角形の一方の面が配置され、基材471の上方から正六角形の他方の面が見える。
図19の例では、パッドの形状である正六角形の辺に着目すると、あるパッドの1個の辺と他のパッドの1個の辺とが隣接して対向している箇所では、これらの辺の間の間隙が同じ距離(一定の距離)になっている。
【0153】
ここで、X軸に平行な方向における複数のパッドの並びを行と呼び、Y軸に平行な方向における複数のパッドの並びを列と呼んで説明する。
図19の例では、複数のパッドが行方向および列方向に並べられている。複数のパッドは、正六角形の辺を合わせていくように配置されている。
すべてのパッドについて、正六角形が有する2個の辺はX軸が平行に配置されている。
列方向には、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。
そして、隣接する2つの列では、一方の列の複数のパッドのまとまりと、他方の列の複数のパッドのまとまりとで、Y軸に平行な方向でずらされて配置されている。これにより、行方向では、1つおきごとの複数のパッドが直線状に並べられた配置となっている。
【0154】
異物1321は、図3に示される異物41の一例である。異物1321は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
発熱する異物1321からパッドへの熱の伝わりについては、図4図7を用いて説明したのと同様である。図19の例では、パッド1311には異物1321からの熱は伝導しておらず、パッド1312には異物1321からの熱が伝導している。
【0155】
図20は、実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図20は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物1421の概略を示す図である。
図20には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図20の例に限定されない。
【0156】
図20の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図20には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物1421を示してある。
図20の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド1411~1412に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図20に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図20に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0157】
図20の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図20の例では、当該形状は正八角形の両面を有する板状であり、基材471の面に正八角形の一方の面が配置され、基材471の上方から正八角形の他方の面が見える。
図20の例では、パッドの形状である正八角形の辺に着目すると、X軸に平行な方向またはY軸に平行な方向において、あるパッドの1個の辺と他のパッドの1個の辺とが隣接して対向している箇所では、これらの辺の間の間隙が同じ距離(一定の距離)になっている。
【0158】
ここで、X軸に平行な方向における複数のパッドの並びを行と呼び、Y軸に平行な方向における複数のパッドの並びを列と呼んで説明する。
図20の例では、複数のパッドが行方向および列方向に並べられている。
すべてのパッドについて、正八角形が有する2個の辺はX軸に平行に配置されており、当該正八角形が有する別の2個の辺はY軸に平行に配置されている。
行方向には、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。列方向にも、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。これらにより、複数のパッドが格子状に並べられている。
【0159】
異物1421は、図3に示される異物41の一例である。異物1421は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
発熱する異物1421からパッドへの熱の伝わりについては、図4図7を用いて説明したのと同様である。図20の例では、パッド1411には異物1421からの熱は伝導しておらず、パッド1412には異物1421からの熱が伝導している。
【0160】
図21は、実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図21は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物1521の概略を示す図である。
図21には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図21の例に限定されない。
【0161】
図21の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図21には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物1521を示してある。
