(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148479
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】車両搭載装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20220929BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050185
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】口ノ町 剛
(72)【発明者】
【氏名】横山 文彦
(72)【発明者】
【氏名】松岡 智浩
(72)【発明者】
【氏名】杉田 康夫
(72)【発明者】
【氏名】孝治 吉春
(72)【発明者】
【氏名】唐沢 学
【テーマコード(参考)】
3E138
5C086
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA02
3E138MB08
3E138MF01
3E138MF10
5C086AA44
5C086BA17
5C086BA22
5C086CA21
5C086DA07
5C086EA13
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA02
5C086FA12
5C086FA17
(57)【要約】
【課題】車両から取り外した形態で利用する場合において無駄に電力が消費されることを抑制できること。
【解決手段】車両搭載装置は、車両に搭載される取り付け部から自装置が取り外されたことを検出する取り外し検出部と、加速度センサを含む1以上のセンサと、自装置が取り付け部から取り外されたことが検出された場合、自装置への電源供給を外部電源から内部電源に切り替え、センサのうち加速度センサ以外のセンサの動作を停止させ、加速度センサの検出頻度を低下させる電力制御部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される取り付け部から自装置が取り外されたことを検出する取り外し検出部と、
加速度センサである第1のセンサと、加速度センサ以外のセンサである第2のセンサと、
前記取り外し検出部によって前記自装置が前記取り付け部から取り外されたことが検出された場合、前記自装置への電源供給を外部電源から内部電源に切り替え、前記第2のセンサの動作を停止させ、前記第1のセンサの検出頻度を低下させる電力制御部と、
を備える車両搭載装置。
【請求項2】
前記電力制御部は、前記取り外し検出部によって前記自装置が前記取り付け部から取り外されたことが検出された場合、または前記自装置が所定以上の角度傾いている場合、前記内部電源をオフにする
請求項1に記載の車両搭載装置。
【請求項3】
画像を撮影する撮影部をさらに備え、
前記電力制御部は、下記のいずれか1つ以上の条件が満たされた場合に、外部との通信を停止しかつ録画を停止する、または、前記内部電源をオフにする
請求項1に記載の車両搭載装置。
(イ)所定時間以上、前記撮影部が撮影する画像内に物体が撮影されていない場合;
(ロ)所定時間以上、前記画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下である場合;
(ハ)所定時間以上、前記自装置が通信圏外である場合;
【請求項4】
外部との通話を行うための処理を行う通話部をさらに備え、
前記電力制御部は、前記自装置が前記取り付け部から取り外されている間に前記通話部によって外部との通話が所定時間以上行われた場合、警告を行う、または当該通話を切断する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両搭載装置。
【請求項5】
車両に搭載される取り付け部から取り外し可能であって、加速度センサである第1のセンサと、加速度センサ以外のセンサである第2のセンサを備える車両搭載装置のコンピュータに、
車両に搭載される取り付け部から自装置が取り外されたことを検出する取り外し検出ステップと、
前記取り外し検出ステップによって前記自装置が前記取り付け部から取り外されたことが検出された場合、前記自装置への電源供給を外部電源から内部電源に切り替え、前記第2のセンサの動作を停止させ、前記第1のセンサの検出頻度を低下させる電力制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両搭載装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に取り付けられた形態と、車両から取り外した形態とで利用可能な装置が知られている。例えば、着脱型の位置表示装置が知られている(特許文献1)。ドライブレコーダにおいても、車両から着脱可能なものが知られている。
車両から着脱可能なドライブレコーダでは、車両に取り付けられた形態ではアクセサリーソケットなどを使用して、車両のバッテリーから電源が供給されるが、車両から取り外された形態では、ドライブレコーダ内のバッテリーを使用して駆動する。車両から取り外された形態の使用用途として、事故発生時に車外の損傷を撮影した映像を損害保険会社に送信することが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両から着脱可能なドライブレコーダを車両から取り外した形態で利用する場合において、例えば、以下のような状況が発生すると、無駄にバッテリーが消費され、所望の動作を行うことができなくなる場合がある。当該状況は、例えば、電源が入ったままになっていることに気がつかないで持ち歩いてしまう場合、動画を撮影していることに気がつかないで持ち歩いてしまう場合、持ちだしている間静止画撮影ボタンを操作し続けて静止画を撮影し続けてしまう場合、通信圏外で持ち出し続けてしまう場合、またはコールセンターと長時間通話をしてしまう場合などである。
