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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148426
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】免震体矯正装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/02 20060101AFI20220929BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20220929BHJP
   F16F 15/04 20060101ALI20220929BHJP
   F16F 1/40 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
E04H9/02 331Z
E04G23/02 C
F16F15/04 P
F16F1/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050104
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000156640
【氏名又は名称】間瀬建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川越 耕治
【テーマコード(参考)】
2E139
2E176
3J048
3J059
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AC19
2E139CA02
2E139CB05
2E176AA01
2E176AA07
2E176BB23
2E176BB27
3J048AA01
3J048BA08
3J048DA01
3J048EA38
3J059AE03
3J059BA43
3J059BC06
3J059BD01
3J059BD05
3J059GA42
(57)【要約】
【課題】組立が容易で小型な構成にしつつ、免震体の変形を効率よく矯正できる免震体矯正装置及び免震体矯正方法を提供する。
【解決手段】免震体矯正装置100は、建築物の下部基礎11と上部基礎13との間に配置され、変形又は変位する免震体3を備えた免震装置において、免震体3に残存した変形又は変位を元に戻す。免震体3の変形又は変位により生じる上部基礎13の変位の変位先側と反対側の下部基礎11の側面に少なくとも当接する固定部材21と、上部基礎13の変位先側の側面に当接する駆動部材23と、駆動部材23に接続され、免震体3の変形又は変位を戻す矯正方向を伸縮方向にして、矯正方向の荷重を駆動部材23へ負荷するジャッキ25と、基端部が固定部材21に固定され、先端部にジャッキ25が支持される支持柱42とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の下部基礎と上部基礎との間に配置され、変形又は変位する免震体を備えた免震装置において、前記免震体に残存した変形又は変位を元に戻す免震体矯正装置であって、
前記免震体の前記変形又は変位により生じる前記上部基礎の変位の変位先側と反対側の前記下部基礎の側面に少なくとも当接する固定部材と、
前記上部基礎の前記変位先側の側面に当接する駆動部材と、
前記駆動部材に接続され、前記免震体の前記変形又は変位を戻す矯正方向を伸縮方向にして、前記矯正方向の荷重を前記駆動部材へ負荷するジャッキと、
基端部が前記固定部材に固定され、先端部に前記ジャッキが支持される支持柱と、
を備える免震体矯正装置。
【請求項2】
前記ジャッキは、前記駆動部材の前記上部基礎とは反対側に配置され、前記駆動部材を前記上部基礎に向けて押圧する荷重を発生する、
請求項1に記載の免震体矯正装置。
【請求項3】
前記ジャッキは、前記駆動部材よりも前記上部基礎側に配置され、前記駆動部材を前記矯正方向に牽引する荷重を発生する、
請求項1に記載の免震体矯正装置。
【請求項4】
前記ジャッキは、前記上部基礎を挟んで一対設けられ、
前記支持柱の基端部は、前記矯正方向に関して、前記上部基礎の配置領域と重なる位置で前記固定部材と接続されている、
請求項3に記載の免震体矯正装置。
【請求項5】
前記ジャッキは、前記上部基礎の下端よりも上方に配置されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の免震体矯正装置。
【請求項6】
前記ジャッキは、前記矯正方向に関して、前記上部基礎の配置領域と少なくとも一部が重なる位置に配置されている、