図21の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド1511~1512に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図21に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図21に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0162】
図21の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図21の例では、当該形状は正八角形の両面を有する板状であり、基材471の面に正八角形の一方の面が配置され、基材471の上方から正八角形の他方の面が見える。
図21の例では、パッドの形状である正八角形の辺に着目すると、X軸に平行な方向において、あるパッドの1個の辺と他のパッドの1個の辺とが隣接して対向している箇所では、これらの辺の間の間隙が同じ距離(一定の距離)になっている。
【0163】
ここで、X軸に平行な方向における複数のパッドの並びを行と呼び、Y軸に平行な方向における複数のパッドの並びを列と呼んで説明する。
図21の例では、複数のパッドが行方向および列方向に並べられている。
すべてのパッドについて、正八角形が有する2個の辺はX軸に平行に配置されており、当該正八角形が有する別の2個の辺はY軸に平行に配置されている。
行方向には、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。
そして、隣接する2つの行では、一方の行の複数のパッドのまとまりと、他方の行の複数のパッドのまとまりとで、X軸に平行な方向でずらされて配置されている。これにより、列方向では、1つおきごとの複数のパッドが直線状に並べられた配置となっている。
【0164】
異物1521は、図3に示される異物41の一例である。異物1521は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
発熱する異物1521からパッドへの熱の伝わりについては、図4図7を用いて説明したのと同様である。図21の例では、パッド1511には異物1521からの熱は伝導しておらず、パッド1512には異物1521からの熱が伝導している。
【0165】
図22は、実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図22は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物1621の概略を示す図である。
図22には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図22の例に限定されない。
【0166】
図22の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図22には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物1621を示してある。
図22の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド1611~1612に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図22に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図22に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0167】
図22の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図22の例では、当該形状は平行四辺形の両面を有する板状であり、基材471の面に平行四辺形の一方の面が配置され、基材471の上方から平行四辺形の他方の面が見える。
図22の例では、パッドの形状である平行四辺形の辺に着目すると、X軸に平行な方向またはY軸に平行な方向において、あるパッドの1個の辺と他のパッドの1個の辺とが隣接して対向している箇所では、これらの辺の間の間隙が同じ距離(一定の距離)になっている。
【0168】
ここで、X軸に平行な方向における複数のパッドの並びを行と呼び、Y軸に平行な方向における複数のパッドの並びを列と呼んで説明する。
図22の例では、複数のパッドが行方向および列方向に並べられている。
すべてのパッドについて、平行四辺形が有する2個の辺はX軸に平行に配置されている。
行方向には、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。
そして、隣接する2つの行では、一方の行の複数のパッドのまとまりと、他方の行の複数のパッドのまとまりとで、X軸に平行な方向でずらされて配置されている。これにより、Y軸に平行な方向(列方向)に対して斜めの方向に沿って、複数のパッドが直線状に並べられた配置となっている。
【0169】
異物1621は、図3に示される異物41の一例である。異物1621は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
発熱する異物1621からパッドへの熱の伝わりについては、図4図7を用いて説明したのと同様である。図22の例では、パッド1611には異物1621からの熱は伝導しておらず、パッド1612には異物1621からの熱が伝導している。
【0170】