車両から取り外した形態で利用する場合において無駄に電力が消費されることを抑制することが求められている。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、車両から取り外した形態で利用する場合において無駄に電力が消費されることを抑制できる車両搭載装置、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、車両に搭載される取り付け部から自装置が取り外されたことを検出する取り外し検出部と、加速度センサである第1のセンサと、加速度センサ以外のセンサである第2のセンサと、前記取り外し検出部によって前記自装置が前記取り付け部から取り外されたことが検出された場合、前記自装置への電源供給を外部電源から内部電源に切り替え、前記第2のセンサの動作を停止させ、前記第1のセンサの検出頻度を低下させる電力制御部と、を備える車両搭載装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の車両搭載装置において、前記電力制御部は、前記取り外し検出部によって前記自装置が前記取り付け部から取り外されたことが検出された場合、または前記自装置が所定以上の角度傾いている場合、前記内部電源をオフにする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の車両搭載装置において、画像を撮影する撮影部をさらに備え、前記電力制御部は、下記のいずれか1つ以上の条件が満たされた場合に、外部との通信を停止しかつ録画を停止する、または、前記内部電源をオフにする。
(イ)所定時間以上、前記撮影部が撮影する画像内に物体が撮影されていない場合;
(ロ)所定時間以上、前記画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下である場合;
(ハ)所定時間以上、前記自装置が通信圏外である場合;
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の車両搭載装置において、外部との通話を行うための処理を行う通話部をさらに備え、前記電力制御部は、前記自装置が前記取り付け部から取り外されている間に前記通話部によって外部との通話が所定時間以上行われた場合、警告を行う、または当該通話を切断する。
【0010】
また、本発明の一態様は、車両に搭載される取り付け部から取り外し可能であって、加速度センサである第1のセンサと、加速度センサ以外のセンサである第2のセンサを備える車両搭載装置のコンピュータに、車両に搭載される取り付け部から自装置が取り外されたことを検出する取り外し検出ステップと、前記取り外し検出ステップによって前記自装置が前記取り付け部から取り外されたことが検出された場合、前記自装置への電源供給を外部電源から内部電源に切り替え、前記第2のセンサの動作を停止させ、前記第1のセンサの検出頻度を低下させる電力制御ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両から取り外した形態で利用する場合において無駄に電力が消費されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るドライブレコーダの通常使用時の形態の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るドライブレコーダの持ち出しモードの一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るドライブレコーダのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るドライブレコーダの機能構成の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る電力制御処理の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態の変形例1に係る電力制御処理の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態の変形例2に係る電力制御処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係るドライブレコーダ1の通常使用時の形態の一例を示す図である。ドライブレコーダ1は、一例として、ブラケット2を介して車両のフロントガラスに固定されることによって車両に取り付けられる。当該車両とは、一例として、自動車である。ドライブレコーダ1は、通常使用時において車両に取り付けられた形態において用いられる。なお、以下の説明では、ドライブレコーダ1が搭載される車両を、単に車両という場合がある。
【0014】
ブラケット2は、取付部3と、保持部4と、着脱部5とを有する。
取付部3は、一例として、接着剤、または両面テープなどによって車両のフロントガラスの一部にドライブレコーダ1を取り付ける部材である。保持部4は、取付部3に接続される。
【0015】
着脱部5は保持部4に嵌合する。一方、着脱部5は、保持部4から取り外すことが可能である。着脱部5を保持部4から取り外すことによって、ドライブレコーダ1はフロントガラスから取り外される。ドライブレコーダ1がフロントガラスから取り外された形態を、持ち出しモードともいう。
図2は、本実施形態に係るドライブレコーダ1の持ち出しモードの一例を示す図である。
【0016】
着脱部5及び保持部4は、それぞれコネクターを有する。着脱部5は、着脱センサ(
図1及び
図2において不図示)を有する。着脱部5が有する着脱センサは、着脱部5が有するコネクターと保持部4が有するコネクターとの間に設けられる。着脱部5が有する着脱センサは、着脱部5が保持部4から取り外されたことを検出する。ドライブレコーダ1は、着脱部5が有する着脱センサによって着脱部5が保持部4から取り外されたことを検出する。着脱センサは、着脱部5が保持部4から取り外されたことを検出した場合、取り外されたことを示す信号をドライブレコーダ1に出力する。
本実施形態において、ドライブレコーダ1が取付部3から取り外されるとは、着脱部5が保持部4から取り外されることをいう。なお、以下の説明では、当該信号を取り外し信号という。
