(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148409
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】点検作業管理装置、及び、点検作業管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050081
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521095503
【氏名又は名称】ホンダモビリティソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 雅人
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 滉樹
(72)【発明者】
【氏名】古川 将司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】管理対象の建物等に配置される物品の管理に要する負荷を軽減する点検作業管理装置及び点検作業管理方法を提供する。
【解決手段】点検作業管理システムにおいて、作業管理装置100は、事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含む管理対象物についての点検作業を依頼する依頼処理部13と、点検作業の結果を取得する作業結果取得部14と、を備える。依頼処理部13による依頼方法は、事業拠点を指定して、点検作業を実行する作業者の募集を行い、募集に応じた人物の中から作業者を決定し、決定した作業者に事業拠点の点検作業を依頼する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含む管理対象物についての点検作業を依頼する依頼処理部と、
前記点検作業の結果を取得する作業結果取得部と、を備え、
前記依頼処理部は、
前記事業拠点を指定して、前記点検作業を実行する作業者の募集を行い、
募集に応じた人物の中から前記作業者を決定し、
決定した前記作業者に前記事業拠点の前記点検作業を依頼する、点検作業管理装置。
【請求項2】
前記依頼処理部は、予め設定されたタイミングで前記作業者の募集を開始し、前記作業者を決定した後に募集を停止する、請求項1記載の点検作業管理装置。
【請求項3】
前記作業者に応募する人物として登録されたユーザの情報を記憶するユーザ情報記憶部を備え、
前記依頼処理部は、前記作業者の募集を開始する場合に、前記ユーザ情報記憶部に記憶された情報に基づいて前記ユーザに対して募集開始を通知する、請求項2記載の点検作業管理装置。
【請求項4】
前記ユーザの評価を取得するユーザ評価取得部を備え、
前記依頼処理部は、前記ユーザ評価取得部によって取得された評価が、予め設定された条件を満たす前記ユーザに対して募集開始を通知する、請求項3記載の点検作業管理装置。
【請求項5】
前記ユーザ評価取得部は、前記ユーザに対してネットワークサービスを提供するネットワークサービスサーバと通信を行うことにより、前記ネットワークサービスサーバから前記ユーザの評価を取得する、請求項4記載の点検作業管理装置。
【請求項6】
前記依頼処理部は、ジョブマッチングサービスを行うマッチングサービスサーバに対して、前記点検作業に関する求人情報を送信することによって、前記作業者の募集を開始する、請求項1から5のいずれか1項に記載の点検作業管理装置。
【請求項7】
前記点検作業は、前記掲示物の位置調整、前記展示物の位置調整、及び、前記配布用物品の補充の少なくともいずれかを含み、
前記作業結果取得部は、前記管理対象物を撮影した撮影画像を、前記点検作業の結果として取得する、請求項1から6のいずれか1項に記載の点検作業管理装置。
【請求項8】
前記作業者が行った点検作業の評価を受け付ける評価受付部と、
前記評価受付部が受け付けた評価を前記作業者に対応付けて記憶する評価記憶部と、を備え、
前記評価受付部は、
前記作業結果取得部によって取得された前記撮影画像と評価依頼とを、評価を行う評価者に通知し、
前記評価依頼に応じて前記評価者が送信する評価を受け付ける、請求項7記載の点検作業管理装置。
【請求項9】
前記評価受付部が受け付けた評価が所定の条件を満たさない場合に、前記依頼処理部によって前記作業者の募集を開始する、請求項8記載の点検作業管理装置。
【請求項10】
事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含む管理対象物についての点検作業を依頼する処理と、
前記点検作業の結果を取得する処理と、を含み、
前記管理対象物は、前記事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含み、
前記点検作業を依頼する処理において、前記事業拠点を指定して、前記点検作業を実行する作業者の募集を行い、募集に応じた人物の中から前記作業者を決定し、決定した前記作業者に前記事業拠点の前記点検作業を依頼する、点検作業管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点検作業管理装置、及び、点検作業管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の管理者が事業に供する建物に掲示物等を配置する場合、掲示物等の管理に関する負担が大きいことが指摘されている。例えば、特許文献1は、ビル管理者が、ビルに掲示するチラシの掲示及び撤収に関して、宅配業者やメッセンジャーサービス等の事業者と業務提携を行う方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された方法は、管理の対象の数や作業の頻度について業務提携する相手と合意しなければならず、多くの労力を必要とする。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、管理対象の建物等に配置される物品の管理に要する負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含む管理対象物についての点検作業を依頼する依頼処理部と、前記点検作業の結果を取得する作業結果取得部と、を備え、前記依頼処理部は、前記事業拠点を指定して、前記点検作業を実行する作業者の募集を行い、募集に応じた人物の中から前記作業者を決定し、決定した前記作業者に前記事業拠点の前記点検作業を依頼する、点検作業管理装置が挙げられる。