請求項3~5のいずれか1項に記載の免震体矯正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震体矯正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の下部基礎と上部基礎との間に、免震体を有する免震装置を配置した免震構造が広く用いられている。このような免震装置において、地震時に建築物が揺れて免震体に残留変位が生じた場合に、その残留変位を解消させる装置が知られている(例えば特許文献1)。この装置は、建築物の床下の狭隘なスペースに設置されるため、組立が容易で小型な構成にすることが要望されている。
例えば特許文献1には、下部構造体の上面に設けられた下部台座と、上部構造体の下面に設けられた上部台座と、の間に取り付けた免震装置において、下部構造体の上面に載置された枠体と、枠体から起立した楔受け部材との間に楔部材を嵌め込み、この楔部材をジャッキにより上方へ押し上げる構成の残留変形修正装置が開示されている。特許文献1には、楔部材の挿入によって上部構造体を定位置へ押し戻し、免震装置に生じた残留変形を解消する、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-133292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の残留変形修正装置では、上部構造体の側面と楔受け部材との間へ楔部材を上側に押し込む構造であるため、水平方向の変形を矯正するストロークが短い。そのため、所要の矯正動作を完了させるには、楔部材を複数回繰り返し押し込む必要があり、作業が煩雑になることが避けられない。
【0005】
そこで本発明は、組立が容易で小型な構成にしつつ、免震体の変形を効率よく矯正できる免震体矯正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は下記の構成からなる。
建築物の下部基礎と上部基礎との間に配置され、変形又は変位する免震体を備えた免震装置において、前記免震体に残存した変形又は変位を元に戻す免震体矯正装置であって、
前記免震体の前記変形又は変位により生じる前記上部基礎の変位の変位先側と反対側の前記下部基礎の側面に少なくとも当接する固定部材と、
前記上部基礎の前記変位先側の側面に当接する駆動部材と、
前記駆動部材に接続され、前記免震体の前記変形又は変位を戻す矯正方向を伸縮方向にして、前記矯正方向の荷重を前記駆動部材へ負荷するジャッキと、
基端部が前記固定部材に固定され、先端部に前記ジャッキが支持される支持柱と、
を備える免震体矯正装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、組立が容易で小型な構成にしつつ、免震体の変形を効率よく矯正できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1構成例の免震体矯正装置を示す斜視図である。
図2図2は、第1構成例の免震体矯正装置の側面図である。
図3図3は、免震装置の一部を断面で示した概略構成図である。
図4図4は、図2におけるIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、図2におけるV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、免震体矯正装置による免震装置の免震体の矯正の手順を示す説明図であって、(A)は矯正前における側面図、(B)は矯正後における側面図である。
図7図7は、平面視において斜めに変形した免震装置の免震体の矯正の手順を示す模式図である。
図8図8は、第2構成例の免震体矯正装置を示す斜視図である。
図9図9は、第2構成例の免震体矯正装置の側面図である。
図10図10は、図9におけるX-X線に沿った断面図である。
図11図11は、図9におけるXI-XI線に沿った断面図である。
図12図12は、免震体矯正装置による免震装置の免震体の矯正の手順を示す説明図であって、(A)は矯正前における側面図、(B)は矯正後における側面図である。
図13図13は、支持柱の変形例を示す免震体矯正装置の側面図である。
図14図14は、積層ゴムの変形と、滑り板との滑りとを発生できる弾性すべり支承構造の免震装置の一部断面を示す要部構成図である。
図15図15は、図14に示す免震装置を下部基礎と上部基礎との間に配置した場合の平常時の状態を(A)、変位発生時の状態を(B)に示す免震装置の動作説明図である。
図16図16は、球面滑り支承型の免震装置を示す図で、平常時の状態を(A)、変位発生時の状態を(B)に示す免震装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1構成例>
まず、第1構成例の免震体矯正装置について説明する。