【0017】
持ち出しモードは、例えば、ドライブレコーダ1を用いて事故発生時に車両の外側の損傷を撮影した映像を損害保険会社などに送信するために用いられる。
【0018】
[ドライブレコーダのハードウェア構成]
図3は、本実施形態に係るドライブレコーダ1のハードウェア構成の一例を示す図である。ドライブレコーダ1は、ディスプレイ10と、操作ボタン11と、接続検出部12と、マイク13と、スピーカ14と、通信モジュール15と、通信用アンテナ16と、バッテリー17と、GPS受信機18と、カメラ19と、CPU110と、ROM111と、RAM112と、加速度センサ113と、地磁気センサ114と、気圧センサ115とを備える。
ディスプレイ10、操作ボタン11、接続検出部12、マイク13、スピーカ14、通信モジュール15、通信用アンテナ16、バッテリー17、GPS受信機18、カメラ19、CPU110、ROM111、RAM112、加速度センサ113、地磁気センサ114、及び気圧センサ115は、互いに信号線によって接続される。
【0019】
ディスプレイ10は、各種の画面を表示する。ディスプレイ10は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)ディスプレイなどである。
【0020】
操作ボタン11は、ユーザがドライブレコーダ1を操作するためのボタンである。操作ボタン11には、例えば、電源をオンにするためのボタン(電源ボタン)、動画の撮影を開始、及び停止するためのボタン、静止画を撮影するためのボタン(静止画撮影ボタン)、コールセンターとの通話を開始、及び停止するためのボタンなどが含まれる。
なお、静止画撮影ボタンが押下されている間、カメラ19は所定のタイミングにおいて静止画を連続して撮影する。
【0021】
なお、ディスプレイ10は、タッチパネルであってもよく、その場合、操作ボタン11はディスプレイ10と一体となって構成されてもよい。あるいは、操作ボタン11の一部がディスプレイ10と一体となって構成されてもよい。
【0022】
接続検出部12は、着脱部5が有する着脱センサから取り外し信号を取得する。接続検出部12と、当該着脱センサとは電気的に接続されている。
【0023】
マイク13は、ユーザの音声を収音する。
スピーカ14は、音声を出力する。
マイク13及びスピーカ14は、例えば、持ち出しモードにおいてユーザがコールセンターと通話する場合に用いられる。また、スピーカ14は、持ち出しモードにおいてコールセンターとの通話が所定時間以上行われた場合に、警告音を出力する。
【0024】
通信モジュール15は、無線ネットワークNWを介して、通信用アンテナ16によって各種の情報の送信及び受信を行う。通信モジュール15は、通信インターフェース(I/F)を備える。
【0025】
バッテリー17は、ドライブレコーダ1への外部電源(不図示)の供給が停止された場合に、ドライブレコーダ1に電源を供給する。バッテリー17は、例えば、外部電源からの電力を蓄積する充電式電池などである。なお、通常使用時においては、外部電源によってドライブレコーダ1への電源が供給される。外部電源は、例えば、車両のバッテリーからアクセサリーソケットなどの電気設備を用いて供給される。
【0026】
GPS受信機18は、GPS(Global Positioning System)を利用して車両の現在位置を示す情報を取得する。
カメラ19は、通常使用時において、車両の走行中の動画像を撮影、及び録画する。また、カメラ19は、持ち出しモードにおいて、事故発生時に車外の損傷などの動画像を撮影する。
【0027】
CPU110は、ROM111からプログラムを読み込み、読み込んだプログラムに従って各種の制御を実行する。CPU110は、レジスターなどの内部記憶媒体を複数内蔵している。CPU110は、ROM111から内部記憶媒体にデータを一時的に記憶し、これを演算処理する。CPU110は、演算結果をレジスターに出力し、さらにレジスターからRAM112や外部の記憶媒体に出力させる。
【0028】
ROM111は、CPU110が各種演算や制御を行うための各種プログラム、データ及びパラメーターなどを格納した主記憶装置である。ROM111は、ROM111に供給される電力がゼロの状態でも記憶内容を保持できる。
【0029】
RAM112は、CPU110にワーキングメモリーとして使用される主記憶装置である。RAM112は、CPU110により、プログラムやデータなどの書き込み及び消去が行われる。RAM112は、例えば、半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。
【0030】
加速度センサ113は、車両の加速度を測定する。
地磁気センサ114は、方位を検出する。
気圧センサ115は、気圧を検出する。
【0031】
なお、ドライブレコーダ1は、上述したハードウェア構成に、CAN情報を取得する信号線、車速パルスを取得する信号線などを備えてもよい。ドライブレコーダ1がそれらのCAN情報を取得する信号線、車速パルスを取得する信号線などを備える場合、以下の説明において、それらの信号線を含む。
【0032】
図4は、本実施形態に係るドライブレコーダ1の機能構成の一例を示す図である。ドライブレコーダ1は、制御部20と、取り外し検出部21と、傾き検出部22と、撮影部23と、操作部24と、収音部25と、内部電源部26と、センサ部27と、通信部28と、音声出力部29と、表示部210と、記憶部211とを備える。
【0033】
制御部20は、ドライブレコーダ1についての各種の制御を行う。制御部20は、例えばCPUを備えており、種々の演算や情報の授受を行う。制御部20が備える各機能部は、CPUがROMからプログラムを読み込んで処理を実行することにより実現される。制御部20が備える各機能部については後述する。制御部20は、
図2に示したCPU110、ROM111、及びRAM112を含む。
【0034】