【0006】
上記点検作業管理装置において、前記依頼処理部は、予め設定されたタイミングで前記作業者の募集を開始し、前記作業者を決定した後に募集を停止する構成としてもよい。
【0007】
上記点検作業管理装置において、前記作業者に応募する人物として登録されたユーザの情報を記憶するユーザ情報記憶部を備え、前記依頼処理部は、前記作業者の募集を開始する場合に、前記ユーザ情報記憶部に記憶された情報に基づいて前記ユーザに対して募集開始を通知する構成としてもよい。
【0008】
上記点検作業管理装置において、前記ユーザの評価を取得するユーザ評価取得部を備え、前記依頼処理部は、前記ユーザ評価取得部によって取得された評価が、予め設定された条件を満たす前記ユーザに対して募集開始を通知する構成としてもよい。
【0009】
上記点検作業管理装置において、前記ユーザ評価取得部は、前記ユーザに対してネットワークサービスを提供するネットワークサービスサーバと通信を行うことにより、前記ネットワークサービスサーバから前記ユーザの評価を取得する構成としてもよい。
【0010】
上記点検作業管理装置において、前記依頼処理部は、ジョブマッチングサービスを行うマッチングサービスサーバに対して、前記点検作業に関する求人情報を送信することによって、前記作業者の募集を開始する構成としてもよい。
【0011】
上記点検作業管理装置において、前記点検作業は、前記掲示物の位置調整、前記展示物の位置調整、及び、前記配布用物品の補充の少なくともいずれかを含み、前記作業結果取得部は、前記管理対象物を撮影した撮影画像を、前記点検作業の結果として取得する構成としてもよい。
【0012】
上記点検作業管理装置において、前記作業者が行った点検作業の評価を受け付ける評価受付部と、前記評価受付部が受け付けた評価を前記作業者に対応付けて記憶する評価記憶部と、を備え、前記評価受付部は、前記作業結果取得部によって取得された前記撮影画像と評価依頼とを、評価を行う評価者に通知し、前記評価依頼に応じて前記評価者が送信する評価を受け付ける構成としてもよい。
【0013】
上記点検作業管理装置において、前記評価受付部が受け付けた評価が所定の条件を満たさない場合に、前記依頼処理部によって前記作業者の募集を開始する構成としてもよい。
【0014】
上記目的を達成するための第2態様として、事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含む管理対象物についての点検作業を依頼する処理と、前記点検作業の結果を取得する処理と、を含み、前記管理対象物は、前記事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含み、前記点検作業を依頼する処理において、前記事業拠点を指定して、前記点検作業を実行する作業者の募集を行い、募集に応じた人物の中から前記作業者を決定し、決定した前記作業者に前記事業拠点の前記点検作業を依頼する、点検作業管理方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
上記構成によれば、事業拠点に配置された物品の点検を行う作業者を効率よく確保することができ、事業拠点に配置される物品の管理に要する負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】点検作業の対象となる事業拠点及び管理対象物の例を示す図。
【
図5】点検作業管理システムの動作を示すフローチャート。
【
図6】点検作業管理システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[1.点検作業管理システムの概要]
図1は、本実施形態の点検作業管理システム1の概要を示す説明図である。
点検作業管理システム1は、事業に利用される事業拠点に配置された管理対象物を点検する作業について、作業者を募集し、作業の結果を評価するシステムである。点検作業管理システム1は、作業管理装置100を備える。作業管理装置100は、事業拠点の点検を行う作業者になり得る人物として予め登録された複数のユーザU1に対し、作業の募集を行い、作業に応募したユーザU1の中から作業者を決定する。作業管理装置100は、点検作業管理装置の一例に対応する。
【0018】
作業管理装置100に登録されるユーザU1の数に制限はなく、
図1には一例として、ユーザU1A、U1Bを示す。各ユーザU1A、U1Bを区別しない場合はユーザU1と表記する。
図1には、ユーザU1Aが使用する端末装置としてユーザ端末210Aを示し、ユーザU1Bが使用する端末装置としてユーザ端末210Bを示す。作業管理装置100は、通信ネットワーク500を通じてユーザ端末210Aと通信を実行することにより、ユーザU1Aに対する各種の通知を実行する。同様に、作業管理装置100は、通信ネットワーク500を通じてユーザ端末210Bと通信を実行することにより、ユーザU1Bに対する各種の通知を実行する。ユーザ端末210A、210Bは、据え置き型或いは可搬型のコンピュータであり、例えば、モバイルデバイス、或いは、ハンドヘルドコンピュータと呼ばれる携帯型のコンピュータである。
【0019】
図2は、点検作業管理システム1が管理する点検作業の対象となる事業拠点及び管理対象物の一例を示す図である。
図2のサービス拠点700は、車両を提供するサービス事業に利用される拠点であり、事業拠点の一例である。車両を提供するサービス事業とは、例えば、カーシェアリング、レンタカー、カーリースが挙げられる。サービス拠点700は、顧客に提供される車両Vを駐車する駐車場701を有し、建屋702が設置されている。
【0020】
サービス拠点700には、事業の宣伝、広告目的の設置物が設置される。例えば、駐車場701には、スタンド式看板711が配置される。スタンド式看板711は駐車場701に置かれる看板であり、持ち運び可能である。スタンド式看板711は、錘として水を溜める貯留部を有する。配布物712は、事業の宣伝用の紙や冊子であり、サービス拠点700を訪れた顧客や、サービス事業に興味を持つ人が持ち帰ることができるように、建屋702に固定された配布物ケース713に収容される。また、駐車場701には、事業の宣伝を目的とする、のぼり旗714が設置される。建屋702には、看板715が固定されている。
