IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

<>
  • 特開-表示処理システム 図1
  • 特開-表示処理システム 図2
  • 特開-表示処理システム 図3
  • 特開-表示処理システム 図4
  • 特開-表示処理システム 図5
  • 特開-表示処理システム 図6
  • 特開-表示処理システム 図7
  • 特開-表示処理システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148427
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】表示処理システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/14 20060101AFI20220929BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20220929BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20220929BHJP
   B61L 25/02 20060101ALI20220929BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220929BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220929BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20220929BHJP
   B61B 1/02 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G09G5/14 A
G09G5/00 530H
G09G5/38 Z
G09G5/36 520E
G09G5/36 520L
B61L25/02 Z
H04N5/232 300
H04N7/18 D
G06F3/14 350B
B61B1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050105
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 良視
【テーマコード(参考)】
3D101
5B069
5C054
5C122
5C182
5H161
【Fターム(参考)】
3D101AD11
5B069BA03
5B069CA13
5C054CA04
5C054CC02
5C054FD07
5C054FE17
5C054HA19
5C122DA11
5C122EA47
5C122FK23
5C122FK24
5C122FK42
5C122GC53
5C122GC77
5C122HB01
5C122HB05
5C182AB25
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA14
5C182BC25
5C182CB15
5C182CB16
5C182CB24
5C182CB25
5C182CB26
5C182CB27
5C182CB52
5C182CC01
5H161AA01
5H161BB20
5H161DD21
5H161GG03
5H161GG04
5H161GG11
5H161GG23
(57)【要約】
【課題】駅ごとに設定が異なる複数の映像を車両内の表示部において適切なレイアウトで表示する。
【解決手段】表示処理システムは、複数の駅のそれぞれに配置され、駅の複数の撮影部で撮影される映像を取得し、取得した複数の映像を送信する駅側処理装置と、駅を経由して運行する車両に配置され、駅側処理装置から送信される複数の映像を受信し、受信した複数の映像を表示部に並べて表示させる車両側処理装置とを備え、駅側処理装置及び車両側処理装置の少なくとも一方は、駅で撮影された複数の映像の映像設定情報と、車両に配置される表示部の表示部設定情報とに基づいて、表示部に表示される複数の映像のレイアウトを設定し、設定したレイアウトに基づいて複数の映像を表示部に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駅のそれぞれに配置され、前記駅の複数の撮影部で撮影される映像を取得し、取得した複数の映像を送信する駅側処理装置と、
前記駅を経由して運行する車両に配置され、前記駅側処理装置から送信される複数の前記映像を受信し、受信した複数の前記映像を表示部に並べて表示させる車両側処理装置と
を備え、