図1は、第1構成例の免震体矯正装置100を示す斜視図である。図2は、第1構成例の免震体矯正装置100の側面図である。
【0010】
図1及び図2に示すように、建築物の下部基礎11と上部基礎13との間に免震装置1が設けられている。免震体矯正装置100は、免震装置1が設けられた下部基礎11及び上部基礎13に組み付けられ、免震装置1の免震体3を変形前の形状に矯正する装置である。下部基礎11及び上部基礎13は、それぞれ断面視矩形状に形成されている。
【0011】
下部基礎11は、床面15から上方へ突出されており、上部基礎13は、建築物の上層の底部から下方へ延在されている。下部基礎11の上面には免震装置1の下部フランジ17が固定され、上部基礎13の下面には免震装置1の上部フランジ19が固定されている。
【0012】
図3は、免震装置1の一部を断面で示した概略構成図である。
免震装置1は、下部フランジ17と、上部フランジ19と、これらの間に一体に設けられた免震体3とを有する。免震体3は、例えば、板状のゴム材3aと鋼板3bとを交互に積層させた円柱状又は四角柱状の積層体で構成される。下部フランジ17及び上部フランジ19の形状は任意であり、四角形に限らず円形等の適宜な形状であってもよい。この免震装置1は、板状のゴム材3aが鋼板3b同士の間で変形することで、建築物を支持しつつ地震の揺れを吸収(緩和)する。
【0013】
この免震装置1は、免震機能を発揮した際に免震体3が傾斜するように変形するが、振動停止後、免震体3が元の形状に戻らずに積層方向から傾斜したままになることがある。本構成の免震体矯正装置100は、上記のように変形が残存した免震装置1の免震体3を、上部基礎13を押圧することにより、上部基礎13の変位先側と反対側(矯正方向)に押し戻し、免震体3を変形前の元の形状に矯正する押圧式の矯正装置である。
【0014】
免震体矯正装置100は、固定部材21と、駆動部材23と、複数(ここでは2つ)のジャッキ25と、一対の支持柱42とを備える。
概略的に構成を説明すると、固定部材21は、免震体3の変形による上部基礎13の変位先側と反対側(図6の(A)における左側)の下部基礎11の側面に少なくとも当接する部材である。
駆動部材23は、上部基礎13の変位先側(図6の(A)における右側)の側面に当接する部材である。
2つのジャッキ25は、それぞれ駆動部材23に接続され、免震体3の変形を戻すための矯正方向の荷重を駆動部材23へ水平に負荷する。
一対の支持柱42は、それぞれ基端部が固定部材21に固定され、先端部にジャッキ25が支持される。
【0015】
更に詳細には、固定部材21は、断面が矩形状の下部基礎11の4つの側面を囲んで配置されている。固定部材21は、一対の側部材31と、一対の連結部材33,35とを有する。一対の側部材31は、下部基礎11の一対の対向する側面に沿って互いに平行に配置されている。一対の連結部材33,35は、下部基礎11の残りの側面に沿って互いに平行に配置され、その両端部がそれぞれ側部材31に固定されている。つまり、一対の側部材31と連結部材33,35とは、下部基礎11を囲む枠体を構成している。また、一対の側部材31には、支持柱42がそれぞれ立設されている。
【0016】
駆動部材23は、上部基礎13に対向して上部基礎13の幅方向に沿って配置され、この一側面に宛がわれる。
【0017】
側部材31、連結部材33,35及び駆動部材23は、例えば、H形鋼、溝形鋼等の高剛性の棒状の部材で構成される。支持柱42も鋼材により構成される。
【0018】
一対の側部材31及び一対の連結部材33,35の組み付けには、ボルト・ナット等の締結具を用いて締結することが好ましい。図示はしないが、側部材31、連結部材33,35には複数の固定用の開口が形成され、下部基礎11のサイズ、形状に応じて適宜な開口を利用して相互に接合される。これによれば、基礎のサイズによらずに汎用性が高められ、部材の流用が可能となり低コスト化が図れる。また、各部材を溶接により接合して、接合強度をより高めた構成にしてもよい。
【0019】
支持柱42は、柱部37と補強板41とを有し、側部材31の上面にそれぞれ固定されている。一対の支持柱42の基端部は、それぞれの側部材31における連結部材33側とは逆の他端側に、締結具又は溶接等によって接合される。補強板41は、柱部37と側部材31とが交差する隅部のうち、側部材31の連結部材35とは反対側の隅部に締結具又は溶接によって接合されている。補強板41は、側部材31に立設された柱部37を補強する。
【0020】
ジャッキ25は、固定部材21に立設された支持柱42の上端部にそれぞれ固定される。これらジャッキ25は、例えば油圧式のジャッキであり、本体部45と、ロッド47とを有する。ロッド47は、本体部45の圧力制御された油圧に応じて伸縮する。ロッド47の先端部には、駆動部材23が押し当て可能に配置される。このように、各ジャッキ25は、駆動部材23の長手方向に沿った複数箇所(ここでは2箇所)に設けられ、ロッド47の伸縮方向を、水平で且つ互いに平行になるように配置されている。つまり、ロッド47の伸縮方向は、免震体3の矯正方向と一致している。