【0021】
点検作業管理システム1は、サービス拠点700に配置された設置物を管理対象物とする。例えば、スタンド式看板711、配布物712、のぼり旗714、及び、看板715が管理対象物である。配布物712を収容するための配布物ケース713を管理対象物とすることもできる。また、図示はしないが、駐車場701の路面に貼付されるステッカーを管理対象物としてもよい。
点検作業管理システム1は、これらの管理対象物の点検作業について、管理を行う。点検作業の内容は、例えば、スタンド式看板711やのぼり旗714の設置場所が適切な場所であるか否かを確認することである。また、例えば、配布物ケース713、のぼり旗714、看板715、路面ステッカー等の汚れ、色あせ、及び破損の有無を確認することであり、スタンド式看板711の水の量を確認することである。
【0022】
また、点検作業は、サービス拠点700に駐車される車両Vを管理対象物としてもよい。この場合、点検作業は、車両Vの登録番号の確認、車両Vの数の確認、車両Vの汚れや破損の確認等を含んでもよい。
【0023】
また、点検作業は、管理対象物を適切な状態に維持する作業を含んでもよい。具体的には、消耗品である配布物712が少ない場合に、配布物712を補充する作業、スタンド式看板711に水を補充する作業、スタンド式看板711を適切な場所に移動させる作業、配布物ケース713を清掃する作業等を、点検作業に含んでもよい。
【0024】
図2に示す管理対象物は一例である。点検作業管理システム1が複数のサービス拠点700を管理対象とする場合、管理対象物の種類、数、及び位置は、サービス拠点700毎に異なっていてもよい。また、サービス拠点700に設置されている管理対象物となり得る物体の一部のみが、点検作業管理システム1の管理対象物として登録されてもよい。
具体的には、第1のサービス拠点700にはスタンド式看板711、配布物712、のぼり旗714、及び、看板715が設置され、その全てが点検作業管理システム1の管理対象物とされる。この場合に、第2のサービス拠点700に、スタンド式看板711、配布物712及びのぼり旗714が設置され、看板715が設置されない例が挙げられる。さらに、第2のサービス拠点700について、配布物712及びのぼり旗714が管理対象物として登録され、スタンド式看板711が管理対象物として登録されないようにすることも可能である。
【0025】
各々のサービス拠点700において点検作業管理システム1の管理対象となる管理対象物は、後述するサービス拠点データ22により設定される。サービス拠点データ22を書き換えることにより、サービス拠点700における管理対象物の種類や数を変更することも可能である。
【0026】
図2は事業拠点の一例としてサービス拠点700を示しており、事業拠点の具体的態様を限定するものではない。例えば、建屋702が設置されることは必須ではない。また、事業拠点はビルの一部であってもよく、駐車場701を備えていなくてもよい。
【0027】
図1に戻り、作業管理装置100は、通信ネットワーク500を介して、管理者端末250、ウェブサービスサーバ300、及び、求人サービスサーバ400と通信を実行可能である。
【0028】
管理者端末250は、サービス拠点700を管理する担当者または責任者である管理者U2が使用するコンピュータである。管理者U2は、例えば、サービス事業を運営する企業の社員、または、この企業から委託を受けた人物である。管理者端末250は、据え置き型のコンピュータであり、可搬型のコンピュータであってもよい。
【0029】
ウェブサービスサーバ300は、点検作業管理システム1が運営するサービス事業とは異なるサービスを、ウェブサービスサーバ300に登録された会員に提供するサーバコンピュータである。ウェブサービスサーバ300は、ネットワークサービスサーバの一例に対応する。例えば、ウェブサービスサーバ300は、SNS(Social Network Services)、通信販売、ネットオークション等のシステムを構成するサーバである。ウェブサービスサーバ300の会員は、例えば、ユーザU1A、U1B及びその他のユーザを含む。ウェブサービスサーバ300は、ウェブサービスサーバ300が提供するサービスの会員に関する会員情報310を記憶する。会員情報310は、会員を特定する情報として、会員の氏名、会員の識別情報、ニックネーム等を含む。会員情報310は、会員を特定する情報に対応付けて、会員に対する評価を含む。会員に対する評価は、ウェブサービスサーバ300によりサービスを提供する事業者、および/または、他の会員により決定される。作業管理装置100は、ウェブサービスサーバ300と通信を実行することにより、会員情報310に含まれる評価を取得する。
【0030】
求人サービスサーバ400は、点検作業管理システム1が運営するサービス事業とは異なるサービスとして、登録された会員に仕事を割り当てるジョブマッチングサービスを提供するサーバコンピュータである。求人サービスサーバ400は、マッチングサービスサーバの一例に対応する。求人サービスサーバ400の会員は、ユーザU1A、U1B及びその他のユーザを含む。
【0031】
求人サービスサーバ400は、求人情報410を記憶する。求人情報410は、求人サービスサーバ400が提供するジョブマッチングサービスの会員が、応募可能な求人に関する情報である。求人情報410は、例えば、1日、1週間、或いは数時間の仕事の求人に関する情報を含む。求人サービスサーバ400は、会員に対して、求人情報410に基づき求人を通知し、求人サービスサーバ400に登録された会員は、求人に応募し、仕事を得ることができる。作業管理装置100は、求人サービスサーバ400と通信を行って求人情報410を送信する。これにより、求人サービスサーバ400が、作業管理装置100によって送信された求人情報410に基づき会員を募集する。求人サービスサーバ400は、求人情報410の求人に応募した会員に関する情報を、作業管理装置100に提供する。
【0032】