前記駅側処理装置及び前記車両側処理装置の少なくとも一方は、前記駅で撮影された複数の前記映像についての映像設定情報と、前記車両に配置される前記表示部の表示部設定情報とに基づいて、前記表示部に表示される複数の前記映像のレイアウトを設定し、設定した前記レイアウトに基づいて複数の前記映像を前記表示部に表示する
表示処理システム。
【請求項2】
前記駅側処理装置は、複数の前記映像を撮影した前記駅の識別情報を送信し、
前記車両側処理装置は、前記駅側処理装置から送信される前記識別情報を受信し、受信した前記識別情報と、前記車両側処理装置に備わる複数の前記駅のそれぞれと前記駅ごとに設定される前記映像設定情報と前記表示部の表示部設定情報とを対応付けたテーブル情報とに基づいて、前記レイアウトを設定する
請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項3】
前記駅側処理装置は、複数の前記映像と、前記駅ごとに設定される前記映像設定情報とを対応付けて送信し、
前記車両側処理装置は、前記駅側処理装置から送信される前記映像設定情報を受信し、受信した前記映像設定情報と、前記表示部の表示部設定情報とに基づいて、前記レイアウトを設定する
請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項4】
前記駅側処理装置は、複数の前記映像及び前記映像設定情報を多重化した多重化情報を送信し、
前記車両側処理装置は、前記多重化情報を受信して分解し、抽出した前記映像設定情報に基づいて前記レイアウトを設定する
請求項3に記載の表示処理システム。
【請求項5】
前記映像設定情報は、複数の前記映像を表示させる優先順位に関する情報を含む
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表示処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の映像を1つの表示部に分割して表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。鉄道、路面電車などの駅及びターミナルのプラットホームにおいて複数の撮影部で撮影した映像を、電車等の車両内の表示部に分割して表示することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-098621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成においては、各駅における映像の数、撮影部の設置角度(縦長、横長等)、表示部の配置角度(縦長、横長等)等の設定を同一とする必要があるため、これらの設定が異なる駅の間を運行する車両に対して適用することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、駅ごとに表示態様が異なる複数の映像を車両内の表示部において適切なレイアウトで表示することが可能な表示処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示処理システムは、複数の駅のそれぞれに配置され、前記駅の複数の撮影部で撮影される映像を取得し、取得した複数の映像を送信する駅側処理装置と、前記駅を経由して運行する車両に配置され、前記駅側処理装置から送信される複数の前記映像を受信し、受信した複数の前記映像を表示部に並べて表示させる車両側処理装置とを備え、前記駅側処理装置及び前記車両側処理装置の少なくとも一方は、前記駅で撮影された複数の前記映像の映像設定情報と、前記車両に配置される前記表示部の表示部設定情報とに基づいて、前記表示部に表示される複数の前記映像のレイアウトを設定し、設定した前記レイアウトに基づいて複数の前記映像を前記表示部に表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、駅ごとに設定が異なる複数の映像を車両内の表示部において適切なレイアウトで表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る表示処理システムの一例を模式的に示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る駅側処理装置の一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る車両側処理装置の一例を示す機能ブロック図である。
図4図4は、駅側の表示部に表示されるカメラ映像の一例を示す図である。
図5図5は、車両内の表示部における分割画面の設定例を示す図である。
図6図6は、映像処理部により複数のカメラ映像が合成される処理の一例を示す図である。