取り外し検出部21は、着脱部5が保持部4から取り外されたことを検出する。取り外し検出部21は、着脱部5が保持部4から取り外されたことを検出することによって、車両に搭載される取り付け部である保持部4からドライブレコーダ1が取り外されたことを検出する。取り外し検出部21は、
図3に示した接続検出部12を含む。取り外し検出部21は、着脱部5が有する着脱センサから取り外し信号A1を取得することによって、着脱部5が保持部4から取り外されたこと検出する。
【0035】
傾き検出部22は、ドライブレコーダ1の水平方向に対する傾きを検出する。傾き検出部22は、ドライブレコーダ1の加速度に基づいて当該傾きを検出する。傾き検出部22は、検出した傾きに基づいて傾きデータB1を生成する。傾きデータB1は、ドライブレコーダ1の水平方向に対する傾きを角度によって示す。傾き検出部22は、
図3に示した加速度センサ113を含む。
【0036】
撮影部23は、画像を撮影する。撮影部23が撮影する画像とは、動画、または静止画である。撮影部23は、撮影の結果、画像データC1を生成する。画像データC1は、持ち出しモードにおいてカメラ19によって撮影される車両の映像などを示す。撮影部23は、
図3に示したカメラ19を含む。
【0037】
操作部24は、ドライブレコーダ1のユーザによって各種の操作が行われる。各種の操作には、ドライブレコーダ1の電源をオンにする操作、撮影部23に動画または静止画を撮影させる操作する操作、コールセンターとの通話を行うための操作などが含まれる。操作部24は、
図3に示した操作ボタン11を含む。
【0038】
収音部25は、録画が行われた場合やユーザがコールセンターとの通話を行う場合に、ユーザの音声を収音する。収音部25は、
図3に示したマイク13を含む。
【0039】
内部電源部26は、ドライブレコーダ1への外部電源の供給が停止された場合に、ドライブレコーダ1に電源を供給する。以下の説明において、内部電源部26が供給する電源を、内部電源ともいう。内部電源部26は、
図3に示したバッテリー17を含む。内部電源とは、バッテリー17である。
【0040】
センサ部27は、各種の検出を行う。センサ部27が行う検出には、車両の加速度、方位、及び気圧などが含まれる。センサ部27は、
図3に示したGPS受信機18、加速度センサ113、地磁気センサ114、及び気圧センサ115を含む。
【0041】
通信部28は、外部装置と通信を行う。通信部28が通信を行う外部装置には、コールセンター、サーバなどが含まれる。通信部28は、コールセンターと通話のために通信を行う。通信部28は、通常使用時において車両の走行中の動画像を送信するためにサーバと通信を行う。通信部28は、
図3に示した通信モジュール15、及び通信用アンテナ16を含む。
【0042】
音声出力部29は、各種の音声を出力する。音声出力部29が出力する音声には、コールセンターとの通話の音声、持ち出しモードにおいてコールセンターとの通話が所定時間以上行われた場合に出力される警告音が含まれる。音声出力部29は、
図3に示したスピーカ14、及びROM111を含む。ROM111には、音声データが記憶される。
【0043】
表示部210は、各種の画面を表示する。表示部210が表示する画面には、ユーザがドライブレコーダ1を操作するためのメニュー操作画面が含まれる。表示部210は、
図3に示したディスプレイ10、及びROM111を含む。ROM111には、警告画面の画像データが含まれる。
【0044】
記憶部211は、各種の情報を記憶する。記憶部211が記憶する情報には、例えば、制御部20が画像解析を行う場合に、テンプレートマッチングに用いられるテンプレート、または機械学習に用いられる学習結果のうち1以上が含まれる。記憶部211は、
図3に示したROM111を含む。
【0045】
ここで制御部20が備える各機能部について説明する。制御部20は、取得部30と、操作受付部31と、画像解析部32と、画像記録部33と、表示制御部34と、通話部35と、警告部36と、電力制御部37とを備える。
【0046】
取得部30は、各種の情報を取得する。取得部30は、取り外し信号取得部300と、傾き検出データ取得部301と、撮影画像取得部302とを備える。
取り外し信号取得部300は、取り外し検出部21から取り外し信号A1を取得する。
傾き検出データ取得部301は、傾き検出部22から傾きデータB1を取得する。
撮影画像取得部302は、撮影部23から画像データC1を取得する。
【0047】
操作受付部31は、操作部24に行われた各種の操作を受け付ける。
画像解析部32は、撮影画像取得部302が取得した画像データC1が示す画像について、画像解析を行う。画像解析部32は、画像解析によって内に含まれる物体の画像を識別する。画像解析部32は、例えば、テンプレートマッチングに基づいて当該画像内に含まれる物体の画像を識別する。画像解析部32は、機械学習に基づいて当該物体の画像を識別してもよい。その場合、当該機械学習では、識別対象が予め学習された学習結果が用いられる。
【0048】
画像記録部33は、画像データC1を記憶部211に記憶させる。
表示制御部34は、表示部210を制御して、表示部210に各種の画面を表示させる。
【0049】
通話部35は、外部との通話を行うための処理を行う。
通話部35は、通信部28、音声出力部29、及び収音部25を制御して通話のための処理を実行する。通話部35が行う処理には、収音部25が収音したユーザの音声をアナログ信号からデジタル信号に変換する処理、ノイズ処理、及び信号の圧縮処理が含まれる。また、通話部35が行う処理には、通信部28を介して受信した信号の復元、加工、デジタル信号からアナログ信号への変換、音声出力部29からの音声の出力が含まれる。
【0050】
警告部36は、警告処理を行う。警告部36は、当該警告処理を、持ち出しモードにおいて通話部35によって通話が所定時間以上行われた場合に、電力制御部37に制御されて行われる。
【0051】
電力制御部37は、電力制御処理を行う。電力制御部37が行う電力制御処理は、持ち出しモードにおいて、内部電源部26の電力が無駄に消費されることを抑制するための処理である。