図23は、実施形態に係るパッドの面および配置の一例を示す図である。
図23は、送電コイルカバー部115におけるパッドの配置および異物1721の概略を示す図である。
図23には、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。なお、パッドの配置に対するX軸およびY軸の取り方は一例であり、図23の例に限定されない。
【0171】
図23の例では、送電コイルカバー部115を上方から見た様子の一例を示してある。
図23には、基材471の上に配置された複数のパッドと、異物1721を示してある。
図23の例では、図示を簡易化するために、複数のパッドのうちの2個のパッド1711~1712に符号を付してあり、他のパッドについては符号を省略してある。
図23に示される複数のパッドは、図3を用いて説明した複数のパッドに相当する。
また、図23に示される複数のパッドは、送電コイルカバー部115に設けられる全部のパッドであってもよく、あるいは、一部のパッドであってもよい。
【0172】
図23の例では、複数のパッドは、互いに接触しない近接した位置に配置されている。図23の例では、当該形状は円形の両面を有する板状であり、基材471の面に円形の一方の面が配置され、基材471の上方から円形の他方の面が見える。
図23の例では、パッドの形状である円形の円周に着目すると、X軸に平行な方向において、あるパッドの円周上の点と他のパッドの円周上の点との最も隣接して対向している箇所では、これらの点の間の間隙が同じ距離(一定の距離)になっている。
【0173】
ここで、X軸に平行な方向における複数のパッドの並びを行と呼び、Y軸に平行な方向における複数のパッドの並びを列と呼んで説明する。
図23の例では、複数のパッドが行方向および列方向に並べられている。
行方向には、同じ向きの複数のパッドが直線状に並べられている。
そして、隣接する2つの行では、一方の行の複数のパッドのまとまりと、他方の行の複数のパッドのまとまりとで、X軸に平行な方向でずらされて配置されている。これにより、列方向では、1つおきごとの複数のパッドが直線状に並べられた配置となっている。
【0174】
異物1721は、図3に示される異物41の一例である。異物1721は、複数のパッドのうちの一部の上に存在する。
発熱する異物1721からパッドへの熱の伝わりについては、図4図7を用いて説明したのと同様である。図23の例では、パッド1711には異物1721からの熱は伝導しておらず、パッド1712には異物1721からの熱が伝導している。
【0175】
なお、パッドの面の形状として、例えば、ひし形、台形、あるいは、楕円などの形状が用いられてもよい。このように、パッドの面の形状は、効率的に配置可能な多角形に限られない。
パッドの面の形状がひし形である場合については、パッドの面の形状が平行四辺形である場合の一例である。
【0176】
ここで、本実施形態では、基材471に設けられる複数のパッドの形状が同じである場合を示したが、他の構成例として、基材471に設けられる複数のパッドのうちの1個以上のパッドの形状が他のパッドの形状と異なっていてもよい。
【0177】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1では、ワイヤレス送電装置11の送電コイルユニット131において、送電コイル111に設けられる送電コイルカバー部115を次のように構成した。
すなわち、送電コイルカバー部115は、基材471と、複数のパッド(図3の例では、パッド481~483など)と、を備える。基材471の一面は送電コイル111の側に配置されており、基材471の他面である表面に複数のパッドが間隙をあけて設けられている。複数のパッドは、基材471よりも熱伝導率が高い部分を含む。
【0178】
したがって、本実施形態に係る送電コイルユニット131では、送電コイルカバー部115の表面に異物41が存在して、送電時に異物41が発熱した場合に、異物41の熱が近傍の1個以上のパッドに伝達されて、当該パッドに熱が蓄積される。これにより、異物検出装置13は、パッドが発する赤外線を検知する撮像装置14を用いて、送電コイルカバー部115の表面に異物41が存在することを検出することができる。本実施形態では、送電コイルカバー部115の構造を工夫することで、発熱する異物の温度を直接検出するのではなく、当該異物の近傍のパッドに熱が伝達されることにより温度上昇する当該パッドの温度を検出することを可能としている。
【0179】
このように、本実施形態に係る送電コイルユニット131では、発熱する異物41の存在を検出し易くすることができ、発熱する異物41が光沢のある金属物質であるときにおいても、異物41の存在を検出することができる。
これにより、本実施形態に係る送電コイルユニット131では、発熱する異物41が光沢のある金属物質であるときに、異物41の存在を容易に検出することができ、例えば、放射率が0.2以下の金属の異物のように、従来において検出が困難であった異物の存在を検出することができる。
【0180】
また、本実施形態に係る送電コイルユニット131では、さらに、パッドの表面の材料として、放射率の高い材料が用いられている。
したがって、本実施形態に係る送電コイルユニット131では、赤外線を検知する撮像装置14を用いて、さらに、発熱する異物41の存在を検出し易くすることができる。
【0181】
例えば、サーマルイメージセンサでは、発熱した光沢のある金属(異物)から非接触で発生する赤外線を正確に捉えることが困難な場合があるが、本実施形態では、当該金属(異物)の熱が送電コイルカバー部115の表面に伝導し、放射率が高い当該表面から赤外線が放射されるため、サーマルイメージセンサにより当該金属(異物)の温度上昇を捉え易くすることができる。