図7図7は、映像処理部により生成された表示用映像の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る駅側処理装置20における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る表示処理システムの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
図1は、本実施形態に係る表示処理システム100の一例を模式的に示す図である。図1に示すように、表示処理システム100は、駅側処理装置20と、車両側処理装置40とを備える。
【0011】
駅側処理装置20は、鉄道、路面電車などの駅及びターミナルのプラットホームに配置される。駅側処理装置20は、コンピュータ等の情報処理装置が用いられる。図2は、本実施形態に係る駅側処理装置20の一例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、駅側処理装置20は、入出力部21と、通信部(駅側通信部)22と、記憶部23と、制御部24とを有する。
【0012】
入出力部21は、撮影装置10で撮影された複数のカメラ映像が入力される。撮影装置10は、複数台のカメラ11、12、13、14、15を有する。本実施形態において、撮影装置10は、例えば5台のカメラ11、12、13、14、15を有する構成であるが、これに限定されず、4台以下又は6台以上のカメラを有する構成であってもよい。複数台のカメラ11、12、13、14、15は、列車不在時にはホームHの様子を確認できるように、また、列車停止時には全ての車両Tの側面を確認できるように配置される。撮影装置10は、カメラ11、12、13、14、15により撮影された映像であるカメラ映像を駅側処理装置20に入力する。カメラ映像の入力信号には、ブランキング期間が含まれる。ブランキング期間には、カメラ11、12、13、14、15の設置角度を示す情報が挿入される。カメラ11、12、13、14、15の設置角度について、本実施形態では、矩形状のカメラ映像の配置が横長となる状態を設置角度0°(基準角度)とし、カメラ映像の配置が縦長となる状態を設置角度90°とすることができる。なお、設置角度を示す情報は、アナログ複合映像信号のブランキング期間に挿入される構成に限定されず、カメラ映像の入力信号の拡張情報部分や他の部位に挿入される構成であってもよい。
【0013】
入出力部21は、制御部24で合成される表示用映像を表示装置30に出力する。表示装置30は、モニタ31、32を有する。モニタ31、32は、それぞれ撮影装置10で撮影された複数のカメラ映像をまとめて分割表示する。図1に示す例では、モニタ31が2つのカメラ映像をまとめて表示し、モニタ32が3つのカメラ映像をまとめて表示する構成を示している。モニタ31、32は、例えば矩形状の表示部31a、32aを有する。モニタ31、32は、例えば表示部31a、32aが横長(配置角度0°)に配置された構成である。なお、モニタ31、32は、表示部31a、32aが縦長(配置角度90°)に配置された構成であってもよい。また、モニタ31、32は、表示部31a、32aが横長に配置された状態と縦長に配置された状態とを切り替え可能な構成であってもよい。また、モニタ31、32は、表示部31a、32aの配置角度を0°(横長の状態)から90°(縦長の状態)の間で適宜調整可能な構成であってもよい。
【0014】
通信部22は、車両Tとの間で情報の送受信を行う。通信部22は、例えば無線により通信を行うことが可能である。通信部22は、通信制御部29の制御により、複数のカメラ映像と、各カメラ映像の映像設定情報又は駅を識別する識別情報とを送信する。通信部22は、例えば後述する車両側処理装置40から送信される車両Tの識別情報を受信する。尚、カメラ映像と識別情報の通信は同一通信経路でなくともよい。
【0015】
記憶部23は、各種情報を記憶する。記憶部23は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部23として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。
【0016】
制御部24は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶装置を有する。制御部24は、映像取得部25と、設定取得部26と、映像処理部27と、表示制御部28と、通信制御部29とを有する。
【0017】
映像取得部25は、入出力部21に入力されたカメラ11、12、13、14、15によるカメラ映像を取得する。
【0018】