【0021】
各ジャッキ25は、上部基礎13の幅方向中央から駆動部材23の長手方向に沿って等距離となる位置に配置される。また、各ジャッキ25は、上部基礎13の下端よりも上方に配置されることが好ましい。なお、ジャッキ25を3つ以上設ける場合には、互いの配置間隔を均等にし、駆動部材23の長手方向における上部基礎13の中心位置から対称となる位置に配置する。
【0022】
ジャッキ25は、水平方向に沿って複数個を配置することに加えて、鉛直方向にも複数個を配置した構成にしてもよく、必要とされる押圧力に応じて設置数を増やすことができる。ジャッキ25は、油圧式の他、ねじジャッキ、エアージャッキ等の他の方式のものであってもよい。
【0023】
次に、上記の免震体矯正装置100による免震体3の矯正手順を説明する。
図4は、図2におけるIV-IV線に沿った断面図である。図5は、図2におけるV-V線に沿った断面図である。図6は、免震体矯正装置100による免震装置1の免震体3の矯正の手順を示す説明図であって、(A)は矯正前における側面図、(B)は矯正後における側面図である。
【0024】
まず、図4及び図5に示すように、免震体矯正装置100の固定部材21を下部基礎11に組み付ける。具体的には、免震体3の変形による上部基礎13の移動先側と反対側の下部基礎11の側面に、一方の連結部材33を配置する。また、連結部材33の両端に下部基礎11を跨いで一対の側部材31を配置する。そして、下部基礎11の連結部材33の反対側の側面に他方の連結部材35を配置して、下部基礎11を囲んだ状態に各部材を組み付ける。これにより、図5に示すように、固定部材21が、下部基礎11の周囲に枠体となって固定される。そして、駆動部材23を、ジャッキ25のロッド47の先端に配置して、上部基礎13の側面に宛がうように組み付ける。
【0025】
次に、図6の(B)に示すように、各ジャッキ25を作動させてロッド47を上部基礎13に向けて突出させる。すると、駆動部材23が上部基礎13を押圧し、上部基礎13に、免震体3の変形方向の反対側へ向かう矯正方向Pへの荷重が負荷される。これにより、免震体3は矯正方向Pへ押し戻されて、その形状が矯正される。
【0026】
このように、本構成の免震体矯正装置100によれば、建築物の下部基礎11及び上部基礎13に免震体矯正装置100を簡単に組み付けでき、ジャッキ25により上部基礎13に矯正方向への荷重を負荷することで免震体3の変形を矯正できる。このとき、下部基礎11の周囲には、一対の連結部材33,35及び一対の側部材31により枠体(ラーメン構造)となった固定部材21が配置されるため、連結部材33に負荷される荷重への耐性が高められる。
【0027】
また、ジャッキ25は、伸縮方向を水平にして配置されるため、ジャッキ25の可動ストロークに応じた長いストロークで駆動部材23を水平に押圧できる。したがって、免震体3の変形の矯正を、一回の押し出し動作で、又は少ない回数で完了でき、作業効率よく、短時間で行える。
【0028】
また、ジャッキ25が駆動部材23よりも押圧方向の後方側(図6の(A)における下部基礎11よりも右側)に配置されるため、下部基礎11の連結部材33より前方側(図6の(A)における下部基礎11よりも左側)のスペースが狭くても免震体矯正装置100を設置できる。さらに、上下方向に関しても、ジャッキ25が支持柱42によって上部基礎13側に持ち上げられて配置されるため、下部基礎11側でのジャッキ25の配置に必要な空間を小さくでき、下部基礎11側に要する免震体矯正装置100の配置スペースを小さくできる。
【0029】
さらに、複数のジャッキ25が、ロッド47の伸縮方向を互いに平行にして配置され、上部基礎13の幅方向中央から駆動部材23の長手方向に沿って等距離に配置されるため、複数のジャッキ25からの荷重が偏らず、駆動部材23介して上部基礎13に均等にバランスよく負荷できる。
【0030】
また、駆動部材23としてH形鋼、溝形鋼等の鋼材を用いることにより、荷重負荷時の駆動部材23自体の変形を抑制でき、これによっても均等な荷重負荷が行える。
【0031】
ところで、免震装置1の免震体3は、平面視において、矩形状の下部基礎11及び上部基礎13に対して、それぞれの側面と直交する方向に変形が残留するとは限らない。例えば、図7に示すように、水平面内におけるX方向と、X方向に直交するY方向との双方に免震体3の変形が残存する場合もある。
【0032】