電力制御部37は、電源制御部370と、センサ制御部371と、通信制御部372と、撮影制御部373と、通話制御部374とを備える。なお、通信制御部372、撮影制御部373、及び通話制御部374は、計時機能を有する。
【0052】
電源制御部370は、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出された場合、ドライブレコーダ1への電源供給を外部電源から内部電源に切り替える。
【0053】
また、電源制御部370は、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出され、ドライブレコーダ1が所定以上の角度傾いている場合、内部電源をオフにする。なお、再度、ドライブレコーダ1の電源をオンにする場合、ユーザは操作ボタン11に含まれる電源ボタンを押下する。
【0054】
ここで持ち出しモードにおいてドライブレコーダ1を用いて撮影を行う場合、ドライブレコーダ1は、向きを略水平方向にされた状態でユーザの手によって保持されると考えられる。つまり、持ち出しモードにおいてドライブレコーダ1を用いて撮影を行う場合には、ドライブレコーダ1は所定以上の角度(例えば、45度)傾いていないと考えられる。一方、ドライブレコーダ1が所定以上の角度傾いている場合として、例えば、電源が入ったままになっていることに気がつかないでユーザがドライブレコーダ1を持ち歩く場合が考えられる。
【0055】
センサ制御部371は、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出された場合、センサ部27に含まれるセンサのうち加速度センサ113以外のセンサの動作を停止させ、加速度センサ113の検出頻度を低下させる。ここでセンサの動作を停止させるとは、当該センサへの電力の供給を停止する制御を行うことである。
【0056】
通信制御部372は、通信電力制御条件が満たされた場合に、外部との通信を停止する。通信電力制御条件とは、下記のいずれかの条件である。
(イ)所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に物体が撮影されていない場合;
(ロ)所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下である場合;
(ハ)所定時間以上、ドライブレコーダ1が通信圏外である場合;
【0057】
撮影を停止し忘れるなどして動画が撮影されていることに気がつかないままユーザがドライブレコーダ1を持ち歩く場合、ドライブレコーダ1は不要な動画を撮影してしまう。不要な動画をサーバに送信することは不要であるため、不要な動画を撮影している場合には、ドライブレコーダ1では、外部との通信を停止する。
【0058】
上記の通信電力制御条件において、所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に物体が撮影されていない場合には、ドライブレコーダ1は不要な動画を撮影していると考えられる。物体とは、ドライブレコーダ1が搭載される車両、当該車両以外の車両、人物、動物、または障害物などである。障害物とは、例えば、壁、ガードレールなどである。なお、通信電力制御条件を判定する場合に、上記の物体としてドライブレコーダ1が搭載される車両のみが扱われてもよい。
【0059】
所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下である場合とは、例えば、画像内の画素の色が、殆ど黒、あるいは殆ど白など、殆ど1色である場合である。持ち出しモードにおいてドライブレコーダ1を持ち運ぶ場合に、カメラ19のレンズが手で塞がれている、あるいはドライブレコーダ1がバッグに入れられている場合には、画像内の画素の色が、殆ど1色になると考えられる。画像内の画素の色が殆ど1色になる場合、ドライブレコーダ1は不要な動画を撮影していると考えられる。
【0060】
所定時間以上、ドライブレコーダ1が通信圏外である場合には、録画した動画をサーバに送信することができないため、外部との通信が一時的に停止される。通信が停止されている時期に撮影された画像は、ドライブレコーダ1が再び通信圏内に入った後に送信される。
【0061】
撮影制御部373は、上述した通信電力制御条件が満たされた場合に、撮影部23に録画を停止させる。
【0062】
通話制御部374は、ドライブレコーダ1が取付部3から取り外されている間に通話部35によって外部との通話が所定時間以上行われた場合、警告を行う、または当該通話を切断する。
【0063】
[電力制御処理]
図5は、本実施形態に係る電力制御処理の一例を示す図である。電力制御処理は、電力制御部37によって実行される。電力制御部37は、例えば、ドライブレコーダ1の電源がオンになっている間、電力制御処理を繰り返し実行する。
【0064】
ステップS10:電源制御部370は、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出されたか否かを判定する。ここで取り外し信号取得部300は、取り外し検出部21から取り外し信号A1を取得すると、取得した取り外し信号A1を電源制御部370に出力する。電源制御部370は、取り外し信号取得部300から取り外し信号A1を取得した場合、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出されたと判定する。
【0065】
電源制御部370が、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出されたと判定した場合(ステップS10;YES)、電力制御部37は、ステップS20の処理を実行する。一方、電源制御部370が、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出されていないと判定した場合(ステップS10;NO)、電力制御部37は、電力制御処理を終了する。
【0066】
ステップS20:電源制御部370は、ドライブレコーダ1への電源供給を外部電源から内部電源に切り替える。電源制御部370は、外部電源をオフにし、内部電源部26に電源を供給させる。