設定取得部26は、複数のカメラ映像の映像設定情報を取得する。映像設定情報は、複数のカメラ映像の数、配置、アスペクト比、解像度、表示部31a、32aにおけるレイアウト、表示部31a、32aの形状及び寸法、及びカメラ11、12、13、14、15の設置角度等の情報を含む。また、映像設定情報は、複数のカメラ映像を車両T内の表示部51aに表示させる優先順位に関する情報(以下、優先情報と表記する)を含んでもよい。優先情報については、例えば複数のカメラ映像のうち、表示部51aに表示させるカメラ映像と、表示部51aに表示させないカメラ映像とを識別する情報等とすることができる。また、優先情報は、表示部51aに表示させるカメラ映像の大きさについての情報等とすることができる。また、表示部51aの表示位置に優先順位が設定される場合、優先情報は、複数のカメラ映像を表示部51aのどの表示位置に表示させるかについての情報等とすることができる。また、設定取得部26は、後述する車両Tに配置されるモニタ51の表示部設定情報を取得することができる。表示部設定情報は、モニタ51の全体の形状及び寸法、アスペクト比及び配置角度の各情報を含む。
【0019】
映像処理部27は、複数のカメラ映像を合成して表示用映像を生成する。表示用映像は、モニタ31、32の表示部31a、32aに対応した矩形の映像である。表示用映像は、複数のカメラ映像が所定の態様で並ぶように生成される。
【0020】
表示制御部28は、生成された表示用映像を入出力部21から表示装置30に出力する。表示制御部28の制御により、モニタ31、32の表示部31a、32aに表示用映像が表示される。
【0021】
通信制御部29は、通信部22の動作を制御する。通信制御部29は、複数のカメラ映像と、各カメラ映像の映像設定情報とを対応付けて通信部22から送信させる。この場合、通信制御部29は、複数のカメラ映像及び各カメラ映像の映像設定情報を多重化した多重化情報を送信させてもよい。なお、通信制御部29は、駅を識別する識別情報を通信部22から送信させてもよい。
【0022】
図3は、本実施形態に係る車両側処理装置40の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、車両側処理装置40は、駅及びターミナルのプラットホームを経由して運行する車両Tに配置される。車両側処理装置40は、コンピュータ等の情報処理装置が用いられる。図3は、本実施形態に係る車両側処理装置40の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、車両側処理装置40は、入出力部41と、通信部(車両側通信部)42と、記憶部43と、制御部44とを有する。
【0023】
入出力部41は、駅側処理装置20から送信される複数のカメラ映像が入力される。入出力部41は、制御部44で合成される車両用映像を表示装置50に出力する。表示装置50は、モニタ51を有する。モニタ51は、例えば列車の先頭の車両Tに配置される。なお、例えば列車の最後尾の車両T等の他の車両Tに配置されるモニタが別途設けられてもよい。モニタ51は、複数のカメラ映像をまとめて表示する。図1に示す例では、5つのカメラ映像をまとめて表示する構成を示している。モニタ51は、例えば矩形状の表示部51aを有する。モニタ51は、例えば表示部51aが横長(配置角度0°)に配置された構成である。なお、モニタ51は、表示部51aが縦長(配置角度90°)に配置された構成であってもよい。また、モニタ51は、表示部51aが横長に配置された状態と縦長に配置された状態とを切り替え可能な構成であってもよい。また、モニタ51は、表示部51aの配置角度を0°(横長の状態)から90°(縦長の状態)の間で適宜調整可能な構成であってもよい。
【0024】
通信部42は、駅側処理装置20の通信部22との間で情報の送受信を行う。通信部42は、例えば無線により通信を行うことが可能である。通信部42は、駅側処理装置20から送信される複数のカメラ映像と、当該カメラ映像の映像設定情報又は駅の識別情報とを受信する。通信部42は、通信制御部49の制御により、車両Tを識別するための識別情報を送信する。
【0025】
記憶部43は、各種情報を記憶する。記憶部43は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部43として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。記憶部43は、複数の駅の情報と、当該駅で取得されるカメラ映像の映像設定情報と、カメラ映像を表示させる表示部の表示部設定情報と、対応するレイアウト情報とを対応付けたテーブル情報を記憶することができる。
【0026】
制御部44は、CPU等の処理装置と、RAM又はROM等の記憶装置を有する。制御部44は、映像取得部45と、設定取得部46と、映像処理部47と、表示制御部48と、通信制御部49とを有する。
【0027】
映像取得部45は、通信部42で受信した複数のカメラ映像を取得する。
【0028】
設定取得部46は、通信部42で受信した複数のカメラ映像の映像設定情報を取得する。また、設定取得部46は、モニタ51の表示部設定情報を取得する。