このような変形が残存した免震体3を免震体矯正装置100によって矯正する場合、まず、X方向について、免震体3の変形方向と逆の矯正方向P1へ押し戻して免震体3を矯正する。その後、免震体矯正装置100の下部基礎11に対する組付け方向を90°変換し、Y方向について、免震体3の変形方向と逆の矯正方向P2へ押し戻して免震体3を矯正する。このようにすれば、断面が矩形状の下部基礎11及び上部基礎13の側面に、免震体3が平面視で傾いて変形している場合であっても、この免震体3の残存変形を矯正できる。その場合、本構成の免震体矯正装置100が、ボルト・ナットによる締結具により組み付ける構成であると、同じ部材を使用した再設置が可能となる。
【0033】
<第2構成例>
次に、第2構成例の免震体矯正装置について説明する。
図8は、第2構成例の免震体矯正装置200を示す斜視図である。図9は、第2構成例の免震体矯正装置200の側面図である。以下の説明では、前述と同一の部材、部位については同一の符号を付与することで、その説明を省略又は簡単化する。
【0034】
図8及び図9に示すように、第2構成例の免震体矯正装置200は、第1構成例の場合と同様に免震装置1が設けられた建築物の下部基礎11及び上部基礎13に組み付けられ、免震装置1の免震体3を変形前の元の形状に矯正する装置である。ただし、第2構成例の免震体矯正装置200は、上部基礎13を牽引することにより、免震体3を上部基礎13の変位先側の反対側へ引き戻して矯正する、牽引式の矯正装置となっている。
【0035】
免震体矯正装置200は、固定部材51と、駆動部材53と、複数(ここでは2つ)のジャッキ55と、一対の支持柱72とを備える。
固定部材51は、免震体3の変形による上部基礎13の変位先側と反対側(図12の(A)における左側)の下部基礎11の側面に少なくとも当接する部材である。
駆動部材53は、固定部材51と、上部基礎13の変位先側(図12の(A)における右側)の側面に当接する部材である。
ジャッキ55は、それぞれ駆動部材53に接続され、免震体3の変形を戻す矯正方向の荷重を駆動部材53へ水平に負荷する。
一対の支持柱72は、基端部が固定部材51に固定され、先端部にジャッキ55が支持される。
【0036】
更に詳細には、固定部材51は、下部基礎11を囲んで配置されており、下部基礎11の側面に沿って互いに平行に配置された一対の側部材61と、両端部がそれぞれ側部材61に固定された連結部材63,65と、を有する。また、一対の側部材61には、支持柱72がそれぞれ立設されている。
【0037】
一方の連結部材63は、その両端が側部材61の長手方向の一端部にそれぞれ固定され、他方の連結部材65は、その両端が側部材61における長手方向の他端部に接合されている。つまり、一対の側部材61と連結部材33,35とは、下部基礎11を囲む枠体を構成している。この固定部材51を構成する一対の側部材61及び連結部材63,65は、前述したように互いにボルト・ナット等の締結具によって締結されることが好ましい。また、各部材を溶接により接合して、接合強度をより高めた構成にしてもよい。
【0038】
支持柱72は、柱部67と補強板71とを有し、一対の側部材61の上面にそれぞれ固定されている。一対の支持柱72の基端部は、それぞれの側部材61における連結部材63と連結部材65との間に締結具又は溶接等によって接合される。補強板71は、柱部67と側部材61とが交差する隅部のうち、側部材61の他端部側の隅部に締結具又は溶接によって接合されている。補強板71は、側部材61に立設された柱部67を補強する。支持柱72の基端部は、免震体3の矯正方向に関して、上部基礎13の配置領域と重なる位置で固定部材51と接続されている。
【0039】
駆動部材53は、上部基礎13に対向して上部基礎13の幅方向に沿って配置され、この一側面に宛がわれる。
【0040】
側部材61、連結部材63,65及び駆動部材53は、例えば、H形鋼、溝形鋼等の高剛性の棒状の部材で構成される。支持柱72も鋼材により構成される。
【0041】
ジャッキ55は、固定部材51に立設された支持柱72の上端部にそれぞれ押し当て可能に配置される。これらジャッキ55は、例えば油圧式の引張ジャッキであり、貫通部を有する円筒状の本体部75と、本体部75の貫通部内で支持された円筒状のロッド77とを有する。ロッド77は、本体部75の圧力制御された油圧によって本体部75に対して伸縮する。円筒状のロッド77の内部には、長尺状の棒体78が挿通される。棒体78の一端は、ロッド77の先端部にナット76により固定され、棒体78とロッド77とが一体になる。棒体78の他端は、駆動部材53に形成された穴部53a及び柱部67に形成された孔部67a(図10参照)に挿通され、棒体78の端部がナット79によって駆動部材53に固定される。
【0042】