ウェブサービスサーバ300、及び、求人サービスサーバ400は、ユーザ端末210にインストールされたウェブブラウザの機能により、ユーザ端末210に対してサービスを提供する構成であってもよい。また、ユーザ端末210は、ユーザ端末210にインストールされた専用のアプリケーションプログラム(以下、アプリという)の機能により、ウェブサービスサーバ300及び求人サービスサーバ400にアクセスし、サービスの提供を受ける構成であってもよい。
【0033】
図1には、作業管理装置100が通信するサーバとして1つのウェブサービスサーバ300、及び、1つの求人サービスサーバ400を図示するが、これは一例である。作業管理装置100は、異なる事業体により運営される複数のウェブサービスサーバ300と通信を実行可能であってもよい。求人サービスサーバ400についても同様である。また、ウェブサービスサーバ300及び求人サービスサーバ400は、単独のサーバコンピュータに限定されず、複数のサーバコンピュータによって分散処理を行う構成であってもよいし、クラウドサーバで構成されてもよい。
【0034】
[2.作業管理装置の構成]
作業管理装置100は、プロセッサ10、記憶部20、及び、通信部30を備える。プロセッサ10は、CPU(Central Processing Unit)やマイクロコントローラ等の情報処理デバイスである。記憶部20は、プロセッサ10によって実行されるプログラムや、プロセッサ10が処理するデータを記憶する。記憶部20は、フラッシュメモリ等の半導体メモリデバイス、磁気的記憶デバイス、光学的記憶デバイス等を用いて構成される不揮発性の記憶装置が挙げられる。また、記憶部20は、半導体メモリデバイスで構成される揮発性の記憶領域を備え、この揮発性の記憶領域によってプロセッサ10のワークエリアを形成してもよい。また、プロセッサ10が揮発性メモリを統合した統合型のデバイスで構成される場合、記憶部20は不揮発性の記憶装置で構成される。
【0035】
記憶部20は、制御用プログラム21、サービス拠点データ22、ユーザデータ23、作業依頼データ24、及び、作業結果データ25を記憶する。制御用プログラム21は、プロセッサ10が作業管理装置100を制御するために実行するプログラムである。
【0036】
サービス拠点データ22は、作業管理装置100が点検作業を管理する対象となるサービス拠点700に関するデータである。
【0037】
図4は、サービス拠点データ22の構成例を示す模式図である。
サービス拠点データ22は、位置データ221、管理対象物データ222、及び、撮影画像223を対応付けて含む。記憶部20は、1つのサービス拠点700に対応付けて1つのサービス拠点データ22を記憶する。点検作業管理システム1が複数のサービス拠点700の点検作業を管理する場合、記憶部20は、サービス拠点700の数に対応する複数のサービス拠点データ22を記憶する。
【0038】
位置データ221は、サービス拠点700の位置を示すデータである。位置データ221は、座標データであってもよいし、サービス拠点700の位置を示す地図データを含んでもよい。
管理対象物データ222は、サービス拠点700に設置される管理対象物のデータである。例えば、管理対象物データ222は、サービス拠点700における管理対象物の位置、管理対象物の名称、形状、設置状態、数等を含む。詳細には、管理対象物データ222は、サービス拠点700に設置される物体のうち点検作業管理システム1の管理の対象となる物体についての情報を、サービス拠点700に対応付けるデータである。管理対象物はサービス拠点700毎に異なっていてもよい。
【0039】
撮影画像223は、サービス拠点700を撮影した撮影画像である。具体的には、サービス拠点700に設置された管理対象物を撮影した撮影画像である。撮影画像223は、管理対象物が適切な状態で撮影された撮影画像であることが好ましい。例えば、撮影画像223は、
図2に例示したスタンド式看板711が適切な位置および方向で設置された状態で、スタンド式看板711を撮影した撮影画像を含む。また、例えば、撮影画像223は、配布物ケース713に適切な数の配布物712が収容された状態で、配布物ケース713を撮影した撮影画像を含む。
【0040】
作業内容224は、点検作業において実行されるべき作業の内容を示すデータである。具体的には、作業内容224は、サービス拠点700に設置された管理対象物に対する作業内容を、管理対象物毎に記したデータである。例えば、スタンド式看板711の点検作業の内容は、スタンド式看板711の設置位置および設置方向が適切であるか否かを確認すること、及び、設置位置および設置方向が適切でない場合に、これを修正することを含む。配布物712の点検作業は、配布物ケース713に収容された配布物712の数、及び、配布物712の汚れや破損の有無を確認することと、配布物712を補充および交換する作業とを含む。
【0041】
また、作業内容224は、サービス拠点700に対する点検作業を行う頻度、或いは、周期を指定するデータを含む。本実施形態では、点検作業管理システム1は、サービス拠点700を単位として点検作業を行う場合を管理する。作業内容224は、サービス拠点データ22が対応するサービス拠点700の点検作業が行われるべきタイミングを指定するデータを含み、具体的には、点検の頻度または周期を指定するデータを含む。
【0042】
また、作業内容224は、サービス拠点700の点検作業に必要な作業者の人数を含む。サービス拠点700の点検作業に必要な作業者の人数がデフォルトの人数である場合、作業内容224に作業者の人数が含まれない構成としてもよい。
作業内容224は、サービス拠点700の点検作業の作業時間に関する情報を含んでもよい。例えば、作業内容224に含まれる作業時間は、標準的なスキルを有する作業者がサービス拠点700の点検作業を完了するまでに必要な時間とすることができる。すなわち、作業内容224が含む作業時間は、作業時間の目安、或いは、標準的な作業時間ということができる。
【0043】
サービス拠点データ22は、サービス拠点700を識別する識別情報を含んでもよく、この識別情報に対応付けて位置データ221、管理対象物データ222、撮影画像223、及び、作業内容224を含む構成としてもよい。
【0044】