【0029】
映像処理部47は、表示部51aに示す車両用映像を生成する。映像処理部47は、まず、映像設定情報及び表示部設定情報に基づいて、表示部51aにおける分割画面のレイアウトを設定する。具体的には、映像処理部47は、映像設定情報に含まれるカメラ映像の数、配置、アスペクト比、解像度、表示部31a、32aにおけるレイアウト、表示部31a、32aの形状及び寸法、及びカメラ11、12、13、14、15の設置角度、優先情報等の各情報と、表示部設定情報に含まれるモニタ51の全体の形状及び寸法、アスペクト比及び配置角度の各情報とに基づいて、分割画面のレイアウトを設定する。映像処理部47は、映像設定情報及び表示部設定情報の上記各種情報を適宜組み合わせることにより、幅広い態様でレイアウトを設定することができる。
【0030】
映像処理部47は、記憶部43に記憶されるテーブル情報に基づいて、レイアウトを設定してもよい。例えば、駅側処理装置20から送信された駅の識別情報が受信された場合、当該識別情報に対応するレイアウトを設定することができる。識別情報に対応するレイアウトがテーブル情報に複数存在する場合、複数のレイアウトの中から適宜選択することができる。
【0031】
映像処理部47は、レイアウトを設定した後、設定したレイアウトに対応するようにカメラ映像を合成して、車両用映像を生成する。車両用映像は、モニタ51の表示部51aに対応した矩形の映像である。映像処理部47は、例えばアスペクト優先処理及び伸縮優先処理のいずれかの処理により複数のカメラ映像を合成することができる。アスペクト優先処理は、それぞれの映像のアスペクト比を保持することを優先して合成を行う処理内容である。伸縮優先処理は、映像の全体が分割画面全体に表示されるように縦横の伸縮を調整する処理内容である。映像処理部47がアスペクト優先処理及び伸縮優先処理のいずれの処理で合成を行うかについては、例えば予め設定しておくことができる。映像処理部47は、アスペクト優先処理で合成を行う場合において、映像全体表示処理又は画面全体表示処理のいずれかの処理を行うことができる。映像全体表示処理は、分割画面にカメラ映像の全体を表示するように合成を行う処理内容である。画面全体表示処理は、分割画面の全体にカメラ映像を表示するように合成を行う処理内容である。映像処理部47は、映像全体表示処理において、カメラ映像と分割画面とでアスペクト比が異なる場合には、分割画面の縦方向又は横方向の端部に帯状部を配置することができる。また、映像処理部47は、画面全体表示処理において、カメラ映像と分割画面とでアスペクト比が異なる場合には、カメラ映像の縦方向又は横方向の端部のうち分割画面からはみ出す部分を除去することができる。映像全体表示処理及び画面全体表示処理のいずれの処理を行うかについては、例えば予め設定しておくことができる。
【0032】
表示制御部48は、生成された車両用映像を入出力部41から表示装置50に出力する。表示制御部48の制御により、モニタ51の表示部51aに車両用映像が表示される。
【0033】
通信制御部49は、通信部42の動作を制御する。通信制御部49は、複数の映像及び映像設定情報が多重化した多重化情報を受信した場合、当該多重化情報を分解して、まず映像設定情報を抽出することができる。この場合、通信制御部49は、表示部51aのレイアウトが設定された後、複数のカメラ映像を抽出することができる。通信制御部49は、例えば車両Tを識別するための識別情報を通信部42から送信させる。
【0034】
次に、上記のように構成された表示処理システム100の動作の一例を説明する。駅側の撮影装置10において、複数のカメラ11、12、13、14、15により撮影されたカメラ映像が駅側処理装置20の入出力部21に入力される。図4は、駅側の表示部31a、32aに表示されるカメラ映像の一例を示す図である。映像取得部25は、入力された複数のカメラ映像を取得する。設定取得部26は、複数のカメラ映像の映像設定情報を取得する。映像処理部27は、取得した映像設定情報に基づいて、複数のカメラ映像を合成して表示用映像を生成する。表示制御部28は、生成された表示用映像を入出力部21から表示装置30に出力する。表示制御部28の制御により、モニタ31、32の表示部31a、32aに表示用映像が表示される。
【0035】
図4に示すように、表示部31aが横長(配置角度0°)に配置されたモニタ31において、縦長(配置角度90°)でアスペクト比r1の分割画面31bが横方向に2画面並んだ表示態様となっている。また、表示部32aが横長(配置角度0°)に配置されたモニタ32において、縦長(配置角度90°)でアスペクト比r2の分割画面32bが横方向に3画面並んだ表示態様となっている。図4に示す例において、分割画面31b、分割画面32bの配置角度(90°)は、カメラの設置角度(90°)に対応して設定される。