また、ジャッキ55は、駆動部材53の長手方向に沿った複数箇所(ここでは2箇所)に配置され、ロッド77の伸縮方向、つまり棒体78が移動する牽引方向を水平にし、ロッド77及び棒体78の組同士が互いに平行になるように配置されている。つまり、ロッド77の伸縮方向は、免震体3の矯正方向と一致している。
【0043】
ジャッキ55は、駆動部材53の長手方向に関して、上部基礎13の両脇にそれぞれ配置されており、長手方向に直交する矯正方向に関して、上部基礎13の配置領域と少なくとも一部が重なる位置に配置されている。
【0044】
そして、各ジャッキ55は、上部基礎13の幅方向中央から駆動部材53の長手方向に沿って等距離となる位置に配置される。また、ジャッキ55は、上部基礎13の下端よりも上方に配置されることが好ましい。
【0045】
ジャッキ55は、水平方向に沿って複数個を配置することに加えて、鉛直方向にも複数個を配置した構成にしてもよく、必要とされる押圧力に応じて設置数を増やすことができる。上記したジャッキ55は、前述したジャッキ25と同様に、油圧式の他、ねじジャッキ、エアージャッキ等の他の方式のものであってもよい。
【0046】
次に、上記の免震体矯正装置200による免震体3の矯正手順について説明する。
図10は、図9におけるX-X線に沿った断面図である。図11は、図9におけるXI-XI線に沿った断面図である。図12は、免震体矯正装置200による免震装置1の免震体3の矯正の手順を示す説明図であって、(A)は矯正前における側面図、(B)は矯正後における側面図である。
【0047】
まず、図10及び図11に示すように、免震体矯正装置200の固定部材51を下部基礎11に組み付ける。具体的には、免震体3の変形による上部基礎13の移動先側と反対側の下部基礎11の側面に一方の連結部材63を配置する。また、連結部材63の両端に下部基礎11を跨いで一対の側部材61を配置する。そして、下部基礎11の連結部材63の反対側の側面に他方の連結部材65を配置して、下部基礎11を囲んだ状態に各部材を組み付ける。これにより、図11に示すように、固定部材51が、下部基礎11の周囲に枠体となって固定される。そして、駆動部材53を、免震体3の変形による上部基礎13の移動先側の側面に宛がうように組み付ける。
【0048】
次に、図12の(B)に示すように、各ジャッキ55を作動させてロッド77を上部基礎13に向けて突出させる。すると、駆動部材53が上部基礎13を押圧し、上部基礎13には、免震体3の変形方向の反対側へ向かう矯正方向Pへの荷重が負荷される。これにより、免震体3は矯正方向Pへ引き戻されて、その形状が矯正される。
【0049】
このように、本構成の免震体矯正装置200によれば、前述した免震体矯正装置100による効果に加え、支持柱72の基端部が、矯正方向に関して、上部基礎13の配置領域と重なる位置で固定部材51と接続されている。これにより、支持柱72は、下部基礎11及び上部基礎13からの矯正方向に沿った突出が小さくなり、免震体矯正装置200の小型化が図れる。
【0050】
また、支持柱72に宛がわれるジャッキ55についても、矯正方向に関して、少なくとも一部が上部基礎13の配置領域と重なる位置に配置されている。これによっても免震体矯正装置200の小型化が図れる。さらに、上下方向に関しても、ジャッキ55が支持柱72によって上部基礎13側に持ち上げられて配置される。そのため、下部基礎11側でのジャッキ55の配置に必要な空間を小さくでき、下部基礎11側に要する免震体矯正装置200の配置スペースを小さくできる。
【0051】
よって、免震体矯正装置200の設置スペースが、前述した第1構成例の場合よりも小さくなり、設置自由度を向上できる。また、床面15に既設の配管等を除去する作業を不要することもでき、設置作業が煩雑にならずに済む。
【0052】
そして、免震体矯正装置200は、駆動部材53をジャッキ55で牽引する構造であるので、棒体78は座屈強度まで考慮することなく所要の引張強度を持たせるだけでよく、装置の小型化に寄与できる。
【0053】
また、本構成においても図6に示すX方向の矯正動作とY方向の矯正動作は、第1構成例の場合と同様である。
【0054】
次に、上記構成の免震体矯正装置100、200の変形例を説明する。
<変形例1>
前述した支持柱42,72は、柱部37,67と補強板41,71とを有して構成されていたが、形状はこれに限らない。
図13は、支持柱の変形例を示す免震体矯正装置の側面図である。
図13に示す免震体矯正装置300は、第2構成例の免震体矯正装置200の支持柱を変更している点以外は、第2構成例の免震体矯正装置200と同様の構成である。
本構成の支持柱81は、固定部材51の側部材61に固定される基端部81aと、複数のジャッキ55を支持する棒状の支持部材83が固定される先端部81bと、基端部81aと先端部81bとを連結する連結部81cとを有する。基端部81aと連結部81cと先端部81bとの連結方向は、水平方向からジャッキ55に向けて傾斜している。これにより、ジャッキ55による引張力の反力を、固定部材51側で確実に受け止め、高強度なアンカー効果と変形防止効果が得られる。