図3に戻り、ユーザデータ23は、サービス拠点700の点検作業を行う作業者として、作業管理装置100に登録されたユーザU1に関するデータを含む。ユーザデータ23は、各々のユーザU1を識別する識別情報、ユーザU1の連絡先、及び、ユーザU1の評価を含む。ユーザU1の連絡先は、ユーザU1が使用するユーザ端末210の電話番号やSNSアカウントの識別情報等である。例えば、ユーザ端末210と作業管理装置100とが、ユーザ端末210にインストールされた専用のアプリの機能によって通信を実行する構成であってもよい。例えば、作業管理装置100は、ユーザ端末210のアプリの通知機能を利用して、ユーザU1に対する通知を実行する。この場合、ユーザデータ23は、ユーザ端末210のアプリを呼び出すためのアカウントに関する情報を含む。
【0045】
作業管理装置100は、他の事業者が運営するSNSサービスを利用して、ユーザ端末210と通信を行ってもよい。例えば、複数のコンピュータ間でチャット形式のメッセージを送受信するSNSサービスを利用して、作業管理装置100とユーザ端末210とが通知を送受信する構成であってもよい。この場合、ユーザデータ23は、SNSサービスにおけるユーザ端末210の識別情報やアカウントの情報であってもよい。
【0046】
作業依頼データ24は、ユーザU1に対して依頼する点検作業の内容を示すデータである。作業依頼データ24は、点検作業の対象であるサービス拠点700を特定する情報、及び、点検作業を行うべき日時または点検作業を行う期限を含む。サービス拠点700を特定する情報としては、サービス拠点700の識別情報等が挙げられる。また、作業依頼データ24は、点検作業の対象であるサービス拠点700に対応するサービス拠点データ22を含んでもよい。
【0047】
作業結果データ25は、ユーザU1がサービス拠点700の点検作業を行った結果を含む。具体的には、点検作業の後にユーザU1が撮影した撮影画像を含む。
【0048】
プロセッサ10は、制御用プログラム21を実行することによって、作業管理装置100の機能を実現する。プロセッサ10が構成する機能部として、ユーザ登録部11、ユーザ評価取得部12、依頼処理部13、作業結果取得部14、及び、評価受付部15を示す。これらの各機能部は、プロセッサ10が制御用プログラム21を実行することによってソフトウェアとハードウェアの協働により実現される。
【0049】
ユーザ登録部11は、点検作業管理システム1の会員となる人物を登録する処理を行う。ユーザ登録部11は、ユーザ端末210からのアクセスに応じて、ユーザU1の登録を行う。ユーザ登録部11は、登録したユーザU1に関するデータをユーザデータ23に追加して、ユーザデータ23を更新する。
【0050】
ユーザ評価取得部12は、ユーザU1に関する評価を取得する。ユーザ評価取得部12は、ユーザデータ23を参照し、ユーザデータ23に含まれる評価をユーザU1ごとに取得する。
ユーザ評価取得部12は、また、ウェブサービスサーバ300にアクセスし、会員情報310に含まれる情報のうち、ユーザU1の評価に関する情報を取得する。
【0051】
依頼処理部13は、サービス拠点700の点検作業が必要な場合に、ユーザU1に対して通知を行い、点検作業を行うユーザU1を募集する。依頼処理部13は、作業内容224で定められる点検作業に必要な作業者の人数に基づき、必要な人数の募集を行う。依頼処理部13は、募集に対して応募を行ったユーザU1の中から、点検作業を行う作業者となるユーザU1を決定する。
【0052】
作業結果取得部14は、サービス拠点700の点検作業を行ったユーザU1から、作業結果を取得する。
評価受付部15は、作業結果取得部14が取得した作業結果に対する評価を管理者U2に依頼し、管理者U2による評価を取得する。
ここで、評価受付部15が取得した評価が所定の条件を満たさない場合、依頼処理部13が、再度、募集を行う。
【0053】
通信部30は、通信ネットワーク500に接続される通信装置である。通信部30は、例えば、Ethernet(登録商標)ケーブルが接続されるコネクタ、及び、ケーブルを通じて信号を送受信する通信インターフェース回路を備える。通信部30は、アンテナやRF回路を備え、無線データ通信を実行する通信装置であってもよい。
通信部30は、プロセッサ10の制御に従って、通信ネットワーク500を通じてユーザ端末210、ウェブサービスサーバ300、及び、求人サービスサーバ400との間でデータ通信を実行する。
【0054】
[3.作業管理装置に接続される装置の構成]
ユーザ端末210は、プロセッサ211、記憶部212、通信部213、タッチパネル214、カメラ215、及び、GNSS216を有する。
プロセッサ211は、CPUやマイクロコントローラ等の情報処理デバイスである。記憶部212は、フラッシュメモリ等の半導体メモリデバイスを用いて構成される不揮発性の記憶装置が挙げられる。記憶部212は、揮発性の記憶領域を有し、プロセッサ211のワークエリアを形成する構成であってもよい。記憶部212は、プロセッサ211によって実行されるプログラムや、プロセッサ211が処理するデータを記憶する。
プロセッサ211は、記憶部212に記憶されたプログラムを実行し、ユーザ端末210を制御する。
【0055】
通信部213は、アンテナ、RF回路等を備え、モバイル通信回線を通じて無線データ通信を実行する通信装置である。通信部213は、通信ネットワーク500に接続し、プロセッサ211の制御に従って、作業管理装置100との間でデータ通信を実行する。
【0056】
タッチパネル214は、プロセッサ211の制御に従って各種の画像を表示する。タッチパネル214は、タッチパネル214に対するタッチ操作を検出し、検出した操作を示す操作データをプロセッサ211に出力する。
【0057】
カメラ215は、プロセッサ211の制御に従って撮影を行い、撮影画像をプロセッサ211に出力する。
GNSS(Global Navigation Satellite System)216は、プロセッサ211の制御に従ってユーザ端末210の位置を検出する。
【0058】
ユーザ端末210は、ユーザU1の操作に従って、カメラ215によって撮影を実行する。ユーザ端末210は、カメラ215の撮影画像データに、撮影時点におけるユーザ端末210の位置情報、および、撮影日時を示す情報を付加する機能を有する。ユーザ端末210は、ユーザU1の操作に従って、撮影画像データを作業管理装置100に送信する機能を有する。
【0059】
[4.点検作業管理システムの動作]