【0036】
駅に複数の車両T(列車)が到着した場合、駅側処理装置20は、通信部22から車両側処理装置40に複数のカメラ画像及び映像設定情報を送信する。車両側処理装置40は、複数のカメラ映像及び映像設定情報を受信する。設定取得部46は、受信した複数のカメラ映像の映像設定情報を取得する。なお、複数の映像及び映像設定情報が多重化した多重化情報を通信部42で受信した場合、通信制御部49は、多重化情報を分解して、まず映像設定情報を抽出する。この場合、通信制御部49は、表示部51aのレイアウトが設定された後、複数のカメラ映像を取得することができる。また、設定取得部46は、モニタ51の表示部設定情報を取得する。
【0037】
映像処理部47は、映像設定情報及び表示部設定情報に基づいて、複数のカメラ映像を合成して車両用映像を生成する。複数の映像及び映像設定情報が多重化した多重化情報を通信部42で受信した場合、通信制御部49は、レイアウトが設定された後、分解された多重化情報から複数のカメラ映像を抽出する。
【0038】
映像処理部47は、まず、映像設定情報及び表示部設定情報に基づいて、分割画面のレイアウトを設定する。図5は、車両T内の表示部51aにおける分割画面の設定例を示す図である。図5に示すように、表示部51aが横長(配置角度0°)に配置されたモニタ51において、縦長(配置角度90°)でアスペクト比r3の分割画面51bが横方向に2画面並び、縦長(配置角度90°)でアスペクト比r4の分割画面51cが横方向に3画面並んだ表示態様となっている。図5では、モニタ51において、分割画面51b、51cが横方向に並ぶレイアウトであるが、これに限定されない。モニタの形状、アスペクト比又は分割画面の配置角度によっては、分割画面が縦方向又は縦横両方向に並ぶレイアウトであってもよい。図5に示す例において、分割画面51b、分割画面51cの配置角度(90°)は、カメラの設置角度(90°)に対応して設定される。
【0039】
図5に示す例では、表示部51a全体に亘って隙間が形成されないように分割画面51b、51cが設定されている。分割画面51bと分割画面51cとの横方向の寸法の比は、分割画面31bと分割画面32bとの間の横方向の寸法の比と同一のa:bとなっている。
【0040】
図6は、車両側処理装置40の記憶部43に記憶されるテーブル情報の一例を示す図である。図6に示すように、テーブル情報は、複数の駅の情報と、当該駅で取得されるカメラ映像の映像設定情報と、カメラ映像を表示させる表示部の表示部設定情報と、対応するレイアウト情報とを含む。駅側処理装置20は、複数の車両T(列車)が駅に進入する際に、当該駅を識別するための識別情報を車両側処理装置40に送信することができる。車両側処理装置40は、駅側処理装置20から駅の識別情報を受信し、受信した識別情報をテーブル情報に対応させることにより、当該駅についてのレイアウト情報を取得することができる。また、駅側処理装置20から映像設定情報が送信された場合、車両側処理装置40は、映像設定情報を受信し、受信した映像設定情報と、テーブル情報とを用いて、当該映像設定情報に対応する表示部設定情報及びレイアウト情報を取得することができる。また、図6に示すようなテーブル情報が存在しない状態で映像処理部47によりレイアウトを算出して設定した場合、映像処理部47は、当該レイアウトの情報を、駅の情報、映像設定情報及び表示部設定情報と対応付けて記憶部43に記憶させ、テーブル情報を生成してもよい。
【0041】
レイアウトを設定した後、映像処理部47は、複数のカメラ画像の配置に基づいて、分割画面51b、51cのどの分割画面にどのカメラ映像を表示するかを設定する。映像処理部47は、例えば表示部31aの分割画面31bに表示されるカメラ映像については、表示部31aにおける配置と同様の位置関係で分割画面51bに表示されるように車両用映像における位置を設定する。また、映像処理部47は、例えば表示部32aの分割画面32bに表示されるカメラ映像については、表示部32aにおける配置と同様の位置関係で分割画面51cに表示されるように車両用映像における位置を設定する。
【0042】
映像処理部47は、カメラ映像の位置を設定した後、各分割画面51b、51cにおけるカメラ映像の表示態様を設定する。例えば、図5に示す分割画面51bのアスペクト比r3が、図4に示す分割画面31bのアスペクト比r1に比べて大きく変化しない場合、伸縮優先処理を行っても、分割画面51bに表示されるカメラ映像が大きく引き伸ばされることはない。同様に、図5に示す分割画面51cのアスペクト比r4が、図4に示す分割画面32bのアスペクト比r2に比べて大きく変化しない場合、伸縮優先処理を行っても、分割画面51cに表示されるカメラ映像が大きく引き伸ばされることはない。したがって、映像処理部47は、伸縮優先処理で合成を行う。伸縮優先処理を行う場合、映像処理部47は、映像の全体が分割画面に表示されるように縦横の伸縮を調整する。例えば、映像処理部47は、カメラ映像のアスペクト比と、表示部51aの分割画面51b、51cのアスペクト比との差を求める。次に、映像処理部47は、アスペクト比の差を埋めるように縦横を拡大または縮小させる。