【0055】
この場合も、支持柱81の基端部81aは、矯正方向Pに関して、上部基礎13の配置領域と重なる位置で固定部材51と接続されている。これにより、支持柱81は、下部基礎11及び上部基礎13からの矯正方向Pに沿った突出が小さくなり、免震体矯正装置300の小型化が図れる。
【0056】
また、図13の奥行き方向に延びる支持部材83を介して2つジャッキ55が取り付けられるため、更にバランスよく駆動部材53を牽引できる。また、支持柱81は、更に先端部81bと側部材61とを連結する補助部材85を備えていてもよい。その場合、牽引方向に直交する支持部材83の長手方向にも棒体78を拘束できるため、引張力を更に高めることができる。
【0057】
<変形例2>
また、免震装置は、前述した図3に示すゴム材3aと鋼板3bとが積層されて変形する積層ゴム免震装置の構成に限らない。
図14は、積層ゴムの変形と、滑り板との滑りとを発生できる弾性すべり支承構造の免震装置1Aの一部断面を示す要部構成図である。
図14に示すように、免震装置1Aは、ゴム材と鋼板とが積層されて弾性変形が可能な積層ゴム部87と、積層ゴム部87の上下面に設けられた連結鋼板88A,88Bと、上部フランジ19A及び不図示の下部フランジとを有する。一方の連結鋼板88Aは上部フランジ19Aに固定され、他方の連結鋼板88Bには滑り材89が設けられている。滑り材89には、不図示の下部フランジが突き合わされ、滑り移動が可能となる。
【0058】
図15は、図14に示す免震装置1Aを下部基礎11と上部基礎13との間に配置した場合の平常時の状態を(A)、変位発生時の状態を(B)に示す免震装置1Aの動作説明図である。
図15の(A)に示すように、上部フランジ19Aは上部基礎13の下面に設けられ、下部フランジ17Aは下部基礎11の上面に設けられる。下部フランジ17Aは、上部フランジ19Aよりも広く形成され、その表面に滑り材91が設けられている。この滑り材91は、連結鋼板88Bに設けられた滑り材89と滑り移動が可能に接触する。
【0059】
この免震装置1Aでは、地震動によって上部基礎13を、例えば図15の(A)に示す状態から、図15の(B)に示す状態に移動が可能となる。図15の(B)には、積層ゴム部87が水平方向に距離L1で変形し、さらに滑り材89,91同士が水平方向に距離L2で滑った状態を示している。微震動では積層ゴム部87の弾性変形で済むが、強震動では積層ゴム部87の弾性変形に加えて滑り材89,91による滑りを発生する。これにより、より大きな免震機能を発揮できるようになる。つまり、本構成の免震装置1Aでは、積層ゴム部87と滑り材89,91とが免震体として機能する。
【0060】
このような免震装置1Aでは、積層ゴム部87に残存する変形と、滑りによる移動との双方を元に戻す矯正が必要となる。その場合、矯正のための上部基礎13の移動ストロークが長く必要となるが、前述した各構成の免震体矯正装置100,200,300は、いずれもジャッキ25,55の伸縮方向を水平方向、即ち矯正方向にして配置されている。そのため、ジャッキ25,55の可動ストロークをそのまま上部基礎13の移動に利用できる。よって、例えば、ジャッキによりくさびを打ち込み、くさび効果によって矯正する方式と比較して、格段に効率よく上部基礎13を移動できる。
【0061】
<変形例3>
また、免震装置は、弾性変形する部材を含む構成に限らず、剛体同士の滑りのみを利用した機構であってもよい。
図16は、球面滑り支承型の免震装置1Bを示す図で、平常時の状態を(A)、変位発生時の状態を(B)に示す免震装置1Bの動作説明図である。
図16の(A)に示すように、免震装置1Bは、球面状の凹部を有する一対のステンレス製の鋼板93,95と、凹部同士を対向させた鋼板93,95同士の間に配置する鋼製のスライダ97とを有する。
【0062】
スライダ97の表面には、例えばテフロン(登録商標)系の滑り材が設けられ、鋼板93,95の凹部内の球面を滑るようになっている。この免震装置1Bによれば、図16の(B)に示すように、スライダ97が鋼板93,95の凹部で滑ることで、上部基礎13の移動が可能となる。つまり、本構成の免震装置1Bでは、スライダ97と鋼板93,95とが免震体として機能する。
【0063】
このような免震装置1Bでは、上部基礎13の移動量L3が、前述した積層ゴムの弾性変形量と比較して大きく、残存した移動を元に戻す矯正をするためには長いストロークが必要になる。この場合においても、前述した各構成の免震体矯正装置100,200,300によって、効率よく上部基礎13を移動できる。
【0064】