図5は、点検作業管理システム1の動作を示すフローチャートであり、特に、作業管理装置100の動作を示す。ステップSA12はユーザ評価取得部12により実行され、ステップSA11~SA13、SA15~SA19、SA22~SA28は依頼処理部13により実行される。ステップSA20は作業結果取得部14により実行され、ステップSA21は評価受付部15により実行される。
【0060】
作業管理装置100は、サービス拠点700の点検作業を行うタイミングであるか否かを判定する(ステップSA11)。ステップSA11で、作業管理装置100は、サービス拠点データ22が定める点検作業の周期または頻度に基づき、点検作業を行うタイミングに到達したサービス拠点700を抽出する。該当するサービス拠点700がない場合、作業管理装置100は、点検作業を行うタイミングでないと判定し(ステップSA11;NO)、待機する。該当するサービス拠点700がある場合、作業管理装置100は、点検作業を行うタイミングであると判定し(ステップSA11;YES)、処理の対象とするサービス拠点700を特定する(ステップSA12)。点検作業を行うタイミングとなったサービス拠点700が複数ある場合、作業管理装置100は、いずれか1のサービス拠点700をステップSA12で選択する。この場合、作業管理装置100は、該当するサービス拠点700の数だけ、
図5の処理を実行する。
【0061】
作業管理装置100は、作業者の募集に外部のネットワークサービスを利用するか否かを判定する(ステップSA13)。外部のネットワークサービスを利用するか否かは、例えば、管理者端末250から作業管理装置100に対する指示によって決定される。また、サービス拠点データ22に、外部のネットワークサービスを利用するか否かを指定するデータが含まれていてもよい。また、作業管理装置100は、サービス拠点データ22で指定される、点検作業に必要な作業者の数が予め設定された閾値以上である場合に、外部のネットワークサービスを利用すると判定してもよい。この場合、必要な作業者の数が閾値より少ない場合、作業管理装置100は、外部のネットワークサービスを利用しないと判定する。
【0062】
外部のネットワークサービスを利用しない場合(ステップSA13;NO)、作業管理装置100は、ユーザデータ23が記憶されている各々のユーザU1について、ウェブサービスサーバ300から評価を取得し、取得した評価に基づきユーザデータ23を更新する(ステップSA14)。ステップSA14の処理によって、作業管理装置100に登録されたユーザU1の評価が最新の状態に更新される。ステップSA14において、ウェブサービスサーバ300から評価を取得できないユーザU1について、作業管理装置100は、ユーザデータ23を更新しない。また、作業管理装置100は、ウェブサービスサーバ300から取得した評価を、作業管理装置100で比較判定するための評価に変換する処理を行ってもよい。
【0063】
作業管理装置100は、ユーザデータ23を参照し、予め設定された基準値以上の評価を有するユーザU1を選択する(ステップSA15)。ここで、基準値は、予め作業管理装置100に設定され、例えばサービス拠点データ22に含めて記憶される。
【0064】
作業管理装置100は、ステップSA15で選択したユーザU1に対し、募集を開始したことを通知する(ステップSA16)。ステップSA16で、作業管理装置100は、ユーザU1が使用するユーザ端末210に、電子メール、SNSサービスのメッセージ、チャット形式のメッセージ、或いは、ユーザ端末210にインストールされたアプリへの通知を利用して、通知を行う。ステップSA16で、作業管理装置100は、点検作業の対象であるサービス拠点700に関する情報を、ユーザU1に提示してもよい。例えば、点検作業を行うべき日時または点検作業を行う期限等、サービス拠点データ22に含まれる情報を、募集を開始したことの通知とともにユーザ端末210に送信してもよい。
【0065】
作業管理装置100は、ユーザU1による応募を受け付けて、応募をしたユーザU1の中から、作業者となるユーザU1を決定する(ステップSA17)。続いて、作業管理装置100は、ステップSA16で募集開始を通知したユーザU1に対し、募集が終了したことを通知する(ステップSA18)。作業管理装置100は、ステップSA17で作業者に決定されたユーザU1に対してステップSA18の通知を行わない構成であってもよい。
【0066】
作業管理装置100は、ステップSA17で作業者に決定したユーザU1に対し、作業依頼を通知する(ステップSA19)。作業依頼は、作業者に決定したことの通知、及び、作業内容224の内容を含む。
【0067】
作業者に選ばれたユーザU1は、対象のサービス拠点700に出向いて、作業内容224で指定された点検作業を実行する。ユーザU1は、作業が完了した後に、カメラ215で管理対象物を撮影し、撮影画像データを作業管理装置100に送信する。ユーザU1は、自身が行った点検作業の内容や点検作業の前または後の管理対象物の状態を、ユーザ端末210に文字で入力し、入力内容を作業管理装置100に送信してもよい。
【0068】
作業管理装置100は、ユーザ端末210から点検作業の作業結果を取得する(ステップSA20)。作業結果は、具体的には、ユーザ端末210が送信する撮影画像や文字である。
【0069】
作業管理装置100は、ステップSA20で取得した作業結果について、管理者U2の評価を得るための評価処理を実行する(ステップSA21)。
【0070】
図6は、点検作業管理システム1の動作を示すフローチャートであり、
図5のステップSA21における作業管理装置100と管理者端末250の動作を示す。
評価処理において、作業管理装置100は、ステップSA20で取得した、撮影画像を含む作業結果を、管理者端末250に送信する(ステップSA41)。
【0071】
管理者端末250は、作業結果を受信して、撮影画像に基づき管理対象物毎に評価値を決定する(ステップSB11)。ステップSB11では、管理者U2が評価値を決定してもよい。具体的には、管理者U2が管理者端末250を操作し、撮影画像を含む作業結果を閲覧し、管理対象物毎の評価値を入力する。また、ステップSB11で、管理者端末250が実行する処理によって評価値が決定されてもよい。具体的には、管理者端末250は、撮影画像223から管理対象物の撮影画像を抽出し、抽出した撮影画像と、作業管理装置100が送信した作業結果に含まれる撮影画像とを比較することにより、評価値を算出する。この場合、作業管理装置100は、ステップSA41で、作業結果とともに撮影画像223を送信してもよい。また、作業管理装置100は、ステップSA41で、撮影画像223を含むサービス拠点データ22を管理者端末250に送信してもよい。