【0182】
また、本実施形態に係る送電コイルユニット131では、送電コイルカバー部115の構造(特に、基材471とパッドに関する表面構造)を単純な構造とすることが可能である。
また、本実施形態に係る送電コイルユニット131では、送電コイルカバー部115の構造(特に、基材471とパッドに関する表面構造)において、電源あるいは電気信号配線が不要であり、低コストとすることが可能である。
また、本実施形態に係る送電コイルユニット131では、送電コイルカバー部115の設置工事を容易にすることができ、例えば、既に設置されている送電コイルに本実施形態に係る異物検出のための構造部(特に、基材471とパッドに関する表面構造の部分)が備えられていない場合においても、このような送電コイルに当該構造部を増設または後付けすることが容易である。
【0183】
本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1では、送電コイルカバー部115の表面に存在する発熱する異物41の存在を検出し易くすることができるため、例えば、従来と同程度の検出精度を確保しつつ、従来と比べて低解像度だが低価格のサーマルイメージセンサを用いることも可能である。
【0184】
[以上の実施形態に係る構成例]
一構成例として、送電コイルユニット(図1の例では、送電コイルユニット131)は、受電コイル(図1の例では、受電コイル211)にワイヤレスで電力を送電する送電コイル(図1の例では、送電コイル111)と、送電コイルを受電コイルと対向する側から覆う基材(図3の例では、基材471)と、基材よりも熱伝導率が高い材料部を含み、基材の受電コイルと対向する側の面(図3の例では、基材の上面)に互いに離間して配置された複数の部位(図3の例では、複数のパッド)と、を備える。
【0185】
一構成例として、送電コイルユニットにおいて、上記した部位は、基材の受電コイルと対向する側の面(図3の例では、基材の上面)から受電コイルと対向する側(図3の例では、上側)に突出している。
一構成例として、送電コイルユニットにおいて、受電コイルが対向する側からの受電コイルと対向する方向での平面視(図3の例では、上側からの上下方向に平行な方向での平面視)において、上記した複数の部位のそれぞれの形状が同一である。
一構成例として、送電コイルユニットにおいて、上記した部位は、受電コイルと対向する方向(図3の例では、上下方向)に積層された積層体である。積層体は、基材よりも熱伝導率が高い材料からなる層を含む。
一構成例として、送電コイルユニットにおいて、積層体の最外層は、感熱材料からなる層である。
【0186】
上記のような送電コイルユニットを備える送電装置を提供することも可能である。
一構成例として、送電装置(図1の例では、ワイヤレス送電装置11)は、送電コイルユニットを備え、受電コイル(図1の例では、受電コイル211)を備えた受電装置(図1の例では、ワイヤレス受電装置12)にワイヤレスで電力を伝送する。
【0187】
上記のような送電コイルユニットを備えるワイヤレス電力伝送システムを提供することも可能である。
一構成例として、ワイヤレス電力伝送システム(図1の例では、ワイヤレス電力伝送システム1)は、送電コイルユニットを備え、受電コイルを備えた受電装置にワイヤレスで電力を伝送する送電装置と、受電装置と、上記した部位を撮像する赤外線カメラ(図1の例では、撮像装置14)と、を備える。
【0188】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0189】
1…ワイヤレス電力伝送システム、11…ワイヤレス送電装置、12…ワイヤレス受電装置、13…異物検出装置、14…撮像装置、21…AGV、22~23…車輪、31…交流電力源、41、521、541、561、581、631、741、871、971、1021、1121、1221、1321、1421、1521、1621、1721…異物、111…送電コイル、112…送電部、113、312…通信部、114…制御部、115、601~603、701~702、801~802、901…送電コイルカバー部、131…送電コイルユニット、211…受電コイル、212…平滑回路、213…バッテリー、214…コントローラー、215…モーター、311…撮像画像取得部、313…記憶部、314…制御部、331…異物有無判定部、332…通知部、411a、411b…送電コイル部、431a、431b…受電コイル部、451…床面、471、611、671、711、771、811、881、911…基材、481~483、511~513、621~623、1011~1012、1111~1112、1211~1212、1311~1312、1411~1412、1511~1512、1611~1612、1711~1712、P1~P3、P11~P13、P21~P23…パッド、651a~651d…断熱樹脂、681~683、781~783、891~893…凹部、721~723…パッド基部、731~733…フィルム、821a~821d、861~863、951…表面層、831~833、921~923…第1層、841~842、931~933…第2層、851~853、941~943…第3層、D1、D2、D11、D21…間隙、Q…送電電力、R1…撮像範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23