さらに免震装置は、図示は省略するが、ボールベアリングを用いた直動機構(リニアガイド)を交差させて組み合わせることにより、任意の水平方向に移動自在な支持装置(転がり免震装置)を用いた構成であってもよい。また、ボールねじを利用して、建物の変形より発生する軸方向の伸縮を回転運動に変換、増幅し、回転部に充填した粘性流体の抵抗で振動エネルギを吸収する増幅機構付き減衰装置(粘性減衰装置)であってもよい。いずれの場合にも、上記同様に効率よく上部基礎13を移動できる。
【0065】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、第1構成例の免震体矯正装置100の固定部材21と第2構成例200の固定部材51は、下部基礎11の4辺を囲んで形成されているが、荷重を負荷する側と反対側の辺に沿った連結部材35,65を、荷重の大きさに応じて省略することもできる。つまり、固定部材21,51は、下部基礎11の必ずしも全周を囲む枠状でなくてもよい。
【0066】
また、固定部材21,51は、下部基礎11の周囲に複数本の鋼材を並べて接合した構成にしてもよい。その場合、耐荷重性が向上して、より大きな荷重を付与できる。
【0067】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 建築物の下部基礎と上部基礎との間に配置され、変形又は変位する免震体を備えた免震装置において、前記免震体に残存した変形又は変位を元に戻す免震体矯正装置であって、
前記免震体の前記変形又は変位により生じる前記上部基礎の変位の変位先側と反対側の前記下部基礎の側面に少なくとも当接する固定部材と、
前記上部基礎の前記変位先側の側面に当接する駆動部材と、
前記駆動部材に接続され、前記免震体の前記変形又は変位を戻す矯正方向を伸縮方向にして、前記矯正方向の荷重を前記駆動部材へ負荷するジャッキと、
基端部が前記固定部材に固定され、先端部に前記ジャッキが支持される支持柱と、
を備える免震体矯正装置。
この免震体矯正装置によれば、ジャッキの伸縮方向を矯正方向にすることで、免震体の変形又は変位を戻す矯正方向に直接的に荷重を負荷できるため、ジャッキの可動ストロークの全体を矯正のストローク長として使用でき、矯正ストロークが長くなる。これにより、矯正のための移動距離が長い場合でも矯正作業が煩雑とならずに済む。
【0068】
(2) 前記ジャッキは、前記駆動部材の前記上部基礎とは反対側に配置され、前記駆動部材を前記上部基礎に向けて押圧する荷重を発生する、(1)に記載の免震体矯正装置。
この免震体矯正装置によれば、ジャッキによって駆動部材を矯正方向へ押圧することにより、上部基礎を矯正方向へ変位させ、免震体の変形又は変位を矯正できる。
【0069】
(3) 前記ジャッキは、前記駆動部材よりも前記上部基礎側に配置され、前記駆動部材を前記矯正方向に牽引する荷重を発生する、(1)に記載の免震体矯正装置。
この免震体矯正装置によれば、ジャッキによって駆動部材を矯正方向へ牽引することにより、上部基礎を矯正方向へ変位させ、免震体の変形又は変位を矯正できる。
【0070】
(4) 前記ジャッキは、前記上部基礎を挟んで一対設けられ、
前記支持柱の基端部は、前記矯正方向に関して、前記上部基礎の配置領域と重なる位置で前記固定部材と接続されている、(3)に記載の免震体矯正装置。
この免震体矯正装置によれば、上部基礎の両脇に配置されたジャッキによって、駆動部材をバランスよく牽引できる。また、上部基礎の配置領域と重なって支持柱が配置されるので、矯正方向の前後における設置スペースが小さくて済む。
【0071】
(5) 前記ジャッキは、前記上部基礎の下端よりも上方に配置されている、(1)~(4)のいずれか1つに記載の免震体矯正装置。
この免震体矯正装置によれば、床面に配置された他の部材との干渉が抑制されるため、免震体矯正装置の設置自由度を向上できる。
【0072】
(6) 前記ジャッキは、前記矯正方向に関して、前記上部基礎の配置領域と少なくとも一部が重なる位置に配置されている、(3)~(5)のいずれか1つに記載の免震体矯正装置。
この免震体矯正装置によれば、上部基礎の配置領域と重なってジャッキが配置されるので、上部基礎の矯正方向に沿ったジャッキの突出が抑制され、設置スペースを小さくできる。
【符号の説明】
【0073】
1,1A,1B 免震装置
3 免震体
11 下部基礎
13 上部基礎
21,51 固定部材
23,53 駆動部材
25,55 ジャッキ
87 積層ゴム部(免震体)
89,91 滑り材(免震体)
97 スライダ(免震体)
93,95 鋼板(免震体)
100,200,300 免震体矯正装置
P,P1,P2 矯正方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16