【0067】
ステップS30:センサ制御部371は、センサ部27に含まれるセンサのうち加速度センサ113以外のセンサの動作を停止させ、加速度センサ113の検出頻度を低下させる。センサ制御部371は、センサ部27に含まれるセンサのうち加速度センサ113以外のセンサとして、GPS受信機18、地磁気センサ114、及び気圧センサ115の動作を停止させる。
【0068】
ステップS40:センサ制御部371は、加速度センサ113の検出頻度を低下させる。センサ制御部371は、当該検出頻度を、ドライブレコーダ1が取付部3から取り外される前に比べて低下させる。
以上で、電力制御部37は、電力制御処理を終了する。
【0069】
(変形例1)
図6は、本実施形態の変形例1に係る電力制御処理の一例を示す図である。なお、ステップS110、ステップS120、ステップS130、及びステップS140の各処理は、
図5におけるステップS10、ステップS20、ステップS30、及びステップS40の各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
ステップS150:センサ制御部371は、ドライブレコーダ1が所定時間以上かつ所定以上の角度傾いているか否かを判定する。センサ制御部371は、傾き検出データ取得部301から傾きデータB1を取得する。センサ制御部371は、取得した傾きデータB1が示す角度が、所定時間以上、所定以上である場合にドライブレコーダ1が所定時間以上かつ所定以上の角度傾いていると判定する。ここで所定以上の角度とは、例えば、45度である。所定時間とは、例えば、5秒である。
【0071】
センサ制御部371が、ドライブレコーダ1が所定時間以上かつ所定以上の角度傾いていると判定した場合(ステップS150;YES)、電力制御部37はステップS160の処理を実行する。一方、センサ制御部371は、ドライブレコーダ1が所定時間以上かつ所定以上の角度傾いていないと判定した場合(ステップS150;NO)、電力制御部37は、ステップS170の処理を実行する。
【0072】
ステップS160:電源制御部370は、内部電源をオフにする。ここで電源制御部370は、内部電源部26に電力の供給を停止させる。その後、電力制御部37は、電力制御処理を終了する。
【0073】
ステップS170:通信制御部372は、所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に物体が撮影されていないか否かを判定する。通信制御部372は、画像解析部32に当該画像の画像解析を実行させる。当該画像解析では、当該画像に含まれる物体の画像が、例えば、テンプレートマッチング、または機械学習に基づいて識別される。通信制御部372は、画像解析部32から画像解析の結果を取得する。通信制御部372は、画像解析部32による画像解析の結果に基づいて、所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に物体が撮影されていないか否かを判定する。
【0074】
通信制御部372は、所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に物体が撮影されていないと判定した場合(ステップS170;YES)、ステップS180の処理を実行する。一方、通信制御部372は、所定時間以内に、撮影部23が撮影する画像内に物体が撮影されていると判定した場合(ステップS170;NO)、ステップS1100の処理を実行する。
【0075】
ステップS180:通信制御部372は、外部との通信を停止する。ここで通信制御部372は、例えば、内部電源部26から通信部28への電力の供給を停止させることによって外部との通信を停止する。
【0076】
ステップS190:撮影制御部373は、撮影部23に録画を停止させる。ここで通信制御部372は、外部との通信を停止したことを示す信号を撮影制御部373に出力する。撮影制御部373は、当該信号を取得すると、撮影部23に録画を停止させるための制御信号を出力する。なお、撮影制御部373は、内部電源部26から撮影部23への電力の供給を停止させることによって撮影部23に録画を停止させてもよい。
【0077】
ステップS1100:通信制御部372は、所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下であるか否かを判定する。通信制御部372は、画像解析部32に当該画像の画像解析を実行させる。当該画像解析では、当該画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が算出される。通信制御部372は、画像解析部32から画像解析の結果を取得する。通信制御部372は、画像解析部32による画像解析の結果に基づいて、所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下であるか否かを判定する。
【0078】
通信制御部372は、所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下であると判定した場合(ステップS1100;YES)、ステップS180の処理を実行する。一方、通信制御部372は、所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下でないと判定した場合(ステップS1100;NO)、電力制御部37は、ステップS1110の処理を実行する。
【0079】
ステップS1110:通信制御部372は、所定時間以上、ドライブレコーダ1が通信圏外であるか否かを判定する。通信部28は、通信用アンテナ16が受信する電波の強度に基づいてドライブレコーダ1が通信圏外であるか否かを示す情報を生成する。通信制御部372は、通信部28が生成した当該情報に基づいて、所定時間以上、ドライブレコーダ1が通信圏外であるか否かを判定する。
【0080】