【0072】
管理者端末250は、作業管理装置100に対して、管理対象物毎に決定した評価値を送信する(ステップSB12)。
作業管理装置100は、管理者端末250が送信する管理対象物毎の評価値を受信し、受信した評価値に基づいて、作業者が行った点検作業全体に対する評価を決定する(ステップSA42)。作業者が行った点検作業全体とは、作業管理装置100が依頼した1回の点検作業を指す。ステップSA42で、作業管理装置100は、例えば、管理対象物毎の評価値の合計値あるいは平均値を算出することによって、点検作業全体に対する評価値を決定する。
【0073】
図5に戻り、作業管理装置100は、点検作業全体の評価が、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップSA22)。所定の条件とは、例えば、ステップSA42で決定された評価値が、予め設定された基準値以上であることを指す。ここで、基準値は、予め作業管理装置100に設定され、例えばサービス拠点データ22に含めて記憶される。
【0074】
点検作業全体の評価が所定の条件を満たすと判定した場合(ステップSA22;YES)、作業管理装置100は、本処理を終了する。また、点検作業全体の評価が所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップSA22;NO)、作業管理装置100は、ステップSA13に戻り、サービス拠点700の点検作業の依頼を再度、実行する。これにより、サービス拠点700の点検作業が適切に行われなかった場合に、作業者の募集と点検作業をやり直すので、サービス拠点700を良好に維持管理できる。
【0075】
作業管理装置100は、ステップSA22で点検作業全体の評価が所定の条件を満たさないと判定して点検作業の依頼をやり直す場合、点検作業を行ったユーザU1を除外してもよい。具体的には、ステップSA17、SA26で作業者となるユーザU1を決定する処理において、点検作業全体の評価が所定の条件を満たさないと判定されたユーザU1を処理対象から除外し、作業者として選ばない処理を行ってもよい。この場合、点検作業おやり直しの頻度を低下させ、より効率よく管理対象物を維持管理できる。
【0076】
一方、外部のネットワークサービスを利用する場合(ステップSA13;YES)、作業管理装置100は、求人サービスサーバ400によって求人を行うための求人情報410を生成する(ステップSA23)。作業管理装置100は、生成した求人情報410を求人サービスサーバ400に送信する(ステップSA24)。これにより、求人サービスサーバ400が、求人情報410に基づく求人を行う。
【0077】
作業管理装置100は、求人サービスサーバ400から、求人に応募した応募者の情報を取得する(ステップSA25)。作業管理装置100は、求人サービスサーバ400から取得した応募者の情報をもとに、点検作業を行う作業者を決定する(ステップSA26)。ここで、作業管理装置100は、求人サービスサーバ400に対し、募集を停止することを通知する(ステップSA27)。これにより、求人サービスサーバ400は、ステップSA24で作業管理装置100が送信した求人情報410に基づく求人を終了する。
【0078】
作業管理装置100は、ステップSA26で作業者に決定した応募者に対し、作業依頼を通知する(ステップSA28)。作業依頼は、作業者に決定したことの通知を含む。また、作業依頼は、サービス拠点データ22に含まれる情報を含んでもよい。例えば、ステップSA28で、作業管理装置100は、作業内容224の内容をユーザ端末210に送信してもよい。ステップSA28で、作業管理装置100は、応募者に直接、通知を行ってもよいし、求人サービスサーバ400を経由して通知を応募者に送信してもよい。その後、作業管理装置100の処理は、ステップSA20に移行する。
【0079】
[5.他の実施形態]
上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、発明が適用される形態を限定するものではない。
【0080】
上記実施形態では、
図6に示す動作において、管理者端末250がサービス拠点700の管理対象物毎の評価を決定し、この管理対象物毎の評価に基づいて、作業管理装置100が点検作業全体に対する評価を決定する例を説明した。これは一例であり、例えば、管理者端末250において、点検作業全体に対する評価を決定してもよい。また、作業管理装置100が管理者端末250に作業結果を送信せず、作業管理装置100が、点検作業全体に対する評価を決定してもよい。この場合、作業管理装置100が、サービス拠点700の管理対象物毎の評価を決定してもよい。
【0081】
また、作業管理装置100は、単独のサーバコンピュータに限定されず、複数のサーバコンピュータによって分散処理を行う構成であってもよいし、クラウドサーバで構成されてもよい。
【0082】
図3は、本願発明の理解を容易にするために、点検作業管理システム1の各装置の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、装置の構成を限定するものではない。例えば、作業管理装置100において、プロセッサ10が備える構成要素の処理を、1つのハードウェアユニットにより実行してもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行してもよい。ユーザ端末210についても同様である。また、
図5~
図6に示した各処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0083】
制御用プログラム21は、可搬型の情報記録媒体に制御用プログラム21を記録させた状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。プロセッサ10は、情報記録媒体から制御用プログラム21を読み出して実行してもよい。