【0043】
なお、映像処理部47は、アスペクト優先処理を行ってもよい。映像処理部47は、例えばアスペクト優先処理のうち映像全体表示処理を行う場合、カメラ映像が表示部51aの分割画面からはみ出さずにアスペクト比が一定となるように、当該カメラ映像を拡大又は縮小する。例えばカメラ映像と分割画面とで縦横の寸法が異なる場合、映像処理部47は、カメラ映像の縦幅及び横幅の一方が分割画面の縦幅及び横幅の対応する方と一致し、カメラ映像の縦幅及び横幅の他方が分割画面の縦幅及び横幅の対応する方よりも小さくなるようにカメラ映像を拡大または縮小する。映像処理部47は、分割画面に対して縦横の一方の両端に例えば黒色の帯状部を配置した合成映像を生成することができる。
【0044】
また、映像処理部57は、例えばアスペクト優先処理のうち画面全体表示処理を行う場合、アスペクト比を保持するように映像を拡大又は縮小して分割画面からはみ出す部分を除去する。例えばカメラ映像と分割画面とで縦横の寸法が異なる場合、映像処理部47は、カメラ映像の縦幅及び横幅の一方が分割画面の縦幅及び横幅の対応する方と一致し、カメラ映像の縦幅及び横幅の他方が分割画面の縦幅及び横幅の対応する方よりも大きくなるようにカメラ映像を拡大または縮小する。そして、映像処理部47は、カメラ映像の縦幅及び横幅の他方について、分割画面からはみ出す部分を除去した合成映像を生成することができる。
【0045】
図7は、映像処理部47により生成された表示用映像の一例を示す図である。図7に示すように、映像処理部47により、複数のカメラ映像が合成された表示用映像MDが生成される。表示用映像MDは、モニタ31の表示部31aに表示される2つのカメラ映像と、モニタ32の表示部32aに表示される3つのカメラ映像とがそれぞれ分割画面51b、51cに適合するように伸縮されて横方向に並んだ状態の映像である。
【0046】
表示制御部48は、映像処理部47により生成された車両用映像を表示部51aに表示させる。車両Tの乗務員は、表示部51aに表示される車両用映像を見ることにより、駅ごとに表示態様が異なる場合であっても、車両Tに設置される表示部51aによりカメラ映像を把握することができる。
【0047】
次に、本実施形態に係る表示処理システム100の動作の一例について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る表示処理システム100処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8では、駅側処理装置20と車両側処理装置40とで別個のフローを示している。図8に示すように、駅側処理装置20において、映像取得部25は、入出力部21に入力されたカメラ11、12、13、14、15によるカメラ映像を取得する(ステップS101)。設定取得部26は、複数のカメラ映像の映像設定情報を取得する(ステップS102)。駅側処理装置20は、車両Tが駅に進入したか否かを判定する(ステップS103)。駅側処理装置20は、車両Tが駅に進入していないと判定した場合(ステップS103のNo)、ステップS103の判定を繰り返し行う。車両Tが駅に進入したと判定した場合(ステップS103のYes)、通信制御部29は、複数のカメラ映像を通信部22から送信させる(ステップS104)。ステップS104において、通信制御部29は、複数のカメラ映像と共に、当該複数のカメラ映像のそれぞれの映像設定情報又は駅を識別するための識別情報を通信部22から送信させる。
【0048】
一方、車両側処理装置40は、車両Tが駅に進入したか否かを判定する(ステップS105)。車両側処理装置40は、車両Tが駅に進入していないと判定した場合(ステップS105のNo)、ステップS105の判定を繰り返し行う。車両Tが駅に進入したと判定した場合(ステップS105のYes)、通信部42において、駅側処理装置20から送信された複数のカメラ映像と、映像設定情報又は識別情報とを受信する(ステップS106)。映像取得部45及び設定取得部46は、受信した情報に基づいて、複数のカメラ映像と、複数のカメラ映像の映像設定情報と、表示部51aの表示部設定情報とを取得する(ステップS107)。
【0049】