通信制御部372は、所定時間以上、ドライブレコーダ1が通信圏外であると判定した場合(ステップS1110;YES)、ステップS180の処理を実行する。一方、通信制御部372は、所定時間以上、ドライブレコーダ1が通信圏外でないと判定した場合(ステップS1110;NO)、電力制御部37は、電力制御処理を終了する。
以上で、電力制御部37は、電力制御処理を終了する。
【0081】
なお、
図6に示した電力制御処理において、ステップS120からステップS150までの各処理は省略されてもよい。つまり、ステップS110において、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出されたと判定された場合、電源制御部370は、内部電源をオフにしてもよい。換言すれば、その場合、ドライブレコーダ1では、持ち出しモード時には、電源が内部電源に切り替えられた後、自動的に内部電源はオフになる。
【0082】
また、ステップS170、ステップS1100、またはステップS1110の処理のうちいずれか1以上が省略されてもよい。つまり、外部との通信を停止するか否かを判定するために、通信電力制御条件のうちいずれか1以上が省略されてもよい。
【0083】
また、ステップS180の処理とステップS190の処理とは、順番を入れ替えて実行されてもよい。また、ステップS190の処理は省略されてもよい。つまり、ステップS170、ステップS1100、及びステップS1110によって判定される通信電力制御条件のいずれか1以上が満たされた場合に、外部との通信を停止する処理と、撮影部に録画を停止させる処理とのうち、外部との通信を停止する処理のみが実行されてもよい。
【0084】
また、ステップS160の処理は、ステップS180の処理またはステップS190の処理、またはその両方(ステップS180及びステップS190)の処理に置き換えられてもよい。また、ステップS180の処理及びステップS190の処理は、ステップS160の処理に置き換えられてもよい。
【0085】
(変形例2)
図7は、本実施形態の変形例2に係る電力制御処理の一例を示す図である。なお、ステップS210、ステップS220、ステップS230、ステップS240、ステップS250、ステップS260、ステップS270、ステップS280、ステップS290、ステップS2100、ステップS2110の各処理は、
図6におけるステップS110、ステップS120、ステップS130、ステップS140、ステップS150、ステップS160、ステップS170、ステップS180、ステップS190、ステップS1100、ステップS1110の各処理と同様であるため、説明を省略する。
なお、ステップS260の処理は、ステップS280の処理またはステップS290の処理、またはその両方(ステップS280及びステップS290)の処理に置き換えられてもよい。また、ステップS280の処理及びステップS290の処理は、ステップS260の処理に置き換えられてもよい。
【0086】
ステップS2120:通話制御部374は、外部との通話が所定時間以上行われたか否かを判定する。通話部35は、通話時間を示す情報を通話制御部374に出力する。通話制御部374は、通話部35から出力される通話時間を示す情報に基づいて、外部との通話が所定時間以上行われたか否かを判定する。
【0087】
通話制御部374は、外部との通話が所定時間以上行われたと判定した場合(ステップS2120;YES)、ステップS2130の処理を実行する。一方、通話制御部374が、外部との通話が所定時間以上行われていないと判定した場合(ステップS2120;NO)、電力制御部37は、電力制御処理を終了する。
【0088】
ステップS2130:通話制御部374は、警告を行う。通話制御部374は、警告部36を介して、外部との通話が所定時間以上行われていることを示す警告を行う。通話制御部374は、警告処理を実行させるための制御信号を警告部36に出力する。警告部36は、当該制御信号を取得すると、音声出力部29に警告音を出力させる。
【0089】
なお、警告部36が行う警告処理は上記したものに限らない。警告処理として、警告部36は、表示制御部34を介して表示部210に警告のための文字列を表示させてもよい。また、ドライブレコーダ1がLEDランプなどの発光部を備える場合には、警告部36は、警告処理として、当該発光部を点滅させてもよい。
また、警告部36は、警告処理として、上記した警告音の出力、警告のための文字列の表示、及び発光部の点滅のうち1以上を組み合わせてもよい。
以上で、電力制御部37は、電力制御処理を終了する。
【0090】
なお、
図7に示した電力制御処理では、ステップS2130において、通話制御部374が警告を行う場合の一例について説明したが、これに限られない。通話制御部374は、警告を行う代わりに、または警告とともに、外部との通話を切断してもよい。その場合、通話制御部374は、通話部35に当該通話を切断させる。
【0091】
なお、撮影制御部373は、取り外し検出部21によってドライブレコーダ1が取付部3から取り外されたことが検出された場合、静止画撮影ボタンの長押しを無効にしてもよい。上述したように、静止画撮影ボタンが押下されている間、カメラ19は所定のタイミングにおいて静止画は連続して撮影され続ける。静止画撮影ボタンの長押しを無効にするとは、静止画撮影ボタンが押下された場合に、押下されている時間に関わらず、1枚の静止画しか撮影しないように制御を行うことである。
【0092】
なお、制御部20は、ドライブレコーダ以外の種類の車両に搭載される機器の機能として備えられてもよい。当該機器は、例えば、取り外して持ち出して使用することが可能なモニターである。
【0093】
以上に説明したように、本実施形態に係る車両搭載装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)は、取り外し検出部21と、1以上のセンサ(本実施形態において、センサ部27)と、電力制御部(本実施形態において、電源制御部370、及びセンサ制御部371)とを備える。
取り外し検出部21は、車両に搭載される取り付け部(本実施形態において、保持部4)から自装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)が取り外されたことを検出する。