【0084】
[6.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0085】
(構成1)事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含む管理対象物についての点検作業を依頼する依頼処理部と、前記点検作業の結果を取得する作業結果取得部と、を備え、前記依頼処理部は、前記事業拠点を指定して、前記点検作業を実行する作業者の募集を行い、募集に応じた人物の中から前記作業者を決定し、決定した前記作業者に前記事業拠点の前記点検作業を依頼する、点検作業管理装置。
構成1の点検作業管理装置によれば、事業拠点に配置された物品の点検を行う作業者を効率よく確保することができ、物品の管理に要する負荷を軽減できる。
【0086】
(構成2)前記依頼処理部は、予め設定されたタイミングで前記作業者の募集を開始し、前記作業者を決定した後に募集を停止する、構成1記載の点検作業管理装置。
構成2の点検作業管理装置によれば、点検が必要なタイミングに合わせて、点検作業を行う作業者を確保できる。
【0087】
(構成3)前記作業者に応募する人物として登録されたユーザの情報を記憶するユーザ情報記憶部を備え、前記依頼処理部は、前記作業者の募集を開始する場合に、前記ユーザ情報記憶部に記憶された情報に基づいて前記ユーザに対して募集開始を通知する、構成2記載の点検作業管理装置。
構成3の点検作業管理装置によれば、予め情報が記憶されたユーザを対象として作業者を募集するので、より効率よく、点検作業を行う作業者を確保できる。
【0088】
(構成4)前記ユーザの評価を取得するユーザ評価取得部を備え、前記依頼処理部は、前記ユーザ評価取得部によって取得された評価が、予め設定された条件を満たす前記ユーザに対して募集開始を通知する、構成3記載の点検作業管理装置。
構成4の点検作業管理装置によれば、評価が良くないユーザを募集の対象から除外するので、点検作業の品質を維持することができる。
【0089】
(構成5)前記ユーザ評価取得部は、前記ユーザに対してネットワークサービスを提供するネットワークサービスサーバと通信を行うことにより、前記ネットワークサービスサーバから前記ユーザの評価を取得する、構成4記載の点検作業管理装置。
構成5の点検作業管理装置によれば、点検作業管理装置とは異なるサービスにおける評価を利用して、作業者を募集できるので、点検作業の品質を、より確実に維持することができる。
【0090】
(構成6)前記依頼処理部は、ジョブマッチングサービスを行うマッチングサービスサーバに対して、前記点検作業に関する求人情報を送信することによって、前記作業者の募集を開始する、構成1から構成5のいずれか1項に記載の点検作業管理装置。
構成6の点検作業管理装置によれば、ジョブマッチングサービスを利用して作業者を募集するので、点検作業を行う作業者を、より確実に確保できる。
【0091】
(構成7)前記点検作業は、前記掲示物の位置調整、前記展示物の位置調整、及び、前記配布用物品の補充の少なくともいずれかを含み、前記作業結果取得部は、前記管理対象物を撮影した撮影画像を、前記点検作業の結果として取得する、構成1から構成6のいずれか1項に記載の点検作業管理装置。
構成7の点検作業管理装置によれば、点検作業が行われた結果として撮影画像を取得することにより、客観的に評価が可能な形態で点検作業の結果を保存できる。これにより、点検作業の品質を維持できる。
【0092】
(構成8)前記作業者が行った点検作業の評価を受け付ける評価受付部と、前記評価受付部が受け付けた評価を前記作業者に対応付けて記憶する評価記憶部と、を備え、前記評価受付部は、前記作業結果取得部によって取得された前記撮影画像と評価依頼とを、評価を行う評価者に通知し、前記評価依頼に応じて前記評価者が送信する評価を受け付ける、構成7記載の点検作業管理装置。
構成8の点検作業管理装置によれば、点検作業が行われた結果を撮影画像に基づいて評価できる。これにより、点検作業の品質を公平に評価することができ、点検作業の品質を維持できる。
【0093】
(構成9)前記評価受付部が受け付けた評価が所定の条件を満たさない場合に、前記依頼処理部によって前記作業者の募集を開始する、構成8記載の点検作業管理装置。
構成9の点検作業管理装置によれば、点検作業の品質が条件を満たさない場合に、作業者の募集と点検作業をやり直すことができる。これにより、事業拠点を良好な状態で維持できる。
【0094】
(構成10)事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含む管理対象物についての点検作業を依頼する処理と、前記点検作業の結果を取得する処理と、を含み、前記管理対象物は、前記事業拠点に配置された掲示物、展示物及び配布用物品の少なくともいずれかを含み、前記点検作業を依頼する処理において、前記事業拠点を指定して、前記点検作業を実行する作業者の募集を行い、募集に応じた人物の中から前記作業者を決定し、決定した前記作業者に前記事業拠点の前記点検作業を依頼する、点検作業管理方法。
構成10の点検作業管理方法によれば、事業拠点に配置された物品の点検を行う作業者を効率よく確保することができ、物品の管理に要する負荷を軽減できる。
【符号の説明】
【0095】
1…点検作業管理システム、10…プロセッサ、11…ユーザ登録部、12…ユーザ評価取得部、13…依頼処理部、14…作業結果取得部、15…評価受付部、20…記憶部、21…制御用プログラム、22…サービス拠点データ、23…ユーザデータ、24…作業依頼データ、25…作業結果データ、30…通信部、100…作業管理装置(点検作業管理装置)、210、210A、210B…ユーザ端末、221…位置データ、222…管理対象物データ、223…撮影画像、224…作業内容、250…管理者端末、300…ウェブサービスサーバ(ネットワークサービスサーバ)、310…会員情報、400…求人サービスサーバ(マッチングサービスサーバ)、410…求人情報、500…通信ネットワーク、700…サービス拠点(事業拠点)、701…駐車場、702…建屋、711…スタンド式看板(管理対象物)、712…配布物(管理対象物)、713…配布物ケース、714…のぼり旗(管理対象物)、715…看板(管理対象物)、U1…ユーザ(作業者)、U2…管理者。