映像処理部47は、取得した映像設定情報及び表示部設定情報に基づいて、表示部51aにおける分割画面のレイアウトを設定する(ステップS108)。映像処理部47は、設定したレイアウトに基づいて、複数のカメラ映像を合成して車両用映像を生成する(ステップS109)。表示制御部48は、生成した車両用映像を表示部51aに表示する(ステップS110)。
【0050】
以上のように、本実施形態に係る表示処理システム100は、複数の駅のそれぞれに配置され、駅の撮影装置10で撮影される映像を取得し、取得した複数の映像を送信する駅側処理装置20と、駅を経由して運行する車両に配置され、駅側処理装置20から送信される複数の映像を受信し、受信した複数の映像を表示部51aに並べて表示させる車両側処理装置40とを備え、駅側処理装置20及び車両側処理装置40の少なくとも一方は、駅で撮影された複数の映像の映像設定情報と、車両に配置される表示部51aの表示部設定情報とに基づいて、表示部51aに表示される複数の映像のレイアウトを設定し、設定したレイアウトに基づいて複数の映像を表示部51aに表示する。
【0051】
この構成によれば、駅で撮影された複数のカメラ映像の映像設定情報及び車両T側の表示部51aの表示部設定情報に基づいて表示部51aのレイアウトが自動的に設定され、この設定に基づいて複数のカメラ映像が表示部51aに表示されることになる。従って、駅ごとに表示設定が異なる複数の映像を車両内の表示部において適切なレイアウトで表示することが可能。
【0052】
本実施形態に係る表示処理システム100において、駅側処理装置20は、複数の映像を撮影した駅の識別情報を送信し、車両側処理装置40は、駅側処理装置20から送信される識別情報を受信し、受信した識別情報と、車両側処理装置40に備わる複数の駅のそれぞれと駅ごとに設定される映像設定情報と表示部51aの表示部設定情報とを対応付けたテーブル情報とに基づいて、レイアウトを設定する。この構成によれば、車両側処理装置40において効率的にレイアウトを設定することができる。
【0053】
本実施形態に係る表示処理システム100において、駅側処理装置20は、複数の映像と、駅ごとに設定される映像設定情報とを対応付けて送信させ、車両側処理装置40は、駅側処理装置20から送信される映像設定情報を受信し、受信した映像設定情報と、表示部51aの表示部設定情報とに基づいて、レイアウトを設定する。この構成によれば、車両側処理装置40において効率的にレイアウトを設定することができる。
【0054】
本実施形態に係る表示処理システム100において、駅側処理装置20は、複数の映像及び映像設定情報を多重化した多重化情報を送信し、車両側処理装置40は、多重化情報を受信して分解し、抽出した映像設定情報に基づいてレイアウトを設定する。この構成によれば、車両側処理装置40において効率的にレイアウトを設定することができる。
【0055】
本実施形態に係る表示処理システム100において、映像設定情報は、複数の映像を表示させる優先順位に関する情報を含む。この構成によれば、幅広い表示態様で車両用映像を表示することができる。
【0056】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、車両側処理装置40において表示部51aのレイアウトを設定する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、駅側処理装置20において表示部51aのレイアウトを設定する構成であってもよい。この場合、駅側処理装置20は、駅で取得されるカメラ映像の映像設定情報と、複数の車両Tの情報と、車両Tに配置される表示部の表示部設定情報と、対応するレイアウト情報とを含むテーブル情報を記憶部23に記憶させるようにする。車両側処理装置40は、車両Tが駅に進入した場合、車両Tを識別することにより、テーブル情報に基づいてレイアウト情報を取得することができる。なお、車両側処理装置40から表示部51aの表示部設定情報が駅側処理装置20に送信される構成であってもよい。この場合、駅側処理装置20は、送信された表示部設定情報を受信し、受信した表示部設定情報とテーブル情報とに基づいてレイアウト情報を取得することができる。
【符号の説明】
【0057】
H…ホーム、T…車両、MD…表示用映像、r1,r2,r3,r4…アスペクト比、10…撮影装置、11,12,13,14,15…カメラ、20…駅側処理装置、21,41…入出力部、22,42…通信部、23,43…記憶部、24,44…制御部、25,45…映像取得部、26,46…設定取得部、27,47,57…映像処理部、28,48…表示制御部、29,49…通信制御部、30,50…表示装置、31,32,51…モニタ、31a,32a,51a…表示部、31b,32b,51b,51c…分割画面、40…車両側処理装置、100…表示処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8