1以上のセンサ(本実施形態において、センサ部27)は、加速度センサ113を含む。
電力制御部(本実施形態において、電源制御部370、及びセンサ制御部371)は、取り外し検出部21によって自装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)が取り付け部(本実施形態において、保持部4)から取り外されたことが検出された場合、自装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)への電源供給を外部電源から内部電源(本実施形態において、バッテリー17)に切り替え、センサ(本実施形態において、センサ部27)のうち加速度センサ113以外のセンサ(本実施形態において、地磁気センサ114、気圧センサ115)の動作を停止させ、加速度センサ113の検出頻度を低下させる。
【0094】
この構成により、本実施形態に係る車両搭載装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)では、車両から取り外した形態で利用する場合においてセンサの消費電力を少なくできるため、車両から取り外した形態で利用する場合において無駄に電力が消費されることを抑制できる。
【0095】
また、本実施形態に係る車両搭載装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)では、電力制御部(本実施形態において、電源制御部370)は、取り外し検出部21によって自装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)が取り付け部(本実施形態において、保持部4)から取り外されたことが検出された場合、または自装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)が所定以上の角度傾いている場合、内部電源(本実施形態において、バッテリー17)をオフにする。
【0096】
この構成により、本実施形態に係る車両搭載装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)では、車両から取り外した形態で利用する場合において、電源が入ったままになっていることに気がつかないでユーザがドライブレコーダ1を持ち歩く場合などにおいて内部電源をオフにできるため、無駄に電力が消費されることを抑制できる。
【0097】
また、本実施形態に係る車両搭載装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)では、画像を撮影する撮影部23をさらに備える。
電力制御部(本実施形態において、通信制御部372)は、下記のいずれか1つ以上の条件が満たされた場合に、外部との通信を停止しかつ録画を停止する、または、内部電源をオフにする。
(イ)所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に物体が撮影されていない場合;
(ロ)所定時間以上、撮影部23が撮影する画像内に含まれる色に対応する画素値の分散が所定以下である場合;
(ハ)所定時間以上、自装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)が通信圏外である場合;
【0098】
この構成により、本実施形態に係る車両搭載装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)では、車両から取り外した形態で利用する場合において、不要な動画を撮影してしまっている場合に通信を停止でき、かつ不要な動画の撮影を停止できるため、不要な動画を送信してしまうこと及び不要な動画の撮影によって無駄に電力が消費されることを抑制できる。
【0099】
なお、一度内部電源をオフにした後、起動までに時間がかかる場合であっても、本実施形態に係る車両搭載装置では、内部電源をオフにせずに通信を停止するため、不要な動画を撮影してしまっている場合に、撮影を開始するまでの時間を短くできる。
【0100】
また、本実施形態に係る車両搭載装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)では、外部との通話を行うための処理を行う通話部35をさらに備える。
電力制御部(本実施形態において、通話制御部374)は、自装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)が取り付け部(本実施形態において、保持部4)から取り外されている間に通話部35によって外部との通話が所定時間以上行われた場合、警告を行う、または当該通話を切断する。
【0101】
この構成により、本実施形態に係る車両搭載装置(本実施形態において、ドライブレコーダ1)では、車両から取り外した形態で利用する場合において、外部との通話が所定時間以上行われた場合、警告を行う、または当該通話を切断できるため、長時間通話によって無駄に電力が消費されることを抑制できる。
【0102】
なお、上述した実施形態におけるドライブレコーダ1の一部、例えば、制御部20をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、ドライブレコーダ1に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態におけるドライブレコーダ1の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。ドライブレコーダ1の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0103】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0104】
1…ドライブレコーダ、4…保持部、21…取り外し検出部、17…バッテリー、37…電力制御部、370…電源制御部、371…センサ制御部、27…センサ部、113…加速度センサ